JP2004347388A - 精度測定用基準器 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の端度器を同一軸上で測定できるようにする。
【解決手段】複数の長さを検定するための精度測定用基準器において、長さの異なる複数の端度器22と、該端度器22を回転移動するための駆動チェーン44又は回転ドラム80と、これらにより移動される端度器22を、同じ測定位置で固定するブレーキ機構52、90とを備える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の長さを検定するための精度測定用基準器に係り、特に、複数の端度器を同一軸上で測定することが可能な精密測定用基準器に関する。
【0002】
【従来の技術】
リニヤスケールやハイトゲージ等の長さ測定装置の検定を行なうために、従来より使用している複数の端度器を使用した基準器には、図1(A)(平面図)、(B)(正面図)(C)(側面図)に示す如く、単位長さの端度器12を一直線上につなぎ合わせてベース14上に一列に並べたチェックマスタ10と、図2(A)(平面図)、(B)(正面図)、(C)(側面図)に示す如く、長さの異なる複数の端度器22を治具(図示省略)によりベース24上に積み重ねたり、横に並べて配置した検査治具20がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示したチェックマスタ10は、現在の校正方法では不確かさが大きい(0.76μm/m程度)ため、高精度な装置の基準に使用することはできない。
【0004】
一方、図2に示した検査治具20は、長さの異なる複数の端度器22同士の干渉を避けるために、端度器22を積み重ねたり、横に並べて配置しているため、単一軸測定をする際に、測定したい軸以外の軸位置が定位置になく、その結果、2軸の位置ずれ量が測定誤差に入ってしまうという問題点を有する。
【0005】
更に、検査治具20は、端度器22を横に並べるため、チェックマスタ10に比べ設置スペースが大きくなるという問題点も有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、高精度な長さ測定を行なうために、不確かさが小さく、且つ、チェックマスタのように測定軸以外の座標を変えることなく、単一軸測定を可能とすることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の長さを検定するための精度測定用基準器において、長さの異なる複数の端度器と、該端度器を回転移動するための回転移動手段と、該回転移動手段により移動される端度器を、同じ測定位置で固定する固定手段とを備えることにより、前記課題を解決したものである。
【0008】
又、前記回転移動手段をチェーン又はベルトとし、前記端度器を、その上に配設したものである。
【0009】
あるいは、前記回転移動手段を回転ドラムとし、前記端度器を、その周上に配設したものである。
【0010】
又、前記端度器を、端度器保持ベースや回転ドラムの自重による変形の影響を受けないように取付けるようにしたものである。
【0011】
又、前記端度器を、熱膨張係数の違いによる長さ変化の違いを吸収する機構を介して、前記回転移動手段に保持するようにしたものである。
【0012】
又、前記回転移動手段に、前記端度器を位置決めするための位置決め機構を設けたものである。
【0013】
又、前記回転移動手段に、端度器の長さの違いによる重さの違いを補償するためのカウンタウェイトを配設したものである。
【0014】
又、前記固定手段をブレーキ機構としたものである。
【0015】
又、前記固定手段に、前記端度器を位置決めするための位置決め機構を設けたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0017】
本発明の第1実施形態は、図3(斜視図)、図4(正面図)及び図5(側面図)に示す如く、長さの異なる複数の端度器22を、ステー30を介して駆動チェーン44に取付けられた吊具32に吊られた端度器保持ベース(以下、単にベースと称する)34に固定具36により固定し、上下の回転軸40、42間に掛け渡された前記駆動チェーン44を駆動する駆動部(図では駆動ハンドル)46により、矢印Aに示す如く、メリーゴーラウンドのようにベース34の位置を変えて、例えば図の上端位置に設けられた測定位置B(図5参照)に、測定対象となる端度器22を移動できるようにしたものである。図において、50は架台である。
【0018】
前記端度器22は、例えばレーザー測長器とオプティカルフラットを組合せたような、不確かさの少ない校正機によって、0.142μm/m程度の不確かさで校正されている。
【0019】
前記測定位置Bには、図6に詳細に示す如く、矢印Cに示す如く移動して、ベース34を該測定位置Bで両側から固定するためのブレーキピストン54を含むブレーキ機構52が設けられている。このブレーキ機構52は、測定時には、ブレーキピストン54の先端がベース34の凹部34Aと係合して、端度器22が測定位置で静止すると共に、位置決め精度も確保するようにされている。
【0020】
各端度器22は、図7(A)(平面図)及び(B)(正面図)に例示する如く、その直交する2方向の一端(図7(A)の左端及び下端)をそれぞれ位置決めする基準側硬球62、63と、該基準側硬球62、63の反対側にそれぞれ設けられた、スプリング64、65により移動自在とされた硬球66、67により保持され、端度器22の伸びC、Dを束縛しないようにして、ベース34等との熱膨張係数の差により変形しないようにされている。更に、上下に関しても、下面が回転軸68に保持され、上面がスプリング69により移動自在とされた硬球70により保持され、端度器22の伸びEを束縛しないようにされている。
【0021】
なお、図7に示した保持装置では、端度器22の長辺及び短辺の両側に基準側硬球62、63が設けられていたが、図8(A)(平面図)、(B)(正面図)及び(C)(側面図)に示す変形例のように、端度器22に円錐形状の凹部22A及びV溝22Bを設け、該凹部22A及びV溝22Bの一方(図8(A)では下側)に基準側硬球63を設け、反対側(図8(A)では上側)にスプリング65を介して硬球67を当てることによって、4点で端度器22を保持することも可能である。
【0022】
前記端度器22は、ベース34が自重で撓んだ時の変形を吸収するために、図9に示す如く、例えばV字状の凹部22AとV溝22Bの組合せにより固定具36で固定されている。
【0023】
このようにして、長さの異なる端度器22を、メリーゴーランドのように回転移動されるベース34上に固定し、ブレーキ機構52によって同じ測定位置Bで固定することにより、測定軸以外の座標を変えることなく、長さの異なる端度器22について単一軸測定を行なうことが可能となる。
【0024】
本実施形態によれば、チェーン44の配設幅に比べて、多数の端度器22を配設することができる。なお、チェーンの代わりに回転ベルトを用いても良い。
【0025】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
【0026】
本実施形態は、図10(正面図)及び図11(側面図)に示す如く、長さの異なる端度器22を回転ドラム80の円周上に配設したものである。
【0027】
前記回転ドラム80の回転軸82は、ベース84の軸受86によって回転自在に保持され、駆動部(図では駆動ハンドル)88により回転自在とされている。
【0028】
前記回転軸82の一端(図10では右端)近傍には、図12(A)(正面図)及び(B)(側面図)に示すような、ブレーキ板92及びブレーキピストン94を有するブレーキ機構90が配設されている。
【0029】
前記ブレーキ板92には、端度器22と対応する位置に凹部92Aが形成され、図13(A)(正面図)及び(B)(側面図)に示す如く、前記ブレーキピストン94の先端を該凹部92Aに挿入することにより、例えば図11の上端に設けられた測定位置Bで静止の安定性を向上すると共に、位置決め精度を維持することができる。
【0030】
図において、96は、ブレーキピストン94を凹部92Aに当てた際の変形を吸収するための板ばねである。
【0031】
この第2実施形態によれば、第1実施形態のように端度器22が移動中にをふらつくことがなく、安定して移動できる。
【0032】
なお、回転時の端度器長さの違いによる重さの違いを吸収して駆動部への負荷を少なくするため、図14に示す第3実施形態の如く、カウンタバランスウェイト100を設けても良い。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、複数の端度器を、チェックマスタのように測定軸以外の座標を変えることなく、同一軸上で測定することができ、高精度の検定を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のチェックマスタの構成を示す正面図、平面図及び側面図
【図2】同じく検査治具の構成を示す正面図、平面図及び側面図
【図3】本発明の第1実施形態の構成を示す斜視図
【図4】同じく正面図
【図5】同じく側面図
【図6】第1実施形態で用いられているブレーキ機構の詳細を示す拡大断面図
【図7】同じく保持装置の構成を示す平面図及び正面図
【図8】同じく保持装置の変形例を示す平面図及び正面図
【図9】同じくベースが撓んでいる状態を示す正面図
【図10】本発明の第2実施形態の全体構成を示す正面図
【図11】同じく側面図
【図12】同じくブレーキ機構の開放時の状態を示す正面図及び側面図
【図13】同じく位置決め時の状態を示す正面図及び側面図
【図14】本発明の第3実施形態の構成を示す正面図
【符号の説明】
22…端度器
22A…凹部
22B…V溝
32…吊具
34…端度器保持ベース
36…固定具
40、42、82…回転軸
44…駆動チェーン
46、88…駆動部
50…架台
52、90…ブレーキ機構
54、94…ブレーキピストン
80…回転ドラム
84…ベース
92…ブレーキ板

Claims (9)

  1. 複数の長さを検定するための精度測定用基準器において、
    長さの異なる複数の端度器と、
    該端度器を回転移動するための回転移動手段と、
    該回転移動手段により移動される端度器を、同じ測定位置で固定する固定手段と、
    を備えたことを特徴とする精度測定用基準器。
  2. 前記回転移動手段がチェーン又はベルトとされ、前記端度器が、その上に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の精度測定用基準器。
  3. 前記回転移動手段が回転ドラムとされ、前記端度器が、その周上に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の精度測定用基準器。
  4. 前記端度器が、端度器保持ベースや回転ドラムの自重による変形の影響を受けないように取付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の精度測定用基準器。
  5. 前記端度器が、熱膨張係数の違いによる長さ変化の違いを吸収する機構を介して、前記回転移動手段に保持されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の精度測定用基準器。
  6. 前記回転移動手段に、前記端度器を位置決めするための位置決め機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の精度測定用基準器。
  7. 前記回転移動手段に、端度器の長さの違いによる重さの違いを補償するためのカウンタウェイトが配設されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の精度測定用基準器。
  8. 前記固定手段がブレーキ機構であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の精度測定用基準器。
  9. 前記固定手段に、前記端度器を位置決めするための位置決め機構が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の精度測定用基準器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS55165202U (ja) * 1979-05-15 1980-11-27
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