JP3369430B2 - 摩擦摩耗試験機 - Google Patents

摩擦摩耗試験機

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JP3369430B2 JP07818397A JP7818397A JP3369430B2 JP 3369430 B2 JP3369430 B2 JP 3369430B2 JP 07818397 A JP07818397 A JP 07818397A JP 7818397 A JP7818397 A JP 7818397A JP 3369430 B2 JP3369430 B2 JP 3369430B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の摩擦摩耗試
験をおこなう摩擦摩耗試験機に関する。さらに特定すれ
ば、本発明は摩擦摩耗試験の際の摩擦力の検出精度を向
上させたアーム形の摩擦摩耗試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トライボロジすなわち摩擦・
摩耗現象を測定するために摩擦摩耗試験が行われてい
る。この摩擦摩耗試験として、円板状のデイスク試料の
上にピン状のピン試料、ボール状のボール試料、リング
状のリング試料等のいわゆるピース試料を所定の荷重で
加圧し、このデイスク試料を回転させてこのデイスク試
料とピース試料との間の摩擦・摩耗現象を測定するもの
がある。
【0003】このような試験をおこなう摩擦摩耗試験機
としては、基端部を固定保持したアームの先端部に上記
のピース試料を保持し、このアームに生じる歪みを歪み
ゲージ等により測定し、上記のピース試料に作用する摩
擦力を測定するものがある。しかし、このようなもの
は、その測定精度に限界があり、また歪みゲージの較正
等が面倒である。
【0004】また、上記のアームの基端部を回転軸に取
り付け、この回転軸のトルクをトルク検出器により測定
し、摩擦力を測定するものがある。しかし、このような
ものは、上記の回転軸を支承する軸受機構の回動抵抗そ
の他の抵抗力による誤差が生じやすい。また、このよう
なものは、摩擦力がアームおよび回転軸を介してトルク
検出器に伝達されるため、これらのアームや回転軸の弾
性変形が生じ、たとえば短時間の間に生じる摩擦力の変
動を測定するような場合に、これらの弾性変形により摩
擦力の検出の応答性が低下する等の不具合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上の事情に
基づいてなされたもので、摩擦力の測定精度が高く、ま
た摩擦力の測定の応答性が高いとともに較正も簡単であ
り、かつ構造も簡単で信頼性の高い摩擦摩耗試験機を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、デイスク試料を回転駆動するデイスク駆動機構と、
先端部に上記のデイスク試料に摺接するピース試料を保
持し基端部が上記のデイスク試料の回転軸と平行な軸回
りに回動自在に保持された負荷アームと、この負荷アー
ムの先端部に保持された上記のピース試料に所定の負荷
荷重を作用させる負荷加圧機構と、上記の負荷アームの
先端部の側部に当接し上記のデイスク試料とピース試料
との摩擦によりこの負荷アームの先端部に作用する上記
のデイスク試料の回転周方向の力を検出する摩擦力検出
機構とを備えたものである。
【0007】したがって、上記のデイスク試料とピース
試料との間の摩擦力は、負荷アームの先端部を介して直
接的に摩擦力検出機構に伝達される。この場合に、この
摩擦力はこの摩擦力検出機構により直接的に測定される
とともに、この摩擦力の大部分がこの摩擦力検出機構に
より支承されることになるので、この負荷アームの基端
部を回転自在に支承する軸受機構等に作用する荷重が少
なく、よってこれらの軸受機構等の抵抗の誤差が減少
し、高い精度で摩擦力を測定できる。
【0008】また、この摩擦力は上記のように摩擦力検
出機構に直接的に伝達されるので、負荷アームの変形、
回転軸のねじり変形等による摩擦力測定の応答性が低下
することがなく、高い応答性が得られる。
【0009】さらに、このものは摩擦力検出機構を較正
する場合に、負荷アームや回転軸の変形等を考慮する必
要がなく、較正も容易であるとともに、構造が簡単で信
頼性も高い。
【0010】さらに、請求項に記載の本発明は、前記
の負荷アームは、高い負荷荷重で使用される高負荷用ア
ームと、低い負荷荷重で使用される低負荷用アームの2
つの負荷アームが設けられ、これらの高負荷用アームと
低負荷用アームは、それらの先端部が上記のデイスク試
料上に位置する使用位置と、それらの先端部が上記のデ
イスク試料上から外れた位置に位置する待機位置とに選
択的に回動可能であり、また前記の負荷加圧機構は上記
の使用位置にある上記の高負荷用アームと低負荷用アー
ムの先端部にそれぞれ当接可能な高負荷用加圧機構と低
負荷用加圧機構とを備え、また前記の摩擦力検出機構は
上記の使用位置にある上記の高負荷用アームと低負荷用
アームの側部にそれぞれ当接可能な高負荷用摩擦力検出
機構と低負荷用摩擦力検出機構とを備えたものである。
【0011】したがって、低負荷用アームは軽量に形成
できるとともにその軸受機構等も低抵抗にすることがで
き、また、低負荷用加圧機構や低負荷用摩擦力検出機構
も低負荷に対応した高い精度のものとすることができる
ので、高い精度で摩擦力を測定でき、また上記の摩擦力
の測定の応答性も高くすることができる。
【0012】また、請求項に記載の本発明は、前記の
低負荷用アームの基端部は、ころがり軸受により回動自
在に支承されていることを特徴とするものである。した
がって、この軸受部の回動抵抗が減少するので、摩擦力
の測定精度、測定の応答性がより高くなる。なお、この
低負荷用アームは低負荷しか作用しないので、上記のよ
うなころがり軸受でも十分に荷重を支承することができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の一実
施形態を説明する。この実施形態のものは、デイスク試
料とピース試料との摩擦摩耗試験を行うアーム形の摩擦
摩耗試験機である。まず、図1ないし図3を参照してこ
の実施形態の摩擦摩耗試験機の概略を説明する。
【0014】この試験機は測定部1と制御部2とから構
成されている。上記の測定部1は、フレームを備えた箱
状をなし、内部の温度や気圧を変化させ、また油循環等
の機能を備えており、室温、恒温、低温、高温、真空、
油循環等の各種の雰囲気内で摩擦摩耗試験を実施でき
る。
【0015】また、上記の制御部2には、各種の制御装
置が設けられ、後述する摩擦摩耗試験の各機構の制御や
測定、および上記の測定部内の雰囲気の制御等をおこな
うことができる。またこの制御部2には、所定のプロセ
スの摩擦摩耗試験を自動的に実施することができるプロ
グラム機能を有している。
【0016】そして、上記の測定部1内には、摩擦摩耗
試験をおこなう装置が設けられている。この測定部1内
には、この装置の基台となる下部基台10と、この上方
に立設された上部基台20とが設けられている。
【0017】そして、この下部基台10には、デイスク
駆動機構11が設けられている。このデイスク駆動機構
11には、サーボモータ、減速機等の機構が内蔵され、
またこの上端部には円板状のデイスク試料載置板12が
水平に装着され、この上にデイスク試料が装着される。
このデイスク駆動機構11は、前記の制御部2によって
制御され、上記のデイスク試料載置板12上に装着され
たデイスク試料を任意の速度で回転駆動する。また、こ
のデイスク駆動機構11の上部には、上記のデイスク試
料12を収容する油容器19が設けられ、油循環雰囲気
で摩擦摩耗試験を実施できるように構成されている。な
お、このデイスク駆動機構11全体は、後述するように
上記の下部基台10に対して水平に移動可能である。
【0018】また、上記の下部基台10の上には、負荷
アームとして高負荷用アーム13および低負荷用アーム
14とが設けられている。この高負荷用アーム13およ
び低負荷用アーム14の基端部は、上記のデイスク駆動
機構11の回転軸と平行な鉛直方向の軸15,16に水
平方向に回動自在に支承され、またその先端部にはピン
試料等のピース試料が装着され、これらのアーム13,
14の先端部を上記のデイスク駆動機構11のデイスク
試料の上まで回動させてこのピース試料をデイスク試料
の上に加圧してこのデイスク試料を回転させることによ
り、これらの試料の間の摩擦摩耗試験をおこなうもので
ある。
【0019】なお、上記のアーム13,14の軸15,
16は、上記のデイスク駆動機構11に対して互いに1
80°対向した位置に配置され、これらのアーム13,
14が互いに干渉しないように構成されている。
【0020】また、上記のアーム13,14の先端部に
は、ピース試料を保持するためのホルダ部31,34が
設けられ、これらホルダ部31,34には後述するよう
なピース試料の振動を検出する機構等が装着される。
【0021】上記の高負荷用アーム13は、上記のピー
ス試料にたとえば5000Nまでの高負荷を加圧して摩
耗摩擦試験をおこなう際に使用されるものである。ま
た、上記の低負荷用アームは、たとえば0.5〜50N
の低負荷をピース試料に加圧して摩擦摩耗試験をおこな
う際に使用するものである。なお、これらアーム13,
14は、使用する場合にはその先端部が上記のデイスク
試料の上に位置するような使用位置に回動され、また使
用しない場合にはその先端部がデイスク駆動機構11か
ら離れて位置する待機位置に回動される。図3には、上
記の高負荷用アーム13が使用位置に、また低負荷用ア
ーム14が待機位置にある状態を図示してある。なお、
これらのアーム13,14が待機位置にある場合には、
それらの先端部はブロック状の保持ブロック21により
保持される。なお、これらの保持ブロック21は取外し
自在である。
【0022】また、上記の上部基台20には、上記のピ
ース試料に所定の負荷を加圧する負荷加圧機構が設けら
れている。図3には、上記の高負荷用アーム13に高い
負荷を加圧する高負荷加圧機構22を示し、たとえばベ
ロフラム機構に加圧空気を供給して上述したような範囲
の任意の負荷を上記の高負荷用アーム13の先端部に作
用させるものである。なお、上記の低負荷用アーム14
には、重錘により所定の負荷が加圧される。
【0023】また、これらのアーム13,14および軸
15,16の重量を相殺するために、バランス機構1
7,18がそれぞれ設けられ、これらの重量と釣り合っ
た重錘等により、軸15,16に上向荷重を作用させて
これらの重量を相殺する。
【0024】また、上記の下部基台10上には高負荷用
摩擦力検出機構23および低負荷用摩擦力検出機構24
が設けられている。これらの摩擦力検出機構23,24
は、アーム形のもので、上記の使用位置にある高負荷用
アーム13または低負荷用アーム14の先端部の側部に
デイスク試料の回転周方向から当接し、ピース試料とデ
イスク試料との間の摩擦力によってこれらアーム13,
14の先端部に発生する水平方向の荷重をロードセル等
により検出し、摩擦力を測定する。
【0025】次に、上記の各機構について説明する。ま
ず、前記の高負荷用加圧機構22は、前述したベロフラ
ム機構35を備え、このベロフラム機構35は制御され
た所定圧力の加圧空気が供給され、所定の加圧荷重を発
生する。この加圧荷重は、上下に摺動自在なロッド36
を介して上記の高負荷用アーム13の先端のホルダ部3
1の上面を上方から加圧する。なお、このロッド36の
下端部にはローラ37が設けられ、この高負荷用アーム
13の先端部のデイスク試料の回転周方向の移動を拘束
しないように構成されている。なお、この高負荷用加圧
機構22の加圧荷重は、適宜の箇所に設けられたロード
セルによって検出される。
【0026】また、上記の高負荷用アーム13は、アー
ム本体30と、このアーム本体30の先端部に設けられ
た上記のホルダ部31と、このアーム本体30の基端部
を上記の軸15に回転自在に支承する軸受部32とから
構成されている。
【0027】そして、前記の高負荷用摩擦力検出機構2
3は、図4に示すようにアーム部材41と摩擦力検出用
のロードセル42を備えている。そして、上記のアーム
部材41の先端部は、非拘束継手機構43を介して上記
の高負荷用アーム13のホルダ部31の側部、たとえば
鉛直に形成された側面に当接している。
【0028】この非拘束継手機構43は、上記のホルダ
部31からアーム部材41に対して、デイスク試料の回
転周方向でかつ水平方向の分力成分、すなわち図4に示
すデイスク試料Aとピン試料B等のピース試料Bとの摩
擦力に正確に対応した分力成分のみを伝達するものであ
る。
【0029】この非拘束継手機構43は、図4および図
5に示すように、たとえば上記のホルダ部31側に鉛直
の軸46によって回転自在に支承されたローラ44と、
上記のアーム部材41の先端部側に上記の軸46と直交
する水平の軸47によって回転自在に支承されたローラ
45とを備え、これらのローラ44,45の周面が互い
に当接するように構成されている。
【0030】上記のデイスク試料Aとピン試料Bとの摩
擦面は図4に示すように、一般に高負荷用アーム13の
捩れ中心とは離れた位置にあり、よってこれらの間の摩
擦力によってこのアーム13に捩れ変形が生じる。ま
た、このアーム13には、上記の高負荷用加圧機構22
等からのその他の荷重も作用する。よって、摩擦摩耗試
験をおこなう際には、このアーム13に複雑な変形や荷
重が作用し、これらが上記の高負荷用摩擦検出機構23
のロードセルに伝達されると、誤差が生じる。
【0031】しかし、上記の非拘束継手機構は43は、
互いに直交する方向の軸46,47により回転自在に支
承された一対のローラ44,45の周面が互いに当接し
ているので、上記のホルダ部31からアーム部材に所定
の方向、すなわちデイスク試料Aの回転周方向でかつ水
平の方向の分力成分以外の荷重は、これらのローラ4
4,45の回動により全て逃がされる。よって、上記の
ロードセル42には、上記の方向の力しか伝達されず、
この方向の力は上記のデイスク試料Aとピン試料Bの摩
擦力に正確に対応しており、よってこの摩擦力を正確に
測定することができる。
【0032】なお、この非拘束継手機構は、図5に示す
ような構造のものには限定されず、図6および図7に例
示するような各種の構成のものが考えられる。図6に示
す非拘束継手機構43aは、アーム部材41側に上記と
同様に水平方向の軸52により回転自在に支承されたロ
ーラ51を設けるとともに、ホルダ部材31側には、一
対の座部材53の間に鋼球54を介在させたボール継手
を設けたものである。このような非拘束継手機構43a
も上記の非拘束継手機構43と同様に作用する。
【0033】また、図7に示す非拘束継手機構43b
は、アーム部材41側にフリーベアと称される回転ボー
ル軸受55を設け、またホルダ部31側には、平滑に仕
上げられた鉛直な座面を有する座面部材58を設けたも
のである。なお、上記のフリーベア55は、略半球状の
凹部を有する座受部材57に鋼球56を収容し、この鋼
球56と座受部材57の凹部との間には、複数の小鋼球
(図示せず)を介在させたものである。このものは、上
記の小鋼球の転動により上記の鋼球56が任意の方向に
回動し、上記の非拘束継手機構43と同様な作用をな
す。
【0034】また、上記の高負荷用アーム13のホルダ
部31は、デイスク試料Aにピン試料B等のピース試料
を正確に押圧するために、以下のような構造が採用され
ている。
【0035】すなわち、上記のホルダ部31は図4に示
すようにコ字状をなしており、その両端部には板ばね部
材60の両端部がそれぞれ取り付けられている。この板
ばね部材60は図8に示すように、鋼材料のブロックを
切削加工して形成され、両端部にブロック状の取付部6
1が形成され、また中央部にはブロック状の試料取付部
62が形成され、ここにピン試料Bが取付けられてい
る。なお、64はピン試料Bの取付螺子である。
【0036】そして、この試料取付部62と両端の取付
部61の間には、それぞれ上下一対の板ばね部63が一
体に形成されている。したがって、この板ばね部63が
弾性変形することにより、この板ばね部材60は板ばね
として作用する。また、上下一対の板ばね部63が一体
に形成された箱状の構造であるため、この板ばね部材6
0は所定の剛性、たとえば捩れ変形に対して所定の剛性
を有している。
【0037】前述したように、高負荷用アーム13に各
種の不所望な変形が生じた場合に、この板ばね部材60
の板ばね部63が弾性変形することにより、これらの不
所望な変形が吸収され、ピン試料Bを正確な方向に、た
とえば正確に鉛直な方向からデイスク試料A上に押圧す
ることができる。また、この板ばね部材60は、所定の
方向には剛性を有しているので、このピン試料Bに作用
する摩擦力によって、このピン試料B自体が不所望に傾
斜したりすることが防止される。
【0038】また、この板ばね部材60には、上記のピ
ン試料B等のピース試料の振動を直接的に検出するため
の機構が設けられている。すなわち、この板ばね部材6
0の試料取付部62の上部には、加速度検出器65が設
けられている。この加速度検出器65は、たとえば上下
方向の加速度を検出するもので、この加速度検出器65
からの出力信号は信号線66等を介してこの摩擦摩耗試
験機の前記の制御部2に送られ、この加速度信号をたと
えば積分することにより、この試料取付部62に取付け
られたピン試料B等のピース試料の振動、振幅等を算出
することができる。
【0039】このようなピン試料B等の振動の測定は、
摩擦・摩耗の挙動を解析する際などに測定されるが、上
記のものは、加速度検出器65が試料取付部62に直接
取付られているので、このピン試料Bの振動が加速度検
出器65に伝達される経路が短く、この振動が途中の部
材の変形や内部損失、あるいは慣性質量等により減衰さ
れることが少なく、高い精度でこのピン試料Bの振動等
を検出することができる。
【0040】また、この実施形態では、この試料取付部
62がブロック状をなしているので、ピン試料Bの振動
が伝達される際の減衰が極めて小さく、より測定精度を
高くすることができる。また、この板ばね部材60は、
複数の部材を接合して構成したものではなく、ブロック
状の材料を切削加工して一体に形成されたものであるか
ら、ピン試料Bの振動により複数の部材の接合部の間で
これら部材が別モードで振動する現象、いわゆるビビリ
が生じることがなく、より測定精度を向上させることが
できる。
【0041】なお、前記の低負荷用アーム14の先端部
に設けられているホルダ部34も上記と同様の構成であ
り、またこのホルダ部34には上記と同様の板ばね部材
が取り付けられる。また、この低負荷用アーム14に対
応して低負荷用摩擦力検出機構24が設けられ、この低
負荷用摩擦力検出機構24も上記の高負荷用摩擦力検出
機構23と同様な構成であり、かつ前記と同様の非拘束
継手機構を介して低負荷用アーム14のホルダ部34の
側面部に当接されている。なお、これらの機構は低負荷
用に設計されていることはもちろんである。
【0042】図12には、上記のような加速度検出器6
5によりピン試料Bの振動を検出して行う摩擦摩耗試験
の例を示す。この試験では、このピン試料Bとデイスク
試料Aの間の荷重と摩擦力の関係を測定するとともに、
上記の加速度検出器65によりこのピン試料Bの上下の
加速度を測定する。そして、この図12に示すように、
ある領域でこの加速度が急激に増大した場合には、この
ピン試料Bに摩擦面の焼付き現象が発生して面荒れが生
じたことが判明する。
【0043】また、図9ないし図11には、この低負荷
用アーム14が使用位置にある状態を示す。この低負荷
用アーム14には、たとえば軽減孔70等が形成される
等、低負荷用に軽量に形成されている。また、この低負
荷用アーム14の低負荷用加圧機構は、この実施形態の
場合には重錘71が使用され、この低負荷用アーム14
のホルダ部34の上には、この重錘71を載置する機構
が設けらている。
【0044】また、この低負荷用アーム14の軸受部3
5は、図11に示すようにボール軸受等のころがり軸受
が使用されており、上記の軸16との回動抵抗が小さく
なるように構成されている。なお、この低負荷用アーム
14には低い負荷しか作用しないので、上記のようなこ
ろがり軸受35によってこの負荷による荷重を支承する
ことができる。
【0045】また、前述の高負荷用アーム13、低負荷
用アーム14、高負荷用加圧機構22、バランス機構1
7,18、高負荷用摩擦力検出機構23、低負荷用摩擦
力検出機構24等は、上記の下部基台10および上部基
台20に据付け固定され、前述のデイスク駆動機構11
が偏心機構80によってこの下部基台10に対して水平
方向に移動させることができるように構成されている。
【0046】すなわち、このデイスク駆動機構11は、
その全体が移動台81上に取り付けられており、この移
動台81はレール82に沿って使用位置にあるアーム1
3,14と平行な方向に移動可能となっている。また、
この下部基台10上には、この移動台81を正確に移動
させることができるマイクロメータ機構83が設けられ
ている。また、この移動台81は、図9および図10に
示すクランプ機構84により任意の位置に固定すること
ができる。
【0047】したがって、このマイクロメータ機構83
を操作することにより、この移動台81とともにこのデ
イスク駆動機構11が水平方向に移動し、アーム13,
14のホルダ部31,34に取り付けられたピン試料B
とデイスク試料Aの回転中心の偏心量を調整することが
できる。これによって、このピン試料Bをデイスク試料
Aの任意の位置に正確に接触させることができる。
【0048】したがって、上記のアーム13,14等の
各機構を移動可能に構成する代わりに、このデイスク駆
動機構11を移動可能に構成することにより、上記のよ
うに偏心量の調整が可能であり、かつ構造が簡単とな
る。
【0049】なお、本発明は上記の実施形態には限定さ
れない。たとえば、本発明は高負荷用アームと低負荷用
アームの両方を備えたものには限定されず、一方のみを
備えた摩擦摩耗試験機に適用することもできる。
【0050】
【発明の効果】上述の如く本発明は、デイスク試料とピ
ース試料との間の摩擦力は、負荷アームの先端部を介し
て直接的に摩擦力検出機構に伝達されるとともに、この
摩擦力の大部分がこの摩擦力検出機構により支承される
ことになるので、この負荷アームの基端部を回転自在に
支承する軸受機構等に作用する荷重が少なく、よってこ
れらの軸受機構等の抵抗の誤差が減少し、高い精度で摩
擦力を測定できる。
【0051】また、この摩擦力は上記のように摩擦力検
出機構に直接的に伝達されるので、負荷アームの変形、
回転軸のねじり変形等による摩擦力測定の応答性が低下
することがなく、高い応答性が得られる。さらに、この
ものは摩擦力検出機構を較正する場合に、負荷アームや
回転軸の変形等を考慮する必要がなく、較正も容易であ
るとともに、構造が簡単で信頼性も高い等、その効果は
大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の摩擦摩耗試験機の全体の正
面図。
【図2】図1の測定装置の部分の正面図。
【図3】図2の3−3線矢視図。
【図4】図3の4−4矢視図。
【図5】非拘束継手機構の概略構成図。
【図6】別の形態の非拘束継手機構の概略構成図。
【図7】さらに別の形態の非拘束継手機構の概略構成
図。
【図8】板ばね部材の斜視図。
【図9】低負荷用アームが使用位置にある状態を背面か
ら見た背面図。
【図10】図9の10−10線矢視図。
【図11】低負荷用アームの拡大側面図。
【図12】摩擦摩耗試験の例を説明する線図。
【符号の説明】
11 デイスク駆動機構 12 デイスク載置台 13 高負荷用アーム 14 低負荷用アーム 15,16 軸 22 高負荷用加圧機構 23 高負荷用摩擦力検出機構 24 低負荷用摩擦力検出機構 35 ころがり軸受 71 重錘 A デイスク試料 B ピン試料

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デイスク試料を回転駆動するデイスク駆
    動機構と、先端部に上記のデイスク試料に摺接するピー
    ス試料を保持し基端部が上記のデイスク試料の回転軸と
    平行な軸回りに回動自在に保持された負荷アームと、こ
    の負荷アームの先端部に保持された上記のピース試料に
    所定の負荷荷重を作用させる負荷加圧機構と、上記の負
    荷アームの先端部の側部に当接し上記のデイスク試料と
    ピース試料との摩擦によりこの負荷アームの先端部に作
    用する上記のデイスク試料の回転周方向の力を検出する
    摩擦力検出機構とを具備しており、 前記の負荷アームは、高い負荷荷重で使用される高負荷
    用アームと、低い負荷荷重で使用される低負荷用アーム
    の2つの負荷アームが設けられ、これらの高負荷用アー
    ムと低負荷用アームは、それらの先端部が上記のデイス
    ク試料上に位置する使用位置と、それらの先端部が上記
    のデイスク試料上から外れた位置に位置する待機位置と
    に選択的に回動可能であり、また前記の負荷加圧機構は
    上記の使用位置にある上記の高負荷用アームと低負荷用
    アームの先端部にそれぞれ当接可能な高負荷用加圧機構
    と低負荷用加圧機構とを備え、また前記の摩擦力検出機
    構は上記の使用位置にある上記の高負荷用アームと低負
    荷用アームの側部にそれぞれ当接可能な高負荷用摩擦力
    検出機構と低負荷用摩擦力検出機構とを備えている こと
    を特徴とする摩擦摩耗試験機。
  2. 【請求項2】 前記の低負荷用アームの基端部は、ころ
    がり軸受により回動自在に支承されていることを特徴と
    する請求項1の摩擦摩耗試験機。
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