JP2004347348A - 超音波流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】流速測定部外部から伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させることにより、高精度に流体の流量を測定することができる超音波流量計を提供する。
【解決手段】被測定流体の流路20を規定する内壁21を有する流速測定部10と、流速測定部10の内壁に設けられ、超音波の送信及び又は受信を行う少なくとも1つの超音波振動子10a、10bを備えた超音波流量計50であって、流路内壁21に、流速測定部外部から伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる。
【選択図】 図1
【解決手段】被測定流体の流路20を規定する内壁21を有する流速測定部10と、流速測定部10の内壁に設けられ、超音波の送信及び又は受信を行う少なくとも1つの超音波振動子10a、10bを備えた超音波流量計50であって、流路内壁21に、流速測定部外部から伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波により流体の流量を精度良く計測する超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、所定の伝搬路を超音波が伝達する時間を計測することにより、流体の移動速度を測定し、その測定値から流量を計測する超音波流量計がガスメータや化学反応の制御等に利用されつつある。
【0003】
以下、図4を参照しながら、従来の超音波流量計の測定原理を説明する。図示されている超音波流量計では、管内の流体が速度Vにて図中の矢印で示す方向に流れている。超音波流量計の管壁103には、一対の超音波送受波器101及び102が相対して設置されている。超音波送受波器101及び102の各々は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するとともに、機械エネルギーを電気エネルギーに変化する変換素子(トランスデューサ)を備えている。この変換素子は、例えば、圧電セラミック等の圧電振動子で構成され、圧電ブザーや圧電発振子と同様に共振特性を示す。
【0004】
まず、超音波送受波器101を超音波の送波器として用い、超音波送受波器102を超音波の受波器として用いる場合について、超音波流量計の動作を説明する。
【0005】
超音波送受波器101の共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器101の圧電振動子に印加すると、超音波送受波器101は管内の流体中に超音波を放射する。この超音波は、伝搬経路L1に沿って伝搬し、超音波送受波器102に到達する。超音波送受波器102の圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0006】
この後、超音波送受波器102を超音波の送波器として動作させる。具体的には、超音波送受波器102の共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器102の圧電振動子に印加することにより、超音波送受波器102は管内の流体中に超音波を放射する。超音波は伝搬経路L2に沿って伝搬し、超音波送受波器101に到達する。超音波送受波器101の圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0007】
このように、超音波送受波器101及び102は、それぞれ、1つの超音波振動子でありながら、受波器としての機能と送波器としての機能を果たすことができる。この超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
【0008】
駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器101に印加して超音波送受波器101から超音波バースト信号を放射すると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器102に到達する。
【0009】
超音波送受波器102では伝達して来た超音波バースト信号のみを、高いS/N比で電気バースト信号に変換することができる。この電気バースト信号をトリガとして、再び超音波送受波器101に駆動用バースト電圧信号を印加して超音波バースト信号を放射する。
【0010】
このような装置を「シング・アラウンド装置」と呼ぶ。また、超音波パルスが超音波送受波器101から超音波送受波器102に到達するまでに要する時間を「シング・アラウンド周期」といい、その逆数を「シング・アラウンド周波数」という。
【0011】
図4の超音波流量計において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。更に、超音波送受波器101を送波器、超音波送受波器102を受波器として用いたとき、超音波送受波器101から出た超音波パルスが超音波送受波器102に到達する時間(シング・アラウンド周期)をt1、シング・アラウンド周波数f1とする。このとき、次式(1)が成立する。
【0012】
【数1】
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(1)
逆に、超音波送受波器102を送波器として、超音波送受波器101を受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、次式(2)の関係が成立する。
【0013】
【数2】
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(2)
上記式(1)及び(2)に基づいて、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、次式(3)で示される。
【0014】
【数3】
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(3)
式(3)からわかるように、超音波の伝搬経路の距離L及び周波数差Δfから、流体の流速Vを求めることができる。そして、流路断面積Sが決まっているため、流速Vから流量Qを決定することができる。
【0015】
【数4】
Q=S・V ・・・(4)
多くの流量計の場合、被測定流体は管路内を流れ、管路は流量計以外の他機器と接続されている。たとえば、他機器が内燃機関の場合、燃焼開始及び停止時、又は燃焼調整時等にバルブ等を開閉させるなどの動作を行うと、内燃機関内の被測定流体に圧力変動を生じさせる。その圧力変動は、被測定流体を介して流量計まで伝搬してくる。他機器は、流量計からみて下流側の場合、上流側の場合、又は両者の場合も存在する。つまり、圧力変動は流量計から見て下流側から、上流側から、又は両者から伝播してくることになる。圧力変動が生じた場合、仮に、配管系全体を流れている被測定流体の流量が0であっても、管路内を局所的にみると、圧力変動により被測定流体は圧力変動の周期で移動している。つまり、被測定流体の流速は、圧力変動の周期で変動していることになる。変動している被測定流体の最大流速の絶対値は、圧力変動の最大圧力の絶対値により決定される。定常流量が配管系を流れている場合は、定常流速のDC成分上に、圧力変動による交流成分の流速が重ね合わされることになる。
【0016】
超音波流量計では、被測定流体の流速を瞬時計測し、その流速を用いて流量に換算するため、圧力変動により被測定流体の流速が変動してしまうと正確な流量測定ができなくなるという問題点があった。これは、特にガスヒートポンプで圧力変動差が大きくなっていた。
【0017】
この問題を解決するため、流入口と流出口との間に圧力変動を吸収する脈動吸収構造の膜を備えるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、流入口と流出口との間に配置されたジャバラの収縮により圧力変動を吸収するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。さらに、流入口の近傍に、圧力変動が通過する流路と、圧力変動を位相反転させるバイパス流路とを併設して、圧力変動と反転した圧力変動とを重ね合わせて圧力変動を吸収させることにより相殺するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0018】
【特許文献1】
特開平11−281450号公報
【特許文献2】
特開平11−281434号公報
【特許文献3】
特開平11−281440号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2では、特別な圧力変動吸収部材又は機構が必要となり、かつ、圧力変動を吸収することにより圧力変動を除去しようとする消極的なものであり、圧力変動に対して、これを抑制可能な圧力波を積極的に発生させて抑制しようとする能動的な技術はなかった。また、特許文献3では、流入口の近傍で併設された2つの流路の出口付近で重ね合わせを行うため、圧力変動と反転した圧力変動とが必ずしも同じタイミングで確実に重ね合わせが行えず、圧力変動の抑制が効果的に行えないといった問題があった。
【0020】
本発明は上記の課題を解決するもので、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において圧力波を重ね合わせて抑制させることにより、高精度に流体の流量を測定することができる超音波流量計を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0022】
本発明の第1態様によれば、被測定流体の流路を規定する内壁を有する流速測定部と、上記流速測定部の内壁に設けられ、超音波の送信及び/又は受信を行うことにより上記流速測定部での上記被測定流体の流速を計測する少なくとも1つの超音波振動子を備えて、上記被測定流体の流速に基づいて上記被測定流体の流量を求める超音波流量計であって、
上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動を、上記流速測定部において抑制させる圧力波を発生させる圧力波発生装置を備える超音波流量計を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に,本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する前に、まず、本発明の種々の態様について説明する。
【0024】
本発明の第1態様によれば、被測定流体の流路を規定する内壁を有する流速測定部と、上記流速測定部の内壁に設けられ、超音波の送信及び/又は受信を行うことにより上記流速測定部での上記被測定流体の流速を計測する少なくとも1つの超音波振動子を備えて、上記被測定流体の流速に基づいて上記被測定流体の流量を求める超音波流量計であって、
上記流路内壁に、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動を、上記流速測定部において抑制させる圧力波を発生させる圧力波発生装置を備える超音波流量計を提供する。
【0025】
本発明の第1態様により、流速測定部での圧力変動を除去し、被測定流体の実流量での流速を正確に測定することにより、高精度に流体の流量を測定できる。
【0026】
本発明の第2態様によれば、上記超音波振動子は第1超音波振動子と第2超音波振動子とより構成され、
上記第1超音波振動子は、上記第2超音波振動子に対して超音波を出射して上記流速測定部の上記被測定流体を貫通させるように配置され、
上記第2の超音波振動子は、上記第1の超音波振動子に対して超音波を出射して上記流速測定部の上記被測定流体を貫通させるように配置されている、第1態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0027】
本発明の第2態様により、超音波振動子を複数個用いることにより、計測精度を向上させることができる。
【0028】
また、本発明のある態様によれば、上記圧力波発生装置は、上記流速測定部の上流側と下流側とにそれぞれ配置され、かつ、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる圧力波発生器を備えている、第1又は2態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0029】
本発明のこの態様により、上記流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる圧力波発生器を複数個用いることにより、超音波流量計からみて上流側から伝搬してくる圧力波と下流側から伝搬してくる圧力波を流速測定部で別々に抑制することが可能となり、流速測定部流速の安定性を向上させ、計測精度を向上させることができる。
【0030】
本発明の第3態様によれば、上記流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を検出する圧力検出装置をさらに備えるとともに、
上記圧力波発生装置は、上記圧力検出装置により検出された圧力変動情報を基に、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を、上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生できるよう、圧力波位相情報及び圧力波強度情報を演算して求める圧力波演算部を備え、上記圧力波演算部により演算されて求められた圧力波位相情報及び圧力波強度情報を含む圧力波を、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるために発生させる、第1〜2のいずれか1つの態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0031】
本発明の第3態様により、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動に対しアクティブにしかも精度良く、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生できるようになり、さらに流速測定部流速の安定性を向上させ、計測精度を向上させることができる。
【0032】
本発明の第4態様によれば、上記圧力波発生装置は、上記被測定流体の上記流路の入口側の上流流路と出口側の下流流路とを仕切るように配置され、かつ、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記圧力変動の上記上流流路と上記下流流路との間での圧力差を用いて圧力の低い方の流路に対して、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる可撓性部材を備える、第1又は2の態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0033】
本発明の第4態様によれば、速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動の圧力を用いるため、外部からエネルギーを供給して流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる必要がなくなり、消費エネルギーの低減が可能である。
【0034】
本発明の第5態様によれば、上記圧力波発生装置である可撓性部材は、膜部材である、第4の態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0035】
本発明の第5態様によれば、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる機構に膜部材を用いるため、安価で信頼性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0036】
本発明の第6態様によれば、上記圧力波発生装置である上記可撓性部材は、上記圧力変動の位相と上記圧力変動を抑制させるための上記圧力波の位相とが上記流速測定部においてずれるように、上記可撓性部材の上記上流流路側から上記流速測定部までの距離と上記可撓性部材の上記下流流路側から上記流速測定部までの距離とを異ならせて上記可撓性部材を配置する、第4又は5の態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0037】
本発明の第6態様によれば、上記流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるため圧力波を発生させる構造を、流速測定部から被測定流体の流路に沿って被測定流体の上流側方向及び下流側方向に等距離の位置に配置することにより、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力波と圧力変動を抑制させるための圧力波をより良く流速測定部において重ね合わせられ、流速測定部流速の安定性を向上させ、計測精度を向上させることが可能となる。しかも、安価で信頼性が高く、省エネルギーの超音波流量計が実現できる。
【0038】
本発明の第7態様によれば、上記圧力波発生装置は、上記流速測定部での上記被測定流体の流量がしきい値以下のときにのみ上記圧力波を発生させる第1〜6のいずれか1つの態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0039】
本発明の第7態様にすれば、圧力波を無駄なく効率的に、必要なときに必要な分だけ発生させることができる。
【0040】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の超音波流量計であって、流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる機構を有する超音波流量計について図面を参照しながら説明する。
【0041】
まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態による超音波流量計を説明する。図1(A),(B)は、第1実施形態にかかる超音波流量計の縦断面図及び横断面図である。
【0042】
図示されている超音波流量計50は、ガスヒートポンプなどに使用されるガスなどの被測定流体の円形又は矩形断面の流路20を規定する流路内壁21を有する。流路20の内部の流速測定部10には、超音波の送信及び受信を行う一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bが配置されて、一方の超音波送受波器1a又は1bから超音波を発信して他方の超音波送受波器1b又は1aで受信するようにしている。被測定流体は、超音波流量計50の入口51から超音波流量計50内に導入され、流速測定部10を通過し、超音波流量計50の出口52より超音波流量計50の外部に出る。被測定流体は、流速測定部10を通過する際に、超音波により被測定流体の流速が計測される。入口51の近傍の流路内壁21には入口51の近傍の被測定流体の圧力を検出する圧力検出器60aが、出口52の近傍の流路内壁21には出口52の近傍の被測定流体の圧力を検出する圧力検出器60bが、それぞれ、設置されている。圧力検出器60aと流速測定部10の間には、超音波流量計50内の被測定流体に圧力波を発生させる圧力波発生器70bが、圧力検出器60bと流速測定部10の間には、超音波流量計50内の被測定流体に圧力波を発生させる圧力波発生器70aが、それぞれ、設置されている。
【0043】
さらに、入口51の近傍の圧力検出器60aと出口52の近傍の圧力検出器60bは、それぞれ、圧力波演算部の一例としての圧力波演算回路91に接続されて、圧力検出器60a又は60bで検出された圧力変動の圧力変動情報例えば位相及び強度情報を含む信号を圧力波演算回路91に入力して、流速測定部10において圧力変動を抑制させるために必要な圧力波の圧力波発生情報例えば圧力位相及び強度情報を、圧力変動の圧力変動情報に基づいて演算して求める。圧力波演算回路91は、圧力波発生器駆動部の一例としての圧力波発生器駆動回路92に接続されており、この圧力波発生器駆動回路92には圧力波発生器70a及び圧力波発生器70bが接続されている。そして、圧力波演算回路91で演算されて求められた圧力波の圧力位相及び強度を含む信号が圧力波発生器駆動回路92に入力されると、圧力波発生器駆動回路92から圧力波発生器70a又は圧力波発生器70bに駆動信号が出力されて、圧力波発生器70a又は圧力波発生器70bから圧力波を発生させるようにしている。
【0044】
よって、圧力波発生器70a又は圧力波発生器70bと、圧力波演算回路91と、圧力波発生器駆動回路92と、後述する制御装置1000とより、圧力波発生装置の一例を構成している。
【0045】
上記超音波送受波器1aと1bは以下のように機能する。例えば、超音波送受波器1aを超音波の送波器として用い、超音波送受波器1bを超音波の受波器として用いる場合について、図1(B)に示すように、超音波流量計の動作を説明する。
【0046】
超音波送受波器1aの共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器1aの圧電振動子に印加すると、超音波送受波器1aは管内の流体中に超音波を放射する。この超音波は、伝搬経路L1に沿って伝搬し、超音波送受波器1bに到達する。超音波送受波器1bの圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0047】
この後、超音波送受波器1bを超音波の送波器として動作させる。具体的には、超音波送受波器1bの共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器1bの圧電振動子に印加することにより、超音波送受波器1bは管内の流体中に超音波を放射する。超音波は伝搬経路L2に沿って伝搬し、超音波送受波器1aに到達する。超音波送受波器1aの圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0048】
このように、超音波送受波器1a及び1bは、それぞれ、1つの超音波振動子でありながら、受波器としての機能と送波器としての機能を果たすことができる。この超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
【0049】
駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器1aに印加して超音波送受波器1aから超音波バースト信号を放射すると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器1bに到達する。
【0050】
超音波送受波器1bでは伝達して来た超音波バースト信号のみを、高いS/N比で電気バースト信号に変換することができる。この電気バースト信号をトリガとして、再び超音波送受波器1aに駆動用バースト電圧信号を印加して超音波バースト信号を放射する。
【0051】
このような装置を「シング・アラウンド装置」と呼ぶ。また、超音波パルスが超音波送受波器1aから超音波送受波器1bに到達するまでに要する時間を「シング・アラウンド周期」といい、その逆数を「シング・アラウンド周波数」という。
【0052】
図1(B)の超音波流量計において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。更に、超音波送受波器1aを送波器、超音波送受波器1bを受波器として用いたとき、超音波送受波器1aから出た超音波パルスが超音波送受波器1bに到達する時間(シング・アラウンド周期)をt1、シング・アラウンド周波数f1とする。このとき、次式(5)が成立する。
【0053】
【数5】
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(5)
逆に、超音波送受波器1bを送波器として、超音波送受波器1aを受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、次式(6)の関係が成立する。
【0054】
【数6】
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(6)
上記式(5)及び(6)に基づいて、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、次式(7)で示される。
【0055】
【数7】
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(7)
式(7)からわかるように、超音波の伝搬経路の距離L及び周波数差Δfから、流体の流速Vを求めることができる。そして、流路断面積Sが決まっているため、流速Vから流量Qを決定することができる。
【0056】
【数8】
Q=S・V ・・・(8)
なお、上記超音波送受波器1a,1bと圧力波演算回路91と圧力波発生器駆動回路92とは、超音波流量計50の制御装置1000に接続されて、制御装置1000により、それぞれ動作制御されるようにしている。さらに、上記圧力検出器60a,60bも制御装置1000に接続されて、動作制御されるようにしてもよい。
【0057】
次に、上記構成にかかる第1実施形態にかかる超音波流量計において、一例として、流速測定部10の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動が、入口51側から超音波流量計50内に伝搬してくる場合について説明する。圧力変動は、入口51の近傍の圧力検出器60aで図2(A)のように検出され、圧力波演算回路91に位相及び強度情報を伝達する。圧力波演算回路91は、圧力検出器60aで検出され圧力変動の位相及び強度情報を基に、流速測定部10において圧力変動を抑制させるために必要な圧力波の位相及び強度情報を演算し、演算の結果求められた圧力波の位相及び強度情報を含む圧力波発生信号を圧力波発生器駆動回路92に伝達する。圧力波発生器駆動回路92は、圧力波演算回路91より送られた上記圧力波発生信号によって、圧力波発生器70aを駆動して圧力波発生器70aから流速測定部10に向けて被測定流体に、上記位相及び強度情報を有する圧力波を発生する。流速測定部10において圧力変動を抑制させるためには、流速測定部10において、流速測定部10に伝搬してきた図2(B)の実線で示されるような圧力変動と逆位相でかつ同じ強度の圧力波を図2(B)の一点鎖線のように重ね合わせることである。このように、圧力変動と逆位相でかつ同じ強度の圧力波を圧力波発生器70aから流速測定部10に向けて被測定流体に発生させることにより、流速測定部10において圧力変動と圧力波とが重ね合わされて大略相殺(キャンセル)され、超音波流量計50外の外乱による圧力変動を取り除くことが可能となり、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより高精度に被測定流体の流速を計測して、上記被測定流体の計測した流速に基づいて上記被測定流体の流量を求めることができる。
【0058】
この例では、圧力検出器60aと圧力波発生器70aとを用いたが、圧力検出器60aと圧力波発生器70bとを用いてもよい。原理的には、圧力変動を検出してからその圧力変動が流速測定部10に到達するまでに、圧力波発生器70a又は70bによる圧力波(圧力抑制波)が流速測定部10に到達し、流速測定部10において圧力変動を抑制されれば、どのような構成を用いても良い。
【0059】
また、流速測定部10の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動が、出口52側から伝搬してくる場合も同様である。異なるのは、入口51の近傍の圧力検出器60aに代えて出口52の近傍の圧力検出器60bで圧力変動を検出することだけである。
【0060】
また、流速測定部10の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動が入口51及び出口52から同時にくる場合には、2つの圧力検出器60a、60bを用いて圧力変動をそれぞれ検出し、2つの圧力波発生器70a及び70bを同時に動作させればよい。圧力変動が入口51及び出口52から同時にくる場合において、構成を簡略化するためには、2つの圧力検出器60a、60bを用いて圧力変動を検出し、2方向の圧力変動が流速測定部10において合成される圧力変動を圧力波演算回路91で演算し、その圧力変動を抑制する圧力波を、圧力波発生器駆動回路92からの出力により、いずれか1つの圧力波発生器70a又は70bから発生するようにしても良い。圧力波発生器70a,70bは、ボイスコイル、圧電素子等外部から駆動できる圧力発生器であればどのようなものを用いても良い。
【0061】
圧力変動検出と圧力波発生は常時行っても良いが、超音波流量計を低消費電力にするためには、制御装置1000により、一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流速を計測している時間にのみ圧力波演算回路91と圧力波発生器駆動回路92とで圧力波を演算して発生させて、一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流速を計測している時間に流速計測部10で圧力変動が起きないようにだけ圧力抑制を行えばよい。また、圧力変動が周期的であるならば、圧力波演算回路91に記憶回路を持たせ、そのパターンを記憶回路に記憶又は学習記憶させ、制御装置1000の制御により、圧力変動の周期に応じて、適切な時間に記憶回路から上記パターンを読み出して、例えば演算することなく、読み出されたパターンに基づいて適切な圧力波を発生させることも可能である。
【0062】
上記第1実施形態によれば、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動を圧力検出器60a又は60bで検出し、検出された圧力変動情報に基づいて、圧力変動を抑制可能な圧力波発生情報を圧力波演算回路91で求め、求められた圧力波発生情報に基づき圧力波発生器駆動回路92を介して圧力波発生器70a及び圧力波発生器70bから圧力波を発生させるようにしている。この結果、流速測定部10において圧力変動と圧力波とが重ね合わされて圧力変動が抑制されることにより、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流体の流量を高精度に測定することができる。よって、特に、圧力変動が大きくなりがちなガスヒートポンプにおいて、流体の流量を高精度に測定することができる。 なお、被測定流体が流路20を流れていないときは、いずれか一方の超音波送受波器1a又は1bからオフ信号が出力されて制御装置1000に入力され、圧力波演算回路91で圧力波を求める演算を行わないようにするか、又は、圧力検出器60a又は60bでの圧力検出を行わないようにすることにより、不要な圧力波が発生しないようにすることができる。
【0063】
また、すべての圧力変動に対して圧力波を発生させるのではなく、圧力変動により流量測定に誤差が生じやすい、あるしきい値以下の流量だけ流体が流れているときのみ、圧力波を発生させるようにしてもよい。すなわち、図5に示すような、以下の流量測定動作を行う。
【0064】
まず、ステップS1では、超音波流量計50内の被測定流体の流量が、例えば100リットル/h以下の小流量か否かを判断する。被測定流体の流量が100リットル/hを超える流量のときには以下の圧力波発生動作は行わずに、ステップS5では、超音波送受波器1aと1bにより被測定流体の流速を計測する。
【0065】
被測定流体の流量が100リットル/h以下の小流量のときは、ステップS2で被測定流体の圧力変動を圧力検出器60a又は60bにより検出する。
【0066】
次いで、ステップS3で、検出された圧力変動情報に基づき、発生させるべき圧力波情報を求める。
【0067】
次いで、ステップS4で、圧力波情報に基づき圧力波を発生させる。
【0068】
次いで、ステップS5で、超音波送受波器1aと1bにより被測定流体の流速を計測する。
【0069】
このようにすれば、圧力波を無駄なく効率的に、必要なときに必要な分だけ発生させることができる。
【0070】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態の超音波流量計であって、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動を流速測定部10において抑制させるための圧力波を発生させる機構を有する超音波流量計について図面を参照しながら説明する。
【0071】
まず、図3を参照しながら、本発明の第2実施形態による超音波流量計59を説明する。図3は、第2実施形態の超音波流量計59の縦断面図である。
【0072】
図3に示されている超音波流量計59は、被測定流体の流路20Aを規定する流路内壁21Aを有する。流路20Aの内部の流速測定部10には、超音波の送信及び受信を行う一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bが配置されている。被測定流体は、超音波流量計59の入口51Aから超音波流量計59内に導入され、流速測定部10を通過し、出口52Aより超音波流量計59の外部に出る。被測定流体は、流速測定部10を通過する際に、超音波により被測定流体の流速が計測される。
【0073】
入口51A側の上流流路31と出口52A側の下流流路32は、ある区間の間は平行に配置され、かつ、上流流路31と下流流路32とを仕切る壁の一部が、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動に応じて変位する、可撓性部材又は膜部材の一例としての構造体80で仕切られている。詳しくは、上流流路31の屈曲部と下流流路32の屈曲部とが隣接する個所に構造体80が配置されている。
【0074】
構造体80は、たとえば、ゴム又は金属などの弾性膜、言い換えれば可撓性膜などで構成される。また、構造体80は、圧力変動により効率良く変位する構造であるならば、どのような材質、構成でも良い。このような構造にすることにより、受動的に圧力波を発生させるため、省エネルギーとなり、安価で信頼性の高い超音波流量計が実現可能となる。
【0075】
また、構造体80から流速測定部10までの流路長は、上流側又は下流側からの圧力変動の位相と構造体80の変位による圧力波の位相とが逆位相になるように上流側からと下流側からでは異なった流路長になっており、図3では、構造体80の上流側から流速測定部10までの流路長は、構造体80の下流側から流速測定部10までの流路長よりも短く構成している。
【0076】
次に、一例として、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が入口51A側から伝搬してくる場合について説明する。流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が入口51A側から超音波流量計59内に伝搬してきた場合、上流流路31に圧力変動があると構造体80が変位し、その変位よって圧力波が発生し下流流路32に伝搬する。すなわち、例えば、図3に示されるように、上流流路31の圧力変動のために構造体80が下流流路32に向けて凸に湾曲して、下流流路32に圧力波を発生させる。下流流路32に伝搬した圧力波は、流路20Aを流速測定部10に向けて伝搬して流速測定部10に到達する。このとき、上流側からの圧力変動と位相が逆位相になるように、構造体80の下流側から流速測定部10までの流路長を構成する。これにより、流速測定部10で圧力変動と圧力波とが重ね合わされて大略相殺(キャンセル)され、流速測定部10での圧力変動は抑制され、流速測定部10において、超音波流量計50外の外乱による圧力変動を取り除くことが可能となり、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより高精度に被測定流体の流速を計測することができる。
【0077】
流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が出口52A側から超音波流量計59内に伝搬してくる場合も動作は同様である。異なるのは、図3とは逆に、下流流路32の圧力変動のために構造体80が上流流路31に向けて凸に湾曲して、上流流路31に圧力波を発生させる点である。
【0078】
また、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が入口51A及び出口52Aから超音波流量計59内に同時にくる場合にも同様の動作で、言い換えれば、入口51A側の圧力変動と出口52A側の圧力変動との差により、入口51A側又は出口52A側に残った圧力変動により構造体80が上流流路31又は下流流路32に向けて凸に湾曲して、上流流路31又は下流流路32に圧力波を発生させて、流速測定部10において外乱による圧力変動を取り除くことが可能となり、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより高精度に被測定流体の流速を計測することができる。
【0079】
上記第2実施形態によれば、入口51A側の上流流路31と出口側52A側の下流流路32とを、圧力変動により変位しやすい構造体80で仕切ることにより、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動により、入口51A側の上流流路31側の圧力と出口側52A側の下流流路32側の圧力との圧力差に応じて、いずれか圧力が高い方から低い方に向けて構造体80が変位し、その変位により圧力波が発生させるようにしている。この結果、流速測定部10において圧力変動と圧力波とが重ね合わされて圧力変動が抑制されることにより、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流体の流量を高精度に測定することができる。
【0080】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動に基づきこの圧力変動を抑制可能な圧力波を発生させて、流速測定部において圧力波と圧力変動とを重ね合わせて抑制させることにより、超音波送受波器(超音波振動子)により高精度に流体の流量を測定することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は、それぞれ本発明の第1実施形態による超音波流量計の縦断面図及び横断面である。
【図2】(A)、(B)は、それぞれ上記超音波流量計での圧力変動時の圧力と時間との関係及び圧力変動を圧力波で抑制するときの圧力と時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態による超音波流量計の縦断面図である。
【図4】(A)、(B)は、それぞれ従来の超音波流量計の横断面及び縦断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例による超音波流量計での流量測定動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b…超音波送受波器(超音波振動子)、10…流速測定部、10a、10b…超音波送受波器、20…流路、21…流路内壁、31…上流流路、32…下流流路、50,59…超音波流量計、51…入口、52…出口、60a、60b…圧力検出器、70a、70b…圧力波発生器、80…圧力波発生器(構造体)、91…圧力波演算回路、92…圧力波発生器駆動回路、1000…制御装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波により流体の流量を精度良く計測する超音波流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、所定の伝搬路を超音波が伝達する時間を計測することにより、流体の移動速度を測定し、その測定値から流量を計測する超音波流量計がガスメータや化学反応の制御等に利用されつつある。
【0003】
以下、図4を参照しながら、従来の超音波流量計の測定原理を説明する。図示されている超音波流量計では、管内の流体が速度Vにて図中の矢印で示す方向に流れている。超音波流量計の管壁103には、一対の超音波送受波器101及び102が相対して設置されている。超音波送受波器101及び102の各々は、電気エネルギーを機械エネルギーに変換するとともに、機械エネルギーを電気エネルギーに変化する変換素子(トランスデューサ)を備えている。この変換素子は、例えば、圧電セラミック等の圧電振動子で構成され、圧電ブザーや圧電発振子と同様に共振特性を示す。
【0004】
まず、超音波送受波器101を超音波の送波器として用い、超音波送受波器102を超音波の受波器として用いる場合について、超音波流量計の動作を説明する。
【0005】
超音波送受波器101の共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器101の圧電振動子に印加すると、超音波送受波器101は管内の流体中に超音波を放射する。この超音波は、伝搬経路L1に沿って伝搬し、超音波送受波器102に到達する。超音波送受波器102の圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0006】
この後、超音波送受波器102を超音波の送波器として動作させる。具体的には、超音波送受波器102の共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器102の圧電振動子に印加することにより、超音波送受波器102は管内の流体中に超音波を放射する。超音波は伝搬経路L2に沿って伝搬し、超音波送受波器101に到達する。超音波送受波器101の圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0007】
このように、超音波送受波器101及び102は、それぞれ、1つの超音波振動子でありながら、受波器としての機能と送波器としての機能を果たすことができる。この超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
【0008】
駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器101に印加して超音波送受波器101から超音波バースト信号を放射すると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器102に到達する。
【0009】
超音波送受波器102では伝達して来た超音波バースト信号のみを、高いS/N比で電気バースト信号に変換することができる。この電気バースト信号をトリガとして、再び超音波送受波器101に駆動用バースト電圧信号を印加して超音波バースト信号を放射する。
【0010】
このような装置を「シング・アラウンド装置」と呼ぶ。また、超音波パルスが超音波送受波器101から超音波送受波器102に到達するまでに要する時間を「シング・アラウンド周期」といい、その逆数を「シング・アラウンド周波数」という。
【0011】
図4の超音波流量計において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。更に、超音波送受波器101を送波器、超音波送受波器102を受波器として用いたとき、超音波送受波器101から出た超音波パルスが超音波送受波器102に到達する時間(シング・アラウンド周期)をt1、シング・アラウンド周波数f1とする。このとき、次式(1)が成立する。
【0012】
【数1】
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(1)
逆に、超音波送受波器102を送波器として、超音波送受波器101を受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、次式(2)の関係が成立する。
【0013】
【数2】
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(2)
上記式(1)及び(2)に基づいて、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、次式(3)で示される。
【0014】
【数3】
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(3)
式(3)からわかるように、超音波の伝搬経路の距離L及び周波数差Δfから、流体の流速Vを求めることができる。そして、流路断面積Sが決まっているため、流速Vから流量Qを決定することができる。
【0015】
【数4】
Q=S・V ・・・(4)
多くの流量計の場合、被測定流体は管路内を流れ、管路は流量計以外の他機器と接続されている。たとえば、他機器が内燃機関の場合、燃焼開始及び停止時、又は燃焼調整時等にバルブ等を開閉させるなどの動作を行うと、内燃機関内の被測定流体に圧力変動を生じさせる。その圧力変動は、被測定流体を介して流量計まで伝搬してくる。他機器は、流量計からみて下流側の場合、上流側の場合、又は両者の場合も存在する。つまり、圧力変動は流量計から見て下流側から、上流側から、又は両者から伝播してくることになる。圧力変動が生じた場合、仮に、配管系全体を流れている被測定流体の流量が0であっても、管路内を局所的にみると、圧力変動により被測定流体は圧力変動の周期で移動している。つまり、被測定流体の流速は、圧力変動の周期で変動していることになる。変動している被測定流体の最大流速の絶対値は、圧力変動の最大圧力の絶対値により決定される。定常流量が配管系を流れている場合は、定常流速のDC成分上に、圧力変動による交流成分の流速が重ね合わされることになる。
【0016】
超音波流量計では、被測定流体の流速を瞬時計測し、その流速を用いて流量に換算するため、圧力変動により被測定流体の流速が変動してしまうと正確な流量測定ができなくなるという問題点があった。これは、特にガスヒートポンプで圧力変動差が大きくなっていた。
【0017】
この問題を解決するため、流入口と流出口との間に圧力変動を吸収する脈動吸収構造の膜を備えるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。また、流入口と流出口との間に配置されたジャバラの収縮により圧力変動を吸収するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照。)。さらに、流入口の近傍に、圧力変動が通過する流路と、圧力変動を位相反転させるバイパス流路とを併設して、圧力変動と反転した圧力変動とを重ね合わせて圧力変動を吸収させることにより相殺するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照。)。
【0018】
【特許文献1】
特開平11−281450号公報
【特許文献2】
特開平11−281434号公報
【特許文献3】
特開平11−281440号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び2では、特別な圧力変動吸収部材又は機構が必要となり、かつ、圧力変動を吸収することにより圧力変動を除去しようとする消極的なものであり、圧力変動に対して、これを抑制可能な圧力波を積極的に発生させて抑制しようとする能動的な技術はなかった。また、特許文献3では、流入口の近傍で併設された2つの流路の出口付近で重ね合わせを行うため、圧力変動と反転した圧力変動とが必ずしも同じタイミングで確実に重ね合わせが行えず、圧力変動の抑制が効果的に行えないといった問題があった。
【0020】
本発明は上記の課題を解決するもので、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において圧力波を重ね合わせて抑制させることにより、高精度に流体の流量を測定することができる超音波流量計を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
【0022】
本発明の第1態様によれば、被測定流体の流路を規定する内壁を有する流速測定部と、上記流速測定部の内壁に設けられ、超音波の送信及び/又は受信を行うことにより上記流速測定部での上記被測定流体の流速を計測する少なくとも1つの超音波振動子を備えて、上記被測定流体の流速に基づいて上記被測定流体の流量を求める超音波流量計であって、
上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動を、上記流速測定部において抑制させる圧力波を発生させる圧力波発生装置を備える超音波流量計を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に,本発明にかかる実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する前に、まず、本発明の種々の態様について説明する。
【0024】
本発明の第1態様によれば、被測定流体の流路を規定する内壁を有する流速測定部と、上記流速測定部の内壁に設けられ、超音波の送信及び/又は受信を行うことにより上記流速測定部での上記被測定流体の流速を計測する少なくとも1つの超音波振動子を備えて、上記被測定流体の流速に基づいて上記被測定流体の流量を求める超音波流量計であって、
上記流路内壁に、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動を、上記流速測定部において抑制させる圧力波を発生させる圧力波発生装置を備える超音波流量計を提供する。
【0025】
本発明の第1態様により、流速測定部での圧力変動を除去し、被測定流体の実流量での流速を正確に測定することにより、高精度に流体の流量を測定できる。
【0026】
本発明の第2態様によれば、上記超音波振動子は第1超音波振動子と第2超音波振動子とより構成され、
上記第1超音波振動子は、上記第2超音波振動子に対して超音波を出射して上記流速測定部の上記被測定流体を貫通させるように配置され、
上記第2の超音波振動子は、上記第1の超音波振動子に対して超音波を出射して上記流速測定部の上記被測定流体を貫通させるように配置されている、第1態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0027】
本発明の第2態様により、超音波振動子を複数個用いることにより、計測精度を向上させることができる。
【0028】
また、本発明のある態様によれば、上記圧力波発生装置は、上記流速測定部の上流側と下流側とにそれぞれ配置され、かつ、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる圧力波発生器を備えている、第1又は2態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0029】
本発明のこの態様により、上記流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる圧力波発生器を複数個用いることにより、超音波流量計からみて上流側から伝搬してくる圧力波と下流側から伝搬してくる圧力波を流速測定部で別々に抑制することが可能となり、流速測定部流速の安定性を向上させ、計測精度を向上させることができる。
【0030】
本発明の第3態様によれば、上記流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を検出する圧力検出装置をさらに備えるとともに、
上記圧力波発生装置は、上記圧力検出装置により検出された圧力変動情報を基に、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を、上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生できるよう、圧力波位相情報及び圧力波強度情報を演算して求める圧力波演算部を備え、上記圧力波演算部により演算されて求められた圧力波位相情報及び圧力波強度情報を含む圧力波を、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるために発生させる、第1〜2のいずれか1つの態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0031】
本発明の第3態様により、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動に対しアクティブにしかも精度良く、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生できるようになり、さらに流速測定部流速の安定性を向上させ、計測精度を向上させることができる。
【0032】
本発明の第4態様によれば、上記圧力波発生装置は、上記被測定流体の上記流路の入口側の上流流路と出口側の下流流路とを仕切るように配置され、かつ、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記圧力変動の上記上流流路と上記下流流路との間での圧力差を用いて圧力の低い方の流路に対して、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる可撓性部材を備える、第1又は2の態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0033】
本発明の第4態様によれば、速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動の圧力を用いるため、外部からエネルギーを供給して流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる必要がなくなり、消費エネルギーの低減が可能である。
【0034】
本発明の第5態様によれば、上記圧力波発生装置である可撓性部材は、膜部材である、第4の態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0035】
本発明の第5態様によれば、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる機構に膜部材を用いるため、安価で信頼性の高い超音波流量計を得ることができる。
【0036】
本発明の第6態様によれば、上記圧力波発生装置である上記可撓性部材は、上記圧力変動の位相と上記圧力変動を抑制させるための上記圧力波の位相とが上記流速測定部においてずれるように、上記可撓性部材の上記上流流路側から上記流速測定部までの距離と上記可撓性部材の上記下流流路側から上記流速測定部までの距離とを異ならせて上記可撓性部材を配置する、第4又は5の態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0037】
本発明の第6態様によれば、上記流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を流速測定部において抑制させるため圧力波を発生させる構造を、流速測定部から被測定流体の流路に沿って被測定流体の上流側方向及び下流側方向に等距離の位置に配置することにより、流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力波と圧力変動を抑制させるための圧力波をより良く流速測定部において重ね合わせられ、流速測定部流速の安定性を向上させ、計測精度を向上させることが可能となる。しかも、安価で信頼性が高く、省エネルギーの超音波流量計が実現できる。
【0038】
本発明の第7態様によれば、上記圧力波発生装置は、上記流速測定部での上記被測定流体の流量がしきい値以下のときにのみ上記圧力波を発生させる第1〜6のいずれか1つの態様に記載の超音波流量計を提供する。
【0039】
本発明の第7態様にすれば、圧力波を無駄なく効率的に、必要なときに必要な分だけ発生させることができる。
【0040】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の超音波流量計であって、流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動を流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる機構を有する超音波流量計について図面を参照しながら説明する。
【0041】
まず、図1を参照しながら、本発明の第1実施形態による超音波流量計を説明する。図1(A),(B)は、第1実施形態にかかる超音波流量計の縦断面図及び横断面図である。
【0042】
図示されている超音波流量計50は、ガスヒートポンプなどに使用されるガスなどの被測定流体の円形又は矩形断面の流路20を規定する流路内壁21を有する。流路20の内部の流速測定部10には、超音波の送信及び受信を行う一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bが配置されて、一方の超音波送受波器1a又は1bから超音波を発信して他方の超音波送受波器1b又は1aで受信するようにしている。被測定流体は、超音波流量計50の入口51から超音波流量計50内に導入され、流速測定部10を通過し、超音波流量計50の出口52より超音波流量計50の外部に出る。被測定流体は、流速測定部10を通過する際に、超音波により被測定流体の流速が計測される。入口51の近傍の流路内壁21には入口51の近傍の被測定流体の圧力を検出する圧力検出器60aが、出口52の近傍の流路内壁21には出口52の近傍の被測定流体の圧力を検出する圧力検出器60bが、それぞれ、設置されている。圧力検出器60aと流速測定部10の間には、超音波流量計50内の被測定流体に圧力波を発生させる圧力波発生器70bが、圧力検出器60bと流速測定部10の間には、超音波流量計50内の被測定流体に圧力波を発生させる圧力波発生器70aが、それぞれ、設置されている。
【0043】
さらに、入口51の近傍の圧力検出器60aと出口52の近傍の圧力検出器60bは、それぞれ、圧力波演算部の一例としての圧力波演算回路91に接続されて、圧力検出器60a又は60bで検出された圧力変動の圧力変動情報例えば位相及び強度情報を含む信号を圧力波演算回路91に入力して、流速測定部10において圧力変動を抑制させるために必要な圧力波の圧力波発生情報例えば圧力位相及び強度情報を、圧力変動の圧力変動情報に基づいて演算して求める。圧力波演算回路91は、圧力波発生器駆動部の一例としての圧力波発生器駆動回路92に接続されており、この圧力波発生器駆動回路92には圧力波発生器70a及び圧力波発生器70bが接続されている。そして、圧力波演算回路91で演算されて求められた圧力波の圧力位相及び強度を含む信号が圧力波発生器駆動回路92に入力されると、圧力波発生器駆動回路92から圧力波発生器70a又は圧力波発生器70bに駆動信号が出力されて、圧力波発生器70a又は圧力波発生器70bから圧力波を発生させるようにしている。
【0044】
よって、圧力波発生器70a又は圧力波発生器70bと、圧力波演算回路91と、圧力波発生器駆動回路92と、後述する制御装置1000とより、圧力波発生装置の一例を構成している。
【0045】
上記超音波送受波器1aと1bは以下のように機能する。例えば、超音波送受波器1aを超音波の送波器として用い、超音波送受波器1bを超音波の受波器として用いる場合について、図1(B)に示すように、超音波流量計の動作を説明する。
【0046】
超音波送受波器1aの共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器1aの圧電振動子に印加すると、超音波送受波器1aは管内の流体中に超音波を放射する。この超音波は、伝搬経路L1に沿って伝搬し、超音波送受波器1bに到達する。超音波送受波器1bの圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0047】
この後、超音波送受波器1bを超音波の送波器として動作させる。具体的には、超音波送受波器1bの共振周波数近傍における周波数を持つ交流電圧を超音波送受波器1bの圧電振動子に印加することにより、超音波送受波器1bは管内の流体中に超音波を放射する。超音波は伝搬経路L2に沿って伝搬し、超音波送受波器1aに到達する。超音波送受波器1aの圧電振動子は、この超音波を受けて電圧信号を出力する。
【0048】
このように、超音波送受波器1a及び1bは、それぞれ、1つの超音波振動子でありながら、受波器としての機能と送波器としての機能を果たすことができる。この超音波流量計では、連続的に交流電圧を印加すると超音波送受波器から連続的に超音波が放射されて伝搬時間を測定することが困難になるので、通常はパルス信号を搬送波とするバースト電圧信号を駆動電圧として用いる。
【0049】
駆動用のバースト電圧信号を超音波送受波器1aに印加して超音波送受波器1aから超音波バースト信号を放射すると、この超音波バースト信号は距離がLの伝搬経路L1を伝搬してt時間後に超音波送受波器1bに到達する。
【0050】
超音波送受波器1bでは伝達して来た超音波バースト信号のみを、高いS/N比で電気バースト信号に変換することができる。この電気バースト信号をトリガとして、再び超音波送受波器1aに駆動用バースト電圧信号を印加して超音波バースト信号を放射する。
【0051】
このような装置を「シング・アラウンド装置」と呼ぶ。また、超音波パルスが超音波送受波器1aから超音波送受波器1bに到達するまでに要する時間を「シング・アラウンド周期」といい、その逆数を「シング・アラウンド周波数」という。
【0052】
図1(B)の超音波流量計において、管の中を流れる流体の流速をV、流体中の超音波の速度をC、流体の流れる方向と超音波パルスの伝搬方向の角度をθとする。更に、超音波送受波器1aを送波器、超音波送受波器1bを受波器として用いたとき、超音波送受波器1aから出た超音波パルスが超音波送受波器1bに到達する時間(シング・アラウンド周期)をt1、シング・アラウンド周波数f1とする。このとき、次式(5)が成立する。
【0053】
【数5】
f1=1/t1=(C+Vcosθ)/L ・・・(5)
逆に、超音波送受波器1bを送波器として、超音波送受波器1aを受波器として用いたときのシング・アラウンド周期をt2、シング・アラウンド周波数f2とすれば、次式(6)の関係が成立する。
【0054】
【数6】
f2=1/t2=(C−Vcosθ)/L ・・・(6)
上記式(5)及び(6)に基づいて、両シング・アラウンド周波数の周波数差Δfは、次式(7)で示される。
【0055】
【数7】
Δf=f1−f2=2Vcosθ/L ・・・(7)
式(7)からわかるように、超音波の伝搬経路の距離L及び周波数差Δfから、流体の流速Vを求めることができる。そして、流路断面積Sが決まっているため、流速Vから流量Qを決定することができる。
【0056】
【数8】
Q=S・V ・・・(8)
なお、上記超音波送受波器1a,1bと圧力波演算回路91と圧力波発生器駆動回路92とは、超音波流量計50の制御装置1000に接続されて、制御装置1000により、それぞれ動作制御されるようにしている。さらに、上記圧力検出器60a,60bも制御装置1000に接続されて、動作制御されるようにしてもよい。
【0057】
次に、上記構成にかかる第1実施形態にかかる超音波流量計において、一例として、流速測定部10の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動が、入口51側から超音波流量計50内に伝搬してくる場合について説明する。圧力変動は、入口51の近傍の圧力検出器60aで図2(A)のように検出され、圧力波演算回路91に位相及び強度情報を伝達する。圧力波演算回路91は、圧力検出器60aで検出され圧力変動の位相及び強度情報を基に、流速測定部10において圧力変動を抑制させるために必要な圧力波の位相及び強度情報を演算し、演算の結果求められた圧力波の位相及び強度情報を含む圧力波発生信号を圧力波発生器駆動回路92に伝達する。圧力波発生器駆動回路92は、圧力波演算回路91より送られた上記圧力波発生信号によって、圧力波発生器70aを駆動して圧力波発生器70aから流速測定部10に向けて被測定流体に、上記位相及び強度情報を有する圧力波を発生する。流速測定部10において圧力変動を抑制させるためには、流速測定部10において、流速測定部10に伝搬してきた図2(B)の実線で示されるような圧力変動と逆位相でかつ同じ強度の圧力波を図2(B)の一点鎖線のように重ね合わせることである。このように、圧力変動と逆位相でかつ同じ強度の圧力波を圧力波発生器70aから流速測定部10に向けて被測定流体に発生させることにより、流速測定部10において圧力変動と圧力波とが重ね合わされて大略相殺(キャンセル)され、超音波流量計50外の外乱による圧力変動を取り除くことが可能となり、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより高精度に被測定流体の流速を計測して、上記被測定流体の計測した流速に基づいて上記被測定流体の流量を求めることができる。
【0058】
この例では、圧力検出器60aと圧力波発生器70aとを用いたが、圧力検出器60aと圧力波発生器70bとを用いてもよい。原理的には、圧力変動を検出してからその圧力変動が流速測定部10に到達するまでに、圧力波発生器70a又は70bによる圧力波(圧力抑制波)が流速測定部10に到達し、流速測定部10において圧力変動を抑制されれば、どのような構成を用いても良い。
【0059】
また、流速測定部10の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動が、出口52側から伝搬してくる場合も同様である。異なるのは、入口51の近傍の圧力検出器60aに代えて出口52の近傍の圧力検出器60bで圧力変動を検出することだけである。
【0060】
また、流速測定部10の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動が入口51及び出口52から同時にくる場合には、2つの圧力検出器60a、60bを用いて圧力変動をそれぞれ検出し、2つの圧力波発生器70a及び70bを同時に動作させればよい。圧力変動が入口51及び出口52から同時にくる場合において、構成を簡略化するためには、2つの圧力検出器60a、60bを用いて圧力変動を検出し、2方向の圧力変動が流速測定部10において合成される圧力変動を圧力波演算回路91で演算し、その圧力変動を抑制する圧力波を、圧力波発生器駆動回路92からの出力により、いずれか1つの圧力波発生器70a又は70bから発生するようにしても良い。圧力波発生器70a,70bは、ボイスコイル、圧電素子等外部から駆動できる圧力発生器であればどのようなものを用いても良い。
【0061】
圧力変動検出と圧力波発生は常時行っても良いが、超音波流量計を低消費電力にするためには、制御装置1000により、一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流速を計測している時間にのみ圧力波演算回路91と圧力波発生器駆動回路92とで圧力波を演算して発生させて、一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流速を計測している時間に流速計測部10で圧力変動が起きないようにだけ圧力抑制を行えばよい。また、圧力変動が周期的であるならば、圧力波演算回路91に記憶回路を持たせ、そのパターンを記憶回路に記憶又は学習記憶させ、制御装置1000の制御により、圧力変動の周期に応じて、適切な時間に記憶回路から上記パターンを読み出して、例えば演算することなく、読み出されたパターンに基づいて適切な圧力波を発生させることも可能である。
【0062】
上記第1実施形態によれば、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動を圧力検出器60a又は60bで検出し、検出された圧力変動情報に基づいて、圧力変動を抑制可能な圧力波発生情報を圧力波演算回路91で求め、求められた圧力波発生情報に基づき圧力波発生器駆動回路92を介して圧力波発生器70a及び圧力波発生器70bから圧力波を発生させるようにしている。この結果、流速測定部10において圧力変動と圧力波とが重ね合わされて圧力変動が抑制されることにより、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流体の流量を高精度に測定することができる。よって、特に、圧力変動が大きくなりがちなガスヒートポンプにおいて、流体の流量を高精度に測定することができる。 なお、被測定流体が流路20を流れていないときは、いずれか一方の超音波送受波器1a又は1bからオフ信号が出力されて制御装置1000に入力され、圧力波演算回路91で圧力波を求める演算を行わないようにするか、又は、圧力検出器60a又は60bでの圧力検出を行わないようにすることにより、不要な圧力波が発生しないようにすることができる。
【0063】
また、すべての圧力変動に対して圧力波を発生させるのではなく、圧力変動により流量測定に誤差が生じやすい、あるしきい値以下の流量だけ流体が流れているときのみ、圧力波を発生させるようにしてもよい。すなわち、図5に示すような、以下の流量測定動作を行う。
【0064】
まず、ステップS1では、超音波流量計50内の被測定流体の流量が、例えば100リットル/h以下の小流量か否かを判断する。被測定流体の流量が100リットル/hを超える流量のときには以下の圧力波発生動作は行わずに、ステップS5では、超音波送受波器1aと1bにより被測定流体の流速を計測する。
【0065】
被測定流体の流量が100リットル/h以下の小流量のときは、ステップS2で被測定流体の圧力変動を圧力検出器60a又は60bにより検出する。
【0066】
次いで、ステップS3で、検出された圧力変動情報に基づき、発生させるべき圧力波情報を求める。
【0067】
次いで、ステップS4で、圧力波情報に基づき圧力波を発生させる。
【0068】
次いで、ステップS5で、超音波送受波器1aと1bにより被測定流体の流速を計測する。
【0069】
このようにすれば、圧力波を無駄なく効率的に、必要なときに必要な分だけ発生させることができる。
【0070】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態の超音波流量計であって、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動を流速測定部10において抑制させるための圧力波を発生させる機構を有する超音波流量計について図面を参照しながら説明する。
【0071】
まず、図3を参照しながら、本発明の第2実施形態による超音波流量計59を説明する。図3は、第2実施形態の超音波流量計59の縦断面図である。
【0072】
図3に示されている超音波流量計59は、被測定流体の流路20Aを規定する流路内壁21Aを有する。流路20Aの内部の流速測定部10には、超音波の送信及び受信を行う一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bが配置されている。被測定流体は、超音波流量計59の入口51Aから超音波流量計59内に導入され、流速測定部10を通過し、出口52Aより超音波流量計59の外部に出る。被測定流体は、流速測定部10を通過する際に、超音波により被測定流体の流速が計測される。
【0073】
入口51A側の上流流路31と出口52A側の下流流路32は、ある区間の間は平行に配置され、かつ、上流流路31と下流流路32とを仕切る壁の一部が、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動に応じて変位する、可撓性部材又は膜部材の一例としての構造体80で仕切られている。詳しくは、上流流路31の屈曲部と下流流路32の屈曲部とが隣接する個所に構造体80が配置されている。
【0074】
構造体80は、たとえば、ゴム又は金属などの弾性膜、言い換えれば可撓性膜などで構成される。また、構造体80は、圧力変動により効率良く変位する構造であるならば、どのような材質、構成でも良い。このような構造にすることにより、受動的に圧力波を発生させるため、省エネルギーとなり、安価で信頼性の高い超音波流量計が実現可能となる。
【0075】
また、構造体80から流速測定部10までの流路長は、上流側又は下流側からの圧力変動の位相と構造体80の変位による圧力波の位相とが逆位相になるように上流側からと下流側からでは異なった流路長になっており、図3では、構造体80の上流側から流速測定部10までの流路長は、構造体80の下流側から流速測定部10までの流路長よりも短く構成している。
【0076】
次に、一例として、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が入口51A側から伝搬してくる場合について説明する。流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が入口51A側から超音波流量計59内に伝搬してきた場合、上流流路31に圧力変動があると構造体80が変位し、その変位よって圧力波が発生し下流流路32に伝搬する。すなわち、例えば、図3に示されるように、上流流路31の圧力変動のために構造体80が下流流路32に向けて凸に湾曲して、下流流路32に圧力波を発生させる。下流流路32に伝搬した圧力波は、流路20Aを流速測定部10に向けて伝搬して流速測定部10に到達する。このとき、上流側からの圧力変動と位相が逆位相になるように、構造体80の下流側から流速測定部10までの流路長を構成する。これにより、流速測定部10で圧力変動と圧力波とが重ね合わされて大略相殺(キャンセル)され、流速測定部10での圧力変動は抑制され、流速測定部10において、超音波流量計50外の外乱による圧力変動を取り除くことが可能となり、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより高精度に被測定流体の流速を計測することができる。
【0077】
流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が出口52A側から超音波流量計59内に伝搬してくる場合も動作は同様である。異なるのは、図3とは逆に、下流流路32の圧力変動のために構造体80が上流流路31に向けて凸に湾曲して、上流流路31に圧力波を発生させる点である。
【0078】
また、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動が入口51A及び出口52Aから超音波流量計59内に同時にくる場合にも同様の動作で、言い換えれば、入口51A側の圧力変動と出口52A側の圧力変動との差により、入口51A側又は出口52A側に残った圧力変動により構造体80が上流流路31又は下流流路32に向けて凸に湾曲して、上流流路31又は下流流路32に圧力波を発生させて、流速測定部10において外乱による圧力変動を取り除くことが可能となり、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより高精度に被測定流体の流速を計測することができる。
【0079】
上記第2実施形態によれば、入口51A側の上流流路31と出口側52A側の下流流路32とを、圧力変動により変位しやすい構造体80で仕切ることにより、流速測定部10の外部から上記流速測定部10に伝搬してくる圧力変動により、入口51A側の上流流路31側の圧力と出口側52A側の下流流路32側の圧力との圧力差に応じて、いずれか圧力が高い方から低い方に向けて構造体80が変位し、その変位により圧力波が発生させるようにしている。この結果、流速測定部10において圧力変動と圧力波とが重ね合わされて圧力変動が抑制されることにより、上記一対の超音波送受波器(超音波振動子)1a及び1bにより流体の流量を高精度に測定することができる。
【0080】
なお、上記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0081】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動に基づきこの圧力変動を抑制可能な圧力波を発生させて、流速測定部において圧力波と圧力変動とを重ね合わせて抑制させることにより、超音波送受波器(超音波振動子)により高精度に流体の流量を測定することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)、(B)は、それぞれ本発明の第1実施形態による超音波流量計の縦断面図及び横断面である。
【図2】(A)、(B)は、それぞれ上記超音波流量計での圧力変動時の圧力と時間との関係及び圧力変動を圧力波で抑制するときの圧力と時間との関係をそれぞれ示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態による超音波流量計の縦断面図である。
【図4】(A)、(B)は、それぞれ従来の超音波流量計の横断面及び縦断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態の変形例による超音波流量計での流量測定動作のフローチャートである。
【符号の説明】
1a,1b…超音波送受波器(超音波振動子)、10…流速測定部、10a、10b…超音波送受波器、20…流路、21…流路内壁、31…上流流路、32…下流流路、50,59…超音波流量計、51…入口、52…出口、60a、60b…圧力検出器、70a、70b…圧力波発生器、80…圧力波発生器(構造体)、91…圧力波演算回路、92…圧力波発生器駆動回路、1000…制御装置。
Claims (7)
- 被測定流体の流路(20)を規定する内壁(21)を有する流速測定部(10)と、上記流速測定部の内壁(21)に設けられ、超音波の送信及び/又は受信を行うことにより上記流速測定部での上記被測定流体の流速を計測する少なくとも1つの超音波振動子(1a,1b)を備えて、上記被測定流体の流速に基づいて上記被測定流体の流量を求める超音波流量計であって、
上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記被測定流体の圧力変動を、上記流速測定部において抑制させる圧力波を発生させる圧力波発生装置(70a,70b,91,92,1000,80)を備えた超音波流量計。 - 上記超音波振動子は第1超音波振動子(1a)と第2超音波振動子(1b)とより構成され、
上記第1超音波振動子は、上記第2超音波振動子に対して超音波を出射して上記流速測定部の上記被測定流体を貫通させるように配置され、
上記第2の超音波振動子は、上記第1の超音波振動子に対して超音波を出射して上記流速測定部の上記被測定流体を貫通させるように配置されている、請求項1に記載の超音波流量計。 - 上記流速測定部外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を検出する圧力検出装置(60a,60b)をさらに備えるとともに、
上記圧力波発生装置(70a,70b,91,92,1000)は、上記圧力検出装置により検出された圧力変動情報を基に、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を、上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生できるよう、圧力波位相情報及び圧力波強度情報を演算して求める圧力波演算部(91)を備え、上記圧力波演算部(91)により演算されて求められた圧力波位相情報及び圧力波強度情報を含む圧力波を、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるために発生させる、請求項1〜2のいずれか1つに記載の超音波流量計。 - 上記圧力波発生装置(80)は、上記被測定流体の上記流路(20A)の入口側の上流流路(31)と出口(52A)側の下流流路(32)とを仕切るように配置され、かつ、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる上記圧力変動の上記上流流路と上記下流流路との間での圧力差を用いて圧力の低い方の流路に対して、上記流速測定部の外部から上記流速測定部に伝搬してくる圧力変動を上記流速測定部において抑制させるための圧力波を発生させる可撓性部材を備える、請求項1又は2に記載の超音波流量計。
- 上記圧力波発生装置(80)である可撓性部材は、膜部材である、請求項4に記載の超音波流量計。
- 上記圧力波発生装置(80)である上記可撓性部材は、上記圧力変動の位相と上記圧力変動を抑制させるための上記圧力波の位相とが上記流速測定部においてずれるように、上記可撓性部材の上記上流流路側から上記流速測定部までの距離と上記可撓性部材の上記下流流路側から上記流速測定部までの距離とを異ならせて上記可撓性部材を配置する、請求項4又は5に記載の超音波流量計。
- 上記圧力波発生装置(70a,70b,91,92,1000)は、上記流速測定部での上記被測定流体の流量がしきい値以下のときにのみ上記圧力波を発生させる請求項1〜6のいずれか1つに記載の超音波流量計。
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