JP2004346991A - 自動変速機の手動変速切り換え制御装置 - Google Patents

自動変速機の手動変速切り換え制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動変速モードと手動変速モードとを具える自動変速機において、自動変速モードから手動変速モードへの切り換え操作が行われた際、運転者が望む変速段への変速動作を少ない操作で実現可能とする
【解決手段】本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置は、シフトレバーが自動変速モード位置にあるときに運転者が手動変速スイッチの操作によりダウンシフト方向への変速動作を行った場合、自動変速モードで通常参照される変速パターン(予定の変速パターン)における最小変速比よりも大きな値を最小変速比とする変速パターン、すなわち、通常の変速パターンと比較してより低速段での変速動作のみを可能とする変速パターン(第二の変速パターン)に従って変速動作を行うこととする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速モードと手動変速モードの双方の変速モードを具える自動変速機において、自動変速モード中にステアリングホイールに設けた手動変速モード用のスイッチ操作により変速動作が適切に行われるようにした自動変速機の手動変速切り換え制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
かかる装置として、例えば、変速機を制御する制御装置を自動変速モードと手動変速モードで運転でき、これらモードの選択をシフトレバーにより行う他、ステアリングホイールに設けたスイッチによりモード切り換えと、手動変速モードにおける変速段の切り換えを可能としたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
こうした装置を具える車両において、自動変速モードから手動変速モードへのモード切り換えは、通常、エンジンブレーキを必要とする場合に行われることが多い。また、この自動変速モードから手動変速モードへの切り換え時には、一般的にはモード切り換え時点における自動変速モードでの変速段を保持することが行われている(特許文献2参照)
【0004】
そのため、大きなエンジンブレーキを得るべく、運転者が、シフトレバーを自動変速モードの変速レンジ位置に保持したままステアリングホイールに設けた手動変速モード用のスイッチをダウンシフト方向に操作した場合、自動変速機の変速段または変速比がモード切り換え直前の変速段または変速比に設定されてしまうため、運転者が所望のエンジンブレーキを得るためには、ステアリングホイールのスイッチを何度もダウンシフト方向に操作しなければならないという問題がある。こうした問題は、近年、自動変速機が多段化(6段、あるいはそれ以上)の傾向にあるため、より顕著なものとなりつつある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−283281号公報
【特許文献2】
特開平2−125174号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自動変速モードと手動変速モードとを具える自動変速機において、自動変速モード中にステアリングホイールに設けた手動変速モード用のスイッチの操作が行われた際、運転者が望む変速段への変速動作を少ない操作で実現可能とすることにより、上記の問題点を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
これらの目的のため、本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置は、請求項1に記載の如く、
自動変速モードの他に、手動変速モードによる変速動作を可能とする自動変速機において、
シフトレバーが自動変速モード位置にあるとき、車速とエンジン負荷に応じた予定の自動変速パターンに基づいて変速動作を行う自動変速モード制御手段と、前記シフトレバーが手動変速モード位置にあるとき、当該シフトレバーまたはステアリングホイールに設けた手動変速スイッチのいずれかの操作によって変速動作を行う手動変速モード制御手段とを具え、
前記自動変速モード制御手段が、前記シフトレバーが自動変速モード位置にあるときに、前記手動変速スイッチによる操作がダウンシフト方向への操作である場合、前記予定の自動変速パターンの最小変速比よりも大きな値を最小変速比とする第二の自動変速パターンを選択し、当該第二の自動変速パターンに従って変速動作を行うことを特徴とする自動変速機の手動変速切り換え制御装置。
【0008】
【発明の効果】
本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置は、シフトレバーが自動変速モード位置にあるときに運転者が手動変速モードへの切り換えを行い、手動変速スイッチの操作によりダウンシフト方向への変速動作を行った場合、自動変速モードで通常参照される自動変速パターン(予定の自動変速パターン)における最小変速比よりも大きな値を最小変速比とする自動変速パターン、すなわち、通常の自動変速パターンと比較してより低速段での変速動作のみを可能とする自動変速パターン(第二の自動変速パターン)に従って変速動作を行うこととしている。
【0009】
それによって、手動変速スイッチの最小限の操作により適切な変速段または変速比へのダウンシフトを実現することができ、特に急カーブや悪路を走行する場合のように、運転者がステアリングホイールから手を離すことが困難な状況において、大きなエンジンブレーキを必要とする場合や、変速段の多い自動変速機における操作性を向上させることができる。
【0010】
また、前述した従来技術の場合、手動変速モードから自動変速モードへの復帰は所定時間経過しないと行われず、手動変速スイッチ操作後しばらくの間は変速段または変速比が固定されるため、手動変速スイッチ操作後に加速が必要となった場合には、適切なエンジン回転数で十分な加速が行われない場合がある。これに対して本発明においては、車速とエンジン負荷に応じた第二の自動変速パターンに従って変速動作を行うこととしているため、こうした従来技術の問題点を解消し得るものとなる。
【0011】
また、前述したような従来技術では、シフトレバーが自動変速モード位置にあるときにステアリングホイールの手動変速スイッチ操作が行われた場合、手動変速モードが選択されることとなっているため、シフトレバー位置と実際の自動変速機の走行モードとの乖離が大きくなり、運転者に違和感を与えるおそれがあった。一方、本発明においては、実際の走行モードでは車速とエンジン負荷とに応じて変速動作が行われるため、シフトレバー位置と実際の自動変速機の走行モードとの乖離がなく、運転者に違和感を与えるおそれがない。
【0012】
本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置の好適な実施形態においては、請求項2に記載の如く、
前記自動変速モード制御手段が、前記第二の自動変速パターン選択時に前記手動変速スイッチによりさらにダウンシフト方向への操作が行われた場合、前記第二の自動変速パターンの最小変速比よりもさらに大きな値を最小変速比とする第三の自動変速パターンを選択し、当該第三の自動変速パターンに従って変速動作を行うこととしても良い。
【0013】
この場合、手動変速スイッチによってさらにダウンシフト方向への操作が行われた場合、前記した第二の変速パターンよりもさらに低速の変速比または変速段での変速動作のみを可能とする変速パターン(第三の変速パターン)に従って変速動作を行うこととなる。その結果、手動変速スイッチの操作のみでさらに低速側へのダウンシフトが行われることとなり、必要に応じてより大きなエンジンブレーキ力が容易に得られ、さらに操作性が向上する。
【0014】
本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置の好適な実施形態においては、請求項3に記載の如く、
前記自動変速モード制御手段が、前記第二の自動変速パターン選択時に前記手動変速スイッチによりアップシフト方向への操作が行われた場合、前記予定の自動変速パターンを再度選択し、当該予定の自動変速パターンに従って変速動作を行うこととしても良い。
【0015】
シフトレバー位置が自動変速モード位置にあるときにステアリングホイールの手動変速スイッチの操作が行われることによって第二の変速パターンによる変速動作が行われている際、さらに手動変速スイッチによってアップシフト方向への操作が行われた場合、前記した第二の変速パターンから、自動変速モードにおける予定の変速パターンに復帰して、この予定の変速パターンに従って変速動作を行うこととなる。その結果、手動変速スイッチの操作のみで自動変速モードへの復帰が可能となり、変速操作を行う際の運転者の操作性をさらに向上させることができる。
【0016】
また本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置の好適な実施形態においては、請求項4に記載の如く、
前記自動変速モード制御手段が、前記第三の自動変速パターン選択時に前記手動変速スイッチによりアップシフト方向への操作が行われた場合、前記第二の自動変速パターンを選択し、当該第二の自動変速パターンに従って変速動作を行うこととしても良い。
【0017】
第三の変速パターンによる変速動作が行われている際に、手動変速スイッチによってアップシフト方向への操作が行われた場合、前記した第三の変速パターンから、第二の変速パターンに復帰して、この第二の変速パターンに従って変速動作を行うこととなる。その結果、手動変速スイッチの操作のみで第二の変速パターンによる変速動作への復帰が可能となり、変速操作を行う際の運転者の操作性をさらに向上させることができる。
【0018】
さらに本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置は、請求項5に記載の如く、
自動変速モードの他に、手動変速モードによる変速動作を可能とする自動変速機において、
シフトレバーが自動変速モード位置にあるとき、車速とエンジン負荷に応じた予定の自動変速パターンに基づいて変速動作を行う自動変速モード制御手段と、前記シフトレバーが手動変速モード位置にあるとき、当該シフトレバーまたはステアリングホイールに設けた手動変速スイッチのいずれかの操作によって変速動作を行う手動変速モード制御手段と、
前記シフトレバーが自動変速モード位置にあり、かつ、前記手動変速スイッチによるダウンシフト方向への操作が行われたときに、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えを行うモード切り換え手段とを具え、
前記手動変速モード制御手段が、エンジン負荷が小さい状態での走行中に前記モード切り換え手段によりモード切り換えが行われた場合に、当該モード切り換え時における変速機入力回転数に基づいて定めた第一の目標入力回転数と、車速毎に求めた要求エンジンブレーキ力発生のための最低変速機入力回転数に対応する第二の目標入力回転数の内大きい方を目標入力回転数として選択し、当該選択した目標入力回転数に最も近いロー側の手動変速段を選択することを特徴とするものである。
【0019】
すなわち、シフトレバーが自動変速モード位置を選択中に、ステアリングホイールに設けた手動変速スイッチの操作によって手動変速モードへの切り換えが行われると、その時点におけるエンジン回転数である変速機入力回転数に基づいて定めた第一の目標入力回転数と、要求されるエンジンブレーキ力を得るための最低変速機入力回転数に対応する第二の目標入力回転数の内、いずれか大きい方を目標入力回転数として選択し、この目標入力回転数に最も近いLow側(低速側)の手動変速段を選択することとしている。
【0020】
そのため、車両の運転状態にかかわらず、運転者がステアリングホイールに設けた手動変速スイッチの操作のみで確実にダウンシフトを実現できる。したがって、シフトレバーによる操作を行うこと無く、ステアリングホイールに設けた手動変速スイッチの操作で適切な変速比へのダウンシフトを行うことができ、所望のエンジンブレーキ力を得るための操作が容易に行えることとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係る手動変速切り替え制御装置を具えた車両のパワートレーンを、その制御系と共に示し、該パワートレーンをエンジン1と自動変速機(無段変速機)2とで構成する。エンジン1は内燃機関であり、そのスロットルバルブ3を運転者が操作するアクセルペダルにより開度変更することで出力を調整することができる。
【0023】
ここで無段変速機2は周知のVベルト式無段変速機であり、トルクコンバータ4を介してエンジン1の出力軸に駆動結合されたプライマリプーリ5と、これに整列配置したセカンダリプーリ6と、これら両プーリ間に掛け渡したVベルト7とを具える。そして、セカンダリプーリ6にファイナルドライブギヤ組8を介してディファレンシャルギヤ装置9を駆動結合し、これらにより図示しない左右駆動輪を回転駆動するものとする。
【0024】
無段変速機2の変速動作は、プライマリプーリ5およびセカンダリプーリ6のそれぞれのV溝を形成するフランジのうち、一方の可動フランジを他方の固定フランジに対して相対的に接近させてV溝幅を狭めたり、逆に離間させてV溝幅を拡げることにより行うようにし、両可動フランジのストローク位置を、変速制御油圧回路10からのプライマリプーリ圧Ppriおよびセカンダリプーリ圧Psecにより決定する。
【0025】
変速制御油圧回路10は変速アクチュエータとしてのステップモータ11を具え、変速機コントローラ12が、ステップモータ11を後述する目標入力回転数(これを変速機出力回転数で除算したものが目標変速比)に対応したステップ位置STPに駆動させることで、無段変速機2を、実入力回転数(実変速比)が目標入力回転数(目標変速比)に一致するように無段変速させることができる。
【0026】
かかる変速制御のため変速機コントローラ12には、スロットルバルブ3のスロットル開度TVO(エンジン負荷)を検出するスロットル開度センサ13からの信号と、車速VSPを検出する車速センサ14からの信号と、無段変速機2の変速モードを運転者が決定するためのシフトレバー15からの信号と、変速機入力回転数(プライマリプーリ回転数)Niを検出する入力回転センサ16からの信号と、さらに後に詳述するステアリングホイール17に設けたシフトスイッチ(手動変速スイッチ)18,19からの信号を入力する。
【0027】
シフトレバー15は図示のように、駐車(P)レンジ位置と、後退走行(R)レンジ位置と、中立(N)レンジ位置と、自動変速(D)レンジ(自動変速モード)位置と、スポーツ走行(Ds)レンジ位置およびロー(L)レンジ位置とを同列に有するほか、自動変速(D)レンジ(自動変速モード)位置の横に並べた手動変速(M)モード位置を有し、これらの位置に操作されるとき対応するレンジ信号およびモード信号を出力する。なお手動変速(M)モード位置においてシフトレバー15はアップシフト位置(+)とダウンシフト(−)位置との中間に弾支され、運転者がシフトレバー15をアップシフト位置(+)側に倒す度にハイ側手動変速段へのアップシフト指令を発し、運転者がシフトレバー15をダウンシフト位置(−)側に倒す度にロー側手動変速段へのダウンシフト指令を発するものとする。
【0028】
シフトレバー15を自動変速(D)レンジ位置にしている間、このシフトレバー15からの自動変速(D)モード信号を受けて変速機コントローラ12は、例えば図2に実線で示すような変速パターンに基づいて、スロットル開度TVOおよび車速VSPから目標入力回転数Nioを求め、これに対応するステップ位置STPへステップモータ11を駆動することで目標入力回転数Nio(目標変速比)が達成されるよう無段変速機2を変速させる。
【0029】
シフトレバー15をスポーツ走行(Ds)レンジ位置にしている間、このシフトレバー15からのスポーツ走行(Ds)モード信号を受けて変速機コントローラ12は、例えば図3に示すような変速パターンに基づいて、スロットル開度TVOおよび車速VSPから目標入力回転数Nioを求め、これに対応するステップ位置STPへステップモータ11を駆動することで目標入力回転数Nio(目標変速比)が達成されるよう無段変速機2を変速させる。
【0030】
このDsレンジの変速パターンと図3に示すDレンジの変速パターンとの違いは、車速に応じて最小変速比を規定する線がDレンジにおける最小変速比よりも低速(Low)側にシフトしていることである。すなわち、通常のDレンジよりも低速側の変速比での変速のみが許容されるものとしている。
【0031】
また、シフトレバー15をロー(L)レンジ位置にしている間、このシフトレバー15からのロー(L)モード信号を受けて変速機コントローラ12は、例えば図4に示すような変速パターンに基づいて、スロットル開度TVOおよび車速VSPから目標入力回転数Nioを求め、これに対応するステップ位置STPへステップモータ11を駆動することで目標入力回転数Nio(目標変速比)が達成されるよう無段変速機2を変速させる。
【0032】
このLレンジの変速パターンは、図3に示したDsレンジの変速パターンよりも、車速に応じて最小変速比を規定する線がさらに低速(Low)側にシフトしている。すなわち、Dsレンジよりもさらに低速側の変速比での変速のみが許容されるものとしている。
【0033】
さらに、シフトレバー15を手動変速(M)モード位置にしている間、このシフトレバー15からの手動変速(M)モード信号を受けて、変速機コントローラ12は、図2に破線で例示するように予め設定した手動変速段M1〜M9の変速パターンに基づき、シフトレバー15からのアップシフト(+)指令またはダウンシフト(−)指令と現在の手動変速段との対比により新たな手動変速段を選択し、この新たに選択された手動変速段および車速VSPから目標入力回転数Nioを求め、これに対応するステップ位置STPへステップモータ11を駆動することで目標入力回転数Nio(新たに選択された手動変速段)が達成されるよう無段変速機2を変速させる。
【0034】
また、ステアリングホイール17には、その中心部であるパッド17aにシフトスイッチ18,19を設けている。これらシフトスイッチは、手動変速(M)モード選択中に手動変速段の選択をシフトレバー15の操作以外にも行えるようにしたものであり、例えば急カーブが連続する区間や悪路での走行など、運転者がステアリングホイール17から手を離せない状況下で変速段の選択を行う場合に使用することができる。ここではシフトスイッチ18の操作によりアップシフト(+)指令が変速機コントローラ12へ出力され、一方シフトスイッチ19の操作によりダウンシフト(−)指令は変速機コントローラ12へ出力される。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態に係る手動変速切り換え制御プログラム(メインプログラム)の処理手順を示すフローチャートである。以下、この手順について説明する。なお、このプログラムは、運転者がステアリングホイール(図1に符号17で示す)に設けたシフトスイッチ(図1に符号18,19で示す)を操作した場合に実行されるものである。
【0036】
まず、ステップS11でシフトレバー(図1に符号15で示す)がDレンジ位置、すなわち自動変速モード位置にあるか否かを判定する。この判定は、シフトレバー15の位置を検出する手段(例えばインヒビタスイッチ)によりシフトレバーの位置を検出することにより行う。このとき、シフトレバー15がDレンジ位置にあればステップS12へ進み、Dモード以外の位置にある場合にはステップS14へ進む。
【0037】
自動変速モードの場合、続くステップS12で変速パターン選択処理を行う。なお、このステップS12の処理の詳細については後述する。その後ステップS13で自動変速モードでの変速制御を行う。具体的には、前のステップS12で選択された変速パターンを参照し、車速VSPおよびスロットル開度TVOに基づいて目標入力回転数Nioを決定し、変速動作を行う。そして、このステップS13での処理が終了した後、本プログラムを終了する。
【0038】
一方、ステップS14では手動変速モードでの変速制御を行う。具体的には、ステアリングホイール17に設けたシフトスイッチ18,19からの信号に基づき、予め手動変速モードでの変速動作のために設定した変速パターンを参照して現在の変速段から目標変速段を決定し、車速とこの目標変速段とから目標入力回転数Nioを決定し、変速動作を行う。そして、このステップS14での処理が終了した後、本プログラムを終了する。
【0039】
図6は、前述した制御プログラムのステップS12における変速パターン選択処理手順(サブルーチン)の詳細を示すフローチャートである。以下、この手順について説明する。
【0040】
まずステップS21では、ステアリングホイール17の(−)スイッチ、すなわちダウンシフト側のシフトスイッチ19が押されてoffからonになっているか否かを判断する。このとき、シフトスイッチ19がonになっていればダウンシフト指令が出されたと判断してステップS22へ進む。一方、シフトスイッチ19がonになっていなければステップS23へ進む。
【0041】
ステップS23では、現在の変速パターンがDレンジ、すなわち自動変速モードにおける変速パターンであるか否かを判断する。このとき、現在の変速パターンがDレンジの変速パターンであればステップS24へ進み、Dレンジ以外の変速パターンであればステップS25へ進む。ここで、Dレンジの変速パターンとは、図2に示したものであり、自動変速モードによる通常の走行時に選択されるものである。
【0042】
一方、ステップS23では、ステアリングホイール17の(+)スイッチ、すなわちアップシフト側のシフトスイッチ18が押されてoffからonになっているか否かを判断する。このとき、シフトスイッチ18がonになっていればアップンシフト指令が出されたと判断してステップS26へ進む。一方、シフトスイッチ18がonになっていなければステップS27へ進み、現在の変速パターンを保持して処理を終了し、図5に示すメインプログラムへ戻る。
【0043】
さて、ステップS22でDレンジの変速パターンが選択されていると判断された場合に、次に処理されるステップS24では、変速パターンをそれまでのDレンジに代えてDsレンジの変速パターンを選択する。それによって、より高いエンジンブレーキ力が得られると共にスポーティな走行を実現できる。ステップS24でDsレンジの変速パターンを選択した後、処理を終了し、図5に示すメインプログラムへ戻る。
【0044】
一方、ステップS22でDレンジ以外の変速パターンが選択されていると判断された場合に、次に処理されるステップS25では、変速パターンをそれまでのDレンジに代えてLレンジの変速パターンを選択する。それによって、より高いエンジンブレーキ力が得られることとなる。ステップS25でLレンジの変速パターンを選択した後、処理を終了し、図5に示すメインプログラムへ戻る。
【0045】
次に、ステップS23でステアリングホイール17に設けたシフトスイッチ18がonになっていると判断された場合に、次に処理されるステップS26では、現在の変速パターンがLレンジのもの(図7参照)であるか否かを判断する。このとき、現在の変速パターンがLレンジのものであった場合にはステップS28へ進み、Lレンジ以外のものであった場合にはステップS29へ進む。
【0046】
ステップS26で現在の変速パターンがLレンジであると判断された場合に、次に処理されるステップS28では、新たな変速パターンとしてDsレンジを選択する。すなわち、シフトスイッチ18が操作されたことにより、運転者よりアップシフト指令が出されたものと判断し、それまでのLレンジよりも高速側の変速動作を許容するDsレンジの変速パターンを選択し、アップシフト動作を可能とするものである。このステップS28でDsレンジの変速パターンを選択した後、処理を終了し、図5に示すメインプログラムへ戻る。
【0047】
一方、ステップS26で現在の変速パターンがLレンジ以外のものであると判断された場合に、次に処理されるステップS29では、新たな変速パターンとしてDレンジを選択する。すなわち、通常の走行モードにおける変速パターンであるDレンジの変速パターンを選択する。このステップS29でDレンジの変速パターンを選択した後、処理を終了して図5に示すメインプログラムへ戻る。
【0048】
上述した処理手順に基づく切り換え制御を行うことにより、シフトスイッチ19の操作により通常のDレンジの変速パターンよりも低速の変速比または変速段での変速動作を可能とするDsレンジの変速パターンに従って変速動作を行うこととなる。その結果、ステアリングホイール17に設けたシフトスイッチ19の操作によって適切な低速側の変速段または変速比へのダウンシフトを実現することができ、特に急カーブや悪路を走行する場合のように、運転者がステアリングホイール17から手を離すことが困難な状況において、大きなエンジンブレーキを必要とする場合や、変速段の多い自動変速機における操作性を向上させることができる。
【0049】
また、前述したような従来技術における、手動変速モードから自動変速モードへの復帰が所定時間経過しないと行われず、手動変速スイッチ操作後しばらくの間は変速段または変速比が固定されるため、手動変速スイッチ操作後に加速が必要となった場合には、適切なエンジン回転数で十分な加速が行われない、といった問題に対して、本切り換え制御においては、車速とエンジン負荷に応じたDsレンジの変速パターンに従って変速動作を行うこととしているため、上記従来技術の問題点を解消し得るものとなる。
【0050】
また、従来技術においては、シフトレバーが自動変速モード位置にあるときにステアリングホイールの手動変速スイッチ操作が行われた場合、手動変速モードが選択されることとなっているため、シフトレバー位置と実際の自動変速機の走行モードとの乖離が大きくなり、運転者に違和感を与えるおそれがあった。これに対して本切り換え制御においては、実際の走行モードでは車速とエンジン負荷とに応じて変速動作が行われるため、シフトレバー位置と実際の自動変速機の走行モードとの乖離がなく、運転者に違和感を与えるおそれがない。
【0051】
また、シフトスイッチ19によってさらにダウンシフト方向への操作が行われた場合、Dsレンジの変速パターンよりもさらに低速の変速比または変速段での変速動作のみを可能とするLレンジの変速パターンに従って変速動作を行うこととなる。その結果、シフトスイッチ19の操作のみでさらに低速側へのダウンシフトが行われることとなり、必要に応じてより大きなエンジンブレーキ力が容易に得られ、さらに操作性が向上する。
【0052】
さらに、Dsレンジでの変速動作が行われている際、シフトスイッチ18によってアップシフト方向への操作が行われた場合、Dsレンジの変速パターンから、Dレンジの変速パターンに復帰して、通常のDレンジの変速パターンに従って変速動作を行うこととなる。その結果、シフトスイッチ18の操作のみでLレンジへの復帰が可能となり、変速操作を行う際の運転者の操作性をさらに向上させることができる。
【0053】
加えて、Lレンジの変速パターンによる変速動作が行われている際に、シフトスイッチ18によってアップシフト方向への操作が行われた場合、Lレンジの変速パターンからDsレンジの変速パターンに復帰して、Dsレンジの変速パターンに従って変速動作を行うこととなる。その結果、シフトスイッチ18の操作のみでDsレンジの変速パターンによる変速動作への復帰が可能となり、変速操作を行う際の運転者の操作性をさらに向上させることができる。
【0054】
そして、シフトレバー15の位置がDレンジにあるときにステアリングホイール17のシフトスイッチ18,19の操作によって切り換わる自動変速パターンを、シフトレバー15によって選択可能なDsレンジおよびLレンジの変速パターンとしているため、シフトレバー15がDレンジ位置にあるときにシフトスイッチ18,19が操作された場合の専用の変速パターンを設定するための工数を削減でき、また変速機コントローラ12の容量が大きくなるのを防止することができ、それによってコストダウンが図れることとなる。
【0055】
次に図7は、本発明の他の実施形態に係る手動変速切り換え制御および変速制御のためのプログラムの処理手順を示すフローチャートである。以下、この手順について説明する。
【0056】
先ずステップS31において車速VSP、スロットル開度TVO、およびシフトレバー15の位置信号をそれぞれ読み込む。
【0057】
続くステップS32ではシフトレバーがDレンジ位置、すなわち自動変速モード位置にあるか否かを判定する。このとき、シフトレバー15がDレンジ位置にあればステップS33へ進み、Dモード以外の位置にある場合にはステップS38へ進む。
【0058】
ステップS33においては前回が自動変速(D)モードだったか否かを判定し、前回が自動変速モードであった場合にはステップS34へ進み、自動変速モードでなかった場合にはステップS35へ進む。
【0059】
ステップS34ではステアリングホイール17に設けたダウンシフト(−)側のシフトスイッチ19が操作されたか否かを判断する。ここでシフトスイッチ19が操作されたと判断した場合にはステップS36へ進み、シフトスイッチ19が操作されていないと判断した場合にはステップS37へ進む。
【0060】
一方ステップS35では手動変速モードとなってから所定時間が経過したか否かを判断する。ここで手動変速モードとなってから所定時間経過していると判断した場合にはステップS37へ進み、所定時間が経過していないと判断した場合にはステップS38へ進む。
【0061】
ステップS33で前回自動変速(D)モードと判断し、かつ、ステップS34でダウンシフト側のシフトスイッチ19が操作されたと判断された場合には、自動変速モードから手動変速(M)モードへのモード切り換えが行われたとして、ステップS36でD→Mモード切り替え時用の変速制御を実行することにより目標入力回転数Nioを決定する。
【0062】
一方、ステップS33で前回自動変速モードと判断し、かつ、ステップS34でダウンシフト側のシフトスイッチ19が操作されていないと判断した、自動変速モード継続中および、ステップS33で前回は自動変速モードではなかったと判断し、かつ、手動変速モードとなってから所定時間が経過したと判断した、手動変速モードから自動変速モードへの切り換えが行われた場合には、ステップS37で自動変速モードによる変速制御を実行することにより目標入力回転数Nioを決定する。
【0063】
そして、ステップS32でシフトレバー15はDレンジ位置ではないと判断した場合、またはステップS35で手動変速モードとなってから所定時間が経過していないと判断した、手動変速モード継続中の場合には、ステップS38で手動変速モードによる変速制御を実行することにより目標入力回転数Nioを決定する。
【0064】
ステップS39では、ステップS36またはステップS37、あるいはステップS38で求めた目標入力回転数Nioを、車速VSPから求まるセカンダリプーリ6の回転数Ns(変速機出力回転数)で除算することにより目標変速比iを算出し、現在の変速比から目標変速比iへの変速が目標変速速度Δiで達成されるようにステップモータ11を駆動すべく、当該モータのステップ位置STPを決定して出力する。
【0065】
次に図8は前述した図7のフローチャートのステップS36におけるD→Mモード切り替え時用の変速制御のプログラム処理手順(サブルーチン)の詳細を示すフローチャートである。以下、この手順について説明する。
【0066】
まず、D→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量を決定するステップS41においては、D→Mモード切り替え時に要求にかなうエンジンブレーキが確実に得られるような手動変速段の選択を補償するための入力回転数加算量ΔNiを設定する。
【0067】
ここで、上記のD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを補足説明するに、図9に例示するように手動変速段M1〜M8の数が多くてクロスレシオ気味である場合は、例えば同図のA1点において自動変速(D)モードから手動変速(M)モードへのM→Dモード切り替えを行った時、このモード切り替え時の実入力回転数に最も近い、つまりA1点に最も近いロー側の手動変速段M5が選択されてA2点における目標入力回転数Nioが指令されるも、A1点およびA2点間における入力回転数差が小さくて所定のエンジンブレーキが得られない。
【0068】
そこで、図9のA1点およびA2点間の入力回転数差、つまり図10にβで示す回転数差よりも大きな一定のD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを設定しておき、図9におけると同様に図10のA1点でM→Dモード切り替えを行った場合につき説明すると、このモード切り替え時の実入力回転数に上記のD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを加えて求まるA3点に最も近いロー側の手動変速段M4が選択されるようにし、結果としてA4点における目標入力回転数Nioの指令によりA1点およびA4点間の大きな入力回転数差で所定のエンジンブレーキが得られるようにする。ただし、手動変速段数が少なくてD→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiを設定しなくても所定のエンジンブレーキが得られる場合は、ΔNi=0にする。
【0069】
次に、実入力回転数を保持するステップS22では、変速機入力回転数Niを読み込みつつ、D→Mモード切り替え時の変速機入力回転数を保持してNih(図9および図10のA1点における入力回転数)とする。また演算処理を行うステップS43では、D→Mモード切り替え時変速機入力回転数Nihと、D→M時エンジンブレーキ補償用入力回転数加算量ΔNiとの加算により第1の目標入力回転数Nio(1)を演算する。
【0070】
一方ステップS44は、車速VSPごとに例えば図11に示すように設定したD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαで、D→M時車速保持を行うためのステップS45は車速VSPを読み込みつつD→Mモード切り替え時における車速保持値VSPhを記憶する。D→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数を決定するステップS46は、図11に例示したD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαを基にD→M時車速保持値VSPhからD→M時に要求されるエンジンブレーキを達成するための最低入力回転数Niminを決定する。
【0071】
ここで図11に例示するD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαは、アクセルペダルを釈放した状態でのD→Mモード切り替え時に要求されるエンジンブレーキ力を発生させるのに必要な最低変速機入力回転数に関するデータを示し、以下のごとくに決定する。
【0072】
つまり、車速VSP=V1でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第3速の手動変速段M3(B1点の目標入力回転数)が必要で、また車速VSP=V2でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第4速の手動変速段M4(B2点の目標入力回転数)が必要で、一方車速VSP=V3でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第5速の手動変速段M5(B3点の目標入力回転数)が必要で、さらに車速VSP=V4でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第6速の手動変速段M6(B4点の目標入力回転数)が必要で、そして車速VSP=V5でD→Mモード切り替えを行う場合の要求エンジンブレーキ力を得るには第7速の手動変速段M7(B5点の目標入力回転数)が必要である車両の場合、図11においてB1点〜B5点の直下における隣のハイ側手動変速段線との交点C1〜C5を結んだ線をD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαとする。但し、車速VSPがV1以下の低車速域においてはD→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数データαが、第3速の手動変速段M3を表す線と交差することのないようにする。
【0073】
アクセルペダル踏み込み状態でのD→M時高負荷用最低入力回転数を決定するステップS47は、アクセルペダル踏み込み状態でD→Mモード切り替えをした時に要求される変速特性、つまり実入力回転数Ni、あるいは実入力回転数に基づいて設定された第1の目標入力回転数Nio(1)に最も近いロー側手動変速段が後述するステップS50で必ず選択されてリニヤ感を満たすよう、高負荷用最低変速機入力回転数をNioptを決定する。
【0074】
D→M時スロットル開度保持を行うステップS48は、当該D→Mモード切り替え時においてスロットル開度TVOをスロットル開度保持値TVOhとして記憶し、第2の目標入力回転数を決定するステップS49は、スロットル開度保持値TVOhが微少設定値未満の低エンジン負荷状態であれば、D→M時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数Niminを第2の目標入力回転数Nio(2)として選択し、スロットル開度保持値TVOhが微少設定値以上の高エンジン負荷状態(アクセルペダル踏み込み状態)であれば、0として設定されているD→M時高負荷用最低入力回転数Nioptを第2の目標入力回転数Nio(2)として選択する。
【0075】
第1および第2の目標入力回転数を選択するステップS50は、D→Mモード切り替え時の入力回転数Nihを基に定めた第1の目標入力回転数Nio(1)と、第2の目標入力回転数Nio(2)(D→Mモード切り替え時のスロットル開度TVOhに応じ、D→Mモード切り替え時要求エンジンブレーキ用最低入力回転数NiminまたはD→Mモード切り替え時高負荷用最低入力回転数Niopt)との大きい方High{Nio(1),Nio(2)}を選択する。
【0076】
目標入力回転数を決定するステップS51は、当該選択した大きい方のHigh{Nio(1),Nio(2)}に最も近いロー側の手動変速段を選択して、これを基に車速VSPから目標入力回転数Nioを求める。
【0077】
以上説明したように、本発明による自動変速機の手動変速切り換え制御装置によれば、シフトレバーをDレンジ位置としたまま手動変速スイッチを最小限の操作をすることにより適切な変速比へのダウンシフトを実現することができ、特に急カーブや悪路を走行する場合のように、運転者がステアリングホイールから手を離すことが困難な状況において、大きなエンジンブレーキを必要とする場合や、変速段の多い自動変速機において、手動変速モードにおける変速動作の操作性を向上させることができる。
【0078】
また、運転状態の如何にかかわらず、低負荷走行中のD→Mモード切り替え時はダウンシフトを生起させることができる。これにより、エンジン低負荷走行中の上記モード切り替え時に要求されるエンジンブレーキを補償することができて、当該モード切り替え後に運転者が手動によるダウンシフトを行う必要が生ずるという煩わしさを回避し得ると共に、当該モード切り換えをエンジンブレーキにより確実に体感することができる。
【0079】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、無段変速機以外の有段の自動変速機にも適用が可能である。また、上述した実施形態においてはエンジン負荷としてスロットル開度をパラメータとしているが、これに代えてアクセル開度を用いることとしても良い。さらに、手動変速スイッチをステアリングホイールのパッド部に設けたシフトスイッチとしているが、手動変速スイッチの形状や位置もまた上述した実施形態に限定されるものではなく、運転者がステアリングホイールから手を離さずに操作できるものであれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る手動変速切り替え制御装置を具えた車両のパワートレーンを、その制御系と共に概略示す図である。
【図2】本発明に係る切り換え制御を用いる自動変速機の、通常の変速動作(Dレンジ)における変速パターンを示す線図である。
【図3】本発明に係る切り換え制御を用いる自動変速機の、Dsレンジにおける変速パターンを示す線図である。
【図4】本発明に係る切り換え制御を用いる自動変速機の、Lレンジにおける変速パターンを示す線図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る手動変速切り換え制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図5に示すプログラム中の変速パターン選択処理手順をさらに詳細に示すフローチャートである。
【図7】本発明の他の実施形態に係る手動変速切り換え制御プログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図7に示すプログラム中の自動変速モードから手動変速モードへの切り替制御処理手順をさらに詳細に示すフローチャートである。
【図9】自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替え時にエンジンブレーキ力が不足する理由を説明するのに用いた手動変速パターンを示す線図である。
【図10】図7の実施形態において、自動変速モードから手動変速モードへのモード切り替え時にエンジンブレーキ力の不足が解消される理由を説明するのに用いた手動変速パターンを示す線図である。
【図11】エンジン低負荷状態で自動変速モードから手動変速モードへ切り替えた時に要求されるエンジンブレーキ力を発生させるのに必要な最低入力回転数を示す、手動変速パターンを示す線図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 無段変速機
3 スロットルバルブ
4 トルクコンバータ
5 プライマリプーリ
6 セカンダリプーリ
7 Vベルト
8 ファイナルドライブギヤ組
9 ディファレンシャルギヤ装置
10 変速制御油圧回路
11 ステップモータ
12 変速機コントローラ
13 スロットル開度センサ
14 車速センサ
15 シフトレバー
16 入力回転センサ
17 ステアリングホイール
18 シフトスイッチ(+)
19 シフトスイッチ(−)

Claims (5)

  1. 自動変速モードの他に、手動変速モードによる変速動作を可能とする自動変速機において、
    シフトレバーが自動変速モード位置にあるとき、車速とエンジン負荷に応じた予定の自動変速パターンに基づいて変速動作を行う自動変速モード制御手段と、前記シフトレバーが手動変速モード位置にあるとき、当該シフトレバーまたはステアリングホイールに設けた手動変速スイッチのいずれかの操作によって変速動作を行う手動変速モード制御手段とを具え、
    前記自動変速モード制御手段が、前記シフトレバーが自動変速モード位置にあるときに、前記手動変速スイッチによる操作がダウンシフト方向への操作である場合、前記予定の自動変速パターンの最小変速比よりも大きな値を最小変速比とする第二の自動変速パターンを選択し、当該第二の自動変速パターンに従って変速動作を行うことを特徴とする自動変速機の手動変速切り換え制御装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記自動変速モード制御手段が、前記第二の自動変速パターン選択時に前記手動変速スイッチによりさらにダウンシフト方向への操作が行われた場合、前記第二の自動変速パターンの最小変速比よりもさらに大きな値を最小変速比とする第三の自動変速パターンを選択し、当該第三の自動変速パターンに従って変速動作を行うことを特徴とする自動変速機の手動変速切り換え制御装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記自動変速モード制御手段が、前記第二の自動変速パターン選択時に前記手動変速スイッチによりアップシフト方向への操作が行われた場合、前記予定の自動変速パターンを再度選択し、当該予定の自動変速パターンに従って変速動作を行うことを特徴とする自動変速機の手動変速切り換え制御装置。
  4. 請求項2記載の装置において、
    前記自動変速モード制御手段が、前記第三の自動変速パターン選択時に前記手動変速スイッチによりアップシフト方向への操作が行われた場合、前記第二の自動変速パターンを選択し、当該第二の自動変速パターンに従って変速動作を行うことを特徴とする自動変速機の手動変速切り換え制御装置。
  5. 自動変速モードの他に、手動変速モードによる変速動作を可能とする自動変速機において、
    シフトレバーが自動変速モード位置にあるとき、車速とエンジン負荷に応じた予定の自動変速パターンに基づいて変速動作を行う自動変速モード制御手段と、前記シフトレバーが手動変速モード位置にあるとき、当該シフトレバーまたはステアリングホイールに設けた手動変速スイッチのいずれかの操作によって変速動作を行う手動変速モード制御手段と、
    前記シフトレバーが自動変速モード位置にあり、かつ、前記手動変速スイッチによるダウンシフト方向への操作が行われたときに、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えを行うモード切り換え手段とを具え、
    前記手動変速モード制御手段が、エンジン負荷が小さい状態での走行中に前記モード切り換え手段によりモード切り換えが行われた場合に、当該モード切り換え時における変速機入力回転数に基づいて定めた第一の目標入力回転数と、車速毎に求めた要求エンジンブレーキ力発生のための最低変速機入力回転数に対応する第二の目標入力回転数の内大きい方を目標入力回転数として選択し、当該選択した目標入力回転数に最も近いロー側の手動変速段を選択することを特徴とする自動変速機の手動変速切り換え制御装置。
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