JP2004346949A - ガスコック - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属製の弁箱1と、ボール構造の金属製の弁体26と、弁箱1の外部に突出されて、弁体26を回転させることができる金属製の弁棒25とを備えたガスコックであって、弁棒25外周面と弁箱1貫通部内面との間をシールするようにされたガスコックにおいて、貫通部外側開口端28a及び内側開口端28bに対向するように弁棒25外周に一体的に形成された径方向への拡大面31との間に低摩擦性のプラスチック製リング状シール材38が介挿されてなる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスコックに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス管路に設けられるガスコックとして、図4に示すように、金属製の弁箱1と、この弁箱1の内部に設けられたボール構造の金属製の弁体2と、前記弁箱1を貫通して他端が弁箱1の外部に突出されて、前記弁体2を回転させることができる金属製の弁棒3とを備えたガスコック4が知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
図4において、符号5、5で示す部材は、弁箱1の内面に弁体2を支持すると共にこれらの隙間をシールする合成樹脂製のシートを示し、ガスの漏洩を防止している。
【0004】
ところで、このようなガスコックを用いて配管した建物などにおいて火災が発生し、高温に曝されてガスコックの合成樹脂製シート5が熱により燃焼ないしは変質劣化してシール状態が破壊されると、ガス供給の上流側から漏洩したガスが弁棒3部分を通じて外部へ漏出するのを止めることができなくなる問題がある。
【0005】
そこで、これを解決するため、図5に示すように合成樹脂製シート5に隣接して高熱を受けると燃焼せずに膨張する性質の耐熱パッキン6を断面コ字状をなすリング状のホルダー7内に支持し、火災時の高温で熱せられると熱膨張し、ホルダー7内面と弁体2外面で囲まれる空間に圧密充満状態となって、高熱雰囲気下でもシール性を維持するようにすると共に、弁箱1の弁棒3を貫通させるボス部8の奥方側に耐火パッキン9を、また開口側にOリング10を収納し、また弁棒3に取付けられるハンドル4aのボス部8の開口外側端面8aに対向する面にリング状パッキン11を介挿することにより弁棒3を伝ってのガス漏れにも備えることが行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−71032号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなシール構造は、ボール弁2の上流側にシート5と耐火パッキン6の合計2箇所、下流側に1箇所のシート5、弁棒3については周方向に耐火パッキン9とOリング10との合計2箇所と複数箇所がシールされ、これらシールによりガス漏れは完全に防止できてもシール材の反発弾性による摩擦力でボール弁2の開閉抵抗がかなり大きくなり、弁の開閉動作が困難となる問題があった。
【0008】
また、リング状パッキン11は、ハンドル4aを弁棒3にナット3aにより強くねじ締めした時の回転摩擦を小さくするために介挿されるが、弁箱1内面の開口端部分は、弁棒3が抜け出てしまわないためのフランジ3bが設けられていてこのフランジ3bと弁箱1内面との接触によりハンドル4aの回転抵抗が大きくなり、開閉操作が困難になる問題があった。
【0009】
特に、女性や老人、子供など腕力の小さい者にとってはこの問題は著しくなる問題があった。
この発明は、上記問題を解消し、従来のガスコックと同等のシール性は維持しつつもその開閉操作に要する力を極力小さくすることを課題としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため請求項1のガスコックは、金属製の弁箱と、この弁箱の内部に設けられたボール構造の金属製の弁体と、前記弁箱を貫通して他端が弁箱の外部に突出されて、前記弁体を回転させることができる金属製の弁棒とを備えたガスコックであって、前記弁棒外周面と弁箱貫通部内面との間をシールするようにされたガスコックにおいて、前記外側開口端及び内側開口端に対向するように前記弁棒外周に一体的に形成された径方向への拡大面と前記それぞれの開口端との間が低摩擦性のプラスチック製リング状シール材が介挿されてなるものである。
【0011】
このような構成であると、弁体と弁箱との間は耐火パッキンでシールされるため、ガスコックが高温に曝されてもガス漏れは生じない一方、弁棒の径方向面に接するシール材が、低摩擦性のプラスチック製リング状シール材とされているので、ハンドルを取り付けるためのナットなどを強く締め付けても、摩擦抵抗は大きくならず開閉操作が容易となるのである。
請求項2のガスコックは、請求項1のガスコックにおいて、低摩擦性のプラスチック製リング状シール材が、四フッ化エチレン樹脂製とされているものである。
【0012】
四フッ化エチレン樹脂は潤滑性に優れ、摩擦抵抗も小さい他、熱的特性に優れるので火災時の高熱にも耐えるといった効果を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態のガスコックの断面構造を示す。
弁箱1は、真鍮などの金属材料にて形成されており、本体部13にキャップ部14がねじ込まれている。15はそのねじ合わせ部である。
【0014】
この実施の形態のガスコックでは、回転ナット部17がキャップ部14軸周囲にOリング18及び耐火パッキン19を介して回転可能に嵌合されている。20は回転ナット部17の抜け止めリングを示す。また、回転ナット部17の外周には多角形状の工具掛り部22が形成されている。
【0015】
弁箱1にはガス通路21が貫通状態で形成されており、このガス通路21に弁体収容部16が構成されている。本体部13および回転ナット部17の開口側端内面には、それぞれ、このガスコックをガス配管やガス器具などに接合するための、たとえば図示のような雌ねじ部13a、17aが形成されている。
【0016】
弁箱1の弁体収容部16における本体部13とキャップ部14とには、それぞれシート収容部23、23が形成され、これら収容部23、23には環状のシート24、24がそれぞれ収容されている。これらのシート24、24は、四フッ化エチレン樹脂製などのものを用いることが望ましい。
【0017】
そして、キャップ部14側のシート収容部23には、図2に示すように、弁体26に対面して切り欠き40が形成され、この切り欠き部40に、断面コ字状をなし、開放面を内側に向けたリング状のホルダー41が収納され、さらにこのホルダー41内に熱膨張性黒鉛が混入されたニトリルゴムなどからなる耐火パッキン42が収納されている。
【0018】
ホルダー41は、黄銅製のリング体で、図2に拡大して示したようにコ字状の開放端43、44は弁体26外周に狭い隙間を隔てて弁体26の外周に対峙した状態とされている。
【0019】
また、弁体26の弁棒25を挟んだ他側のシール24は、キャップ14のねじ込みにより弁体26が押され、その結果、弁体26の他側表面が弁箱1の他側内面のシート収納部23の角部45に接触し、その接触状態によってシート24との共同によりシールがされるようにされている。
【0020】
また弁体26には、この弁体26を回転させたときに弁箱1のガス通路21に連通する孔部27が貫通状態で形成されている。
弁棒25は、真鍮などの金属材料によって形成され、弁箱1の本体部13に一体に形成されたボス部28を貫通した状態で設けられている。この弁棒25には、弁体26外周に形成された凹部29にはまり込む連結部30が形成され、この連結部30によって、弁棒25を介して弁体26を回転操作できるように構成されている。
【0021】
また弁棒25の一端にはフランジ部31が一体に形成されており、このフランジ部31が弁箱1の内部においてボス部28の貫通孔の弁箱内面側の開口端部28bに係り合い可能であることによって、この弁棒25が弁箱1から抜け出ないよう軸心方向に位置決めされている。
【0022】
弁棒25におけるボス部28を貫通する部分の外周には、図3に拡大して示すように、軸心方向に距離をおいて一対の環状溝32、33が形成されている。
弁体収容部16に近い方の環状溝33には、耐火性を有するパッキン34が収容されている。この耐火パッキン34は、たとえば前述のような熱膨張性黒鉛が混入されたニトリルゴムなどによって形成されている。
【0023】
もう一つの環状溝32には、ニトリルゴムなどによって形成された通常のOリング35が収容されている。
これらの耐火パッキン34及びOリング35は、ボス部28の内周に圧接することで、弁棒25とボス部28内面との間をシールできるように構成されている。
【0024】
弁棒25におけるボス部28からの突出部分36には、合成樹脂などによって形成されたハンドル37が、この弁棒25に対して回り止めが施された状態で外ばめされている。このハンドル37と、ボス部28の先端面28aとの間には、ハンドル37の回転時の摺動抵抗を軽減させるために四フッ化エチレン樹脂などによって形成されたリング状シール材38が挟み込まれている。また、弁棒25の弁箱1内に設けられたフランジ31とボス部28の弁箱内側の貫通孔の開口端28bとの間にも四フッ化エチレン樹脂などによって形成されたリング状シール材38が挟み込まれている。
【0025】
ハンドル37は弁棒25の先端にナット39でねじ締めにより固定され、ナット39とハンドル37との間にはバネワッシャ46が介装されている。
このような構成のガスコックを組み立てる際には、耐火パッキン34、Oリング35をそれぞれの収納溝32、33に収納し、リング状シール材38をフランジ部31部分に装着した弁棒25を、弁箱1におけるキャップ部14が取り外された状態の本体部13の内部に挿入し、この弁棒25をボス部28に通して、その先端部をボス部28から外部へ突出させフランジ部31をボス部28の端部に係り合わせる。次に、外部から突出させた弁棒25にリング状シール材38を外嵌してハンドル37を弁棒25上端に取り付ける。
【0026】
次に、シート収容部23にシート24を収容したうえで本体部13における弁体収容部16の内部に弁体26を挿入し、この弁体の凹部29に弁棒25の連結部30をはめ込ませて、これら弁棒25と弁体26とを一体可能な状態にするとともに、この弁体26をシート24に当てて位置決めさせる。
【0027】
この状態で、収容部16に耐火パッキンを収納したホルダー41とシート24を取りつけたキャップ部14を本体部12にねじ合わせ、次いでキャップ部14外周の収納溝にOリング18、耐火パッキン19を収納して回転ナット部17を外嵌し、最後に抜けどめリング20を嵌めつけることで、弁箱1を組み立てる。
【0028】
このとき、弁箱1の内部において、弁体26が、一対のシート24、24にはさみ込まれた状態で、回転可能にかつシール状態で支持される。
このようにして組み立てられたガスコックは、ハンドル37を操作することによって、シート24、24に支持された弁体26が回転し、弁箱1のガス通路21が弁体26の孔部27によって開閉されることで、コックとして機能する。
【0029】
このガスコックの使用時において、弁棒25の外周とボス部28の貫通部内周との間は、周方向に沿っては耐火パッキン34、Oリング35が、径方向に沿っては摩擦抵抗の少ないプラスチック製のリング状シール材38、38が介挿されているため、弁棒からのガス漏れは確実に防止され、しかもプラスチック製のリング状シール材38、38の部分は摩擦抵抗が少なく、その分弁棒の回転抵抗が小さくなるのである。
【0030】
なお、弁体26と弁箱1内面との隙間をシールする環状のシート24、24についても摩擦抵抗の小さいプラスチック製とした場合は、さらに摩擦抵抗が小さくなるので、確実なシール性が維持されると共に操作力も小さくて済む。
【0031】
上記の実施の形態において、摩擦抵抗の小さいプラスチックとしては四フッ化エチレン樹脂製とすれば、さらに低摩擦性が改善される。即ち、四フッ化エチレン樹脂は潤滑性に優れ、摩擦抵抗が小さいので弁棒のボス部内面に対する摩擦抵抗、さらには弁体の弁箱に対する摩擦抵抗が軽減され、ガスコックの操作力が軽減される。またこの樹脂は、抜群の熱的特性を有するので火災時の高熱にも耐えるといった効果を有する。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のガスコックは、弁体と弁箱内面との間及び弁棒とボス部内面との間をシール材や耐火パッキンで幾重にも厳重にシールした場合であってもそのうちの一部を摩擦抵抗の少ない樹脂製のリング状シール材でシールしているため、弁の開閉の回転操作がそれだけ軽くなり、容易に開閉が可能となるのである。また、この時、摩擦抵抗の少ない樹脂として四フッ化エチレン樹脂製のリングを用いた場合、これらは低摩擦性のほか優れた耐熱性も有するので火災時のガス漏れ防止にも効果がある等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のガスコックの断面図である。
【図2】図1の耐火パッキン部の要部拡大図である。
【図3】図1の弁棒貫通部の要部拡大断面図である。
【図4】従来のガスコックの一例を示す断面図である。
【図5】耐火パッキンを備えた従来のガスコックの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 弁箱
13 本体部
14 キャップ部
17 回転ナット部
19 耐火パッキン
24 環状のシート
25 弁棒
28 ボス部
28a ボス部の先端面
28b ボス部の貫通孔の弁箱内側開口端
31 フランジ部
38 四フッ化エチレン樹脂などによって形成されたリング状シール材
Claims (2)
- 金属製の弁箱と、この弁箱の内部に設けられたボール構造の金属製の弁体と、前記弁箱を貫通して他端が弁箱の外部に突出されて、前記弁体を回転させることができる金属製の弁棒とを備えたガスコックであって、前記弁棒外周面と弁箱貫通部内面との間をシールするようにされたガスコックにおいて、前記外側開口端及び内側開口端に対向するように前記弁棒外周に一体的に形成された径方向への拡大面と前記それぞれの開口端との間に低摩擦性のプラスチック製リング状シール材が介挿されてなるガスコック。
- 請求項1のガスコックにおいて、低摩擦性のプラスチック製リング状シール材が、四フッ化エチレン樹脂製とされているガスコック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003141227A JP2004346949A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | ガスコック |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003141227A JP2004346949A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | ガスコック |
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JP2004346949A true JP2004346949A (ja) | 2004-12-09 |
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JP2003141227A Pending JP2004346949A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | ガスコック |
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JP (1) | JP2004346949A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006234021A (ja) * | 2005-02-23 | 2006-09-07 | Kubota Corp | バルブ |
JP2010185575A (ja) * | 2010-04-26 | 2010-08-26 | Kubota Corp | バルブ |
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2003
- 2003-05-20 JP JP2003141227A patent/JP2004346949A/ja active Pending
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