JPS6215794B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は流体制御弁、とくに通常のおよび比較
的高温の環境の両方において用いる環状弁座に関
する。

環状弾性シールを持つちよう形および他の型の
流体制御弁は周知で、通常、室温すなわち適度の
温度、適度の圧力で広範囲の産業において種々の
流体の流れを制御するのに用いられている。この
ような制御弁には通常、流路の回りの弁座と、流
路に可動に支持された、弁を通る流体流を制御す
る金属流体制御弁とを持つ、流体の流路を構成す
る環状弁胴がある。弁体を弁座に押し付けると弁
は閉じられて弁を通る流体流が止まる。適度の温
度、適度の圧力で用いる弁は通常弁座内に環状弾
性シールを用いるが、より高温高圧では金属シー
ルを用いる。金属シールは低い温度で使用する
と、通常弾性シールよりも流体の漏れが同きい。
このため、正規の運転温度が比較的低いと、通常
弾性シールが用いられる。しかし、石油産業にお
いては、弁の近くでパイプ系統自身の内部または
外部において火災の危険がある。火災によつて弁
の温度が上昇すると、弁の弾性シールは劣化また
は損傷してシールとして役に立たなくなる。

従来の弁のあるものは、低い温度で運転されて
いるときは弾性シールを用い、弾性シールが損傷
したときは代替金属弁座が動いて弁体と運転接触
する。弾性シールが完全に破壊されると代替弁座
は満足に作動するが、弾性シールの一部が流路に
残つていると過剰の流体の漏れが起こる。

弾性シールと、弁の温度が適度であると流量制
御弁体との流体密な接触を維持する金属弁座とを
持ち、弾性シールが部分的にまたは完全に破壊さ
れると金属弁座は流体密な接触を維持し続ける流
体制御弁が望まれる。

したがつて本発明の一つの目的は弾性主シール
が火災で損傷しても有効なシールが得られる信頼
性のある副シールを持つ回転弁用耐火性弁座装置
を提供することである。

本発明の他の目的は比較的簡単に製造できると
共に高速流でも破損しない弾性シール部材を有
し、流れの方向に無関係にシールすることがで
き、広範囲の温度にわたつて有効な回転弁用耐火
性弁座装置を提供することである。

本発明によれば、流路を形成する環状弁胴、及
び流体流を制御するために流路内で支持される可
動弁素子を有する回転弁用耐火性弁座装置におい
て、半径方向外側に堅固な胴部分を含む一体に形
成された金属製弁座リングであつて、胴部分は、
半径方向内側に延出する弧状に彎曲した比較的に
薄いリツプにしてリツプ間に環状みぞを形成して
いる各リツプにつながる弁座リング、及びリツプ
間に配置されて実質的に環状みぞを満たすととも
に通常は弁座リングの半径方向内側に延在する環
状にして弾性的なシール部材を含有し、リツプは
彎曲し、相互に収束するように対向して半径方向
の最も内方の先端部で終端することによりシール
部材を環状みぞ内に保持し、さらに、リツプは、
半径方向の最も内方の先端部で各々撓みうるよう
にばね状の特性を具えていて、可動弁素子がリツ
プに係合するとシール部材が変形するように配置
されており、よつてシール部材の両側にリツプが
ばね圧力によつて圧接されると弁素子とリツプの
シール係合を向上できるようになつている回転弁
用耐火性弁座装置が与えられる。

次に図を用いて本発明の実施例を説明する。

第１，２図に示すように、どちらの方向の流れ
も制御する両方向弁座装置を持つ、本発明の特徴
を取り入れたちよう形弁１１は、流体の流路１３
を溝成するだいたい環状の弁胴１２を持つ。図示
の弁胴は対向した標準のパイプフランジ（図示し
ない）間に挿入されるようになつている。周縁に
シール面１８を持つ流量制御弁体１７が流路１３
内に回転可能に支持されている。シール面１８に
はじようぶな外面があつて、弁体が弁座に押し付
けられたときのひつかききずや摩耗を防止する。
第２図に最もよく示すように、弁体シール面１８
は環状弾性非金属シール部材２４を持つ金属弁座
リング２３で構成された環状両方向弁座装置１９
と連携する。弁座装置１９（第２〜６図）は保持
リング３０内の腔で構成された環状弁座チヤンバ
２５内にある。保持リングは、可動弁素子、すな
わち弁体１７のとりはずしや弁の分解の必要なし
に迅速容易な弁座装置１９の脱着のために、押え
ねじ３１または他の適当な手段によつて弁胴１２
にとりはずし可能に取り付けられている。押えね
じ３１は保持リング３０に十分な軸方向の力を加
えて内側環状シールガスケツト２９に弁座リング
２３と弁胴１２との間に流体シールをさせるとと
もに、外側シートリング３５に弁座リング２３と
保持リング３０との間の流体密シールを行なわせ
る。弁座装置１９を取り付けたとき、弁は図示の
完全に閉じた状態にならなければならない。それ
は、弁座装置は自由浮動状態にあつて自らが弁体
１７に心合わせし、弁体面１８と完全にして隙き
間のないシール界面を確立するからである。

環状金属弁座リング２３（第３〜６図）は、半
径方向の内面の回りに環状みぞ３７を持つ環状体
部３６と、みぞ３７の壁を構成する１対のカーブ
したたわみ性リツプ４１，４２とで構成されてい
る。みぞ３７にはめられた弾性シール部材２４は
ドーナツすなわちＯ−リングの形で、四フツ化エ
チレン樹脂（テフロン「登録商標」）のような弾
性材料でつくられている。弁座は、弾性シール部
材２４をみぞ３７にはめ込み、その上に金属性の
たわみ性リツプ４１，４２を曲げて弾性シール部
材を部分的に包囲することによつて組み立てる。
カプセルで囲つた後には弾性シール部材の狭いシ
ール部２４ａだけが２つの金属リツプ４１，４２
の間に露出されるだけである。

金属弁座リング２３はタイプ302ステンレスス
チールのような加工硬化材料でつくることができ
るので、各リツプは曲げられた後はばね作用を持
つことができ、曲げによつてリツプは加工硬化す
る。弾性シール部材２４の狭い内側シール部２４
ａと弁座リング２３の開端４１ａ，４２ａの両方
とも流量制御弁体１７のシール面１８の直径より
小さい内径を持つていて、弁体１７としまりばね
となるので、このばね作用は望ましい。

弁体１７が開いた位置（第３図）から動いて弁
座装置１９（第４図）と接触すると、金属弁座リ
ング２３のリツプシール部４１ａ，４２ａと弾性
シール部材２４のシール部２４ａとは弁体１７の
シール面１８に接触する。弁体１７が完全に閉じ
た位置（第５図）になると、弾性シール部材のシ
ール部２４ａは平らになつて弁体のシール面１８
と比較的広い接触領域を構成する。弁体は半径方
向に外向きの圧力をシール部材２４に及ぼすの
で、シール部材の半径方向に外側の部分２４ｂは
弁座リング２３のみぞの底の部分３７ａ（第５
図）に押圧され、シール部材２４はみぞの底部に
密に押し付けられる。

流路の右側（第２〜６図で見て）の加圧流体が
上流リツプ４２（第５図）をわずかに左側（下
流）および弁体１７から半径方向に外向きに曲げ
ると、流体はリツプ４２と弁体のシール面１８と
の間に圧入される。そうすると加圧流体は弾性シ
ール部材２４を下流方向にリツプ４１に押し付け
て下流リツプと弁体１７とのシール係合を増大さ
せて金属対金属の副シールを形成させ、主弾性シ
ール部材２４の低温流れを防止させる。弁１１が
その中または回りの火災のように異常な高温にさ
らされると、弾性シール部材２４が損傷し、第６
図に示すように下流金属リツプ４１が主シールと
なる。

流路１３の左側の加圧流体はリツプ４１（第５
図）を右（下流）と弁体１７から半径方向に外方
にわずかに曲げさせ、流体をリツプ４１と弁体の
シール面１８との間に圧入する。すると加圧流体
は弾性シール部材２４を下流方向にリツプ４２に
押し付け、リツプ４２の弁体１７とのシール係合
を増大させて金属対金属の副シールを形成する。
弁１１がその中または回りの火災のような異常な
高温にさらされると、弾性シール部材２４が損傷
して下流金属リツプ４２が第６図に示す主シール
となる。

弁体１７はその中の穴４７を鉛直に貫通する軸
４６によつて流路１３（第１，２図）中に設けら
れる。軸４６は、弁体１７中の２つの横方向の穴
５２に、平らな面４８ａを持つ２本のテーパピン
４８を軸４６の対応した２つの横方向のみぞ５
３，５４の平らな面５３ａ，５４ａに係合させて
しつかり差し込むことによつて弁体に固定され
る。軸４６の上部と弁胴１２との間のすき間はシ
ヨルダ６０上に支持されたヘツダリング５９に押
圧された複数のパツキンリング（グランドパツキ
ン）５８（第２図）によつてシールされる。ヘツ
ダリング５９と押えリング６４とがそれらの間に
パツキンリング５８を圧搾してリング５８を軸４
６と弁胴１２とに密に押し付ける。カバープレー
ト７０の複数の穴６６（第１図）を通つて弁胴１
２の複数の穴７１にねじ込まれた複数の押えねじ
６５がカバープレート７０を弁胴１２の上部に固
定する。押えねじ６５を締めることによつてカバ
ープレート７０が押えリング６４をパツキンリン
グ５８に押圧する。軸４６の下部と弁胴との間の
すき間は押えリング６４ａ、押えねじ６５ａ、お
よびカバープレート７０ａによつてヘツダリング
８９ａに押圧された複数のパツキンリング５８ａ
によつて同様にシールされる。

軸４６の上部および下部はそれぞれ上側および
下側スリーブ型軸受７４，７５によつて弁胴１２
内に支持されている。これらの軸受の摩擦係数が
小さく高温に耐えるすりむけない材料でつくるこ
とができる。それぞれ弁体１７とスリーブ軸受７
４，７５との間に設けられた１対のスペーサリン
グ７６，７６ａによつて弁体１７は流路１３の中
心に維持される。

軸４６の上部には軸を弁駆動装置（図示しな
い）に連結する横方向の穴８０がある。駆動装置
は弁胴のねじを切つた複数の穴８１（第１図）に
ねじ込んだ押えねじ（図示しない）またはボルト
によつて弁胴の上端に取り付けることができる。
弁胴の上部１２ａと下部１２ｂにはそれぞれ弁胴
を１対の標準のパイプフランジ（図示しない）の
間にねじで取り付けるための１対の穴８２があ
る。

本発明では弁を適度の温度で運転するとき流体
の漏れを確実にきわめて小さくするために金属対
金属シールと弾性シール面との両方を設ける。火
災で弾性シール材料が損傷したときは金属対金属
シールが流体の漏れを小さく保つ副シール作用を
する。本発明は発火性または他の危険な流体の取
り扱いに用いるのにとくに有用である。

本発明のいくらかの利点は １ 金属弁座リングを曲げて弾性シール部材を弁
座リングのみぞの適所にロツクすることによつ
て比較的簡単に製造できる弁座装置、 ２ 高速流でも弾性シール部材が破損しない弁座
装置、 ３ 高い差圧がかかつても弾性シール部材の低温
流れが起こらない弁座装置、 ４ 流れの方向に無関係に有効にシールすること
ができる単一弾性弁座リング、 ５ 広範囲の温度にわたつて有効な弁シール装
置、 ６ 弾性主シールが火災で損傷しても有効なシー
ルが得られる信頼性のある副シールを持つ弁シ
ール装置 が得られることである。

以上本発明をちよう形弁として説明したが、本
発明は他の型の弁にも用いることができ、以上の
構成に限定されないことに注意されたい。

以上本発明の最良の実施例を説明したが、本発
明の要旨を逸脱することなく変化変形できること
は明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の特徴を持つちよう形弁の前立
面図、第２図は第１図の線２−２に沿つた部分的
端断面図で、弁は完全に閉じている。第３図は第
１，２図の弁の弁体、弁胴、保持リング、耐火弁
座装置の拡大部分的断面図で、弁体が金属弁座リ
ングに係合する直前を示す。第４図は弁体が部分
的に金属弁座リングと係合した、第３図に類似の
図、第５図は弁体が弾性シール部材と金属弁座リ
ングとに完全に係合した、第３図と類似の図、第
６図は弾性シール部材が部分的にまたは完全に破
損した金属弁座リングに弁体が完全に係合した、
第３図に類似の図である。 １１……ちよう形弁、１２……弁胴、１３……
流路、１７……弁体、１８……弁体のシール面、
１９……弁座、２９……弾性シール、３０……保
持リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 流路を形成する環状弁胴、及び流体流を制御
   するために前記流路内で支持される可動弁素子を
   有する回転弁用耐火性弁座装置において、 半径方向外側に堅固な胴部分を含む一体に形成
   された金属製弁座リングであつて、前記胴部分
   は、半径方向内側に延出する弧状に彎曲した比較
   的に薄いリツプにして前記リツプ間に環状みぞを
   形成している各リツプにつながる弁座リング、及
   び 前記リツプ間に配置されて実質的に前記環状み
   ぞを満たすとともに通常は前記弁座リングの半径
   方向内側に延在する環状にして弾性的なシール部
   材を含有し、 前記リツプは彎曲し、相互に収束するように対
   向して半径方向の最も内方の先端部で終端するこ
   とにより前記シール部材を前記環状みぞ内に保持
   し、 さらに、前記リツプは、前記半径方向の最も内
   方の先端部で各々撓みうるようにばね状の特性を
   具えていて、前記可動弁素子が前記リツプに係合
   すると前記シール部材が変形するように配置され
   ており、よつて前記シール部材の両側に前記リツ
   プがばね圧力によつて圧接されると前記弁素子と
   前記リツプのシール係合を向上できるようになつ
   ている回転弁用耐火性弁座装置。 ２ 特許請求の範囲第１項記載の回転弁用耐火性
   弁座装置において、前記弾性的なシール部材が金
   属以外の材料から形成される回転弁用耐火性弁座
   装置。