JPS6245436B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流体導通旋回接手の封止機構に関
し、特に、高温又は低温の流体の洩れを防止する
のに効果的な封止機構に関するものである。

代表的な旋回接手は互に回転可能に嵌め合わせ
て両者の間に連続的な流体通路を作る２つのハウ
ジング部分から成るものである。２つのハウジン
グ部分は相対的に回転しなければならないから、
両者の対向面はきつく締めつけることができず、
従つて、該対向面で上記の連続的な通路から流体
（気体又は液体）が洩れる可能性がある。そのた
め、両ハウジング部分の対向面に両ハウジング部
分に係合するシールを設けるのが普通である。ハ
ウジング部分は旋回自在でなければならないか
ら、シールはハウジング部分に強く押しつけるこ
とはできないが、普通の場合は流体通路からの洩
れを防ぐのに上記シールは効果がある。

しかし、旋回接手を通る流体通路が非常な高温
又は低温にさらされる場合は特別な問題が生じ
る。シールが非常な高温又は低温にさらされる
と、その特性が変り、そのため効果が減じ寿命が
短かくなる。旋回接手に用いるシールに対する非
常な高温又は低温の影響を防ぐために、冷却空気
又は冷却液のような流体を循環させてシールの温
度を制御することは公知である（例えば米国特許
第2127073、第2356351号）。

本発明は、非常な高温又は低温の流体が流れる
旋回接手のための効果的な封止機構を提供するも
のである。即ち、本発明は、第１の流体通路部分
を画成する第１ハウジングと第２の流体通路部分
を画成する第２ハウジングとを有し、両ハウジン
グは互に相対的に回転可能に嵌合して上記両流体
通路部分が連続した１つの流体通路を画成し、両
ハウジングの間で上記流体通路に隣接して該流体
通路を囲む第１の環状シール室を備え、該シール
室内の第１シールが上記流体通路からの流体の洩
れを阻止するようにした旋回接手の封止装置にお
いて、上記両ハウジングの間に上記流体通路から
間隔を置いて流体通路を囲む第２の環状シール室
を設け、該第２シール室内の第２シールが上記第
１シール室から洩れた流体を阻止すると共に、上
記第１シール室と第２シール室との間の流体洩出
路に環状の温度緩和室を設け、かつ上記第２シー
ル室と熱授受関係にある温度制御室を設けて第２
シールの温度を制御するようにしたことを特徴と
する。

以下図面を参照しつゝ本発明の実施例を詳細に
説明する。

第１図には、本発明により構成した流体導通旋
回接手１０を示す。第１のハウジング部材１２は
それを貫通する第１通路部分１４を有し第２のハ
ウジング部材１６はそれを貫通する第２通路部分
１８を有する。２つの通路部分１４，１８は整列
して旋回接手を貫通する連続した通路Ｐ（軸線
Ａ）を形成し、流体を導通する。

第１ハウジング部材１２はコツプ形をなし、環
状のベース部２０を有している。ベース部はねじ
２２によつて円環形壁２４に連結されている。第
２ハウジング部材は円筒形部分２６を有し該部分
は第１ハウジング部材の円環形壁２４の中に嵌入
している。円筒形部分２６の外面の２つの溝２８
は壁２４の内面の溝３０と整列し球３２を入れて
いる。従つて、球３２により第１ハウジング部材
１２は第２ハウジング部材１６に相対的に回転可
能（軸線Ａ９まわり）に嵌合している。一般に、
両ハウジング部材の片方（例えばハウジング部材
１２）が固定で、他方のハウジング部材（例えば
ハウジング部材１６）はハウジング部材１２中で
回転可能である。旋回接手組立て時に球３２を溝
へ入れるための孔３４を各溝３０に設け着脱自在
な栓３６で蓋をする。

第１ハウジング部材１２の円環形壁２４は自由
端にねじ３８により半径方向に張り出したフラン
ジ部材４０が固着されており、該フランジ部材は
軸線Ａに垂直に流体通路Ｐから外方へ張出してい
る。第２のハウジング部材１６は円形フランジ４
２を有し、該フランジにはねじ４４により半径方
向のフランジ部材４６が取りつけられ、流体通路
Ｐから外方へ張出している。２つのフランジ部材
４０，４６は平行で軸方向に間隔を置いている。
このようにして、固定ハウジング１２と回転ハウ
ジング１６との間に対向面４８が形成され、該対
向面はベース部２０と円筒形部分２６の端との
間、円環形壁２４と円筒形部分２６との間、およ
びフランジ部材４０と同４６との間に形成され
る。

単一のハウジングの各部分、例えばハウジング
１２のベース２０と壁２４とは互にしつかり締め
つけ、シール５０（第３図）と強い偏倚ばね５２
（第３図）とにより封止して両部分の間の洩れを
防ぐことに注意されたい。しかし、両ハウジング
は相対的に回転可能でなければならないから、対
向面４８で互に強く押しつけることができない。
その結果、対向面４８で作られた経路に沿つて流
体通路Ｐから洩れが生じ易い。

第１の環状シール室５４は流体通路Ｐに隣接し
該通路を囲むものである。第１室５４は対向面４
８に位置しベース部２０の溝５６と円筒形部分２
６の端面５８とにより形成されている。第１室の
シール６０は第１ハウジング部材と第２ハウジン
グ部材との両方に係合し対向面４８を架橋してい
る。シール６０は流体通路Ｐからの洩れの大部分
（全部ではないが）を阻止する障壁として作用す
る。したがつて少量の流体は第１ハウジング部材
の壁２４と第２ハウジング部材の円筒形部分２６
との間の対向面に沿つて洩れる。

第２の環状シール室６２も通路Ｐを囲んでいる
が、通路Ｐから間隔を置いている。第１リング６
４がフランジ部材の片方４６に連結され他方のフ
ランジ部材４０の方へ延び該フランジ部材４０と
の間に小さな間隙を有している。第１リング６４
より大きな直径のリング６６がフランジ部材４
０，４６の外縁の角隅の切込部６７にゆるく嵌合
している。リング６４，６６にフランジ４０，４
６の半径方向外端と共にシール室６２を画成し、
該シール室の中の第２のシール部材６８が入つて
いる。シール部材６８は両フランジと係合し第１
ハウジング部材１２と第２ハウジング部材１６と
の間を架橋している。

環状の温度緩和室７０はリング６４、円筒形部
分２６の外面、および間隔を置いてフランジ４
０，４６により画成されている。第２のシール室
６２と温度緩和室７０とは相対的に回転可能な両
ハウジングの間の対向面に位置していることに留
意されたい。

環状の温度制御７２，７４はそれぞれ外端がフ
ランジ４０，４６に連結されている。温度制御室
７２，７４はシール室６２に隣接しその両側に位
置する。第２図に示すように、温度制御室７２，
７４は各々障壁７６が設けられていて該障壁に隣
接して片側に入口管７８が、又反対側に出口管８
０が設けられている。

本発明の封止装置は、液化ガス例えば−155〓
〜−320〓（−104℃〜−196℃）のような低温の
エチレン、メタン又は窒素を通す旋回接手に特に
適している。シール６０（１次障壁シールと考え
てよい）は通路Ｐに隣接し、直接、通路Ｐの低温
流体にさらされている。シール６０は低温に耐え
るために「ケル−Ｆ」〔商標〕（スリーエム社製の
トリフルオロクロルエチレン材）又は「テフロ
ン」〔商標〕（デユポン社製のフルオロカーボン
材）で作るのが好ましい。これらの材料は常温で
もゴムに比し著しく硬い。これらの材料は非常な
低温でも耐久性があるが、シール６０は流体の洩
れを完全に阻止する効果はない。

二次シール６８は、例えばゴムのような弾性体
で作られ、シール材料の温度が−20〓（−29℃）
以下にならない限り流体密な封止を行うことがで
きる。低温流体が旋回接手を通る時にこの弾性体
のシールがあまり低温とならないように、ジヤケ
ツト（単数又は複数）を第２シール室に隣接して
配置する。このジヤケツトはシール室６２の両側
に熱伝達関係で位置する環状の温度制御室７２，
７４で形成されている。任意の種類の加熱流体例
えば蒸気、水、油、不凍混合液を入口７８および
出口８０を通じて温度制御室７２，７４に循環さ
せる（第２図）。

温度制御室７２，７４を循環する流体の熱はフ
ランジ４０，４６（ハウジング部材１２，１６に
対する熱伝達を最小限にとどめるためできる限り
薄くする）を通じてシール室６２およびシール６
８に伝達される。シールの温度を−20〓（−29
℃）以上に維持すれば、弾性体のシール６８は流
体密な封止をなし該シールを通じて流体が洩れる
のを防止することができる。

温度制御室７２，７４からのフランジ４０，４
６を経由する熱伝達により温度緩和室７０の加熱
も行われる。シール６０から洩れ対向面４８に沿
つて動く低温の液化ガスが温度緩和室７０に入る
と液は気化し、温度緩和室７０で圧力が上る。温
度緩和室７０内の圧力が通路Ｐ内の圧力と平衡す
れば、通路Ｐからの洩れは止る。もし温度緩和室
７０内の圧力が通路Ｐ内の圧力より大きくなる
と、温度緩和室７０のガスは一次シール６０から
通路Ｐへ戻る。

こゝに説明した封止装置は高温の流体を通す旋
回接手を効果的に封止することもできる。その場
合、冷却液を温度制御室７２，７４に循環させて
シールを低温に維持し、シールが非常な高温によ
り劣化するのを防止するのである。

第４図の変形例は、フランジ４６をフランジ部
材４２の外側に取りつけ、フランジ４６の着脱を
容易にした点が第１図のものと異る。この構成で
は、ねじ４４に外側から容易に取外すことができ
る。環状の温度緩和室７４はフランジ４６と一体
であるから、フランジ４６を取外すとシール６８
が露出され、ハウジング部材１２と同１６とを分
解することなしにシール６８を容易に取換えるこ
とができる。

本発明の今一つの変形実施例を第５図に示す。
この変形例が第５図のものと異る点は、温度制御
室７４を１個だけ設けたことである。第１図およ
び第４図の温度制御室７２は第５図のものでは省
略されている。第２シール室の内側の壁を形成す
るフランジ１６４はフランジ１４６に連結し、そ
の外端に溝１６６を設け、該溝にはリング１７０
が熱伝達関係で嵌合している。リング１７０は溝
１６６中のばね１６８によつてフランジ１４０に
熱伝達関係でしつかりと接触するように押されて
いる。リング１７０は銅やアルミニウムのような
熱伝導性の高い金属で作るのが好ましい。

第６図の実施例では、旋回接手２００は水中で
用い得るものであつて、軸線Ｂのまわりに相対的
に回転し得る２つのハウジング部材、即ち第１ハ
ウジング部材２０２および第２ハウジング部材２
０４から成るものである。ハウジング部材の片方
（例えば部材２０４）を固定し他方のハウジング
部材２０２を部材２０４に対し回転可能とする。
２つのハウジング部材は相対的に回転可能でなけ
ればならないから、対向面２０６で互に強く締め
つけることはできない。流体通路P′から低温又は
高温の流体が大気又は水中に洩れるのを防ぐた
め、封止部材２０８および２１０を両ハウジング
部材の対向面に設ける（詳細は後述）。

ハウジング部材２０２は環状のベース部分２１
２、円筒形の壁部分２１４、およびリング部分２
１６を有している。ハウジング部材２０４は環状
室２１８を有し、該環状室は内側の円筒形の壁部
分２２０、外側の円筒形部分２２２および環状の
端壁部分２２４，２２６で形成されたものであ
る。外側壁部分はリング部材２１６の内側にあり
該リング部材との間に小さな間隙を保つている。
内側リング部材２２８は外面に溝２２８ａを、又
外側リング部材２１６は内面に溝２１６ａを有
し、両方の溝は互に整列している。リング２１６
には孔２１６ｂを設け、両ハウジング部材２０
２，２０４を相対的に回転させるための球２１６
ｄを孔２１６ｂを通じて上記の溝に入れ、平常は
栓２１６ｃで蓋をする。ハウジング部材２０４は
外側壁の２２２にフランジ２３０が固着されてい
る。

平行なフランジ２３２，２３４がそれぞれ、ハ
ウジング部材２０２のリング２１６とハウジング
部材２０４のフランジ２３０との間でハウジング
２０２，２０４に連結されている。環状フランジ
２３２はリング２１６にねじ２３６で連結されて
いるが、リング状の絶縁材２３８により、リング
２１６から熱絶縁されている。又、環状フランジ
２３４はねじ２４０によりフランジ２３０に連結
されているが、リング状の絶縁材２４２によつ
て、やはり熱絶縁されている。

フランジ２３４は一体的に間隔を置いたリング
２３４ａ，２３４ｂを有し、フランジ２３２とフ
ランジ２３４との間にシール室２４４を画成して
いる。間隔を置いたフランジ２３２，２３４によ
り温度緩和室２４６が画成され、この室は絶縁材
のスリーブ２４８によつてハウジング部材２０４
の円筒壁２２２から熱絶縁されている。リング２
３８，２４２およびスリーブ２４８はそれぞれマ
イカータおよびシリコンゴムで作ることができ
る。

一次シール２０８はあらゆる点でシール６０と
類似しているから説明明を加えない。二次シール
２１０は逆クリスマスツリー形の弾性シール部材
であり、水中で用いる場合に、水の侵入を防ぐも
のである。

室２１８には絶縁材２５０を充填するか、又は
真空に維持し、流体通路P′を流れる流体の非常な
高温又は低温から二次シールを絶縁する。絶縁ス
リーブ２４８、温度緩和室２４６、および絶縁リ
ング２３８，２４２は流体通路Ｐ中の流体とフラ
ンジ２３２，２３４（従つてシール２１０）との
間の熱伝達を防ぐのに役立つ。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明により構成された封止装置の
旋回接手の部分断面図。第２図は第１図の２−２
視図。第３図は第１図の旋回接手に用いたスタテ
イツクシールの拡大図。第４図は封止装置の変形
例を示す部分断面図。第５図は封止装置の今一つ
の変形例を示す部分断面。第６図は本発明の他の
実施例の旋回接手を示す部分断面図。 １２……第１ハウジング、１６……第２ハウジ
ング、１４……第１流体通路部分、１８……第２
流体通路部分、５４……第１シール室、６０……
第１シール、６２……第２シール室、６８……第
２シール、７０，２４６……温度緩和室、７２，
７４……温度制御室、２３８，２４２，２４８，
２５０……絶縁手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 第１の流体通路部分を画成する第１ハウジン
   グと第２の流体通路部分を画成する第２ハウジン
   グとを有し、両ハウジングは互に相対的に回転可
   能に嵌合して上記両流体通路部分が連続した１つ
   の流体通路を画成し、両ハウジングの間で上記流
   体通路に隣接して該流体通路を囲む第１の環状シ
   ール室を備え、該シール室内の第１シールが上記
   流体通路からの流体の洩れを阻止するようにした
   旋回接手の封止装置において、上記両ハウジング
   の間に上記流体通路から間隔を置いて流体通路を
   囲む第２の環状シール室を設け、該第２シール室
   内の第２シールが上記第１シール室から洩れた流
   体を阻止すると共に、上記第１シール室と第２シ
   ール室との間の流体洩出路に環状の温度緩和室７
   ０；２４６を設け、かつ上記第２シール室と熱授
   受関係にある温度制御室７２，７４を設けて第２
   シールの温度を制御するようにしたことを特徴と
   する封止装置。 ２ 特許請求の範囲第１項の封止装置において、
   上記温度緩和室を上記流体通路から熱絶縁するた
   めの部材を設けた封止装置。 ３ 特許請求の範囲第１項の封止装置において、
   上記温度制御室は、加熱又は冷却用流体が通され
   るようになされた封止装置。