JP2004346425A - ディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼 - Google Patents

ディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】 600℃を超える温度においても焼戻し軟化が起こり難い、優れた耐焼戻し軟化性を有するディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼を提供する。
【解決手段】 C:0.050mass%未満、Si:1.0mass%以下、Mn:2.0mass%以下、P:0.04mass%以下、S:0.010mass%以下、Al:0.2mass%以下、Cr:11.5超〜15.0mass%、Ni:0.5〜2.0mass%、Cu:0.50超〜4.0mass%、Nb:0.08超〜0.6mass%、N:0.09mass%未満を含有し、ただし、C,N,Nb,Cr,Si,Ni,MnおよびCuの含有量(%)が下記(1),(2)式;
0.03≦[C]+[N]−13/93×[Nb]≦0.09 ・・・・・・(1)
5×[Cr]+10×[Si]+30×[Nb]−9×[Ni]−5×[Mn]−3×[Cu]−225×[N]−270×[C]≦40 ・・・・・・(2)
を満たして含有するマルテンサイト系ステンレス鋼とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、自動2輪車(オートバイ)や自動車、自転車などのディスクブレーキのディスク(円盤)に用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼に関し、特に制動時の摩擦熱により高温に長時間保持された後でも軟化し難く、初期の適正な硬さを維持することができる耐焼戻し軟化性(耐高温軟化性とも言う)に優れるディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼に関するものである。
オートバイ等に用いられているディスクブレーキは、ディスクとパッドとの摩擦力によって車輪の回転を抑える働きを有するものであり、制動時のディスクの温度は、発生する摩擦熱によって大きく上昇する。しかし、近年、地球環境保護の観点から進められている燃費向上を目的とした車両軽量化の流れの中で、上記ディスクも、板厚の低減が図られている。そのため、板厚の薄いブレーキディスクは、熱容量が低下する結果、制動時の摩擦熱による温度上昇がより大きくなり、ディスクが焼戻されて軟化し、摩耗が速くなることが懸念されている。
すなわち、従来、ディスクブレーキのデイクス用材料としては、硬さと耐食性の観点から、12mass%Cr低炭素(C:0.06mass%)マルテンサイト系ステンレス鋼が主に使用されている。このステンレス鋼は、通常、所定の形状に加工されたのち焼入れたままで使用され、硬さはHRC(ロックウェルC硬さJIS Z2245)で32〜38の範囲になるように成分設計されている。
しかし、上記マルテンサイト系ステンレス鋼を用いたブレーキディスクは、摩擦熱によって温度が上昇すると、特に550℃以上となるような高温になると、歪みの回復ならびに炭窒化物の析出により硬さの急激な低下を招き、使用中にHRCが適正範囲の下限値である32を下回ってしまうことがある。とくに、上述したディスクの薄肉化によって、ディスクは600℃を超える温度に達する場合もあり、耐焼戻し軟化性に対する改善要求が一段と増してきているのが実情である。
このような問題に対して、例えば、特許文献1には、ディスクの温度上昇による反りの問題を改善した鋼板が開示されている。しかし、その技術で検討されている温度は600℃までであり、また、昇温後の硬さの低下を抑える耐焼戻し軟化性の改善策については検討されていない。一方、特許文献2には、530℃以上に保持された後でもHRCで30以上を確保できる耐焼戻し軟化性を有する鋼板が開示されているが、最近の600℃を超える温度においても高い耐焼戻し軟化性を安定して確保したいという要求には不十分な特性であった。
特開2002−146482号公報 特開2001−220654号公報
本発明の目的は、600℃を超える温度に保持された後においても焼戻し軟化が起こり難く、650℃の温度での焼戻し後の硬さがHRCで32以上、さらに670℃の温度での焼戻し後でもHRCで30以上の硬さを確保することができる、優れた耐焼戻し軟化性を有するディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼を提供することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解決するために、マルテンサイト系ステンレス鋼の成分組成が耐焼戻し軟化性に及ぼす影響について詳細に調査した。その結果、NbおよびCuを適正量添加し、500℃〜700℃の温度でこれらの析出物を微細に析出させることにより転位の移動を妨げれば、歪の回復による軟化を抑制することができること、ならびに、NおよびNiを適正量添加し、高温での炭化物の析出を抑制して固溶Cを確保することにより、マルテンサイト組織の硬さを維持し、もって600℃を超える高温に保持された後でも高い硬さを維持することができることを新規に見出し、本発明を完成させた。
上記の知見に基づき開発された本発明は、C:0.050mass%未満、Si:1.0mass%以下、Mn:2.0mass%以下、P:0.04mass%以下、S:0.010mass%以下、Al:0.2mass%以下、Cr:11.5超〜15.0mass%、Ni:0.5〜2.0mass%、Cu:0.50超〜4.0mass%、Nb:0.08超〜0.6mass%、N:0.09mass%未満を含有し、
ただし、C,N,Nb,Cr,Si,Ni,MnおよびCuの含有量(mass%)が下記(1),(2)式;
0.03≦[C]+[N]−13/93×[Nb]≦0.09 ・・・・・・(1)
5×[Cr]+10×[Si]+30×[Nb]−9×[Ni]−5×[Mn]−3×[Cu]−225×[N]−270×[C]≦40 ・・・・・・(2)
但し、(1),(2)式中の[ ]で囲まれた元素記号は、各元素の含有量を表す(以下、同様)。
を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼である。
また、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、上記成分組成に加えてさらに、下記A〜D群の中から選ばれるいずれか1つ以上を含有することを特徴とする。

A群;V:0.02〜0.3mass%
B群;Mo:0.02〜2.0mass%、Co:0.02〜2.0mass%のうちの1種または2種
C群;Ti:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%およびTa:0.02〜0.3mass%のうちの1種または2種以上
D群;B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%の1種または2種
また、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、熱延鋼板あるいは冷延鋼板であることを特徴とする。
本発明によれば、鋼の成分組成を適正範囲に制御することにより、600℃を超える温度においても軟化し難いマルテンサイト系ステンレス鋼を得ることができる。そして、このマルテンサイト系ステンレス鋼を素材としたディスクブレーキ用ディスクは、650℃で1hrの焼戻し後においてもHRCで32以上、さらに670℃で1hrの焼戻し後でもHRCで30以上の硬さを確保することができるという優れた耐焼戻し軟化性を有する。
上記構成からなる本発明のディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼は、焼入れ後の硬さがHRCで32〜38であり、かつ650℃の温度での焼戻し後でもHRCで32以上、さらに670℃の温度での焼戻し後でもHRCで30以上の硬さを維持することができるという優れた耐焼戻し軟化性を有する。また、本発明のディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼は、靭性や耐食性にも優れるという特性を併せ持つものである。
上記特性を有する本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の成分組成を、上記範囲に制限する理由について説明する。
C:0.050mass%未満
Cは、Nと同様、焼入れ後の鋼の硬さを高めるのに有効な元素である。その効果を得るためには、0.015mass%以上含有することが好ましい。しかし、Cは、600℃を超える高温に保持された際、Crと結合して粗大なCr23C6を形成した場合には、硬さの向上に寄与しないだけでなく、発錆の起点となり耐食性を低下させる。さらに、Cの過度の添加は靭性を低下させる。よって、Cの添加量は0.050mass%未満に制限する必要がある。特に、靭性や耐食性向上の観点からは0.05mass%未満、より好ましくは0.045mass%未満とすることが望ましい。
N:0.09mass%未満
Nは、Cと同様、焼入れ後の鋼の硬さを高めるのに有効な元素である。特に、500℃〜700℃の温度範囲で微細なCr2Nを形成して析出し、その析出硬化作用により耐焼戻し軟化性が向上する。従って、耐焼戻し軟化性を向上させるためには、CよりもNを添加する方が有効である。それらの効果を得るためには、0.015mass%以上含有することが好ましく、より耐焼戻し軟化性を改善する観点からは、0.03mass%を超えて添加することが好ましい。一方、Nの過度の添加は靭性の低下を招くので、0.09mass%未満に制限する必要がある。
Si:1.0mass%以下
Siは、過度に添加すると靭性を低下させることから、1.0mass%以下に制限する。好ましくは0.3mass%以下である。
Mn:2.0mass%以下
Mnは、Sと結合してMnSを形成し、耐食性を低下させることから、2.0mass%以下に制限する。好ましくは1.0mass%未満、より好ましくは0.5mass%未満である。
P:0.04mass%以下
Pは、熱間加工性を低下させる元素であり、製造性の観点からは極力低減することが好ましい。しかし、低減し過ぎると製鋼コストの上昇を招くため、0.04mass%を上限とする。熱間加工性をより改善するためには、Pは0.02mass%以下にすることが望ましい。
S:0.010mass%以下
Sは、Pと同様、含有量が高いと熱間加工性を低下させるので低いほど好ましいが、製鋼での脱S処理コストとの兼ね合いから、0.010mass%以下とする。熱間加工性改善の観点からは、S含有量は0.005mass%以下であることが望ましい。
Al:0.2mass%以下
Alは、過度に添加すると靭性を低下させるため0.2mass%以下に制限する。好ましくは0.20mass%以下、さらに好ましくは0.05mass%以下である。
Cr:11.5超〜15.0mass%
Crは、ステンレス鋼の優れた特徴である耐食性を確保するのに必須の成分であり、十分な耐食性を得るためには11.5mass%を超えて含有することが必要である。より耐食性を得る観点からは、12.0mass%以上添加することが好ましい。一方、Crの添加量が増加するのに伴い加工性および靭性が低下し、特に15.0mass%を超えて含有すると靭性の低下が著しくなるため、上限は15.0mass%とする。優れた靭性を確保する観点からは、好ましくは14.0mass%未満、より好ましくは13.0mass%未満とすることが望ましい。
Ni:0.5〜2.0mass%
Niは、600℃を超える高温におけるCr炭窒化物の析出を遅らせて、固溶Cを過飽和に含むマルテンサイト組織の硬さを維持することにより、耐焼戻し軟化性の向上に有効に寄与する。さらに、ステンレス鋼の特徴である耐食性を向上すると共に、靭性の改善にも効果がある。それらの効果を得るためには0.5mass%以上の添加が必要である。好ましくは0.50mass%超え、さらに好ましくは0.55mass%以上である。さらに、十分な耐焼戻し軟化性を確保する観点からは、1.0mass%を超えて添加することが好ましい。一方、2.0mass%を超えて添加しても、耐焼戻し軟化性の向上効果は飽和し、原料コストが高くなるだけであるため、2.0mass%以下に制限する。
Cu:0.50超〜4.0mass%
Cuは、600℃の温度付近でε−Cuとして微細に析出し、その析出硬化作用により、耐焼戻し軟化性を改善する。その効果を得るためには0.50mass%超え、好ましくは0.5mass%超え添加する。十分な耐焼戻し軟化性を確保する観点からは、1.0mass%以上添加することがより好ましく、さらに好ましくは1.5mass%以上である。一方、4.0mass%を超えて添加しても、耐焼戻し軟化性は飽和し、原料コストが高くなるだけであるため、4.0mass%以下に制限する。
Nb:0.08超〜0.6mass%、
Nbは、C,Nと強い結合力を持ち、NbC,NbNとなって析出する。それは、焼入れ後の硬さの向上には寄与しないが、焼入れ処理によりマルテンサイト中に導入された歪の回復を抑制することにより、600℃付近の高温に保持された時の耐焼戻し軟化性を改善する。その効果を得るためには、0.08mass%を超えて添加する必要があり、好ましくは0.10mass%以上の添加が望ましい。一方、0.6mass%を超えて添加しても、耐焼戻し軟化性が飽和するほか、靭性が低下するため、0.6mass%以下に制限する。靭性を確保する観点からは、好ましくは0.4mass%以下、より好ましくは0.2mass%以下である。
(1)式:0.03≦[C]+[N]−13/93×[Nb]≦0.09
C,Nは、焼入れ後の鋼の硬さを高めるのに有効な元素であるが、Nbと結合したNbC,NbNは、焼入れ後の硬さを高めることには寄与しない。そのため、焼入れ後の鋼の硬さを制御する場合には、C,Nの効果は、鋼中のC,Nから析出物に消費された分を差し引いた、上記(1)式の中間項([C]+[N]−13/93×[Nb])で考える必要がある。この中間項の値が、0.03未満では焼入れ後の硬さがHRCで32を下回り、一方、0.09を超えると硬さがHRCで38を上回るようになる。従って、焼入れ後の硬さをディスクブレーキ用途として適正なHRC:32〜38とするためには、(1)式の中間項の値を0.03〜0.09の範囲に制御する必要がある。
(2)式:5×[Cr]+10×[Si]+30×[Nb]−9×[Ni]−5×[Mn]−3×[Cu]−225×[N]−270×[C]≦40
(2)式は、焼入れ安定性に関する評価パラメータである。ディスク材の焼入れ性を確保するためには、900℃〜1000℃に加熱した時にオーステナイト相が90vol%以上生成し、かつ空冷した時にそれがマルテンサイト変態することが必要である。通常、マルテンサイト系ステンレス鋼では、1000℃付近で最もオーステナイト相が多くなり、1000℃より高くてもまた低くても、オーステナイト相の量は減少する。(2)式の左辺の値が40を超える成分組成の場合には、オーステナイト相が90vol%以上生成する温度範囲が狭くなり、製造工程での焼入れ温度の変動により十分に焼きが入らず、適正硬さ範囲から外れるようになる。また、生産性の観点からは、焼入れ温度が高いと昇温時間も長くなり、製造コストの上昇を招くので、焼入れ温度はできるだけ低いことが望ましく、900℃での焼入れでもHRC:32以上が得られることは重要なことである。従って、安定した焼入れ性を得るためには、鋼の成分組成を、(2)式の左辺の値が40以下になるよう制御する必要がある。
本発明においては、上記の必須元素に加えてさらに、以下の成分を必要に応じて添加することができる。
V:0.02〜0.3mass%
Vは、Nbと同様、微細な炭窒化物を形成して析出し、耐焼戻し軟化性を向上させるのに有効な元素であり、好ましくは0.02mass%以上、より好ましくは0.10mass%以上添加することができる。しかしながら、0.3mass%を超えて添加すると靭性が低下するため、0.3mass%を上限とするのが好ましい。
Mo:0.02〜2.0mass%、Co:0.02〜2.0mass%のうちの1種または2種
Mo,Coは、耐食性の向上に有効な元素であり、必要に応じてそれぞれ0.02mass%以上添加することができる。Moは、Niと同様に、Cr炭窒化物の析出を遅らせ、Cを過飽和に含むマルテンサイト相の硬さを維持することにより、耐焼戻し軟化性を向上させる効果も有する。より耐食性を向上する観点からは、それぞれ0.5mass%以上添加することが好ましいが、1.5mass%以下であれば十分な耐食性を得ることができる。一方、各元素とも、2.0mass%を超えて含有すると、耐食性を改善する効果が飽和するばかりでなく靭性が低下するため、2.0mass%を上限とするのが好ましい。
Ti:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%およびTa:0.02〜0.3mass%のうちの1種または2種以上
Ti,ZrおよびTaは、Nbと同様に微細な炭窒化物を形成して析出し、耐焼戻し軟化性を向上させる元素であり、必要に応じてそれぞれ0.02mass%以上添加することができる。しかし、0.3mass%を超えて添加すると靭性が低下するため、それぞれ0.3mass%を上限とするのが好ましい。
B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%のうちの1種または2種
B,Caは、微量の添加によって鋼の靭性を高める効果があり、必要に応じてそれぞれ0.0005mass%以上添加することができる。しかしながら、0.0050mass%を超えて添加しても、効果が飽和するばかりでなく、耐食性を低下させるため、0.0050mass%を上限とするのが好ましい。
本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物からなる。なお、不可避的不純物には、Na,Ba,La,Y,Hf等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素および遷移金属などが少量(0.01mass%以下)含有されていてもよく、本発明の効果を何ら妨げるものではない。
次に、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の鋼板組織について説明する。
本発明の鋼は、上述したように、焼入れ性を十分確保するためには、900℃〜1000℃に加熱した時にオーステナイト相が90vol%以上生成し、かつ空冷した時にそれがマルテンサイト変態することが必要である。したがって、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の鋼板組織は、90vol%以上のマルテンサイト相と残部のフェライト相からなることが望ましい。マルテンサイト相が90vol%未満では、軟質なフェライト相が多くなり過ぎて所望の硬さを得ることが難しくなるからである。
次に、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法について説明する。
本発明の鋼を製造する方法は、特に限定されるものではなく、マルテンサイト系ステンレス鋼の製造において、一般的に採用されている通常公知の方法をそのまま適用することができる。例えば、製鋼工程は、前記必須成分および必要に応じて添加される成分とを含有する鋼を転炉あるいは電気炉等で溶製し、真空脱ガス法(RH法)、VOD(Vacuum Oxygen Decarburization)あるいはAOD(Argon Oxygen Decarburization)等の精錬方法により2次精錬を行う方法が好適である。溶製した溶鋼は、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法等の公知の方法により鋼素材(スラブ)とすることができるが、生産性および品質の点からは、連続鋳造法を適用するのが好ましい。得られた鋼素材は、1100〜1250℃に加熱後、800〜1100℃の仕上げ圧延温度で熱間圧延し、600〜900℃の温度範囲で巻き取り、板厚3〜8mmの熱延鋼帯とするのが好ましい。この熱延鋼帯は、箱焼鈍炉等のバッチ式炉により650〜900℃で4〜20時間の焼鈍を施し、その後、必要に応じてシートに加工し、ブレーキディスク用の素材とする。また、必要に応じて、上記熱延鋼帯に酸洗やショットブラスト等の脱スケール処理を施してもよい。
上記のようにして得たディスク用素材は、その後、ディスクの型に打ち抜いた後、900℃〜1000℃の温度に加熱後、空冷またはそれ以上の速度で冷却する焼入れ処理を施し、さらに、必要に応じて、脱スケール、塗装処理を施し、その後、ブレーキパッドとの摺動面を機械研磨等して美麗性や板厚精度を上げてディスク製品とする。
上記のようにして得た本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼は、自動2輪車用のブレーキディスクの他、自転車や自動車、スノーモービルなどのブレーキディスクにも使用することができる。なお、自転車用ディスクブレーキは、その厚さが2mm程度であるため、上記のようにして得られた焼鈍、酸洗後の熱延鋼帯を、さらにゼンジミア等のリバース圧延機またはタンデム圧延機などによって冷間圧延したのち、必要に応じて600〜900℃の温度での焼鈍を行い、さらに必要に応じて酸洗を行うことによりディスク用素材とし、その後、そのディスク用素材を、熱延鋼板製品と同様の工程を経て製品とすることができる。
表1〜4に示した成分組成を有する各種鋼(No.1〜67)を小型真空溶解炉で溶製し、鋳造して重量50kgfの鋼塊とした後、仕上げ圧延温度900℃で熱間圧延し、厚さ5mmの熱延板とした。この熱延板を、アルゴンガス雰囲気中で700℃×8hrの熱延板焼鈍を施してから徐冷し、60℃の混酸(硝酸10mass%+ふっ酸3mass%の水溶液)に浸漬する酸洗を行い表面のスケールを除去してから、下記調査の供試材とした。
(焼入れ硬さ)
上記供試材から、30mm×30mm×板厚の試験片を2枚切り出し、1枚は900℃、もう1枚は1000℃の温度でそれぞれ10分間加熱保持した後、空冷して焼入れし、表面スケールを酸洗して除去した後、表面の硬さHRC(JIS Z2245)を各試験片について5箇所ずつ測定し、平均硬さを求めた。なお、ディスク用の鋼としては、上記900℃と1000℃の両温度から焼入れた時の硬さがいずれの温度でもHRCで32〜38の範囲にあることが必要であり、いずれかの温度で上記範囲を外れた場合には、焼入れ安定性が悪く、熱処理温度のばらつき等により硬さ不良が生じる可能性があると評価できる。
(耐焼戻し軟化性)
上記供試材から30mm×30mm×板厚の試験片を2枚切り出し、2枚とも1000℃の温度で10分間加熱保持した後、空冷して焼入れ処理し、その後、1枚を650℃、もう1枚を670℃の温度でそれぞれ1時間加熱保持する焼戻し処理してから表面スケールを酸洗して除去し、その後、表面硬さ(HRC)を各試験片について5箇所ずつ測定し、その平均値を求めることにより、650℃および670℃での耐焼戻し軟化性を評価した。なお、焼戻し後の硬さが、650℃でHRC32以上、670℃でHRC30以上であれば、十分な耐焼戻し軟化性を具えていると評価できる。
(耐食性)
耐食性試験は、上記供試材を、1000℃で10分間加熱保持した後、空冷する焼入れ処理をした後、650℃で1時間保持する焼戻し処理を施した各供試材から、70mm×150mm×板厚の試験片を各1枚ずつ切り出し、この試験片について、試験面(試験片片面)を♯800エメリー研磨紙で湿式研磨した後、JIS Z2371に準拠し、8時間の塩水噴霧試験を実施し、試験面の発錆点の数を計測する方法で行った。耐食性の評価は、発錆点無しを○、発錆点1〜4個を△、発錆点5個以上を×とした。なお、発錆点5個以上では、実用上耐食性に問題があると評価できる。
(靭性)
靭性は、上記供試材を、1000℃で10分間加熱保持した後、空冷する焼入れ処理を施した後、650℃で1時間加熱保持する焼戻し処理を施した各供試材から、JIS Z2202に準拠したサブサイズシャルピー衝撃試験片(厚さ:10mm、幅:5mm(熱延板の板厚)、長さ:55mm)を3枚ずつ採取し、JIS Z 2242に準じて、25℃におけるシャルピー衝撃試験を行い、シャルピー衝撃値を測定し、3試験片の平均値を求めることにより評価した。このシャルピー衝撃値は、50 J/cm2以上であれば実用上問題はないと評価できる。
上記試験の結果を表1〜4中に併記して示す。本発明の基準を満たす表1,2および3に示す鋼(No.1〜49)は、いずれも900℃および1000℃での焼入れ後の硬さがHRCで32〜38の適正範囲内にあり、かつ、1000℃から焼入れ後、650℃で焼戻した時の硬さがHRCで32以上、670℃で焼戻した時の硬さがHRCで30以上であり、さらに、シャルピー衝撃値も50J/cm2以上が得られている。また、塩水噴霧における耐食性も良好である。一方、本発明の基準を満たさない表4に示す鋼(No.50〜67)は、900℃または1000℃からの焼入れ後の硬さ、650℃または670℃での焼戻し後の硬さ、シャルピー衝撃値および耐食性のいずれか1つ以上の特性が劣っている。以上の結果から、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の熱延鋼板は、ディスクブレーキの素材として優れた特性を有していることがわかる。
Figure 2004346425
Figure 2004346425
Figure 2004346425
Figure 2004346425
実施例1の表1に示した鋼No.1の熱延焼鈍板(板厚5mm)を、冷間圧延して板厚を1.5mmとし、750℃×1分の焼鈍後、空冷した後、60℃の混酸(硝酸10mass%+ふっ酸3mass%)に浸漬して脱スケールし、冷延焼鈍板とした。この冷延焼鈍板を用いて、実施例1と同様の項目について試験を行った。ただし、サブサイズシャルピー衝撃試験片の幅は1.5mm(冷延板の板厚)とした。
上記冷延板についての試験結果は、焼入れ後の硬さは、焼入れ温度が900℃ではHRCで37、1000℃ではHRCで37であった。また、1000℃から焼入れ後、650℃で焼戻した後の硬さはHRCで34、670℃での焼戻し後の硬さはHRCで32であった。さらに、シャルピー衝撃値は85 J/cm2が得られ、塩水噴霧による耐食性試験後における錆の発生もなく、耐食性も良好であった。これらの結果から、本発明のマルテンサイト系ステンレス鋼の冷延鋼板は、熱延鋼板と同様、ディスクブレーキのディスク用素材として優れた特性を有していることが確認できた。

Claims (7)

  1. C:0.050mass%未満、Si:1.0mass%以下、Mn:2.0mass%以下、P:0.04mass%以下、S:0.010mass%以下、Al:0.2mass%以下、Cr:11.5超〜15.0mass%、Ni:0.5〜2.0mass%、Cu:0.50超〜4.0mass%、Nb:0.08超〜0.6mass%、N:0.09mass%未満を含有し、
    ただし、C,N,Nb,Cr,Si,Ni,MnおよびCuの含有量(mass%)が下記(1),(2)式;
    0.03≦[C]+[N]−13/93×[Nb]≦0.09 ・・・・・・(1)
    5×[Cr]+10×[Si]+30×[Nb]−9×[Ni]−5×[Mn]−3×[Cu]−225×[N]−270×[C]≦40 ・・・・・・(2)
    を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなるディスクブレーキ用マルテンサイト系ステンレス鋼。
  2. 上記成分組成に加えてさらに、V:0.02〜0.3mass%を含有することを特徴とする請求項1に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
  3. 上記成分組成に加えてさらに、Mo:0.02〜2.0mass%、Co:0.02〜2.0mass%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
  4. 上記成分組成に加えてさらに、Ti:0.02〜0.3mass%、Zr:0.02〜0.3mass%およびTa:0.02〜0.3mass%のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
  5. 上記成分組成に加えてさらに、B:0.0005〜0.0050mass%、Ca:0.0005〜0.0050mass%の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
  6. 上記鋼が、熱延鋼板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
  7. 上記鋼が、冷延鋼板であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のマルテンサイト系ステンレス鋼。
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