JP2004346371A - 成膜方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】化合物の蒸着膜を均一に凹凸なく成膜できる成膜装置および成膜方法を提供する。
【解決手段】膜材料9を傾斜板21を通じて振動させつつ気化ヒータ部20の上に供給して気化させ、この気化ヒータ部20に対向配置された基板7上に蒸着膜を形成する際に、傾斜板21に所定の温度勾配を付与して、傾斜板21上を降下する膜材料9を徐々に昇温させる。これにより、膜材料9を傾斜板21上で振動させて分散させつつ徐々に昇温させたうえで、気化ヒータ部20上にさらに広く面状に広げて、均一に加熱することができ、気化ヒータ部20上での膜材料9の重合反応、固着、突沸も防止できる。その結果、膜材料9である化合物が昇華性を有するか否かに関わらず、膜材料9との組成ずれや、ピンホール、異物による突起などのない良好な蒸着膜を均一な膜厚分布で平滑に形成できる。
【選択図】 図1
【解決手段】膜材料9を傾斜板21を通じて振動させつつ気化ヒータ部20の上に供給して気化させ、この気化ヒータ部20に対向配置された基板7上に蒸着膜を形成する際に、傾斜板21に所定の温度勾配を付与して、傾斜板21上を降下する膜材料9を徐々に昇温させる。これにより、膜材料9を傾斜板21上で振動させて分散させつつ徐々に昇温させたうえで、気化ヒータ部20上にさらに広く面状に広げて、均一に加熱することができ、気化ヒータ部20上での膜材料9の重合反応、固着、突沸も防止できる。その結果、膜材料9である化合物が昇華性を有するか否かに関わらず、膜材料9との組成ずれや、ピンホール、異物による突起などのない良好な蒸着膜を均一な膜厚分布で平滑に形成できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物を膜材料として基板上に真空蒸着にて成膜する成膜方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化合物を膜材料として真空蒸着で成膜する方法にフラッシュ蒸着法がある。フラッシュ蒸着法は、化合物を一般的な真空蒸着法で成膜する場合に、膜組成を化合物材料の組成に一致させるのが非常に困難であるため、その組成ズレを解決すべく提案されたものである。組成ズレの原因は、化合物を加熱するときに熱分解が起こり、その分解物が各々の飽和蒸気圧に基づいて蒸発するため、蒸気組成が化合物材料の組成からズレてしまうことにある。
【0003】
図3はフラッシュ蒸着法を実施する装置の一例を示す。蒸着材料供給源31の小さな粒あるいは粉末状の材料を、機構33により振動させている樋32を通じて間欠的に蒸発源34へ供給して瞬間的に蒸発させ、蒸発源34の上方に配置された基板(図示せず)の表面に膜を形成するようにしており、組成保存という点で非常に有効である。
【0004】
しかしフラッシュ蒸着法では、低融点で非常に昇華性の高い化合物材料を用いる場合に特に、材料が蒸発源34に到達した瞬間に突沸が起こり易く、基板上に形成される薄膜にピンホールや異物による突起が発生してしまうという問題がある。
【0005】
そこで突沸をなくすために、材料を予備加熱して材料内のガスを放出させる方法が一般に行われる。昇華性が低い材料に対しては、真空室内で脱ガスする方法なども行われる。しかし昇華性を有する化合物材料については、その材料内に温度分布が存在するかぎり、材料内のすべてのガスを放出させることは非常に難しい。このため、材料を供給するための樋だけでなく蒸発源をも振動させて、材料を平面状に分布させながら加熱する蒸着法も提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
図4はそのための装置を示す。蒸着材料供給源41よりシャッター42を介して材料43を樋44上に間欠的に落下させ、この樋44の下端から加熱された蒸発源45へ供給するのであるが、その際に樋44を振動機構46により振動させるとともに、蒸発源45を振動機構47により振動させることで、材料43を蒸発源45上に広く面状に分布させるのである。このようにすることにより、蒸発源45上の材料23の1つ1つにほぼ分子レベルまで効果的に熱伝達して、急激な温度上昇を抑制し、突沸なく気化させることができる。シャッター42の間欠的開閉は、材料43の供給タイミング及び供給量を制御するために行なわれる。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−117845号公報(請求項1、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の成膜方法で用いられている材料43は、小さな粒あるいは粉末状といった微小かつ低比重のものであるため、蒸着材料供給源41から樋44へ落下する間に真空室内の排気流れに巻き込まれたり、また樋44上を降下する間に樋44の振動で巻き上がったりして、排気されてしまうことがある。そのため予定量の材料43を気化させることができず、所定の膜厚レートを確保できないという問題がある。
【0009】
また材料43が微小であることから、加熱手段である蒸発源45を振動させているとはいえ急激な温度上昇が起こり、突沸が発生したり、蒸発源45上で重合反応を起こすことがある。突沸が発生すると、蒸発源25から材料43が飛び出して固化し、成膜中の基板に衝突した場合には膜上にクレータのような凹凸を発生させることになり、膜厚均一性の低下やデバイス不良を来たす。蒸発源45上で重合反応が起こると、その部分の材料43が気化せずに蒸発源45上に固着した状態になり、材料利用効率や成膜レートが低下する。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するもので、化合物の蒸着膜を均一に凹凸なく成膜できる成膜方法および装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、膜材料供給手段から膜材料気化手段にわたって斜め下向きに配置する傾斜板に温度勾配を持たせる機構を設けるようにしたもので、これにより、傾斜板上に供給される粉状、粒状、細線状、平板状等の膜材料を徐々に昇温させて、膜材料である化合物が昇華性を有するか否かに関わらず、突沸なく気化させることが可能となる。
【0012】
すなわち本発明の成膜方法は、膜材料を傾斜板を通じて振動させつつヒータ上に供給して気化させ、前記ヒータに対向配置された基板上に蒸着膜を形成する際に、前記傾斜板に所定の温度勾配を付与して、傾斜板上を降下する膜材料を徐々に昇温させることを特徴とする。
【0013】
また本発明の成膜装置は、膜材料を供給する膜材料供給手段と、膜材料を加熱して気化させる第1のヒータと、前記膜材料供給手段から第1のヒータにわたって斜め下向きに設けられた傾斜板と、前記傾斜板を振動させる振動手段と、前記第1のヒータに対向して配置され、成膜対象の基板を保持するプレートとを備えた成膜装置において、前記傾斜板にその上端から下端に向かう方向に沿って徐々に昇温する所定の温度勾配を付与する第2のヒータを設けたことを特徴とする。
【0014】
上記した成膜方法および装置によれば、膜材料を傾斜板上で振動させて分散させつつ徐々に昇温させたうえで、ヒータ上にさらに広く面状に広げて、均一に加熱することができ、ヒータ上での膜材料の重合反応、固着、突沸も防止できる。その結果、膜組成と膜材料とのずれや、ピンホール、異物による突起などのない、平滑で良好な蒸着膜を均一な膜厚分布で形成できる。
【0015】
傾斜板は、熱伝導係数が10W/m℃以上100W/m℃以下の材料で形成するのが好ましい。
第2のヒータは、傾斜板に沿ってその膜材料供給部を中心として同心円状に配置するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態における成膜装置の概略構成を示す断面図である。
【0017】
図1において、真空室内に、蒸着用真空部1と硬化用真空部2とが互いに左右に配置されている。
蒸着用真空部1は、下部隅部を仕切る断面L字型の仕切壁3により上下に区分されており、区分された上部領域1a・下部領域1bは仕切壁3に形成された開口4を通じて互いに連通している。
【0018】
蒸着用真空部1の天部(開口4の上方)には真空排気ライン5が開口していて、真空ポンプ6の駆動により蒸着用真空部1と硬化用真空部2とを同時に真空排気可能である。
【0019】
開口4は上部領域1aに設置される被蒸着基板7(以下、基板7という)より幾分大きめに設定されており、開口4に臨んだ仕切壁3内周部と基板7との間に形成される隙間8を通じて下部領域1bを排気可能である。
【0020】
下部領域1bには、誘電体材料等の粉体膜材料9(以下、膜材料9という)を封入したタンク10と、タンク10に一端において連結された材料供給手段たるスクリューコンベア11とが設置され、開口4の下方に、スクリューコンベア11より供給される膜材料9を蒸発気化させるための気化装置12が設置されている。
【0021】
硬化用真空部2には、材料硬化用の電荷発生機構としての電子銃13が下部に設置されている。電子銃13の上方には、電子銃13からの電子線13aを適宜に遮断可能なシャッター14が設置されていて、シャッター14が開の時のみ、電子銃13の上方に配置される基板7上に直接に電子線13aを照射できる。ただし電子銃13からの反射電子を用いる装置構成としてもよい。
【0022】
15は基板7が取付けられる水冷プレートであり、16は水冷プレート15に冷却水を通流して基板7の温度を制御する基板冷却機構である。17は水冷プレート15が取付けられた基板搬送機構であり、水冷プレート15に接触設置された基板7を開口4に臨む蒸着位置と電子銃13の上方の硬化位置とにわたって搬送する。
【0023】
以下、成膜装置全体の動作について説明する。
基板7を水冷プレート15に取り付け、基板7の表面が常に約20℃に保たれるように基板冷却機構16によって温度制御する。また蒸着用真空部1,硬化用真空部2内を真空排気ライン5,真空ポンプ6によって真空引きし、高真空領域(10−5Torr程度)に保持する。それと平行して気化装置12を昇温させる。
【0024】
真空度及び気化装置12の温度が目標値になったことを確認した後に、シャッター14を閉めた状態で電子銃13の電源をONし、徐々に電圧および電流を上昇させて、10V,0.1A程度にする。
【0025】
この状態で、基板7を基板搬送機構17により蒸着用真空部1に配置し、タンク10内の膜材料9をスクリューコンベア11より気化装置12に供給する。このことにより、気化装置12上に供給された膜材料9が加熱されて気化し、下部領域1bで拡散し、真空排気ライン5に向かって、つまり開口4に向かって上方に移動し、水冷プレート15により冷却されている基板7に衝突して瞬時に冷却され、基板7上で液化して薄膜化する。
【0026】
蒸着膜が所望の膜厚になった時点で、基板7を基板搬送機構17により硬化用真空部2の硬化位置へ搬送し、シャッター14を開いて電子銃13からの電子線13a(電子エネルギー)を照射する。このことにより、蒸着膜を形成している膜材料9が重合反応などを起こして速やかにかつ安定して硬化し、膜材料9が誘電体材料である場合には誘電体層の1層分が均一な膜厚をもって形成される。
【0027】
薄膜を積層して厚みを増加させるには、上記した成膜および硬化の動作を繰り返す。この時には、上記したように電子エネルギーを利用して蒸着膜を速やかにかつ安定して硬化できるため、硬化した薄膜をベース膜としてさらに薄膜を積層できる。このようにして、コンデンサーなどのデバイス部品へと加工できるのである。
【0028】
以下、タンク10内の膜材料9を気化装置12に供給して気化させる機構について詳細に説明する。
タンク10に一端において連結されたスクリューコンベア11は、他端にノズル11aを有しており、スクリューコンベア制御機構18に接続されている。スクリューコンベア制御機構18には、成膜レートモニター19が接続されている。
【0029】
気化装置12は、膜材料9を加熱して気化させるための気化ヒータ部20と、スクリューコンベア11のノズル11aの先端近傍から気化ヒータ部20にわたって斜め下向きに配置された傾斜板21(図示したように気化ヒータ部20と一体に構成してもよいし、気化ヒータ部20と別体に構成してもよい)と、傾斜板21を振動させる振動機構22と、傾斜板21を加熱する分割型ヒータ23とで構成されている。
【0030】
分割型ヒータ23を構成する複数のヒータ部材23aは、傾斜板21の下面に接触して(傾斜板21に内蔵してもよい)、互いに適当間隔をおいて配置されている。たとえば、傾斜板21の全長350mmに対して、ヒータ部材23aが70mm間隔で配置される。気化ヒータ部20は独自のヒータ20aを備えている。
【0031】
このような構成により、蒸着が行われる際には、スクリューコンベア制御機構18よりスクリューコンベア11に回転信号が送られ、それによりスクリューコンベア11が回転して、タンク10内の膜材料9がスクリューコンベア11内に送り出される。
【0032】
このとき、基板7上の膜厚が成膜レートモニター19によりモニターされ、そのモニター結果に基づいて、所定の膜厚が得られるようにスクリューコンベア制御機構18によりスクリューコンベア11の回転数調整が行われていて、ノズル11aからそれにほぼ接触している傾斜板21上に膜材料9が微少量ずつ供給される。また、傾斜板21が振動機構22により振動されていて、傾斜板21上に供給された膜材料9は分散されながら降下する。
【0033】
なおこのとき、傾斜板21はその上端から下端に向かう方向に沿って段階的に昇温するように分割型ヒータ23により加熱されていて、傾斜板21上を分散されながら降下する膜材料9に効果的に熱伝達がなされるため、膜材料9は一粒ずつ個別に徐々に温度上昇する。
【0034】
このようにして傾斜板21上で徐々に昇温されながら降下した膜材料9は、気化ヒータ部20上に平面状に広がり、そこでさらに加熱されて気化する。
したがって、膜材料9である化合物が粉状、粒状、細線状、平板状等のいずれの形状であっても、また昇華性を有するか否かに関わらず、突沸なく、分解なく、気化させることができる。よって、基板7上に形成される蒸着膜は、膜材料9との組成ずれや、ピンホール、異物による突起などのない、平滑かつ均一な膜厚分布を持つ良好な膜となる。
【0035】
膜材料9が融点を持つものである場合には、傾斜板21上で徐々に液化、気化しながら気化ヒータ部20に到達するため、粉体状態のままでは傾斜板21上を降下する途中に発生する巻き上がりは発生せず、材料利用効率も向上する。
【0036】
膜材料9が昇華性のものである場合には、融点を持つものに比べて傾斜板21上を降下する途中に気化して排気されてしまう割合が大きく、気化ヒータ部20上での昇華速度も速くないため、基板7上での成膜スピードは遅くなるが、蒸着と硬化反応とを繰り返すことで所定の膜厚を得ることができる。
【0037】
具体例を挙げると、膜材料9として分子量400程度の昇華性の誘電体粉体を用い、1秒間に縦横300mm程度、膜厚0.1μmとなるように蒸着させる際に、供給量を1g/minに設定し、傾斜板21を温度勾配10℃/cm、最下点で約300℃になるように温度調整することで、凹凸のない膜厚一定な良好な蒸着膜が得られた。
【0038】
その際に、傾斜板21を上端から下端まで段階的に昇温させるために、ヒータ部材23aを個別に温度調節することが考えられるが、ヒータ部材23aどうしが70mm間隔というようにあまりにも近接しているため、互いの温度の影響を受けてしまい、温調困難である。このため、ヒータ部材23aごとに温調器を設けるのでなく、単一の温調器を用いて各ヒータ部材23aへの電力供給量を調整することで温度バランスを取る手法が用いられる。
【0039】
なおその際に、温度勾配を大きく設定しすぎると、膜材料9が傾斜板21の最下点に到達する前に気化し始めたり、傾斜板21上で重合し始めて硬化してしまい、傾斜板21表面の温度分布を悪くしてしまうことがある。温度勾配の設定に際しては、膜材料9の沸点のみならず硬化温度や重合係数などを考慮することが必要である。傾斜板21の最下点の温度が膜材料9の沸点よりも20℃程度高くなるように温度勾配を設定するのが1つの目安である。
【0040】
設計通りの温度分布を実現するために、傾斜板21にアルミニウムや銅などの熱伝導がよい材料を用いることが考えられるが、それでは温度勾配が発生しにくいことがある。ステンレスなどの熱伝導係数の低い材料を用いるのが一法であるが、熱伝達が低い傾斜板21では、ヒータ部材23aが裏面にある部分のみ加熱され、それ以外の部分で加熱不十分になることがある。
【0041】
したがって傾斜板21のためには、10W/m℃〜100W/m℃程度の熱伝導係数を持つ材料が好ましく、たとえば銅を併用したセラミックなどを好適に使用できる。このような材料からなる傾斜板21を用いることで、傾斜板21に温度勾配を付けない場合に比べて凹凸の発生率を約10%程度減少させることができた。しかし傾斜板21の温度勾配は分割型ヒータ23の設定温度条件にも左右されるので、ヒータ環境や膜材料9に合わせて個別に最適な傾斜板材料を選択する必要がある。
【0042】
さらには傾斜板21上の温度勾配は、膜材料9への加熱を徐々に実施するという観点からは、膜材料9の広がりに合わせるのが理想的である。膜材料9は、スクリューコンベア11のノズル11aから傾斜板21上に落下した時点では集合状態にあり、上述したように傾斜板21が振動されるにしたがって分散されながら降下する。したがって、傾斜板21上の等温部位が膜材料供給部を中心として同心円状に配置されるのが好ましい。
【0043】
これを達成するために、図2に示すように、分割型ヒータ23の各ヒータ部材23aを、傾斜板21上における膜材料供給部21a(ノズル11aの先端部の近傍部分)を中心として同心円状(同心円弧状)に配設するのが望ましい。
【0044】
なお、上記においては、スクリューコンベア11の回転数を成膜レートモニター19でのモニター結果に基づいて決定したが、蒸着膜が膜厚1μm以下でかつ透明である場合には、成膜レートモニター19の計測限界を超えてしまう。このような場合にはたとえば、30層の積層時に膜厚を測定して測定値を30で割ることにより、暫定的に1層の膜厚を求め、その値に基づいて回転数を決定することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、傾斜板に振動および温度勾配を与えることにより、傾斜板上を降下していく膜材料を分散させつつ徐々に昇温させて、気化手段上で加熱気化させる際の突沸を低減し、ピンホールや異物の少ない良質な膜を均一な膜厚にて形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における成膜装置の概略構成を示す断面図
【図2】図1の成膜装置の傾斜板に沿ってヒータ部材を配置した状態を示す下面図
【図3】従来の成膜装置の概略構成図
【図4】従来の他の成膜装置の概略構成図
【符号の説明】
7 被蒸着基板
9 膜材料
10 タンク
11 スクリューコンベア
20 気化ヒータ部
21 傾斜板
21a 膜材料供給部
22 傾斜板振動機構
23 分割型ヒータ
23a ヒータ部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物を膜材料として基板上に真空蒸着にて成膜する成膜方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
化合物を膜材料として真空蒸着で成膜する方法にフラッシュ蒸着法がある。フラッシュ蒸着法は、化合物を一般的な真空蒸着法で成膜する場合に、膜組成を化合物材料の組成に一致させるのが非常に困難であるため、その組成ズレを解決すべく提案されたものである。組成ズレの原因は、化合物を加熱するときに熱分解が起こり、その分解物が各々の飽和蒸気圧に基づいて蒸発するため、蒸気組成が化合物材料の組成からズレてしまうことにある。
【0003】
図3はフラッシュ蒸着法を実施する装置の一例を示す。蒸着材料供給源31の小さな粒あるいは粉末状の材料を、機構33により振動させている樋32を通じて間欠的に蒸発源34へ供給して瞬間的に蒸発させ、蒸発源34の上方に配置された基板(図示せず)の表面に膜を形成するようにしており、組成保存という点で非常に有効である。
【0004】
しかしフラッシュ蒸着法では、低融点で非常に昇華性の高い化合物材料を用いる場合に特に、材料が蒸発源34に到達した瞬間に突沸が起こり易く、基板上に形成される薄膜にピンホールや異物による突起が発生してしまうという問題がある。
【0005】
そこで突沸をなくすために、材料を予備加熱して材料内のガスを放出させる方法が一般に行われる。昇華性が低い材料に対しては、真空室内で脱ガスする方法なども行われる。しかし昇華性を有する化合物材料については、その材料内に温度分布が存在するかぎり、材料内のすべてのガスを放出させることは非常に難しい。このため、材料を供給するための樋だけでなく蒸発源をも振動させて、材料を平面状に分布させながら加熱する蒸着法も提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0006】
図4はそのための装置を示す。蒸着材料供給源41よりシャッター42を介して材料43を樋44上に間欠的に落下させ、この樋44の下端から加熱された蒸発源45へ供給するのであるが、その際に樋44を振動機構46により振動させるとともに、蒸発源45を振動機構47により振動させることで、材料43を蒸発源45上に広く面状に分布させるのである。このようにすることにより、蒸発源45上の材料23の1つ1つにほぼ分子レベルまで効果的に熱伝達して、急激な温度上昇を抑制し、突沸なく気化させることができる。シャッター42の間欠的開閉は、材料43の供給タイミング及び供給量を制御するために行なわれる。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−117845号公報(請求項1、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の成膜方法で用いられている材料43は、小さな粒あるいは粉末状といった微小かつ低比重のものであるため、蒸着材料供給源41から樋44へ落下する間に真空室内の排気流れに巻き込まれたり、また樋44上を降下する間に樋44の振動で巻き上がったりして、排気されてしまうことがある。そのため予定量の材料43を気化させることができず、所定の膜厚レートを確保できないという問題がある。
【0009】
また材料43が微小であることから、加熱手段である蒸発源45を振動させているとはいえ急激な温度上昇が起こり、突沸が発生したり、蒸発源45上で重合反応を起こすことがある。突沸が発生すると、蒸発源25から材料43が飛び出して固化し、成膜中の基板に衝突した場合には膜上にクレータのような凹凸を発生させることになり、膜厚均一性の低下やデバイス不良を来たす。蒸発源45上で重合反応が起こると、その部分の材料43が気化せずに蒸発源45上に固着した状態になり、材料利用効率や成膜レートが低下する。
【0010】
本発明は上記問題点を解決するもので、化合物の蒸着膜を均一に凹凸なく成膜できる成膜方法および装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、膜材料供給手段から膜材料気化手段にわたって斜め下向きに配置する傾斜板に温度勾配を持たせる機構を設けるようにしたもので、これにより、傾斜板上に供給される粉状、粒状、細線状、平板状等の膜材料を徐々に昇温させて、膜材料である化合物が昇華性を有するか否かに関わらず、突沸なく気化させることが可能となる。
【0012】
すなわち本発明の成膜方法は、膜材料を傾斜板を通じて振動させつつヒータ上に供給して気化させ、前記ヒータに対向配置された基板上に蒸着膜を形成する際に、前記傾斜板に所定の温度勾配を付与して、傾斜板上を降下する膜材料を徐々に昇温させることを特徴とする。
【0013】
また本発明の成膜装置は、膜材料を供給する膜材料供給手段と、膜材料を加熱して気化させる第1のヒータと、前記膜材料供給手段から第1のヒータにわたって斜め下向きに設けられた傾斜板と、前記傾斜板を振動させる振動手段と、前記第1のヒータに対向して配置され、成膜対象の基板を保持するプレートとを備えた成膜装置において、前記傾斜板にその上端から下端に向かう方向に沿って徐々に昇温する所定の温度勾配を付与する第2のヒータを設けたことを特徴とする。
【0014】
上記した成膜方法および装置によれば、膜材料を傾斜板上で振動させて分散させつつ徐々に昇温させたうえで、ヒータ上にさらに広く面状に広げて、均一に加熱することができ、ヒータ上での膜材料の重合反応、固着、突沸も防止できる。その結果、膜組成と膜材料とのずれや、ピンホール、異物による突起などのない、平滑で良好な蒸着膜を均一な膜厚分布で形成できる。
【0015】
傾斜板は、熱伝導係数が10W/m℃以上100W/m℃以下の材料で形成するのが好ましい。
第2のヒータは、傾斜板に沿ってその膜材料供給部を中心として同心円状に配置するのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施形態における成膜装置の概略構成を示す断面図である。
【0017】
図1において、真空室内に、蒸着用真空部1と硬化用真空部2とが互いに左右に配置されている。
蒸着用真空部1は、下部隅部を仕切る断面L字型の仕切壁3により上下に区分されており、区分された上部領域1a・下部領域1bは仕切壁3に形成された開口4を通じて互いに連通している。
【0018】
蒸着用真空部1の天部(開口4の上方)には真空排気ライン5が開口していて、真空ポンプ6の駆動により蒸着用真空部1と硬化用真空部2とを同時に真空排気可能である。
【0019】
開口4は上部領域1aに設置される被蒸着基板7(以下、基板7という)より幾分大きめに設定されており、開口4に臨んだ仕切壁3内周部と基板7との間に形成される隙間8を通じて下部領域1bを排気可能である。
【0020】
下部領域1bには、誘電体材料等の粉体膜材料9(以下、膜材料9という)を封入したタンク10と、タンク10に一端において連結された材料供給手段たるスクリューコンベア11とが設置され、開口4の下方に、スクリューコンベア11より供給される膜材料9を蒸発気化させるための気化装置12が設置されている。
【0021】
硬化用真空部2には、材料硬化用の電荷発生機構としての電子銃13が下部に設置されている。電子銃13の上方には、電子銃13からの電子線13aを適宜に遮断可能なシャッター14が設置されていて、シャッター14が開の時のみ、電子銃13の上方に配置される基板7上に直接に電子線13aを照射できる。ただし電子銃13からの反射電子を用いる装置構成としてもよい。
【0022】
15は基板7が取付けられる水冷プレートであり、16は水冷プレート15に冷却水を通流して基板7の温度を制御する基板冷却機構である。17は水冷プレート15が取付けられた基板搬送機構であり、水冷プレート15に接触設置された基板7を開口4に臨む蒸着位置と電子銃13の上方の硬化位置とにわたって搬送する。
【0023】
以下、成膜装置全体の動作について説明する。
基板7を水冷プレート15に取り付け、基板7の表面が常に約20℃に保たれるように基板冷却機構16によって温度制御する。また蒸着用真空部1,硬化用真空部2内を真空排気ライン5,真空ポンプ6によって真空引きし、高真空領域(10−5Torr程度)に保持する。それと平行して気化装置12を昇温させる。
【0024】
真空度及び気化装置12の温度が目標値になったことを確認した後に、シャッター14を閉めた状態で電子銃13の電源をONし、徐々に電圧および電流を上昇させて、10V,0.1A程度にする。
【0025】
この状態で、基板7を基板搬送機構17により蒸着用真空部1に配置し、タンク10内の膜材料9をスクリューコンベア11より気化装置12に供給する。このことにより、気化装置12上に供給された膜材料9が加熱されて気化し、下部領域1bで拡散し、真空排気ライン5に向かって、つまり開口4に向かって上方に移動し、水冷プレート15により冷却されている基板7に衝突して瞬時に冷却され、基板7上で液化して薄膜化する。
【0026】
蒸着膜が所望の膜厚になった時点で、基板7を基板搬送機構17により硬化用真空部2の硬化位置へ搬送し、シャッター14を開いて電子銃13からの電子線13a(電子エネルギー)を照射する。このことにより、蒸着膜を形成している膜材料9が重合反応などを起こして速やかにかつ安定して硬化し、膜材料9が誘電体材料である場合には誘電体層の1層分が均一な膜厚をもって形成される。
【0027】
薄膜を積層して厚みを増加させるには、上記した成膜および硬化の動作を繰り返す。この時には、上記したように電子エネルギーを利用して蒸着膜を速やかにかつ安定して硬化できるため、硬化した薄膜をベース膜としてさらに薄膜を積層できる。このようにして、コンデンサーなどのデバイス部品へと加工できるのである。
【0028】
以下、タンク10内の膜材料9を気化装置12に供給して気化させる機構について詳細に説明する。
タンク10に一端において連結されたスクリューコンベア11は、他端にノズル11aを有しており、スクリューコンベア制御機構18に接続されている。スクリューコンベア制御機構18には、成膜レートモニター19が接続されている。
【0029】
気化装置12は、膜材料9を加熱して気化させるための気化ヒータ部20と、スクリューコンベア11のノズル11aの先端近傍から気化ヒータ部20にわたって斜め下向きに配置された傾斜板21(図示したように気化ヒータ部20と一体に構成してもよいし、気化ヒータ部20と別体に構成してもよい)と、傾斜板21を振動させる振動機構22と、傾斜板21を加熱する分割型ヒータ23とで構成されている。
【0030】
分割型ヒータ23を構成する複数のヒータ部材23aは、傾斜板21の下面に接触して(傾斜板21に内蔵してもよい)、互いに適当間隔をおいて配置されている。たとえば、傾斜板21の全長350mmに対して、ヒータ部材23aが70mm間隔で配置される。気化ヒータ部20は独自のヒータ20aを備えている。
【0031】
このような構成により、蒸着が行われる際には、スクリューコンベア制御機構18よりスクリューコンベア11に回転信号が送られ、それによりスクリューコンベア11が回転して、タンク10内の膜材料9がスクリューコンベア11内に送り出される。
【0032】
このとき、基板7上の膜厚が成膜レートモニター19によりモニターされ、そのモニター結果に基づいて、所定の膜厚が得られるようにスクリューコンベア制御機構18によりスクリューコンベア11の回転数調整が行われていて、ノズル11aからそれにほぼ接触している傾斜板21上に膜材料9が微少量ずつ供給される。また、傾斜板21が振動機構22により振動されていて、傾斜板21上に供給された膜材料9は分散されながら降下する。
【0033】
なおこのとき、傾斜板21はその上端から下端に向かう方向に沿って段階的に昇温するように分割型ヒータ23により加熱されていて、傾斜板21上を分散されながら降下する膜材料9に効果的に熱伝達がなされるため、膜材料9は一粒ずつ個別に徐々に温度上昇する。
【0034】
このようにして傾斜板21上で徐々に昇温されながら降下した膜材料9は、気化ヒータ部20上に平面状に広がり、そこでさらに加熱されて気化する。
したがって、膜材料9である化合物が粉状、粒状、細線状、平板状等のいずれの形状であっても、また昇華性を有するか否かに関わらず、突沸なく、分解なく、気化させることができる。よって、基板7上に形成される蒸着膜は、膜材料9との組成ずれや、ピンホール、異物による突起などのない、平滑かつ均一な膜厚分布を持つ良好な膜となる。
【0035】
膜材料9が融点を持つものである場合には、傾斜板21上で徐々に液化、気化しながら気化ヒータ部20に到達するため、粉体状態のままでは傾斜板21上を降下する途中に発生する巻き上がりは発生せず、材料利用効率も向上する。
【0036】
膜材料9が昇華性のものである場合には、融点を持つものに比べて傾斜板21上を降下する途中に気化して排気されてしまう割合が大きく、気化ヒータ部20上での昇華速度も速くないため、基板7上での成膜スピードは遅くなるが、蒸着と硬化反応とを繰り返すことで所定の膜厚を得ることができる。
【0037】
具体例を挙げると、膜材料9として分子量400程度の昇華性の誘電体粉体を用い、1秒間に縦横300mm程度、膜厚0.1μmとなるように蒸着させる際に、供給量を1g/minに設定し、傾斜板21を温度勾配10℃/cm、最下点で約300℃になるように温度調整することで、凹凸のない膜厚一定な良好な蒸着膜が得られた。
【0038】
その際に、傾斜板21を上端から下端まで段階的に昇温させるために、ヒータ部材23aを個別に温度調節することが考えられるが、ヒータ部材23aどうしが70mm間隔というようにあまりにも近接しているため、互いの温度の影響を受けてしまい、温調困難である。このため、ヒータ部材23aごとに温調器を設けるのでなく、単一の温調器を用いて各ヒータ部材23aへの電力供給量を調整することで温度バランスを取る手法が用いられる。
【0039】
なおその際に、温度勾配を大きく設定しすぎると、膜材料9が傾斜板21の最下点に到達する前に気化し始めたり、傾斜板21上で重合し始めて硬化してしまい、傾斜板21表面の温度分布を悪くしてしまうことがある。温度勾配の設定に際しては、膜材料9の沸点のみならず硬化温度や重合係数などを考慮することが必要である。傾斜板21の最下点の温度が膜材料9の沸点よりも20℃程度高くなるように温度勾配を設定するのが1つの目安である。
【0040】
設計通りの温度分布を実現するために、傾斜板21にアルミニウムや銅などの熱伝導がよい材料を用いることが考えられるが、それでは温度勾配が発生しにくいことがある。ステンレスなどの熱伝導係数の低い材料を用いるのが一法であるが、熱伝達が低い傾斜板21では、ヒータ部材23aが裏面にある部分のみ加熱され、それ以外の部分で加熱不十分になることがある。
【0041】
したがって傾斜板21のためには、10W/m℃〜100W/m℃程度の熱伝導係数を持つ材料が好ましく、たとえば銅を併用したセラミックなどを好適に使用できる。このような材料からなる傾斜板21を用いることで、傾斜板21に温度勾配を付けない場合に比べて凹凸の発生率を約10%程度減少させることができた。しかし傾斜板21の温度勾配は分割型ヒータ23の設定温度条件にも左右されるので、ヒータ環境や膜材料9に合わせて個別に最適な傾斜板材料を選択する必要がある。
【0042】
さらには傾斜板21上の温度勾配は、膜材料9への加熱を徐々に実施するという観点からは、膜材料9の広がりに合わせるのが理想的である。膜材料9は、スクリューコンベア11のノズル11aから傾斜板21上に落下した時点では集合状態にあり、上述したように傾斜板21が振動されるにしたがって分散されながら降下する。したがって、傾斜板21上の等温部位が膜材料供給部を中心として同心円状に配置されるのが好ましい。
【0043】
これを達成するために、図2に示すように、分割型ヒータ23の各ヒータ部材23aを、傾斜板21上における膜材料供給部21a(ノズル11aの先端部の近傍部分)を中心として同心円状(同心円弧状)に配設するのが望ましい。
【0044】
なお、上記においては、スクリューコンベア11の回転数を成膜レートモニター19でのモニター結果に基づいて決定したが、蒸着膜が膜厚1μm以下でかつ透明である場合には、成膜レートモニター19の計測限界を超えてしまう。このような場合にはたとえば、30層の積層時に膜厚を測定して測定値を30で割ることにより、暫定的に1層の膜厚を求め、その値に基づいて回転数を決定することができる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、傾斜板に振動および温度勾配を与えることにより、傾斜板上を降下していく膜材料を分散させつつ徐々に昇温させて、気化手段上で加熱気化させる際の突沸を低減し、ピンホールや異物の少ない良質な膜を均一な膜厚にて形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における成膜装置の概略構成を示す断面図
【図2】図1の成膜装置の傾斜板に沿ってヒータ部材を配置した状態を示す下面図
【図3】従来の成膜装置の概略構成図
【図4】従来の他の成膜装置の概略構成図
【符号の説明】
7 被蒸着基板
9 膜材料
10 タンク
11 スクリューコンベア
20 気化ヒータ部
21 傾斜板
21a 膜材料供給部
22 傾斜板振動機構
23 分割型ヒータ
23a ヒータ部材
Claims (4)
- 膜材料を傾斜板を通じて振動させつつヒータ上に供給して気化させ、前記ヒータに対向配置された基板上に蒸着膜を形成する際に、
前記傾斜板に所定の温度勾配を付与して、傾斜板上を降下する膜材料を徐々に昇温させる成膜方法。 - 膜材料を供給する膜材料供給手段と、
膜材料を加熱して気化させる第1のヒータと、
前記膜材料供給手段から第1のヒータにわたって斜め下向きに設けられた傾斜板と、
前記傾斜板を振動させる振動手段と、
前記第1のヒータに対向して配置され、成膜対象の基板を保持するプレートとを備えた成膜装置において、
前記傾斜板にその上端から下端に向かう方向に沿って徐々に昇温する所定の温度勾配を付与する第2のヒータを設けた成膜装置。 - 傾斜板は、熱伝導係数が10W/m℃以上100W/m℃以下の材料で形成された請求項2記載の成膜装置。
- 第2のヒータは、傾斜板に沿ってその膜材料供給部を中心として同心円状に配置された請求項2または請求項3のいずれかに記載の成膜装置。
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