JP2004346266A - アセトアミド系粘着剤及びその粘着剤を用いた粘着製品 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定構造のアセトアミド系(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体からなる粘着剤、及び該粘着剤を用いた粘着製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶剤型の粘着剤は、有機溶剤による環境汚染と回収の問題のほかに、引火性溶剤による安全上の問題、さらには溶剤乾燥時間による塗工スピードの低下等の課題を抱えており、安全性及び生産性向上のためには粘着剤の脱溶剤化と塗工スピードの向上化技術が、非常に重要になってきている。
これらの要求に応(こた)える方法として、ビニルエーテル基含有硬化性樹脂および反応性希釈剤からなる硬化性樹脂組成物に、紫外線あるいは電子線等の活性エネルギー線を照射して重合硬化させる硬化型粘着シート(特開2003−048929号公報)、さらにはビニル芳香族系共重合体等からなるホットメルト型の粘着剤用組成物(特開2003−064337号公報)等が提案されている。
これらの提案を用いれば、確かに溶剤の問題を回避して比較的短時間で粘着剤および粘着シート等の粘着製品が得られるが、これらの技術には低重合性または酸素による重合阻害さらには重合収縮による問題等を回避するために、予めプレポリマー化が必要であること、粘着剤の融解および粘度を低下させるために塗工時に高温加熱が必要であることなど、いまだ改良の余地がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術に鑑み、環境への負荷が小さく、簡便かつ短時間で得られる粘着剤およびこれを用いた粘着製品を提案することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定構造の(メタ)アクリレート化合物を含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体が上記の課題の解決に有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(1)
【0006】
【化2】
(式中R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。但し、R2及びR3は水素原子またはメチル基の一部または全部がヒドロキシ基で置換されていてもよい。Xは、O、S、NH、またはNCH3を表す。aは1〜6の整数を表す。bは0から3の整数を表す。)
で表される化合物を含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体からなる粘着剤であり、
(2)前記(1)記載の粘着剤を用いた粘着製品であり、
(3)前記(2)記載の粘着製品が粘着フィルムである前記(2)記載の粘着製品であり、
(4)前記(2)記載の粘着製品が粘着シートである前記(2)記載の粘着製品である。
【0007】
【発明の実施の形態】
一般式(1)において、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。ただし、R2及びR3は、水素原子またはメチル基の一部または全部が、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。この場合、ヒドロキシ基はメチレンに任意に結合されるが、メチレンに対して1個以下であることが好ましい。
【0008】
一般式(1)中のXは、O、S、NH、またはNCH3を表すが、コスト的には、Oが好ましい。
【0009】
一般式(1)中のaは、1〜6の整数を表し、bは0〜3の整数を表す。
【0010】
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、N−メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオイソプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオイソプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド等が挙げられる。
【0011】
本発明の一般式(1)で表される化合物は、Methoden der Organischen Chemie (1971,Vierte Auflage Herausgegeben von Eugen Muller)、及び新実験化学講座(1975,日本化学会)等の有機合成の総書に記載されているような一般的な反応を数多く利用して合成される。
【0012】
以下に、本発明の一般式(1)で表される化合物の代表的な合成方法を、例を挙げて説明する。
【0013】
【化3】
(式中R1は水素原子またはメチル基を表し、R2はアルキル基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)
【0014】
一段目の反応はN−メチル−アミノエタノールのアミノ基を無水酢酸によりアセトアミド化する反応である。他に酢酸エステル類を用いてエステル交換によりアセトアミド化する方法もある。
【0015】
2段目の反応では、通常、ヒドロキシ基に(メタ)アクリル酸ハライドを直接反応させる。
【0016】
上記の1段目の反応で用いる原料化合物中のヒドロキシ基が、メルカプト基、アミノ基、またはメチルアミノ基に置き換わった化合物である場合、(メタ)アクリロイル−チオ基、(メタ)アクリロイル−アミノ基、(メタ)アクリロイル−メチルアミノ基に変換される。これらの基への変換には、ヒドロキシ基の場合と同様に、直接(メタ)アクリル酸ハライドを反応させてもよいが、通常、マイケル付加による収率低下を抑制するために、一旦(いったん)、クロロプロピオン酸クロライド等のハロゲノカルボン酸ハライド等を反応させてハロゲノカルボン酸エステルとし、次いで三級アミン等の塩基類を加えて脱ハロゲン化水素を行うといった方法を用いることができる。またアミノ基またはメチルアミノ基である場合、反応性を低下させる目的で、塩酸塩等の鉱酸塩に変換した後に反応させたり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類とのエステル交換反応を用いたりすることもできる。
【0017】
例えば、(メタ)アクリロイル−チオ基の合成を目的として、メルカプト基を合成する場合、通常、ヒドロキシ基からの変換反応がよく用いられる。
例えば、ヒドロキシ基を、塩化チオニル、塩化スルフリル、五塩化リン、三臭化リン、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、トシルクロライド等の試剤と反応させて、ハロゲンまたはスルホネート等の電子吸引基に変換する。
【0018】
次いで、例えば、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物を反応させたり、チオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩とし加水分解したり、チオ硫酸ナトリウム等を反応させてブンテ(Bunte)塩とし加水分解したり、N,N−ジアルキルジチオカルバミン酸アルカリ金属塩を反応させて加水分解したり、ジチオ炭酸O−アルキルアルカリ金属塩を反応させて加水分解したり、グリニャール(Grignard)試薬を反応させた後、硫黄を反応させ、最後に加水分解または還元したり、一旦チオール類を反応させてスルフィド類を合成し、次いでアルカリ金属等によって開裂するといった方法等が用いられる。
【0019】
これらの中では、イソチウロニウム塩を経由する方法が比較的に好ましく用いられる。
【0020】
アルキルアセトアミドの窒素原子にヒドロキシアルキル基を導入する反応としては、クロロエタノール、ブロモエタノール等のハロゲノエタノール類、アルキレンカーボネート類、アルキレンオキサイド類を反応させる方法が代表的である。
【0021】
鎖延長化反応としては、例えば、相当するヒドロキシ基、メルカプト基またはアミノ基に、ハロゲノアルコール類、アルキレンカーボネート類、アルキレンオキサイド類を反応させるといった反応が挙げられる。
【0022】
また、アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基に、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリン類を反応させてエポキシ基を導入し、次いでメルカプトアルコール類、アミノアルコール類、(メタ)アクリル酸を反応させて開環鎖延長化する方法も用いられる。
【0023】
2段目の反応には、反応促進剤として塩基が好ましく用いられる。
例えば、苛性ソーダ、苛性カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトルム、水素化マグネシウム、水素化カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウムメチラート、t‐ブトキシカリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられ、中でもトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン等の3級アミンが、比較的に好ましい。
【0024】
以上に述べた反応において、反応速度を向上させる目的で、上記の塩基の他に、例えば、硫酸,塩酸、燐酸、酢酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミ、アルミナ、ジブチル錫ジオキサイド、ジブチル錫ジラウレート、テトラブチル錫等の酸触媒、テトラエチルアンミニウムハロゲライド、テトラエチルアンミニウムヒドロキシド、テトラブチルアンミニウムハロゲライド、トリメチルベンジルアンモニウムハロゲライド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の層間移動触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0025】
反応溶媒は、基本的に反応基質や反応試剤、生成物、または触媒等と反応しない溶媒であれば制限はないが、比較的によく用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、THF、ジオキサン、グライム、ジグライム、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチル−エチレン尿素、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
【0026】
一般式(1)で表わされる化合物として、N−メチル−N−アクリロイルチオエチル−アセトアミドの具体的合成方法を示せば、まず、N−メチルエタノールと無水酢酸を反応させてN−メチル−N−ヒドロキシエチル−アセトアミドを合成する。
【0027】
次に、得られたN−メチル−N−ヒドロキシエチル−アセトアミドのヒドロキシ基を三臭化リンで臭素化後、チオ尿素でイソチウロニウム塩化する。次いでアンモニア水等の塩基で加水分解してN−メチル−N−メルカプトエチルアセトアミドを合成する。
【0028】
次いで、メルカプト基にクロロプロピオニルクロライドを反応させた後、トリエチルアミン等の塩基で脱塩酸反応を行いN−メチル−N−アクリロイルチオエチル−アセトアミドを合成するこができる。
【0029】
上記の一般式(1)で表わされる化合物に属する化合物を単独または2種以上を併用して、一般式(1)で表わされる化合物を含む重合性組成物を調整することができる。
【0030】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物には、一般式(1)で表される化合物と反応して有機重合体を形成し得る反応性化合物を含ませることもできる。
反応性化合物としては、例えば、炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ以上有する化合物、(チオ)エポキシ化合物があげられる。
【0031】
反応性化合物について、代表的な化合物を例示するならば、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、グリシジルメタクリレート、イソシアナトエチルメタクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチル−ベンジルイソシアナート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、1−メタクリロイルオキシ−3−アクリロイルオキシ−2−プロパノール、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−シクロヘキサン、ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−トリシクロ [5.2.1.0.26]デカン、トリメチロールプロパントリス{(メタ)アクリレート}、N,N’,N’’−トリス(アリル)−イソシアヌレート、N,N’,N’’−トリス{(メタ)アクリロイルオキシ−エチル}−イソシアヌレート、ペンタエリスリトール−トリス{(メタ)アクリレート}、ペンタエリスリトール−テトラキス{(メタ)アクリレート}、ジペンタエリスリトール−ヘキサ{(メタ)アクリレート}等の炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ以上有する化合物類、
【0032】
ビス(4−グリシジルオキシ−フェニル)−メタン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシ−フェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシ−シクロヘキシル)−プロパン、ビス(4−グリシジルオキシ−フェニル)−エーテル、4,4’−ビス(グリシジルオキシ)−2,2’,6,6’−テトラメチル−ビフェニル、ジグリシジル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、トリメチロールプロパン−トリス(グリシジルエーテル)、ネオペンチルグリコール−ビス(グリシジルエーテル)、ブタンジオール−ビス(グリシジルエーテル)、N,N−ジグリシジル−N−フェニル−アミン、N−(グリシジル)−N’−メチル−エチレン尿素、N,N’−ビス(グリシジル−オキシ−エチル)−エチレン尿素、N,N’−ビス(グリシジル−チオ−エチル)−エチレン尿素、ビス(チオグリシジル)−スルフィド等の(チオ)エポキシ化合物類等が挙げられる。
【0033】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物中に、一般式(1)で表される化合物以外の反応性化合物を含む場合、該重合性組成物中の一般式(1)で表される化合物と該反応性化合物の組成比は、特に制限を設けるものではなく、得られる有機重合体に要求する性質に応じて決定することができる。
【0034】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合する方法に制限はなく、熱または活性エネルギー線を用いる公知の重合方法を使用できる。一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の重合に熱または活性エネルギー線を併用することもできるが、塗工時間をより短縮する場合には、活性エネルギー線を用いるのが好ましい。
【0035】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の重合は大気下で行うことができる。さらに酸素による重合阻害を避けてより短時間で塗工を終了させるために、窒素等の不活性ガス雰囲気下で重合を行うこともできる。
【0036】
例えば、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の重合方法として好ましい、活性エネルギー線を用いた重合方法について、次に具体的に説明する。
【0037】
活性エネルギー線としては、例えば、400〜800nmの可視光、400nm以下の紫外線、または電子線が挙げられ、これらのなかから適宜選択することができる。
【0038】
活性エネルギー線を用いた重合には、公知の光重合開始剤を用いることができる。公知の光重合開始剤としては、例えば、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤、または光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
【0039】
光重合開始剤のなかでも、光ラジカル重合開始剤は、自身が分子内開裂してラジカルを生成する直接開裂型、及び水素供与性化合物とコンプレックスを作り水素原子が光重合開始剤分子へ移動してラジカルを生成する水素引き抜き型の開始剤があり、必要に応じて適宜これらを組み合わせて用いることができる点で好ましい。
直接開裂型としては、例えば、商品名ダロキュアー1173(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、商品名イルガキュアー651(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、水素引き抜き型としては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノンが挙げられる。
【0040】
活性エネルギー線による重合を酸素が存在する大気下で行う場合、直接開裂型光ラジカル重合開始剤、水素引き抜き型光ラジカル重合開始剤、及び水素供与性化合物の3種類を用いる方法を用いるのが好ましい。
具体的に、好ましく使用される開始剤としては、例えば、直接開裂型と水素引き抜き型を混合した形態、商品名イルガキュアー500(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、商品名エサキュアーKT55(日本シイベルヘグナー社)、商品名エサキュアーKTO/46(日本シイベルヘグナー社)、または単分子で両方の性能を兼ね備えた開始剤、商品名エサキュアー1001(日本シイベルヘグナー社)が挙げられる。
【0041】
代表的な水素供与性化合物としては、一般式(1)で表される化合物以外のN,N−二置換アミノ基を有する化合物、メルカプト基を有する化合物、エーテル構造を有する化合物が挙げられ、これら化合物は単独または2種以上を併用することができる。
【0042】
水素供与性化合物のなかでも、一般式(1)で表される化合物以外のN,N−二置換アミノ基を有する化合物は、重合度または重合速度の向上に有効であるため好ましい。一般式(1)で表される化合物以外のN,N−二置換アミノ基を有する化合物として、分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物、例えば、N、N−ジメチルアミノ−エチル−アクリレート、N、N−ジメチルアミノ−エチル−メタクリレート、N−アクリロイル−モルホリン、N−メタクリロイル−モルホリンは好ましい。これら化合物は単独または併用することができる。
【0043】
上記の水素供与性化合物の添加量は、一般式(1)で表される化合物に対して、凡(およ)そ0.1〜40wt%の範囲が好ましく、0.5〜20wt%の範囲であればより好ましく、1〜10wt%の範囲であればさらに好ましい。
【0044】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合させることにより得られる有機重合体は粘着性を有することが判明した。したがって、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合させることにより得られる有機重合体は粘着剤として有用である。
【0045】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体からなる粘着剤は、粘着性が必要とされる粘着製品に利用できる。
例えば、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を種々の形状の成型物、シートおよびフィルムに塗布して重合させることにより、粘着剤の層をその表面に有する種々の形状の成型物、粘着シートおよび粘着フィルムがそれぞれ得られる。
【0046】
なお、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物には、粘着剤としての機能を損なわない範囲で、必要に応じて添加剤を添加することができる。
例えば、殺菌・抗菌性を付与する目的で、銀、リチウム等の金属、または(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩等の有機金属塩、またはヨウ素及びヨードニウム塩等を一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物に加えることができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例のみに限定されるものではない。ポリマー合成時の一連の操作等は、特に断りがない限り、室温で行った。
尚(なお)、粘着フィルムの粘着層の粘着性は以下の2種類の試験方法によって評価した。
[ループタック試験;図1参照](FINAT Test Method No.9;FINATTechnical Handbook 6th edition,2001)
片面に粘着剤の層を有するフィルム(幅25mm)の粘着剤の層をSUS304プレート(鏡面仕上げ)の面に密着するように垂らして30秒間保持し、フィルムの自重でSUS304プレートに粘着剤の層を密着させた後、該フィルムを30mm/minの速度で引き上げた時の応力を測定する。
[180度引き剥がし粘着力測定試験;図2参照](JIS Z0234)
片面に粘着剤の層を有するフィルム(幅25mm)の粘着剤の層とポリプロピレンシートを張り合わせた後、フィルムの上を荷重2Kgfのローラーを約20mm/secの速度で2往復させる。次いで5分間静置した後、フィルムを粘着剤の層がない面が背中併せになる方向(180°)に、30mm/minの速度で引き上げた時の応力を測定する。
【0048】
参考例1
モノマーの製造
反応フラスコに2−アミノエタノール61.1g(1.0モル)を仕込み、水冷下、無水酢酸115g(1.1モル)を30〜40℃で滴下した。同温度で1時間熟成した後、水20mlを加え過剰の無水酢酸を加水分解した。次いで減圧下、酢酸及び水を留去してN−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミドを得た。ここにトリエチルアミン101.2g(1.0モル)及びクロロホルム150gを加えて氷冷下、アクリル酸クロライド90.5g(1.0モル)を5〜15℃で1時間かけて滴下した。10〜15℃で1時間熟成後、酢酸エチル200mlを添加して反応液を濾過してトリエチルアミン塩酸塩を濾別した。濾液を減圧濃縮し残渣(ざんさ)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して2−アセトアミド−エチル−アクリレート88.9gを得た。
【0049】
実施例1
粘着フィルムの製造
2−アセトアミド−エチル−アクリレート20.0gにイルガキュアー500(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)2.0g(10wt%)、アクリロイルモルホリン1.0g(5wt%)を加えて混合し、重合性組成物を調整した。
【0050】
コロナ処理された厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に、ポリエステルポリウレタン系の接着剤をバーコーターで塗布し、加熱乾燥させた。次に、形成されたプライマー面に、上記の組成物をバーコーターで同様に塗布し、高圧水銀ランプを用いて強度240mW/cm2の紫外線を11秒間照射して、粘着層を形成させ、粘着フィルムを得た。
【0051】
得られたポリプロピレン粘着フィルムについて、ループタック試験及び180度引き剥がし粘着力測定試験を行ったところ、測定値はそれぞれ40gf/25mm(ピーク値)、80gf/25mm(ピーク値)であった。したがって、粘着層は粘着性を有していた。
【0052】
実施例2
粘着シートの製造
コロナ処理された厚さ1mmのポリエチレンテレフタレートのシートに、接着剤を使用せずに実施例1の重合性組成物を塗布し、実施例1と同様に240mW/cm2の紫外線を11秒間照射して、粘着シートを得た
粘着シートの粘着層は、実施例1の粘着フィルムと同様に粘着性を有していた。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、環境への負荷が小さく、簡便かつ短時間で得られる粘着剤およびこれを用いた粘着製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ループタック試験法の概略図を示す。
【図2】180度引き剥がし粘着力測定試験法の概略図を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定構造のアセトアミド系(メタ)アクリレートを含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体からなる粘着剤、及び該粘着剤を用いた粘着製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の溶剤型の粘着剤は、有機溶剤による環境汚染と回収の問題のほかに、引火性溶剤による安全上の問題、さらには溶剤乾燥時間による塗工スピードの低下等の課題を抱えており、安全性及び生産性向上のためには粘着剤の脱溶剤化と塗工スピードの向上化技術が、非常に重要になってきている。
これらの要求に応(こた)える方法として、ビニルエーテル基含有硬化性樹脂および反応性希釈剤からなる硬化性樹脂組成物に、紫外線あるいは電子線等の活性エネルギー線を照射して重合硬化させる硬化型粘着シート(特開2003−048929号公報)、さらにはビニル芳香族系共重合体等からなるホットメルト型の粘着剤用組成物(特開2003−064337号公報)等が提案されている。
これらの提案を用いれば、確かに溶剤の問題を回避して比較的短時間で粘着剤および粘着シート等の粘着製品が得られるが、これらの技術には低重合性または酸素による重合阻害さらには重合収縮による問題等を回避するために、予めプレポリマー化が必要であること、粘着剤の融解および粘度を低下させるために塗工時に高温加熱が必要であることなど、いまだ改良の余地がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来技術に鑑み、環境への負荷が小さく、簡便かつ短時間で得られる粘着剤およびこれを用いた粘着製品を提案することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定構造の(メタ)アクリレート化合物を含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体が上記の課題の解決に有効であることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1) 一般式(1)
【0006】
【化2】
(式中R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。但し、R2及びR3は水素原子またはメチル基の一部または全部がヒドロキシ基で置換されていてもよい。Xは、O、S、NH、またはNCH3を表す。aは1〜6の整数を表す。bは0から3の整数を表す。)
で表される化合物を含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体からなる粘着剤であり、
(2)前記(1)記載の粘着剤を用いた粘着製品であり、
(3)前記(2)記載の粘着製品が粘着フィルムである前記(2)記載の粘着製品であり、
(4)前記(2)記載の粘着製品が粘着シートである前記(2)記載の粘着製品である。
【0007】
【発明の実施の形態】
一般式(1)において、R1〜R4はそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。ただし、R2及びR3は、水素原子またはメチル基の一部または全部が、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。この場合、ヒドロキシ基はメチレンに任意に結合されるが、メチレンに対して1個以下であることが好ましい。
【0008】
一般式(1)中のXは、O、S、NH、またはNCH3を表すが、コスト的には、Oが好ましい。
【0009】
一般式(1)中のaは、1〜6の整数を表し、bは0〜3の整数を表す。
【0010】
一般式(1)で表される化合物としては、例えば、N−メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオイソプロピル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオイソプロピル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシイソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルオキシヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(1−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオエチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオソプロピル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオブチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオペンチル−アセトアミド、N−メチル−N−(2−ヒドロキシ)メタクリロイルチオヘキシル−アセトアミド等が挙げられる。
【0011】
本発明の一般式(1)で表される化合物は、Methoden der Organischen Chemie (1971,Vierte Auflage Herausgegeben von Eugen Muller)、及び新実験化学講座(1975,日本化学会)等の有機合成の総書に記載されているような一般的な反応を数多く利用して合成される。
【0012】
以下に、本発明の一般式(1)で表される化合物の代表的な合成方法を、例を挙げて説明する。
【0013】
【化3】
(式中R1は水素原子またはメチル基を表し、R2はアルキル基を表す。Xはハロゲン原子を表す。)
【0014】
一段目の反応はN−メチル−アミノエタノールのアミノ基を無水酢酸によりアセトアミド化する反応である。他に酢酸エステル類を用いてエステル交換によりアセトアミド化する方法もある。
【0015】
2段目の反応では、通常、ヒドロキシ基に(メタ)アクリル酸ハライドを直接反応させる。
【0016】
上記の1段目の反応で用いる原料化合物中のヒドロキシ基が、メルカプト基、アミノ基、またはメチルアミノ基に置き換わった化合物である場合、(メタ)アクリロイル−チオ基、(メタ)アクリロイル−アミノ基、(メタ)アクリロイル−メチルアミノ基に変換される。これらの基への変換には、ヒドロキシ基の場合と同様に、直接(メタ)アクリル酸ハライドを反応させてもよいが、通常、マイケル付加による収率低下を抑制するために、一旦(いったん)、クロロプロピオン酸クロライド等のハロゲノカルボン酸ハライド等を反応させてハロゲノカルボン酸エステルとし、次いで三級アミン等の塩基類を加えて脱ハロゲン化水素を行うといった方法を用いることができる。またアミノ基またはメチルアミノ基である場合、反応性を低下させる目的で、塩酸塩等の鉱酸塩に変換した後に反応させたり、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類とのエステル交換反応を用いたりすることもできる。
【0017】
例えば、(メタ)アクリロイル−チオ基の合成を目的として、メルカプト基を合成する場合、通常、ヒドロキシ基からの変換反応がよく用いられる。
例えば、ヒドロキシ基を、塩化チオニル、塩化スルフリル、五塩化リン、三臭化リン、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホニルクロライド、トリフルオロメタンスルホニルクロライド、ベンゼンスルホニルクロライド、トシルクロライド等の試剤と反応させて、ハロゲンまたはスルホネート等の電子吸引基に変換する。
【0018】
次いで、例えば、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、硫化ナトリウム等のアルカリ金属硫化物を反応させたり、チオ尿素を反応させてイソチウロニウム塩とし加水分解したり、チオ硫酸ナトリウム等を反応させてブンテ(Bunte)塩とし加水分解したり、N,N−ジアルキルジチオカルバミン酸アルカリ金属塩を反応させて加水分解したり、ジチオ炭酸O−アルキルアルカリ金属塩を反応させて加水分解したり、グリニャール(Grignard)試薬を反応させた後、硫黄を反応させ、最後に加水分解または還元したり、一旦チオール類を反応させてスルフィド類を合成し、次いでアルカリ金属等によって開裂するといった方法等が用いられる。
【0019】
これらの中では、イソチウロニウム塩を経由する方法が比較的に好ましく用いられる。
【0020】
アルキルアセトアミドの窒素原子にヒドロキシアルキル基を導入する反応としては、クロロエタノール、ブロモエタノール等のハロゲノエタノール類、アルキレンカーボネート類、アルキレンオキサイド類を反応させる方法が代表的である。
【0021】
鎖延長化反応としては、例えば、相当するヒドロキシ基、メルカプト基またはアミノ基に、ハロゲノアルコール類、アルキレンカーボネート類、アルキレンオキサイド類を反応させるといった反応が挙げられる。
【0022】
また、アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アミノ基に、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン等のエピハロヒドリン類を反応させてエポキシ基を導入し、次いでメルカプトアルコール類、アミノアルコール類、(メタ)アクリル酸を反応させて開環鎖延長化する方法も用いられる。
【0023】
2段目の反応には、反応促進剤として塩基が好ましく用いられる。
例えば、苛性ソーダ、苛性カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水素化ナトルム、水素化マグネシウム、水素化カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ナトリウムメチラート、t‐ブトキシカリウム、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられ、中でもトリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ジメチルアニリン等の3級アミンが、比較的に好ましい。
【0024】
以上に述べた反応において、反応速度を向上させる目的で、上記の塩基の他に、例えば、硫酸,塩酸、燐酸、酢酸、三フッ化ホウ素、塩化アルミ、アルミナ、ジブチル錫ジオキサイド、ジブチル錫ジラウレート、テトラブチル錫等の酸触媒、テトラエチルアンミニウムハロゲライド、テトラエチルアンミニウムヒドロキシド、テトラブチルアンミニウムハロゲライド、トリメチルベンジルアンモニウムハロゲライド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド等の層間移動触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0025】
反応溶媒は、基本的に反応基質や反応試剤、生成物、または触媒等と反応しない溶媒であれば制限はないが、比較的によく用いられる溶媒としては、例えば、水、メタノール、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、THF、ジオキサン、グライム、ジグライム、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチル−エチレン尿素、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
【0026】
一般式(1)で表わされる化合物として、N−メチル−N−アクリロイルチオエチル−アセトアミドの具体的合成方法を示せば、まず、N−メチルエタノールと無水酢酸を反応させてN−メチル−N−ヒドロキシエチル−アセトアミドを合成する。
【0027】
次に、得られたN−メチル−N−ヒドロキシエチル−アセトアミドのヒドロキシ基を三臭化リンで臭素化後、チオ尿素でイソチウロニウム塩化する。次いでアンモニア水等の塩基で加水分解してN−メチル−N−メルカプトエチルアセトアミドを合成する。
【0028】
次いで、メルカプト基にクロロプロピオニルクロライドを反応させた後、トリエチルアミン等の塩基で脱塩酸反応を行いN−メチル−N−アクリロイルチオエチル−アセトアミドを合成するこができる。
【0029】
上記の一般式(1)で表わされる化合物に属する化合物を単独または2種以上を併用して、一般式(1)で表わされる化合物を含む重合性組成物を調整することができる。
【0030】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物には、一般式(1)で表される化合物と反応して有機重合体を形成し得る反応性化合物を含ませることもできる。
反応性化合物としては、例えば、炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ以上有する化合物、(チオ)エポキシ化合物があげられる。
【0031】
反応性化合物について、代表的な化合物を例示するならば、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、グリシジルメタクリレート、イソシアナトエチルメタクリレート、3−イソプロペニル−α,α−ジメチル−ベンジルイソシアナート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン−1,3−ジ(メタ)アクリレート、1−メタクリロイルオキシ−3−アクリロイルオキシ−2−プロパノール、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−シクロヘキサン、ビス{(メタ)アクリロイルオキシメチル}−トリシクロ [5.2.1.0.26]デカン、トリメチロールプロパントリス{(メタ)アクリレート}、N,N’,N’’−トリス(アリル)−イソシアヌレート、N,N’,N’’−トリス{(メタ)アクリロイルオキシ−エチル}−イソシアヌレート、ペンタエリスリトール−トリス{(メタ)アクリレート}、ペンタエリスリトール−テトラキス{(メタ)アクリレート}、ジペンタエリスリトール−ヘキサ{(メタ)アクリレート}等の炭素−炭素二重結合を少なくとも一つ以上有する化合物類、
【0032】
ビス(4−グリシジルオキシ−フェニル)−メタン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシ−フェニル)−プロパン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシ−シクロヘキシル)−プロパン、ビス(4−グリシジルオキシ−フェニル)−エーテル、4,4’−ビス(グリシジルオキシ)−2,2’,6,6’−テトラメチル−ビフェニル、ジグリシジル−1,2−シクロヘキサンジカルボキシレート、トリメチロールプロパン−トリス(グリシジルエーテル)、ネオペンチルグリコール−ビス(グリシジルエーテル)、ブタンジオール−ビス(グリシジルエーテル)、N,N−ジグリシジル−N−フェニル−アミン、N−(グリシジル)−N’−メチル−エチレン尿素、N,N’−ビス(グリシジル−オキシ−エチル)−エチレン尿素、N,N’−ビス(グリシジル−チオ−エチル)−エチレン尿素、ビス(チオグリシジル)−スルフィド等の(チオ)エポキシ化合物類等が挙げられる。
【0033】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物中に、一般式(1)で表される化合物以外の反応性化合物を含む場合、該重合性組成物中の一般式(1)で表される化合物と該反応性化合物の組成比は、特に制限を設けるものではなく、得られる有機重合体に要求する性質に応じて決定することができる。
【0034】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合する方法に制限はなく、熱または活性エネルギー線を用いる公知の重合方法を使用できる。一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の重合に熱または活性エネルギー線を併用することもできるが、塗工時間をより短縮する場合には、活性エネルギー線を用いるのが好ましい。
【0035】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の重合は大気下で行うことができる。さらに酸素による重合阻害を避けてより短時間で塗工を終了させるために、窒素等の不活性ガス雰囲気下で重合を行うこともできる。
【0036】
例えば、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物の重合方法として好ましい、活性エネルギー線を用いた重合方法について、次に具体的に説明する。
【0037】
活性エネルギー線としては、例えば、400〜800nmの可視光、400nm以下の紫外線、または電子線が挙げられ、これらのなかから適宜選択することができる。
【0038】
活性エネルギー線を用いた重合には、公知の光重合開始剤を用いることができる。公知の光重合開始剤としては、例えば、光カチオン重合開始剤、光アニオン重合開始剤、または光ラジカル重合開始剤が挙げられる。
【0039】
光重合開始剤のなかでも、光ラジカル重合開始剤は、自身が分子内開裂してラジカルを生成する直接開裂型、及び水素供与性化合物とコンプレックスを作り水素原子が光重合開始剤分子へ移動してラジカルを生成する水素引き抜き型の開始剤があり、必要に応じて適宜これらを組み合わせて用いることができる点で好ましい。
直接開裂型としては、例えば、商品名ダロキュアー1173(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、商品名イルガキュアー651(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、水素引き抜き型としては、例えば、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノンが挙げられる。
【0040】
活性エネルギー線による重合を酸素が存在する大気下で行う場合、直接開裂型光ラジカル重合開始剤、水素引き抜き型光ラジカル重合開始剤、及び水素供与性化合物の3種類を用いる方法を用いるのが好ましい。
具体的に、好ましく使用される開始剤としては、例えば、直接開裂型と水素引き抜き型を混合した形態、商品名イルガキュアー500(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、商品名エサキュアーKT55(日本シイベルヘグナー社)、商品名エサキュアーKTO/46(日本シイベルヘグナー社)、または単分子で両方の性能を兼ね備えた開始剤、商品名エサキュアー1001(日本シイベルヘグナー社)が挙げられる。
【0041】
代表的な水素供与性化合物としては、一般式(1)で表される化合物以外のN,N−二置換アミノ基を有する化合物、メルカプト基を有する化合物、エーテル構造を有する化合物が挙げられ、これら化合物は単独または2種以上を併用することができる。
【0042】
水素供与性化合物のなかでも、一般式(1)で表される化合物以外のN,N−二置換アミノ基を有する化合物は、重合度または重合速度の向上に有効であるため好ましい。一般式(1)で表される化合物以外のN,N−二置換アミノ基を有する化合物として、分子内に炭素−炭素二重結合を有する化合物、例えば、N、N−ジメチルアミノ−エチル−アクリレート、N、N−ジメチルアミノ−エチル−メタクリレート、N−アクリロイル−モルホリン、N−メタクリロイル−モルホリンは好ましい。これら化合物は単独または併用することができる。
【0043】
上記の水素供与性化合物の添加量は、一般式(1)で表される化合物に対して、凡(およ)そ0.1〜40wt%の範囲が好ましく、0.5〜20wt%の範囲であればより好ましく、1〜10wt%の範囲であればさらに好ましい。
【0044】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合させることにより得られる有機重合体は粘着性を有することが判明した。したがって、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合させることにより得られる有機重合体は粘着剤として有用である。
【0045】
一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を重合して得られる有機重合体からなる粘着剤は、粘着性が必要とされる粘着製品に利用できる。
例えば、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物を種々の形状の成型物、シートおよびフィルムに塗布して重合させることにより、粘着剤の層をその表面に有する種々の形状の成型物、粘着シートおよび粘着フィルムがそれぞれ得られる。
【0046】
なお、一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物には、粘着剤としての機能を損なわない範囲で、必要に応じて添加剤を添加することができる。
例えば、殺菌・抗菌性を付与する目的で、銀、リチウム等の金属、または(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩等の有機金属塩、またはヨウ素及びヨードニウム塩等を一般式(1)で表される化合物を含む重合性組成物に加えることができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例のみに限定されるものではない。ポリマー合成時の一連の操作等は、特に断りがない限り、室温で行った。
尚(なお)、粘着フィルムの粘着層の粘着性は以下の2種類の試験方法によって評価した。
[ループタック試験;図1参照](FINAT Test Method No.9;FINATTechnical Handbook 6th edition,2001)
片面に粘着剤の層を有するフィルム(幅25mm)の粘着剤の層をSUS304プレート(鏡面仕上げ)の面に密着するように垂らして30秒間保持し、フィルムの自重でSUS304プレートに粘着剤の層を密着させた後、該フィルムを30mm/minの速度で引き上げた時の応力を測定する。
[180度引き剥がし粘着力測定試験;図2参照](JIS Z0234)
片面に粘着剤の層を有するフィルム(幅25mm)の粘着剤の層とポリプロピレンシートを張り合わせた後、フィルムの上を荷重2Kgfのローラーを約20mm/secの速度で2往復させる。次いで5分間静置した後、フィルムを粘着剤の層がない面が背中併せになる方向(180°)に、30mm/minの速度で引き上げた時の応力を測定する。
【0048】
参考例1
モノマーの製造
反応フラスコに2−アミノエタノール61.1g(1.0モル)を仕込み、水冷下、無水酢酸115g(1.1モル)を30〜40℃で滴下した。同温度で1時間熟成した後、水20mlを加え過剰の無水酢酸を加水分解した。次いで減圧下、酢酸及び水を留去してN−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミドを得た。ここにトリエチルアミン101.2g(1.0モル)及びクロロホルム150gを加えて氷冷下、アクリル酸クロライド90.5g(1.0モル)を5〜15℃で1時間かけて滴下した。10〜15℃で1時間熟成後、酢酸エチル200mlを添加して反応液を濾過してトリエチルアミン塩酸塩を濾別した。濾液を減圧濃縮し残渣(ざんさ)をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して2−アセトアミド−エチル−アクリレート88.9gを得た。
【0049】
実施例1
粘着フィルムの製造
2−アセトアミド−エチル−アクリレート20.0gにイルガキュアー500(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)2.0g(10wt%)、アクリロイルモルホリン1.0g(5wt%)を加えて混合し、重合性組成物を調整した。
【0050】
コロナ処理された厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムの表面に、ポリエステルポリウレタン系の接着剤をバーコーターで塗布し、加熱乾燥させた。次に、形成されたプライマー面に、上記の組成物をバーコーターで同様に塗布し、高圧水銀ランプを用いて強度240mW/cm2の紫外線を11秒間照射して、粘着層を形成させ、粘着フィルムを得た。
【0051】
得られたポリプロピレン粘着フィルムについて、ループタック試験及び180度引き剥がし粘着力測定試験を行ったところ、測定値はそれぞれ40gf/25mm(ピーク値)、80gf/25mm(ピーク値)であった。したがって、粘着層は粘着性を有していた。
【0052】
実施例2
粘着シートの製造
コロナ処理された厚さ1mmのポリエチレンテレフタレートのシートに、接着剤を使用せずに実施例1の重合性組成物を塗布し、実施例1と同様に240mW/cm2の紫外線を11秒間照射して、粘着シートを得た
粘着シートの粘着層は、実施例1の粘着フィルムと同様に粘着性を有していた。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、環境への負荷が小さく、簡便かつ短時間で得られる粘着剤およびこれを用いた粘着製品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ループタック試験法の概略図を示す。
【図2】180度引き剥がし粘着力測定試験法の概略図を示す。
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JP2009292986A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Mitsubishi Plastics Inc | 粘着シート |
JP2017160380A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 株式会社リコー | 活性エネルギー線硬化型組成物、活性エネルギー線硬化型インク、活性エネルギー線硬化型インクジェットインク、組成物収容容器、2次元または3次元の像形成装置、2次元または3次元の像形成方法、硬化物、加飾体及び光重合性化合物 |
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2003
- 2003-05-26 JP JP2003147428A patent/JP2004346266A/ja active Pending
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