JP2004344345A - 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 - Google Patents
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Abstract
【課題】使い勝手を向上した回転ブラシを備えた床ブラシを提供する。
【解決手段】ブラシ台14の軸方向の一端面から他端面に亘って、ブラシ台14を軽量化する肉抜き孔35をブラシ台14の外周面と接しない状態でブラシ台14の軸方向に沿って複数貫通して設ける。肉抜き孔35に嵌合するリブ43を備えた受板41にて、ブラシ台14の両端部を互いに相対的に周方向に向けて螺旋状に捻った状態でシャフト32に対して保持する。ブラシ部材21と掻取部材22とを取り付けた状態でブラシ台14の外周面に凹凸を形成せず、掃除の際に塵埃が引っ掛かることを防止して、使い勝手を向上できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ブラシ台14の軸方向の一端面から他端面に亘って、ブラシ台14を軽量化する肉抜き孔35をブラシ台14の外周面と接しない状態でブラシ台14の軸方向に沿って複数貫通して設ける。肉抜き孔35に嵌合するリブ43を備えた受板41にて、ブラシ台14の両端部を互いに相対的に周方向に向けて螺旋状に捻った状態でシャフト32に対して保持する。ブラシ部材21と掻取部材22とを取り付けた状態でブラシ台14の外周面に凹凸を形成せず、掃除の際に塵埃が引っ掛かることを防止して、使い勝手を向上できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた取付部材を有する回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機の吸込口体に取り付けられる回転清掃体としての回転ブラシは、略円柱状の取付部材としてのブラシ台を備えている。このブラシ台の外周面には、このブラシ台の軸方向に沿って複数の溝部がブラシ台の一端部から他端部に亘って連続的に設けられている。この溝部には、清掃部材としてのブラシ部材、あるいは清掃部材としての掻取部材が取り付けられてブラシ台の径方向に向けて突出している。また、溝部のブラシ台の両端部近傍には、ブラシ台を周方向に向けて螺旋状に捻った状態で保持する保持部材としての受板が取り付けられている。この受板には、溝部に嵌合する嵌合突部としてのリブが一体に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−33428号公報(第3−4頁、図1−図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の回転ブラシでは、ブラシ台の外周面にブラシ部材あるいは掻取部材を取り付けた状態で溝部の一部が閉塞されないため、例えば掃除の際に、被掃除面の塵埃がこの溝部に引っ掛かるおそれがあるなど、使い勝手が良好でないという問題点を有している。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、使い勝手を向上した回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた軸状の取付部材の少なくとも一端面から軸方向に沿って取付部材の外周面に接しない状態で設けられ、取付部材を軽量化する肉抜き部と、取付部材を回転可能にする軸体と、肉抜き部に嵌合する嵌合突部を備え、取付部材の少なくとも一端部を軸体に対して保持する保持部材とを具備したものである。そして、保持部材の嵌合突部が嵌合する肉抜き部を取付部材の外周面に接しない状態で設けることで、清掃部材を外周面に設けた状態で取付部材の外周面に凹凸が形成されず、例えば掃除の際に塵埃が引っ掛かることなどを防止して、使い勝手を向上できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
【0008】
図5において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1の内部には、電動送風機2が収容されている。また、この掃除機本体1は、電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を捕捉して集塵する。
【0009】
さらに、この掃除機本体1の前側略中央には、外部から空気を吸引する本体吸込口3が開口されている。この本体吸込口3には、湾曲可能な細長略円筒状の接続管としてのホース体4が連通接続されている。このホース体4の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手許操作部5が設けられている。
【0010】
そして、この手許操作部5には、掃除機本体1内の電動送風機2などの駆動状態を所定の状態に設定する複数の設定ボタン6が設けられているとともに、掃除する際に作業者が把持する把持部7が基端側に突設されている。また、この手許操作部5の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管8が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管8の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に設置させて、この絨毯上の塵埃を吸い込む床ブラシ9が着脱可能に連通接続されている。この床ブラシ9は、電気掃除機の吸込口体である。
【0011】
また、この床ブラシ9は、図3および図4に示すように、前後方向である走行方向に対して横長で、後部略中央が後方に向けて突出する凸字状のケース体11を備えている。このケース体11における被掃除面としての床面に対向する下面には、細長矩形状の吸込口12が開口形成されている。この吸込口12は、ケース体11の走行方向の前側に偏位した位置に設けられており、このケース体11の走行方向に対する幅方向に沿った長手方向を有した横長矩形状に形成されている。
【0012】
さらに、このケース体11の吸込口12の内側には、例えば細長略円筒状の回転清掃体としての回転ブラシ13が走行方向に向けて回転自在に軸支されて配設されている。この回転ブラシ13は、ケース体11の吸込口12を床面に対向させた際に、この床面に対向するように取り付けられている。そして、この回転ブラシ13は、細長略円筒状、したがって軸方向を有する取付部材としての清掃台である可撓性を有する軸状のブラシ台14を備えている。このブラシ台14は、例えばプラスチックなどの比較的硬質の部材を押し出し成形して設けられている。
【0013】
またさらに、ブラシ台14の外周面には、図1ないし図3に示すように、取付凹部としての係合凹部15が複数、例えば4つ設けられている。これら係合凹部15は、ブラシ台14の軸方向に沿ってこのブラシ台14の一端部から他端部の間に亘って連続した直線状に設けられている。
【0014】
また、これら係合凹部15は、長手方向をブラシ台14の長手方向に沿わせた状態で、ブラシ台14の周方向に間隔をおいて等間隔な位置にそれぞれ設けられている。そして、これら係合凹部15は、内部が周方向に幅広となる拡大部16と、この拡大部16から外周面に連通しこの拡大部16より幅狭な連通部17とにて、段差を設けて断面形状が先端幅狭爪状である凹状に形成されている。ここで、これら係合凹部15の拡大部16は、基端側が断面凹弧状に形成されており、先端側の内縁が基端側に対向した平面状に形成されている。
【0015】
そして、これら各係合凹部15には、清掃部材としての磨き部材である略細長平板状のブラシ部材21、および、清掃部材としての略細長平板状のブレード部材、すなわちゴムブレードである掻取部材22の基端側が、周方向に沿って交互に係止されて取り付けられている。これらブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14の各係合凹部15に基端側が係止された状態で、このブラシ台14の径方向に向けてブラシ台14の外周面から壁状にそれぞれ突出している。
【0016】
ここで、ブラシ部材21は、ブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略板状のブラシ取付部23を基端側に備えている。このブラシ取付部23は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。また、このブラシ取付部23の表面部には、ブラシ毛24が長手方向に沿って壁状に植設されている。
【0017】
一方、掻取部材22は、細長平板状で長手方向の一側両面に肉厚に膨出する掻き出し部26を断面凹凸状に設けた弾性を有するブレード27を備えている。このブレード27の長手方向の基端側には、このブレード27と同材質にて一体にブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略平板状のブレード取付部28が形成されている。このブレード取付部28は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。
【0018】
さらに、ブラシ台14には、断面円形状の軸挿通孔としてのシャフト挿通孔31が同心状に設けられている。
【0019】
このシャフト挿通孔31は、ブラシ台14の一端面から他端面に亘ってこのブラシ台14の中心軸に沿って軸方向に向けて貫通している。そして、ブラシ台14内であるシャフト挿通孔31内には、例えば鋼鉄やステンレス鋼(SUS)などの金属にて成形され、ブラシ台14を回転可能にする略円筒状の軸体としての軸状のシャフト32が挿通される。そして、このシャフト32は、ブラシ台14より硬質な部材にて直線状に成形されており、このブラシ台14の両端部から、このシャフト32の両端部のそれぞれが突出した状態で、このブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通されて取り付けられている。この結果、ブラシ台14は、シャフト32により、押し出し成形時の歪みなどが矯正される。
【0020】
また、このシャフト32の両端部には、このシャフト32の径方向に向けて貫通したピン挿通孔33が設けられている。これらピン挿通孔33は互いに平行な軸方向を有している。また、これらピン挿通孔33は、シャフト32をブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通させた際に、このブラシ台14の両端部から突出する位置に設けられている。さらに、シャフト32の各ピン挿通孔33よりも両端側には、このシャフト32の周方向に沿った断面凹溝状の係合溝部34が形成されている。
【0021】
そして、ブラシ台14には、シャフト挿通孔31の周囲に、ブラシ台14を軽量化する肉抜き部としての複数、例えば4つの肉抜き孔35が設けられている。これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の周方向に略等角度に互いに離間されており、ブラシ台14の一端面から他端面に亘ってこのブラシ台14の軸方向に沿って貫通している。
【0022】
また、これら肉抜き孔35は、例えばシャフト挿通孔31よりも径小の断面円形状に形成され、各係合凹部15の間に位置した部分に設けられている。さらに、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の外周面からこのブラシ台14の中心軸側に若干離間された位置に設けられている。言い換えると、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の外周面に接しない状態で円筒状に設けられている。すなわち、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の外周面側に開口していない。このため、ブラシ台14の外周面は、係合凹部15の間の部分が凹凸のない円弧状に形成されている。同様に、これら肉抜き孔35は、シャフト挿通孔31の外周から若干離間されている。すなわち、これら肉抜き孔35は、シャフト挿通孔31に接しない状態で設けられている。
【0023】
またさらに、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の断面中心を中心とする同一の円周上に各中心が位置している。すなわち、各肉抜き孔35の断面の中心は、ブラシ台14の断面の中心からの距離が互いに等しい位置に設けられている。この結果、肉抜き孔35は、ブラシ台14の断面の中心に対してそれぞれ略均等な位置に、全体として略対称な形状となるように設けられている。
【0024】
さらに、ブラシ台14の両端部には、ブラシ台14の両端部をシャフト32に対して保持固定する保持部材としての受体である略円筒状の受板41がそれぞれ同心状に取り付けられている。これら受板41は、ブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通されたシャフト32の両端部に嵌合されて取り付けられている。
【0025】
そして、これら受板41の中心部には、シャフト32の端部が挿通される挿通孔42が設けられている。さらに、この挿通孔42の一端部である先端部の開口縁には、嵌合突部としての略円柱状のリブ43が複数、例えば4つ、略等間隔で設けられている。これらリブ43は、ブラシ台14の肉抜き孔35に嵌合されて、このブラシ台14をシャフト32に保持固定する。また、これらリブ43は、受板41の挿通孔42の開口方向である軸方向に沿って突出している。さらに、これらリブ43は、ブラシ台14の端部を受板41の先端部に嵌合させた際に、ブラシ台14の肉抜き孔35のそれぞれに軸方向に沿って嵌合される。また、これらリブ43は、ブラシ台14の周方向である回転方向へのずれを規制する。
【0026】
さらに、これらリブ43の基端部である受板41の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の内側鍔部44が同心状に設けられている。この内側鍔部44は、各リブ43をブラシ台14の一端の各肉抜き孔35に軸方向に沿って移動させて嵌合させて、受板41にブラシ台14の一端部を係止した際に、このブラシ台14の一端面が当接する。さらに、この内側鍔部44は、ブラシ台14の最大外径よりも若干大きな外径寸法を有しており、このブラシ台14の係合凹部15からのブラシ部材21および掻取部材22の抜けを防止する。
【0027】
また、この内側鍔部44よりも受板41の先端側の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の外側鍔部45が同心状に設けられている。この外側鍔部45の外周面側には、外周面に周方向に向けて等間隔にギア溝46が形成された略円筒状の歯車部47が同心状に設けられている。そして、この歯車部47の先端側の内側には、略円筒状の軸受48が嵌合されている。この軸受48は、シャフト32の端部に嵌合されて、このシャフト32の端部を回転自在に固定する。なお、受板41の歯車部47は、軸受48の外周面を覆って、この軸受48への塵埃などの侵入を防止する。また、軸受48の先端側の外周面には、側面視略矩形状の係合面部49が形成されている。
【0028】
ここで、床ブラシ9のケース体11の吸込口12の走行方向に対する両側縁のそれぞれには、図4に示すように、一対の軸支凹部51が区画形成されている。これら軸支凹部51のそれぞれには、受板41の歯車部47内に嵌合されてシャフト32の両端部を回転自在に固定した軸受48の係合面部49がそれぞれ係合される。この結果、これら軸受48は、一対の軸支凹部51間にシャフト32を回転自在に支持して固定させる。
【0029】
さらに、内側鍔部44と外側鍔部45との間の受板41の周面部には、ピン挿通孔53が穿設されている。このピン挿通孔53は、各受板41の径方向に沿って貫通している。また、これらピン挿通孔53は、受板41の挿通孔42にシャフト32を挿通させた状態で、このシャフト32のピン挿通孔33に連通する。そして、これらピン挿通孔53は、シャフト32のピン挿通孔33に位置合わせされて連通された状態で、これらピン挿通孔33,53に細長円柱状のピン54が挿入されて、受板41とシャフト32とを軸方向および周方向のそれぞれに対して連結固定させる。
【0030】
一方、床ブラシ9のケース体11内の一方の軸支凹部51の後側には、図4に示すように、駆動手段としてのモータ61が収容されている。このモータ61の先端部には、このモータ61の駆動により回転する回転軸62が突出している。この回転軸62には、外周面に図示しないギア溝が形成された歯車63が同心状に取り付けられている。この歯車63のギア溝は、受板41の歯車部47のギア溝46に等しい間隔および大きさに形成されている。さらに、この歯車63は、床ブラシ9のケース体11内に取り付けられた回転ブラシ13の一方の受板41の後側に位置し、この受板41の回転方向に一致した回転方向を有している。
【0031】
そして、この歯車63と回転ブラシ13の一方の受板41の歯車部47との間には、無端状の調帯としてのベルト体64が橋渡すように巻回されている。このベルト体64の内周面には、歯車63のギア溝および歯車部47のギア溝46のそれぞれに係合可能な間隔および大きさである図示しないギア溝が形成されている。したがって、モータ61を駆動させることにより、このモータ61の回転軸62の回転により歯車63が回転し、この歯車63の回転によってベルト体64が回転して回転ブラシ13の一方の受板41が回転し、この回転ブラシ13が周方向に向けて回転駆動される。
【0032】
次に、上記一実施の形態の床ブラシの組み立て方法を説明する。
【0033】
まず、押し出し成形したブラシ台14の各係合凹部15に、ブラシ部材21のブラシ取付部23および掻取部材22のブレード取付部28を交互に嵌合させて、ブラシ部材21および掻取部材22をそれぞれブラシ台14の長手方向に沿って取り付ける。
【0034】
次いで、図2に示すように、ブラシ部材21および掻取部材22が外周面に取り付けられたブラシ台14のシャフト挿通孔31にシャフト32を挿入する。
【0035】
さらに、シャフト32の両端部を受板41の挿通孔42に挿通させつつ、これら受板41の各リブ43のそれぞれをブラシ台14の両端部から、このブラシ台14の各肉抜き孔35のそれぞれに嵌合させる。
【0036】
この状態で、一方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の一方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して一方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0037】
そして、他方の受板41を一方の受板41に対して周方向に向けて捻り、この他方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の他方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して他方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0038】
この結果、ブラシ台14がブラシ部材21および掻取部材22とともに周方向に向けて螺旋状に捻られた状態で両受板41にてシャフト32に対して保持される。
【0039】
この後、各受板41の挿通孔42から外側へと突出したシャフト32の両端部に軸受48を回転可能に嵌合させて取り付けて回転ブラシ13とする。
【0040】
そして、この回転ブラシ13の各軸受48のそれぞれをケース体11の軸支凹部51のそれぞれに嵌合させて、このケース体11の吸込口12内に回転ブラシ13を回転自在に軸支させて床ブラシ9を完成する。
【0041】
次に、上記一実施の形態の掃除動作を説明する。
【0042】
まず、掃除をする際には、掃除機本体1にホース体4および延長管8を介して床ブラシ9を接続する。そして、このホース体4の把持部7を持って押動させて、床ブラシ9を床面上で前後に走行させる。
【0043】
このとき、掃除機本体1内の電動送風機2の駆動により発生する吸込力によって、床ブラシ9の吸込口12から空気とともに床面上の塵埃が吸い込まれる。
【0044】
さらに、ホース体4の手許操作部5の所定の設定ボタン6をオンして、床ブラシ9の回転ブラシ13を回転駆動させた場合には、この回転ブラシ13のブラシ部材21の回転により、このブラシ部材21のブラシ毛24にて床面がブラッシングされる。すなわち、この床面が板の間などである場合には、この床面にこびりついた塵埃が床面から掃き取られて取り除かれて磨かれ、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0045】
同時に、この回転ブラシ13の掻取部材22の回転により、床面上の塵埃が掃き取られる。すなわち、この床面が絨毯などである場合には、掻取部材22のブレード27の掻き出し部26によって、絨毯の中に入り込んだ塵埃が外部へと掻き出されて取り除かれて、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0046】
この後、この床ブラシ9の吸込口12から塵埃とともに吸い込まれた空気は、この床ブラシ9から延長管8およびホース体4を順次介して掃除機本体1の本体吸込口3へと吸い込まれた後、この掃除機本体1内に収容させた集塵パックへと吸い込まれて空気とともに吸い込んだ塵埃が捕捉される。
【0047】
上述したように、上記一実施の形態では、ブラシ部材21および掻取部材22が取り付けられたブラシ台14の外周面に接しないように、かつ軸方向の両端間を貫通してブラシ台14を軽量化する肉抜き孔35を設け、ブラシ台14の両端部を周方向に向けて互いに相対的に捻った状態でシャフト32に対して保持する受板41に、肉抜き孔35に嵌合するリブ43を設ける構成とした。
【0048】
このため、ブラシ台14の外周面に、係合凹部15以外の凹凸が形成されないため、ブラシ部材21および掻取部材22の基端側を各係合凹部15に取り付けた状態でブラシ台14の外周面に凹凸が形成されず、掃除の際に塵埃、あるいは被掃除面としての絨毯の毛などがブラシ台14の外周面に引っ掛かることなどを防止できる。
【0049】
この結果、掃除の際に例えば一旦回転ブラシ13を停止させてこの回転ブラシ13に引っ掛かった塵埃などを除去する手間を抑制でき、使い勝手を向上できる。
【0050】
また、ブラシ台14の外周面に接しないように肉抜き孔35を設けることで、ブラシ台14の外周面に接するようにこのブラシ台14の外周面に肉抜き部を溝状に切り欠いて設ける場合と比較してブラシ台14の強度を確保し、リブ43がブラシ台14(肉抜き孔35)に与える負荷を低減できるとともに、肉抜き孔35の径寸法を大きくできることで、リブ43の太さである外径寸法をも大きくでき、ブラシ台14を捻った際などにリブ43に加わる応力、すなわちストレスに対するリブ43の強度を向上できる。
【0051】
そして、肉抜き孔35が受板41のリブ43を嵌合させる嵌合部を兼ねているため、リブ43を嵌合させる嵌合部を肉抜き孔35とは別個に設ける場合と比較して、ブラシ台14を小型化できる。
【0052】
しかも、肉抜き孔35によりブラシ台14が軽量化されることで、回転ブラシ13を回転させる際にモータ61に加わる負荷を低減でき、モータ61の小型化、あるいは省電力化が可能になるなど、使い勝手をより向上できる。
【0053】
なお、上記一実施の形態において、肉抜き孔35は、ブラシ台14の両端間を貫通せずに、ブラシ台14の両端部にそれぞれ設ける構成でもよい。
【0054】
同様に、シャフト挿通孔31は、ブラシ台14の両端部にそれぞれ設ける構成でもよい。この場合には、シャフト32を、ブラシ台14の両端部のシャフト挿通孔31に挿入して取り付ける。
【0055】
また、ブラシ台14にシャフト挿通孔31を設けずに肉抜き孔35のみを設け、かつ受板41に軸体を設けて回転ブラシ13を回転させる構成としてもよい。
【0056】
さらに、ブラシ台14は、例えば捻り押し出し成形などで予め螺旋状に捻られた状態で形成されたものでもよい。
【0057】
またさらに、肉抜き孔35の数および断面形状などは、ブラシ台14の周方向にバランス良く配置されるようにすれば、上記構成に限定されない。
【0058】
そして、床ブラシ9に回転ブラシ13を複数配設してもよい。また、この回転ブラシ13をモータ61にて回転駆動させたが、電動送風機2による吸気風にて回転駆動させる構成とすることもできる。
【0059】
また、ブラシ台14に4つの係合凹部15を設けたが、このブラシ台14に取り付けられる清掃部材の個数に合わせて、少なくとも一つ以上あればよい。また、この清掃部材としては、ブラシ部材21や掻取部材22に限らず、例えば布ブレードを有した床磨部材などでもよい。さらに、ブラシ台14の係合凹部15にブラシ部材21および掻取部材22を交互に取り付けたが、交互に限られず、ブラシ台14の各係合凹部15のそれぞれに一種類の掻取部材22のみを取り付けたり、複数種類を取り付けたりしてもよい。
【0060】
さらに、キャニスタ型の電気掃除機に限らず、床ブラシ9が掃除機本体1の下面に直接形成されたアップライト型、その他、掃除機本体1と床ブラシ9とが一体化された自走式の電気掃除機あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、保持部材の嵌合突部が嵌合する肉抜き部を取付部材の外周面に接しないように設けることで、清掃部材を外周面に設けた状態で取付部材の外周面に凹凸が形成されず、例えば掃除の際に塵埃が引っ掛かることなどを防止して、使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の回転清掃体の一部を示す分解斜視図である。
【図2】同上回転清掃体を示す斜視図である。
【図3】同上回転清掃体を備えた電気掃除機の吸込口体を示す縦断面図である。
【図4】同上電気掃除機の吸込口体を示す平面図である。
【図5】同上電気掃除機の吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【符号の説明】
9 電気掃除機の吸込口体としての床ブラシ
11 ケース体
12 吸込口
13 回転清掃体としての回転ブラシ
14 取付部材としてのブラシ台
21 清掃部材としてのブラシ部材
22 清掃部材としての掻取部材
32 軸体としてのシャフト
35 肉抜き部としての肉抜き孔
41 保持部材としての受板
43 嵌合突部としてのリブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた取付部材を有する回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機の吸込口体に取り付けられる回転清掃体としての回転ブラシは、略円柱状の取付部材としてのブラシ台を備えている。このブラシ台の外周面には、このブラシ台の軸方向に沿って複数の溝部がブラシ台の一端部から他端部に亘って連続的に設けられている。この溝部には、清掃部材としてのブラシ部材、あるいは清掃部材としての掻取部材が取り付けられてブラシ台の径方向に向けて突出している。また、溝部のブラシ台の両端部近傍には、ブラシ台を周方向に向けて螺旋状に捻った状態で保持する保持部材としての受板が取り付けられている。この受板には、溝部に嵌合する嵌合突部としてのリブが一体に設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−33428号公報(第3−4頁、図1−図4)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の回転ブラシでは、ブラシ台の外周面にブラシ部材あるいは掻取部材を取り付けた状態で溝部の一部が閉塞されないため、例えば掃除の際に、被掃除面の塵埃がこの溝部に引っ掛かるおそれがあるなど、使い勝手が良好でないという問題点を有している。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、使い勝手を向上した回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた軸状の取付部材の少なくとも一端面から軸方向に沿って取付部材の外周面に接しない状態で設けられ、取付部材を軽量化する肉抜き部と、取付部材を回転可能にする軸体と、肉抜き部に嵌合する嵌合突部を備え、取付部材の少なくとも一端部を軸体に対して保持する保持部材とを具備したものである。そして、保持部材の嵌合突部が嵌合する肉抜き部を取付部材の外周面に接しない状態で設けることで、清掃部材を外周面に設けた状態で取付部材の外周面に凹凸が形成されず、例えば掃除の際に塵埃が引っ掛かることなどを防止して、使い勝手を向上できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
【0008】
図5において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1の内部には、電動送風機2が収容されている。また、この掃除機本体1は、電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を捕捉して集塵する。
【0009】
さらに、この掃除機本体1の前側略中央には、外部から空気を吸引する本体吸込口3が開口されている。この本体吸込口3には、湾曲可能な細長略円筒状の接続管としてのホース体4が連通接続されている。このホース体4の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手許操作部5が設けられている。
【0010】
そして、この手許操作部5には、掃除機本体1内の電動送風機2などの駆動状態を所定の状態に設定する複数の設定ボタン6が設けられているとともに、掃除する際に作業者が把持する把持部7が基端側に突設されている。また、この手許操作部5の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管8が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管8の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に設置させて、この絨毯上の塵埃を吸い込む床ブラシ9が着脱可能に連通接続されている。この床ブラシ9は、電気掃除機の吸込口体である。
【0011】
また、この床ブラシ9は、図3および図4に示すように、前後方向である走行方向に対して横長で、後部略中央が後方に向けて突出する凸字状のケース体11を備えている。このケース体11における被掃除面としての床面に対向する下面には、細長矩形状の吸込口12が開口形成されている。この吸込口12は、ケース体11の走行方向の前側に偏位した位置に設けられており、このケース体11の走行方向に対する幅方向に沿った長手方向を有した横長矩形状に形成されている。
【0012】
さらに、このケース体11の吸込口12の内側には、例えば細長略円筒状の回転清掃体としての回転ブラシ13が走行方向に向けて回転自在に軸支されて配設されている。この回転ブラシ13は、ケース体11の吸込口12を床面に対向させた際に、この床面に対向するように取り付けられている。そして、この回転ブラシ13は、細長略円筒状、したがって軸方向を有する取付部材としての清掃台である可撓性を有する軸状のブラシ台14を備えている。このブラシ台14は、例えばプラスチックなどの比較的硬質の部材を押し出し成形して設けられている。
【0013】
またさらに、ブラシ台14の外周面には、図1ないし図3に示すように、取付凹部としての係合凹部15が複数、例えば4つ設けられている。これら係合凹部15は、ブラシ台14の軸方向に沿ってこのブラシ台14の一端部から他端部の間に亘って連続した直線状に設けられている。
【0014】
また、これら係合凹部15は、長手方向をブラシ台14の長手方向に沿わせた状態で、ブラシ台14の周方向に間隔をおいて等間隔な位置にそれぞれ設けられている。そして、これら係合凹部15は、内部が周方向に幅広となる拡大部16と、この拡大部16から外周面に連通しこの拡大部16より幅狭な連通部17とにて、段差を設けて断面形状が先端幅狭爪状である凹状に形成されている。ここで、これら係合凹部15の拡大部16は、基端側が断面凹弧状に形成されており、先端側の内縁が基端側に対向した平面状に形成されている。
【0015】
そして、これら各係合凹部15には、清掃部材としての磨き部材である略細長平板状のブラシ部材21、および、清掃部材としての略細長平板状のブレード部材、すなわちゴムブレードである掻取部材22の基端側が、周方向に沿って交互に係止されて取り付けられている。これらブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14の各係合凹部15に基端側が係止された状態で、このブラシ台14の径方向に向けてブラシ台14の外周面から壁状にそれぞれ突出している。
【0016】
ここで、ブラシ部材21は、ブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略板状のブラシ取付部23を基端側に備えている。このブラシ取付部23は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。また、このブラシ取付部23の表面部には、ブラシ毛24が長手方向に沿って壁状に植設されている。
【0017】
一方、掻取部材22は、細長平板状で長手方向の一側両面に肉厚に膨出する掻き出し部26を断面凹凸状に設けた弾性を有するブレード27を備えている。このブレード27の長手方向の基端側には、このブレード27と同材質にて一体にブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略平板状のブレード取付部28が形成されている。このブレード取付部28は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。
【0018】
さらに、ブラシ台14には、断面円形状の軸挿通孔としてのシャフト挿通孔31が同心状に設けられている。
【0019】
このシャフト挿通孔31は、ブラシ台14の一端面から他端面に亘ってこのブラシ台14の中心軸に沿って軸方向に向けて貫通している。そして、ブラシ台14内であるシャフト挿通孔31内には、例えば鋼鉄やステンレス鋼(SUS)などの金属にて成形され、ブラシ台14を回転可能にする略円筒状の軸体としての軸状のシャフト32が挿通される。そして、このシャフト32は、ブラシ台14より硬質な部材にて直線状に成形されており、このブラシ台14の両端部から、このシャフト32の両端部のそれぞれが突出した状態で、このブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通されて取り付けられている。この結果、ブラシ台14は、シャフト32により、押し出し成形時の歪みなどが矯正される。
【0020】
また、このシャフト32の両端部には、このシャフト32の径方向に向けて貫通したピン挿通孔33が設けられている。これらピン挿通孔33は互いに平行な軸方向を有している。また、これらピン挿通孔33は、シャフト32をブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通させた際に、このブラシ台14の両端部から突出する位置に設けられている。さらに、シャフト32の各ピン挿通孔33よりも両端側には、このシャフト32の周方向に沿った断面凹溝状の係合溝部34が形成されている。
【0021】
そして、ブラシ台14には、シャフト挿通孔31の周囲に、ブラシ台14を軽量化する肉抜き部としての複数、例えば4つの肉抜き孔35が設けられている。これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の周方向に略等角度に互いに離間されており、ブラシ台14の一端面から他端面に亘ってこのブラシ台14の軸方向に沿って貫通している。
【0022】
また、これら肉抜き孔35は、例えばシャフト挿通孔31よりも径小の断面円形状に形成され、各係合凹部15の間に位置した部分に設けられている。さらに、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の外周面からこのブラシ台14の中心軸側に若干離間された位置に設けられている。言い換えると、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の外周面に接しない状態で円筒状に設けられている。すなわち、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の外周面側に開口していない。このため、ブラシ台14の外周面は、係合凹部15の間の部分が凹凸のない円弧状に形成されている。同様に、これら肉抜き孔35は、シャフト挿通孔31の外周から若干離間されている。すなわち、これら肉抜き孔35は、シャフト挿通孔31に接しない状態で設けられている。
【0023】
またさらに、これら肉抜き孔35は、ブラシ台14の断面中心を中心とする同一の円周上に各中心が位置している。すなわち、各肉抜き孔35の断面の中心は、ブラシ台14の断面の中心からの距離が互いに等しい位置に設けられている。この結果、肉抜き孔35は、ブラシ台14の断面の中心に対してそれぞれ略均等な位置に、全体として略対称な形状となるように設けられている。
【0024】
さらに、ブラシ台14の両端部には、ブラシ台14の両端部をシャフト32に対して保持固定する保持部材としての受体である略円筒状の受板41がそれぞれ同心状に取り付けられている。これら受板41は、ブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通されたシャフト32の両端部に嵌合されて取り付けられている。
【0025】
そして、これら受板41の中心部には、シャフト32の端部が挿通される挿通孔42が設けられている。さらに、この挿通孔42の一端部である先端部の開口縁には、嵌合突部としての略円柱状のリブ43が複数、例えば4つ、略等間隔で設けられている。これらリブ43は、ブラシ台14の肉抜き孔35に嵌合されて、このブラシ台14をシャフト32に保持固定する。また、これらリブ43は、受板41の挿通孔42の開口方向である軸方向に沿って突出している。さらに、これらリブ43は、ブラシ台14の端部を受板41の先端部に嵌合させた際に、ブラシ台14の肉抜き孔35のそれぞれに軸方向に沿って嵌合される。また、これらリブ43は、ブラシ台14の周方向である回転方向へのずれを規制する。
【0026】
さらに、これらリブ43の基端部である受板41の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の内側鍔部44が同心状に設けられている。この内側鍔部44は、各リブ43をブラシ台14の一端の各肉抜き孔35に軸方向に沿って移動させて嵌合させて、受板41にブラシ台14の一端部を係止した際に、このブラシ台14の一端面が当接する。さらに、この内側鍔部44は、ブラシ台14の最大外径よりも若干大きな外径寸法を有しており、このブラシ台14の係合凹部15からのブラシ部材21および掻取部材22の抜けを防止する。
【0027】
また、この内側鍔部44よりも受板41の先端側の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の外側鍔部45が同心状に設けられている。この外側鍔部45の外周面側には、外周面に周方向に向けて等間隔にギア溝46が形成された略円筒状の歯車部47が同心状に設けられている。そして、この歯車部47の先端側の内側には、略円筒状の軸受48が嵌合されている。この軸受48は、シャフト32の端部に嵌合されて、このシャフト32の端部を回転自在に固定する。なお、受板41の歯車部47は、軸受48の外周面を覆って、この軸受48への塵埃などの侵入を防止する。また、軸受48の先端側の外周面には、側面視略矩形状の係合面部49が形成されている。
【0028】
ここで、床ブラシ9のケース体11の吸込口12の走行方向に対する両側縁のそれぞれには、図4に示すように、一対の軸支凹部51が区画形成されている。これら軸支凹部51のそれぞれには、受板41の歯車部47内に嵌合されてシャフト32の両端部を回転自在に固定した軸受48の係合面部49がそれぞれ係合される。この結果、これら軸受48は、一対の軸支凹部51間にシャフト32を回転自在に支持して固定させる。
【0029】
さらに、内側鍔部44と外側鍔部45との間の受板41の周面部には、ピン挿通孔53が穿設されている。このピン挿通孔53は、各受板41の径方向に沿って貫通している。また、これらピン挿通孔53は、受板41の挿通孔42にシャフト32を挿通させた状態で、このシャフト32のピン挿通孔33に連通する。そして、これらピン挿通孔53は、シャフト32のピン挿通孔33に位置合わせされて連通された状態で、これらピン挿通孔33,53に細長円柱状のピン54が挿入されて、受板41とシャフト32とを軸方向および周方向のそれぞれに対して連結固定させる。
【0030】
一方、床ブラシ9のケース体11内の一方の軸支凹部51の後側には、図4に示すように、駆動手段としてのモータ61が収容されている。このモータ61の先端部には、このモータ61の駆動により回転する回転軸62が突出している。この回転軸62には、外周面に図示しないギア溝が形成された歯車63が同心状に取り付けられている。この歯車63のギア溝は、受板41の歯車部47のギア溝46に等しい間隔および大きさに形成されている。さらに、この歯車63は、床ブラシ9のケース体11内に取り付けられた回転ブラシ13の一方の受板41の後側に位置し、この受板41の回転方向に一致した回転方向を有している。
【0031】
そして、この歯車63と回転ブラシ13の一方の受板41の歯車部47との間には、無端状の調帯としてのベルト体64が橋渡すように巻回されている。このベルト体64の内周面には、歯車63のギア溝および歯車部47のギア溝46のそれぞれに係合可能な間隔および大きさである図示しないギア溝が形成されている。したがって、モータ61を駆動させることにより、このモータ61の回転軸62の回転により歯車63が回転し、この歯車63の回転によってベルト体64が回転して回転ブラシ13の一方の受板41が回転し、この回転ブラシ13が周方向に向けて回転駆動される。
【0032】
次に、上記一実施の形態の床ブラシの組み立て方法を説明する。
【0033】
まず、押し出し成形したブラシ台14の各係合凹部15に、ブラシ部材21のブラシ取付部23および掻取部材22のブレード取付部28を交互に嵌合させて、ブラシ部材21および掻取部材22をそれぞれブラシ台14の長手方向に沿って取り付ける。
【0034】
次いで、図2に示すように、ブラシ部材21および掻取部材22が外周面に取り付けられたブラシ台14のシャフト挿通孔31にシャフト32を挿入する。
【0035】
さらに、シャフト32の両端部を受板41の挿通孔42に挿通させつつ、これら受板41の各リブ43のそれぞれをブラシ台14の両端部から、このブラシ台14の各肉抜き孔35のそれぞれに嵌合させる。
【0036】
この状態で、一方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の一方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して一方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0037】
そして、他方の受板41を一方の受板41に対して周方向に向けて捻り、この他方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の他方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して他方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0038】
この結果、ブラシ台14がブラシ部材21および掻取部材22とともに周方向に向けて螺旋状に捻られた状態で両受板41にてシャフト32に対して保持される。
【0039】
この後、各受板41の挿通孔42から外側へと突出したシャフト32の両端部に軸受48を回転可能に嵌合させて取り付けて回転ブラシ13とする。
【0040】
そして、この回転ブラシ13の各軸受48のそれぞれをケース体11の軸支凹部51のそれぞれに嵌合させて、このケース体11の吸込口12内に回転ブラシ13を回転自在に軸支させて床ブラシ9を完成する。
【0041】
次に、上記一実施の形態の掃除動作を説明する。
【0042】
まず、掃除をする際には、掃除機本体1にホース体4および延長管8を介して床ブラシ9を接続する。そして、このホース体4の把持部7を持って押動させて、床ブラシ9を床面上で前後に走行させる。
【0043】
このとき、掃除機本体1内の電動送風機2の駆動により発生する吸込力によって、床ブラシ9の吸込口12から空気とともに床面上の塵埃が吸い込まれる。
【0044】
さらに、ホース体4の手許操作部5の所定の設定ボタン6をオンして、床ブラシ9の回転ブラシ13を回転駆動させた場合には、この回転ブラシ13のブラシ部材21の回転により、このブラシ部材21のブラシ毛24にて床面がブラッシングされる。すなわち、この床面が板の間などである場合には、この床面にこびりついた塵埃が床面から掃き取られて取り除かれて磨かれ、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0045】
同時に、この回転ブラシ13の掻取部材22の回転により、床面上の塵埃が掃き取られる。すなわち、この床面が絨毯などである場合には、掻取部材22のブレード27の掻き出し部26によって、絨毯の中に入り込んだ塵埃が外部へと掻き出されて取り除かれて、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0046】
この後、この床ブラシ9の吸込口12から塵埃とともに吸い込まれた空気は、この床ブラシ9から延長管8およびホース体4を順次介して掃除機本体1の本体吸込口3へと吸い込まれた後、この掃除機本体1内に収容させた集塵パックへと吸い込まれて空気とともに吸い込んだ塵埃が捕捉される。
【0047】
上述したように、上記一実施の形態では、ブラシ部材21および掻取部材22が取り付けられたブラシ台14の外周面に接しないように、かつ軸方向の両端間を貫通してブラシ台14を軽量化する肉抜き孔35を設け、ブラシ台14の両端部を周方向に向けて互いに相対的に捻った状態でシャフト32に対して保持する受板41に、肉抜き孔35に嵌合するリブ43を設ける構成とした。
【0048】
このため、ブラシ台14の外周面に、係合凹部15以外の凹凸が形成されないため、ブラシ部材21および掻取部材22の基端側を各係合凹部15に取り付けた状態でブラシ台14の外周面に凹凸が形成されず、掃除の際に塵埃、あるいは被掃除面としての絨毯の毛などがブラシ台14の外周面に引っ掛かることなどを防止できる。
【0049】
この結果、掃除の際に例えば一旦回転ブラシ13を停止させてこの回転ブラシ13に引っ掛かった塵埃などを除去する手間を抑制でき、使い勝手を向上できる。
【0050】
また、ブラシ台14の外周面に接しないように肉抜き孔35を設けることで、ブラシ台14の外周面に接するようにこのブラシ台14の外周面に肉抜き部を溝状に切り欠いて設ける場合と比較してブラシ台14の強度を確保し、リブ43がブラシ台14(肉抜き孔35)に与える負荷を低減できるとともに、肉抜き孔35の径寸法を大きくできることで、リブ43の太さである外径寸法をも大きくでき、ブラシ台14を捻った際などにリブ43に加わる応力、すなわちストレスに対するリブ43の強度を向上できる。
【0051】
そして、肉抜き孔35が受板41のリブ43を嵌合させる嵌合部を兼ねているため、リブ43を嵌合させる嵌合部を肉抜き孔35とは別個に設ける場合と比較して、ブラシ台14を小型化できる。
【0052】
しかも、肉抜き孔35によりブラシ台14が軽量化されることで、回転ブラシ13を回転させる際にモータ61に加わる負荷を低減でき、モータ61の小型化、あるいは省電力化が可能になるなど、使い勝手をより向上できる。
【0053】
なお、上記一実施の形態において、肉抜き孔35は、ブラシ台14の両端間を貫通せずに、ブラシ台14の両端部にそれぞれ設ける構成でもよい。
【0054】
同様に、シャフト挿通孔31は、ブラシ台14の両端部にそれぞれ設ける構成でもよい。この場合には、シャフト32を、ブラシ台14の両端部のシャフト挿通孔31に挿入して取り付ける。
【0055】
また、ブラシ台14にシャフト挿通孔31を設けずに肉抜き孔35のみを設け、かつ受板41に軸体を設けて回転ブラシ13を回転させる構成としてもよい。
【0056】
さらに、ブラシ台14は、例えば捻り押し出し成形などで予め螺旋状に捻られた状態で形成されたものでもよい。
【0057】
またさらに、肉抜き孔35の数および断面形状などは、ブラシ台14の周方向にバランス良く配置されるようにすれば、上記構成に限定されない。
【0058】
そして、床ブラシ9に回転ブラシ13を複数配設してもよい。また、この回転ブラシ13をモータ61にて回転駆動させたが、電動送風機2による吸気風にて回転駆動させる構成とすることもできる。
【0059】
また、ブラシ台14に4つの係合凹部15を設けたが、このブラシ台14に取り付けられる清掃部材の個数に合わせて、少なくとも一つ以上あればよい。また、この清掃部材としては、ブラシ部材21や掻取部材22に限らず、例えば布ブレードを有した床磨部材などでもよい。さらに、ブラシ台14の係合凹部15にブラシ部材21および掻取部材22を交互に取り付けたが、交互に限られず、ブラシ台14の各係合凹部15のそれぞれに一種類の掻取部材22のみを取り付けたり、複数種類を取り付けたりしてもよい。
【0060】
さらに、キャニスタ型の電気掃除機に限らず、床ブラシ9が掃除機本体1の下面に直接形成されたアップライト型、その他、掃除機本体1と床ブラシ9とが一体化された自走式の電気掃除機あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、保持部材の嵌合突部が嵌合する肉抜き部を取付部材の外周面に接しないように設けることで、清掃部材を外周面に設けた状態で取付部材の外周面に凹凸が形成されず、例えば掃除の際に塵埃が引っ掛かることなどを防止して、使い勝手を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の回転清掃体の一部を示す分解斜視図である。
【図2】同上回転清掃体を示す斜視図である。
【図3】同上回転清掃体を備えた電気掃除機の吸込口体を示す縦断面図である。
【図4】同上電気掃除機の吸込口体を示す平面図である。
【図5】同上電気掃除機の吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【符号の説明】
9 電気掃除機の吸込口体としての床ブラシ
11 ケース体
12 吸込口
13 回転清掃体としての回転ブラシ
14 取付部材としてのブラシ台
21 清掃部材としてのブラシ部材
22 清掃部材としての掻取部材
32 軸体としてのシャフト
35 肉抜き部としての肉抜き孔
41 保持部材としての受板
43 嵌合突部としてのリブ
Claims (2)
- 外周面に突出して清掃部材が設けられた軸状の取付部材と、
この取付部材の少なくとも一端面から軸方向に沿って前記取付部材の外周面に接しない状態で設けられ、前記取付部材を軽量化する肉抜き部と、
前記取付部材を回転可能にする軸体と、
前記肉抜き部に嵌合する嵌合突部を備え、前記取付部材の少なくとも一端部を前記軸体に対して保持する保持部材と
を具備したことを特徴とした回転清掃体。 - 吸込口を備えたケース体と、
被掃除面に対向して前記ケース体に回転可能に軸支された請求項1記載の回転清掃体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機の吸込口体。
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Cited By (2)
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JP2011244871A (ja) * | 2010-05-24 | 2011-12-08 | Hitachi Appliances Inc | 電気掃除機 |
WO2022162608A3 (en) * | 2021-01-29 | 2022-09-22 | Robert Eitelhuber Georg | A shaft and a coupling member for coupling shafts |
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2003
- 2003-05-21 JP JP2003143928A patent/JP2004344345A/ja active Pending
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