JP2004344239A - 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造性および回転バランスを向上した回転ブラシを備えた床ブラシを提供する。
【解決手段】ブラシ台14の軸方向の両端部の間に、シャフト挿通孔部31とシャフト挿通孔部31から連続して形成した肉抜き孔部35を備えた軸挿入穴36を貫通して設ける。軸挿入穴36に挿入するシャフト32を軸挿入穴36の支持部37の内側面にて断面3箇所以上で接触して保持する。シャフト32の外側面と軸挿入穴36の支持部37の内側面の間の摩擦力を抑制する。シャフト32をシャフト挿通孔部31に容易に挿入できて製造性を向上でき、かつシャフト32の外周面を軸挿入穴36の内側面で確実に保持し、回転バランスを向上できる。
【選択図】 図1
【解決手段】ブラシ台14の軸方向の両端部の間に、シャフト挿通孔部31とシャフト挿通孔部31から連続して形成した肉抜き孔部35を備えた軸挿入穴36を貫通して設ける。軸挿入穴36に挿入するシャフト32を軸挿入穴36の支持部37の内側面にて断面3箇所以上で接触して保持する。シャフト32の外側面と軸挿入穴36の支持部37の内側面の間の摩擦力を抑制する。シャフト32をシャフト挿通孔部31に容易に挿入できて製造性を向上でき、かつシャフト32の外周面を軸挿入穴36の内側面で確実に保持し、回転バランスを向上できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた取付部材を有する回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機の吸込口体に取り付けられる回転清掃体としての回転ブラシは、略円柱状の取付部材としてのブラシ台を備えている。このブラシ台の両端部には、断面円形状の軸挿入穴が中心軸に沿ってそれぞれ設けられている。これら軸挿通穴には、軸体としての円筒状のシャフトがそれぞれ挿入されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−63441号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の回転ブラシでは、軸挿通穴の断面を円形状としたことにより、シャフトを軸挿通穴に挿入する際に、シャフトの外周面と軸挿通穴の内周面とが全周面において面接触する。この結果、シャフトを軸挿通穴に挿入する際に比較的大きい摩擦力が加わるため、シャフトを軸挿通穴に挿入することが容易でなく、製造性が良好でないという問題点を有している。
【0005】
また、シャフトを軸挿通穴に挿入し易くするために、シャフトの外径を軸挿通穴の内径よりも小さくすると、軸挿通穴にシャフトを挿入した際に、軸挿通穴の断面中心位置とシャフトの断面中心位置とが互いにずれてがたつきが生じ、回転バランスが良好でないという問題点も有している。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、製造性および回転バランスを向上した回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた軸状の取付部材の少なくとも一端面から軸方向に沿って設けられ、軸挿入部およびこの軸挿入部から連続して形成された肉抜き部を備えた軸挿入穴と、この軸挿入穴の軸挿入部の内側面に断面3箇所以上で接触して保持された状態で軸挿入部に挿入される軸体とを具備したものである。そして、軸体を軸挿入穴の内側面の断面3箇所以上で接触して保持することで、軸体を軸挿入穴に挿入する際の軸体の外側面と軸挿入穴の内側面との間の摩擦力を抑制して軸体を軸挿入部に容易に挿入でき、製造性が向上するとともに、軸体の外側面を軸挿入穴の内側面で確実に保持し、回転バランスが向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図6を参照して説明する。
【0009】
図6において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1の内部には、電動送風機2が収容されている。また、この掃除機本体1は、電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を捕捉して集塵する。
【0010】
さらに、この掃除機本体1の前側略中央には、外部から空気を吸引する本体吸込口3が開口されている。この本体吸込口3には、湾曲可能な細長略円筒状の接続管としてのホース体4が連通接続されている。このホース体4の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手許操作部5が設けられている。
【0011】
そして、この手許操作部5には、掃除機本体1内の電動送風機2などの駆動状態を所定の状態に設定する複数の設定ボタン6が設けられているとともに、掃除する際に作業者が把持する把持部7が基端側に突設されている。また、この手許操作部5の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管8が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管8の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に設置させて、この絨毯上の塵埃を吸い込む床ブラシ9が着脱可能に連通接続されている。この床ブラシ9は、電気掃除機の吸込口体である。
【0012】
また、この床ブラシ9は、図4および図5に示すように、前後方向である走行方向に対して横長で、後部略中央が後方に向けて突出する凸字状のケース体11を備えている。このケース体11における被掃除面としての床面に対向する下面には、細長矩形状の吸込口12が開口形成されている。この吸込口12は、ケース体11の走行方向の前側に偏位した位置に設けられており、このケース体11の走行方向に対する幅方向に沿った長手方向を有した横長矩形状に形成されている。
【0013】
さらに、このケース体11の吸込口12の内側には、細長略円筒状の回転清掃体としての回転ブラシ13が走行方向に向けて回転自在に軸支されて配設されている。この回転ブラシ13は、ケース体11の吸込口12を床面に対向させた際に、この床面に対向するように取り付けられている。そして、この回転ブラシ13は、細長略円筒状、したがって軸方向を有する取付部材としての清掃台である可撓性を有する軸状のブラシ台14を備えている。このブラシ台14は、例えばプラスチックなどの比較的硬質の部材を押し出し成形して設けられている。
【0014】
またさらに、ブラシ台14の外周面には、図1ないし図4に示すように、取付凹部としての係合凹部15が複数、例えば4つ設けられている。これら係合凹部15は、ブラシ台14の軸方向に沿ってこのブラシ台14の一端部から他端部の間に亘って連続した直線状に設けられている。
【0015】
また、これら係合凹部15は、長手方向をブラシ台14の長手方向に沿わせた状態で、ブラシ台14の周方向に間隔をおいて等間隔な位置にそれぞれ設けられている。そして、これら係合凹部15は、内部が周方向に幅広となる拡大部16と、この拡大部16から外周面に連通しこの拡大部16より幅狭な連通部17とにて、段差を設けて断面形状が先端幅狭爪状である凹状に形成されている。ここで、これら係合凹部15の拡大部16は、基端側が断面凹弧状に形成されており、先端側の内縁が基端側に対向した平面状に形成されている。
【0016】
そして、これら各係合凹部15には、清掃部材としての磨き部材である略細長平板状のブラシ部材21、および、清掃部材としての略細長平板状のブレード部材、すなわちゴムブレードである掻取部材22の基端側が、周方向に沿って交互に係止されて取り付けられている。これらブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14の各係合凹部15に基端側が係止された状態で、このブラシ台14の径方向に向けてブラシ台14の外周面から壁状にそれぞれ突出している。
【0017】
ここで、ブラシ部材21は、ブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略板状のブラシ取付部23を基端側に備えている。このブラシ取付部23は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。また、このブラシ取付部23の表面部には、ブラシ毛24が長手方向に沿って壁状に植設されている。
【0018】
一方、掻取部材22は、細長平板状で長手方向の一側両面に肉厚に膨出する掻き出し部26を断面凹凸状に設けた弾性を有するブレード27を備えている。このブレード27の長手方向の基端側には、このブレード27と同材質にて一体にブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略平板状のブレード取付部28が形成されている。このブレード取付部28は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。
【0019】
さらに、ブラシ台14には、軸挿入部としてのシャフト挿通孔部31が同心状に設けられている。
【0020】
このシャフト挿通孔部31は、ブラシ台14の一端面から他端面に亘ってこのブラシ台14の中心軸に沿って軸方向に向けて貫通している。そして、ブラシ台14内であるシャフト挿通孔部31内には、例えば鋼鉄やステンレス鋼(SUS)などの金属にて成形された略円筒状の軸体としての軸状のシャフト32が挿通される。そして、このシャフト32は、ブラシ台14より硬質な部材にて直線状に成形されており、このブラシ台14の両端部から、このシャフト32の両端部のそれぞれが突出した状態で、このブラシ台14のシャフト挿通孔部31に挿通されて取り付けられている。この結果、ブラシ台14は、シャフト32により、押し出し成形時の歪みなどが矯正される。
【0021】
また、このシャフト32の両端部には、このシャフト32の径方向に向けて貫通したピン挿通孔33が設けられている。これらピン挿通孔33は互いに平行な軸方向を有している。また、これらピン挿通孔33は、シャフト32をブラシ台14のシャフト挿通孔部31に挿通させた際に、このブラシ台14の両端部から突出する位置に設けられている。さらに、シャフト32の各ピン挿通孔33よりも両端側には、このシャフト32の周方向に沿った断面凹溝状の係合溝部34が形成されている。
【0022】
そして、ブラシ台14には、シャフト挿通孔部31の周囲に、ブラシ台14を軽量化する肉抜き部としての複数、例えば4箇所の肉抜き孔部35がシャフト挿通孔部31とブラシ台14の径方向および軸方向に連続して一体に設けられている。これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の周方向に略等角度に互いに離間されており、ブラシ台14の両端部間をこのブラシ台14の軸方向に沿って貫通している。
【0023】
また、これら肉抜き孔部35は、例えばシャフト挿通孔部31よりも断面形状が小さく形成され、各係合凹部15の略中間部に位置している。そして、これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の径方向に沿ってブラシ台14の外周面からこのブラシ台14の中心軸側に若干離間された位置にまで延設されている。言い換えると、これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の外周面に接しないように設けられている。すなわち、これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の外周面側に開口していない。このため、ブラシ台14の外周面は、係合凹部15の間の部分が凹凸のない円弧状に形成されている。
【0024】
そして、シャフト挿通孔部31および肉抜き孔部35にて、軸挿入穴36が構成されている。したがって、この軸挿入穴36は、ブラシ台14の断面の中心について略対称な断面略十字状に設けられ、ブラシ台14の中心について略対称な形状となっている。
【0025】
また、軸挿入穴36は、シャフト挿通孔部31と肉抜き孔部35との連接部に、ブラシ台14の中心軸に向けて突弧状に突出した支持部37が形成されている。これら支持部37は、ブラシ台14の周方向に互いに略等角度に離間されている。言い換えると、支持部37は、ブラシ台14の中心について互いに90°ずつ離間された位置に設けられている。
【0026】
またさらに、支持部37は、各係合凹部15の断面の中心を通るブラシ台14の断面の仮想中心線上がブラシ台14の中心軸方向に最も突出するように設けられ、互いに対向する支持部37同士の間隔は、シャフト32の外径寸法よりも若干小さい。そして、軸挿入穴36の支持部37の内側面は、シャフト32をシャフト挿通孔部31に挿通した状態で、断面3箇所以上、本実施の形態では断面4箇所でシャフト32の外側面である外周面を押圧して点接触することにより保持されて点支持している。すなわち、軸挿入穴36は、支持部37の内側面により、シャフト32の外周面をブラシ台14全体として4箇所で軸方向に沿って線支持している。
【0027】
さらに、ブラシ台14の両端部には、ブラシ台14の両端部を保持固定する保持部材としての受体である略円筒状の受板41がそれぞれ同心状に取り付けられている。これら受板41は、ブラシ台14のシャフト挿通孔部31に挿通されたシャフト32の両端部に嵌合されて取り付けられている。
【0028】
そして、これら受板41の中心部には、シャフト32の端部が挿通される挿通孔42が設けられている。さらに、この挿通孔42の一端部である先端部の開口縁には、嵌合突部としての略円柱状のリブ43が複数、例えば4つ、略等間隔で設けられている。これらリブ43は、ブラシ台14の肉抜き孔部35に嵌合されて、このブラシ台14をシャフト32に保持固定する。また、これらリブ43は、受板41の挿通孔42の開口方向である軸方向に沿って突出している。さらに、これらリブ43は、ブラシ台14の端部を受板41の先端部に嵌合させた際に、ブラシ台14の肉抜き孔部35のそれぞれに軸方向に沿って嵌合される。また、これらリブ43は、ブラシ台14の周方向である回転方向へのずれを規制する。
【0029】
さらに、これらリブ43の基端部である受板41の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の内側鍔部44が同心状に設けられている。この内側鍔部44は、各リブ43をブラシ台14の一端の各肉抜き孔部35に軸方向に沿って移動させて嵌合させて、受板41にブラシ台14の一端部を係止した際に、このブラシ台14の一端面が当接する。さらに、この内側鍔部44は、ブラシ台14の最大外径よりも若干大きな外径寸法を有しており、このブラシ台14の係合凹部15からのブラシ部材21および掻取部材22の抜けを防止する。
【0030】
また、この内側鍔部44よりも受板41の先端側の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の外側鍔部45が同心状に設けられている。この外側鍔部45の外周面側には、外周面に周方向に向けて等間隔にギア溝46が形成された略円筒状の歯車部47が同心状に設けられている。そして、この歯車部47の先端側の内側には、略円筒状の軸受48が嵌合されている。この軸受48は、シャフト32の端部に嵌合されて、このシャフト32の端部を回転自在に固定する。なお、受板41の歯車部47は、軸受48の外周面を覆って、この軸受48への塵埃などの侵入を防止する。また、軸受48の先端側の外周面には、側面視略矩形状の係合面部49が形成されている。
【0031】
ここで、床ブラシ9のケース体11の吸込口12の走行方向に対する両側縁のそれぞれには、図5に示すように、一対の軸支凹部51が区画形成されている。これら軸支凹部51のそれぞれには、受板41の歯車部47内に嵌合されてシャフト32の両端部を回転自在に固定した軸受48の係合面部49がそれぞれ係合される。この結果、これら軸受48は、一対の軸支凹部51間にシャフト32を回転自在に支持して固定させる。
【0032】
さらに、内側鍔部44と外側鍔部45との間の受板41の周面部には、ピン挿通孔53が穿設されている。このピン挿通孔53は、各受板41の径方向に沿って貫通している。また、これらピン挿通孔53は、受板41の挿通孔42にシャフト32を挿通させた状態で、このシャフト32のピン挿通孔33に連通する。そして、これらピン挿通孔53は、シャフト32のピン挿通孔33に位置合わせされて連通された状態で、これらピン挿通孔33,53に細長円柱状のピン54が挿入されて、受板41とシャフト32とを軸方向および周方向のそれぞれに対して連結固定させる。
【0033】
一方、床ブラシ9のケース体11内の一方の軸支凹部51の後側には、図5に示すように、駆動手段としてのモータ61が収容されている。このモータ61の先端部には、このモータ61の駆動により回転する回転軸62が突出している。この回転軸62には、外周面に図示しないギア溝が形成された歯車63が同心状に取り付けられている。この歯車63のギア溝は、受板41の歯車部47のギア溝46に等しい間隔および大きさに形成されている。さらに、この歯車63は、床ブラシ9のケース体11内に取り付けられた回転ブラシ13の一方の受板41の後側に位置し、この受板41の回転方向に一致した回転方向を有している。
【0034】
そして、この歯車63と回転ブラシ13の一方の受板41の歯車部47との間には、無端状の調帯としてのベルト体64が橋渡すように巻回されている。このベルト体64の内周面には、歯車63のギア溝および歯車部47のギア溝46のそれぞれに係合可能な間隔および大きさである図示しないギア溝が形成されている。したがって、モータ61を駆動させることにより、このモータ61の回転軸62の回転により歯車63が回転し、この歯車63の回転によってベルト体64が回転して回転ブラシ13の一方の受板41が回転し、この回転ブラシ13が周方向に向けて回転駆動される。
【0035】
次に、上記一実施の形態の床ブラシの組み立て方法を説明する。
【0036】
まず、押し出し成形したブラシ台14の各係合凹部15に、ブラシ部材21のブラシ取付部23および掻取部材22のブレード取付部28を交互に嵌合させて、ブラシ部材21および掻取部材22をそれぞれブラシ台14の長手方向に沿って取り付ける。
【0037】
次いで、図2に示すように、ブラシ部材21および掻取部材22が外周面に取り付けられたブラシ台14のシャフト挿通孔部31にシャフト32を挿入する。
【0038】
このとき、シャフト32の外周面を、ブラシ台14の軸挿入穴36の支持部37の内側面にて断面4箇所で押圧して支持する。
【0039】
さらに、シャフト32の両端部に受板41の挿通孔42を挿通させつつ、これら受板41の各リブ43のそれぞれをブラシ台14の両端部から、このブラシ台14の各肉抜き孔部35のそれぞれに嵌合させる。
【0040】
この状態で、一方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の一方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して一方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0041】
そして、他方の受板41を一方の受板41に対して周方向に向けて捻り、この他方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の他方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して他方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0042】
この結果、ブラシ台14がブラシ部材21および掻取部材22とともに周方向に向けて螺旋状に捻られた状態で両受板41にて保持される。
【0043】
この後、各受板41の挿通孔42から外側へと突出したシャフト32の両端部に軸受48を回転可能に嵌合させて取り付けて回転ブラシ13とする。
【0044】
そして、この回転ブラシ13の各軸受48のそれぞれをケース体11の軸支凹部51のそれぞれに嵌合させて、このケース体11の吸込口12内に回転ブラシ13を回転自在に軸支させて床ブラシ9を完成する。
【0045】
次に、上記一実施の形態の掃除動作を説明する。
【0046】
まず、掃除をする際には、掃除機本体1にホース体4および延長管8を介して床ブラシ9を接続する。そして、このホース体4の把持部7を持って押動させて、床ブラシ9を床面上で前後に走行させる。
【0047】
このとき、掃除機本体1内の電動送風機2の駆動により発生する吸込力によって、床ブラシ9の吸込口12から空気とともに床面上の塵埃が吸い込まれる。
【0048】
さらに、ホース体4の手許操作部5の所定の設定ボタン6をオンして、床ブラシ9の回転ブラシ13を回転駆動させた場合には、この回転ブラシ13のブラシ部材21の回転により、このブラシ部材21のブラシ毛24にて床面がブラッシングされる。すなわち、この床面が板の間などである場合には、この床面にこびりついた塵埃が床面から掃き取られて取り除かれて磨かれ、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0049】
同時に、この回転ブラシ13の掻取部材22の回転により、床面上の塵埃が掃き取られる。すなわち、この床面が絨毯などである場合には、掻取部材22のブレード27の掻き出し部26によって、絨毯の中に入り込んだ塵埃が外部へと掻き出されて取り除かれて、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0050】
この後、この床ブラシ9の吸込口12から塵埃とともに吸い込まれた空気は、この床ブラシ9から延長管8およびホース体4を順次介して掃除機本体1の本体吸込口3へと吸い込まれた後、この掃除機本体1内に収容させた集塵パックへと吸い込まれて空気とともに吸い込んだ塵埃が捕捉される。
【0051】
上述したように、上記一実施の形態では、シャフト32を断面4箇所で支持するシャフト挿通孔部31およびこのシャフト挿通孔部31から連続して形成された肉抜き孔部35を備えた軸挿入穴36を、ブラシ部材21および掻取部材22が取り付けられたブラシ台14の両端部に設ける構成とした。
【0052】
このため、シャフト32の外周面と軸挿入穴36の内側面である支持部37の内側面との間の摩擦力が抑制される。
【0053】
この結果、例えば円形状の軸挿入穴の内周面とシャフトの外周面とが全周面において面接触し、摩擦力が大きくなってシャフトを軸挿入穴に挿入することが容易でない従来の場合と比較して、シャフト32をシャフト挿通孔部31に容易に挿入でき、製造性を向上できる。
【0054】
また、ブラシ台14が可撓性を有する場合には、シャフト32の外周面と支持部37の内側面との間の摩擦力が特に大きくなるため、ブラシ台14を貫通した軸挿入穴36に対してシャフト32を挿通させることが容易でない。しかしながら、上記一実施の形態のようにシャフト32の外周面と軸挿入穴36の内側面とを断面4箇所で接触させることで、シャフト32の外周面と支持部37の内側面との間の摩擦力を低減し、可撓性を有するブラシ台14を使用しても、軸挿入穴36に対してシャフト32を容易に挿通させることができる。
【0055】
しかも、可撓性を有するブラシ台14を使用できることで、ブラシ台14を周方向に向けて容易に螺旋状に捻ることができ、製造性をより向上できる。
【0056】
さらに、例えば円形状の軸挿入穴にシャフトを挿入する場合には、この挿入の際の摩擦力を考慮して、軸挿入穴の内径よりもシャフトの外径を小さくしなければならないが、上記一実施の形態では、シャフト32の外径を軸挿入穴36のシャフト挿通孔部31の内径よりも若干大きくすることが可能になる。
【0057】
この結果、シャフトの外周面が軸挿入穴の内周面に確実に保持されずにがたついて回転バランスが崩れるおそれがある従来の場合と比較して、シャフト32の外周面を、シャフト32の断面の中心について互いに略対称な4箇所の支持部37の内側面にてバランスよく押圧してシャフト32と同軸状に確実に保持でき、ブラシ台14に対するシャフト32のがたつきを防止して回転ブラシ13の回転バランスを向上できる。
【0058】
またさらに、上記一実施の形態では、肉抜き孔部35をシャフト挿通孔部31にブラシ台14の径方向および軸方向に連続して形成する構成とした。
【0059】
このため、例えば肉抜き孔部をシャフト挿通孔部に連続しないように設ける場合には、肉抜き孔部35を形成するための金型を、細長いリブ状に形成する必要があり、金型の強度を確保することが容易でないが、上記一実施の形態では、肉抜き孔部35を形成するための金型を、シャフト挿通孔部31を形成する金型と一体に設けることが可能になり、金型の強度を確保して、製造性をより向上できる。
【0060】
そして、肉抜き孔部35が受板41のリブ43を嵌合させる嵌合部を兼ねているため、リブ43を嵌合させる嵌合部を肉抜き孔部35とは別個に設ける場合と比較して、ブラシ台14を小型化できる。
【0061】
しかも、肉抜き孔部35によりブラシ台14が軽量化されることで、回転ブラシ13を回転させる際にモータ61に加わる負荷を低減でき、モータ61の小型化、あるいは省電力化が可能になるなど、使い勝手をより向上できる。
【0062】
なお、上記一実施の形態において、シャフト挿通孔部31、あるいは肉抜き孔部35は、シャフト32の形状および長さ寸法などに応じて、ブラシ台14の一端面から他端面に亘って貫通せずに、ブラシ台14の両端面にそれぞれ設ける構成でもよい。
【0063】
また、ブラシ台14は、例えば捻り押し出し成形などで予め螺旋状に捻られた状態で形成されたものでもよい。
【0064】
さらに、軸挿入穴36は、シャフト32の外周面を断面3箇所以上で接触して保持する形状であれば、支持部37を断面3箇所、あるいは断面5箇所以上設けるなどしてもよい。
【0065】
すなわち、支持部37は、シャフト32の外周面の全周面よりも小さい面積でシャフト32の外周面に断面3箇所以上で接触してこのシャフト32の外周面を保持する形状であれば、シャフト32の外周面を点支持する形状でも面支持する形状でもいずれでもよい。
【0066】
またさらに、床ブラシ9に回転ブラシ13を複数配設してもよい。また、この回転ブラシ13をモータ61にて回転駆動させたが、電動送風機2による吸気風にて回転駆動させる構成とすることもできる。
【0067】
そして、ブラシ台14に4つの係合凹部15を設けたが、このブラシ台14に取り付けられる清掃部材の個数に合わせて、少なくとも一つ以上あればよい。また、この清掃部材としては、ブラシ部材21や掻取部材22に限らず、例えば布ブレードを有した床磨部材などでもよい。さらに、ブラシ台14の係合凹部15にブラシ部材21および掻取部材22を交互に取り付けたが、交互に限られず、ブラシ台14の各係合凹部15のそれぞれに一種類の掻取部材22のみを取り付けたり、複数種類を取り付けたりしてもよい。
【0068】
また、キャニスタ型の電気掃除機に限らず、床ブラシ9が掃除機本体1の下面に直接形成されたアップライト型、その他、掃除機本体1と床ブラシ9とが一体化された自走式の電気掃除機あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、軸体を軸挿入穴の内側面の断面3箇所以上で接触して保持することで、軸体を軸挿入穴に挿入する際の軸体の外側面と軸挿入穴の内側面との間の摩擦力を抑制して軸体を軸挿入部に容易に挿入でき、製造性を向上できるとともに、軸体の外周面を軸挿入穴の内側面で確実に保持し、回転バランスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の回転清掃体の一部を示す分解斜視図である。
【図2】同上回転清掃体を示す斜視図である。
【図3】同上回転清掃体の図2のA−A断面図である。
【図4】同上回転清掃体を備えた電気掃除機の吸込口体を示す縦断面図である。
【図5】同上電気掃除機の吸込口体を示す平面図である。
【図6】同上電気掃除機の吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【符号の説明】
9 電気掃除機の吸込口体としての床ブラシ
11 ケース体
12 吸込口
13 回転清掃体としての回転ブラシ
14 取付部材としてのブラシ台
21 清掃部材としてのブラシ部材
22 清掃部材としての掻取部材
31 軸挿入部としてのシャフト挿通孔部
32 軸体としてのシャフト
35 肉抜き部としての肉抜き孔部
36 軸挿入穴
【発明の属する技術分野】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた取付部材を有する回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機の吸込口体に取り付けられる回転清掃体としての回転ブラシは、略円柱状の取付部材としてのブラシ台を備えている。このブラシ台の両端部には、断面円形状の軸挿入穴が中心軸に沿ってそれぞれ設けられている。これら軸挿通穴には、軸体としての円筒状のシャフトがそれぞれ挿入されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特公平7−63441号公報(第2頁、第1図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の回転ブラシでは、軸挿通穴の断面を円形状としたことにより、シャフトを軸挿通穴に挿入する際に、シャフトの外周面と軸挿通穴の内周面とが全周面において面接触する。この結果、シャフトを軸挿通穴に挿入する際に比較的大きい摩擦力が加わるため、シャフトを軸挿通穴に挿入することが容易でなく、製造性が良好でないという問題点を有している。
【0005】
また、シャフトを軸挿通穴に挿入し易くするために、シャフトの外径を軸挿通穴の内径よりも小さくすると、軸挿通穴にシャフトを挿入した際に、軸挿通穴の断面中心位置とシャフトの断面中心位置とが互いにずれてがたつきが生じ、回転バランスが良好でないという問題点も有している。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、製造性および回転バランスを向上した回転清掃体およびこれを備えた電気掃除機の吸込口体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、外周面に突出して清掃部材が設けられた軸状の取付部材の少なくとも一端面から軸方向に沿って設けられ、軸挿入部およびこの軸挿入部から連続して形成された肉抜き部を備えた軸挿入穴と、この軸挿入穴の軸挿入部の内側面に断面3箇所以上で接触して保持された状態で軸挿入部に挿入される軸体とを具備したものである。そして、軸体を軸挿入穴の内側面の断面3箇所以上で接触して保持することで、軸体を軸挿入穴に挿入する際の軸体の外側面と軸挿入穴の内側面との間の摩擦力を抑制して軸体を軸挿入部に容易に挿入でき、製造性が向上するとともに、軸体の外側面を軸挿入穴の内側面で確実に保持し、回転バランスが向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態の電気掃除機の構成を図1ないし図6を参照して説明する。
【0009】
図6において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1の内部には、電動送風機2が収容されている。また、この掃除機本体1は、電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を捕捉して集塵する。
【0010】
さらに、この掃除機本体1の前側略中央には、外部から空気を吸引する本体吸込口3が開口されている。この本体吸込口3には、湾曲可能な細長略円筒状の接続管としてのホース体4が連通接続されている。このホース体4の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手許操作部5が設けられている。
【0011】
そして、この手許操作部5には、掃除機本体1内の電動送風機2などの駆動状態を所定の状態に設定する複数の設定ボタン6が設けられているとともに、掃除する際に作業者が把持する把持部7が基端側に突設されている。また、この手許操作部5の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管8が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管8の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に設置させて、この絨毯上の塵埃を吸い込む床ブラシ9が着脱可能に連通接続されている。この床ブラシ9は、電気掃除機の吸込口体である。
【0012】
また、この床ブラシ9は、図4および図5に示すように、前後方向である走行方向に対して横長で、後部略中央が後方に向けて突出する凸字状のケース体11を備えている。このケース体11における被掃除面としての床面に対向する下面には、細長矩形状の吸込口12が開口形成されている。この吸込口12は、ケース体11の走行方向の前側に偏位した位置に設けられており、このケース体11の走行方向に対する幅方向に沿った長手方向を有した横長矩形状に形成されている。
【0013】
さらに、このケース体11の吸込口12の内側には、細長略円筒状の回転清掃体としての回転ブラシ13が走行方向に向けて回転自在に軸支されて配設されている。この回転ブラシ13は、ケース体11の吸込口12を床面に対向させた際に、この床面に対向するように取り付けられている。そして、この回転ブラシ13は、細長略円筒状、したがって軸方向を有する取付部材としての清掃台である可撓性を有する軸状のブラシ台14を備えている。このブラシ台14は、例えばプラスチックなどの比較的硬質の部材を押し出し成形して設けられている。
【0014】
またさらに、ブラシ台14の外周面には、図1ないし図4に示すように、取付凹部としての係合凹部15が複数、例えば4つ設けられている。これら係合凹部15は、ブラシ台14の軸方向に沿ってこのブラシ台14の一端部から他端部の間に亘って連続した直線状に設けられている。
【0015】
また、これら係合凹部15は、長手方向をブラシ台14の長手方向に沿わせた状態で、ブラシ台14の周方向に間隔をおいて等間隔な位置にそれぞれ設けられている。そして、これら係合凹部15は、内部が周方向に幅広となる拡大部16と、この拡大部16から外周面に連通しこの拡大部16より幅狭な連通部17とにて、段差を設けて断面形状が先端幅狭爪状である凹状に形成されている。ここで、これら係合凹部15の拡大部16は、基端側が断面凹弧状に形成されており、先端側の内縁が基端側に対向した平面状に形成されている。
【0016】
そして、これら各係合凹部15には、清掃部材としての磨き部材である略細長平板状のブラシ部材21、および、清掃部材としての略細長平板状のブレード部材、すなわちゴムブレードである掻取部材22の基端側が、周方向に沿って交互に係止されて取り付けられている。これらブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14の各係合凹部15に基端側が係止された状態で、このブラシ台14の径方向に向けてブラシ台14の外周面から壁状にそれぞれ突出している。
【0017】
ここで、ブラシ部材21は、ブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略板状のブラシ取付部23を基端側に備えている。このブラシ取付部23は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。また、このブラシ取付部23の表面部には、ブラシ毛24が長手方向に沿って壁状に植設されている。
【0018】
一方、掻取部材22は、細長平板状で長手方向の一側両面に肉厚に膨出する掻き出し部26を断面凹凸状に設けた弾性を有するブレード27を備えている。このブレード27の長手方向の基端側には、このブレード27と同材質にて一体にブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略平板状のブレード取付部28が形成されている。このブレード取付部28は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。
【0019】
さらに、ブラシ台14には、軸挿入部としてのシャフト挿通孔部31が同心状に設けられている。
【0020】
このシャフト挿通孔部31は、ブラシ台14の一端面から他端面に亘ってこのブラシ台14の中心軸に沿って軸方向に向けて貫通している。そして、ブラシ台14内であるシャフト挿通孔部31内には、例えば鋼鉄やステンレス鋼(SUS)などの金属にて成形された略円筒状の軸体としての軸状のシャフト32が挿通される。そして、このシャフト32は、ブラシ台14より硬質な部材にて直線状に成形されており、このブラシ台14の両端部から、このシャフト32の両端部のそれぞれが突出した状態で、このブラシ台14のシャフト挿通孔部31に挿通されて取り付けられている。この結果、ブラシ台14は、シャフト32により、押し出し成形時の歪みなどが矯正される。
【0021】
また、このシャフト32の両端部には、このシャフト32の径方向に向けて貫通したピン挿通孔33が設けられている。これらピン挿通孔33は互いに平行な軸方向を有している。また、これらピン挿通孔33は、シャフト32をブラシ台14のシャフト挿通孔部31に挿通させた際に、このブラシ台14の両端部から突出する位置に設けられている。さらに、シャフト32の各ピン挿通孔33よりも両端側には、このシャフト32の周方向に沿った断面凹溝状の係合溝部34が形成されている。
【0022】
そして、ブラシ台14には、シャフト挿通孔部31の周囲に、ブラシ台14を軽量化する肉抜き部としての複数、例えば4箇所の肉抜き孔部35がシャフト挿通孔部31とブラシ台14の径方向および軸方向に連続して一体に設けられている。これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の周方向に略等角度に互いに離間されており、ブラシ台14の両端部間をこのブラシ台14の軸方向に沿って貫通している。
【0023】
また、これら肉抜き孔部35は、例えばシャフト挿通孔部31よりも断面形状が小さく形成され、各係合凹部15の略中間部に位置している。そして、これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の径方向に沿ってブラシ台14の外周面からこのブラシ台14の中心軸側に若干離間された位置にまで延設されている。言い換えると、これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の外周面に接しないように設けられている。すなわち、これら肉抜き孔部35は、ブラシ台14の外周面側に開口していない。このため、ブラシ台14の外周面は、係合凹部15の間の部分が凹凸のない円弧状に形成されている。
【0024】
そして、シャフト挿通孔部31および肉抜き孔部35にて、軸挿入穴36が構成されている。したがって、この軸挿入穴36は、ブラシ台14の断面の中心について略対称な断面略十字状に設けられ、ブラシ台14の中心について略対称な形状となっている。
【0025】
また、軸挿入穴36は、シャフト挿通孔部31と肉抜き孔部35との連接部に、ブラシ台14の中心軸に向けて突弧状に突出した支持部37が形成されている。これら支持部37は、ブラシ台14の周方向に互いに略等角度に離間されている。言い換えると、支持部37は、ブラシ台14の中心について互いに90°ずつ離間された位置に設けられている。
【0026】
またさらに、支持部37は、各係合凹部15の断面の中心を通るブラシ台14の断面の仮想中心線上がブラシ台14の中心軸方向に最も突出するように設けられ、互いに対向する支持部37同士の間隔は、シャフト32の外径寸法よりも若干小さい。そして、軸挿入穴36の支持部37の内側面は、シャフト32をシャフト挿通孔部31に挿通した状態で、断面3箇所以上、本実施の形態では断面4箇所でシャフト32の外側面である外周面を押圧して点接触することにより保持されて点支持している。すなわち、軸挿入穴36は、支持部37の内側面により、シャフト32の外周面をブラシ台14全体として4箇所で軸方向に沿って線支持している。
【0027】
さらに、ブラシ台14の両端部には、ブラシ台14の両端部を保持固定する保持部材としての受体である略円筒状の受板41がそれぞれ同心状に取り付けられている。これら受板41は、ブラシ台14のシャフト挿通孔部31に挿通されたシャフト32の両端部に嵌合されて取り付けられている。
【0028】
そして、これら受板41の中心部には、シャフト32の端部が挿通される挿通孔42が設けられている。さらに、この挿通孔42の一端部である先端部の開口縁には、嵌合突部としての略円柱状のリブ43が複数、例えば4つ、略等間隔で設けられている。これらリブ43は、ブラシ台14の肉抜き孔部35に嵌合されて、このブラシ台14をシャフト32に保持固定する。また、これらリブ43は、受板41の挿通孔42の開口方向である軸方向に沿って突出している。さらに、これらリブ43は、ブラシ台14の端部を受板41の先端部に嵌合させた際に、ブラシ台14の肉抜き孔部35のそれぞれに軸方向に沿って嵌合される。また、これらリブ43は、ブラシ台14の周方向である回転方向へのずれを規制する。
【0029】
さらに、これらリブ43の基端部である受板41の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の内側鍔部44が同心状に設けられている。この内側鍔部44は、各リブ43をブラシ台14の一端の各肉抜き孔部35に軸方向に沿って移動させて嵌合させて、受板41にブラシ台14の一端部を係止した際に、このブラシ台14の一端面が当接する。さらに、この内側鍔部44は、ブラシ台14の最大外径よりも若干大きな外径寸法を有しており、このブラシ台14の係合凹部15からのブラシ部材21および掻取部材22の抜けを防止する。
【0030】
また、この内側鍔部44よりも受板41の先端側の周面部には、この受板41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の外側鍔部45が同心状に設けられている。この外側鍔部45の外周面側には、外周面に周方向に向けて等間隔にギア溝46が形成された略円筒状の歯車部47が同心状に設けられている。そして、この歯車部47の先端側の内側には、略円筒状の軸受48が嵌合されている。この軸受48は、シャフト32の端部に嵌合されて、このシャフト32の端部を回転自在に固定する。なお、受板41の歯車部47は、軸受48の外周面を覆って、この軸受48への塵埃などの侵入を防止する。また、軸受48の先端側の外周面には、側面視略矩形状の係合面部49が形成されている。
【0031】
ここで、床ブラシ9のケース体11の吸込口12の走行方向に対する両側縁のそれぞれには、図5に示すように、一対の軸支凹部51が区画形成されている。これら軸支凹部51のそれぞれには、受板41の歯車部47内に嵌合されてシャフト32の両端部を回転自在に固定した軸受48の係合面部49がそれぞれ係合される。この結果、これら軸受48は、一対の軸支凹部51間にシャフト32を回転自在に支持して固定させる。
【0032】
さらに、内側鍔部44と外側鍔部45との間の受板41の周面部には、ピン挿通孔53が穿設されている。このピン挿通孔53は、各受板41の径方向に沿って貫通している。また、これらピン挿通孔53は、受板41の挿通孔42にシャフト32を挿通させた状態で、このシャフト32のピン挿通孔33に連通する。そして、これらピン挿通孔53は、シャフト32のピン挿通孔33に位置合わせされて連通された状態で、これらピン挿通孔33,53に細長円柱状のピン54が挿入されて、受板41とシャフト32とを軸方向および周方向のそれぞれに対して連結固定させる。
【0033】
一方、床ブラシ9のケース体11内の一方の軸支凹部51の後側には、図5に示すように、駆動手段としてのモータ61が収容されている。このモータ61の先端部には、このモータ61の駆動により回転する回転軸62が突出している。この回転軸62には、外周面に図示しないギア溝が形成された歯車63が同心状に取り付けられている。この歯車63のギア溝は、受板41の歯車部47のギア溝46に等しい間隔および大きさに形成されている。さらに、この歯車63は、床ブラシ9のケース体11内に取り付けられた回転ブラシ13の一方の受板41の後側に位置し、この受板41の回転方向に一致した回転方向を有している。
【0034】
そして、この歯車63と回転ブラシ13の一方の受板41の歯車部47との間には、無端状の調帯としてのベルト体64が橋渡すように巻回されている。このベルト体64の内周面には、歯車63のギア溝および歯車部47のギア溝46のそれぞれに係合可能な間隔および大きさである図示しないギア溝が形成されている。したがって、モータ61を駆動させることにより、このモータ61の回転軸62の回転により歯車63が回転し、この歯車63の回転によってベルト体64が回転して回転ブラシ13の一方の受板41が回転し、この回転ブラシ13が周方向に向けて回転駆動される。
【0035】
次に、上記一実施の形態の床ブラシの組み立て方法を説明する。
【0036】
まず、押し出し成形したブラシ台14の各係合凹部15に、ブラシ部材21のブラシ取付部23および掻取部材22のブレード取付部28を交互に嵌合させて、ブラシ部材21および掻取部材22をそれぞれブラシ台14の長手方向に沿って取り付ける。
【0037】
次いで、図2に示すように、ブラシ部材21および掻取部材22が外周面に取り付けられたブラシ台14のシャフト挿通孔部31にシャフト32を挿入する。
【0038】
このとき、シャフト32の外周面を、ブラシ台14の軸挿入穴36の支持部37の内側面にて断面4箇所で押圧して支持する。
【0039】
さらに、シャフト32の両端部に受板41の挿通孔42を挿通させつつ、これら受板41の各リブ43のそれぞれをブラシ台14の両端部から、このブラシ台14の各肉抜き孔部35のそれぞれに嵌合させる。
【0040】
この状態で、一方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の一方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して一方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0041】
そして、他方の受板41を一方の受板41に対して周方向に向けて捻り、この他方の受板41のピン挿通孔53をシャフト32の他方のピン挿通孔33に位置合わせして連通させ、ピン54を挿入して他方の受板41をシャフト32に連結させる。
【0042】
この結果、ブラシ台14がブラシ部材21および掻取部材22とともに周方向に向けて螺旋状に捻られた状態で両受板41にて保持される。
【0043】
この後、各受板41の挿通孔42から外側へと突出したシャフト32の両端部に軸受48を回転可能に嵌合させて取り付けて回転ブラシ13とする。
【0044】
そして、この回転ブラシ13の各軸受48のそれぞれをケース体11の軸支凹部51のそれぞれに嵌合させて、このケース体11の吸込口12内に回転ブラシ13を回転自在に軸支させて床ブラシ9を完成する。
【0045】
次に、上記一実施の形態の掃除動作を説明する。
【0046】
まず、掃除をする際には、掃除機本体1にホース体4および延長管8を介して床ブラシ9を接続する。そして、このホース体4の把持部7を持って押動させて、床ブラシ9を床面上で前後に走行させる。
【0047】
このとき、掃除機本体1内の電動送風機2の駆動により発生する吸込力によって、床ブラシ9の吸込口12から空気とともに床面上の塵埃が吸い込まれる。
【0048】
さらに、ホース体4の手許操作部5の所定の設定ボタン6をオンして、床ブラシ9の回転ブラシ13を回転駆動させた場合には、この回転ブラシ13のブラシ部材21の回転により、このブラシ部材21のブラシ毛24にて床面がブラッシングされる。すなわち、この床面が板の間などである場合には、この床面にこびりついた塵埃が床面から掃き取られて取り除かれて磨かれ、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0049】
同時に、この回転ブラシ13の掻取部材22の回転により、床面上の塵埃が掃き取られる。すなわち、この床面が絨毯などである場合には、掻取部材22のブレード27の掻き出し部26によって、絨毯の中に入り込んだ塵埃が外部へと掻き出されて取り除かれて、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0050】
この後、この床ブラシ9の吸込口12から塵埃とともに吸い込まれた空気は、この床ブラシ9から延長管8およびホース体4を順次介して掃除機本体1の本体吸込口3へと吸い込まれた後、この掃除機本体1内に収容させた集塵パックへと吸い込まれて空気とともに吸い込んだ塵埃が捕捉される。
【0051】
上述したように、上記一実施の形態では、シャフト32を断面4箇所で支持するシャフト挿通孔部31およびこのシャフト挿通孔部31から連続して形成された肉抜き孔部35を備えた軸挿入穴36を、ブラシ部材21および掻取部材22が取り付けられたブラシ台14の両端部に設ける構成とした。
【0052】
このため、シャフト32の外周面と軸挿入穴36の内側面である支持部37の内側面との間の摩擦力が抑制される。
【0053】
この結果、例えば円形状の軸挿入穴の内周面とシャフトの外周面とが全周面において面接触し、摩擦力が大きくなってシャフトを軸挿入穴に挿入することが容易でない従来の場合と比較して、シャフト32をシャフト挿通孔部31に容易に挿入でき、製造性を向上できる。
【0054】
また、ブラシ台14が可撓性を有する場合には、シャフト32の外周面と支持部37の内側面との間の摩擦力が特に大きくなるため、ブラシ台14を貫通した軸挿入穴36に対してシャフト32を挿通させることが容易でない。しかしながら、上記一実施の形態のようにシャフト32の外周面と軸挿入穴36の内側面とを断面4箇所で接触させることで、シャフト32の外周面と支持部37の内側面との間の摩擦力を低減し、可撓性を有するブラシ台14を使用しても、軸挿入穴36に対してシャフト32を容易に挿通させることができる。
【0055】
しかも、可撓性を有するブラシ台14を使用できることで、ブラシ台14を周方向に向けて容易に螺旋状に捻ることができ、製造性をより向上できる。
【0056】
さらに、例えば円形状の軸挿入穴にシャフトを挿入する場合には、この挿入の際の摩擦力を考慮して、軸挿入穴の内径よりもシャフトの外径を小さくしなければならないが、上記一実施の形態では、シャフト32の外径を軸挿入穴36のシャフト挿通孔部31の内径よりも若干大きくすることが可能になる。
【0057】
この結果、シャフトの外周面が軸挿入穴の内周面に確実に保持されずにがたついて回転バランスが崩れるおそれがある従来の場合と比較して、シャフト32の外周面を、シャフト32の断面の中心について互いに略対称な4箇所の支持部37の内側面にてバランスよく押圧してシャフト32と同軸状に確実に保持でき、ブラシ台14に対するシャフト32のがたつきを防止して回転ブラシ13の回転バランスを向上できる。
【0058】
またさらに、上記一実施の形態では、肉抜き孔部35をシャフト挿通孔部31にブラシ台14の径方向および軸方向に連続して形成する構成とした。
【0059】
このため、例えば肉抜き孔部をシャフト挿通孔部に連続しないように設ける場合には、肉抜き孔部35を形成するための金型を、細長いリブ状に形成する必要があり、金型の強度を確保することが容易でないが、上記一実施の形態では、肉抜き孔部35を形成するための金型を、シャフト挿通孔部31を形成する金型と一体に設けることが可能になり、金型の強度を確保して、製造性をより向上できる。
【0060】
そして、肉抜き孔部35が受板41のリブ43を嵌合させる嵌合部を兼ねているため、リブ43を嵌合させる嵌合部を肉抜き孔部35とは別個に設ける場合と比較して、ブラシ台14を小型化できる。
【0061】
しかも、肉抜き孔部35によりブラシ台14が軽量化されることで、回転ブラシ13を回転させる際にモータ61に加わる負荷を低減でき、モータ61の小型化、あるいは省電力化が可能になるなど、使い勝手をより向上できる。
【0062】
なお、上記一実施の形態において、シャフト挿通孔部31、あるいは肉抜き孔部35は、シャフト32の形状および長さ寸法などに応じて、ブラシ台14の一端面から他端面に亘って貫通せずに、ブラシ台14の両端面にそれぞれ設ける構成でもよい。
【0063】
また、ブラシ台14は、例えば捻り押し出し成形などで予め螺旋状に捻られた状態で形成されたものでもよい。
【0064】
さらに、軸挿入穴36は、シャフト32の外周面を断面3箇所以上で接触して保持する形状であれば、支持部37を断面3箇所、あるいは断面5箇所以上設けるなどしてもよい。
【0065】
すなわち、支持部37は、シャフト32の外周面の全周面よりも小さい面積でシャフト32の外周面に断面3箇所以上で接触してこのシャフト32の外周面を保持する形状であれば、シャフト32の外周面を点支持する形状でも面支持する形状でもいずれでもよい。
【0066】
またさらに、床ブラシ9に回転ブラシ13を複数配設してもよい。また、この回転ブラシ13をモータ61にて回転駆動させたが、電動送風機2による吸気風にて回転駆動させる構成とすることもできる。
【0067】
そして、ブラシ台14に4つの係合凹部15を設けたが、このブラシ台14に取り付けられる清掃部材の個数に合わせて、少なくとも一つ以上あればよい。また、この清掃部材としては、ブラシ部材21や掻取部材22に限らず、例えば布ブレードを有した床磨部材などでもよい。さらに、ブラシ台14の係合凹部15にブラシ部材21および掻取部材22を交互に取り付けたが、交互に限られず、ブラシ台14の各係合凹部15のそれぞれに一種類の掻取部材22のみを取り付けたり、複数種類を取り付けたりしてもよい。
【0068】
また、キャニスタ型の電気掃除機に限らず、床ブラシ9が掃除機本体1の下面に直接形成されたアップライト型、その他、掃除機本体1と床ブラシ9とが一体化された自走式の電気掃除機あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、軸体を軸挿入穴の内側面の断面3箇所以上で接触して保持することで、軸体を軸挿入穴に挿入する際の軸体の外側面と軸挿入穴の内側面との間の摩擦力を抑制して軸体を軸挿入部に容易に挿入でき、製造性を向上できるとともに、軸体の外周面を軸挿入穴の内側面で確実に保持し、回転バランスを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の回転清掃体の一部を示す分解斜視図である。
【図2】同上回転清掃体を示す斜視図である。
【図3】同上回転清掃体の図2のA−A断面図である。
【図4】同上回転清掃体を備えた電気掃除機の吸込口体を示す縦断面図である。
【図5】同上電気掃除機の吸込口体を示す平面図である。
【図6】同上電気掃除機の吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【符号の説明】
9 電気掃除機の吸込口体としての床ブラシ
11 ケース体
12 吸込口
13 回転清掃体としての回転ブラシ
14 取付部材としてのブラシ台
21 清掃部材としてのブラシ部材
22 清掃部材としての掻取部材
31 軸挿入部としてのシャフト挿通孔部
32 軸体としてのシャフト
35 肉抜き部としての肉抜き孔部
36 軸挿入穴
Claims (2)
- 外周面に突出して清掃部材が設けられた軸状の取付部材と、
この取付部材の少なくとも一端面から軸方向に沿って設けられ、軸挿入部およびこの軸挿入部から連続して形成された肉抜き部を備えた軸挿入穴と、
この軸挿入穴の内側面に断面3箇所以上で接触して保持された状態で前記軸挿入部に挿入される軸体と
を具備したことを特徴とした回転清掃体。 - 吸込口を備えたケース体と、
被掃除面に対向して前記ケース体に回転可能に軸支された請求項1記載の回転清掃体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機の吸込口体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003142090A JP2004344239A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003142090A JP2004344239A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 |
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ID=33530278
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003142090A Pending JP2004344239A (ja) | 2003-05-20 | 2003-05-20 | 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004344239A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101368516B1 (ko) * | 2009-05-29 | 2014-02-27 | 가부시끼가이샤 도시바 | 흡입구체 및 전기 청소기 |
CN105496309A (zh) * | 2016-01-27 | 2016-04-20 | 江苏美的清洁电器股份有限公司 | 地刷及具有该地刷的吸尘器 |
JP2016093367A (ja) * | 2014-11-14 | 2016-05-26 | 株式会社コーワ | ロータ、回転清掃体、電気掃除機用吸込具及び電気掃除機 |
-
2003
- 2003-05-20 JP JP2003142090A patent/JP2004344239A/ja active Pending
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