JP4052643B2 - 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状の取付部材の外周面に軸方向に沿ってかつ径方向に突出した清掃部材が取り付けられた回転清掃体およびこの回転清掃体を備えた電気掃除機の吸込口体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電気掃除機の吸込口体としての床ブラシは、横長矩形状のケース体を備えている。このケース体には、被掃除面としての床面に対向して吸込口が開口形成されている。この吸込口には、細長円柱状の回転清掃体としての回転ブラシが回転可能に取り付けられている。この回転ブラシは、アルミニウム材にて螺旋状にねじり押し出し成形された取付部材を備えている。この取付部材の外周面には、清掃部材としてのブレードが取付部材の周方向に向けて螺旋状に取り付けられている。また、取付部材の両端部には、円筒状の保持部材が取り付けられている。さらに、取付部材および保持部材内には、軸体としての円柱状のシャフトが挿入されて突出している。このシャフトの両端部には、軸受がそれぞれ設けられている。そして、この軸受がケース体の吸込口体に回転可能に取り付けられることで、回転ブラシが回転可能となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−38399号公報(第2−4頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の床ブラシでは、取付部材をねじり押し出し成形する際に、取付部材に反りなどの歪みが生じることにより、回転ブラシの回転時にぶれを生じるおそれがあるという問題点を有している。
【0005】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、回転時のぶれを抑制できる回転清掃体および吸込口体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、可撓性を有し、ねじられた状態で成形される略円筒状の取付部材の外周面に軸方向に沿ってかつ径方向に突出してねじられた状態で設けられた清掃部材と、取付部材内に挿通され、この取付部材よりも硬質で、かつ、この取付部材から端部が突出する軸体と、取付部材の軸方向の端部に取り付けられ、この取付部材を軸体に保持固定する略円筒状の保持部材と、この保持部材を軸体に固定するピンとを具備し、取付部材の外周面に嵌合溝部が軸方向に沿って設けられ、軸体の取付部材の端部から突出した部分に、第1ピン挿通孔が径方向に向けて貫通され、保持部材が、嵌合溝部に嵌合される嵌合突部と、外周面に周方向に沿って設けられ、この外周面から径方向に突出し、軸方向に互いに離間された鍔部と、これら鍔部の間の外周面に位置して径方向に向けて貫通して設けられ、第1ピン挿通孔と位置合わせされてこの第1ピン挿通孔とともにピンが挿入される第2ピン挿通孔とを備えているものである。そして、可撓性を有し清掃部材とともにねじられた状態で形成された取付部材内に取付部材よりも硬質の軸体を挿入し、取付部材の外周面の嵌合溝部に嵌合突部を嵌合させて保持部材を取り付け、この保持部材の鍔部間の外周面に設けられた第2ピン挿通孔を軸体の第1ピン挿通孔と位置合わせしてピンを挿入して固定することで、軸体により取付部材の歪みを矯正して回転時のぶれを抑制できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態における電気掃除機の構成を図面を参照して説明する。
【0008】
図5において、1は掃除機本体で、この掃除機本体1は中空であり、内部に電動送風機2が収容されている。また、この掃除機本体1は、電動送風機2の駆動にて生じる吸気風とともに吸い込んだ塵埃を捕捉して集塵する。
【0009】
さらに、この掃除機本体1の前側略中央には、外部から空気を吸引する本体吸込口3が開口されている。この本体吸込口3には、湾曲可能な細長略円筒状の接続管としてのホース体4が連通接続されている。このホース体4の先端には、電動送風機2の動作モードなどが選択可能な手許操作部5が設けられている。
【0010】
そして、この手許操作部5には、掃除機本体1内の電動送風機2などの駆動状態を所定の状態に設定する複数の設定ボタン6が設けられているとともに、掃除する際に作業者が把持する把持部7が基端側に突設されている。また、この手許操作部5の先端には、伸縮可能な細長略円筒状の延長管8が着脱可能に連通接続されている。さらに、この延長管8の先端には、例えば室内の床面の絨毯などの上に設置させて、この絨毯上の塵埃を吸い込む床ブラシ9が着脱可能に連通接続されている。この床ブラシ9は、電気掃除機の吸込口体である。
【0011】
また、この床ブラシ9は、図3および図4に示すように、前後方向である走行方向に対して横長で、後部略中央が後方に向けて突出する凸字状のケース体11を備えている。このケース体11における被掃除面としての床面と対向する下面には、細長矩形状の吸込口12が開口形成されている。この吸込口12は、ケース体11の走行方向の前側に偏位した位置に設けられており、このケース体11の走行方向に対する幅方向に沿った長手方向を有した横長矩形状に形成されている。
【0012】
さらに、このケース体11の吸込口12の内側には、細長略円筒状の回転清掃体としての回転ブラシ13が走行方向に向けて回転自在に軸支されて配設されている。この回転ブラシ13は、ケース体11の吸込口12を床面に対向させた際に、この床面に対向するように取り付けられている。そして、この回転ブラシ13は、図1ないし図4に示すように、長手筒状である細長略円筒状の取付部材としての清掃台であるブラシ台14を備えている。このブラシ台14は、例えばプラスチックなどの硬質な部材を、図示しない金型を周方向に向けて回転させつつ押し出し成形、すなわちねじり押し出し成形することにより、予め周方向に向けて螺旋状にねじられた状態で成形されている。そして、このブラシ台14は、周方向に向けて一端に対して他端が例えば180°ねじられた状態に形成されている。
【0013】
このため、ブラシ台14の外周面には、軸方向に沿って周方向に向けて螺旋状にねじれた断面略凹状の取付溝部としての取付凹部である係合凹部15が複数、例えば4つ設けられ、これら係合凹部15は、ブラシ台14の周方向に向けて一端に対して他端が180°ねじられて形成されている。
【0014】
また、これら係合凹部15は、長手方向をブラシ台14の長手方向に沿わせた状態で、ブラシ台14の周方向に間隔をおいて等間隔な位置にそれぞれ設けられている。そして、これら係合凹部15は、図1および図3に示すように、内部が周方向に幅広となる拡大部16と、この拡大部16から外周面に連通しこの拡大部16より幅狭な連通部17とにて、段差を設けて断面形状が先端幅狭爪状である凹状に形成されている。ここで、これら係合凹部15の拡大部16は、基端側が断面凹弧状に形成されており、先端側の内縁が基端側に対向した平面状に形成されている。
【0015】
そして、これら各係合凹部15には、清掃部材としての磨き部材である略細長平板状のブラシ部材21、および、清掃部材としての略細長平板状のブレード部材、すなわちゴムブレードである掻取部材22の基端側が、周方向に沿って交互に係止されて取り付けられている。したがって、これらブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14の外周面にこのブラシ台14の軸方向に沿って周方向に向けて螺旋状にねじれた状態で取り付けられている。言い換えると、ブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14とともに周方に向けて螺旋状にねじられた状態で設けられている。そして、ブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14の各係合凹部15に基端側が係止された状態で、このブラシ台14の径方向に向けて壁状にそれぞれ突出している。
【0016】
ここで、ブラシ部材21は、ブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略板状のブラシ取付部23を備えている。このブラシ取付部23は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。また、このブラシ取付部23の表面部には、ブラシ毛24が長手方向に沿って壁状に植設されている。
【0017】
一方、掻取部材22は、細長平板状で長手方向の一側両面に肉厚に膨出する掻き出し部26を断面凹凸状に設けた弾性を有するブレード27を備えている。このブレード27の長手方向の他縁には、このブレード27と同材質にて一体にブラシ台14の係合凹部15の断面形状に略合致した形状である細長略平板状のブレード取付部28が形成されている。このブレード取付部28は、ブラシ台14の係合凹部15に対して係脱可能とされている。
【0018】
さらに、ブラシ台14の各係合凹部15のそれぞれの間には、ブラシ台14の長手方向である軸方向に沿った断面略凹状の嵌合溝部としての係止凹部29がそれぞれ形成されている。これら係止凹部29は、基端側から先端側に向かうに連れて徐々に拡開したテーパ状に形成されている。また、このブラシ台14には、断面円形状の貫通孔としてのシャフト挿通孔31が同心状に設けられている。
【0019】
このシャフト挿通孔31は、ブラシ台14の両端部間をこのブラシ台14の中心軸に沿って軸方向に向けて貫通している。そして、ブラシ台14内であるシャフト挿通孔31内には、例えば鋼鉄やステンレス鋼(SUS)などの金属にて成形された中空パイプ状の軸体としての棒体、すなわち強制体であるシャフト32が挿通される。そして、このシャフト32は、ブラシ台14より硬質な部材にて直線状に成形されており、このブラシ台14の両端部から、このシャフト32の両端部のそれぞれを突出させた状態で、このブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通されている。
【0020】
また、このシャフト32の両端部には、このシャフト32の径方向に向けて貫通したピン挿通孔33が穿設されている。これらピン挿通孔33は互いに平行な軸方向を有している。また、これらピン挿通孔33は、シャフト32をブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通させた際に、このブラシ台14の両端部から突出する位置に設けられている。さらに、シャフト32の各ピン挿通孔33よりも両端側には、このシャフト32の周方向に沿った断面凹溝状の係合溝部34が形成されている。これら係合溝部34の外周面は、シャフト32を回転させた際の抵抗を少なくするために研磨加工されて、表面の摩擦係数が小さくなるように設けられている。
【0021】
さらに、ブラシ台14の両端部には、図1ないし図4に示すように、ブラシ台14の両端部を保持固定する保持部材としての受板である略円筒状の受体41がそれぞれ同軸状に取り付けられている。これら受体41は、ブラシ台14のシャフト挿通孔31に挿通されたシャフト32の両端部に嵌合されて取り付けられている。
【0022】
そして、これら受体41の中心部には、シャフト32の端部が挿通される挿通孔42が設けられている。また、受体41内には、回転ブラシ13を回転させるための図示しないメタルベアリングが取り付けられている。さらに、この挿通孔42の一端部である先端部の開口縁には、嵌合突部としての係止爪部43が複数、例えば4つ略等間隔で設けられている。これら係止爪部43は、ブラシ台14の各係止凹部29に嵌合されて、このブラシ台14をシャフト32に保持固定する。言い換えると、これら係止爪部43は、ブラシ台14の各係止凹部29に引っ掛けられて固定されている。
【0023】
また、これら係止爪部43は、受体41の挿通孔42の開口方向である軸方向に沿って突出しており、ブラシ台14の係止凹部29に合致した断面形状を有している。さらに、これら係止爪部43は、ブラシ台14の端部を受体41の先端部に嵌合させた際に、ブラシ台14の係止凹部29のそれぞれに軸方向に沿って嵌合される。また、これら係止爪部43は、ブラシ台14の周方向である回転方向へのずれを規制する。
【0024】
さらに、これら係止爪部43の基端部である受体41の周面部には、この受体41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の内側鍔部44が同心状に設けられている。この内側鍔部44は、各係止爪部43をブラシ台14の一端の各係止凹部29に軸方向に沿って移動させて嵌合させて、受体41にブラシ台14の一端部を係止した際に、このブラシ台14の一端面が当接する。さらに、この内側鍔部44は、ブラシ台14の最大外径よりも若干大きな外径寸法を有しており、このブラシ台14の係合凹部15からのブラシ部材21の抜けを防止する。
【0025】
また、この内側鍔部44よりも受体41の先端側の周面部には、この受体41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の外側鍔部45が同心状に設けられている。この外側鍔部45の外周面側には、外周面に周方向に向けて等間隔にギア溝46が形成された略円筒状の歯車部47が同心状に設けられている。そして、この歯車部47の先端側の内側には、略円筒状の軸受48が嵌合されている。この軸受48は、シャフト32の端部に嵌合されて、このシャフト32の端部を回転自在に固定する。なお、受体41の歯車部47は、軸受48の外周面を覆って、この軸受48への塵埃などの侵入を防止する。また、軸受48の先端側の外周面には、側面視略矩形状の係合面部49が形成されている。
【0026】
ここで、床ブラシ9のケース体11の吸込口12の走行方向に対する両側縁のそれぞれには、一対の軸支凹部51が区画形成されている。これら軸支凹部51のそれぞれには、受体41の歯車部47内に嵌合されてシャフト32の両端部を回転自在に固定した軸受48の係合面部49がそれぞれ係合される。この結果、これら軸受48は、一対の軸支凹部51間にシャフト32を回転自在に支持して固定させる。
【0027】
さらに、各受体41の内側鍔部44と外側鍔部45との間には、これら受体41の挿通孔42の周方向に沿って突出した円環状の中間鍔部52が同心状に設けられている。この中間鍔部52は、内側鍔部44および外側鍔部45のそれぞれに対して並行に設けられている。そして、この中間鍔部52と外側鍔部45との間の受体41の周面部には、ピン挿通孔53が穿設されている。
【0028】
このピン挿通孔53は、各受体41の径方向に沿って貫通している。また、これらピン挿通孔53は、受体41の挿通孔42にシャフト32を挿通させた状態で、このシャフト32のピン挿通孔33に連通する。そして、これらピン挿通孔53は、シャフト32のピン挿通孔33に位置合わせされて連通された状態で、これらピン挿通孔33,53に細長円柱状のピン54が挿入されて、受体41とシャフト32とを軸方向および周方向のそれぞれに対して連結固定させる。
【0029】
一方、床ブラシ9のケース体11内の一方の軸支凹部51の後側には、駆動手段としてのモータ61が収容されている。このモータ61の先端部には、このモータ61の駆動により回転する回転軸62が突出している。この回転軸62には、外周面に図示しないギア溝が形成された歯車63が同心状に取り付けられている。この歯車63のギア溝は、受体41の歯車部47のギア溝46に等しい間隔および大きさに形成されている。さらに、この歯車63は、床ブラシ9のケース体11内に取り付けられた回転ブラシ13の一方の受体41の後側に位置し、この受体41の回転方向に一致した回転方向を有している。
【0030】
そして、この歯車63と回転ブラシ13の一方の受体41の歯車部47との間には、無端状の調帯としてのベルト体64が橋渡すように巻回されている。このベルト体64の内周面には、歯車63のギア溝および歯車部47のギア溝46のそれぞれに係合可能な間隔および大きさである図示しないギア溝が形成されている。したがって、モータ61を駆動させることにより、このモータ61の回転軸62の回転により歯車63が回転し、この歯車63の回転によってベルト体64が回転して回転ブラシ13の一方の受体41が回転し、この回転ブラシ13が周方向に向けて回転駆動される。
【0031】
次に、上記一実施の形態の回転ブラシの組み立て動作を説明する。
【0032】
まず、ねじり押し出し成形したブラシ台14の各係合凹部15に、ブラシ部材21のブラシ取付部23および掻取部材22のブレード取付部28を交互に嵌合させて、ブラシ部材21および掻取部材22をそれぞれブラシ台14の長手方向に沿って取り付ける。
【0033】
次いで、図2に示すように、ブラシ部材21および掻取部材22が外周面に取り付けられたブラシ台14のシャフト挿通孔31にシャフト32を挿入して、ブラシ台14のねじり押し出し成形に起因する反りなどの歪みをシャフト32にて矯正する。
【0034】
さらに、シャフト32の両端部に受体41の挿通孔42を挿通させつつ、これら受体41の各係止爪部43のそれぞれをブラシ台14の両端部から、このブラシ台14の各係止凹部29のそれぞれに嵌合させる。
【0035】
この状態で、各受体41のピン挿通孔53のそれぞれをシャフト32のピン挿通孔33に位置合わせして連通させる。
【0036】
そして、これら互いに連通した各受体41のピン挿通孔53とシャフト32のピン挿通孔33との間にピン54を挿入させて、これら受体41をシャフト32に連結させる。
【0037】
この後、各受体41の挿通孔42から外側へと突出したシャフト32の両端部に軸受48を回転可能に嵌合させて取り付けて回転ブラシ13とする。
【0038】
そして、この回転ブラシ13の各軸受48のそれぞれをケース体11の軸支凹部51のそれぞれに嵌合させて、このケース体11の吸込口12内に回転ブラシ13を回転自在に軸支させる。
【0039】
次に、上記一実施の形態の掃除動作について説明する。
【0040】
まず、掃除をする際には、掃除機本体1にホース体4および延長管8を介して床ブラシ9を接続する。そして、このホース体4の把持部7を持って押動させて、床ブラシ9を床面上で前後に走行させる。
【0041】
このとき、掃除機本体1内の電動送風機2の駆動により発生する吸込力によって、床ブラシ9の吸込口12から空気とともに床面上の塵埃が吸い込まれる。
【0042】
さらに、ホース体4の手許操作部5の所定の設定ボタン6をオンして、床ブラシ9の回転ブラシ13を回転駆動させた場合には、この回転ブラシ13のブラシ部材21の回転により、このブラシ部材21のブラシ毛24にて床面がブラッシングされる。すなわち、この床面が板の間などである場合には、この床面にこびりついた塵埃が床面から掃き取られて取り除かれて磨かれて、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0043】
同時に、この回転ブラシ13の掻取部材22の回転により、床面上の塵埃が掃き取られる。すなわち、この床面が絨毯などである場合には、掻取部材22のブレード27の掻き出し部26によって、絨毯の中に入り込んだ塵埃が外部へと掻き出されて取り除かれて、床ブラシ9の吸込口12へと吸い込まれる。
【0044】
この後、この床ブラシ9の吸込口12から塵埃とともに吸い込まれた空気は、この床ブラシ9から延長管8およびホース体4を順次介して掃除機本体1の本体吸込口3へと吸い込まれた後、この掃除機本体1内に収容させた集塵パックへと吸い込まれて空気とともに吸い込んだ塵埃が捕捉される。
【0045】
上述したように、上記一実施の形態では、合成樹脂などの可撓性を有する部材にて周方向に向けてねじられた状態で成形されたブラシ台14のシャフト挿通孔31に、ブラシ台14よりも硬質のシャフト32を挿入する構成とした。
【0046】
この結果、ブラシ台14のねじり押し出し成形時にこのブラシ台14に生じる反りなどの歪みをシャフト32により矯正することで、回転ブラシ13に強制的に回転中心を形成して寸法精度および真円度を出し、回転ブラシ13の回転時のぶれを抑制できる。
【0047】
また、ブラシ台14は予めねじられた状態で形成されているので、例えばブラシ台14を直線状に形成して周方向にねじる場合と比較して、回転ブラシ13の組み立て時にこのブラシ台14にねじりを加えて保持するための治具、あるいは工具などが必要なく、回転ブラシ13の製造性を向上できるとともに、直線状のブラシ台14を無理に周方向にねじることでブラシ台14にストレスを与えることもない。
【0048】
したがって、回転ブラシ13の組み立て後にこの回転ブラシ13のブラシ台14に周方向のねじり応力が残留しないので、ブラシ台14の軸方向に沿って係止凹部29を複数設け、受体41の係止爪部43をこれら係止凹部29に嵌合することにより、係止爪部43には回転ブラシ13の回転時の負荷、すなわち応力のみが掛かるため、これら係止爪部43がブラシ台14のねじり応力により損傷することを防止できる。
【0049】
そして、ブラシ部材21および掻取部材22を、ブラシ台14の周方向に向けて一端に対して他端を180°旋回した状態、すなわちブラシ台14の両端間で180°旋回した状態でブラシ台14の係合凹部15に取り付けることにより、ブラシ部材21および掻取部材22にて塵埃を効率よく床面から掻き上げて床面の塵埃を取り残すことがなく、掃除能力をより向上できる。
【0050】
なお、上記一実施の形態において、キャニスタ型の電気掃除機に限らず、床ブラシ9が掃除機本体1の下面に直接形成されたアップライト型、その他、掃除機本体1と床ブラシ9とが一体化された自走式の電気掃除機あるいはハンディ型などであっても対応させて用いることができる。
【0051】
また、ブラシ台14に4つの係合凹部15を設けたが、このブラシ台14に取り付けられる清掃部材の個数に合わせて、少なくとも一つ以上あればよい。またさらに、この清掃部材としては、ブラシ部材21や掻取部材22に限らず、例えば布ブレードを有した床磨き部材などでもよい。さらに、ブラシ台14の係合凹部15にブラシ部材21および掻取部材22を交互に取り付けたが、交互に限られず、ブラシ台14の各係合凹部15のそれぞれに一種類の掻取部材22のみを取り付けたり、複数種類を取り付けたりしてもよい。
【0052】
さらに、ブラシ部材21および掻取部材22は、ブラシ台14の周方向に向けて180°以上旋回させた状態でブラシ台14の係合凹部15に取り付けてもよい。
【0053】
そして、床ブラシ9に回転ブラシ13を複数配設してもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、可撓性を有し、ねじられた状態で成形される取付部材内に取付部材よりも硬質の軸体を挿入し、取付部材の外周面の嵌合溝部に嵌合突部を嵌合させて保持部材を取り付け、この保持部材の鍔部間の外周面に設けられた第2ピン挿通孔を軸体の第1ピン挿通孔と位置合わせしてピンを挿入して固定することで、軸体により取付部材の歪みを矯正して回転時のぶれを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転清掃体の一実施の形態の一部を示す斜視図である。
【図2】同上回転清掃体を示す斜視図である。
【図3】同上回転清掃体を備えた吸込口体を示す縦断面図である。
【図4】同上吸込口体を示す一部を切り欠いた上面図である。
【図5】同上吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【符号の説明】
9 電気掃除機の吸込口体としての床ブラシ
11 ケース体
12 吸込口
13 回転清掃体としての回転ブラシ
14 取付部材としてのブラシ台
21 清掃部材としてのブラシ部材
22 清掃部材としての掻取部材
29 嵌合溝部としての係止凹部
32 軸体としてのシャフト
33 第1ピン挿通孔であるピン挿通孔
41 保持部材としての受体
43 嵌合突部としての係止爪部
45 鍔部である外側鍔部
52 鍔部である中間鍔部
53 第2ピン挿通孔であるピン挿通孔
54 ピン
Claims (3)
- 可撓性を有し、ねじられた状態で成形される略円筒状の取付部材と、
この取付部材の外周面に軸方向に沿ってかつ径方向に突出してねじられた状態で設けられた清掃部材と、
前記取付部材内に挿通され、この取付部材よりも硬質で、かつ、この取付部材から端部が突出する軸体と、
前記取付部材の軸方向の端部に取り付けられ、この取付部材を前記軸体に保持固定する略円筒状の保持部材と、
この保持部材を前記軸体に固定するピンとを具備し、
前記取付部材は、外周面に軸方向に沿って設けられた嵌合溝部を備え、
前記軸体は、前記取付部材の端部から突出した部分に、径方向に向けて貫通された第1ピン挿通孔を備え、
前記保持部材は、
前記嵌合溝部に嵌合される嵌合突部と、
外周面に周方向に沿って設けられ、この外周面から径方向に突出し、軸方向に互いに離間された鍔部と、
これら鍔部の間の外周面に位置して径方向に向けて貫通して設けられ、前記第1ピン挿通孔と位置合わせされてこの第1ピン挿通孔とともに前記ピンが挿入される第2ピン挿通孔とを備えている
ことを特徴とした回転清掃体。 - 清掃部材は、取付部材の一端に対して他端を周方向に180°以上旋回した状態で前記取付部材の外周面に設けられている
ことを特徴とした請求項1記載の回転清掃体。 - 被掃除面と対向する下面に吸込口を開口したケース体と、
このケース体に前記被掃除面に対向して回転自在に軸支された請求項1または2記載の回転清掃体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機の吸込口体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003053039A JP4052643B2 (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003053039A JP4052643B2 (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 回転清掃体および電気掃除機の吸込口体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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