JP2004343700A - アレイマイクロホンのセルフキャリブレーション - Google Patents

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Abstract

【課題】 使用環境の変化や経年変化によらず、アレイマイクロホンの指向性および音声と暗騒音との弁別性能を望ましい状態に維持することを可能とする。
【解決手段】 音声認識装置等に用いられるアレイマイクロホンを構成する各々のマイクロホン1−4のそれぞれについて少なくとも1つのデジタルフィルタを含む信号プロセッサ11とマイクロホン1−4とが接続される。マイクロホン1−4の検出領域内にスピーカ(5)が配置されており、事前設定された周期的な雑音信号を放射するようにスピーカ(5)に作用する電子回路11、10、7が設けられており、信号プロセッサ11は、上記周期的な雑音信号の受信に対する応答としてマイクロホン1−4の各々および/またはデジタルフィルタの各々からくる応答信号を評価し、デジタルフィルタの特性を変えてその時々の状況に適応させる。
【選択図】 図4A

Description

本発明は、マイクロホンのセルフキャリブレーションに関する。
音声は、人間と機械の間のコミュニケーション手段として意義を増しつつある。多くの用途ではハンズフリーが求められるので、音声信号を採取するためのマイクロホンは、話者の口のすぐ前にあるのではなく、多くの用途では絶えず変化する、人物からある程度の距離のところにある。たとえば乗用車ではアレイマイクロホンが、電話で会話をするときのハンズフリーマイクロホンとして用いられたり、音声認識によって操作される、たとえばナビゲーションシステムのようなシステムでも用いられる。
しかしながら音声認識にあたっての1つの制限要因は、音声レベルが、音源とマイクロホンの距離が増すにつれて低下し、これに伴って信号対雑音比が低下することである。そのため、たとえば航空機のコックピット、自動車、会議室、講義室、手術室といった、好ましくない雑音源が周囲にある環境のもとでは、雑音抑制のための対策が必要である。こうした問題の効果的な解決法を提供するのが、いわゆるビームフォーミング法である。この方法では、マイクロホンアレイと呼ばれる複数のマイクロホンが音声信号を採取するのに利用される。音源に対する個々のマイクロホンの空間的な配置によって、ならびに、個々のマイクロホン信号のフィルタリングや組み合せによって、空間的な指向作用が生成される。有効信号方向からマイクロホンアレイに当った信号は、基本的にひずみなしに伝達されるのに対して、それ以外の方向からの信号を著しく抑制することができる。このときアダプティブなビームフォーミングは、動いて時間とともに変化する雑音源、たとえば航空機の始動段階、飛行段階、着陸段階などに合わせて調整をすることができる。ビームフォーミングが機能するための前提条件は、空間内で話者の位置を特定し、たとえばコックピット内で複数のパイロットの位置を特定し、場合によりその動きに追随することである。これに加えて高い指向作用を得るためには、ビームフォーマのフィルタが部分的に強い増幅を生成しなければならない。しかしそれによって、マイクロホンアレイのうち雑音を含んでいる個別マイクロホンに対する感度も向上してしまう。個別マイクロホンの伝達特性における許容差、たとえば周波数応答、指向作用、感度などは、特に妨害的な作用を及ぼす可能性がある。
このようにアレイマイクロホンは、音源や話者(略して有効信号)を的確に採取し、周囲の騒音ないしエコー発生といった雑音信号を抑制することができる。
たとえば特許文献1は、ハンズフリー装置のために音響的なエコー抑制をする方法を開示している。この発明では、ハンズフリー装置で発生する好ましくないエコーを除去することを目指している。この場合、擬似ノイズ(PN)信号と呼ばれる音響信号が、スピーカを介して、少なくとも2つのマイクロホンの方向に放射される。特にFIR(有限インパルス応答)フィルタであるアダプティブフィルタが、PN発生器の擬似ノイズ信号を、1セットのフィルタ係数を援用するアルゴリズムを用いて変換する役目を果たす。マイクロホンの応答信号は、加算器により、このようなアダプティブフィルタの反転した出力信号と組み合わされる。LMS(最小平均平方)アルゴリズムを介して、加算器の出力信号、すなわち組み合わされた信号は、そのエネルギーが最小になるように調整される。この目的のためにフィルタ係数が変更される。
フィルタ係数を固定した次のキャリブレーションステップで、たとえば人間の声であるテスト信号がマイクロホンに供給される。個々の加算器の出力信号がビームフォーマでまとめられ、変換される。その際に生じる信号が、マイクロホンのうちの1つのいわば「純粋な」当初の信号と比較される。こうして生じる、組み合わされた信号がビームフォーマに供給され、そこで、信号対雑音比が最大になるようにビームフォーマを適応させるために利用される。
ビームフォーマの適応が完了した後に、すなわち作動状態で、フィルタが再びアダプティブモードに切り換えられ、PN(擬似ノイズ)発生器に代えて、回線の他の端部のところで話すユーザーの信号がアダプティブフィルタと接続される。
このような方法により、マイクロホンで採取されるエコーに実質的に相当し、これから差し引くことができる人工的なエコーが生起される。
アレイマイクロホンは、基本的に、信号工学的に相互に接続された個別の複数のマイクロホンが配列されて構成されている。マイクロホンの配列は、原則として、一次元、二次元、三次元に配置されたものとして区別することができる。一次元の配置では、マイクロホンが1本の線に沿って、たとえば直線や円弧に沿って配置される。球状の指向特性をもつマイクロホンを使用すれば、個別マイクロホンの向きは重要でなくなる。このようなマイクロホンは音圧レシーバとしてのみ作用するので、空間内で無指向性に作用するからである。音圧傾度型マイクロホンを使用する場合には、個別マイクロホンの向きが重要になる。すなわち全体的な指向特性、およびこれに伴うアレイマイクロホンの全体的な指向性は、個別マイクロホンの指向特性の組み合せ、後述するアルゴリズムを用いてマイクロホン信号を統合的に処理することによって得られる。
一次元配列のアレイマイクロホンは、横型アレイマイクロホンと縦型アレイマイクロホンの2種類に区別される。これらは、マイクロホンの配列に対して相対的に好ましい音響入射方向の方向が異なっている。すなわち縦型アレイマイクロホンでは、好ましい音響入射方向はマイクロホンの長手方向にあり、すなわち音響入射方向はθ=0度である。横型アレイマイクロホンでは、好ましい音響入射方向はθ=90度である。マイクロホンの相互間隔は一定であってよく、あるいは互いに異なっていてよい。後者の場合、非特許文献1に記載されているように、異なる周波数領域については、異なるグループのマイクロホンがビームフォーミングに利用される。
個別マイクロホンの信号技術的な接続は、アナログ式またはデジタル式で行うことができる。以下においてはデジタル方式で実施する例について考察することとする。個々のマイクロホン信号はA/D変換器(アナログ・デジタル変換器)によってデジタル化され、信号処理ユニットに供給される。信号処理ユニットにより、適当なアルゴリズム(キーワード「ビームフォーミング」)がマイクロホン信号に適用される。このアルゴリズムによってマイクロホンの指向性率が高められ、側方の音源が抑制される。アレイマイクロホンについての優れた概説は非特許文献1や、同文献で引用されている参考文献にも見ることができる。
アルゴリズムの構成要素をなすのは、使用するマイクロホンの配置、種類、感度、特徴、音響環境、音源の位置などについて特徴的なフィルタ係数セットである。このフィルタ係数セットでは、たとえば製造のばらつき、エージング現象などにより引き起こされる個々のマイクロホンの異なる特性を考慮することができる。頻繁に用いられるフィルタ構造については、文献のなかの「フィルタ・アンド・サム・ビームフォーマ(Filter and Sum Beam−former)」の項目から公知である(たとえば非特許文献1の159頁参照)。この場合、個々のマイクロホン信号はアナログ/デジタル変換の後、適当なFIRフィルタ(有限インパルス応答フィルタ)でフィルタリングされ、その後で加算される。従来技術を示す図1は、4つのマイクロホンを使った実施例を示している。
図1には、個々のマイクロホンの間隔dが等しい単純な直線配列形のマイクロホンアレイが示されている。音響入射角θは、マイクロホンアレイの長軸を基準とするものである。入射した音波は、それぞれ異なる進行時間でアレイの個々のマイクロホンに到達する。この進行時間差は経路差d*cos(θ)に相当している(符号*は乗算を意味する)。図1に示すFIRフィルタ8FIR1−FIR4は、周波数依存的な振幅差と位相差に対応するフィルタ係数セットを含んでいる。フィルタリングの後に信号が加算される(フィルタ・アンド・サム・ビームフォーマ)。前述した振幅差と位相差により、特定の入射方向からくる音波は強め合う重なり合いによって増幅され、それ以外の音響入射方向からくる音波は弱め合う重なり合いによって減衰される。もっとも単純な特殊ケースとしては、FIRフィルタ8FIR1からFIR4を、すべて等しい周波数依存的な遅延を有する、いわゆる全域通過フィルタとして想定することができる。この場合、入射角θ=90度である音波は増幅され、それ以外の入射方向からくる音波は減衰され、すなわち、いわゆる横型アレイが得られる。
上に述べたフィルタ係数セットは、多くの用途において、予め設定された固定の標準条件で算定され、アレイマイクロホンの作動時には固定値(定数)として用いられる。
アレイの個々のマイクロホンのチェックは、現在のところ、取付時またはサービス時に個々のマイクロホンの電流(current uptake)がチェックされるという形で行われている。電流の値は、事前に設定された2つの限界値の間に収まっているかどうかでチェックされる。それによって個別マイクロホンの原理的な機能有用性を判定することができるが、それ以上のことは行われない。
アレイマイクロホンの一部ではない個別マイクロホンの機能チェックをする方法および装置が、特許文献2から公知である。マイクロホンはセンサ装置の中に検査用スピーカとともに収納されている。直列につながれた検査用スピーカに、発生器から正弦波形の試験信号が送られる。信号相関器で、検査されるべきマイクロホンで変換された信号と、当初の発生器信号との間の位相差の測定が行われる。この両方の信号の特定の位相差に対応する信号相関器の出力電圧が、閾値コンパレータで閾値Sと比較される。位相差が閾値Sを上回っているかどうかに応じて、不合格信号または合格信号が中枢の評価部に送られる。このような方法では、音響測定設備で利用されるマイクロホンの機能性をチェックすることしかできない。位相測定が行われるだけである。マイクロホンに内在する重要なパラメータや特性量、たとえば周波数応答や指向特性などは、この方法ではチェックすることができない。位相差測定は、最終的に、不合格信号か合格信号の生起という結果に終わるにすぎない。
アレイマイクロホンでは、1つのマイクロホンの故障に関連して、個別マイクロホンの場合にはまったく起こり得ない追加の問題が発生する。
このような問題の1つは、1つの個別マイクロホンの故障に関わるものである。これはアレイマイクロホン全体の指向性率を著しく低下させ、指向特性を思わぬ形で変えてしまう可能性がある。ユーザーは、アレイマイクロホンによって制御される機能の劣化に気づいても、正確な原因の場所を特定することはできず、たとえば音声認識装置が突然ほとんど機能しなくなったり、電話のときに話者の声が聞き取りにくくなったりする。
こうした劣化現象には、一般に、必ずしもアレイマイクロホンと関連するわけではない種々の原因がある。たとえば、使っているGSMの通信回線が通話時に障害を起こしたのかもしれない。したがって不具合を診断するためには、少なくともアレイマイクロホンが部分システムとして完全な機能性があるかどうかを知ることが重要である。従来技術では、マイクロホンの電流を実験室で、あるいはサービス時に判定することしかできない。
さらに別の問題は、むしろ気づかないうちに進んでいく性質のものである。すなわち製造の過程で、あるいは経年劣化プロセスの進行がまちまちであるために、あるいは変化する環境条件に対する反応が異なっているために、それぞれの個別マイクロホンの特性にばらつきが生じることで、個別マイクロホンの指向特性や周波数特性が互いに大きく食い違ってくる可能性がある。それにより、上に述べた信号処理のアルゴリズムが所望の形で働かなくなる。
特許文献3は、特に携帯電話のための、アレイマイクロホンの一部ではない個々の音響変換器のキャリブレーションをする方法を開示している。このキャリブレーションは、電子ユニットが、マイクロホンコンポーネントとスピーカコンポーネントの間に生じる可能性がある作動上の差異の影響を受けることなく、所望の振幅応答と周波数応答を供給することを可能にする。この場合、擬似ノイズ発生器の信号がフィルタを介して外部のスピーカに供給される。マイクロホンの応答信号はDSP(デジタル信号プロセッサ)で、機構の逆チャンネルインパルス応答hを反映するフィルタ係数を適用したうえでフィルタリングないし変換され、フィルタリングの後、擬似ノイズ発生器に直接由来する「目標」信号と比較される。この両方の信号の差異、いわゆるエラー信号が、DSPのフィルタ係数を変化させる役目を果たす。このフィルタはアダプティブフィルタであり、すなわちフィルタ係数が反復して算定される。フィルタ係数は、できるだけ小さいエラー信号が結果的に生じるような限界値に向かって収斂していく。
このような方法の欠点は、変換器がテスト環境の中でキャリブレーションされ、使用場所そのものでキャリブレーションされるのではないことにある。外部の検査用スピーカは再び取り外され、携帯電話が使用できるようにリリースされる。しかし実際の使用時には、音響環境に応じて、反復法を適用したうえで決められたフィルタ係数が収斂しない結果につながったり、ないしは好ましくない不安定性につながる可能性がある。したがってこの方法は、常に変化する環境にふさわしいものではない。マイクロホン自体の重要な特性量や特性も、この方法では求めることができない。テスト信号を発信するスピーカは、キャリブレーション過程の前に、たとえばインピーダンスの量などの機能性に関してチェックされず、そのために誤差源が生じる。そのうえ、スピーカ、フィルタ、遅延回路を備える高いコストのかかる構造が必要である。このような構造では、携帯電話のマイクロホンと検査用スピーカとの距離が一義的に定義されない。異なる距離は異なるフィルタ係数につながる。
全体として個別マイクロホンの単なる合算としてのみ取り扱ってはならないアレイマイクロホンは、個々の変換器とはまったく違った検査を必要とする。たとえばアレイマイクロホンを車室内に組み込めば、開発時の実験室と比べてまったく異なる音響状況が生まれる。音の多重経路による反射、屈折、干渉などが、個別マイクロホンとはまったく違った形でアレイマイクロホンに影響を及ぼす。特にアレイマイクロホンの指向特性や指向性率は、ユーザーの不利になるような形で劇的に変化する。たとえばダイヤフラムへの埃の堆積、分極起電力の変化等の要因は、個別マイクロホンの場合、若干低い、ないし鈍い出力信号を引き起こすにすぎない。それに対してアレイマイクロホンの場合、同じ要因がマイクロホン特性全体の変化を惹起し、ユーザーにとって使い物にならなくなる場合さえある。アレイマイクロホンの構成要素であるただ1つの個別マイクロホンの誤った極性が、有効信号方向からくる信号が大幅に減じられるという最悪ケースになる。
これに似たマイクロホン特性の変化は、車両内にいる人間の人数や分布が変わったときや、スライドルーフやウインドゥを開閉したときなどにも生じる。
さらに、マイクロホンのキャリブレーションでは、検査用スピーカに関わる問題を考慮すべきである。検査音響信号を発するときには、厳密に定義されて事前設定された信号を出力できるようにするために、スピーカの特性、インピーダンスの大きさが正確に既知でなければならない。
特許文献4は、電力出力の制限を実現し、特にスピーカである負荷の損傷を防ぐために、増幅器に一体化された負荷監視部を開示している。この負荷監視部は電流測定装置と電圧測定装置を含んでおり、ならびに、測定された電圧値と電流値に基づき、増幅器に接続された負荷のインピーダンス、および増幅器から負荷に伝達される出力電力を計算するコンピュータ・制御回路、たとえばDSPを含んでいる。増幅器に印加される信号は外部のオーディオ信号であってよく、もしくは、同じく増幅器に一体化されたテスト用発生器に由来するものであってもよい。コンピュータ・制御回路で生成される制御信号は、増幅器の信号処理機能、およびこれと結びついた機能パラメータを場合により変化させる役目をする。伝達される出力パワーを決定するこの方法は、電流測定器と電圧測定器と評価ユニットを必要とするので比較的高いコストがかかる。しかもスピーカの特性に関しては何の情報も得られない。
国際公開第99/39497号パンフレット 欧州特許出願公開第0268788号明細書 米国特許出願公開第2002/0146136号明細書 米国特許第5,719,526号明細書 M.ブランドスタイン(M.Brandstein),D.ワーズ(D.Wards)(Editors)著「マイクロホンアレイ(Microphone Arrays)」,シュプリンガー・フェアラーク(Springer Verlag),2001年
本発明の目的は、アレイマイクロホンをその用途の使用場所から取り外したり、複雑で高価な設備転換を必要とすることなく、そして性能の低下を最小限に留め、上に掲げたすべての欠点や問題点を取り除くことである。
本発明によればこの目的は、個別マイクロホンの各々の検出領域内に配置された少なくとも1つのスピーカが設けられており、このスピーカには電子回路が設けられていて、予め定められた周期的な雑音信号を放射し、信号プロセッサは、周期的な雑音信号の受信に対する応答として各々のマイクロホンおよび/または各々のデジタルフィルタからくる応答信号を評価することによって達成される。
スピーカはアレイマイクロホンの内部に固定された状態で組み込まれていてよく、あるいは、携帯可能な検査装置の構成要素であってもよい。アレイマイクロホンが使用される三次元空間にすでに存在している、ないしは組み込まれているスピーカ、たとえば車室内の自動車ラジオのスピーカや、検査専用に設けられたスピーカを利用することもできる。
信号プロセッサはアレイマイクロホンの信号プロセッサであってよく、あるいは同じく検査装置の一部であってもよい。複数のスピーカが設けられていれば、個別マイクロホンの点検に加えて、特にビームフォーミングの点検も正確に行うことが可能である。
次に、実施例を使った記述により本発明を詳しく説明する。
図2は、4つのマイクロホン1−4で構成される本発明のアレイマイクロホンの一実施例を示している。個別マイクロホン1−4の間隔は、本実施例では等しくなっている。スピーカ5は、すべての個別マイクロホン1−4で音響的に検出されるように配置されており、すなわち、スピーカ5が発信する信号はすべての個別マイクロホンにより採取される。変形例では1つを超えるスピーカが設けられていてもよく、その場合、個別マイクロホンがすべてのスピーカの信号を採取できる必要はない。重要なのは、すべての個別マイクロホンが少なくとも1つのスピーカから信号を受信できることだけである。個別マイクロホン1−4は、音圧レシーバとして構成されていても、音圧勾配レシーバとして構成されていてもよい。当然ながら、本発明は4つの個別マイクロホンの個数に限定されるものではない。
図3は別の実施例を示している。この実施例は原理的には図2と同様に構成されているが、すべての音響変換器が共通のハウジング6に収納されている。このハウジング6の中には、電子コンポーネント、A/D変換器およびD/A変換器9,10、デジタルフィルタ8、ないし信号プロセッサ11なども収納されていてよい。個別マイクロホン1−4のうち、送話のための開口部だけが示されている。
本発明による装置は以下に詳しく説明するように構成されていてよく、スピーカと信号プロセッサを用いて、たとえばアレイマイクロホンの音響セルフテストとして実施される本発明の方法は、次のような手順で進行する。
アレイマイクロホンの内部、表面、または付近に較正用スピーカ5(有利にはダイナミック原理に基づく小型スピーカ)を取り付け、このスピーカは、スピーカ信号を個別マイクロホン1−4の各々によって採取できるという意味で、アレイの個別マイクロホン1−4との音響的な接続を有している。ただ1つの較正用スピーカ5を使用する場合には、これを位置決めするのに好適な場所は、較正用スピーカから個別マイクロホンまでのすべての経路の和が最小値となる、マイクロホン配列の中央部ないしマイクロホン配列の対称面(マイクロホン配列を対称に分割する面上)である。しかしながら、たとえばアレイの縁部や、図示している実施例のようにそこから若干離れたところのような、別のスピーカ位置も考えることができる。較正用スピーカ5は増幅器と接続されている。
図4Aは、個別マイクロホンがA/D変換器9を介してデジタル式の信号プロセッサ(DSP)11と接続された、本発明によるアレイマイクロホンを示している。それぞれの個別マイクロホン信号を、適当なフィルタ係数を適用して変化させるデジタルフィルタは、個々のA/D変換器9と信号プロセッサ11との間に配置されていてよい。図1にもすでに示したように、各々の個別マイクロホン1−4に1つのデジタルフィルタ8が割り当てられている。それに代えて、有利にはFIRフィルタの形態をとるデジタルフィルタ8は、図4Aに示すようにデジタル式の信号プロセッサ11にハードウェア的に組み込まれていてもよく、それにより、各々のA/D変換器9の出力部が信号プロセッサ11に直接通じることになる。フィルタリングないし評価の目的のために、個別マイクロホン信号を信号プロセッサ11により逐次処理することもでき、そうすれば個別マイクロホンとフィルタの間のハードウェア的な割当はもはや存在しなくなるが、最終結果すなわち適正にフィルタリングされた信号は同一となる。変形例では、1つを超えるデジタルフィルタ、たとえば直列または並列につながれたフィルタが、個別マイクロホンごとに設けられていてもよい。
本発明によるアレイマイクロホンのセルフテストの目的は、特に、個々のマイクロホン1−4の次に掲げるパラメータのうちの1つまたは複数をチェックすることを含んでいる。
・個別マイクロホンのスイッチが入っている。
・個別マイクロホンが正しい極性を有している。
・個別マイクロホンが所望の感度を有している。
・個別マイクロホンが、感度の所望の周波数推移(周波数特性)を有している。
・個別マイクロホンが大きすぎるひずみを有していない。
・個別マイクロホンの指向作用(指向性)。
これに加えてセルフテストでは、個別マイクロホンが各々について設けられているフィルタと実際にそれぞれ接続されているかどうか、あるいは、製造プロセスで接続不良が発生していないかどうかを判定することができる。上に列挙したような個別マイクロホンのチェックの目的のために、デジタルフィルタは全域通過フィルタとなるようにプログラミングされている。そうすれば個別マイクロホン信号は「純粋なまま」、つまりオリジナル状態で、信号プロセッサ11の評価ユニットに到達する。個々のマイクロホンの互いに相対的な位置により、進行時間差も記録することができる。
個別マイクロホンの機能パラメータのテストに加えて、本発明の方法では、デジタルフィルタが適正に機能しているかもチェックすることができる。このテストでは、用途に適ったフィルタ係数がデジタルフィルタにプログラミングされているかどうか、フィルタアルゴリズムが適正に機能しているかどうか、デジタル信号の変換時にその他の不具合が生じていないかどうかが点検される。
スピーカ信号に対する応答として個別マイクロホンから送られる「純粋な」信号、あるいはフィルタ係数を適用してフィルタリングされた信号は、信号プロセッサ11の評価ユニットで、適正に機能している個別マイクロホン1−4あるいは適正に機能しているフィルタに相当する信号モデルと比較される。この信号と信号モデルとの差異に応じて、フィルタ係数セットの個々のフィルタ係数またはすべてのフィルタ係数の値の変更が行われる。すでに固定値として設定されている複数のフィルタ係数値が、利用できる種々のフィルタ係数セットとして保存されているのが好ましく、それにより外部から、または信号プロセッサ11でこれらにアクセスすることができる。実験室での測定ないし理論上の計算に基づいて事前に保存されたフィルタ係数セットの場合、これは反復法の意味における制御回路ではない(反復法によりフィルタ係数セットを求める類の制御回路ではなくなる)。
説明を明確にするために次の例を挙げておく。すなわち、ある特定のフィルタ係数セットは、「ビーム」を車両の運転者のほうに向け、それ以外のすべての方向からの騒音を抑制する指向特性を生成する(超指向性ビームフォーマ)。同様に、あるフィルタ係数セットは、1つの「ビーム」を車両の運転者のほうへ向け、第2のビームを助手席のほうに向けるよう意図することができる。もっとも単純な場合、図1に示すような遅延和型ビームフォーマ(Delay & Sum Beam−former)が設けられる。変化する音響環境(たとえばスライディングルーフの開閉)に、アレイマイクロホンの指向特性の観点から対処するために、遅延和型ビームフォーマと超指向性ビームフォーマという両方の極端な場合の間に位置する、いわゆるラグランジュ乗数を用いて算出され、事前に保存されるフィルタ係数値をプログラミングすることができる。
音響セルフテストの開始前に較正用スピーカ5をチェックする。その際には、その電気的なインピーダンスが所定の限界値の内部に収まっているかどうかが判定される。この条件が満たされたときに初めて、マイクロホンの音響セルフテストが開始される。このようなスピーカインピーダンスのチェックは、スピーカ信号がA/D変換器9の1つに直接送られることによって行うことができる。図4Aはスピーカインピーダンスを測定するための一実施例を示しており、この場合、スピーカ5はA/D変換器9の入力インピーダンスに対して並列で作動する。A/D変換器9の入力インピーダンスに対するスピーカインピーダンスの比率が値1から遠く離れすぎているときは、スピーカの手前に追加の直列抵抗をつなぐことができる。
スピーカインピーダンスの測定は、技術者には周知である複素インピーダンスを測定する方法に基づいて行われる。その場合、たとえば定電流電源をスピーカにつないで、スピーカ端子の電圧を測定する。
スピーカインピーダンスを求める本発明の方法について、以下に説明する。付属の配線図を図4Bに示す。この場合、D/A変換器10を介して信号が電力増幅器7に送られる。この電力増幅器は定義された出力インピーダンスRaを有している。増幅された信号はインピーダンスRLSを有するスピーカ5に到達し、そして定義された入力インピーダンスRiを有するA/D変換器9の入力部に到達する。RaとRLSが分圧器を形成する。電圧はA/D変換器で測定され、インピーダンスとして既知の基準インピーダンスをスピーカの代わりに用いた基準測定の結果と比較される。基準測定のデータは1度だけ検出されて、不揮発性のデータ記憶装置(たとえばROM)に記録される。こうして求めた両方の電圧値から、未知のスピーカインピーダンスRLSを求めることができる。基準測定として、スピーカを使わない測定を利用することもでき、すなわち基準インピーダンスは無限大のオーム値となる。
マイクロホン信号の評価はさまざまなやり方で行うことができる。適当な測定信号としては、正弦波信号、確率論的な雑音信号、または周期的な雑音信号、たとえば最長シーケンス雑音などを使用することができる。いくつかの方法について、次に例を挙げて説明する。
方法1) もっとも単純な場合、周波数の異なるいくつかの正弦波信号が相前後して出力される。個々のマイクロホンのレベルがそれぞれ整合しているかどうかチェックされ、すなわち、測定された電圧が事前に選択された限度内に収まっているかどうかがチェックされる。その結果から、マイクロホンが機能することが可能であるか否かが導き出される。
方法2) スピーカが周期的な雑音信号、たとえば最長シーケンス雑音を発信する。個々のマイクロホンの信号応答を平均化することにより、信号対雑音比が改善される。平均化されたマイクロホン信号応答から、いわゆる離散フーリエ変換(DFT)を適用して、所与のスピーカ−マイクロホンシステムのインパルス応答を算出することができる。この方法は、たとえばVorl[ae]nder,M.著”Anwendung der Maximalfolgentechnik in der Akustik”(「音響学における最長シーケンス技術の応用」)DAGA94,p.83−102などの文献(注:本明細書中、[ae]をa−ウムラウトに代わる表記として用いる)から公知となっているスピーカとマイクロホンの測定方法に準じている。このように測定されたスピーカ−マイクロホンのインパルス応答が、その最大値が事前に選択された進行時間内に収まっているかどうかチェックされる。測定された振幅の伝達関数は、事前に選択された許容範囲内に収まっているかどうかチェックされる。この振幅の伝達関数はマイクロホン感度を表す目安となる。基準測定結果と比較することで、たとえば経年劣化や環境要因によって引き起こされるマイクロホン感度の変化を判定することができる。
セルフテストは、たとえば信号処理ユニットへの制御信号によって開始される。信号処理ユニットから測定信号が増幅器7へ送られ、さらに較正用スピーカ5に送られる。この測定信号が個々のマイクロホンで記録され、次いで評価ユニットにより評価される。記録された測定信号から、上に掲げたマイクロホンパラメータを読み取ることができる。
・音響的なセルフキャリブレーションの1つの実施形態の変形例は、近くにいる人間、たとえば乗用車の乗員に聞こえないように測定信号を発信することにある。この場合、測定信号はレベルの低いオーディオ領域で発信される。記録されたマイクロホン信号を時間領域で平均化することにより、信号対雑音比が<0dBの場合でも測定をすることができる。これは、たとえば満員のコンサートホールで演奏中に室内音響測定をする場合に行われる方法に類似している。信号応答を平均化することで初めて、相関関係にある信号割合が増幅され、相関関係にない暗騒音が除去される。
・別の実施形態の変形例は、複数の較正用スピーカを使用することにある。それにより、上に挙げたマイクロホンパラメータをいっそう正確に測定し、追加的に、マイクロホンの指向作用に関する情報も得ることができる。
・音響的なセルフキャリブレーションの別の実施形態の変形例は、アレイのチェックが超音波領域で行われることにあり、すなわちユーザーに聞こえない周波数領域で行われることにある。使用する音響変換器は、この目的のために、少なくとも20kHzを上回る部分周波数領域で十分に高い伝達係数を有していなければならない。
− 発見された不具合の評価 −
上記評価方法に基づいて判定され、場合により発見される不具合は、次に掲げる1つまたは複数のやり方で引き続き処理するのが好ましい。
・不具合を車両のエラーマネージメントシステムに記憶させる。次回に専門工場を訪れたとき、不具合のあるマイクロホンモジュールを交換することができる。
・たとえばシステムコンソール、警告灯、車両コンピュータのスクリーンのポップアップメニューなどで、不具合を車両内に表示することができる。
・アレイマイクロホンの自動車スピーカまたは較正用スピーカを介して適当な警告を出力することにより、不具合を車両内に音で知らせることができる。
本発明による方法は、従来は判定できなかった一連の欠陥の認識が可能であることに加えて、マイクロホンの動作が進行しているときに測定を実施できるという利点をさらに有している。チェックが成功裡に完了した後、たとえば「マイクロホンOK」の自動表示を行うことができる。
さらには、上に挙げた2番目の問題群に対処することも可能である。そのために、上に説明したのとまったく同様にして音響セルフテストが実施される。そして記録されたマイクロホン信号の結果は、上に挙げた係数をあらためて算出して実行するために利用される。
本発明によるこの方法では、アレイマイクロホンが自動的にキャリブレーションされる。アレイマイクロホンは、各々の個別マイクロホンについて少なくとも1つのデジタルフィルタを含む信号プロセッサ11と接続された複数の個別マイクロホン1−4を含んでおり、信号プロセッサ11は、個々のマイクロホン信号に対して適用される適当なアルゴリズムにより、アレイマイクロホンの指向性率を高め、側方の音源を(側方の音源からの音を)抑制する。このときデジタルフィルタには、使用される個別マイクロホンの配置、種類、感度、特性、音響環境、音源の場所などについて特徴的なアルゴリズムの構成要素であるフィルタ係数セットが適用される。そして信号プロセッサ11は、応答信号とモデル信号との差異に応じて、フィルタ係数セットの個々のフィルタ係数またはすべてのフィルタ係数の値の変更を行う。応答信号が信号モデルの範囲内に収まるまで、テストをあらためて実施することができる。また、事前設定された回数上述したテストが反復して実施された後にテストが中止されて、エラーメッセージが表示および/または記憶されるものであってもよい(事前設定された回数、上述したテストを反復してもなおキャリブレーション結果が良好なものとならない場合、テストを中止してエラーメッセージを表示および/または記憶するものであってもよい)。
フィルタ係数の適合化のやり方は、たとえば、上述した方法に基づいて判定された経年劣化に起因するマイクロホン感度の変化が、フィルタ係数セットの算定時に考慮されることによって行うことができる。それにより、マイクロホン特性の変化、特に感度周波数推移の変化が補償される。この方法は図5のブロック図に示されている。
このような適合化は、電気音響学の分野の当業者であれば本発明を知ったうえで問題なく実施可能である。セルフテスト、新規の算定、および機能の遂行(作動)が定期的な間隔で実施されるのが好ましい。このことはマイクロホン指向性利得の改善も可能にする。それにより、変化する環境条件に反応できるからであり、たとえば、ウインドゥの開閉、人間の乗車や降車、気温や気圧や湿度といった環境パラメータが変化した結果としてのマイクロホン特性の変化、アレイマイクロホンの一部への直射日光の照射、およびその結果として生じる個別マイクロホンの異なる加熱などに反応することができる。
最後に、信号評価について具体的な実施例でわかりやすく説明する。
たとえば図2や図3に示すように、直線状のアレイの対称平面の明らかに範囲外に(直線上のアレイを対称に分割する平面上から明らかに外れた位置に)スピーカが配置されている場合、以下に説明するような信号評価の方法が得られる。理想的な場合、スピーカは、マイクロホンアレイの外側でマイクロホンアレイの長軸上に取り付けられる。この方法は評価の一例にすぎず、当業者であれば本発明を知ったうえでこれ以外の配置も可能である。
それぞれのマイクロホン−フィルタの組み合せにおける各々のフィルタに、進行時間(移行時間)=0msで全域通過のフィルタ特性をプログラミングする。
周期的な雑音信号、たとえば8192の走査値と44.1kHzの走査周波数をもつシュレーダー雑音を、スピーカに印加する。これは185.8msの継続時間に相当する。シュレーダー雑音を生成するためのアルゴリズムは、たとえばM.R.Schr[oe]der著”Synthesis of Low−Peak−Factor Signals and Binary Sequences With Low Autocorrelation”(「低ピーク因子信号と2進シーケンスの自己相関の低い合成」)IEEE Transactions on information theory,p.85−89,Vol.16,1970年1月(注:本明細書中、[oe]をo−ウムラウトに代わる表記として用いる)に記載されている。選択する周期時間は、測定環境、たとえば乗用車キャビネットの残響時間RT60よりも長いか、これと等しくなければならない。この測定信号をたとえば20回繰り返し、個々のマイクロホンおよび付属のフィルタを介して検出する。このとき、スピーカ前縁から10cmの距離で直線測定される音圧レベルは約0.1Paである。
そしてそれぞれのマイクロホン−フィルタの組み合せについて、次のような評価を行う。すなわち、第1周期を除外したうえで、信号を入力信号と同期して平均化する。この平均化は、信号対雑音比およびこれに伴う測定精度を高めるという目的がある。環境騒音や、マイクロホン、スピーカ、および関与する増幅器の雑音成分は、平均化によって抑制される。第1周期の除外が必要なのは、常に存在している基本遅延のために、第1周期には相関関係にない信号を含む時間区域が含まれているからである。
平均化した信号応答を逆離散フーリエ変換(IDFT)し、こうして得られたスペクトルを励起信号のIDFTで除算する。それにより、スピーカ−マイクロホン−フィルタの電気音響的な4極全体の伝達関数が得られる。
伝達関数の値は、適正に機能するフィルタで適正に機能している個別マイクロホンでは、事前設定された許容範囲内になければならない。
それによって最初のチェックが可能であり、たとえばスピーカから遠く離れているマイクロホンの伝達関数のレベルは、スピーカの近くに位置決めされたマイクロホンのレベルより低くなければならない。
伝達関数の位相は個々に選択された周波数で評価し、それが所定の許容範囲内にあるかどうかをチェックすることができる。それにより、たとえば1つまたは複数のマイクロホンに誤って行われた逆の極性を発見することができる。
さらに、進行時間の評価も行うことができる。その評価を行うために、伝達関数を離散フーリエ変換(DFT)によって時間領域に変換し、そのようにしてスピーカ−マイクロホン−フィルタの電気音響的な4極全体のインパルス応答が得られる。
個々のマイクロホン−フィルタの組み合せのインパルス応答から、インパルス応答の絶対最大値を求めることによって、それぞれの進行時間を容易に算定することができる。そして個々のマイクロホン−フィルタの組み合せの進行時間は、スピーカとマイクロホンとの距離に応じて、および空気中の音速に応じて、事前に算定しておいた特定の値をとらなくてはならない。それによって特に、個々のマイクロホンを取り違えていないかどうかや、マイクロホンの順序が誤って逆になっていないかどうかを判定することができる。
なお、本発明は例として次の態様を含む。( )内の数字は添付図面の参照符号に対応する。
[1] 各々の個別マイクロホンごとに対応して少なくとも1つのデジタルフィルタを有する信号プロセッサ(11)と接続された複数の個別マイクロホン(1−4)を備えるアレイマイクロホンにおいて、
前記個別マイクロホン(1−4)の検出領域内に配置された少なくとも1つのスピーカ(5)と、
前記スピーカ(5)が事前設定された周期的な雑音信号を放射し、前記信号プロセッサ(11)が前記周期的な雑音信号の受信に対する応答として前記個別マイクロホンの各々および/または前記デジタルフィルタの各々から出力される応答信号を評価するように構成される電子回路と、
を有することを特徴とする、アレイマイクロホン。
[2] 各々の個別マイクロホンごとに対応して少なくとも1つのデジタルフィルタを有する信号プロセッサ(11)と接続された複数の個別マイクロホン(1−4)を備えるアレイマイクロホンの検査をする方法において、
少なくとも1つのスピーカ(5)が前記個別マイクロホン(1−4)の検出領域内に設けられて、前記個別マイクロホン(1−4)の各々とも接続された信号プロセッサ(11)と接続されており、
前記信号プロセッサ(11)は、前記スピーカ(5)を介して事前設定された周期的な雑音信号を放出し、
次いで前記信号プロセッサ(11)は前記個別マイクロホン(1−4)の各々および/または前記デジタルフィルタの各々から出力される応答信号を評価して、前記信号プロセッサ(11)または外部に記憶された、適正に機能する個別マイクロホン(1−4)あるいは適正に機能するフィルタに対応するモデル信号と比較し、
前記信号プロセッサ(11)は前記応答信号と前記モデル信号との差異をメッセージの形態で表示および/または記憶する、
ことを特徴とする方法。
[3] 前記信号プロセッサ(11)が前記スピーカ(5)を介して事前設定された周期的な雑音信号を放出する前に前記スピーカ(5)のチェックが実施され、
スピーカ信号がA/D変換器(9)のうちの1つに直接送られて、前記スピーカ(5)は前記A/D変換器(9)の入力インピーダンスに対して並列で作動し、
前記スピーカ(5)は、前記スピーカ(5)を作動させる電力増幅器(7)の出力抵抗とともに分圧器を形成し、前記A/D変換器(9)に印加される信号が記録されて評価され、
前記信号は、スピーカインピーダンスの代わりに基準インピーダンスを用いた測定に由来する基準信号と比較されることを特徴とする、上記[2]に記載の方法。
[4] 前記A/D変換器(9)の入力インピーダンスに対するスピーカインピーダンスの比率がチェックされ、それが値1を大きく外れているときは、スピーカ(5)の前につながれる追加の直列抵抗によって適合化されることを特徴とする、上記[3]に記載の方法。
[5] 各々の個別マイクロホンごとに対応して少なくとも1つのデジタルフィルタを含む信号プロセッサ(11)と接続された複数の個別マイクロホン(1−4)を備えるアレイマイクロホンを自動的にキャリブレーションする方法であって、前記信号プロセッサ(11)は前記個々のマイクロホン信号に適用される適当なアルゴリズムによって前記アレイマイクロホンの指向性を高めるとともに側方からの音源を抑制し、使用される前記個別マイクロホン(1−4)の配置、種類、感度、特性、音響環境、音源の場所などを特徴付ける、デジタルフィルタに適用されるフィルタ係数セットは前記アルゴリズムの構成要素である形式の方法において、
少なくとも1つのスピーカ(5)が前記個別マイクロホン(1−4)の検出領域内に設けられて、前記個別マイクロホン(1−4)の各々とも接続された信号プロセッサと接続されており、
前記信号プロセッサ(11)は、前記スピーカ(5)を介して事前設定された周期的な雑音信号を放出し、
次いで前記信号プロセッサ(11)は前記個別マイクロホン(1−4)の各々および/または前記デジタルフィルタの各々から出力される応答信号を評価して、前記信号プロセッサ(11)または外部に記憶された、適正に機能する個別マイクロホン(1−4)あるいは適正に機能するフィルタに対応するモデル信号と比較し、
前記信号プロセッサ(11)は前記応答信号と前記モデル信号との差異に応じて前記フィルタ係数セットの個々のフィルタ係数またはすべてのフィルタ係数の値の変更を行い、
前記応答信号が前記モデル信号の範囲内に収まるまで、テストをあらためて実施することを特徴とする方法。
[6] 事前設定された回数のテストの反復が実施された後にテストが中止されて、エラーメッセージが表示および/または記憶されることを特徴とする、上記[5]に記載の方法。
従来技術に基づく機構と信号処理を示す略図である。 4つのマイクロホンを備える本発明の実施例である。 図2の実施形態の変形例である。 スピーカのインピーダンスを測定するための実施例である。 本方法の配線図である。 方法手順の実施例である。
符号の説明
1、2、3、4 マイクロホン
5 スピーカ
7 電力増幅器
8 FIRフィルタ(アダプティブフィルタ)
9 A/D変換器
10 D/A変換器
11 信号プロセッサ(DSP)

Claims (6)

  1. 各々の個別マイクロホンごとに対応して少なくとも1つのデジタルフィルタを有する信号プロセッサ(11)と接続された複数の個別マイクロホン(1−4)を備えるアレイマイクロホンにおいて、
    前記個別マイクロホン(1−4)の検出領域内に配置された少なくとも1つのスピーカ(5)と、
    前記スピーカ(5)が事前設定された周期的な雑音信号を放射し、前記信号プロセッサ(11)が前記周期的な雑音信号の受信に対する応答として前記個別マイクロホンの各々および/または前記デジタルフィルタの各々から出力される応答信号を評価するように構成される電子回路と、
    を備えることを特徴とする、アレイマイクロホン。
  2. 各々の個別マイクロホンごとに対応して少なくとも1つのデジタルフィルタを有する信号プロセッサ(11)と接続された複数の個別マイクロホン(1−4)を備えるアレイマイクロホンの検査をする方法において、
    少なくとも1つのスピーカ(5)が前記個別マイクロホン(1−4)の検出領域内に設けられて、前記個別マイクロホン(1−4)の各々とも接続された信号プロセッサ(11)と接続されており、
    前記信号プロセッサ(11)は、前記スピーカ(5)を介して事前設定された周期的な雑音信号を放出し、
    次いで前記信号プロセッサ(11)は前記個別マイクロホン(1−4)の各々および/または前記デジタルフィルタの各々から出力される応答信号を評価して、前記信号プロセッサ(11)または外部に記憶された、適正に機能する個別マイクロホン(1−4)あるいは適正に機能するフィルタに対応するモデル信号と比較し、
    前記信号プロセッサ(11)は前記応答信号と前記モデル信号との差異をメッセージの形態で表示および/または記憶する、
    ことを特徴とする方法。
  3. 前記信号プロセッサ(11)が前記スピーカ(5)を介して事前設定された周期的な雑音信号を放出する前に前記スピーカ(5)のチェックが実施され、
    スピーカ信号がA/D変換器(9)のうちの1つに直接送られて、前記スピーカ(5)は前記A/D変換器(9)の入力インピーダンスに対して並列で作動し、
    前記スピーカ(5)は、前記スピーカ(5)を作動させる電力増幅器(7)の出力抵抗とともに分圧器を形成し、前記A/D変換器(9)に印加される信号が記録されて評価され、
    前記信号は、スピーカインピーダンスの代わりに基準インピーダンスを用いた測定に由来する基準信号と比較されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記A/D変換器(9)の入力インピーダンスに対するスピーカインピーダンスの比率がチェックされ、それが値1を大きく外れているときは、スピーカ(5)の前につながれる追加の直列抵抗によって適合化されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 各々の個別マイクロホンごとに対応して少なくとも1つのデジタルフィルタを有する信号プロセッサ(11)と接続された複数の個別マイクロホン(1−4)を備えるアレイマイクロホンを自動的にキャリブレーションする方法であって、前記信号プロセッサ(11)は前記個々のマイクロホン信号に適用される適当なアルゴリズムによって前記アレイマイクロホンの指向性を高めるとともに側方からの音源を抑制し、使用される前記個別マイクロホン(1−4)の配置、種類、感度、特性、音響環境、音源の場所などを特徴付ける、デジタルフィルタに適用されるフィルタ係数セットは前記アルゴリズムの構成要素である形式の方法において、
    少なくとも1つのスピーカ(5)が前記個別マイクロホン(1−4)の検出領域内に設けられて、前記個別マイクロホン(1−4)の各々とも接続された信号プロセッサと接続されており、
    前記信号プロセッサ(11)は、前記スピーカ(5)を介して事前設定された周期的な雑音信号を放出し、
    次いで前記信号プロセッサ(11)は前記個別マイクロホン(1−4)の各々および/または前記デジタルフィルタの各々から出力される応答信号を評価して、前記信号プロセッサ(11)または外部に記憶された、適正に機能する個別マイクロホン(1−4)あるいは適正に機能するフィルタに対応するモデル信号と比較し、
    前記信号プロセッサ(11)は前記応答信号と前記モデル信号との差異に応じて前記フィルタ係数セットの個々のフィルタ係数またはすべてのフィルタ係数の値の変更を行い、
    前記応答信号が前記モデル信号の範囲内に収まるまで、テストをあらためて実施することを特徴とする方法。
  6. 事前設定された回数のテストの反復が実施された後にテストが中止されて、エラーメッセージが表示および/または記憶されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
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