JP2008060625A - ステレオ音声録音装置およびマイクロフォン感度差補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ステレオ録音機器において左右2つのマイクロフォンにおける感度差をなくし、しかも特別な調整回路等の必要性をなくす。
【解決手段】 左右2つのマクロフォンL−Mic,R−Micの出力を主信号、参照信号とする適応フィルタ5を構成し、2つのマイクロフォンから等距離にある音源より白色ノイズ等の全周波数成分を含む音声を発生させた状態で適応フィルタ処理を実行し、適応フィルタ5の出力が最小になった時のフィルタ係数を保持する。そして、通常の録音時は参照信号に対応するマクロフォン出力に前記フィルタ係数のフィルタを通すことにより、感度差の少ない2つのマイクロフォン信号を得る。
【選択図】 図2
【解決手段】 左右2つのマクロフォンL−Mic,R−Micの出力を主信号、参照信号とする適応フィルタ5を構成し、2つのマイクロフォンから等距離にある音源より白色ノイズ等の全周波数成分を含む音声を発生させた状態で適応フィルタ処理を実行し、適応フィルタ5の出力が最小になった時のフィルタ係数を保持する。そして、通常の録音時は参照信号に対応するマクロフォン出力に前記フィルタ係数のフィルタを通すことにより、感度差の少ない2つのマイクロフォン信号を得る。
【選択図】 図2
Description
本発明は、たとえばボイスレコーダ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のステレオ音声を録音するステレオ音声録音装置およびステレオ音声録音装置に用いられるマイクロフォン感度差補正方法に関する。
ステレオ音声を録音する機器にあっては、入力感度が揃った2つのマイクロフォンが必要となる。しかし、このように入力感度が揃った2つのマイクロフォンを得るには、若干の問題がある。すなわち、量産品であるマイクロフォンには、部品のばらつき、組み立てによるばらつき等があるため、入力感度を揃えた2つのマイクロフォンを準備するには、選別作業が必要となるが、現実的ではない。
このため、個々のマイクロフォンの個体毎に感度差が少なくなるように、増幅器、出力検出器、制御手段等からなる感度差調整回路を新たに設けて、左右のレベル調整を行うことが従来から一般に行われている(例えば、特許文献1参照)。
また、ステレオ音声録音機器において、2つのマイクロフォンを用いて主信号と雑音参照信号を生成することによって入力信号に含まれる雑音成分の抑制を行うものとしては、適応フィルタを利用する構造のものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、このように左右のマイクロフォンの感度差を少なくするために、新たに調整回路を設ける構造では、構造が複雑化し、コスト高となるばかりでなく、調整の手間がかかり、必要な感度差調整を確実に行えるとは言い難いものであり、何らかの対策を講じることが望まれている。
また、入力信号に含まれる雑音成分を抑制するために適応フィルタを設けたものがあるが、それだけのものであり、ステレオ録音における左右のマイクロフォンの感度差を解消するには至らず、上述した調整回路を設ける必要があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ステレオ録音機器において左右2つのマイクロフォンにおける感度差をなくし、しかも特別な調整回路等の必要性をなくすことができる簡易型構造によるステレオ音声録音機器のマイクロフォン感度差補正機構およびマイクロフォン感度差補正方法を得ることを目的とする。
このような目的に応えるために本発明(請求項1、8記載の発明)に係るステレオ音声録音装置は、左右2つのマイクロフォンから入力される音声信号をステレオ音声として録音するステレオ音声録音装置であって、一方のマイクロフォンからの音声信号に対して挿入される適応フィルタと、前記適応フィルタの係数を保存するフィルタ係数保存部と、感度差補正時においては2つのマイクロフォンから等距離にある音源より音声が発生されている状態で、一方のマイクロフォンからの音声信号を主信号とし、もう一方のマイクロフォンからの音声信号を参照信号とする前記適応フィルタの適応処理を実行させ、収束した時点のフィルタ係数を前記フィルタ係数保存部に保存し、通常の録音時においては前記適応フィルタに前記フィルタ係数保存部からフィルタ係数をロードし、固定フィルタとして使用する適応フィルタ制御部と、を具備することを特徴とする。
本発明(請求項2、9記載の発明)に係るステレオ音声録音装置は、上述した請求項1記載のステレオ音声録音装置において、左右2つのマイクロフォンから等距離に位置する内蔵スピーカを更に備え、前記適応フィルタ制御部は、感度差補正時に前記内蔵スピーカから疑似白色ノイズを発生させ、この疑似白色ノイズを発生させた状態で前記適応フィルタの適応処理を実行させることを特徴とする。
本発明(請求項3、10記載の発明)に係るステレオ音声録音装置は、上述した請求項1記載のステレオ音声録音装置において、前記マイクロフォンから入力される音声信号をサンプリングするサンプリング周波数を制御するサンプリング周波数制御部を有し、前記適応フィルタ制御部は、感度差補正時においては変更可能なサンプリング周波数毎に感度差補正処理を実行し、各サンプリング周波数に対応してフィルタ係数を前記フィルタ係数保存部に保存し、通常の録音時には前記フィルタ係数保存部から現在のサンプリング周波数に対応したフィルタ係数を選択して使用することを特徴とする。
本発明(請求項4記載の発明)に係るステレオ音声録音装置は、上述した請求項1記載のステレオ音声録音装置において、前記適応フィルタ制御部は、利用者による感度補正の指示操作に応じて前記感度差補正時の処理を行うことを特徴とする。
本発明(請求項5記載の発明)に係るステレオ音声録音装置は、上述した請求項1記載のステレオ音声録音装置において、前記適応フィルタ制御部は、マイク感度に影響を与える環境変化を検出した場合に前記感度差補正時の処理を行うことを特徴とする。
本発明(請求項6記載の発明)に係るステレオ音声録音装置は、上述した請求項1記載のステレオ音声録音装置において、前記適応フィルタが挿入されていない側のマイクロフォンからの音声信号に対しては遅延器を挿入することを特徴とする。
本発明(請求項7記載の発明)に係るステレオ音声録音装置は、上述した請求項1記載のステレオ音声録音装置において、前記適応フィルタが挿入されていない側のマイクロフォンからの音声信号に対しては雑音除去フィルタを挿入し、前記適応フィルタ制御部は、左右の感度差の他に前記雑音除去フィルタの特性を前記適応フィルタに学習させることを特徴とする。
以上説明したように本発明に係るステレオ音声録音装置によれば、一方のマイクロフォンからの音声信号に対して適応フィルタを挿入し、2つのマイクロフォン出力を主信号、参照信号とする適応フィルタを構成し、2つのマイクロフォンから等距離にある音源より白色ノイズ等の全周波数成分を含む音声を発生させた状態で適応処理を実行し、適応フィルタの出力が最小になった時(収束した時)のフィルタ係数を保持し、通常の録音時は保持されているフィルタ係数をロードした適応フィルタを一方のマイクロフォンからの音声信号に通すことにより、感度差の少ない2つのマイクロフォン信号を得ることができるのである。
したがって、このような本発明によれば、2つのマイクロフォンの感度差補正用として、新たに調整回路を追加して設ける必要はなくなり、簡単な構造であるにもかかわらず、感度差のない2つのマイクロフォンが得られるという優れた効果がある。
また、本発明によれば、ステレオ録音機器は2つのマイクロフォンから等距離の場所にスピーカを内蔵し、前記適応フィルタを実行する際にこのスピーカより白色ノイズを発生させているから、2つのマイクロフォンの感度差補正用として、特別な治具、特に外部音源を用いる必要がない等の利点がある。
さらに、本発明によれば、AD変換器のサンプリング周波数を制御するサンプリング周波数制御部により、変更可能なサンプリング周波数毎に感度差補正処理を実行し、各サンプリング周波数に対応してフィルタ係数をフィルタ係数保存部に保存し、通常の録音時にはフィルタ係数保存部から現在のサンプリング周波数に対応したフィルタ係数を選択して使用しているから、2つのマイクロフォンの感度差をなくし、ステレオ録音機器としての機能を発揮させ得るという利点がある。
図1および図2は本発明に係るステレオ音声録音機器のマイクロフォン感度差補正機構およびマイクロフォン感度差補正方法の一実施形態を説明するためのブロック図およびフローチャートである。
これらの図において、まず、図1のブロック図により本発明装置の構成を、以下に説明する。
すなわち、本発明に係るステレオ音声録音機器は、左右にマイクロフォンL−Mic,R−Micを備えている。そして、通常動作(録音動作)においては、左チャンネルのマイクロフォンL−Micから入力した音は、サンプリング周波数制御部で指定されるサンプリング周期でAD変換器1がサンプリングを行うことによりデジタル信号に変換された後、遅延器3により適度な遅延(適応フィルタによる遅延と等しい遅延)を与えられ、音声データ記録部4に入力されて左側の音声信号として記録される。これと同時に、右チャンネルのマイクロフォンR−Micより入力した音は、サンプリング周波数制御部で指定されるサンプリング周期でAD変換器2によりデジタル信号に変換された後、フィルタ係数記憶部9に記憶されているフィルタ係数に従って適応フィルタ5がフィルタ処理を行い、音声データ記録部4に入力されて右側の音声信号として記録される。
すなわち、本発明に係るステレオ音声録音機器は、左右にマイクロフォンL−Mic,R−Micを備えている。そして、通常動作(録音動作)においては、左チャンネルのマイクロフォンL−Micから入力した音は、サンプリング周波数制御部で指定されるサンプリング周期でAD変換器1がサンプリングを行うことによりデジタル信号に変換された後、遅延器3により適度な遅延(適応フィルタによる遅延と等しい遅延)を与えられ、音声データ記録部4に入力されて左側の音声信号として記録される。これと同時に、右チャンネルのマイクロフォンR−Micより入力した音は、サンプリング周波数制御部で指定されるサンプリング周期でAD変換器2によりデジタル信号に変換された後、フィルタ係数記憶部9に記憶されているフィルタ係数に従って適応フィルタ5がフィルタ処理を行い、音声データ記録部4に入力されて右側の音声信号として記録される。
また、感度差補正動作(適応フィルタの学習動作)においては、左チャンネルのマイクロフォンL−Micから入力した音はAD変換器1によりデジタル信号に変換された後、適応フィルタ5の主信号入力(d)となる。これと同時に、右チャンネルのマイクロフォンR−Micより入力した音はAD変換器2によりデジタル信号に変換された後、適応フィルタ5の参照信号(x)となる。そして、主信号入力(d)と適応フィルタ出力との差分である減算信号(e)が信号減算部6により出力され、適応フィルタ5は適応フィルタ制御部8の制御に従って、減算信号(e)の二乗平均を最小にするように適応フィルタ5の係数を更新していき、更新されたフィルタ係数をフィルタ係数記憶部9に記憶する。
なお、適応フィルタ内部の具体的な構成や動作原理については上述した特許文献などでも知られているように一般的な技術であるため詳細な説明は省略するが、例えば、適応フィルタ5を、ベクトル生成部と線形結合器で構成されるFIRデジタルフィルタで構成し、適応フィルタ制御部が、LMSアルゴリズムなどの適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数を学習、更新させていくように構成される。
なお、適応フィルタ内部の具体的な構成や動作原理については上述した特許文献などでも知られているように一般的な技術であるため詳細な説明は省略するが、例えば、適応フィルタ5を、ベクトル生成部と線形結合器で構成されるFIRデジタルフィルタで構成し、適応フィルタ制御部が、LMSアルゴリズムなどの適応アルゴリズムに従ってフィルタ係数を学習、更新させていくように構成される。
図2のフローチャートにより本発明装置の動作を、以下に説明する。
なお、図2のフローチャートに基づく動作は、主に適応フィルタ制御部8により実行されるものであるが、この適応フィルタ制御部8は電子回路だけで構成してもよいし、図示しないCPUがプログラムを実行することにより制御する構成としてもよい。
まず、感度差補正処理について説明する。
音声入力機器の2つのマイクロフォンL−Mic,R−Micから等距離に感度差補正用音源を設置し、白色ノイズ等の全周波数成分を含む音声を発生させておく。そして、利用者が感度補正動作を開始する指示操作を行った後、サンプリング周波数制御部のサンプリング周波数を、機器が設定可能な複数のサンプリング周波数の中で最初の周波数に設定する。この状態で前記適応フィルタ5によるフィルタ係数の学習動作を開始する。学習動作中においては、例えば、FIRデジタルフィルタで構成される適応フィルタの係数がLMSアルゴリズムに従って繰り返し更新され、徐々に収束していく。(S1)。そして、適応フィルタ5が収束するための一定時間が経過したか否かを判断し(S1−1)、一定時間が経過した時点で適応フィルタ5の学習動作を停止する(S2)。
なお、図2のフローチャートに基づく動作は、主に適応フィルタ制御部8により実行されるものであるが、この適応フィルタ制御部8は電子回路だけで構成してもよいし、図示しないCPUがプログラムを実行することにより制御する構成としてもよい。
まず、感度差補正処理について説明する。
音声入力機器の2つのマイクロフォンL−Mic,R−Micから等距離に感度差補正用音源を設置し、白色ノイズ等の全周波数成分を含む音声を発生させておく。そして、利用者が感度補正動作を開始する指示操作を行った後、サンプリング周波数制御部のサンプリング周波数を、機器が設定可能な複数のサンプリング周波数の中で最初の周波数に設定する。この状態で前記適応フィルタ5によるフィルタ係数の学習動作を開始する。学習動作中においては、例えば、FIRデジタルフィルタで構成される適応フィルタの係数がLMSアルゴリズムに従って繰り返し更新され、徐々に収束していく。(S1)。そして、適応フィルタ5が収束するための一定時間が経過したか否かを判断し(S1−1)、一定時間が経過した時点で適応フィルタ5の学習動作を停止する(S2)。
このとき、適応フィルタ5の係数は全ての周波数帯にわたって2つのマイクロフォンL−Mic,R−Micの感度差が最も少ない状態になるよう調整されている。この時の係数を設定されているサンプリング周波数に対応したフィルタ係数としてフィルタ係数記憶部9に保存する(S3)。
通常、音声録音機器はサンプリング周波数を変えることにより録音時間を調整できるようになっているが、サンプリング周波数が変わると適応フィルタ5の係数(特性)も変わるために、機器が設定可能な全てのサンプリング周波数に対応したフィルタ係数を記憶しておく必要がある。このため、全てのサンプリング周波数に対して処理が行われたか否かを判断し(S8)、全てのサンプリング周波数に対して処理が行われた場合には感度補正処理を終了し、まだ全てのサンプリング周波数に対して処理が行われていない場合には、次のサンプリング周波数に変更し(S4)、再びステップS1からの処理を繰り返し、新たなサンプリング周波数に対応するフィルタ係数を求めフィルタ係数記憶部9に保存する。
次に、通常の録音動作の場合について説明する。
利用者による録音開始の指示操作が行われた後、サンプリング周波数制御部に設定されている現在のサンプリング周波数に対応してフィルタ係数記憶部9に記憶されているフィルタ係数を適応フィルタ5にロードする(S5)。
利用者による録音開始の指示操作が行われた後、サンプリング周波数制御部に設定されている現在のサンプリング周波数に対応してフィルタ係数記憶部9に記憶されているフィルタ係数を適応フィルタ5にロードする(S5)。
次に、適応フィルタ5のフィルタ更新動作を停止させ適応フィルタ5を固定フィルタとして動作させる(S6)。この結果、左チャンネルのマイクロフォンL−Micから入力した音は、サンプリング周波数制御部で指定されるサンプリング周期でAD変換器1がサンプリングを行うことによりデジタル信号に変換された後、遅延器3により適度な遅延を与えられ、音声データ記録部4に入力されて左側の音声信号として逐次記録されていく。これと同時に、右チャンネルのマイクロフォンR−Micより入力した音は、サンプリング周波数制御部で指定されるサンプリング周期でAD変換器2によりデジタル信号に変換された後、設定されているサンプリング周波数に対応し、且つ、感度差補正済みのフィルタ係数に従って適応フィルタ5がフィルタ処理を行い、音声データ記録部4に入力されて右側の音声信号として記録される。そして、利用者による録音終了の指示操作が行われるまでの間この記録動作を続けることにより、音声記録部には左右のマイクロフォンL−Mic,R−Micから同じレベル、同じ周波数特性の信号が入力され、音声データ記録部4において外部または内部の記録媒体に記録される。
<変形例1>
上記実施形態では、音声録音機器の外部にある音源より白色ノイズを発生させて感度差補正処理を行ったが、図4のように音声録音機器に内蔵するスピーカの位置を2つのマイクロフォンL−Mic,R−Micから等距離の場所に設定し、さらに図3に示す乱数発生器11を追加し、乱数データをDA変換器13でアナログ信号に変換したデータを発生させて得られる白色ノイズにより感度差補正処理を行ってもよい。なお、12は乱数発生器制御部である。この変形例1では、利用者による感度補正の指示操作に応じて感度補正を行う他、前回の感度補正からの経過時間や温度変化などのマイク感度に影響を与える環境変化を機器が自動検出して感度補正を行う。
上記実施形態では、音声録音機器の外部にある音源より白色ノイズを発生させて感度差補正処理を行ったが、図4のように音声録音機器に内蔵するスピーカの位置を2つのマイクロフォンL−Mic,R−Micから等距離の場所に設定し、さらに図3に示す乱数発生器11を追加し、乱数データをDA変換器13でアナログ信号に変換したデータを発生させて得られる白色ノイズにより感度差補正処理を行ってもよい。なお、12は乱数発生器制御部である。この変形例1では、利用者による感度補正の指示操作に応じて感度補正を行う他、前回の感度補正からの経過時間や温度変化などのマイク感度に影響を与える環境変化を機器が自動検出して感度補正を行う。
そして、この変形例1の構成によるマイクロフォン感度差補正機構を備えている音声録音機器では、従来のように感度差の補正用として、新に調整回路を追加して設けるといった必要はなくなり、また感度差補正用として外部音源等といった治具を用いる必要がない等の利点を奏するものである。
<変形例2>
上記実施形態では、左チャンネルのマイクロフォンR−Micより入力し、AD変換器1によりデジタル信号に変換された音声信号を遅延器3に入力したが、遅延器3の変わりに雑音除去フィルタを用いるようにしてもよい。そしてこの変形例2では、適応フィルタ5は、左右の感度差を補正する他、左側の雑音除去フィルタと同じ特性の雑音除去を行うようにフィルタ係数を学習する。
そして、この変形例2の構成によるマイクロフォン感度差補正機構を備えている音声録音機器では、感度差の補正用の調整回路を追加して設ける必要がなくなるだけでなく、雑音除去フィルタの個数も減らすことができる利点を奏するものである。
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、ステレオ音声録音機器やそのマイクロフォン感度差補正機構を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
上記実施形態では、左チャンネルのマイクロフォンR−Micより入力し、AD変換器1によりデジタル信号に変換された音声信号を遅延器3に入力したが、遅延器3の変わりに雑音除去フィルタを用いるようにしてもよい。そしてこの変形例2では、適応フィルタ5は、左右の感度差を補正する他、左側の雑音除去フィルタと同じ特性の雑音除去を行うようにフィルタ係数を学習する。
そして、この変形例2の構成によるマイクロフォン感度差補正機構を備えている音声録音機器では、感度差の補正用の調整回路を追加して設ける必要がなくなるだけでなく、雑音除去フィルタの個数も減らすことができる利点を奏するものである。
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、ステレオ音声録音機器やそのマイクロフォン感度差補正機構を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば、上述した実施形態では、適応フィルタ5を右チャンネルのマイクロフォンR−Mic側に設けた場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、左側のマイクロフォンL−Mic、あるいは左右のマイクロフォンL−Mic,R−Micの両方に設けるように構成してもよいことは言うまでもない。
1,2…第1、第2のAD変換器、3…遅延器、4…音声データ記録部、5…適応フィルタ、6…信号減算部、7…サンプリング周波数制御部、8…適応フィルタ制御部、9…フィルタ係数記憶部、11…乱数発生器、12…乱数発生器制御部、13…DA変換器、L−Mic,R−Mic…左右マイクロフォン。
Claims (10)
- 左右2つのマイクロフォンから入力される音声信号をステレオ音声として録音するステレオ音声録音装置であって、
一方のマイクロフォンからの音声信号に対して挿入される適応フィルタと、
前記適応フィルタの係数を保存するフィルタ係数保存部と、
感度差補正時においては2つのマイクロフォンから等距離にある音源より音声が発生されている状態で、一方のマイクロフォンからの音声信号を主信号とし、もう一方のマイクロフォンからの音声信号を参照信号とする前記適応フィルタの適応処理を実行させ、収束した時点のフィルタ係数を前記フィルタ係数保存部に保存し、通常の録音時においては前記適応フィルタに前記フィルタ係数保存部からフィルタ係数をロードし、固定フィルタとして使用する適応フィルタ制御部と、
を具備することを特徴とするステレオ音声録音装置。 - 左右2つのマイクロフォンから等距離に位置する内蔵スピーカを更に備え、
前記適応フィルタ制御部は、感度差補正時に前記内蔵スピーカから疑似白色ノイズを発生させ、この疑似白色ノイズを発生させた状態で前記適応フィルタの適応処理を実行させることを特徴とする請求項1記載のステレオ音声録音装置。 - 前記マイクロフォンから入力される音声信号をサンプリングするサンプリング周波数を制御するサンプリング周波数制御部を有し、
前記適応フィルタ制御部は、感度差補正時においては変更可能なサンプリング周波数毎に感度差補正処理を実行し、各サンプリング周波数に対応してフィルタ係数を前記フィルタ係数保存部に保存し、通常の録音時には前記フィルタ係数保存部から現在のサンプリング周波数に対応したフィルタ係数を選択して使用することを特徴とする請求項1記載のステレオ音声録音装置。 - 前記適応フィルタ制御部は、利用者による感度補正の指示操作に応じて前記感度差補正時の処理を行うことを特徴とする請求項1記載のステレオ音声録音装置。
- 前記適応フィルタ制御部は、マイク感度に影響を与える環境変化を検出した場合に前記感度差補正時の処理を行うことを特徴とする請求項1記載のステレオ音声録音装置。
- 前記適応フィルタが挿入されていない側のマイクロフォンからの音声信号に対しては遅延器を挿入することを特徴とする請求項1記載のステレオ音声録音装置。
- 前記適応フィルタが挿入されていない側のマイクロフォンからの音声信号に対しては雑音除去フィルタを挿入し、
前記適応フィルタ制御部は、左右の感度差の他に前記雑音除去フィルタの特性を前記適応フィルタに学習させることを特徴とする請求項1記載のステレオ音声録音装置。 - 左右2つのマイクロフォンから入力される音声信号をステレオ音声として録音するステレオ音声録音手段と、一方のマイクロフォンからの音声信号に対して挿入される適応フィルタと、この適応フィルタの係数を保持するフィルタ係数保存部と、を備えたステレオ音声録音機器のマイクロフォン感度差補正方法であって、
感度差補正時においては2つのマイクロフォンから等距離にある音源より録音可能な全周波数成分を含む音声が発生されている状態で、一方のマイクロフォンからの音声信号を主信号とし、もう一方のマイクロフォンからの音声信号を参照信号とする前記適応フィルタの適応処理を実行させ、収束した時点のフィルタ係数を前記フィルタ係数保存部に保存し、
通常の録音時においては前記適応フィルタに前記フィルタ係数保存部からフィルタ係数をロードし、適応フィルタの係数更新処理を停止させ固定フィルタとして使用することを特徴とするステレオ音声録音機器のマイクロフォン感度差補正方法。 - 前記感度差補正の処理を行う際に、左右2つのマイクロフォンから等距離に位置する内蔵スピーカから疑似白色ノイズを発生させることを特徴とする請求項8記載のステレオ音声録音機器のマイクロフォン感度差補正方法。
- 前記マイクロフォンから入力される音声信号をサンプリングするサンプリング周波数を制御するサンプリング周波数制御部が変更可能なサンプリング周波数毎に感度差補正処理を実行し、各サンプリング周波数に対応してフィルタ係数を前記フィルタ係数保存部に保存し、
通常の録音時には前記フィルタ係数保存部から現在のサンプリング周波数に対応したフィルタ係数を選択して使用することを特徴とする請求項8記載のステレオ音声録音機器のマイクロフォン感度差補正方法。
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