JP2004343337A - アンテナ装置、放送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】テレビジョン放送のように利用周波数帯域が広い場合にも使用可能な小型サイズのアンテナユニット及び放送受信装置を提供すること。
【解決手段】マッチング制御信号発生回路14において、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1に対応したマッチング制御信号S2,S3を発生させ、このマッチング制御信号S2,S3により、マッチング回路13の切替スイッチSW11,SW12,SW21,SW22の切替制御を行って、直列回路部16と並列回路部17のインダクタンス値の切り替えを行うことで、受信可能な周波数帯域の拡大を図るようにした。
【選択図】 図4
【解決手段】マッチング制御信号発生回路14において、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1に対応したマッチング制御信号S2,S3を発生させ、このマッチング制御信号S2,S3により、マッチング回路13の切替スイッチSW11,SW12,SW21,SW22の切替制御を行って、直列回路部16と並列回路部17のインダクタンス値の切り替えを行うことで、受信可能な周波数帯域の拡大を図るようにした。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばテレビジョン放送を受信するのに好適なアンテナ装置と、そのようなアンテナ装置を備えた放送受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯可能な大きさでテレビジョン放送波を受信することができるTV放送受信装置としては、図12に示すようなものが知られている。
この図12に示すような従来のTV放送受信端末装置100においては、テレビジョン放送の受信用アンテナとして棒状アンテナ101が取り付けられている。
【0003】
ところで、地上波などのテレビジョン放送は、VHF(Very High Frequency)帯、及びUHF(Ultra High Freqency)帯の電波を利用している。例えばUHF帯の電波を利用したテレビジョン放送であれば、UHF帯(300MHz〜3000MHz)の電波のうち、470MHz〜770MHzの周波数範囲の電波を利用しているため、テレビジョン放送波を受信するTV放送受信端末装置100では、どうしても棒状アンテナ101の形状が長大になる。このため、携帯性を損なうという欠点があった。また美観的にも好ましいものではなかった。
【0004】
そこで、移動体向けのTV放送受信装置のアンテナとしては、例えばセラミックなどの高誘電体材料に三次元金属パターンを形成して小型化した平面アンテナなどが提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−252516号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているように、高誘電体材料を用いて小型アンテナを構成した場合は、アンテナとしての共振値が非常に高くなり、周波数帯域が非常に狭くなる。
このため、例えば空洞を設けるなどして周波数帯域を広げたとしても、テレビジョン放送のように、利用周波数帯域が広い場合や、或いは利用周波数帯域がVHF帯とUHF帯のように複数の周波数帯域にまたがっている場合には使用することができなかった。
即ち、これまでは、テレビジョン放送などの利用周波数帯域が広い電波を受信可能な小型のアンテナ装置は存在しなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、例えばテレビジョン放送などの利用周波数帯域が広い放送電波を受信可能な小型サイズのアンテナ装置と、そのようなアンテナ装置を備えた放送受信装置を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のアンテナ装置は、アンテナ素子と、複数のリアクタンス素子を所定の接続態様により接続して形成され、複数のリアクタンス素子が有するとされるリアクタンスに応じて、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンが、同調周波数帯域に応じて切り替えられるように構成されるマッチング回路と、受信すべき周波数に対応した同調周波数帯域が設定されるように、マッチング回路における回路パターンを切り替える切替手段とを備えている。
【0009】
本発明によれば、マッチング回路に、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンを形成し、受信すべき周波数に対応した同調周波数帯域が設定されるように、切替手段により回路パターンの切り替えを行うようにしたことで、アンテナ素子の受信周波数帯域の拡大を図ることが可能になる。
【0010】
また、本発明の放送受信装置は、アンテナ素子と、所望の受信チャンネルの放送波を選択して受信を行う可能な受信手段と、複数のリアクタンス素子を所定の接続態様により接続して形成され、複数のリアクタンス素子が有するとされるリアクタンスに応じて、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンが、同調周波数帯域に応じて切り替えられるように構成されるマッチング回路と、受信手段から入力される受信チャンネル選択信号に対応した同調周波数帯域が設定されるように、マッチング回路における回路パターンを切り替える切替手段とを備えている。
【0011】
本発明によれば、マッチング回路に、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンを形成し、受信手段から入力される受信チャンネル選択信号に対応した同調周波数帯域が設定されるように、切替手段により回路パターンの切り替えを行うようにしたことで、アンテナ素子の受信周波数帯域の拡大を図ることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態としての携帯端末装置の外観構造を示した図である。
この図1に示す携帯端末装置1は、例えばテレビジョン放送を受信して表示画面1aにテレビジョン画像を表示することが可能とされる。また、その選局操作は、操作部1bにより行うことができる。
【0013】
また、このような携帯端末装置1では、例えば、その上端部にアンテナ装置であるアンテナユニット2が取り付けられており、上記図12に示したような、従来の棒状アンテナを備えた放送受信装置に比べて、アンテナ部分が小さく、携帯性に優れたものとなっている。
【0014】
なお、アンテナユニット2は、携帯端末装置1から着脱可能なように、携帯端末装置1の上部からアンテナユニット2の一部が露出した構造になっているが、アンテナユニット2は、携帯端末装置1の内部に配置することも可能である。その場合は、アンテナユニット2が外観から見えないので、アンテナユニット2によって携帯端末装置1の外観が損なわれることがないという利点がある。
【0015】
また、携帯端末装置1にアンテナユニット2を取り付ける場合、例えば、携帯端末装置1にカード型メモリを着脱する着脱部が設けられているときは、アンテナユニット2をカード型メモリと同一の形状サイズにすれば、メモリ着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。もちろん、カード型メモリ以外でも、携帯端末装置1に着脱部が設けられていれば、PCカードなどの着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。なお、この場合は、アンテナユニット2が着脱部を介して携帯端末装置1の所要の回路ブロックに対して電気的に接続されることは言うまでもない。
【0016】
上記したようなアンテナユニット2は、例えば図2のように示される。
この図2に示すアンテナユニット2には、放射素子(アンテナ素子)である平面アンテナ11と共に、コンデンサや抵抗、コイル、IC(Integrated Circuit)などの各種電子部品4が設けられている。
平面アンテナ11は、プリント配線基板3上に形成した給電導体31と無給電導体33とにより形成される。
平面アンテナ11の構造は、例えば図11のように示される。
この図11に示す平面アンテナ11は、例えばプリント配線基板3に内層される金属パターンを利用して給電導体31が形成されている。
給電導体31の一端側には、給電部32が設けられており、この給電部32により給電電流を励振させることで、電波を放射又は受信するためのアンテナ素子を形成するようにしている。
【0017】
この場合の給電導体31は、所定長の金属パターンを曲折させた、いわゆるミアンダ形状に形成されている。これにより、より小さい平面サイズで、しかもより低い共振周波数が得られるようにしている。
【0018】
なお、給電導体31の形状は、必ずしもミアンダ形状である必要はなく、より小さい平面サイズで、より低い共振周波数が得られれば他の形状、例えば螺旋状などであっても良い。
【0019】
また、プリント配線基板3の表面両側には、プリント基板の表面両側に設けられる金属パターンを利用して、それぞれ無給電導体33,33を形成するよう にしている。この場合の無給電導体33,33は平板状とされ、給電導体31の両側を覆うように配置される。
【0020】
なお、このような無給電導体33は、プリント配線基板3の上面又は下面の何れか一方だけに形成するようにしても良い。
また、無給電導体33,33はプリント配線基板3の両側表面に設けられている金属パターンを利用して形成する必要はなく、例えばプリント配線基板3の両側に金属板を配置するようにして形成することも可能である。
【0021】
また、給電導体31と無給電導体33,33との間には、プリント配線基板3の基板材料が誘電体34,34として設けられることになる。
この場合、例えばプリント配線基板3の基板材料がガラスエポキシ樹脂であれば、その誘電率は4.7とされる。
【0022】
このように平面アンテナ11を形成した場合には、無給電導体33,33が給電導体31と電磁的に結合して電波の放射を促進させることができるようになる。
【0023】
また、このような平面アンテナ11では、給電導体31と無給電導体33,33との間に設けた誘電体34,34の内部において電波の伝搬速度が遅くなる。従って、図11に示すように、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置すると共に、その間に誘電体34,34を設けるようにして平面アンテナ11を形成すれば、誘電体34,34によって給電導体31の電気長を、実際の物理長より長くすることができる。これにより、平面アンテナ11の共振周波数を低くすることができる。
【0024】
この結果、平面アンテナ11においては、単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合に比べて、より小さい平面サイズで、より共振周波数の低いアンテナを形成することができるようになる。なお、給電導体31と誘電体34だけでは、上記したような効果は殆ど得られないものとされる。
【0025】
また、このように平面アンテナ11を構成した場合は、給電導体31を無給電導体33,33により囲まれた構造となるので、例えば給電導体31が露出するような構造の二次元平面アンテナより外的要因の影響を受けにくいという利点もある。
【0026】
なお、図11に示した平面アンテナ11においては、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置するようにしているが、給電導体31の何れか一方の面との間で、誘電体34を挟んで無給電導体33を配置するだけでも、給電導体31と無給電導体33との電磁結合によってアンテナからの電波の放射を促進することができる。
【0027】
また、その場合も給電導体31と無給電導体33との間に設けられている誘電体34によって単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合より、小さい平面サイズで共振周波数の低い平面アンテナを形成することができる。
【0028】
このように本実施の形態のアンテナユニット2においては、プリント配線基板3上に平面アンテナ11を形成することで、従来のように小型アンテナを形成するにあたって、プリント配線基板3を多層構造にして複雑な金属パターンを三次元的に形成する必要が無く、テレビジョン放送に利用可能な小型アンテナの製造コストを低減することができる。
【0029】
また、プリント配線基板3に対して直接、平面アンテナ11を形成するようにしたことで、アンテナユニット2に搭載すべき、テレビジョン放送用アンテナを別途形成する場合に比べて実装コストを低減することができるという利点もある。
【0030】
また、図2に示したアンテナユニット2には、プリント配線基板3上の所要の電子部品4によってマッチング回路部が形成されている。
図3は、アンテナユニット2のマッチング回路部の構成を示したブロック図である。
この図3に示すようにアンテナユニット2は、平面アンテナ11とマッチング回路部12によって構成され、平面アンテナ11は、一次選択を行うマッチング回路部12を介して二次選択を行う受信機15に接続されることになる。
【0031】
マッチング回路部12は、マッチング回路13とマッチング制御信号発生回路14とから構成され、受信機15において選択される受信チャンネルの受信周波数帯域の電波を、平面アンテナ11で効率よく受信できるように、平面アンテナ11を受信機15の受信チャンネルの受信周波数帯域のマッチング(整合)を図るようにしている。
【0032】
マッチング回路13は、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号(スイッチ切替信号)S2に基づいて、平面アンテナ11を含むアンテナのマッチングを行うようにされる。なお、マッチング回路13の回路構成については後述する。
切替手段である切替マッチング制御信号発生回路14は、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1に応じたマッチング制御信号S2を発生するようにされる。なお、マッチング制御信号発生回路14の構成についても後述する。
【0033】
受信機15は、アンテナユニット2を介して入力されるテレビジョン放送波から所望チャンネルを選択するチューナ、及び選択した放送波信号を復調する復調回路などを備えて構成される。このような受信機15は、アンテナユニット2と共に、上記図2に示したアンテナユニット2のプリント配線基板3上に形成されている。なお、受信機15は、携帯端末装置1の本体側に形成することも可能である。
【0034】
そして、このような本実施の形態のアンテナユニット2においては、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1に基づいて、平面アンテナ11を含むマッチング回路13のマッチング周波数(同調周波数)を可変することで、アンテナユニット2に設けられている平面アンテナ11の利用可能な周波数帯域の拡大を図るようにしている。
これにより、平面アンテナ11の整合周波数帯域が狭帯域であっても、或いは利用周波数帯域から外れていても、平面アンテナ11をテレビジョン放送用のアンテナとして使用できるようにしている。
【0035】
図4は、上記したマッチング回路13の回路構成の一例を示した図である。
この図4に示すマッチング回路13は、例えば、放射素子である平面アンテナ11と受信機15との間に、リアクタンス素子である直列コンデンサC1と、直列回路部16の直列コイルLSが設けられていると共に、直列回路部16と受信機15間の信号ラインとグラウンド(GND)との間に、並列回路部17の並列コイルLPが設けられている。
【0036】
この場合、直列回路部16には、異なるリアクタンスとされる2つのリアクタンス素子として、インダクタンス値が異なる2つの直列コイルLS1,LS2が設けられており、切替スイッチSW11,SW12により、何れか一方の直列コイルLS1またはLS2を選択できるように構成されている。
【0037】
また並列回路部17も、同じく異なるリアクタンスとされる2つのリアクタンス素子として、インダクタンス値が異なる2つの並列コイルLP1,LP2が設けられており、切替スイッチSW21,SW22により、何れか一方の並列コイルLP1またはLP2が選択できるように構成されている。
【0038】
切替スイッチSW(11,12,21,22)は、例えばRFスイッチであり、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2,S3により切り替え可能とされる。
この場合、切替スイッチSW11,SW12は、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2によって、切替スイッチSW11,SW12が共に端子t1または端子t2のどちらかに切り替わるようになっている。
また、切替スイッチSW21,SW22は、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S3によって、切替スイッチSW21,SW22が共に端子t1または端子t2のどちらかに切り替わるようになっている。
なお、これらの切替スイッチSWには、MEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチを用いることも可能である。
【0039】
このようにマッチング回路13では、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2により、切替スイッチSW11,SW12の切り替え制御を行うことで、直列回路部16として、直列コイルLS1,LS2の何れか一方が選択される。
また、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S3により、切替スイッチSW21,SW22の切り替え制御を行うことで、並列回路部17として、並列コイルLP1,LP2の何れか一方が選択される。
【0040】
この結果、マッチング回路13は、図5に示す状態A、状態B、状態C、状態Dの何れかの状態が選択される。
状態Aのときは、直列回路部16として直列コイルLS1が選択され、並列回路部17として並列コイルLP1が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS1、並列コイルLP1により回路パターンが形成されることになる。
また状態Bは、直列回路部16として直列コイルLS1が選択され、並列回路部17として並列コイルLP2が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS1、並列コイルLP2により回路パターンが形成されることになる。
また状態Cは、直列回路部16として直列コイルLS2が選択され、並列回路部17として並列コイルLP1が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS2、並列コイルLP1により回路パターンが形成されることになる。
また状態Dは、直列回路部16として直列コイルLS2が選択され、並列回路部17として並列コイルLP2が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS2、並列コイルLP2により回路パターンが形成されることになる。
【0041】
図6は、マッチング制御信号発生回路14の構成例を示したブロック図である。
この図6に示すマッチング制御信号発生回路14は、制御部21、記憶部22及びスイッチ切替回路23によって構成される。
制御部21は、受信機15から入力される受信チャンネル選択信号S1に基づいて、記憶部22に予め記憶されている状態データから、入力された受信チャンネル選択信号S1に対応する状態データを読み出してスイッチ切替回路23に出力するようにされる。
【0042】
ここで、記憶部22に記憶されている状態データとしては、例えば受信チャンネル選択信号S1に基づいて、上記図5に示したようなマッチング回路13を、状態A〜状態Dの何れかの状態に切り替えるためのデータとされる。
スイッチ切替回路23では、制御部21からの状態データに基づいて、切替スイッチSW11,SW12の切替制御を行うためのマッチング制御信号S2と、切替スイッチSW21,SW22の切替制御を行うためのマッチング制御信号S3を出力するようにされる。
このようにマッチング制御信号発生回路14では、受信機15から入力される受信チャンネル選択信号S1に基づいて、マッチング回路13の同調周波数の切替制御を行うようにしている。
【0043】
図7は、上記したマッチング制御信号発生回路14の制御部21が実行する処理を示したフローチャートである。
この場合、制御部21は、先ず、ステップS101において、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1が変更されたかどうかの判別を行い、変更されているときはステップS102に進む。
【0044】
ステップS102においては、記憶部22に記憶されているデータの読み出しを行い、続くステップS103においては、読み出した状態データに基づいて、スイッチ切替回路23に対して受信チャンネル選択信号S1に対応するマッチング制御信号S2,S3を出力させる制御を行うようにしている。
一方、ステップS101において、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1が変更されていないときは、そのまま処理を終えるようにすれば良い。
【0045】
図8は、本実施の形態のアンテナユニット2のアンテナ特性を示した図である。
なお、この図8においては、アンテナユニット2のマッチング回路13が、上記図5に示した状態A〜状態Dのときのリターンロス特性を示したものである。なお、この図8に示す特性は、直列回路部16の直列コイルLS1、LS2のインダクタンス値をそれぞれ18nH、56nHに設定した場合が示されている。また、並列回路部17の並列コイルLP1,LP2のインダクタンス値をそれぞれ18nH,82nHにした場合が示されている。
【0046】
この図8から、本実施の形態のアンテナユニット2では、直列回路部16のインダクタンス値と、並列回路部17のインダクタンス値をそれぞれ変化させることで、平面アンテナ11の同調周波数帯域を大きく変化させることができることがわかる。なお、本実施の形態では、VSWR≦3になる周波数帯域を同調周波数帯域とする。
【0047】
例えばマッチング回路13が状態Aのとき、直列回路部16では直列コイルLS1(18nH)が、並列回路部17では並列コイルLP1(18nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が466MHz〜563MHzになる。
また、マッチング回路13が状態Bのとき、直列回路部16では直列コイルLS1(18nH)が、並列回路部17では並列コイルLP2(82nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が515MHz〜550MHzになる。
また、マッチング回路13が状態Cのとき、直列回路部16では直列コイルLS2(56nH)が、並列回路部17では並列コイルLP1(18nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が557MHz〜590MHzになる。
またマッチング回路13が状態Dのとき、直列回路部16では直列コイルLS1(56nH)が、並列回路部17では並列コイルLP2(82nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が545MHz〜603MHzになる。
【0048】
これにより、本実施の形態のアンテナユニット2においては、図8に示されているように、平面アンテナ11単体では、520MHz〜540MHz程度と極めて狭い利用周波数帯域を、マッチング回路13の直列回路部16のインダクタンス値と、並列回路部17のインダクタンス値を切り替えることで、平面アンテナ11の同調周波数帯域を466MHz〜603MHzまで拡大することができることになる。
したがって、このような本実施の形態のアンテナユニット2をテレビジョン放送アンテナとして用いるようにすれば、UHF帯の広い周波数帯域において放送電波を受信することが可能になる。
なお、本実施の形態の平面アンテナ11とマッチング回路13の構成によれば、状態Aと状態Dにより、466MHz〜603MHzの範囲をカバーすることができるので、マッチング回路13としては状態Aまたは状態Dの何れかの状態に切り替えるだけで対応することが可能になる。
【0049】
この結果、従来は、テレビジョン放送を受信するためのアンテナを小型アンテナにより構成した場合、利用周波数帯域が狭く、受信できる放送電波に限りがあったが、本実施の形態のようなアンテナユニット2によりテレビジョン放送アンテナを構成すると、利用周波数帯域を広げることができるので、ほぼ全てのUHF帯の放送電波を受信することができるようになる。
【0050】
また、本実施の形態のアンテナユニット2をTV放送受信装置に使用すれば、上記図12に示したような棒状アンテナが不要になるため、TV放送受信装置の小型化を図ることができる。またその携帯性を向上させることができる。
【0051】
さらに、これまでは周波数帯域の広い小型アンテナを構成する場合には、図示していない後段のフィルタに帯域選択が要求されるので、アンテナが大きくなってしまうという欠点があったが、本実施の形態のように、平面アンテナ11自身の整合周波数帯域を切り替えるようにすると、後段のフィルタにおける帯域選択の負担を軽くできるので、アンテナ及びフィルタの大型化を防ぐことができる。
【0052】
さらにまた、従来の整合周波数帯域が広く、利用可能周波数帯域が広い小型アンテナにおいては、或る特定の周波数帯域において利得が極端に低下するなどの不具合が発生するため、利用周波数帯域における利得が不均一になるという欠点があったが、本実施の形態によれば、利用周波数帯域の利得の不均一化を防ぐことも可能になる。
【0053】
また、上記したマッチング回路13の回路構成は、あくまでも一例であり、マッチング回路は他の回路構成でも実現可能とされる。
図9は、マッチング回路の他の回路構成の一例を示した図である。
この図9に示すマッチング回路41は、放射素子である平面アンテナ11と受信機15との間に、直列コンデンサC1と直列回路部16が設けられている。
そして、この場合も上記図4に示したマッチング回路13と同様、直列回路部16は、インダクタンス値が異なる2つの直列コイルLS1,LS2によって形成され、切替スイッチSW11,SW12により、何れか一方の直列コイルLS1またはLS2が選択されるように構成されている。
但し、この場合は、直列コイルLS1−切替スイッチSW12間の信号ラインとグラウンド(GND)間に、並列コイルLP1を接続すると共に、直列コイルLS2−切替スイッチSW12間の信号ラインとグラウンド(GND)間に、並列コイルLP2を接続するようにして構成されている。
つまり、この図9に示すマッチング回路41においては、コンデンサC1、直列コイルLS1、並列コイルLP1を上記したような接続形態により接続して形成した回路パターンと、コンデンサC1、直列コイルLS2、並列コイルLP2を同じく上記したような接続形態により接続して形成した回路パターンが設けられている。
【0054】
そして、このようなマッチング回路41では、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2により、切替スイッチSW11,SW12の切り替え制御を行うことで、上記した2つのい回路パターンのうち、何れか一方の回路パターンを選択するように構成されている。つまり、この図9に示すマッチング回路41は、マッチング制御信号発生回路14の制御により、マッチング回路41が、上記図5に示した状態Aと状態Dの何れかの状態となるように構成されているものである。
従って、このように構成した場合もマッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2によって共振周波数(同調周波数)を切り替えることが可能になる。
【0055】
図10は、上記図9に示したマッチング回路41を備えたアンテナユニット2のアンテナ特性を示した図である。
なお、この図10に示すアンテナ特性は、直列回路部16の直列コイルLS1,LS2のインダクタンス値をそれぞれ18nH,56nH、並列回路部17の並列コイルLP1,LP2のインダクタンス値をそれぞれ18nH,82nHとしている。
【0056】
この図10からわかるように、このようなマッチング回路41においては、切替スイッチSW11,SW12を端子t1側に切り替えることによって、上記図5に示した状態Aと同じになり、平面アンテナ11の同調周波数帯域を466MHz〜563MHzにすることができる。
また、切替スイッチSW11,SW12を端子t2側に切り替えることによって、上記図5に示した状態Dと同じ状態になるので、平面アンテナ11の同調周波数帯域を545MHz〜603MHzにすることができる。
【0057】
つまり、このようにしてアンテナユニット2を構成した場合も、平面アンテナ11の同調周波数帯域を466MHz〜603MHzまで拡大することができ、UHF帯の広い周波数帯域において放送電波を受信することが可能になる。
すなわち、上記マッチング回路13により構成したアンテナユニット2と同等の効果が得られることになる。
【0058】
また、このように構成した場合は、上記図6に示したマッチング回路13において4つ必要であった切替スイッチSWを2つ設けるだけで良いため、それだけコストを削減できるという利点がある。
【0059】
なお、本実施の形態では、マッチング回路13(41)の回路パターンにリアクタンス素子として設けたコイルのインダクタンス値を切り替えることで、回路パターンのリアクタンスを切り替えるようにしているが、これはあくまでも一例であり、コイルの代わりにリアクタンス素子としてコンデンサを設け、コンデンサのキャパシタンスを切り替えることで、リアクタンスを切り替えるようにしても良い。
また、本実施の形態におけるマッチング回路13(41)の回路パターンの接続形態は、あくまでも一例であり、受信すべき周波数において、アンテナ素子である平面アンテナり11が有するべき同調周波帯域を設定できればよいものとされる。
【0060】
また、本実施の形態のマッチング回路13では、4つの切替スイッチSWを設けることで、4つの回路パターンに切替可能な構成とし、またマッチング回路41では、2つの切替スイッチSWを設けることで、2つの回路パターンに切替可能な構成を実現した場合が示されているが、このような構成はあくまでも一例であり、さらに多くの切替スイッチSWを設けることで、さらに多くの回路パターンを切替可能な構成を実現することも可能である。
【0061】
また、本実施の形態におけるマッチング回路13(41)の回路パターンの接続形態は、あくまでも一例であり、受信すべき周波数において、平面アンテナり11が有するべき同調周波帯域を設定できればよいものとされる。
【0062】
また、本実施の形態では、マッチング回路13の回路パターンが状態B、状態Cのときの平面アンテナ11の同調周波数帯域が、状態A、状態Dのときの平面アンテナ11の同調周波数帯域内になっているため、マッチング回路13による平面アンテナ11の同調周波数帯域(466MHz〜603MHz)は、マッチング回路41による平面アンテナ11の同調周波数帯域と同じになっているが、これはあくまでも一例であり、アンテナ素子のインピーダンスや、マッチング回路13の回路パターンの接続形態、回路パターンに用いるリアクタンス素子の種類(コイル又はコンデンサ)、或いはこれらのリアクタンス(インダクタンスやキャパシタンス)を変えることで、マッチング回路13の各状態A,B,C,Dにおけるアンテナ素子の同調周波数帯域を、各状態A,B,C,Dにおいて異なる周波数帯域とすることも可能である。
【0063】
但し、実際のテレビジョン放送の利用周波数は、その地域によって固まった周波数帯域に配置されているため、本実施の形態のように、切替スイッチSWにより2種類の回路パターンによってマッチング周波数帯域を大きく遷移させるだけで対応することが可能になる。そして、例えばバリアブルキャパシタンスを電圧制御して厳密にマッチングを行うより、本実施の形態のように、切替スイッチSWを用いて大きく周波帯域を遷移させるほうが、周波数制御が容易とされることから好ましいと言える。
【0064】
また、本実施の形態においては、UHF帯の放送電波を受信するのに好適なアンテナユニット、及び放送受信装置を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、同様の構成でVHF帯などの他の周波帯域の電波を受信するためのアンテナユニット、及び放送受信装置を実現することも可能である。
さらに、本発明のアンテナユニットは送信用アンテナとして用いることも可能である。
【0065】
また、本実施の形態において説明した平面アンテナ11の構造は、あくまでも一例であり、本発明のアンテナユニット2に設けられるアンテナ素子は他の構造でも良いことはいうまでもない。
例えば、本発明のアンテナユニットに形成すべきアンテナ素子は、必ずしも平面アンテナである必要はない。すなわち、二次元的に形成する必要はなく三次元的に形成することも可能である。また、必ずしもアンテナ素子をプリント配線基板に対して直接形成する必要もない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアンテナ装置は、マッチング回路に、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンを形成し、受信すべき周波数に対応した同調周波数帯域が設定されるように、切替手段により回路パターンの切り替えを行うようにしたことで、アンテナ素子の受信周波数帯域の拡大を図ることが可能になる。これにより、アンテナ素子として周波数帯域が狭いとされる小型のアンテナ素子を用いて広帯域の電波を受信可能なアンテナ装置を実現することができる。
したがって、本発明のアンテナ装置をテレビジョン放送を受信する放送受信装置に適用すれば、放送受信装置のアンテナ装置の小型化を図ることが可能になり、携帯性に優れた放送受信装置を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての携帯端末装置の外観図である。
【図2】本実施の形態としてのアンテナユニットの外観図である。
【図3】アンテナユニットの構成を示したブロック図である。
【図4】マッチング回路の構成を示した図である。
【図5】マッチング回路の状態遷移図である。
【図6】マッチング制御信号発生回路の構成例を示したブロック図である。
【図7】マッチング制御信号発生回路が実行する処理動作を示したフローチャートである。
【図8】アンテナユニットのアンテナ特性を示した図である。
【図9】マッチング回路の他の構成を示した図である。
【図10】図9に示したマッチング回路を備えたアンテナユニットの特性を示した図である。
【図11】本実施の形態のアンテナユニットに適用可能な平面アンテナの構造を示した図である。
【図12】従来の放送受信端末装置の外観図である。
【符号の説明】
1 携帯端末装置、2 アンテナユニット、3 プリント配線基板、4 電子部品、11 平面アンテナ、12 マッチング回路部、13 41 マッチング回路、14 マッチング制御信号発生回路、15 受信機、16 直列回路部、17 並列回路部、21 制御部、22 記憶部、23 スイッチ切替回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばテレビジョン放送を受信するのに好適なアンテナ装置と、そのようなアンテナ装置を備えた放送受信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、携帯可能な大きさでテレビジョン放送波を受信することができるTV放送受信装置としては、図12に示すようなものが知られている。
この図12に示すような従来のTV放送受信端末装置100においては、テレビジョン放送の受信用アンテナとして棒状アンテナ101が取り付けられている。
【0003】
ところで、地上波などのテレビジョン放送は、VHF(Very High Frequency)帯、及びUHF(Ultra High Freqency)帯の電波を利用している。例えばUHF帯の電波を利用したテレビジョン放送であれば、UHF帯(300MHz〜3000MHz)の電波のうち、470MHz〜770MHzの周波数範囲の電波を利用しているため、テレビジョン放送波を受信するTV放送受信端末装置100では、どうしても棒状アンテナ101の形状が長大になる。このため、携帯性を損なうという欠点があった。また美観的にも好ましいものではなかった。
【0004】
そこで、移動体向けのTV放送受信装置のアンテナとしては、例えばセラミックなどの高誘電体材料に三次元金属パターンを形成して小型化した平面アンテナなどが提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−252516号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載されているように、高誘電体材料を用いて小型アンテナを構成した場合は、アンテナとしての共振値が非常に高くなり、周波数帯域が非常に狭くなる。
このため、例えば空洞を設けるなどして周波数帯域を広げたとしても、テレビジョン放送のように、利用周波数帯域が広い場合や、或いは利用周波数帯域がVHF帯とUHF帯のように複数の周波数帯域にまたがっている場合には使用することができなかった。
即ち、これまでは、テレビジョン放送などの利用周波数帯域が広い電波を受信可能な小型のアンテナ装置は存在しなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は上記したような点を鑑みてなされたものであり、例えばテレビジョン放送などの利用周波数帯域が広い放送電波を受信可能な小型サイズのアンテナ装置と、そのようなアンテナ装置を備えた放送受信装置を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明のアンテナ装置は、アンテナ素子と、複数のリアクタンス素子を所定の接続態様により接続して形成され、複数のリアクタンス素子が有するとされるリアクタンスに応じて、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンが、同調周波数帯域に応じて切り替えられるように構成されるマッチング回路と、受信すべき周波数に対応した同調周波数帯域が設定されるように、マッチング回路における回路パターンを切り替える切替手段とを備えている。
【0009】
本発明によれば、マッチング回路に、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンを形成し、受信すべき周波数に対応した同調周波数帯域が設定されるように、切替手段により回路パターンの切り替えを行うようにしたことで、アンテナ素子の受信周波数帯域の拡大を図ることが可能になる。
【0010】
また、本発明の放送受信装置は、アンテナ素子と、所望の受信チャンネルの放送波を選択して受信を行う可能な受信手段と、複数のリアクタンス素子を所定の接続態様により接続して形成され、複数のリアクタンス素子が有するとされるリアクタンスに応じて、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンが、同調周波数帯域に応じて切り替えられるように構成されるマッチング回路と、受信手段から入力される受信チャンネル選択信号に対応した同調周波数帯域が設定されるように、マッチング回路における回路パターンを切り替える切替手段とを備えている。
【0011】
本発明によれば、マッチング回路に、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンを形成し、受信手段から入力される受信チャンネル選択信号に対応した同調周波数帯域が設定されるように、切替手段により回路パターンの切り替えを行うようにしたことで、アンテナ素子の受信周波数帯域の拡大を図ることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態としての携帯端末装置の外観構造を示した図である。
この図1に示す携帯端末装置1は、例えばテレビジョン放送を受信して表示画面1aにテレビジョン画像を表示することが可能とされる。また、その選局操作は、操作部1bにより行うことができる。
【0013】
また、このような携帯端末装置1では、例えば、その上端部にアンテナ装置であるアンテナユニット2が取り付けられており、上記図12に示したような、従来の棒状アンテナを備えた放送受信装置に比べて、アンテナ部分が小さく、携帯性に優れたものとなっている。
【0014】
なお、アンテナユニット2は、携帯端末装置1から着脱可能なように、携帯端末装置1の上部からアンテナユニット2の一部が露出した構造になっているが、アンテナユニット2は、携帯端末装置1の内部に配置することも可能である。その場合は、アンテナユニット2が外観から見えないので、アンテナユニット2によって携帯端末装置1の外観が損なわれることがないという利点がある。
【0015】
また、携帯端末装置1にアンテナユニット2を取り付ける場合、例えば、携帯端末装置1にカード型メモリを着脱する着脱部が設けられているときは、アンテナユニット2をカード型メモリと同一の形状サイズにすれば、メモリ着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。もちろん、カード型メモリ以外でも、携帯端末装置1に着脱部が設けられていれば、PCカードなどの着脱部を利用して着脱を行うことも可能である。なお、この場合は、アンテナユニット2が着脱部を介して携帯端末装置1の所要の回路ブロックに対して電気的に接続されることは言うまでもない。
【0016】
上記したようなアンテナユニット2は、例えば図2のように示される。
この図2に示すアンテナユニット2には、放射素子(アンテナ素子)である平面アンテナ11と共に、コンデンサや抵抗、コイル、IC(Integrated Circuit)などの各種電子部品4が設けられている。
平面アンテナ11は、プリント配線基板3上に形成した給電導体31と無給電導体33とにより形成される。
平面アンテナ11の構造は、例えば図11のように示される。
この図11に示す平面アンテナ11は、例えばプリント配線基板3に内層される金属パターンを利用して給電導体31が形成されている。
給電導体31の一端側には、給電部32が設けられており、この給電部32により給電電流を励振させることで、電波を放射又は受信するためのアンテナ素子を形成するようにしている。
【0017】
この場合の給電導体31は、所定長の金属パターンを曲折させた、いわゆるミアンダ形状に形成されている。これにより、より小さい平面サイズで、しかもより低い共振周波数が得られるようにしている。
【0018】
なお、給電導体31の形状は、必ずしもミアンダ形状である必要はなく、より小さい平面サイズで、より低い共振周波数が得られれば他の形状、例えば螺旋状などであっても良い。
【0019】
また、プリント配線基板3の表面両側には、プリント基板の表面両側に設けられる金属パターンを利用して、それぞれ無給電導体33,33を形成するよう にしている。この場合の無給電導体33,33は平板状とされ、給電導体31の両側を覆うように配置される。
【0020】
なお、このような無給電導体33は、プリント配線基板3の上面又は下面の何れか一方だけに形成するようにしても良い。
また、無給電導体33,33はプリント配線基板3の両側表面に設けられている金属パターンを利用して形成する必要はなく、例えばプリント配線基板3の両側に金属板を配置するようにして形成することも可能である。
【0021】
また、給電導体31と無給電導体33,33との間には、プリント配線基板3の基板材料が誘電体34,34として設けられることになる。
この場合、例えばプリント配線基板3の基板材料がガラスエポキシ樹脂であれば、その誘電率は4.7とされる。
【0022】
このように平面アンテナ11を形成した場合には、無給電導体33,33が給電導体31と電磁的に結合して電波の放射を促進させることができるようになる。
【0023】
また、このような平面アンテナ11では、給電導体31と無給電導体33,33との間に設けた誘電体34,34の内部において電波の伝搬速度が遅くなる。従って、図11に示すように、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置すると共に、その間に誘電体34,34を設けるようにして平面アンテナ11を形成すれば、誘電体34,34によって給電導体31の電気長を、実際の物理長より長くすることができる。これにより、平面アンテナ11の共振周波数を低くすることができる。
【0024】
この結果、平面アンテナ11においては、単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合に比べて、より小さい平面サイズで、より共振周波数の低いアンテナを形成することができるようになる。なお、給電導体31と誘電体34だけでは、上記したような効果は殆ど得られないものとされる。
【0025】
また、このように平面アンテナ11を構成した場合は、給電導体31を無給電導体33,33により囲まれた構造となるので、例えば給電導体31が露出するような構造の二次元平面アンテナより外的要因の影響を受けにくいという利点もある。
【0026】
なお、図11に示した平面アンテナ11においては、給電導体31の両側に無給電導体33,33を配置するようにしているが、給電導体31の何れか一方の面との間で、誘電体34を挟んで無給電導体33を配置するだけでも、給電導体31と無給電導体33との電磁結合によってアンテナからの電波の放射を促進することができる。
【0027】
また、その場合も給電導体31と無給電導体33との間に設けられている誘電体34によって単に給電導体31を用いて平面アンテナを形成する場合より、小さい平面サイズで共振周波数の低い平面アンテナを形成することができる。
【0028】
このように本実施の形態のアンテナユニット2においては、プリント配線基板3上に平面アンテナ11を形成することで、従来のように小型アンテナを形成するにあたって、プリント配線基板3を多層構造にして複雑な金属パターンを三次元的に形成する必要が無く、テレビジョン放送に利用可能な小型アンテナの製造コストを低減することができる。
【0029】
また、プリント配線基板3に対して直接、平面アンテナ11を形成するようにしたことで、アンテナユニット2に搭載すべき、テレビジョン放送用アンテナを別途形成する場合に比べて実装コストを低減することができるという利点もある。
【0030】
また、図2に示したアンテナユニット2には、プリント配線基板3上の所要の電子部品4によってマッチング回路部が形成されている。
図3は、アンテナユニット2のマッチング回路部の構成を示したブロック図である。
この図3に示すようにアンテナユニット2は、平面アンテナ11とマッチング回路部12によって構成され、平面アンテナ11は、一次選択を行うマッチング回路部12を介して二次選択を行う受信機15に接続されることになる。
【0031】
マッチング回路部12は、マッチング回路13とマッチング制御信号発生回路14とから構成され、受信機15において選択される受信チャンネルの受信周波数帯域の電波を、平面アンテナ11で効率よく受信できるように、平面アンテナ11を受信機15の受信チャンネルの受信周波数帯域のマッチング(整合)を図るようにしている。
【0032】
マッチング回路13は、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号(スイッチ切替信号)S2に基づいて、平面アンテナ11を含むアンテナのマッチングを行うようにされる。なお、マッチング回路13の回路構成については後述する。
切替手段である切替マッチング制御信号発生回路14は、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1に応じたマッチング制御信号S2を発生するようにされる。なお、マッチング制御信号発生回路14の構成についても後述する。
【0033】
受信機15は、アンテナユニット2を介して入力されるテレビジョン放送波から所望チャンネルを選択するチューナ、及び選択した放送波信号を復調する復調回路などを備えて構成される。このような受信機15は、アンテナユニット2と共に、上記図2に示したアンテナユニット2のプリント配線基板3上に形成されている。なお、受信機15は、携帯端末装置1の本体側に形成することも可能である。
【0034】
そして、このような本実施の形態のアンテナユニット2においては、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1に基づいて、平面アンテナ11を含むマッチング回路13のマッチング周波数(同調周波数)を可変することで、アンテナユニット2に設けられている平面アンテナ11の利用可能な周波数帯域の拡大を図るようにしている。
これにより、平面アンテナ11の整合周波数帯域が狭帯域であっても、或いは利用周波数帯域から外れていても、平面アンテナ11をテレビジョン放送用のアンテナとして使用できるようにしている。
【0035】
図4は、上記したマッチング回路13の回路構成の一例を示した図である。
この図4に示すマッチング回路13は、例えば、放射素子である平面アンテナ11と受信機15との間に、リアクタンス素子である直列コンデンサC1と、直列回路部16の直列コイルLSが設けられていると共に、直列回路部16と受信機15間の信号ラインとグラウンド(GND)との間に、並列回路部17の並列コイルLPが設けられている。
【0036】
この場合、直列回路部16には、異なるリアクタンスとされる2つのリアクタンス素子として、インダクタンス値が異なる2つの直列コイルLS1,LS2が設けられており、切替スイッチSW11,SW12により、何れか一方の直列コイルLS1またはLS2を選択できるように構成されている。
【0037】
また並列回路部17も、同じく異なるリアクタンスとされる2つのリアクタンス素子として、インダクタンス値が異なる2つの並列コイルLP1,LP2が設けられており、切替スイッチSW21,SW22により、何れか一方の並列コイルLP1またはLP2が選択できるように構成されている。
【0038】
切替スイッチSW(11,12,21,22)は、例えばRFスイッチであり、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2,S3により切り替え可能とされる。
この場合、切替スイッチSW11,SW12は、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2によって、切替スイッチSW11,SW12が共に端子t1または端子t2のどちらかに切り替わるようになっている。
また、切替スイッチSW21,SW22は、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S3によって、切替スイッチSW21,SW22が共に端子t1または端子t2のどちらかに切り替わるようになっている。
なお、これらの切替スイッチSWには、MEMS(Micro Electro Mechanical System)スイッチを用いることも可能である。
【0039】
このようにマッチング回路13では、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2により、切替スイッチSW11,SW12の切り替え制御を行うことで、直列回路部16として、直列コイルLS1,LS2の何れか一方が選択される。
また、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S3により、切替スイッチSW21,SW22の切り替え制御を行うことで、並列回路部17として、並列コイルLP1,LP2の何れか一方が選択される。
【0040】
この結果、マッチング回路13は、図5に示す状態A、状態B、状態C、状態Dの何れかの状態が選択される。
状態Aのときは、直列回路部16として直列コイルLS1が選択され、並列回路部17として並列コイルLP1が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS1、並列コイルLP1により回路パターンが形成されることになる。
また状態Bは、直列回路部16として直列コイルLS1が選択され、並列回路部17として並列コイルLP2が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS1、並列コイルLP2により回路パターンが形成されることになる。
また状態Cは、直列回路部16として直列コイルLS2が選択され、並列回路部17として並列コイルLP1が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS2、並列コイルLP1により回路パターンが形成されることになる。
また状態Dは、直列回路部16として直列コイルLS2が選択され、並列回路部17として並列コイルLP2が選択され、コンデンサC1、直列コイルLS2、並列コイルLP2により回路パターンが形成されることになる。
【0041】
図6は、マッチング制御信号発生回路14の構成例を示したブロック図である。
この図6に示すマッチング制御信号発生回路14は、制御部21、記憶部22及びスイッチ切替回路23によって構成される。
制御部21は、受信機15から入力される受信チャンネル選択信号S1に基づいて、記憶部22に予め記憶されている状態データから、入力された受信チャンネル選択信号S1に対応する状態データを読み出してスイッチ切替回路23に出力するようにされる。
【0042】
ここで、記憶部22に記憶されている状態データとしては、例えば受信チャンネル選択信号S1に基づいて、上記図5に示したようなマッチング回路13を、状態A〜状態Dの何れかの状態に切り替えるためのデータとされる。
スイッチ切替回路23では、制御部21からの状態データに基づいて、切替スイッチSW11,SW12の切替制御を行うためのマッチング制御信号S2と、切替スイッチSW21,SW22の切替制御を行うためのマッチング制御信号S3を出力するようにされる。
このようにマッチング制御信号発生回路14では、受信機15から入力される受信チャンネル選択信号S1に基づいて、マッチング回路13の同調周波数の切替制御を行うようにしている。
【0043】
図7は、上記したマッチング制御信号発生回路14の制御部21が実行する処理を示したフローチャートである。
この場合、制御部21は、先ず、ステップS101において、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1が変更されたかどうかの判別を行い、変更されているときはステップS102に進む。
【0044】
ステップS102においては、記憶部22に記憶されているデータの読み出しを行い、続くステップS103においては、読み出した状態データに基づいて、スイッチ切替回路23に対して受信チャンネル選択信号S1に対応するマッチング制御信号S2,S3を出力させる制御を行うようにしている。
一方、ステップS101において、受信機15からの受信チャンネル選択信号S1が変更されていないときは、そのまま処理を終えるようにすれば良い。
【0045】
図8は、本実施の形態のアンテナユニット2のアンテナ特性を示した図である。
なお、この図8においては、アンテナユニット2のマッチング回路13が、上記図5に示した状態A〜状態Dのときのリターンロス特性を示したものである。なお、この図8に示す特性は、直列回路部16の直列コイルLS1、LS2のインダクタンス値をそれぞれ18nH、56nHに設定した場合が示されている。また、並列回路部17の並列コイルLP1,LP2のインダクタンス値をそれぞれ18nH,82nHにした場合が示されている。
【0046】
この図8から、本実施の形態のアンテナユニット2では、直列回路部16のインダクタンス値と、並列回路部17のインダクタンス値をそれぞれ変化させることで、平面アンテナ11の同調周波数帯域を大きく変化させることができることがわかる。なお、本実施の形態では、VSWR≦3になる周波数帯域を同調周波数帯域とする。
【0047】
例えばマッチング回路13が状態Aのとき、直列回路部16では直列コイルLS1(18nH)が、並列回路部17では並列コイルLP1(18nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が466MHz〜563MHzになる。
また、マッチング回路13が状態Bのとき、直列回路部16では直列コイルLS1(18nH)が、並列回路部17では並列コイルLP2(82nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が515MHz〜550MHzになる。
また、マッチング回路13が状態Cのとき、直列回路部16では直列コイルLS2(56nH)が、並列回路部17では並列コイルLP1(18nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が557MHz〜590MHzになる。
またマッチング回路13が状態Dのとき、直列回路部16では直列コイルLS1(56nH)が、並列回路部17では並列コイルLP2(82nH)がそれぞれ選択され、平面アンテナ11の同調周波数帯域が545MHz〜603MHzになる。
【0048】
これにより、本実施の形態のアンテナユニット2においては、図8に示されているように、平面アンテナ11単体では、520MHz〜540MHz程度と極めて狭い利用周波数帯域を、マッチング回路13の直列回路部16のインダクタンス値と、並列回路部17のインダクタンス値を切り替えることで、平面アンテナ11の同調周波数帯域を466MHz〜603MHzまで拡大することができることになる。
したがって、このような本実施の形態のアンテナユニット2をテレビジョン放送アンテナとして用いるようにすれば、UHF帯の広い周波数帯域において放送電波を受信することが可能になる。
なお、本実施の形態の平面アンテナ11とマッチング回路13の構成によれば、状態Aと状態Dにより、466MHz〜603MHzの範囲をカバーすることができるので、マッチング回路13としては状態Aまたは状態Dの何れかの状態に切り替えるだけで対応することが可能になる。
【0049】
この結果、従来は、テレビジョン放送を受信するためのアンテナを小型アンテナにより構成した場合、利用周波数帯域が狭く、受信できる放送電波に限りがあったが、本実施の形態のようなアンテナユニット2によりテレビジョン放送アンテナを構成すると、利用周波数帯域を広げることができるので、ほぼ全てのUHF帯の放送電波を受信することができるようになる。
【0050】
また、本実施の形態のアンテナユニット2をTV放送受信装置に使用すれば、上記図12に示したような棒状アンテナが不要になるため、TV放送受信装置の小型化を図ることができる。またその携帯性を向上させることができる。
【0051】
さらに、これまでは周波数帯域の広い小型アンテナを構成する場合には、図示していない後段のフィルタに帯域選択が要求されるので、アンテナが大きくなってしまうという欠点があったが、本実施の形態のように、平面アンテナ11自身の整合周波数帯域を切り替えるようにすると、後段のフィルタにおける帯域選択の負担を軽くできるので、アンテナ及びフィルタの大型化を防ぐことができる。
【0052】
さらにまた、従来の整合周波数帯域が広く、利用可能周波数帯域が広い小型アンテナにおいては、或る特定の周波数帯域において利得が極端に低下するなどの不具合が発生するため、利用周波数帯域における利得が不均一になるという欠点があったが、本実施の形態によれば、利用周波数帯域の利得の不均一化を防ぐことも可能になる。
【0053】
また、上記したマッチング回路13の回路構成は、あくまでも一例であり、マッチング回路は他の回路構成でも実現可能とされる。
図9は、マッチング回路の他の回路構成の一例を示した図である。
この図9に示すマッチング回路41は、放射素子である平面アンテナ11と受信機15との間に、直列コンデンサC1と直列回路部16が設けられている。
そして、この場合も上記図4に示したマッチング回路13と同様、直列回路部16は、インダクタンス値が異なる2つの直列コイルLS1,LS2によって形成され、切替スイッチSW11,SW12により、何れか一方の直列コイルLS1またはLS2が選択されるように構成されている。
但し、この場合は、直列コイルLS1−切替スイッチSW12間の信号ラインとグラウンド(GND)間に、並列コイルLP1を接続すると共に、直列コイルLS2−切替スイッチSW12間の信号ラインとグラウンド(GND)間に、並列コイルLP2を接続するようにして構成されている。
つまり、この図9に示すマッチング回路41においては、コンデンサC1、直列コイルLS1、並列コイルLP1を上記したような接続形態により接続して形成した回路パターンと、コンデンサC1、直列コイルLS2、並列コイルLP2を同じく上記したような接続形態により接続して形成した回路パターンが設けられている。
【0054】
そして、このようなマッチング回路41では、マッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2により、切替スイッチSW11,SW12の切り替え制御を行うことで、上記した2つのい回路パターンのうち、何れか一方の回路パターンを選択するように構成されている。つまり、この図9に示すマッチング回路41は、マッチング制御信号発生回路14の制御により、マッチング回路41が、上記図5に示した状態Aと状態Dの何れかの状態となるように構成されているものである。
従って、このように構成した場合もマッチング制御信号発生回路14からのマッチング制御信号S2によって共振周波数(同調周波数)を切り替えることが可能になる。
【0055】
図10は、上記図9に示したマッチング回路41を備えたアンテナユニット2のアンテナ特性を示した図である。
なお、この図10に示すアンテナ特性は、直列回路部16の直列コイルLS1,LS2のインダクタンス値をそれぞれ18nH,56nH、並列回路部17の並列コイルLP1,LP2のインダクタンス値をそれぞれ18nH,82nHとしている。
【0056】
この図10からわかるように、このようなマッチング回路41においては、切替スイッチSW11,SW12を端子t1側に切り替えることによって、上記図5に示した状態Aと同じになり、平面アンテナ11の同調周波数帯域を466MHz〜563MHzにすることができる。
また、切替スイッチSW11,SW12を端子t2側に切り替えることによって、上記図5に示した状態Dと同じ状態になるので、平面アンテナ11の同調周波数帯域を545MHz〜603MHzにすることができる。
【0057】
つまり、このようにしてアンテナユニット2を構成した場合も、平面アンテナ11の同調周波数帯域を466MHz〜603MHzまで拡大することができ、UHF帯の広い周波数帯域において放送電波を受信することが可能になる。
すなわち、上記マッチング回路13により構成したアンテナユニット2と同等の効果が得られることになる。
【0058】
また、このように構成した場合は、上記図6に示したマッチング回路13において4つ必要であった切替スイッチSWを2つ設けるだけで良いため、それだけコストを削減できるという利点がある。
【0059】
なお、本実施の形態では、マッチング回路13(41)の回路パターンにリアクタンス素子として設けたコイルのインダクタンス値を切り替えることで、回路パターンのリアクタンスを切り替えるようにしているが、これはあくまでも一例であり、コイルの代わりにリアクタンス素子としてコンデンサを設け、コンデンサのキャパシタンスを切り替えることで、リアクタンスを切り替えるようにしても良い。
また、本実施の形態におけるマッチング回路13(41)の回路パターンの接続形態は、あくまでも一例であり、受信すべき周波数において、アンテナ素子である平面アンテナり11が有するべき同調周波帯域を設定できればよいものとされる。
【0060】
また、本実施の形態のマッチング回路13では、4つの切替スイッチSWを設けることで、4つの回路パターンに切替可能な構成とし、またマッチング回路41では、2つの切替スイッチSWを設けることで、2つの回路パターンに切替可能な構成を実現した場合が示されているが、このような構成はあくまでも一例であり、さらに多くの切替スイッチSWを設けることで、さらに多くの回路パターンを切替可能な構成を実現することも可能である。
【0061】
また、本実施の形態におけるマッチング回路13(41)の回路パターンの接続形態は、あくまでも一例であり、受信すべき周波数において、平面アンテナり11が有するべき同調周波帯域を設定できればよいものとされる。
【0062】
また、本実施の形態では、マッチング回路13の回路パターンが状態B、状態Cのときの平面アンテナ11の同調周波数帯域が、状態A、状態Dのときの平面アンテナ11の同調周波数帯域内になっているため、マッチング回路13による平面アンテナ11の同調周波数帯域(466MHz〜603MHz)は、マッチング回路41による平面アンテナ11の同調周波数帯域と同じになっているが、これはあくまでも一例であり、アンテナ素子のインピーダンスや、マッチング回路13の回路パターンの接続形態、回路パターンに用いるリアクタンス素子の種類(コイル又はコンデンサ)、或いはこれらのリアクタンス(インダクタンスやキャパシタンス)を変えることで、マッチング回路13の各状態A,B,C,Dにおけるアンテナ素子の同調周波数帯域を、各状態A,B,C,Dにおいて異なる周波数帯域とすることも可能である。
【0063】
但し、実際のテレビジョン放送の利用周波数は、その地域によって固まった周波数帯域に配置されているため、本実施の形態のように、切替スイッチSWにより2種類の回路パターンによってマッチング周波数帯域を大きく遷移させるだけで対応することが可能になる。そして、例えばバリアブルキャパシタンスを電圧制御して厳密にマッチングを行うより、本実施の形態のように、切替スイッチSWを用いて大きく周波帯域を遷移させるほうが、周波数制御が容易とされることから好ましいと言える。
【0064】
また、本実施の形態においては、UHF帯の放送電波を受信するのに好適なアンテナユニット、及び放送受信装置を例に挙げて説明したが、これはあくまでも一例であり、同様の構成でVHF帯などの他の周波帯域の電波を受信するためのアンテナユニット、及び放送受信装置を実現することも可能である。
さらに、本発明のアンテナユニットは送信用アンテナとして用いることも可能である。
【0065】
また、本実施の形態において説明した平面アンテナ11の構造は、あくまでも一例であり、本発明のアンテナユニット2に設けられるアンテナ素子は他の構造でも良いことはいうまでもない。
例えば、本発明のアンテナユニットに形成すべきアンテナ素子は、必ずしも平面アンテナである必要はない。すなわち、二次元的に形成する必要はなく三次元的に形成することも可能である。また、必ずしもアンテナ素子をプリント配線基板に対して直接形成する必要もない。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のアンテナ装置は、マッチング回路に、アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンを形成し、受信すべき周波数に対応した同調周波数帯域が設定されるように、切替手段により回路パターンの切り替えを行うようにしたことで、アンテナ素子の受信周波数帯域の拡大を図ることが可能になる。これにより、アンテナ素子として周波数帯域が狭いとされる小型のアンテナ素子を用いて広帯域の電波を受信可能なアンテナ装置を実現することができる。
したがって、本発明のアンテナ装置をテレビジョン放送を受信する放送受信装置に適用すれば、放送受信装置のアンテナ装置の小型化を図ることが可能になり、携帯性に優れた放送受信装置を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての携帯端末装置の外観図である。
【図2】本実施の形態としてのアンテナユニットの外観図である。
【図3】アンテナユニットの構成を示したブロック図である。
【図4】マッチング回路の構成を示した図である。
【図5】マッチング回路の状態遷移図である。
【図6】マッチング制御信号発生回路の構成例を示したブロック図である。
【図7】マッチング制御信号発生回路が実行する処理動作を示したフローチャートである。
【図8】アンテナユニットのアンテナ特性を示した図である。
【図9】マッチング回路の他の構成を示した図である。
【図10】図9に示したマッチング回路を備えたアンテナユニットの特性を示した図である。
【図11】本実施の形態のアンテナユニットに適用可能な平面アンテナの構造を示した図である。
【図12】従来の放送受信端末装置の外観図である。
【符号の説明】
1 携帯端末装置、2 アンテナユニット、3 プリント配線基板、4 電子部品、11 平面アンテナ、12 マッチング回路部、13 41 マッチング回路、14 マッチング制御信号発生回路、15 受信機、16 直列回路部、17 並列回路部、21 制御部、22 記憶部、23 スイッチ切替回路
Claims (6)
- アンテナ素子と、
複数のリアクタンス素子を所定の接続態様により接続して形成され、前記複数のリアクタンス素子が有するとされるリアクタンスに応じて、前記アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンが、前記同調周波数帯域に応じて切り替えられるように構成されるマッチング回路と、
受信すべき周波数に対応した前記同調周波数帯域が設定されるように、前記マッチング回路における前記回路パターンを切り替える切替手段と、
を備えていることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記回路パターンは、
コンデンサ、直列コイル、及び並列コイルを組み合わせて形成したことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。 - 前記アンテナ素子は、平面アンテナとされることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
- アンテナ素子と、
所望の受信チャンネルの放送波を選択して受信を行う可能な受信手段と、
複数のリアクタンス素子を所定の接続態様により接続して形成され、前記複数のリアクタンス素子が有するとされるリアクタンスに応じて、前記アンテナ素子が有するべき同調周波数帯域を設定する回路パターンが、前記同調周波数帯域に応じて切り替えられるように構成されるマッチング回路と、
前記受信手段から入力される受信チャンネル選択信号に対応した前記同調周波数帯域が設定されるように、前記マッチング回路における前記回路パターンを切り替える切替手段と、
を備えていることを特徴とする放送受信装置。 - 前記マッチング回路は、
コンデンサ、直列コイル、及び並列コイルを組み合わせて形成したことを特徴とする請求項4に記載の放送受信装置。 - 前記アンテナ素子は、平面アンテナとされることを特徴とする請求項4に記載の放送受信装置。
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- 2003-05-14 JP JP2003136162A patent/JP2004343337A/ja active Pending
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