JP2004343289A - テレビジョン - Google Patents

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Abstract

【課題】受像管に映し出される画像の輝度が低いと画像幅が小さくなる傾向があった。
【解決手段】ACL電圧を電源装置のフィードバック回路にトランジスタQ21,Q22を介して入力することで、受像管の管面輝度に基づき電源装置の出力電圧+Bを制御することができる。受像管の管面輝度が大きい場合には、ACL回路によりカソードアンプに出力される映像信号のコントラストを制限することで、画像幅の広がりを防止するとともに、電源装置は出力電圧+Bを一定に維持する。一方、管面輝度が小さい場合には、電源装置の出力電圧+Bを大きくし、水平偏向回路25の出力を高めることにより、水平方向の画像幅が狭まることを防止する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョンに関し、特にACL制御ラインにより受像管の管面輝度を規制するテレビジョンする。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像の輝度に基づいて変化するABL制御電圧を水平振幅コントロール回路に入力することで、水平振幅をフィードバック制御するものが知られている(例えば、実用新案文献1、参照。)。
【0003】
かかる構成によれば、輝度が大きく高圧の負荷が大きい場合には、水平振幅コントロール回路により水平偏向電圧を減少させることで水平振幅が大きくなることを制限する。一方、輝度が小さく高圧の負荷が小さい場合には、水平偏向電圧を増大させることで水平振幅が小さくなることを制限する。従って、画像の輝度に拘わらず一定の画像幅を維持させることが可能となる。
【実用新案文献1】
実開平5−36974号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、水平振幅コントロール回路を具備することが必要となっていた。この水平振幅コントロール回路は大型の受像管を有するテレビジョンに多く採用されるものの、小型の受像管に対してはコスト、設置容積等の理由により採用されないことが多かった。従って、小型の受像管を有するテレビジョンに対しては適用することができない場合が多いという課題があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、小型の受像管においても画像幅を一定とすることが可能なテレビジョンの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、入力された映像信号を処理し、カソードアンプを介して受像管に出力する映像信号処理回路と、上記受像管のアノード電極に供給する高圧を生成するフライバックトランスを含む高圧発生回路と、上記受像管の管面輝度が高いと電位が低くなり同管面輝度が低いと電位が高くなるACL電圧を上記フライバックトランスから取得するとともに、同ACL電圧の電位が所定値より大きいとコントラストレベルを低下させ管面輝度を規制するACL制御回路と、二次側直流電圧を生成するトランスを含む電源装置と、上記二次側直流電圧を入力して電子ビームを偏向させる水平偏向回路とを具備するテレビジョンにおいて、
上記電源装置は、抵抗回路と第一のコンデンサとからなる第一の直列回路と、同第一の直列回路の一端にベースを接続されて一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成する発振用トランジスタと、この発振用トランジスタのベースとグランドとの間にコレクタ−エミッタ間を接続された発振補助用トランジスタと、この発振補助用トランジスタのベースとグランドとの間に介在する第二のコンデンサと、生成された上記一次側電圧を入力して二次側電圧を出力するトランスと、上記二次側電圧の出力部にアノード側を接続された整流用ダイオードと、同整流用ダイオードのカソード側とグランドとの間にそれぞれ介在する整流用コンデンサとを有し、同整流用ダイオードのカソード側から二次側直流電圧を出力する直流化回路と、上記トランスと第一の直列回路との接続部にアノード側を接続された第三のコンデンサとダイオードとからなる第二の直列回路と、この第二の直列回路のカソード側と上記発振補助用トランジスタのベースとの間に出力側の両端を接続されたフォトカプラICと、上記二次側直流電圧の出力部に一端を接続された電圧供給用抵抗回路と、グランドにアノード側を接続されるとともに同電圧供給用抵抗回路の他端にカソード側を接続されて基準電位を生成するツェナーダイオードと、このツェナーダイオードのカソード側と同フォトカプラの入力側の一端との間にコレクタ−エミッタ間が接続され、ベースが上記二次側直流電圧に接続されたnpn形の電源帰還用トランジスタと、上記電源帰還用トランジスタのベースとグランドの間にコレクタ−エミッタが接続され、ベースが上記ACL電圧に接続されたnpn形のACL帰還用トランジスタとを具備するとともに、上記電源帰還用トランジスタのベース電流は、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタ間に流れる電流に応じて減少させられ、同電源帰還用トランジスタのベース電流値と上記基準電位に対応する電流値を比較しつつ同フォトカプラの入力側に帰還電流を流すことにより、上記ACL電圧の電位が高い程、生成される上記二次側直流電圧を大きくするとともに、上記ACL電圧の電位が低い場合には上記二次側直流電圧を一定化させる構成としてある。
【0006】
上記のように構成した請求項1にかかる発明は、上記受像管には、上記映像信号処理回路により処理された上記映像信号が上記カソードアンプを介し入力されるとともに、上記フライバックトランスを含む上記高圧発生回路により生成された上記高圧が供給される。上記フライバックトランスからは、上記ACL制御ラインにより上記ACL電圧が取得される。このACL電圧は、上記受像管の管面輝度が高いと電位が低くなり同管面輝度が低いと電位が高くなる。そして、上記ACL電圧の電位が所定値より高いとコントラストレベルを低下させ管面輝度を規制する。上記電源装置は、上記トランスを有し二次側直流電圧を生成する。この二次側直流電圧は、上記水平偏向回路および上記垂直偏向回路に入力され、電子ビームの偏向に供させる。
【0007】
一次側直流電圧は発振用トランジスタによりオンオフされて、パルス状の一次側電圧が生成する。発振用トランジスタにより生成された一次側電圧はトランスに入力され、同トランスから二次側電圧が出力される。出力された二次側電圧は、整流用ダイオードにより整流され、整流用コンデンサにより平滑されて、二次側直流電圧とされる。上記電源帰還用トランジスタのベース電流が上記基準電位に対応する電流値以上であるときに、上記フォトカプラICの入力側に帰還電流を流す。すると、発振用トランジスタのベース電流が減少するため、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が小さくなる。一方、上記電源帰還用トランジスタのベース電流が上記基準電位に対応する電流値以下であるときに、上記フォトカプラICの入力側に帰還電流は流れない。このとき、発振用トランジスタのベース電流が増加するため、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が大きくなる。
【0008】
ここで、上記二次側直流電圧から流れ込む電流は、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタを介してグランドに流れ込む電流と、上記電源帰還用トランジスタのベースに流れ込む電流とに分流される。上記ACL帰還用トランジスタのベースは上記ACL電圧が入力されているため、同ACL電圧の電位が高い場合には、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタ間の電流量が大きくなる。すると、上記電源帰還用トランジスタのベース電流は減少する。従って、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が大きくなる。
【0009】
一方、上記ACL電圧の電位が低い場合には、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタを介してグランドに流れ込む電流は少なくなるため、上記電源帰還用トランジスタのベース電流量は上記二次側直流電流から流れ込む電流量に大きく依存することとなる。すなわち、上記電源帰還用トランジスタのベース電流は、上記二次側直流電圧に大きく依存することとなる。従って、上記二次側直流電圧の電位が低いと、上記フォトカプラICの入力側に帰還電流は流れず、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が大きくなる。上記二次側直流電圧の電位が高いと、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が小さくなる。すなわち、上記二次側電圧の変動に応じて生成される上記二次側直流電圧を一定化させる定電圧回路を構成することができる。
【0010】
上記ACL電圧の電位が高く上記受像管の管面輝度が小さい場合には、上記アノード電極に流れるビーム電流が少なく、高圧の電位が高くなる。このとき、電子ビームは上記水平偏向回路および上記垂直偏向回路の影響を受け難く上記受像管に映し出される画像の幅は小さくなる。しかしながら、上記ACL電圧の電位が高い場合には、上記二次側直流電圧が大きく生成されるため、上記水平偏向回路の出力が大きくなり、上記受像管に映し出される画像の幅が小さくなることが防止される。
【0011】
また、請求項2にかかる発明は、入力された映像信号を処理し、カソードアンプを介して受像管に出力する映像信号処理回路と、上記受像管のアノード電極に供給する高圧を生成するフライバックトランスを含む高圧発生回路と、上記受像管の管面輝度が高いと電位が低くなり同管面輝度が低いと電位が高くなるACL電圧を上記フライバックトランスから取得するとともに、同ACL電圧の電位が所定値より大きいとコントラストレベルを低下させ管面輝度を規制するACL制御回路と、二次側直流電圧を生成するトランスを含む電源装置と、上記二次側直流電圧を入力して電子ビームを偏向させる水平偏向回路および垂直偏向回路とを具備するテレビジョンにおいて、
上記電源装置は、上記ACL電圧および上記二次側直流電圧の電圧レベルをフィードバックさせることにより、上記ACL電圧の電位が高い程、生成される上記二次側直流電圧を大きくするとともに、上記ACL電圧の電位が低い場合には上記二次側直流電圧を一定化させる構成としてある。
【0012】
上記のように構成した請求項2にかかる発明は、上記受像管には、上記映像信号処理回路により処理された上記映像信号が上記カソードアンプを介し入力されるとともに、上記フライバックトランスを含む上記高圧発生回路により生成された上記高圧が供給される。上記フライバックトランスからは、上記ACL制御ラインにより上記ACL電圧が取得される。このACL電圧は、上記受像管の管面輝度が高いと電位が低くなり同管面輝度が低いと電位が高くなる。そして、上記ACL電圧の電位が所定値より高いとコントラストレベルを低下させ管面輝度を規制する。上記電源装置は、上記トランスを有し二次側直流電圧を生成する。この上記二次側直流電圧は、上記水平偏向回路および上記垂直偏向回路に入力され、電子ビームを偏向させる。
【0013】
上記電源装置は、上記ACL電圧および上記二次側直流電圧の電圧レベルをフィードバックさせて上記二次側直流電圧を生成する。上記ACL電圧の電位が高い場合においては上記二次側直流電圧を大きく生成するとともに、上記ACL電圧の電位が高い場合においては、上記二次側直流電圧を一定化させる。上記ACL電圧の電位が高く上記受像管の管面輝度が小さい場合には、上記アノード電極に流れるビーム電流が少なく、高圧の電位が高くなる。このとき、電子ビームは上記水平偏向回路および上記垂直偏向回路の影響を受け難く上記受像管に映し出される画像の幅は小さくなる。しかしながら、上記ACL電圧の電位が高い場合には、上記二次側直流電圧が大きく生成されるため、上記水平偏向回路および上記垂直偏向回路の出力が大きくなり、上記受像管に映し出される画像の幅が小さくなることが防止される。
【0014】
さらに、請求項3にかかる発明において、上記電源装置は、一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成するスイッチング回路と、生成された上記一次側電圧を入力して二次側電圧を出力する上記トランスと、出力される上記二次側電圧を二次側直流電圧に変換する直流化回路と、上記ACL電圧および上記二次側直流電圧の電圧レベルに基づいて上記スイッチング回路に上記一次側直流電圧をオンオフさせるフィードバック回路とを具備する構成としてある。
【0015】
上記のように構成した請求項3にかかる発明は、上記スイッチング回路は、一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成する。この一次側電圧は、上記フィードバック回路により上記ACL電圧および上記直流電圧の電圧レベルに基づいてオンオフされる。すなわち、上記トランスにより出力される上記二次側電圧は、上記ACL電圧および上記直流電圧の電圧レベルに基づいて増減させられる。さらに、上記二次側電圧は、上記直流化回路により上記二次側直流電圧に変換される。
【0016】
さらに、請求項4にかかる発明において、上記スイッチング回路は、抵抗回路と第一のコンデンサとからなる第一の直列回路と、同第一の直列回路の一端にベースを接続されて一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成する発振用トランジスタと、この発振用トランジスタのベースとグランドとの間にコレクタ−エミッタ間を接続された発振補助用トランジスタと、この発振補助用トランジスタのベースとグランドとの間に介在する第二のコンデンサとを備え、上記フィードバック回路は、上記トランスと第一の直列回路との接続部にアノード側を接続された第三のコンデンサとダイオードとからなる第二の直列回路と、この第二の直列回路のカソード側と上記発振補助用トランジスタのベースとの間に出力側の両端を接続されたフォトカプラICと、上記二次側直流電圧の出力部に一端を接続された電圧供給用抵抗回路と、グランドにアノード側を接続されるとともに同電圧供給用抵抗回路の他端にカソード側を接続されて基準電位を生成するツェナーダイオードと、このツェナーダイオードのカソード側と同フォトカプラの入力側の一端との間にコレクタ−エミッタ間が接続され、ベースが上記二次側直流電圧に接続されたnpn形の電源帰還用トランジスタと、上記電源帰還用トランジスタのベースとグランドの間にコレクタ−エミッタが接続され、ベースが上記ACL電圧に接続されたnpn形のACL帰還用トランジスタとを具備するとともに、上記電源帰還用トランジスタのベース電流は、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタ間に流れる電流に応じて減少させられ、同電源帰還用トランジスタのベース電流値と上記基準電位に対応する電流値を比較しつつ同フォトカプラの入力側に帰還電流を流す構成としてある。
【0017】
上記のように構成した請求項4にかかる発明は、一次側直流電圧は発振用トランジスタによりオンオフされて、パルス状の一次側電圧が生成する。発振用トランジスタにより生成された一次側電圧はトランスに入力され、同トランスから二次側電圧が出力される。出力された二次側電圧は、整流用ダイオードにより整流され、整流用コンデンサにより平滑されて、二次側直流電圧とされる。上記電源帰還用トランジスタのベース電流が上記基準電位に対応する電流値以上であるときに、上記フォトカプラICの入力側に帰還電流を流す。すると、発振用トランジスタのベース電流が減少するため、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が小さくなる。一方、上記電源帰還用トランジスタのベース電流が上記基準電位に対応する電流値以下であるときに、上記フォトカプラICの入力側に帰還電流は流れない。このとき、発振用トランジスタのベース電流が増加するため、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が大きくなる。
【0018】
ここで、上記二次側直流電圧から流れ込む電流は、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタを介してグランドに流れ込む電流と、上記電源帰還用トランジスタのベースに流れ込む電流とに分流される。上記ACL帰還用トランジスタのベースは上記ACL電圧が入力されているため、同ACL電圧の電位が高い場合には、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタ間の電流量が大きくなる。すると、上記電源帰還用トランジスタのベース電流は減少する。従って、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が大きくなる。
【0019】
一方、上記ACL電圧の電位が低い場合には、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタを介してグランドに流れ込む電流は少なくなるため、上記電源帰還用トランジスタのベース電流量は上記二次側直流電流から流れ込む電流量に大きく依存することとなる。すなわち、上記電源帰還用トランジスタのベース電流は、上記二次側直流電圧に大きく依存することとなる。従って、上記二次側直流電圧の電位が低いと、上記フォトカプラICの入力側に帰還電流は流れず、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が大きくなる。上記二次側直流電圧の電位が高いと、生成される上記二次側電圧および上記二次側直流電圧が小さくなる。すなわち、上記二次側電圧の変動に応じて生成される上記二次側直流電圧を一定化させる定電圧回路を構成することができる。
【0020】
また、請求項5にかかる発明において、上記直流化回路は、上記二次側電圧の出力部にアノード側を接続された整流用ダイオードと、同整流用ダイオードのカソード側とグランドとの間にそれぞれ介在する整流用コンデンサとを有し、同整流用ダイオードのカソード側から直流電圧を出力する構成としてある。
上記のように構成した請求項5の発明は、二次側電圧は、整流用ダイオードにより整流され、整流用コンデンサにより平滑されて、直流電圧とされる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1および請求項2にかかる発明によれば、受像管の管面輝度が小さいときに画像幅が小さくなることが防止できる。
請求項3にかかる発明によれば、一次側電圧を二次側直流電圧に変換することが可能となる。
請求項4にかかる発明によれば、簡易な構成でACL電圧および二次側直流がフィードバックされる電源装置を提供することができる。
請求項5にかかる発明によれば、汎用的な部品を用いて直流化回路を簡易に構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序にしたがって本発明の実施形態について説明する。
(1)テレビジョン装置の構成:
(2)画像幅について:
(3)電源装置の動作:
(4)動作について:
(5)まとめ:
【0023】
(1)テレビジョン装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるテレビジョン装置100の構成の概略ブロック図である。なお、利用者が使用する操作パネル、リモコン等は図示を省略している。
図において、テレビジョン装置100は、放送受信装置として、概略、チューナIC12と、このチューナIC12に接続されたクロマIC13と、チューナIC12とクロマIC13に接続されたマイコン11とを備えている。チューナIC12とクロマIC13とマイコン11は、IICバス10に接続されている。そして、マイコン11がシリアルデータ通信によってテレビジョン装置100全体を制御することにより、テレビジョン装置としての機能を実現している。
【0024】
チューナIC12は、周波数シンセサイザ方式のチューナであり、マイコン11の制御によりテレビジョン放送の放送電波を受信し、中間周波信号(IF)に変換して出力する。同チューナIC12は、アンテナ12a、マイコン11に接続された高周波増幅回路、この高周波増幅回路とマイコン11に接続された中間周波信号出力回路、等を備えている。中間周波信号出力回路は、マイコン11に接続された局部発振回路と、この局部発振回路と高周波増幅回路に接続された混合回路とを備えている。なお、これらの回路は、従来から採用されている種々のテレビジョン用の回路を適用することができる。
【0025】
高周波増幅回路は、バンドパスフィルタを有しており、マイコン11の制御に基づいて、アンテナ12aからこのバンドパスフィルタを介して所望周波数に対応する放送電波を受信し、増幅して高周波信号を作成し、作成した高周波信号を混合回路に出力する。局部発振回路は、PLL(Phase Locked Loop )回路により構成されており、水晶発振回路からの基準発振信号を基準にして、PLL回路により放送電波の所望周波数に対応する局部発振周波数の局部発振信号を作成して混合回路に出力する。混合回路は、高周波増幅回路からの出力と局部発振回路からの局部発振信号とを混合して中間周波信号に変換し、クロマIC13に出力する。
【0026】
クロマIC13は、チューナIC12に接続された中間周波増幅(VIF)回路と、マイコン11に接続されたVCO(Voltage Controled Oscillator)回路、このVCO回路とVIF回路に接続された検波回路、この検波回路に接続されたAGC回路、同検波回路に接続された同期回路、等を備えている。なお、各回路は、従来から採用されている種々のテレビジョン用の回路を適用することができる。
【0027】
VIF回路は、チューナIC12から入力される中間周波信号を中間周波増幅し、中間周波増幅した中間周波信号を検波回路に出力する。VCO回路は、マイコン11から入力される電圧に応じて発振する発振信号の発振周波数を変更することが可能であり、同電圧に対応する発振周波数で発振信号を発振する。検波回路は、発振信号の発振周波数に基づいて、VIF回路にて中間周波増幅された中間周波信号を検波してRGB信号とAUDIO信号とを出力する。より具体的にいうと、検波回路は、中間周波増幅された中間周波信号から発振信号の発振周波数に同期しながら映像検波を行い、所定の色復調処理を施してRGB信号を分離し、外部に出力する。また、音声の信号については、中間周波増幅された中間周波信号のうち音声成分と発振信号とを混合して第二音声中間周波信号を作成し、FM検波を行ってAUDIO信号とし、外部に出力する。さらに、検波回路は検波の過程で発振信号の発振周波数に基づいて水平・垂直同期信号(SYNC)も作成して同期回路に出力する。
【0028】
検波回路から出力されたRGB信号はカソードアンプ21に出力され、このカソードアンプ21にて増幅されて受像管(CRT)22に供給される。すると、受像管22は、増幅されたRGB信号に基づいて画面表示を行う。一方、上記AUDIO信号についてはオーディオアンプ23に出力され、このオーディオアンプ23で増幅されてスピーカ24に供給される。そして、スピーカ24は、増幅されたAUDIO信号に基づいて音声を出力する。
【0029】
同期回路は、入力される水平・垂直同期信号に基づいてのこぎり波状の水平・垂直ドライブ信号(DRIVE)を作成し、水平偏向回路25と垂直偏向回路26に出力する。水平偏向回路25と垂直偏向回路26は、水平ドライブ信号と垂直ドライブ信号に対応した所定の水平ドライブ電流と垂直ドライブ電流を作成し、受像管22に取り付けられた水平偏向コイル25aと垂直偏向コイル26aにそれぞれ供給することにより、電子ビームを水平・垂直方向にドライブさせる。また、水平偏向回路で生じる高周波信号は、フライバックトランス(FBT)27に供給され、受像管22のアノード電極22aに供給する高圧HVが発生するようになっている。その結果、受像管22ではRGB信号に応じた電子ビームがドライブされながら放出され、受像管22の管面に画像が現れることになる。
【0030】
ACL(Auto Contrast Limit)回路においては、フライバックトランス27から受像管22の管面の輝度に基づく電圧の変化をACL電圧として取得している。このACL電圧は、クロマIC13に入力され、クロマIC13は受像管22の管面の輝度が所定量より大きくなるとカソードアンプ21に出力されるRGB信号を制限する。従って、管面の輝度が過大となることが防止されている。
【0031】
マイコン11は、上記高周波増幅回路や局部発振回路やVCO回路に制御電圧を出力する。この制御を行うため、マイコン11は、CPU11a、ROM11b、RAM11c、D/A変換器11d、I/Oポート11e、図示しないA/D変換器、タイマ回路、等を内蔵している。ここで、同マイコン11や、チューナIC12や、クロマIC13や、カソードアンプ21や、受像管22等のデバイスには電源装置90から複数種類の二次側の直流電圧が供給されており、これらのICは同直流電圧を利用して動作するようになっている。
【0032】
(2)画像幅について:
図2は、本発明の一実施形態にかかるテレビジョン装置100の受像管22の入力系統をブロック図により示している。同図において、電源装置90により二次側直流電圧+Bが生成されている。二次側直流電圧+Bは、水平偏向回路25に入力されており、水平偏向回路25からはのこぎり波状の水平ドライブ電流が出力されている。水平ドライブ電流は水平偏向コイル25aに入力されており、これらが磁界を発生させることにより受像管22の管面に向かう電子ビームに水平方向の振幅を発生させている。従って、電子ビームの振幅で決定される受像管22の画像幅は、水平ドライブ電流の大きさに依存している。すなわち二次側直流電圧+Bが大きい場合には、水平ドライブ電流が大きくなり画像幅も大きくなる。反対に、直流電圧+Bが小さい場合には、水平ドライブ電流が小さくなり画像幅も小さくなる。
【0033】
水平偏向コイル25aは抵抗分が少ないため、のこぎり波状の水平ドライブ電流の帰線期間には非常に大きいパルス電圧が発生することとなる。このパルス電圧をフライバックトランス27に入力するとともに、同フライバックトランス27にて昇圧し高圧HVを生成している。高圧HVは、受像管22のアノード電極に入力されている。一方、クロマIC14は、RGB信号をカソードアンプ21に出力している。ここで、カソードアンプ21に出力される画像の輝度が高い場合にはビーム電流が大きくなり、高圧HVの負荷が増加する。すると、高圧HVの電位は低下し電子ビームはより水平偏向コイルの磁界の影響を受けることとなる。従って、このとき受像管22の画像幅は大きくなる。反対に、カソードアンプ21に出力される画像の輝度が小さい場合には高圧HVの電位が高くなるため、受像管22の画像幅は小さくなる。
【0034】
画像の輝度が過剰に高いと、画像に白つぶれが発生したり受像管22の寿命を短くさせる原因ともなる。また、高圧HVの負荷が大きくなるため、高圧発生回路が破壊されるおそれもある。そこで、本実施形態においてはACL回路を設けてビーム電流を制限している。図4は、ACL回路を模式的に示している。同図において、一端がフライバックトランス27の低電圧の二次側コイル端子T11に接続され、もう一端がグランドに接続されたコンデンサC41が備えられている。ダイオードD41は、カソード側がグランドに接続され、アノード側が二次側コイル端子T11に接続されている。コンデンサC41とダイオードD41との間には抵抗R41が介在している。コンデンサC41とコイル端子T11との間には定電源42が供給されるためコンデンサC41は常時充電されている。
かかる構成により、受像管のアノード電極に接続されたフライバックトランス27の高圧の二次側コイル端子T12を介してビーム電流が流れると、同ビーム電流の量に応じて抵抗R41とコンデンサC41との接続部におけるACL電圧の電位が低下する。すなわち、画像の輝度が大きくなるとビーム電流が多く流れるため、これを検知することにより画像の輝度を検出することが可能となっている。
【0035】
このようにして取得された画像輝度に基づくACL電圧は、クロマICに入力されている。クロマIC14においては、入力されたACL電圧の電位が所定量より小さいとき、すなわち所定量より画像の輝度が大きいときには、カソードアンプ21に出力されるRGB信号を規制する。従って、画像の輝度が所定量より大きくなることを制限するとともに、同時に高圧HVの電位の低下も抑制されるため受像管22に映し出される画像が大きくなることも防止されている。
【0036】
(3)電源装置の構成:
図4は、本発明の一実施形態にかかる電源装置90の回路構成を示す回路図である。
電源装置90は、概略、スイッチング回路31、トランス32、直流化回路33、フィードバック回路34を備えている。そして、商用交流電源をブリッジ整流部91と電解コンデンサ92とにて整流、平滑した一次側直流電圧が、スイッチング回路31に入力されるようになっている。本実施形態では、一次側直流電圧をトランス32の端子T1に入力し、同じコイルの他方の端子T2から出力した後、スイッチング回路31に入力している。むろん、スイッチング回路は一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成することができればよいため、一次側直流電圧を直接スイッチング回路に入力して発振用トランジスタにてオンオフする構成としてもよい。
【0037】
スイッチング回路31は、トランス32の端子T3に一端を接続された抵抗回路R11、この抵抗回路R11の他端に一端を接続されたコンデンサC11、このコンデンサC11の他端にベースを接続された発振用トランジスタQ11、この発振用トランジスタQ11のエミッタとグランドとの間に介在する抵抗回路R12、同発振用トランジスタQ11のベースとグランドとの間にコレクタ−エミッタ間を接続された発振補助用トランジスタであるnpn形トランジスタQ12、このトランジスタQ12のベースとグランドとの間に介在する第二のコンデンサC13、発振用トランジスタQ11のエミッタにアノード側を接続されて発振補助用トランジスタQ12のベースにカソード側を接続されたダイオードD13、を有している。
【0038】
上記抵抗回路R11とコンデンサC11とから第一の直列回路が構成されるが、同第一の直列回路は、トランス32の端子T3に一端を接続されたコンデンサと同コンデンサの他端に一端を接続された抵抗回路とから構成されてもよい。本実施形態の発振補助用トランジスタQ12は、コンデンサC11の他端側にコレクタを接続され、グランドにエミッタが接続されている。発振用トランジスタQ11は、トランスの端子T2にコレクタを接続され、グランドに一端を接続された抵抗回路R12の他端にエミッタを接続されており、一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成する。
【0039】
トランス32は、第一の直列回路における発振用トランジスタQ11とは反対側の一端、すなわち、抵抗回路R11の一端に端子T3において接続されている。そして、パルス状の一次側電圧を入力して高電位の二次側電圧(第一の二次側電圧)と低電位の二次側電圧(第二の二次側電圧)とを出力する。トランス32の一次側コイルの端子T4、二次側コイルの端子T7,T9は、グランドに接続されている。本実施形態では、二次側コイルの端子T5が高電位の二次側電圧の出力部であり、二次側電圧の三つの端子T6,T8,T9が低電位の二次側電圧の出力部である。なお、二次側電圧の出力部は端子T5,T6,T8,T9の順に電位が低くなっており、二次側コイルの巻数は設計された電位となるように設定されている。
なお、一次側コイルにパルス状の一次側電圧が入力されるため、二次側コイルの端子T5,T6,T8,T9からの二次側電圧は電圧が振幅しながら出力される。
【0040】
直流化回路33は、高電位の二次側電圧の出力部(端子T5)にアノード側を接続された第一の整流用ダイオードD21、低電位の二次側電圧の出力部(端子T6,T8,T9)のそれぞれにアノード側を接続された三つの第二の整流用ダイオードD22〜D24、第一の整流用ダイオードD21のカソード側とグランドとの間に介在する第一の整流用コンデンサである電解コンデンサC21、第二の整流用ダイオードD22のカソード側とグランドとの間にそれぞれ介在する第二の整流用コンデンサである電解コンデンサC22〜C24を有している。そして、第一の整流用ダイオードD21のカソード側から高電位の直流電圧(第一の直流電圧)+Bを出力し、第二の整流用ダイオードD22〜D24のカソード側のそれぞれから低電位の直流電圧(第二の直流電圧)E2〜E3を出力することにより、トランス32から出力される第一・第二の二次側電圧をそれぞれ四種類の直流電圧+B,E2〜E4に変換する。振幅する二次側電圧は、ダイオードD21〜D24にて整流され、コンデンサC21〜C24にて整流されて二次側の直流電圧に変換される。
【0041】
ここで、直流電圧は電位が+B>E2>E3>E4とされているとともに、直流電圧+Bは、水平偏向回路に出力されている。その他の直流電圧もマイコン等の電源供給に利用されている。そして、本テレビジョン装置100は、高電位・低電位の直流電圧を入力して所定の制御を行いつつ映像を出力する。なお、本実施形態では四種類の直流電圧を出力するようになっているが、直流電圧の種類数は限定されるものではない。例えば、直流電圧を二種類出力する電源装置であってもにも本発明を適用可能であるし、直流電圧を一種類のみ出力する電源装置であっても本発明を適用可能である。
【0042】
フィードバック回路34は、トランスの端子T3と第一の直列回路の抵抗回路R11との接続部に一端を接続された第三のコンデンサC12、このコンデンサC12の他端にアノード側を接続されたダイオードD12、このダイオードD12のアノード側にカソード側を接続されてグランドにアノード側を接続されたダイオードD11、同ダイオードD12のカソード側と発振補助用トランジスタQ12のベースとの間に出力側の両端を接続されたフォトカプラICF1、整流用ダイオードD21のカソード側(高電位の直流電圧の出力部)に一端を接続されてフォトカプラICF1の入力側におけるダイオードのアノード側に他端を接続された抵抗回路R21、この抵抗回路R21の同他端にカソード側を接続されてグランドにアノード側を接続されたツェナーダイオードD25、同抵抗回路R21の他端側に一端を接続された抵抗回路R22、この抵抗回路R22の他端にカソード側を接続されてグランドにアノード側を接続されたツェナーダイオードD26、このツェナーダイオードD26のカソード側とフォトカプラICF1の入力側の一端(入力側のダイオードのカソード側)との間にコレクタ−エミッタ間を接続された電源帰還用トランジスタであるnpn形トランジスタQ21、このトランジスタQ21のベースにコレクタを接続し、エミッタにグランドに接続し、ベースをACL電圧に抵抗回路R25,R26を介して接続するACL帰還用トランジスタであるnpn形トランジスタQ22とを有している。
【0043】
ここで、ACL帰還用トランジスタQ22のベースに図3において説明したACL電圧が出力されているため、トランジスタQ22のエミッタ−コレクタ間に流れる電流は、ACL電圧の電位に依存している。ACL電圧の電位が高い場合には、トランジスタQ22のベース電流が大きくなり、エミッタ−コレクタを介してグランドに流れ込む電流も大きいものとなる。反対に、ACL電圧の電位が低い場合には、トランジスタQ22のベース電流が少なくなり、エミッタ−コレクタを介してグランドに流出する電流も少ないものとなる。
【0044】
電源帰還用トランジスタQ21のベースには、高電位の直流電圧+Bから抵抗回路R23を介して分割した電流が入力されているが、トランジスタQ22のエミッタ−コレクタを介してグランドに流れ込む電流の分だけ減少することとなる。すなわち、トランジスタQ21のベース電流は、直流電圧+Bから流れ込む電流よりトランジスタQ22のエミッタ−コレクタ電流の分だけ少ないものとなる。
【0045】
上記コンデンサC12とダイオードD12とから第二の直列回路が構成されるが、同第二の直列回路は、トランスの端子T3にアノード側を接続されたダイオードと同ダイオードのカソード側に一端を接続されたコンデンサとから構成されてもよい。本実施形態では、同第二の直列回路におけるダイオードのカソード側にフォトカプラICF1の出力側におけるトランジスタのコレクタが接続されて発振補助用トランジスタQ12のベースにフォトカプラICF1の出力側におけるトランジスタのベースが接続されている。上記抵抗回路R21,R22の直列回路から電圧供給用抵抗回路が構成される。
【0046】
上記ツェナーダイオードD26は、同電圧供給用抵抗回路の他端にカソード側を接続されて基準電位を生成する。ツェナーダイオードD26のカソード側が基準電位の生成部である。上記電源帰還用トランジスタQ21は、ツェナーダイオードD26のカソード側にエミッタを接続され、フォトカプラICF1の出力側におけるダイオードのカソード側にコレクタを接続されている。そして、電源帰還用トランジスタQ21におけるベース電流が所定の電流値以上であるときにフォトカプラICF1の入力側のダイオードに帰還電流を流す。
このようにして、フィードバック回路34は、直流電圧から基準電位を生成するとともに同基準電位と、電源帰還用トランジスタQ21のベース電流とを比較しつつスイッチング回路31に一次側直流電圧をオンオフさせる。
【0047】
発振用トランジスタQ11と第一のコンデンサC11と抵抗回路R11とにより発振回路が構成されているので、発振用トランジスタQ11は一次側直流電圧をオンオフする。なお、抵抗回路R11の抵抗値とコンデンサC11の容量を変えることにより、発振周波数やオンオフのタイミングを調整することができる。すると、一次側直流電圧は発振用トランジスタQ11によりオンオフされて、パルス状の一次側電圧が生成する。
【0048】
発振用トランジスタQ11により生成されたパルス状の一次側電圧はトランス32に入力され、トランス32から四種類の二次側電圧が出力される。出力された最も高電位の二次側電圧は、第一の整流用ダイオードD21により整流され、第一の整流用コンデンサC22により平滑されて、高電位の直流電圧+Bとされる。また、出力された三種類の低電位の二次側電圧は、それぞれ第二の整流用ダイオードD22〜D24により整流され、第二の整流用コンデンサC22〜C24により平滑されて、低電位の直流電圧E2〜E4とされる。高電位の直流電圧+Bは水平偏向回路25と垂直偏向回路26に入力されて、水平ドライブ電流が生成される。
【0049】
フィードバック回路のツェナーダイオードD25は、高電位の二次側直流電圧+Bの電源ラインから抵抗回路R21を介して電圧を供給され、カソード側に同ツェナーダイオードD25固有の所定の電位を生成する。ツェナーダイオードD26は、ツェナーダイオードD25のカソード側から抵抗回路R22を介して電圧を供給され、カソード側に同ツェナーダイオードD26固有の所定の基準電位(例えば、7V)を生成する。そして、上述したように、フィードバック回路34は、生成された基準電位(ツェナーダイオードD26のカソード側の電位)と、高電位の直流電圧+Bから流れ込む電流およびトランジスタQ22のエミッタ−コレクタ電流に基づいて生成されるトランジスタQ21のベース電流とを比較しつつスイッチング回路31に一次側直流電圧をオンオフさせる。
【0050】
図5は、高電位の直流電圧のフィードバック制御を説明する図である。
図の上側に示すように、発振用トランジスタQ11は、一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成する。ここで、ある期間Ttに対して、オン(電位がハイ)となっている期間の総和Tsの割合Ts/Ttをデューティ比と呼ぶ。フィードバック回路34は、高電位の直流電圧を一定にするようにスイッチング回路31により生成されるパルス状の一次側電圧のデューティ比Ts/Ttの増減を制御する。
【0051】
電源帰還用トランジスタQ21はベース電流が多いのでエミッタ−コレクタ間が導通状態となる。すると、抵抗回路R21を介して高電位の直流電圧の電源ラインからフォトカプラICF1のダイオードに電流が流れ、フォトカプラはオンとなって、フォトカプラICF1のトランジスタのコレクタ−エミッタ間が導通状態となる。当該トランジスタのエミッタは第二のコンデンサC13を介してグランドに接続されているので、第三のコンデンサC12とダイオードD12とからなる第二の直列回路と、抵抗回路R11と第一のコンデンサC11とからなる第一の直列回路とを介して、発振用トランジスタQ11のベースの電流を減少させる。発振用トランジスタQ11のベース電流が減少すると、コレクタ−エミッタ間は非導通状態となる期間が長くなり、図の左下部分に示すように、デューティ比Ts/Ttは小さくなる。その結果、トランス32から出力される二次側電圧は低下し、直流電圧+B,E2〜E3の電位も低下する。
【0052】
一方、電源帰還用トランジスタQ21はベース電流が少ないのでエミッタ−コレクタ間が非導通状態となる。すると、フォトカプラICF1のダイオードに電流が流れず、フォトカプラはオフとなって、フォトカプラICF1のトランジスタのコレクタ−エミッタ間は非導通状態となる。そして、当該トランジスタのコレクタはグランドに一端を接続されたコンデンサC13から遮断されるので、発振用トランジスタQ11のベースの電流は減少しない。発振用トランジスタQ11はベースの電流が比較的多いのでコレクタ−エミッタ間は導通状態となる期間が長くなり、図の右下部分に示すように、デューティ比Ts/Ttは大きくなる。その結果、トランス32から出力される二次側電圧は上昇し、直流電圧+B,E2〜E3の電位も上昇する。
【0053】
(4)動作について:
図6は、本実施形態の電源装置90の動作を示している。同図においては、受像管22に映し出される画像の輝度が大きいときの動作を示している。この場合においては、受像管22のアノード電極に流れるビーム電流が大きいため、高圧HVは負荷が大きくなり電圧が小さくなる。同時に、電子ビームは偏向されやすく、画像の幅は大きくなっている。さらに、ACL電圧の電位も低下している。ACL電圧の電位が所定量より低くなると、クロマIC13は出力されるRGB信号の輝度を制限するため、受像管22のアノード電極に流れるビーム電流が減少して高圧HVが大きくなる。従って、受像管22に映し出される画像幅が大きくなることが防止される。
【0054】
一方、ACL帰還用トランジスタQ22のベース電流は少ないため、同トランジスタQ22のコレクタ−エミッタを介してグランドに流れ込む電流は小さいものとなる。従って、ACL電圧の電位が低い場合には、トランジスタQ21のベース電流は、直流電圧+Bから流れ込む電流に大きく依存することとなる。すなわち、直流電圧+Bの電位が高い場合には、直流電圧+Bから流れ込む電流も多く、トランジスタQ21のコレクタ−エミッタ間に電流が多く流れ、トランス32から出力される二次側電圧は低下し、直流電圧+Bも小さくなる。反対に、直流電圧+Bの電位が低い場合には、直流電圧+Bから流れ込む電流も少なく、直流電圧+Bが大きくなる。すなわち、ACL電圧の電位が低い場合においては、直流電圧+Bを一定化するための定電圧回路を構成することとなる。
【0055】
図7は、本実施形態の電源装置90の動作を示している。同図においては、受像管22に映し出される画像の輝度が小さいときの動作を示している。この場合においては、受像管22のアノード電極に流れるビーム電流が小さいため、高圧HVは負荷が小さくなり電圧が大きくなる。同時に、電子ビームは偏向され難く、画像の幅は小さくなっている。さらに、ACL電圧の電位も高くなっている。すると、ACL帰還用トランジスタQ22のベース電流も多く、トランジスタQ22のコレクタ−エミッタを介してグランドに流れ込む電流が大きくなる。トランジスタQ22のコレクタ−エミッタを介してグランドに流れ込んだ電流の分だけ、電源帰還用トランジスタQ21のベース電流が減少し、トランジスタQ21のエミッタの電位は上記基準電位より小さいものとなる。その結果、トランス32から出力される二次側電圧は上昇し、直流電圧+Bの電位も上昇する。
【0056】
直流電圧+Bの電位が上昇すると、直流電圧+Bから生成される水平ドライブ電流も多くなり、水平偏向コイルにて発生する磁界が強化される。すると、電子ビームは偏向しやすくなるため、水平方向の画像幅が大きくされる。すなわち、画像の輝度が小さいにも拘わらず、画像幅が小さくなることを防止することが可能となっている。
【0057】
(5)まとめ:
以上説明したように本発明によれば、ACL電圧を電源装置のフィードバック回路にトランジスタを介して入力することで、受像管の管面輝度に基づき電源装置の出力を制御することができる。受像管の管面輝度が大きい場合には、ACL回路によりカソードアンプに出力される映像信号のコントラストを制限することで、画像幅の広がりを防止するとともに、電源装置は定電圧を維持する。一方、管面輝度が小さい場合には、電源装置の出力を大きくし、水平偏向回路の出力を高めることにより、水平方向に画像幅が狭まることを防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電源装置を採用したテレビジョン装置の構成の概略ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる受像管の入力系統の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるACL回路の回路構成を示す回路図である。
【図4】高電位の直流電圧のフィードバック制御を説明する図である。
【図5】直流電圧のフィードバック制御を説明する図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる電源装置おける管面輝度が大きい場合の動作を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる電源装置おける管面輝度が小さい場合の動作を説明する図である。
【符号の説明】
27…フライバックトランス
28…ACL回路
31…スイッチング回路
32…トランス
33…直流化回路
34…フィードバック回路
90…電源装置
91…ブリッジ整流部
92…電解コンデンサ
100…テレビジョン装置
C11…第一のコンデンサ
C12…第三のコンデンサ
C13…第二のコンデンサ
C21…第一の整流用コンデンサ
C22〜C24…第二の整流用コンデンサ
D11〜D13,D27,D41…ダイオード
D21…第一の整流用ダイオード
D22〜D24…第二の整流用ダイオード
D25,D26…ツェナーダイオード
F1…フォトカプラIC
Q11…発振用トランジスタ
Q21…電源帰還用トランジスタ

Claims (5)

  1. 入力された映像信号を処理し、カソードアンプを介して受像管に出力する映像信号処理回路と、上記受像管のアノード電極に供給する高圧を生成するフライバックトランスを含む高圧発生回路と、上記受像管の管面輝度が高いと電位が低くなり同管面輝度が低いと電位が高くなるACL電圧を上記フライバックトランスから取得するとともに、同ACL電圧の電位が所定値より大きいとコントラストレベルを低下させ管面輝度を規制するACL制御回路と、二次側直流電圧を生成するトランスを含む電源装置と、上記二次側直流電圧を入力して電子ビームを偏向させる水平偏向回路とを具備するテレビジョンにおいて、上記電源装置は、抵抗回路と第一のコンデンサとからなる第一の直列回路と、同第一の直列回路の一端にベースを接続されて一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成する発振用トランジスタと、
    この発振用トランジスタのベースとグランドとの間にコレクタ−エミッタ間を接続された発振補助用トランジスタと、
    この発振補助用トランジスタのベースとグランドとの間に介在する第二のコンデンサと、
    生成された上記一次側電圧を入力して二次側電圧を出力するトランスと、
    上記二次側電圧の出力部にアノード側を接続された整流用ダイオードと、
    同整流用ダイオードのカソード側とグランドとの間にそれぞれ介在する整流用コンデンサとを有し、同整流用ダイオードのカソード側から二次側直流電圧を出力する直流化回路と、
    上記トランスと第一の直列回路との接続部にアノード側を接続された第三のコンデンサとダイオードとからなる第二の直列回路と、
    この第二の直列回路のカソード側と上記発振補助用トランジスタのベースとの間に出力側の両端を接続されたフォトカプラICと、
    上記二次側直流電圧の出力部に一端を接続された電圧供給用抵抗回路と、
    グランドにアノード側を接続されるとともに同電圧供給用抵抗回路の他端にカソード側を接続されて基準電位を生成するツェナーダイオードと、
    このツェナーダイオードのカソード側と同フォトカプラの入力側の一端との間にコレクタ−エミッタ間が接続され、ベースが上記二次側直流電圧に接続されたnpn形の電源帰還用トランジスタと、
    上記電源帰還用トランジスタのベースとグランドの間にコレクタ−エミッタが接続され、ベースが上記ACL電圧に接続されたnpn形のACL帰還用トランジスタとを具備するとともに、
    上記電源帰還用トランジスタのベース電流は、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタ間に流れる電流に応じて減少させられ、同電源帰還用トランジスタのベース電流値と上記基準電位に対応する電流値を比較しつつ同フォトカプラの入力側に帰還電流を流すことにより、上記ACL電圧の電位が高い程、生成される上記二次側直流電圧を大きくするとともに、上記ACL電圧の電位が低い場合には上記二次側直流電圧を一定化させることを特徴とするテレビジョン。
  2. 入力された映像信号を処理し、カソードアンプを介して受像管に出力する映像信号処理回路と、上記受像管のアノード電極に供給する高圧を生成するフライバックトランスを含む高圧発生回路と、上記受像管の管面輝度が高いと電位が低くなり同管面輝度が低いと電位が高くなるACL電圧を上記フライバックトランスから取得するとともに、同ACL電圧の電位が所定値より大きいとコントラストレベルを低下させ管面輝度を規制するACL制御回路と、二次側直流電圧を生成するトランスを含む電源装置と、上記二次側直流電圧を入力して電子ビームを偏向させる水平偏向回路とを具備するテレビジョンにおいて、
    上記電源装置は、上記ACL電圧および上記二次側直流電圧の電圧レベルをフィードバックさせることにより、上記ACL電圧の電位が高い程、生成される上記二次側直流電圧を大きくするとともに、上記ACL電圧の電位が低い場合には上記二次側直流電圧を一定化させることを特徴とするテレビジョン。
  3. 上記電源装置は、一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成するスイッチング回路と、
    生成された上記一次側電圧を入力して二次側電圧を出力する上記トランスと、
    出力される上記二次側電圧を二次側直流電圧に変換する直流化回路と、
    上記ACL電圧および上記二次側直流電圧の電圧レベルに基づいて上記スイッチング回路に上記一次側直流電圧をオンオフさせるフィードバック回路とを具備することを特徴とする請求項2に記載のテレビジョン。
  4. 上記スイッチング回路は、抵抗回路と第一のコンデンサとからなる第一の直列回路と、
    同第一の直列回路の一端にベースを接続されて一次側直流電圧をオンオフしてパルス状の一次側電圧を生成する発振用トランジスタと、
    この発振用トランジスタのベースとグランドとの間にコレクタ−エミッタ間を接続された発振補助用トランジスタと、
    この発振補助用トランジスタのベースとグランドとの間に介在する第二のコンデンサとを備え、
    上記フィードバック回路は、上記トランスと第一の直列回路との接続部にアノード側を接続された第三のコンデンサとダイオードとからなる第二の直列回路と、
    この第二の直列回路のカソード側と上記発振補助用トランジスタのベースとの間に出力側の両端を接続されたフォトカプラICと、
    上記二次側直流電圧の出力部に一端を接続された電圧供給用抵抗回路と、
    グランドにアノード側を接続されるとともに同電圧供給用抵抗回路の他端にカソード側を接続されて基準電位を生成するツェナーダイオードと、
    このツェナーダイオードのカソード側と同フォトカプラの入力側の一端との間にコレクタ−エミッタ間が接続され、ベースが上記二次側直流電圧に接続されたnpn形の電源帰還用トランジスタと、
    上記電源帰還用トランジスタのベースとグランドの間にコレクタ−エミッタが接続され、ベースが上記ACL電圧に接続されたnpn形のACL帰還用トランジスタとを具備するとともに、
    上記電源帰還用トランジスタのベース電流は、上記ACL帰還用トランジスタのコレクタ−エミッタ間に流れる電流に応じて減少させられ、同電源帰還用トランジスタのベース電流値と上記基準電位に対応する電流値を比較しつつ同フォトカプラの入力側に帰還電流を流すことを特徴とするテレビジョン。
  5. 上記直流化回路は、上記二次側電圧の出力部にアノード側を接続された整流用ダイオードと、同整流用ダイオードのカソード側とグランドとの間にそれぞれ介在する整流用コンデンサとを有し、同整流用ダイオードのカソード側から直流電圧を出力することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかにテレビジョン。
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