JP3695536B2 - テレビジョン、映像表示装置、映像表示装置のビーム電流制御方法および映像表示装置の最大x線放射量測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧を生成し、生成した高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すことにより映像を表示するテレビジョン、映像表示装置、映像表示装置のビーム電流制御方法および映像表示装置の最大X線放射量測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の映像表示装置であるテレビジョンとして、図10に示すものが知られている。図において、テレビジョン1は、マイコン11、チューナIC12、クロマIC13、整流回路17、色信号処理回路21、受像管22、フライバックトランス(FBT)27、X線プロテクト回路30、電源回路40、等を備えている。クロマIC13は、テレビジョン放送信号から変換された中間周波信号を入力して映像信号を生成する。マイコン11は輝度、コントラスト、カットオフを調整可能とする輝度調整値(Bright調整値)、コントラスト調整値(Contrast調整値)、カットオフ調整値(Cutoff調整値)をクロマIC13に対して出力し、クロマIC13がこれらの調整値を入力して輝度信号、コントラスト信号、カットオフ信号を生成する。また、クロマIC13は、FBT27から整流回路17を介して入力されるビーム電流信号に基づいて、輝度信号を調整する。クロマIC13にて生成されたこれらの信号は色信号処理回路21に入力され、映像信号に対して所定の色信号処理が行われる。受像管22は、FBT27から入力される高電圧に基づいてビーム電流を流すことにより色信号処理が行われた映像信号に対応する映像を所定の管面に表示する。X線プロテクト回路30は、同高電圧が所定電圧以上となるときに受像管22への高電圧の供給を停止させる。電源回路40は直流の基準電圧を生成し、FBT27が同基準電圧に略比例した高電圧を生成する。
また、図11に示すように、電源回路40には、同電源回路40が生成する基準電圧の大きさを変更可能な半固定抵抗器2が接続されている。
【0003】
受像管22から放射されるX線量が許容量を超えないよう、テレビジョンの製品出荷時には抜き取り検査で最大X線放射量を測定している。受像管22からのX線の放射量は、高電圧が高いほど多くなるとともに、受像管22を流れるビーム電流が多いほど多くなる。なお、ビーム電流の電流量が多くなると高電圧の電位が低下するので、図4に示すように、クロマIC13に書き込む輝度調整値を大きくしていったときにビーム電流の電流量がピーク(最大)になる点P1が存在する。
そこで、最大X線放射量を測定する際、テレビジョン1に出荷検査用のパーソナルコンピュータ(PC)を接続しておき、まず、半固定抵抗器2を作業者が回すことにより基準電圧を上昇させていき、X線プロテクト回路が作動する直前の電圧まで高電圧を上昇させる。次に、出荷検査用PCから輝度調整値を少しずつ大きくしながらクロマIC13に直接書き込み、X線放射量測定装置の測定部を受像管の管面に持っていってX線放射量を測定し、最大となったX線放射量を最大X線放射量としていた。
【0004】
なお、陰極線管による許容X線発生量の限界に対応する陰極線管の動作パラメータの限界値を記憶し、陰極線管の動作パラメータを同限界値よりも低く保つことにより、陰極線管からのX線発生量を制限する装置も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ビーム電流検出回路およびX線検出回路の出力に対応させて高電位しきい値および低電位しきい値を設定しておき、これらの回路の出力の電位が両しきい値に達したときに出力の変化を表す制御出力信号を出力する制御回路も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−244544号公報
【特許文献2】
特開平8−340501号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の技術においては、上述したビーム電流の電流量がピークになる点は一台一台異なるため、ビーム電流の電流量が最大となるまで輝度調整値を変えながらX線放射量を測定するという試行錯誤を伴う作業が必要であり、作業に時間がかかっていた。
なお、特許文献1、特許文献2に開示された技術は、最大X線放射量を測定可能とする条件を作り出すものではないため、上記課題を解決することはできない。
【0007】
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、最大X線放射量を測定する作業を容易にさせることが可能なテレビジョン、映像表示装置、映像表示装置のビーム電流制御方法および映像表示装置の最大X線放射量測定方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、上記輝度調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量は、上記コントラスト調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量よりも大きくされており、上記マイコンは、上記ビーム電流信号に対応する電圧を入力してデジタルの電流値に変換するA/Dコンバータを有し、変換された電流値からデジタルのビーム電流値を取得し、上記段階的な値とされた輝度調整値を増加させながら上記クロマICに対して出力し、同取得したビーム電流値が最も大きくなる輝度調整値を決定した後、決定した輝度調整値を上記クロマICに対して出力した状態で上記段階的な値とされたコントラスト調整値を変化させながら上記クロマICに対して出力し、同取得したビーム電流値が最大になるコントラスト調整値を決定し、決定したコントラスト調整値を上記クロマICに対して出力することにより、上記ビーム電流を上記受像管からのX線の最大放射量を測定可能な電流量に調整する制御を行う。
【0009】
受像管に流れるビーム電流が多くなるほど低下する高電圧は、フライバックトランスで生成される。同高電圧に基づいて受像管にビーム電流が流れ、受像管の管面に色信号処理が行われた映像信号に対応する映像が表示される。輝度調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量はコントラスト調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量よりも大きくされているので、マイコンは、まず、段階的な値とされた輝度調整値を増加させることによりデジタルのビーム電流値を大まかに増加させながら同ビーム電流値が最も大きくなる輝度調整値を決定する。次に、段階的な値とされたコントラスト調整値を変化させることによりデジタルのビーム電流値を細かく変化させながら同ビーム電流値が最大となるコントラスト調整値を決定する。デジタルのビーム電流値は受像管に流れるビーム電流の電流量(以下、単にビーム電流量とも記載)と略比例しているので、受像管には自動的に電流量が最大となるようにビーム電流が流れ、受像管からの最大X線放射量を測定することが可能となる。このように、ビーム電流量にピークが存在するときにビーム電流量を最大にするように試行錯誤する必要がなくなり、最大X線放射量を測定する作業を容易にさせることが可能となる。
また、ビーム電流量は、輝度調整値により大まかに変化して最大に近い状態とされ、コントラスト調整値により細かく変化して確実に最大の状態とされる。従って、正確に、最大X線放射量を測定することが可能となる。また、このような最適な条件を自動的に作り出すことができるので、迅速に最大X線放射量を測定することが可能となる。
【0010】
ところで、テレビジョン以外に使用される種々の映像表示装置にも、本発明を適用することが可能である。そこで、請求項2にかかる発明は、高電圧を生成する高電圧生成手段と、映像の明るさを調整可能とする映像調整値を入力して出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理を行い、生成された上記高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すことにより同色信号処理にて明るさを調整された映像を表示する映像表示手段と、上記受像管に流れるビーム電流の電流量を検出するビーム電流検出手段と、検出された上記ビーム電流の電流量に基づいて、上記受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように上記映像調整値を決定し、決定した映像調整値を上記映像表示手段に対して出力するビーム電流制御手段とを具備する構成としてある。
【0011】
すなわち、高電圧は、高電圧生成手段にて生成される。映像表示手段に対して映像の明るさを調整可能とする映像調整値が入力されると、出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理が行われる。同映像表示手段が同高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すと、受像管にて色信号処理にて明るさを調整された映像が表示される。ビーム電流量は、ビーム電流検出手段により検出される。そして、ビーム電流制御手段により、検出されたビーム電流量に基づいて、受像管に流すビーム電流の電流量が最大になるように映像調整値は決定され、決定された映像調整値が映像表示手段に対して出力される。その結果、受像管に流れるビーム電流の電流量は、最大にされる。すると、受像管には自動的に電流量が最大となるようにビーム電流が流れるので、受像管からの最大X線放射量を測定することが可能となる。
このように、ビーム電流量にピークが存在するときにビーム電流量を最大にするように試行錯誤する必要がなくなり、最大X線放射量を測定する作業を容易にさせることが可能となる。
【0012】
ここで、請求項3にかかる発明のように、上記映像表示手段は、上記映像調整値を入力して対応する映像制御信号を生成する映像信号生成手段と、生成された映像制御信号に基づいて上記映像調整値に対応して出力映像の明るさを調整する上記色信号処理を行う色信号処理手段とを備える構成としてもよい。
すなわち、映像信号生成手段により、映像の明るさを調整可能とする映像調整値に対応する映像制御信号が生成される。色信号処理手段により映像調整値に対応して出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理が行われると、出力映像は映像制御信号に基づいて調整される。受像管が高電圧に基づいてビーム電流を流すと、色信号処理により明るさが調整された映像が表示される。ビーム電流検出手段にて検出されたビーム電流量に基づいて、ビーム電流制御手段により、ビーム電流量が最大になるように上記映像調整値が決定される。決定された映像調整値は、映像信号生成手段に対して出力される。
従って、テレビジョンに用いられる汎用的な手段を利用して、映像調整値によりビーム電流を電流量が最大となるように調整することができる。
【0013】
ところで、上記映像調整値は段階的な値とされた第一および第二の映像調整値から構成され、同第一の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量は同第二の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量よりも大きくされており、上記映像信号生成手段は、上記第一の映像調整値を入力して第一の映像制御信号を生成するとともに、上記第二の調整値を入力して第二の映像制御信号を生成し、上記色信号処理手段は、上記生成された第一および第二の映像制御信号に基づいて上記色信号処理を行い、上記ビーム電流制御手段は、上記段階的な値とされた第一の映像調整値を増加させながら上記映像信号生成手段に対して出力し、上記ビーム電流検出手段にて検出されたビーム電流の電流量が最も大きくなる第一の映像調整値を決定した後、決定した第一の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力した状態で上記段階的な値とされた第二の映像調整値を変化させながら上記映像信号生成手段に対して出力し、上記ビーム電流検出手段にて検出されたビーム電流の電流量が最大になる第二の映像調整値を決定し、決定した第二の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力する構成としてもよい。
【0014】
映像調整値は段階的な値とされた第一および第二の映像調整値から構成され、同第一の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量は同第二の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量よりも大きくされているので、ビーム電流制御手段は、まず、段階的な値とされた第一の映像調整値を増加させることによりビーム電流量を大まかに増加させながらビーム電流量が最も大きくなる第一の映像調整値を決定する。次に、段階的な値とされた第二の映像調整値を変化させることによりビーム電流量を細かく変化させながらビーム電流量が最大となる第二の映像調整値を決定する。
すなわち、ビーム電流量を正確に最大にさせて最大X線放射量を測定可能とする最適な条件を作り出すことができるので、より正確に最大X線放射量を測定することが可能となる。また、このような最適な条件を自動的に作り出すことができるので、迅速に最大X線放射量を測定することが可能となる。
【0015】
なお、上記映像調整値が段階的な値とされた三以上の映像調整値から構成される場合も、請求項4に記載した発明に含まれる。例えば、第二の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量が第三の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量よりも大きくされている場合、上記映像信号生成手段は、上記第三の映像調整値を入力して第三の映像制御信号を生成し、上記色信号処理手段は、上記生成された第一、第二および第三の映像制御信号に基づいて上記色信号処理を行い、上記ビーム電流制御手段は、上記ビーム電流検出手段にて検出されたビーム電流の電流量が最も大きくなる第二の映像調整値を決定して決定した第二の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力した状態で上記段階的な値とされた第三の映像調整値を変化させながら上記映像信号生成手段に対して出力し、上記ビーム電流検出手段にて検出されたビーム電流の電流量が最大になる第三の映像調整値を決定し、決定した第三の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力してもよい。
【0016】
ここで、請求項5にかかる発明のように構成してもよい。第一・第二(第一および第二)の映像調整値と第一・第二の映像制御信号の好適な具体例を提供することができる。
むろん、映像調整値と映像制御信号は様々な構成が考えられる。例えば、第二の映像調整値をカットオフ調整値とし、第二の映像制御信号をカットオフ信号としてもよい。
【0017】
請求項6にかかる発明では、ビーム電流制御手段が、まず、段階的な値とされた第一の映像調整値を増加させることによりデジタルのビーム電流値を大まかに増加させながら同ビーム電流値が最も大きくなる第一の映像調整値を決定する。次に、段階的な値とされた第二の映像調整値を変化させることによりデジタルのビーム電流値を細かく変化させながら同ビーム電流値が最大となる第二の映像調整値を決定する。デジタルのビーム電流値はビーム電流量と略比例しているので、ビーム電流量を正確に最大にさせて最大X線放射量を測定可能とする最適な条件を自動的に作り出すことができる。
【0018】
また、上記映像信号生成手段は、テレビジョン信号から変換された中間周波信号を入力して映像信号を生成するとともに上記第一の映像調整値に対応する上記第一の映像制御信号を上記ビーム電流信号に基づいて調整しながら生成するクロマICであり、上記色信号処理手段は、上記第一および第二の映像制御信号に基づいて出力映像を調整するように上記映像信号に対して上記色信号処理を行う色信号処理回路である構成としてもよい。
【0019】
さらに、請求項7にかかる発明のように、上記映像信号生成手段は、上記第一の映像調整値に対応する上記第一の映像制御信号を上記ビーム電流信号に基づいて調整しながら生成するクロマICであり、上記高電圧生成手段は、積分値が上記ビーム電流の電流量に略比例した略パルス状のパルス状ビーム電流信号を生成するフライバックトランスと、同パルス状ビーム電流信号を整流して上記ビーム電流信号を生成する整流回路とを備える構成としてもよい。ここで、略パルス状には、方形波のみならず、正弦波の正電位成分のみからなる半波等も含まれる。これらの構成でも、テレビジョンの汎用的な構成を利用して、より正確に、かつ、素早く最大X線放射量を測定することが可能となる。
なお、フライバックトランス以外にも、所定の高圧生成回路を使用して基準電圧から高電圧を生成するようにしてもよい。
【0020】
ここで、請求項8にかかる発明のように、上記整流回路は、上記フライバックトランスとグランドとの間に介在するコンデンサと、このコンデンサの同フライバックトランス側の一端とクロマICとの間に介在する抵抗回路を備え、上記A/Dコンバータは、上記抵抗回路の両端の電圧をそれぞれデジタルの電流値に変換し、上記ビーム電流制御手段は、上記抵抗回路の両端の電圧から変換された両デジタルの電流値の差を上記ビーム電流値とする構成としてもよい。簡易な構成とされた整流回路を利用してデジタルのビーム電流値を取得することができる。
【0021】
さらに、請求項9にかかる発明では、X線の放射量を測定可能である電流量が最大のビーム電流が受像管に流れているときにその旨を知ることができるので、最大X線放射量を測定する作業の際に利便性が向上する。
ここで、上記旨を出力する構成は様々考えられ、例えば、受像管への表示により上記旨を出力してもよいし、スピーカからの音声出力により上記旨を出力してもよい。
【0022】
ところで、上述したテレビジョンおよび映像表示装置は、単独で使用される場合もあるし、他の装置に組み込まれた状態で使用される場合もある。
また、ビーム電流量を最大にするように同ビーム電流量を制御する手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順にも発明が存在する。そこで、請求項10にかかる発明は、高電圧を生成する高電圧生成手段と、映像の明るさを調整可能とする映像調整値を入力して出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理を行うとともに同高電圧生成手段にて生成された高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すことにより同色信号処理にて明るさを調整された映像を表示する映像表示手段とを備える映像表示装置のビーム電流制御方法であって、上記受像管に流れるビーム電流の電流量を検出して同検出したビーム電流の電流量に基づいて同受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように上記映像調整値を決定して同決定した映像調整値を上記映像表示手段に対して出力する処理を上記映像表示装置にて行う構成としてある。
【0023】
さらに、上記テレビジョンおよび映像表示装置を使用して最大X線放射量を測定する方法にも発明は存在する。そこで、請求項11にかかる発明は、高電圧を生成する高電圧生成手段と、映像の明るさを調整可能とする映像調整値を入力して出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理を行うとともに同高電圧生成手段にて生成された高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すことにより同色信号処理にて明るさを調整された映像を表示する映像表示手段とを備える映像表示装置の最大X線放射量測定方法であって、上記受像管に流れるビーム電流の電流量を検出して同検出したビーム電流の電流量に基づいて同受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように上記映像調整値を決定して同決定した映像調整値を上記映像表示手段に対して出力する処理を上記映像表示装置にて行い、上記受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように決定された映像調整値が上記映像表示手段に対して出力されているときに、X線放射量を測定可能なX線放射量測定装置を用いて上記受像管からのX線の最大放射量を測定する構成としてある。
すなわち、本発明は映像表示装置のビーム電流制御方法や映像表示装置の最大X線放射量測定方法としても適用可能であり、請求項1、請求項3〜請求項9に記載された装置構成を当該方法に対応させることも可能である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1にかかる発明によれば、最大X線放射量を測定する作業を容易にさせることが可能になるとともに、正確に、かつ、素早く最大X線放射量を測定することが可能となる。
請求項2、請求項10、請求項11にかかる発明によれば、最大X線放射量を測定する作業を容易にさせることが可能となる。
請求項3にかかる発明によれば、簡易な構成で映像調整値により受像管を流れるビーム電流を電流量が最大となるように調整することが可能となる。
請求項4にかかる発明によれば、より正確に、かつ、素早く最大X線放射量を測定することが可能となる。
請求項5にかかる発明によれば、テレビジョンの汎用的な構成を利用して容易に受像管を流れるビーム電流を電流量が最大となるように調整することが可能となる。
【0025】
請求項6、請求項7にかかる発明によれば、テレビジョンの汎用的な構成を利用して、より正確に、かつ、素早く最大X線放射量を測定することが可能となる。
請求項8にかかる発明によれば、簡易な構成で、デジタルのビーム電流値を取得することが可能となる。
請求項9にかかる発明によれば、最大X線放射量を測定する作業の際に利便性を向上させることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、下記の順序にしたがって本発明の実施形態について説明する。
(1)テレビジョンの構成:
(2)最大X線放射量測定時に使用する機器:
(3)テレビジョンの動作と最大X線放射量測定方法:
(4)まとめ:
【0027】
(1)テレビジョンの構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかるテレビジョン(映像表示装置)100の構成の概略ブロック図である。なお、操作パネル等は図示を省略している。
図において、テレビジョン100は、放送受信装置として、概略、IICバス10に接続されたIICバスインターフェイス(I/F)10aとマイコン11とチューナIC12とクロマIC13とEEPROM16、リモコン受信部14、リモコン送信機15、整流回路17、等を備えている。チューナIC12には、アンテナ12aが接続されている。クロマIC(映像信号生成手段)13には、IICバス10の他に、マイコン11のオンスクリーンディスプレイ回路(OSD)11dとチューナIC12とに直接接続されている。リモコン受信部14は、マイコン11に直接接続されている。操作者がリモコン送信機15の操作キーを操作すると、同リモコン送信機15は操作内容に対応する赤外線のリモコン信号を送信し、リモコン受信部14が同リモコン信号を受信する。
マイコン11は、各種制御を行うため、CPU11a、ROM11b、RAM11c、OSD11d、A/Dコンバータ11e,f、図示しないタイマ回路、等を内蔵している。そして、上記リモコン受信部14から入力されるリモコン信号に応じて、シリアルデータ通信によりテレビジョン100全体を制御する。
【0028】
マイコン11、IC12,13、フライバックトランス(FBT)27等のデバイスには電源回路40から複数電位の直流の基準電圧が供給されており、これらのデバイスは同基準電圧を利用して動作するようになっている。また、電源回路40にはX線プロテクト回路30が接続されており、受像管(CRT)22からのX線の放射が許容量を超えないように高電位の基準電圧(E1)が所定電圧以上となるときに電源回路40に基準電圧の生成を停止させるようになっている。さらに、X線プロテクト回路30にはリセット回路31が接続されており、X線プロテクト回路30が作動して電源回路40に基準電圧の生成を停止させたときに、マイコン11に対してリセット信号を出力するとともにテレビジョン100の各部をリセットするように動作する。
【0029】
チューナIC12は、周波数シンセサイザ方式のチューナであり、放送電波とされたテレビジョン放送信号(テレビジョン信号の一種)をマイコン11の制御によりアンテナ12aから受信し、中間周波信号(IF)に変換して出力する。図示していないが、外部入力端子からテレビジョン信号を入力し、中間周波信号に変換して出力することも可能である。同チューナIC12は、マイコン11に接続された高周波増幅回路、この高周波増幅回路とマイコン11に接続された中間周波信号出力回路、等を備えている。中間周波信号出力回路は、マイコン11に接続された局部発振回路と、この局部発振回路と高周波増幅回路に接続された混合回路とを備えている。なお、これらの回路は、従来から採用されている種々のテレビジョン用の回路を適用することができる。
【0030】
高周波増幅回路は、バンドパスフィルタを有しており、マイコン11の制御に基づいて、アンテナ12aからこのバンドパスフィルタを介して所望周波数に対応する放送電波を受信し、増幅して高周波信号を作成し、混合回路に出力する。局部発振回路は、PLL(Phase Locked Loop )回路により構成されており、水晶発振回路からの基準発振信号を基準にして、PLL回路により放送電波の所望周波数に対応する局部発振周波数の局部発振信号を作成して混合回路に出力する。混合回路は、高周波増幅回路からの出力と局部発振回路からの局部発振信号とを混合して中間周波信号に変換し、クロマIC13に出力する。
【0031】
クロマIC13は、概略、図2に示すように構成されており、各種の信号処理を行っている。クロマIC13は、ワンチップICとされ、中間周波増幅(VIF)回路13a、検波回路13b、同期回路13c、バースト信号検出部13d、PAL方式やSECAM方式等に合わせてRGB信号とY信号を復調する復調部13e、映像制御信号生成部13f、等から構成されている。
チューナIC12からの中間周波信号はVIF回路13aに入力される。VIF回路13aは、同中間周波信号を中間周波増幅し、検波回路13bに出力する。検波回路13bには図示しないVCO(Voltage Controled Oscillator)回路が接続されており、同VCO回路は水晶発振回路から入力される基準発振信号に基づいて発振信号を発振して検波回路13bに出力する。
【0032】
検波回路13bは、中間周波増幅された中間周波信号から発振信号の発振周波数に同期しながら映像検波を行い、合成映像信号を分離してバースト信号検出部13dに対して出力する。また、音声の信号については、中間周波増幅された中間周波信号のうち音声成分と発振信号とを混合して第二音声中間周波信号を作成し、FM検波を行ってAUDIO信号とし、外部に出力する。さらに、検波回路13bは、検波の過程で発振信号の発振周波数に基づいて水平・垂直同期信号(SYNC)も作成して同期回路13cに出力する。同期回路13cは、入力される水平・垂直同期信号に基づいてのこぎり波状のDRIVE信号を作成し、水平偏向回路と垂直偏向回路とからなる偏向回路25に対して出力する。その際、映像制御信号生成部13fから入力される信号に基づいて処理を行う。
なお、各部13a〜fは、従来から採用されている種々のテレビジョン用の回路を適用することができる。
【0033】
検波回路13bからの合成映像信号が入力されるバースト信号検出部13dは、合成映像信号中のバースト信号が一定の周波数であるか否かを判別し、バースト信号が一定の周波数であるか否かを判別する信号を復調部13eとマイコン11に対して出力する。バースト信号が一定の周波数であるとき、テレビジョン放送信号はPAL方式であり、バースト信号が一定の周波数でないとき、テレビジョン放送信号はSECAM方式である。
【0034】
復調部13eは、入力される合成映像信号に対して放送方式に対応した所定の色復調処理を行い、RGB信号(映像信号)とY信号(輝度信号、第一の映像制御信号)を出力する回路である。具体的には、Y信号と搬送色信号とを分離した後、バースト信号から副搬送波を発生し、当該副搬送波で適宜搬送色信号を復調し、色差信号を得ている。その際、映像制御信号生成部13fから入力される輝度調整値を表す信号に基づいて処理を行う。色差信号とY信号とからRGB信号を生成し、色信号処理回路21に対して出力する。
【0035】
映像制御信号生成部13fは、マイコン11から入力されるデジタルの輝度調整値(第一の映像調整値)、コントラスト調整値(第二の映像調整値)、カットオフ調整値を保持して復調部13eや同期回路13cに対して信号を出力するとともに、コントラスト信号(第二の映像制御信号)を色信号処理回路21に対して出力し、カットオフ信号を受像管22に対して出力する回路である。
ここで、輝度調整値、コントラスト調整値、カットオフ調整値は、それぞれ出力映像の輝度、コントラスト、カットオフを調整可能とする所定範囲内で段階的な値とされたデジタル値であり、いずれも出力映像の明るさを調整可能とする値である。従って、マイコン11からの指示によって、RGB信号や各種映像制御信号(Y信号、コントラスト信号、カットオフ信号)を放送方式別に調整しつつ受像管22に表示される映像の明るさを調整することができる。
なお、クロマIC13はOSD11dに接続されており、同OSD11dから入力されるOSD信号をRGB信号に重畳可能である。
【0036】
色信号処理回路(色信号処理手段)21は、出力画像の明るさ(輝度やコントラスト)を調整するようにRGB信号に対して所定の色信号処理を行い、当該処理の結果増幅されたRGB信号を受像管22に供給する。すると、受像管22は、明るさ(輝度やコントラスト)を調整されたRGB信号に基づいて画面表示を行う。一方、オーディオアンプ23は、AUDIO信号を増幅してスピーカ24に供給する。そして、スピーカ24は、増幅されたAUDIO信号に基づいて音声を出力する。
偏向回路25は、水平・垂直ドライブ信号に対応した所定の水平・垂直ドライブ電流を作成し、受像管22に取り付けられた偏向コイル26に供給することにより、電子ビームを水平・垂直方向にドライブさせる。また、水平偏向回路で生じる高周波信号は、FBT27に供給される。FBT27は、高電位の基準電圧を入力して受像管22に供給する高電圧(カソード電圧)を生成する。
すると、受像管22は、同高電圧に基づいてRGB信号に応じた電子ビームを所定の管面に向かって放出させる。その結果、受像管22の管面に画像が現れることになる。
なお、クロマIC13と、色信号処理回路21と、受像管22と、偏向回路25と、偏向コイル26とから、映像表示手段が構成される。
【0037】
上記色信号処理回路21は、出力映像のコントラストを調整可能とするコントラスト信号に基づいて出力画像のコントラストを調整するようにRGB信号に対して所定の色信号処理を行うコントラスト調整部21aと、出力映像の輝度を調整可能とするY信号(輝度信号)に基づいて出力画像の輝度を調整するようにRGB信号に対して所定の色信号処理を行う輝度調整部21bとを備えている。コントラスト調整部21aは、例えば各RGB信号のタイミングを微妙にずらす等により出力映像のコントラストを調整するようにRGB信号を微調整する処理を行う。その際、出力映像の輝度が微妙に変化する。輝度調整部21bは、例えばY信号が輝度を上昇させるように変化したときにはRGB各信号の強度を全て上げる処理を行う。
【0038】
受像管22は、FBT27により生成された高電圧を入力し、この高電圧に基づいてビーム電流を流すことにより、色信号処理回路21で色信号処理が行われたRGB信号に対応する映像を管面に表示する。
上記高電圧を生成するFBT27は、ビーム電流量が多くなると低下する性質を有している。また、ビーム電流量に対応した略パルス状のパルス状ビーム電流信号を生成し、整流回路17に供給している。
図3の上段は、パルス状ビーム電流信号S1の電圧の時間変化を示している。ここで、横軸を時間軸、縦軸を電圧軸としているが、縦軸については同信号S1の電流量をも表している。図に示すように、パルス状ビーム電流信号S1は、負の電流成分がカットされた正の電流成分のみからなる半波状とされている。なお、電圧(電流量)変化は正弦波の上半分に近い状態とされているが、このような信号でも本発明にいう略パルス状に含まれる。むろん、方形波も略パルス状に含まれることは言うまでもない。
そして、パルス状ビーム電流信号S1の時間に対する電圧(および電流量)の積分値が、受像管22に流れるビーム電流の電流量に略比例するものとなっている。
【0039】
整流回路17は、FBT27とグランドとの間に介在するコンデンサC1と、このコンデンサC1のFBT27側の一端とクロマIC13との間に介在する抵抗回路R1を備えている。FBT27から出力されたパルス状ビーム電流信号は、コンデンサC1により平滑され、抵抗回路R1により電流量を制限されて略直流状のビーム電流信号とされて、クロマIC13に入力される。このように、整流回路17は、FBT27により生成されたパルス状ビーム電流信号を整流してビーム電流信号を生成する。
図3の下段は、ビーム電流信号S2の電圧の時間変化を示しており、パルス状ビーム電流信号S1を点線により示している。ここで、横軸を時間軸、縦軸を電圧軸としているが、縦軸については同信号S2の電流量をも表している。図に示すように、ビーム電流信号S2は、略直流状とされている。そして、パルス状ビーム電流信号S1の時間に対する電圧(および電流量)の積分値がビーム電流信号S1の電圧(および電流量)に略比例しているので、ビーム電流信号S2の電圧(および電流量)はビーム電流量に略比例するものとなっている。
なお、FBT27と整流回路17とから、高電圧生成手段が構成される。
【0040】
テレビジョン放送信号から変換された中間周波信号を入力してRGB信号を生成するクロマIC13は、マイコン11から輝度調整値を入力して対応するY信号を生成し、コントラスト調整値を入力して対応するコントラスト信号を生成し、カットオフ調整値を入力して対応するカットオフ信号を生成する。これらの映像調整値は、段階的なデジタル値(例えば、8ビットを割り当てた0〜255の整数値)とされている。
Y信号については、整流回路17から入力されるビーム電流信号の電流量に基づいて出力映像の輝度を調節するように調整しながら生成する。
【0041】
マイコン11は、各種映像調整値をクロマIC13に対して出力可能である。これらの映像調整値は、記憶するデータを書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM16に格納されている。各映像調整値は、テレビジョン100毎に少しずつ異なっており、テレビジョン100別に設定されるようになっている。マイコン11は、IICバス10を介してEEPROM16から各映像調整値を取得し、同IICバス10を介してクロマIC13に対して各映像調整値を書き込むことが可能である。
【0042】
ところで、テレビジョンの製品出荷時には抜き取り検査で最大X線放射量を測定するが、映像を出力している受像管22の管面から放射されるX線の放射量は、高電圧が高いほど多くなるとともに、受像管22を流れるビーム電流が多いほど多くなる。なお、FBT27が生成する高電圧はビーム電流量が多くなると低下する性質を有しているので、クロマIC13に書き込む輝度調整値を大きくしていったときにビーム電流量がピークになる点が存在する。
【0043】
図4は、クロマICに書き込まれる輝度調整値とビーム電流量との関係をグラフ形式で示している。実際には、輝度調整値が段階的な値とされているので、ビーム電流量も段階的に変化する。図では、分かりやすく説明するため、曲線で示している。本実施形態では、輝度調整値が相対的に小さいときに輝度調整値が大きくなるほどビーム電流量が増加するようにされているが、輝度調整値が相対的に大きいときに輝度調整値が小さくなるほどビーム電流量が増加するように設計することも可能である。このような設計とされたテレビジョンの場合、輝度調整値の軸が図4とは逆向き(右側となるほど輝度調整値が小さくなる)にされた特性になるだけであり、本発明を適用可能である。
図に示すように、輝度調整値に対してビーム電流量が最大となる点P1が存在しており、輝度調整値が点P1に対応する理想の輝度調整値A1よりも小さいときには輝度調整値が大きくなるほどビーム電流は多くなり、同輝度調整値A1よりも大きいときには輝度調整値が大きくなるほどビーム電流は少なくなる。従来は、最大X線放射量を測定する際、テレビジョンに出荷検査用PCを接続しておき、まず、電源回路40に接続した半固定抵抗器を作業者が回すことにより、X線プロテクト回路が作動する直前の電圧まで高電圧を上昇させてから、次に、出荷検査用PCから輝度調整値を少しずつ大きくしながらクロマICに直接書き込んでその都度X線放射量を測定し、最大となったX線放射量を最大X線放射量としていた。しかし、ピークとなる点P1は一台一台異なるため、ビーム電流量が最大となるまで輝度調整値を変えながらX線放射量を測定するという時間のかかる煩わしい作業が必要であった。
本テレビジョン100は、ビーム電流量に対応するビーム電流値を取得し、このビーム電流値が正確に最大となるように自動制御することにより、最大X線放射量を測定する作業を容易にさせ、正確なかつ素早い最大X線放射量の測定を可能としている。
【0044】
マイコン11には、抵抗回路R1の両端の電圧を検出するため、抵抗回路R1におけるコンデンサC1との接続部に接続されたA/Dコンバータ11eと、同抵抗回路R1におけるクロマIC13との接続部に接続されたA/Dコンバータ11fとが設けられている。A/Dコンバータ11eは、パルス状ビーム電流信号からコンデンサC1により平滑された電流の電圧(V1とする)を入力してデジタルの電流値に変換する。一方、A/Dコンバータ11fは、同平滑された電流が抵抗回路R1(抵抗値をR1と表す)を流れることにより降下した電圧(V2)を入力してデジタルの電流値に変換する。クロマIC13に流れるビーム電流信号の電流量i1は、以下の式により表される。
i1 = (V1−V2)/R1 ・・・(1)
抵抗値R1は変化しないため、A/Dコンバータ11e,fにて変換された両デジタルの電流値の差を、上記ビーム電流量に略比例するデジタルのビーム電流値とすることができる。
このように、A/Dコンバータ11e,fは、抵抗回路の両端の電圧、すなわち、整流回路17にて生成されたビーム電流信号に対応する電圧を入力してそれぞれデジタルの電流値に変換する。従って、FBT27とクロマIC13との間に介在する抵抗回路R1の両端の電圧を検出するという簡易な構成で、マイコン11は、A/Dコンバータにて変換された電流値からデジタルのビーム電流値を取得することができる。そして、クロマIC13に書き込む輝度調整値とコントラスト調整値を決定することにより、上記ビーム電流を受像管からのX線の最大放射量を測定可能な電流量に調整する制御を行う。
【0045】
図5は、図4のピークP1付近(P11)を拡大して示している。図中の各点は輝度調整値がとり得る値に対するビーム電流量を示しており、点線とされた曲線は各点を繋いだものである。輝度調整値は所定範囲内で段階的な値(整数値)とされている一方、輝度調整値を一つずつ変化させるとビーム電流量は大きく変化する。すると、輝度調整値を変化させてビーム電流量を最大にしようとしても、多くの場合、ビーム電流量が最大となる点P1にする理想的な輝度調整値A1が存在しない。その結果、輝度調整値のとり得る値の中でビーム電流量が最も多くなる点P2にする輝度調整値A2にしか調整できないことになる。ビーム電流を点P2に対応する電流量にすることによっても本発明は有効であるが、より正確に最大X線放射量を測定するため、さらに点P1に近い状態となるようにビーム電流量が調整されると好適である。
【0046】
図6は、コントラスト調整値に対するビーム電流量をプロットしている。図中の各点はコントラスト調整値がとり得る値に対するビーム電流量を示している。本実施形態では、コントラスト調整値が相対的に小さいときにコントラスト調整値が大きくなるほどビーム電流量が増加するようにされているが、コントラスト調整値が相対的に大きいときにコントラスト調整値が小さくなるほどビーム電流量が増加するように設計することも可能である。このような設計とされたテレビジョンの場合、コントラスト調整値の軸が図6とは逆向き(右側となるほどコントラスト調整値が小さくなる)にされた特性になるだけであり、本発明を適用可能である。
コントラスト調整値も所定範囲内で段階的な値(整数値)とされているが、コントラスト調整値の変化量に対するビーム電流の電流変化量は、輝度調整値の変化量に対するビーム電流の電流変化量よりも小さい。従って、コントラスト調整値を変化させることにより、ビーム電流量を点P2からビーム電流量がほぼ最大となる点P1’にすることができ、ビーム電流量がより理想的な最大に近い点P1’にするコントラスト調整値A3が存在することになる。その結果、コントラスト調整値を用いると、さらに点P1に近い状態となるようにビーム電流量が調整される。
【0047】
(2)最大X線放射量測定時に使用する機器:
テレビジョン製造工場で調整・検査するため、本テレビジョンのIICバス10にはIICバスI/F10aが接続されており、本テレビジョン100はPCと接続可能となっている。
図7は、最大X線放射量を測定する際に使用する機器をテレビジョンとともに示している。
図において、受像管22の管面22aはテレビジョン100の前面となるように配置されている。図ではテレビジョン100の右下部にIICバスI/F10aが配設され、このIICバスI/F10aを介してIICバスケーブル201により出荷検査用PC200に接続されている。同PC200は、出力デバイスとしてのディスプレイ202と、入力デバイスとしてのキーボード203、マウス204とが接続されている。PC200をIICバスI/F10aに接続するとき、テレビジョンのリアキャビネット100aを取り外してからIICバスI/F10aにケーブル201を接続する。リモコン送信機15にて所定のキー操作を行っていわゆる工場モードにすると、同PC200はテレビジョン100に対して各種調整データを送出可能となる。
【0048】
ここで、PC200から最大X線放射量測定モードにする指示が送出されると、詳しくは後述するが、テレビジョン100は受像管22に流すビーム電流量が最大となるように高電圧を制御する。そして、このような制御が行われているときに、X線放射量を測定可能なX線放射量測定装置80の測定部80aを受像管の管面22aに押し当てるように持っていき、受像管22からのX線の最大放射量を測定する。
【0049】
(3)テレビジョンの動作と最大X線放射量測定方法:
以下、本実施形態にかかるテレビジョンの動作を、最大X線放射量を測定する手順とともに説明する。
まず、テレビジョン製造工場の作業者は、図7で示したようにテレビジョン100に出荷検査用PC200を接続しておくとともに、電源回路40に接続した図示しない半固定抵抗器を回すことにより基準電圧を上昇させていき、X線プロテクト回路が作動する直前の電圧まで高電圧を上昇させる。次に、リモコン送信機15を用いてテレビジョン100を工場モードにする所定のキー操作を行うとともに、PC200にて工場モード用の所定の調整検査プログラムを起動させておく。同調整検査プログラムの機能により、PC200はキーボード203等から最大X線放射量測定モードにする指示についての操作入力を受け付けて同指示をテレビジョン100に送出可能となっており、作業者はキーボード203等から最大X線放射量測定モードにする指示についての操作入力を行うことにより、テレビジョン100に対して同指示を送ることができる。そして、テレビジョン100は、工場モードを行っている最中に最大X線放射量測定モードにする指示を入手すると、受像管22に流すビーム電流の電流量を最大にする制御処理を行っていく。
【0050】
マイコン11は繰り返しリモコン受信部14を介してリモコン送信機15からのリモコン信号の入力を受け付ける処理を行っており、工場モードにするキー操作に対応するリモコン信号が入力されると、所定の工場モードフラグをセットし、工場モードを解除するキー操作に対応するリモコン信号が入力されると、同工場モードフラグをリセットする。そして、工場モードフラグがセットされているとき、図8と図9に示す工場モード処理を繰り返し行う。同処理は、マイコン11のCPU11aによって行われるものである。
まず、IICバスI/F10aを介して最大X線放射量測定モードにする指示が入力されているか否かを判断する(ステップS105。以下、「ステップ」の記載を省略)。同指示が入力されていないときには、本フローを終了する。そして、再び本フローが開始されると、S105で最大X線放射量測定モードにする指示が入力されているか否かを判断することになる。
【0051】
最大X線放射量測定モードにする指示が入力されると、まず、デジタルのビーム電流値の最大値よりも遙かに小さいデジタルのビーム電流値の初期値を設定する(S110)。次に、出力映像の明るさを調整可能とする各種映像調整値(輝度調整値、コントラスト調整値、カットオフ調整値)の初期値をクロマIC13に対して出力する(S115)。
すると、クロマIC13は、段階的な値とされたこれらの映像調整値を入力して映像制御信号生成部13fに保持し、コントラスト調整値に対応するコントラスト信号を生成し、カットオフ調整値に対応するカットオフ信号を生成し、輝度調整値に対応するY信号を整流回路17から入力されるビーム電流信号に基づいて調整しながら生成する。色信号処理回路21は、コントラスト信号とY信号を入力し、これらの信号に基づいて出力映像のコントラストと輝度を調整するようにRGB信号に対して所定の色信号処理を行う。受像管22は、FBT27から入力される高電圧に基づいてビーム電流を流すことにより明るさを調整する色信号処理が行われたRGB信号に対応する映像を管面に表示する。FBT27は、積分値が受像管22を流れるビーム電流の電流量に略比例したパルス状ビーム電流信号を生成する。整流回路17は、パルス状ビーム電流信号を整流してビーム電流信号を生成し、クロマIC13に供給する。上述したように、ビーム電流信号の電流量は、ビーム電流量に略比例している。
【0052】
整流回路の抵抗回路R1における両端の電圧はA/Dコンバータ11e,fに入力され、それぞれデジタルの電流値に変換される。そこで、S120では、A/Dコンバータ11e,fからそれぞれデジタルの電流値を読み込む。次に、上記式(1)を用いることにより、読み込んだ電流値からデジタルのビーム電流値を取得する(S125)。取得したビーム電流値は、ビーム電流量に略比例した値となる。
このように、S120〜S125の処理は、整流回路17、A/Dコンバータ11e,fとともに、ビーム電流量を検出するビーム電流検出手段を構成する。そして、テレビジョンの汎用的な構成を利用して容易にビーム電流量を検出することができる。
【0053】
そして、ビーム電流値が前回と比べて増加しているか、すなわち、今回取得したビーム電流値が前回取得したビーム電流値よりも大きくなっているか否かを判断する(S130)。
ビーム電流値が前回と比べて増加している場合、輝度調整値の増加に対してビーム電流量が増加しているため、今回の輝度調整値は図5におけるビーム電流量を最大にする値A2かそれよりも小さいことになる。なお、S130の処理を最初に行うときには、必ず条件成立となる。この場合、S135に進み、輝度調整値を段階的に増加させ(1ないし2以上)、増加させた輝度調整値をクロマIC13に対して出力し、S120に戻る。従って、S120〜S135の処理が繰り返し行われることになり、段階的な値とされた輝度調整値を増加させながらクロマICに対して出力することができる。
【0054】
一方、S130でビーム電流値が前回と比べて増加していないと判断した場合、輝度調整値の増加に対してビーム電流量が増加していないため、今回の輝度調整値は図5におけるビーム電流量を最大にする値A2かそれよりも大きいことになる。この場合、S140に進み、S125にて取得したビーム電流値が最も大きくなる輝度調整値を決定し、決定した輝度調整値をクロマIC13に対して出力する。具体的には、前回出力した輝度調整値に決定する。このようにして、段階的な値とされた輝度調整値を増加させながらクロマICに対して出力し、A/Dコンバータにて変換された電流値からデジタルのビーム電流値を取得し、取得したビーム電流値が最も大きくなる輝度調整値を決定することができる。ここで、ビーム電流値が最も大きくなるとき、同ビーム電流値に略比例するビーム電流量も最も大きくなる。従って、段階的な値とされた輝度調整値を増加させることによりビーム電流量を大まかに増加させながら同ビーム電流量が最も多くなる輝度調整値を決定し、決定した輝度調整値をクロマICに対して出力することになる。
【0055】
その後、再び、デジタルのビーム電流値の最大値よりも遙かに小さいデジタルのビーム電流値の初期値を設定する(S145)。次に、出力映像のコントラストを調整可能とするコントラスト調整値の初期値を決定し、決定したコントラスト調整値の初期値をクロマIC13に対して出力する(S150)。例えば、コントラスト調整値を10増加させたときのビーム電流の電流変化量と輝度調整値を1増加させたときのビーム電流の電流変化量とが同じになる場合、S115で出力したコントラスト調整値よりも10小さい値をS150の初期値とする。一般には、ビーム電流の電流変化量が輝度調整値を1増加させるのに相当するコントラスト調整値の増加値をS115で出力したコントラスト調整値よりも差し引いてS150の初期値とすればよい。
コントラスト調整値の初期値を出力すると、A/Dコンバータ11e,fからそれぞれデジタルの電流値を読み込む(S155)。次に、上記式(1)を用いることにより、読み込んだ電流値からデジタルのビーム電流値を取得する(S160)。すなわち、S150〜S160の処理も、整流回路17、A/Dコンバータ11e,fとともに、ビーム電流検出手段を構成する。
【0056】
そして、ビーム電流値が前回と比べて増加しているか否かを判断する(S165)。
ビーム電流値が前回と比べて増加している場合、コントラスト調整値の増加に対してビーム電流量が増加しているため、今回のコントラスト調整値は図6におけるビーム電流量を最大にする値A3かそれよりも小さいことになる。なお、S165の処理を最初に行うときには、必ず条件成立となる。この場合、S170に進み、コントラスト調整値を段階的に増加させ(1ないし2以上)、増加させたコントラスト調整値をクロマIC13に対して出力し、S150に戻る。従って、S155〜S170の処理が繰り返し行われることになり、S140で決定した輝度調整値をクロマICに対して出力した状態で段階的な値とされたコントラスト調整値を変化させながらクロマICに対して出力することができる。
【0057】
一方、S165でビーム電流値が前回と比べて増加していないと判断した場合、コントラスト調整値の増加に対してビーム電流量が増加していないため、今回のコントラスト調整値は図6におけるビーム電流量を最大にする値A3かそれよりも大きいことになる。この場合、S175に進み、S160にて取得したビーム電流値が最大となるコントラスト調整値を決定する。具体的には、前回出力したコントラスト調整値に決定する。このようにして、段階的な値とされたコントラスト調整値を変化させながらクロマICに対して出力し、A/Dコンバータにて変換された電流値からデジタルのビーム電流値を取得し、取得したビーム電流値が最大となるコントラスト調整値を決定することができる。上述したようにビーム電流量はデジタルのビーム電流値に略比例しているので、段階的な値とされたコントラスト調整値を変化させることにより同ビーム電流量を細かく変化させながら当該ビーム電流量が最大となるコントラスト調整値を決定し、決定したコントラスト調整値をクロマICに対して出力することになる。このように、従来からのテレビジョンの汎用的な構成を利用してビーム電流量を最大にする制御を行うことができる。
【0058】
本実施形態では、その後、最大X線放射量を測定可能な状態になったことを作業者に伝えるため、例えば「エックスセンヲソクテイシテクダサイ」といった受像管22からのX線の最大放射量を測定するように促す旨をOSD11dを介して受像管22に表示させる(S205)。また、最大X線放射量の測定を促す旨に対応する所定の音声データをクロマIC13に出力し、スピーカ24から所定の音声を出力させる(S210)。従って、X線の放射量を測定可能なビーム電流が受像管を流れているときにその旨を表示や音声出力から知ることができるので、最大X線放射量を測定する作業の際に便利である。
【0059】
そこで、作業者は、X線放射量測定装置80を用いて受像管22の管面22aに測定部80aを押し当てるように持っていき、同管面22a上を移動させながらX線放射量が最大となるときの値を読み込むことにより、受像管22からのX線の最大放射量を測定する。この段階において、ビーム電流値が最大になるコントラスト調整値がクロマIC13に対して出力されているので、テレビジョン100ではビーム電流を受像管からのX線の最大放射量を測定可能な最大の電流量に調整する制御が行われている。すなわち、受像管には自動的に電流量が最大となるようにビーム電流が流れており、受像管からの最大X線放射量を測定することが可能となる。従って、従来のように、出荷検査用PCから輝度調整値をビーム電流量が最大となるまで変えながら入力し、その都度X線放射量を測定するという試行錯誤を伴う作業を行う必要がなくなり、最大X線放射量を測定する作業が容易となる。
【0060】
その後、例えばリモコン送信機15の終了キーが操作されたか否かを検出することにより、最大X線放射量の測定が終了したか否かを判断する(S215)。本判断処理は、最大X線放射量の測定が終了するまで繰り返し行う。むろん、マイコン11のタイマ回路を利用して、所定時間経過したか否かを判定することにより、測定が終了したか否かを判断してもよい。同測定が終了したと判断すると、クロマIC13が保持する各種映像調整値を初期状態にするため、所定の映像調整値をクロマIC13に対して出力し(S220)、本フローを終了する。
上述したS105〜S115,S130〜S150,S165〜S220の処理は、検出されたビーム電流量に基づいて、受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように映像調整値を決定し、決定した映像調整値を映像表示手段に対して出力するビーム電流制御手段を構成する。
【0061】
(4)まとめ:
以上説明したように、本発明のテレビジョンおよび映像表示装置を用いると、受像管に対して自動的に電流量が最大となるようにビーム電流を流すことができるので、ビーム電流の電流量にピークが存在するときにビーム電流の電流量を最大にする手間を省くことができ、最大X線放射量を迅速に測定することが可能となる。また、受像管に流れるビーム電流の電流量は、輝度調整値により大まかに変化して最大に近い状態とされ、コントラスト調整値により細かく変化して確実に最大の状態とされる。従って、正確に、最大X線放射量を測定することが可能となる。また、このような最適な条件を自動的に作り出すことができるので、迅速に最大X線放射量を測定することが可能となる。
【0062】
本発明のテレビジョンおよび映像表示装置は、様々な変形例が考えられる。
上述した実施形態では、抵抗回路R1の両端の電圧からビーム電流値を検出したが、ビーム電流信号の電流量と電圧とは相関関係があるので、抵抗回路R1の両端のいずれかの電圧のみからビーム電流値を検出してもよい。すると、簡易な構成でビーム電流値を検出することができる。
また、上述した実施形態では、輝度調整値を用いて大ざっぱな制御によりビーム電流の電流量を最も大きくした後にコントラスト調整値を用いて細かく制御してビーム電流の電流量を最大にしたが、コントラスト調整値よりもきめ細やかにビーム電流の電流量を制御可能な第三の映像調整値があれば、当該第三の映像調整値を用いてもよい。例えば、カットオフ調整値の変化量に対するビーム電流の電流変化量がコントラスト調整値の変化量に対するビーム電流の電流変化量よりも小さければ、カットオフ調整値を用いてきめ細やかに制御してビーム電流の電流量を最大にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるテレビジョンの構成の概略ブロック図である。
【図2】クロマICの概略構成を示すブロック図である。
【図3】パルス状ビーム電流信号とビーム電流信号の時間変化を示す図である。
【図4】クロマICに書き込まれる輝度調整値とビーム電流の電流量との関係を示す図である。
【図5】図4のピーク付近を拡大して示す図である。
【図6】クロマICに書き込まれるコントラスト調整値とビーム電流の電流量との関係を、ピーク付近を拡大して示す図である。
【図7】最大X線放射量を測定する際に使用する機器をテレビジョンとともに示す図である。
【図8】工場モード処理を示すフローチャートである。
【図9】工場モード処理を示すフローチャートである。
【図10】従来例にかかるテレビジョンの構成の概略ブロック図である。
【図11】従来例にかかるテレビジョンの要部構成を示す図である。
【符号の説明】
10…IICバス
10a…IICバスインターフェイス
11…マイコン
11a…CPU
11b…ROM
11c…RAM
11d…オンスクリーンディスプレイ回路
11e,f…A/Dコンバータ
12…チューナIC
12a…アンテナ
13…クロマIC
13e…復調部
13f…映像制御信号生成部
16…EEPROM
17…整流回路
21…色信号処理回路
21a…コントラスト調整部
21b…輝度調整部
22…受像管(CRT)
22a…管面
23…オーディオアンプ
24…スピーカ
25…偏向回路
26…偏向コイル
27…フライバックトランス(FBT)
30…X線プロテクト回路
31…リセット回路
40…電源回路
80…X線放射量測定装置
80a…測定部
100…テレビジョン
200…パーソナルコンピュータ
R1…抵抗回路
C1…コンデンサ
Claims (11)
- テレビジョン放送信号から変換された中間周波信号を入力して映像信号を生成するとともに、段階的な値とされた輝度調整値およびコントラスト調整値を入力し、同コントラスト調整値に対応するコントラスト信号を生成し、同輝度調整値に対応する輝度信号を入力されるビーム電流信号に基づいて調整しながら生成するクロマICと、
上記コントラスト調整値および輝度調整値を上記クロマICに対して出力可能なマイコンと、
上記コントラスト信号および輝度信号に基づいて出力映像のコントラストおよび輝度を調整するように上記映像信号に対して所定の色信号処理を行う色信号処理回路と、
入力される高電圧に基づいてビーム電流を流すことにより上記色信号処理が行われた映像信号に対応する映像を所定の管面に表示する受像管と、
上記ビーム電流が多くなるほど低下する上記高電圧を生成するとともに積分値が同ビーム電流の電流量に略比例した略パルス状のパルス状ビーム電流信号を生成するフライバックトランスと、
生成された上記パルス状ビーム電流信号を整流して上記ビーム電流信号を生成する整流回路と、
上記高電圧が所定電圧以上となるときに上記受像管への高電圧の供給を停止させるX線プロテクト回路とを備えるテレビジョンにおいて、
上記輝度調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量は、上記コントラスト調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量よりも大きくされており、
上記マイコンは、上記ビーム電流信号に対応する電圧を入力してデジタルの電流値に変換するA/Dコンバータを有し、変換された電流値からデジタルのビーム電流値を取得し、上記段階的な値とされた輝度調整値を増加させながら上記クロマICに対して出力し、同取得したビーム電流値が最も大きくなる輝度調整値を決定した後、決定した輝度調整値を上記クロマICに対して出力した状態で上記段階的な値とされたコントラスト調整値を変化させながら上記クロマICに対して出力し、同取得したビーム電流値が最大になるコントラスト調整値を決定し、決定したコントラスト調整値を上記クロマICに対して出力することにより、上記ビーム電流を上記受像管からのX線の最大放射量を測定可能な電流量に調整する制御を行うことを特徴とするテレビジョン。 - 高電圧を生成する高電圧生成手段と、
映像の明るさを調整可能とする映像調整値を入力して出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理を行い、生成された上記高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すことにより同色信号処理にて明るさを調整された映像を表示する映像表示手段と、
上記受像管に流れるビーム電流の電流量を検出するビーム電流検出手段と、
検出された上記ビーム電流の電流量に基づいて、上記受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように上記映像調整値を決定し、決定した映像調整値を上記映像表示手段に対して出力するビーム電流制御手段とを具備することを特徴とする映像表示装置。 - 上記映像表示手段は、上記映像調整値を入力して対応する映像制御信号を生成する映像信号生成手段と、生成された映像制御信号に基づいて上記映像調整値に対応して出力映像の明るさを調整する上記色信号処理を行う色信号処理手段とを備えることを特徴とする請求項2に記載の映像表示装置。
- 上記映像調整値は段階的な値とされた第一および第二の映像調整値から構成され、同第一の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量は同第二の映像調整値の変化量に対する上記ビーム電流の電流変化量よりも大きくされており、
上記映像信号生成手段は、上記第一の映像調整値を入力して第一の映像制御信号を生成するとともに、上記第二の調整値を入力して第二の映像制御信号を生成し、
上記色信号処理手段は、上記生成された第一および第二の映像制御信号に基づいて上記色信号処理を行い、
上記ビーム電流制御手段は、上記段階的な値とされた第一の映像調整値を増加させながら上記映像信号生成手段に対して出力し、上記ビーム電流検出手段にて検出されたビーム電流の電流量が最も大きくなる第一の映像調整値を決定した後、決定した第一の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力した状態で上記段階的な値とされた第二の映像調整値を変化させながら上記映像信号生成手段に対して出力し、上記ビーム電流検出手段にて検出されたビーム電流の電流量が最大になる第二の映像調整値を決定し、決定した第二の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力することを特徴とする請求項3に記載の映像表示装置。 - 上記第一の映像調整値は出力映像の輝度を調整可能とする輝度調整値であり、上記第二の映像調整値は出力映像のコントラストを調整可能とするコントラスト調整値であり、上記第一の映像制御信号は同輝度調整値に対応した輝度信号であり、上記第二の映像制御信号は同コントラスト調整値に対応したコントラスト信号であることを特徴とする請求項4に記載の映像表示装置。
- 上記高電圧生成手段は、上記受像管に流すビーム電流に略比例した電流量のビーム電流信号を生成し、
上記ビーム電流検出手段は、上記生成されたビーム電流信号に対応する電圧を入力してデジタルの電流値に変換するA/Dコンバータを備え、
上記ビーム電流制御手段は、上記変換された電流値からデジタルのビーム電流値を取得し、上記段階的な値とされた第一の映像調整値を増加させながら上記映像信号生成手段に対して出力し、同取得したビーム電流値が最も大きくなる第一の映像調整値を決定した後、決定した第一の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力した状態で上記段階的な値とされた第二の映像調整値を変化させながら上記映像信号生成手段に対して出力し、同取得したビーム電流値が最大になる第二の映像調整値を決定し、決定した第二の映像調整値を上記映像信号生成手段に対して出力することを特徴とする請求項4または請求項5のいずれかに記載の映像表示装置。 - 上記映像信号生成手段は、上記第一の映像調整値に対応する上記第一の映像制御信号を上記ビーム電流信号に基づいて調整しながら生成するクロマICであり、
上記高電圧生成手段は、積分値が上記ビーム電流の電流量に略比例した略パルス状のパルス状ビーム電流信号を生成するフライバックトランスと、同パルス状ビーム電流信号を整流して上記ビーム電流信号を生成する整流回路とを備えることを特徴とする請求項6に記載の映像表示装置。 - 上記整流回路は、上記フライバックトランスとグランドとの間に介在するコンデンサと、このコンデンサの同フライバックトランス側の一端とクロマICとの間に介在する抵抗回路を備え、
上記A/Dコンバータは、上記抵抗回路の両端の電圧をそれぞれデジタルの電流値に変換し、
上記ビーム電流制御手段は、上記抵抗回路の両端の電圧から変換された両デジタルの電流値の差を上記ビーム電流値とすることを特徴とする請求項7に記載の映像表示装置。 - 上記ビーム電流制御手段は、上記ビーム電流の電流量が最大になる第二の映像調整値を決定して上記映像信号生成手段に対して出力したとき、上記受像管からのX線の放射量を測定するように促す旨を外部に出力することを特徴とする請求項4〜請求項8のいずれかに記載の映像表示装置。
- 高電圧を生成する高電圧生成手段と、映像の明るさを調整可能とする映像調整値を入力して出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理を行うとともに同高電圧生成手段にて生成された高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すことにより同色信号処理にて明るさを調整された映像を表示する映像表示手段とを備える映像表示装置のビーム電流制御方法であって、
上記受像管に流れるビーム電流の電流量を検出して同検出したビーム電流の電流量に基づいて同受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように上記映像調整値を決定して同決定した映像調整値を上記映像表示手段に対して出力する処理を上記映像表示装置にて行うことを特徴とする映像表示装置のビーム電流制御方法。 - 高電圧を生成する高電圧生成手段と、映像の明るさを調整可能とする映像調整値を入力して出力映像の明るさを調整する所定の色信号処理を行うとともに同高電圧生成手段にて生成された高電圧に基づいて受像管にビーム電流を流すことにより同色信号処理にて明るさを調整された映像を表示する映像表示手段とを備える映像表示装置の最大X線放射量測定方法であって、
上記受像管に流れるビーム電流の電流量を検出して同検出したビーム電流の電流量に基づいて同受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように上記映像調整値を決定して同決定した映像調整値を上記映像表示手段に対して出力する処理を上記映像表示装置にて行い、
上記受像管に流すビーム電流の電流量を最大にするように決定された映像調整値が上記映像表示手段に対して出力されているときに、X線放射量を測定可能なX線放射量測定装置を用いて上記受像管からのX線の最大放射量を測定することを特徴とする映像表示装置の最大X線放射量測定方法。
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