JP2004342696A - 超電導磁石装置およびその製造方法 - Google Patents

超電導磁石装置およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】起磁力が小さい、あるいは必要線材量が少ない超電導コイルよりなる超電導磁石装置およびその製造方法を得る。
【解決手段】オープン型の超電導磁石装置では、上側、下側真空断熱容器1a、1bに配置されるコイル郡を構成する超電導コイル10a、11a、12a、13aまたは10b、11b、12b、13bのうち、少なくとも一つを、二つの容器(1a、1b。)の対向面から遠ざかるにつれて、その巻回し高さが小さくなるように巻回し、超電導コイルの断面形状が、略扇型または中高の略蒲鉾型となるように形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、磁気共鳴画像診断装置(以下、MRI装置とする。)に用いる超電導磁石装置およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高強度かつ高均一度で、時間的に安定した静磁界発生源として超電導磁石装置の使用が一般化している。特に、MRI装置の静磁界発生源としての普及が著しい。MRI装置に用いられる磁石では、精密でコントラストの高い人体(患者)断層像を高速で撮るため、また高機能画像取得のために、撮像空間である磁石中心における直径30〜45cm球状空間内で、0.5〜3Teslaの磁界強度、1〜10ppmの磁界均一度、0.05ppm/hの時間安定な静磁界特性が要求されている。
【0003】
これらの特性は、無損失で高電流密度が可能な超電導コイルと、超電導現象特有の永久電流モード運転を利用し、厳密な磁界均一度設計に基づいたコイル配置を採用した超電導磁石装置でしか満たせない。
それと同時に、MRI装置用磁石は、心臓ペースメーカー装着者や他の機器への磁界の影響を防止するため、磁石自体が発生する漏洩磁界を小さく抑制することが求められている。
【0004】
このように、MRI装置用磁石は、コイル設計にとって多くの必要条件を有するが、それを実現するコイル配置として、一般にヘルムホルツコイルが用いられている。これは、同軸に二つ以上のコイルを配置した構造となっている。従来では、そのヘルムホルツコイルを構成する各コイルは、その巻回し幅、巻回し高さが一定で、断面が略矩形形状となるように形成されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
一方、ヘルムホルツコイルを用いずに、単一コイルで均一磁界を得る例も示されている。この例では、その単一コイルを、略矩形形状の断面構造とするのではなく、軸方向中心部から軸方向端部にかけて、徐々にコイル外径(コイル高さ。)が大きくなるように超電導線材を巻回して形成しており、そのコイル断面形状は、略矩形形状ではなく、部分的に巻回し高さを変化させた非矩形形状としている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平08−168476号公報
【特許文献2】
特開昭61−082424号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のMRI装置に用いる、超電導磁石装置を構成する超電導コイルは、ヘルムホルツコイルの場合では、複数の超電導コイルの断面形状が略矩形形状であったため、より起磁力が小さい、あるいは必要線材量の少ない理想コイル形状やコイル配置があっても、それを採用できなかった。そのため、高価な超電導線材を必要以上に使用してコイルを形成していた。さらに、起磁力が大きくなるにつれ、副次的に、コイルの電磁力やコイル自身によって作られる自己磁界が大きくなり、より頑強な電磁力支持や、より高性能かつ高価な超電導線材が必要となるなどの問題があった。
また、コイルの断面形状が略矩形形状であることから、コイル群を収納配置する真空断熱容器の形状にも大きな制約があった。結果的に、超電導磁石装置の外形形状にも影響を及ぼしていた。
【0008】
さらに、コイル断面形状が略矩形形状ではない例では、単一コイルにより電磁石コイルを構成する都合上、理想コイル形状やコイル配置を反映させることができず、巻線が必要でない部分にも巻線が施されたコイルとなってしまい、起磁力が小さい、あるいは必要線材量が少ないコイルを得ることは難しかった。
【0009】
この発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、より起磁力が小さい、あるいは必要線材量が少ないMRI装置用の超電導磁石装置を得ること、また、被検者にとってより開放的な超電導磁石装置を得ること、さらに、それらを実現するための超電導磁石装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る超電導磁石装置は、所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、少なくとも一つの上記超電導コイルは、上記第一、第二の容器の対向面から遠ざかるにつれて、その巻回し高さが小さくなるように形成されるものである。
【0011】
また、この発明に係る超電導磁石装置は、筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、少なくとも一つの上記超電導コイルは、上記容器の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が小さくなるように形成されるものである。
【0012】
さらに、この発明に係る超電導磁石装置は、所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、上記第一、第二の容器の対向面外周部をテーパー状に形成するとともに、その対向面外周部に位置する上記超電導コイルを、テーパー形状に沿うように、上記第一、第二の容器の対向面から遠ざかるにつれて巻回し高さが大きくなるように、かつ上記第一、第二の容器の外周から軸に向かうにつれて巻回し幅が大きくなるように形成するものである。
【0013】
また、この発明に係る超電導磁石装置は、筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、上記容器を、その両端部において、開口部内側から開口端に向かうにつれて、上記筒状開口部の開口径が大きくなるようにテーパー状に形成するとともに、その両端部に位置する上記超電導コイルを、テーパー形状に沿うように、上記容器の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が大きくなるように、かつ上記容器の最端部から開口部内側に向うにつれて、その巻回し高さが大きくなるように形成するものである。
【0014】
さらに、この発明に係る超電導磁石装置は、所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、上記第一、第二の容器内にそれぞれ配置される複数の上記超電導コイルのうち、近接する二つの上記超電導コイルは、最近接部分を削るように、角を落としたような断面形状となるように、巻回し形成されるものである。
【0015】
また、この発明に係る超電導磁石装置は、筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、上記コイル群内で、近接する二つの上記超電導コイルは、最近接部分を削るように、角を落としたような断面形状となるように、巻回し形成されるものである。
【0016】
さらに、この発明に係る超電導磁石装置の製造方法は、巻枠に超電導線材を巻回して超電導コイルを形成する際に、上記巻枠内に、各層毎に任意の領域に線材巻き付けスペースを確保するように、その他の領域にスペーサを配置する工程、上記スペース内に上記超電導線材を巻回す工程を含むものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるMRI装置用の超電導磁石装置を示す断面図である。図1に示すように、所定空間をあけて、外形が略円柱状の上側真空断熱容器(第一の容器に相当。)1aと下側真空断熱容器(第二の容器に相当。)1bが対向配置され、それぞれの容器内には、図中Z方向に沿う軸に対し、同軸となるよう、環状に巻回しされた複数の超電導コイルが配列収納される。二つの容器(1a、1b。)は連通管3によって繋げられ、上側真空断熱容器1aは、この連通管3によって支持される構造となっている。このような形態の超電導磁石装置は、オープン型または開放型と呼ばれる。このオープン型の超電導磁石装置の斜視図を図2に示す。図2中の、二つの容器(1a、1b。)間へ向う矢印4aは、MRI装置による撮像を行う際に、この超電導磁石装置内に、被検者(人体)を挿入する方向を示している。
【0018】
複数の超電導コイルは、上側、下側真空断熱容器1a、1b内の低温容器2a、2b内にそれぞれ収納される。また、低温容器2a、2b内には、超電導コイルを冷却するための液体ヘリウムが入れられる。
この例では、超電導コイル10a、11a、12a、13a(第一のコイル群に相当。)が上側真空断熱容器1a内に、同軸となるように配列収納され、同様に、超電導コイル10b、11b、12b、13b(第二のコイル群に相当。)が下側真空断熱容器1b内に、同軸となるように配列収納されている。
【0019】
上側、下側真空断熱容器1a、1bは、低温容器2a、2bをそれぞれ収容し、低温容器2a、2bから液体ヘリウムが蒸発するのを低減する。図示していないが、低温容器2a、2bと、上側、下側真空断熱容器1a、1bの間には、液体ヘリウムの蒸発を低減するために、通常、複数の熱シールド槽が設置される。また、低温容器2a、2b内に配置された超電導コイルは、同軸配置された図示しない巻枠に、超電導線を巻回したものである。図1のような断面構造の超電導磁石装置は、それぞれまず個別に巻回した超電導コイルを、さらに別の支持構造体を介して緻密に組み合わせることで得られる。
図1のような構成の超電導磁石装置においては、上側、下側真空断熱容器1a、1b内に収納された複数の超電導コイルによって、容器(1a、1b。)間に位置する均一磁界空間4に上向きの均一磁界を発生する。
【0020】
MRI装置用超電導磁石装置には、高い磁界均一度や低い漏洩磁界が要求されるが、必要となる磁界をなるべく効率良く発生させるという条件、すなわち起磁力最小あるいは必要線材量最小という条件で、厳密な最適設計を行うと、コイル形状は、例えば図1に示したような、断面が非矩形形状(言い換えると、コイル巻回し幅および巻回し高さが一定ではない形状。)となる。
また、超電導磁石装置を構成するコイルは、なるべくZ方向内側、すなわちZ=0(面)方向へ向いたがる性質を持つとともに、コイルのR方向(Z=0の面上で、Z軸から遠ざかる方向。)最大外径寸法、すなわち超電導コイル10a、10bの最外周部分は、なるべく外側(Z軸から遠ざかる方向。)へ行きたがる性質を持っている。
【0021】
それぞれの容器(1a、1b。)内では、超電導コイル10a、10bの巻回し径が最大となっており、例えば、超電導コイル10aは、図1に示すように、その断面形状が、略扇型となるように巻回し形成されている。この形状について、図3に超電導コイル10aの断面形状拡大図を示して説明する。二つの容器(1a、1b。)の対向面に沿う方向におけるコイル巻回し高さが、対向面から遠ざかるにつれて小さくなるように、かつ、Z方向に沿うコイル巻回し幅が、コイルの最外周(最大外周。)において最大となるように形成されている。なお、巻回し高さは、Z軸上の任意の位置において、最大巻回し径から最小巻回し径をひいた寸法に相当している。
【0022】
また、超電導コイルのうち、巻回し径が2番目以降に大きい超電導コイル11a、12a、13aおよび11b、12b、13bは、その断面形状が略蒲鉾型となるように巻回し形成されている。この形状について、図4に超電導コイル11aの断面形状拡大図を示して説明する。二つの容器(1a、1b。)の対向面に沿う方向におけるコイル巻回し高さが、対向面から遠ざかるにつれて小さくなるように、かつ、その巻回し幅が最大となる位置が、各コイルの最も対向面に近い側での巻回し高さの中間位置に相当するように形成されている。
【0023】
なお、図1および図4では、超電導コイル11a、12a、13aおよび11b、12b、13bの断面形状が、略蒲鉾型である例を示したが、超電導磁石装置を構成するコイル以外の構造体を配置する等の都合により、その構造体を回避するような形状とする場合もある。そのような場合には、図4に示したような略蒲鉾型の超電導コイル11aを、底辺位置を同じとして、頂点の位置をスライドさせて、その一部が重なるように二つ繋げて配置したような、例えば二コブ型となるように、コイルを巻回し形成することもできる。いずれの場合においても、オープン型の超電導磁石装置の場合は、これを構成する超電導コイルの断面形状は、二つの容器の対向面に沿う方向におけるコイル巻回し高さが、対向面から遠ざかるにつれて小さくなるように形成される。
【0024】
図1では、例えば低温容器2と超電導コイル10aとの間に若干の隙間があるが、この隙間は超電導コイル10aの巻枠やその他必要部材を配置するためのスペースとなっており、コイルには使用できない領域である。
次に、図1の超電導コイル10aを囲む領域Aの拡大断面図を図5に示し、その巻線の様子について説明する。図1では巻枠等を省略した略図が示されていたが、図5のように、全体として形状が環状であり、最大外周に相当する辺が開放された、断面形状がコの字型である巻枠20に、超電導線材21を巻回して超電導コイル10aが形成される。
【0025】
略扇型の断面形状の超電導コイル10aを得るには、まず、巻枠20内の底になる面(巻枠20内の最内周面。)に、絶縁層25を巻きつける。この絶縁層25は、例えば後述する層間絶縁材23と同じ絶縁材を巻枠20内に数周巻きつけることで形成することができる。次に、層間絶縁材23を絶縁層25上に配置する(絶縁層25が層間絶縁材23と同じ材質のものであれば省略することも可。)。次に、巻枠20内において、1層目の線材巻き付けスペースとなる領域を空けるように、その他の領域(巻枠20内の両サイドに位置する。)にあらかじめ用意したスペーサ22、22aを配置する。図5に示すように、巻枠20と超電導線材21とが直接接することがないように、巻枠20内の一方の側面には、必要最小限となる寸法(幅)のスペーサ22を、各層毎に同様に配置し、もう一方の巻枠20内側面には、必要となる巻回し幅を残して、他の領域を覆うように、任意に寸法を調節したスペーサ22aを配置する。スペーサ22、22aは、例えばガラスエポキシ材によって構成される。次に、超電導線材21を巻回し、1層目を巻き終えたら、層間絶縁材23を取り付ける。
【0026】
次に、2層目のスペーサ22、22a(スペーサ22aの幅は1層目のものよりも1段階狭いものを用いる。)を配し、超電導線材21を、1層目よりも幅広となるように巻回す。なお、各層によって、必ずしも巻回し幅は異なる寸法となるのではなく、線材の太さや、得ようとするコイルの寸法によって、連続する複数の層で同じ巻回し幅となる場合があることは言うまでもない。このように、各層に配置するスペーサ22aの幅を変化させることで、線材巻き付けスペースを調節することができ、段階的に、コイルの巻回し幅(層幅。)を変えることができる。なお、巻回し幅の微調整は、巻回すピッチで調整すると良い。3層目以降についても、同様に巻回し、巻き終えたら、超電導コイル10aの表面(上部)を、絶縁材を兼ねる上部押さえ24で押さえて固定する。
【0027】
また、このとき、超電導線材21間の隙間には、例えば熱硬化型の充填材(接着剤)を十分塗布しておき、コイル成形後、乾燥炉などで高温にさらし硬化させることで、超電導線材21群は、高い剛性を持った一つの剛体となる。
なお、略蒲鉾型の断面形状である超電導コイル(例えば超電導コイル11a。)を形成する場合は、まず、上述した略扇型の場合と同様に、各層によってスペーサ22aの幅を変化させることで巻回し幅(層幅。)を調節し、巻回し高さ(層数に比例する寸法。)の中間位置に相当する層で最大の巻回し幅となるように巻線を行い、さらに上層に行くにつれて、コイルの巻回し幅が狭くなるように、段階的に幅の広いスペーサを配し、巻線作業を行うことで製作可能である。
【0028】
上記のように、巻枠20に超電導線材21を巻回して超電導コイル10aを形成する際に、巻枠20内に、各層毎に任意の領域に線材巻き付けスペースを確保するように、その他の領域にスペーサ22、22aを配置し、スペーサ22、22aによって確保されたスペース内に超電導線材21を巻回すというコイルの製造方法を応用すれば、コイル断面に全く辺を持たない、例えば略円形の断面形状のコイルも製作することが可能である。
なお、巻枠20の断面形状は、必ずしも直線的なコの字型である必要はなく、曲線を有していてもよい。その場合は、用いるスペーサ22、22aの断面形状も、巻枠20の曲線に沿う部分については、同様の曲線を反映させた形状に加工することで、巻線作業を効率良く行うことができる。
【0029】
従来では、最初から断面が矩形形状であるコイルでしか最適化を行わなかったか、あるいは製造を容易にするなどの何らかの理由で、もともと非矩形形状だった最適コイル形状を近似的に矩形化していたために、超電導磁石装置を構成する各コイルは全て、その断面が矩形形状となるように製作されていた。そのため、より起磁力が小さい、あるいは必要線材量の少ない理想的なコイル形状やコイル配置があるにもかかわらず、それを採用していなかった。しかし、本発明では、超電導コイル10aをはじめ、他のコイルも、その断面が非矩形形状となるように、最適化された理想形状を反映するように巻回し形成されているため、効率上、最適な超電導コイルが実現でき、MRI装置用の最適な超電導磁石装置を得ることができる。
【0030】
なお、これら断面が非矩形形状である超電導コイルを近似的に矩形化すれば、最適計算された磁界均一度や漏洩磁界が悪化することになる。また、最初から断面が矩形形状のコイルで最適化した場合は、起磁力が小さい、あるいは必要線材量の最も少ないコイル配置は得られない。
【0031】
以上、コイル断面形状を非矩形形状である略扇型または略蒲鉾型に成形することについて述べたが、超電導磁石装置を構成する全てのコイルにその形状を反映させる以外に、必要となるコイルのみ非矩形形状を反映させることもできる。例えば、複数の超電導コイルのうち、その断面形状を、矩形としても、非矩形としても大きな差が見られないようなものについては、スペース的な問題や製作の容易さなどから、いくつかのコイルを、その断面が略矩形形状となるように、一定の巻回し幅、一定の巻回し高さに巻回し形成することもでき。
【0032】
実施の形態2.
上述の実施の形態1では、オープン型の超電導磁石装置について説明したが、ここでは、ソレノイド型あるいは水平型と呼ばれる超電導磁石装置について説明する。図6は、ソレノイド型超電導磁石装置の外形を示す斜視図であり、図中矢印4bは、円筒状の真空遮断容器5(容器に相当する。)の、筒状開口部に、撮像時に被検者を挿入する方向を示している。図7は、ソレノイド型超電導磁石装置の断面図であり、略円筒状の真空遮断容器5には、その内部に低温容器6が配置され、その低温容器6内には、環状の超電導コイル51〜59(コイル群に相当。)が同軸となるように(Z軸に沿って。)、配列収納されている。この例では、円筒の両端部に配置された(同軸上において、コイル群の両端に位置する。)超電導コイル51、52は、その断面形状が略扇型であり、コイル群内で、同軸上における両端以外の位置に配置された超電導コイル53〜59は、その断面形状が略蒲鉾型である。
【0033】
この場合も、コイル形状の最適化において、磁界均一度および漏洩磁界の条件が厳しくなるにつれて、言い換えれば、なるべく少ない起磁力あるいは必要線材量で必要な条件を満足しようとするにつれて、コイルはなるべくR方向(円筒の軸をZ軸とすると、R方向とはZ=0(面)上の、Z軸から遠ざかる方向に相当する。)内側へ行きたがる、すなわちZ軸に向いたがるとともに、コイルのZ軸方向最大寸法、すなわち、コイル群の両端部に位置する超電導コイル51、52のコイル外側、開口端側に位置する部分は、なるべく外側へ行きたがる。
従って、最適化された超電導コイルは、真空断熱容器5の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が小さくなるように形成される。
【0034】
図8に超電導コイル52の断面形状拡大図を示すように、超電導磁石装置を構成する全ての超電導コイル51〜59(コイル群に相当する。)のうち、同軸上においてコイル群の両端に位置する超電導コイル51、52は、上記のような、筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が小さくなるという特徴に加え、その巻回し高さが、筒状開口部の開口端に近づくにつれて大きくなるように形成され、その断面形状は略扇型となる。
【0035】
また、コイル群のうち、同軸上における両端以外の位置に配置される超電導コイル53〜59は、図9に、超電導コイル53の断面形状拡大図を示すように、その巻回し高さが最大となる位置が、各コイルの、最も筒状開口部の内側面に近い側における巻回し幅の中間位置に相当し、そのコイルの断面形状が略蒲鉾型となるように形成される。
【0036】
次に、図10に、図7の超電導コイル52を囲む領域Bの拡大断面図を示し、その巻線の様子について説明する。実施の形態1と同様に、断面形状がコの字型の巻枠20に超電導線材21を巻き付けてコイルを形成するが、ここでは、巻き枠20内の片側に配置するスペーサ22bの幅が、層が増す毎に徐々に大きくなるように、1層目の巻回し幅よりも、2層目、3層目と層数が増えるにつれて、超電導線材21の巻回し幅が小さくなるように巻線作業を行い、最終的に断面形状が略扇型の超電導コイル52を得る。
【0037】
また、断面形状が略蒲鉾型となる超電導コイル53〜59を得るには、巻枠20内の両側に配置する2つのスペーサの幅が同じになるように、かつ、層数が増す毎に徐々にスペーサ幅が大きくなるように調節し、層数が増す毎に、超電導線材21の巻回し幅が小さくなるように巻線作業を行うことで、最終的に、断面形状が中高の略蒲鉾型コイル53〜59が得られる。
このように、超電導磁石装置を構成する超電導コイル51〜59の断面形状が、最適化した略扇型または略蒲鉾型などの非矩形形状となるように、巻回し形成することで、効率上、最適な超電導コイルを実現でき、最適な超電導磁石装置が得られる。
【0038】
実施の形態3.
先述の実施の形態1では、オープン型電磁石装置の超電導コイルを収納する容器(1a、1b。)の外形が円柱状であり、そのZ軸に沿う断面形状が図1に示すように矩形形状である例について述べたが、この実施の形態3では、オープン型の超電導磁石装置へ被検者を挿入する開口端をより開放的にするために、容器の対向面側の外周角部を削り取ったようなテーパー状とする例について説明する。
【0039】
図11は、オープン型超電導磁石装置の断面図であり、この図において、上側、下側真空断熱容器31a、31bの対向面外周部はテーパー状となるように、それぞれ形成されている(テーパー部分を符号30で図示する。)。これにともなって、その対向面外周部に位置する超電導コイル10c、10dを、テーパー部分30の形状に沿うように、二つの容器の対向面から遠ざかるにつれて巻回し高さが大きくなるように、かつ容器の外周から軸(円柱状容器の軸に相当する。)に向かうにつれて巻回し幅が大きくなるように形成する。
また、上側、下側真空断熱容器31a、31bのテーパー部分30の形状に合わせて、低温容器32a、32bの形状もテーパーを反映させた形状とすることは言うまでもない。
【0040】
図11の超電導コイル10dを含む領域Cの拡大断面図を図12に示し、その巻線の様子について説明する。この場合は、超電導コイル10c、10dの外形形状にテーパー形状を反映させるため、断面形状がコの字型の巻枠を用いることは不適当であり、図12に示すような、断面形状がL字型の巻枠20aを用いる。
巻線作業は、次のように行う。まず、巻枠20a内の底面(巻枠20a内の最内周面。)に絶縁層25および必要に応じて層間絶縁材23を巻き付け、その上に、二つのスペーサ22、22cを、それぞれ両側に配置する。スペーサ22は、巻枠20aの内側面(コイルの高さ方向に伸びる内側面。)に沿うように配置され、そこから1層目の超電導線材21を巻き付けるスペースを空けて、スペーサ22cを配置する。巻枠20aに沿っていない側に配置されるスペーサ22cは、テーパー形状30が反映される曲線的な面を持ち、その面は、コイルを巻き終わった段階でテーパー形状に沿うように、曲線的に加工された状態となる。
【0041】
次に、1層目の二つのスペーサ22、22c間に超電導線材21を巻き付け、同様に、2層目、3層目と徐々に巻回し幅を小さくしつつ巻線作業を行い、巻き終わったら、テーパー形状を反映するように曲線的に加工した上部押さえ24aで、コイル表面を覆い、固定する。この段階で、超電導コイル10dは、巻枠20aと上部押さえ24aで囲まれた状態となる。コイル内に充填する熱硬化性の接着剤を用いる処理については、巻枠20aの形状にかかわらず、実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0042】
このように、テーパー形状を反映させた外形の超電導コイル10dを形成し、下側真空断熱容器31bのテーパー部分30に位置する低温容器32b内部に配置することで、起磁力最小あるいは必要線材量最小などの条件を満たしつつ、オープン型超電導磁石装置の外形を広い間口の、開放性に優れた形状とすることができる。開放性に優れた超電導磁石装置を備えたMRI装置を得られることで、被検者の不快感や恐怖心を和らげることができる。
なお、二つの容器(31a、31b。)のうち、いずれか一方の対向面側外周部をテーパー形状とするだけでも、テーパー形状としない場合と比較して、より開放的な構造とできることは言うまでもない。
【0043】
また、容器(31a、31b。)のテーパー部分30に配置するコイルの断面形状を、矩形ではなく略扇型に形成することで、矩形形状のコイルを配置する場合と比較すると、格段に起磁力が小さい、あるいは必要線材量の少ないコイルが実現でき、副次的に、コイルにかかる電磁力、コイル内の磁束密度などが軽減でき、支持構造体の簡素化、コスト低減、使用超電導線材の低コスト化などが実現できる。
【0044】
実施の形態4.
次に、ソレノイド型超電導磁石装置の筒状開放部開口端をテーパー状に形成する場合について説明する。図13はソレノイド型超電導磁石装置の断面図であり、真空断熱容器(容器に相当する。)41を、その両端部において、開口部内側から開口端に向かうにつれて、筒状開口部の開口径が大きくなるようにテーパー状に形成する(テーパー部分40。)とともに、その両端部に位置する超電導コイル51a、52aを、テーパー部分40の形状に沿うように、真空断熱容器41の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が大きくなるように、かつ真空断熱容器41の最端部から開口部内側に向うにつれて、その巻回し高さが大きくなるように形成する。
【0045】
ここでは、円筒状の真空断熱容器41の両端に位置する超電導コイル51a、52aは、その断面が略矩形形状ではなく、テーパー形状を反映した、略扇型となるように形成される。図14に、図13の超電導コイル52aを囲む領域Dの拡大断面図を示す。実施の形態3のオープン型超電導磁石装置では、テーパー形状を反映した超電導コイル10dを形成する場合は、図12に示したような断面がL字型の巻枠20bを用いることを示したが、このソレノイド型超電導磁石装置を構成する超電導コイル51a、52aでは、テーパー面と巻回し方向との都合により、巻枠20bは、その断面形状が、テーパー形状を反映した曲線を有するレの字型に形成されたものを用いる。巻枠20bは、アルミニウムまたはステンレス等により形成され、断面形状が曲線となる部分については、あらかじめプレス加工によってテーパー部分40の形状を反映するように加工し、溶接によって直線の部分と繋ぎ合わせることで得られる。
【0046】
巻線作業では、まず、巻枠20b内に絶縁層25bを巻き付け(場合によっては、巻枠20bの曲線部分の内側全てに巻き付ける。)、さらに必要に応じて層間絶縁材23を配置し、その上に、1層目、2層目と順次超電導線材21を巻回して、断面形状が略扇型の超電導コイル52aを形成していく。この場合においても、実施の形態3と同様に、各層にスペーサ22、22dを配置し、そのスペーサ22、22d間の幅がコイル巻回し幅(巻幅。)となるように調整している。スペーサ22dは、テーパー部分40の形状を反映した巻枠20bの内側面に沿うように、あらかじめ一面が曲線的に加工されたものを用いる。
このように、テーパー形状40を反映させた超電導コイル51aを形成し、真空断熱容器41のテーパー部分40に位置する低温容器42内部に配置することで、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。
【0047】
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について図15を参照して説明する。
一般的に、超電導コイルは、コイル内の最大磁束密度が大きくなるにつれて、クエンチ(常電導転移)のリスクが高くなるため、なるべくコイル内の最大磁束密度が小さくなるように設計するか、なるべく高い磁束密度に耐えうる超電導線材を使用する。言い換えれば、コイル内の最大磁束密度に耐えうる超電導線材が存在しなければ、MRI装置としての機能を有しないということになる。
例えば、超電導線材として比較的安価なNbTi(ニオブチタン)は、6T(テスラ)程度がほぼ限界であり、それ以上の磁束密度になると、例えばNb3Sn(ニオブ3スズ)などの超電導線材を使用せざるを得ない。しかし、現在Nb3SnはNbTiに比べて3〜5倍のコスト高となり、経済的ではない。
【0048】
一方、MRI装置は、さらなる高磁場化に加えて、更なるコンパクト化、開放性の向上が求められており、コイル内の最大磁束密度もそれに伴って大きくなってきているのが現状である。
このとき、各コイル内の磁束密度分布を見てみると、自己磁界によってコイル表面に近づくにつれて磁束密度が高くなる性質がある他、図15(a)にその断面図を示すように、複数のコイル70がある場合には、互いに影響を及ぼし合うことから、近接する二つのコイル70の最近接部分における磁束密度が高くなる傾向がわかる。高磁束密度となる部分は、断面形状が略矩形形状であるコイル70では、最近接部分となる角部70aに相当することが多い。
【0049】
一つのコイルは、なるべく1本(1種類)の超電導線で巻回すほうがよいため、使用する超電導線材は、最大磁束密度の値に耐えうるものを選択しなければならない。しかしながら、最大磁束密度となる角部70aは、一つのコイル内において一部の領域を占めるだけであり、それ以外の領域は、より低い磁束密度であるため、最大磁束密度に耐えうる超電導線材を用いることは、低い磁束密度の部分にとっては過剰性能になっているということができる。
【0050】
そこで、図15(b)にコイルの断面図を示すように、近接する二つのコイル70の、最近接部分を削るように、角部70a(角に相当。)を落としたような断面形状となるように、巻回し形成した非矩形形状のコイル70bを採用することによって、断面が略矩形形状のコイル70を形成したときに、角部70aに発生していた磁束密度が大きな領域をなくし、コイル内の磁束密度をより低い値で均一化することができる。従って、使用する超電導線材の性能を抑え、安価にコイルを製作することが可能となる。
【0051】
図15(b)に示したような、断面が非矩形形状のコイル70bは、先述の実施の形態1〜4において示したような、断面形状が略扇型の超電導コイルを形成する場合と同じ容量で、その巻回し幅、巻回し高さを調節しつつ形成することができる。
【0052】
その効果は、単に経済的に優れているというだけでなく、それによって生じた余裕分を高機能化(超電導磁石装置をコンパクト化すること、また、開放性に優れた外形とすることなど。)に転化することができるため、経済的かつ機能的な超電導コイルを同時に実現でき、この超電導コイルを超電導磁石装置や、他の技術に用いることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように、この発明の超電導磁石装置によれば、所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、少なくとも一つの上記超電導コイルは、上記第一、第二の容器の対向面から遠ざかるにつれて、その巻回し高さが小さくなるように形成されるため、起磁力が小さい、あるいは必要線材量が少ない超電導磁石装置を得ることができる。
【0054】
また、この発明の超電導磁石装置によれば、筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、少なくとも一つの上記超電導コイルは、上記容器の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が小さくなるように形成されるため、起磁力が小さい、あるいは必要線材量が少ない超電導磁石装置を得ることができる。
【0055】
さらに、この発明に係る超電導磁石装置は、所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、上記第一、第二の容器の対向面外周部をテーパー状に形成するとともに、その対向面外周部に位置する上記超電導コイルを、テーパー形状に沿うように、上記第一、第二の容器の対向面から遠ざかるにつれて巻回し高さが大きくなるように、かつ上記第一、第二の容器の外周から軸に向かうにつれて巻回し幅が大きくなるように形成されるため、起磁力が小さい、あるいは必要線材量が少ない超電導磁石装置とした上で、さらに開放性に優れた超電導磁石装置が得られる。
【0056】
また、この発明の超電導磁石装置によれば、筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、上記容器を、その両端部において、開口部内側から開口端に向かうにつれて、上記筒状開口部の開口径が大きくなるようにテーパー状に形成するとともに、その両端部に位置する上記超電導コイルを、テーパー形状に沿うように、上記容器の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が大きくなるように、かつ上記容器の最端部から開口部内側に向うにつれて、その巻回し高さが大きくなるように形成されるため、起磁力が小さい、あるいは必要線材量が少ない超電導磁石装置とした上で、さらに開放性に優れた超電導磁石装置が得られる。
【0057】
さらに、この発明の超電導磁石装置によれば、所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、上記第一、第二の容器内にそれぞれ配置される複数の上記超電導コイルのうち、近接する二つの上記超電導コイルは、最近接部分を削るように、角を落としたような断面形状となるように、巻回し形成されるため、超電導コイル内の磁束密度を均一化でき、使用する超電導線材の性能を抑え、安価な電磁石装置を製造することが可能となる。
【0058】
また、この発明の超電導磁石装置によれば、筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、上記コイル群内で、近接する二つの上記超電導コイルは、最近接部分を削るように、角を落としたような断面形状となるように、巻回し形成されるため、超電導コイル内の磁束密度を均一化でき、使用する超電導線材の性能を抑え、安価な電磁石装置を製造することが可能となる。
【0059】
さらに、この発明の超電導磁石装置の製造方法は、巻枠に超電導線材を巻回して超電導コイルを形成する際に、上記巻枠内に、各層毎に任意の領域に線材巻き付けスペースを確保するように、その他の領域にスペーサを配置する工程、上記スペース内に上記超電導線材を巻回す工程を含むため、任意の断面形状となるように、超電導コイルを巻回し形成でき、理想形状の超電導コイルを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1によるオープン型の超電導磁石装置を示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるオープン型の超電導磁石装置を示す斜視図である。
【図3】この発明の実施の形態1による、断面が略扇型の超電導コイルの断面形状拡大図である。
【図4】この発明の実施の形態1による、断面が略蒲鉾型である超電導コイルの断面形状拡大図である。
【図5】この発明の実施の形態1による、断面が略扇型である超電導コイルの巻線の様子を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態2によるソレノイド型の超電導磁石装置を示す斜視図である。
【図7】この発明の実施の形態2によるソレノイド型の超電導磁石装置を示す断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2による、断面が略扇型である超電導コイルの断面形状拡大図である。
【図9】この発明の実施の形態2による、断面が略蒲鉾型である超電導コイルの断面形状拡大図である。
【図10】この発明の実施の形態2による、断面が略扇型である超電導コイルの巻線の様子を示す断面図である。
【図11】この発明の実施の形態3によるオープン型の超電導磁石装置を示す断面図である。
【図12】この発明の実施の形態3による、断面が略扇型である超電導コイルの巻線の様子を示す断面図である。
【図13】この発明の実施の形態4によるソレノイド型の超電導磁石装置を示す断面図である。
【図14】この発明の実施の形態4による、断面が略扇型である超電導コイルの巻線の様子を示す断面図である。
【図15】この発明の実施の形態5による超電導コイルを示す断面図である。
【符号の説明】
1a、31a 上側真空断熱容器
1b、31b 下側真空断熱容器
2a、2b、6、32a、32b、42 低温容器
3 連通管
4 磁界均一空間
4a、4b 矢印(被検者挿入方向)
5、41 真空断熱容器
10a、10b、10c、10d、11a、11b、12a、12b、13a、13b、51〜59 超電導コイル
20、20a、20b 巻枠
21 超電導線材
22、22a、22b、22c、22d スペーサ
23 層間絶縁材
24、24a、24b 上部押さえ
25、25b 絶縁層
30、40 テーパー部分
70 コイル(断面が略矩形形状)
70a 角部
70b コイル(断面が非矩形形状)。

Claims (11)

  1. 所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、少なくとも一つの上記超電導コイルは、上記第一、第二の容器の対向面から遠ざかるにつれて、その巻回し高さが小さくなるように形成されることを特徴とする超電導磁石装置。
  2. 上記第一または第二のコイル群内で、最も巻回し径が大きい上記超電導コイルは、その巻回し幅が、それぞれの最大外周において最大となることを特徴とする請求項1記載の超電導磁石装置。
  3. 上記第一または第二のコイル群内で、巻回し径が2番目以降に大きい上記超電導コイルは、その巻回し幅が最大となる位置が、各コイルの上記対向面に近い側における巻回し高さの中間位置に相当し、その超電導コイルの断面形状が略蒲鉾型となることを特徴とする請求項1記載の超電導磁石装置。
  4. 筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、少なくとも一つの上記超電導コイルは、上記容器の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が小さくなるように形成されることを特徴とする超電導磁石装置。
  5. 同軸上において上記コイル群の両端に位置する上記超電導コイルは、その巻回し高さが、それぞれ筒状開口部の開口端に近づくにつれて大きくなることを特徴とする請求項4記載の超電導磁石装置。
  6. 上記コイル群内で、同軸上における両端以外の位置に配置される上記超電導コイルは、その巻回し高さが最大となる位置が、各コイルの上記内側面に近い側における巻回し幅の中間位置に相当し、その超電導コイルの断面形状が略蒲鉾型となることを特徴とする請求項4記載の超電導磁石装置。
  7. 所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、上記第一、第二の容器の対向面外周部をテーパー状に形成するとともに、その対向面外周部に位置する上記超電導コイルを、テーパー形状に沿うように、上記第一、第二の容器の対向面から遠ざかるにつれて巻回し高さが大きくなるように、かつ上記第一、第二の容器の外周から軸に向かうにつれて巻回し幅が大きくなるように形成することを特徴とする超電導磁石装置。
  8. 筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、上記容器を、その両端部において、開口部内側から開口端に向かうにつれて、上記筒状開口部の開口径が大きくなるようにテーパー状に形成するとともに、その両端部に位置する上記超電導コイルを、テーパー形状に沿うように、上記容器の筒状開口部の内側面から遠ざかるにつれて、その巻回し幅が大きくなるように、かつ上記容器の最端部から開口部内側に向うにつれて、その巻回し高さが大きくなるように形成することを特徴とする超電導磁石装置。
  9. 所定空間をあけて対向配置された第一、第二の容器、上記第一、第二の容器内に同軸となるように配列収納され、上記第一、第二の容器の間に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなる第一、第二のコイル群を備え、上記第一、第二の容器内にそれぞれ配置される複数の上記超電導コイルのうち、近接する二つの上記超電導コイルは、最近接部分を削るように、角を落としたような断面形状となるように、巻回し形成されることを特徴とする超電導磁石装置。
  10. 筒状開口部が設けられた容器、上記容器内に同軸となるように配列収納され、上記容器の開口部内に均一磁界を発生する、環状に巻回しされた複数の超電導コイルよりなるコイル群を備え、上記コイル群内で、近接する二つの上記超電導コイルは、最近接部分を削るように、角を落としたような断面形状となるように、巻回し形成されることを特徴とする超電導磁石装置。
  11. 巻枠に超電導線材を巻回して超電導コイルを形成する際に、上記巻枠内に、各層毎に任意の領域に線材巻き付けスペースを確保するように、その他の領域にスペーサを配置する工程、上記スペース内に上記超電導線材を巻回す工程を含むことを特徴とする超電導磁石装置の製造方法。
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