JP2004342169A - 光ディスクの記録方法および光ディスク記録装置 - Google Patents

光ディスクの記録方法および光ディスク記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】相変化型光ディスクに対する高速でのオーバーライトを可能とする光ディスクの記録方法および光ディスク記録装置を提供する。
【解決手段】2本のレーザビームのうち、先行する消去ビーム31Bによって、光ディスクに記録されているRF信号の変調成分を問題のない状態まで消去する(反射率の差を小さくする)と共にトップレベルを元のRF信号のトップレベルの70〜40%に低下させ、その後、後続の記録ビーム31Aによって、トップレベルが元の(消去前の)状態に戻るようなレーザパワーでスペースの記録を行うと共に、ボトムレベルを十分に低下させ得るようなレーザパワーでマークを記録する。このため、相変化型光ディスクの規定の記録速度(例えば2〜2.4倍速)を大きく超えた4倍速(規格の1.6〜2倍程度)であっても、再生特性規格を満足させ得るような記録特性をもってオーバーライトを行うことが可能になる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、相変化型光ディスクに対して記録を行うための方法および装置に係わり、特に、対象となる相変化型光ディスクについて想定されている(規定されている)記録速度を超える高速の記録を行うための光ディスクの記録方法および光ディスク記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
書き換え可能な光ディスクとして、DVD−RAM(DigitalVersatileDisk−Random Access Memory)やDVD−RW(ReWritable)、DVD+RW、CD−RW(CompactDisk−ReWritable)等で採用されている相変化型光ディスクが広く普及しつつある。この相変化型光ディスクは、熱によって結晶状態( クリスタル相) と非結晶状態( アモルファス相) とが可逆的に変化するレアメタル系の相変化材料よりなる信号記録層を光ディスクに形成し、この信号記録層にレーザ光を照射することによって信号を記録するようにしたものである。
【0003】
この相変化型光ディスクでは、信号記録層に照射されるレーザビームの条件により、照射部分を非結晶状態または結晶状態に可逆的に変化させ、その反射率の変化によって記録および再生を行う。信号記録層は、最も高いパワーレベルのレーザビームを照射して急熱したのち急冷すると、より低い反射率の非結晶状態となり、「マーク」と呼ばれる部分が記録される。一方、より低いパワーレベルのレーザビームを照射して徐熱したのち徐冷すると、信号記録層は、照射前の状態に依らずに、より高い反射率の結晶状態となり、これにより「スペース」と呼ばれる部分が記録される。信号の再生は、記録信号の消去時よりもさらに低いパワーレベルのレーザビームを用いて行われる。この場合、記録再生装置は、このレーザ光が信号記録層に反射して戻ってきた戻り光を検出し、レーザビームの照射位置の信号記録層が結晶状態であるか非結晶状態であるかにより反射率が異なることを利用して記録信号を再生する。
【0004】
相変化型光ディスクは、光磁気ディスクとは異なり、記録再生のための外部磁場発生手段を必要としないので、記録信号の上書き、書き換えまたは重ね書き (以下、オーバーライトという。)を容易に行うことができると共に、駆動装置の部品が少なくて済むことから、記録再生装置の小型化と低コスト化に貢献することができる。そして、記録可能な情報量が光磁気ディスクに比べて大きいことから、相変化型光ディスクの一層の普及が予想される。
【0005】
通常、相変化型光ディスクを用いた記録は、速度依存性が強いことから、広い速度範囲での記録を行うことができず、記録速度がある範囲内に限定されている。すなわち、相変化型光ディスクには、種類によって、それぞれ固有の記録速度が規定されている。例えばDVDの場合、2倍速のディスクは線速6.98m/s(メートル/毎秒)での記録に適合するように構成され、また、2.4倍速のディスクは線速8.376m/sでの記録に適合するように構成されている。なお、基本となる1倍速は3.49m/sである。
【0006】
相変化型光ディスクでは、上記のように規定された記録速度で記録を行う限り、未使用(未記録)状態のディスクに対してはもちろんのこと、何らかの信号が既に記録されている記録済ディスクに対しても、レーザビームのパワーを適宜変化させることにより、適切に信号記録を行うことが可能である。このような規定速度の下では、既存の信号を一旦消去したのち記録を行うのではなく、変調信号に応じて直接に重ね書きを行う、いわゆるダイレクトオーバーライト(DOW)も可能である。したがって、基本的には、単一のレーザ光のパワー変調によりオーバーライトが可能である。ところが、相変化型光ディスクでは、記録材料の結晶化に要する時間的な制約があるため、線速度を高めた場合には、結晶化に要する時間が不足し、十分な記録を行うことが難しい。
【0007】
一方、従来より、複数のビームを用いてオーバーライトを行う方法も提案されている。これは、消去用と記録用のパワーの異なる少なくとも2つのレーザ光を用い、トラック上で消去スポットを記録スポットより先行させてオーバーライトを行う方法である。この方法は、線速度を比較的大きくした場合でも、結晶化に要する時間を確保し易いという利点を持つ。
【0008】
このような複数ビームを用いたオーバーライトを実現する方法は、例えば下記の特許文献1に開示されている。この方法は、オーバーライトを行う場合に、半導体レーザから出射された光ビームを第1のビームスプリッタによって記録用のメインビームと消去用の先行ビームとに分光し、外部変調器を用いて消去用の先行ビームのパワーを記録パワーから消去パワー相当に減衰するように変調し、第2のビームスプリッタによって先行ビームとメインビームとを合成し、光ディスクのトラック上で、先行ビームによる消去スポットをメインビームによる記録スポットよりも先行させるようにしたものである。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−334473号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既に述べたように、相変化型光ディスクでは記録の速度依存性が大きく、ディスクの種類ごとに、重ね書き(ダイレクト・オーバーライト)可能な固有の記録速度が規格において定められており、その記録速度を大きく超えるような記録を行うのは難しい。例えば、上記した特許文献1の記録方法について考察すると、これは、あくまでも、相変化型光ディスクの種類に応じて規定された(許容された)速度範囲内、あるいはこの範囲を僅かに超えた速度で記録を行うことを前提としていると考えられ、規定速度(例えば、2倍速や2.4倍速)を大きく超えた速度(例えば、4倍速=13.96m/s)でオーバーライトを行う場合については考慮されていない。また、このような規定外速度で記録を行う場合に、消去用先行ビームのパワーレベルと記録用メインビームのパワーレベルとの関係や、それぞれのパワーレベルの大きさをどのように設定するかについては、何ら開示されていない。このため、以下の理由から、上記の方法を適用したとしても、規定速度を大きく上回る速度で記録を行うことは困難であると考えられる。
【0011】
例えば、先行ビームにおける消去パワーのレベルを、規定の記録速度に適合した通常レベルに設定するようにした場合には、パワー不足のためにうまく消去できず、その消え残り成分(残留変調成分)がジッタとして現れるおそれがある。このジッタが大きいと、再生時にエラーとなって現れることから、パフォーマンスが低下する。結果として、規定速度を超えた高速でのオーバーライトをすることが困難である。なお、ジッタは、再生されたRF(高周波)信号(以下、単に、再生信号という。)の時間方向における揺らぎであり、一般に、再生信号を2値化して得られたエッジと、再生されたRF信号から抽出された基本クロックのタイミングとの差の標準偏差を基本クロックの周期で割ったものとして定義される。
【0012】
一方、先行ビームにおける消去パワーのレベルを通常のパワー(規定の記録速度の場合に用いられるパワー)よりも高く設定することも考えられる。ところが、この場合には、消去パワーのレベルを上げることによって記録済み信号(RF信号)の変調成分は小さくなっていくものの、ある程度以上に消去パワーを上げていくと、RF信号のトップレベル(最大値または極大値)が下がってきてしまうという事実を本出願人は知得した。このことは、オーバーライトにおいて、消去パワーをある程度以上に上げていくと、RF信号のうち、スペース領域に対応する部分のレベルが低下する結果、マーク領域に対応する部分のレベルとの差が小さくなってしまうことを意味する。すなわち、オーバーライト後における(ディスク上での)RF信号の変調度が劣化(低下)してしまい、これを再生した場合には、C/N(信号対雑音)特性が悪化してしまう。
【0013】
このように、従来の方法では、相変化型光ディスクに対して規定を大きく超える速度でオーバーライトを行おうとしても、再生信号の変調度を十分確保しつつジッタを抑制することは困難である。すなわち、規定速度を大きく超えるような高速でのオーバーライトを実現することは難しい。
【0014】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、相変化型光ディスクに対する高速でのオーバーライトを可能とする光ディスクの記録方法および光ディスク記録装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスクの記録方法は、相変化型光ディスクの書換対象領域に第1の光強度の光ビームを照射することにより、その書換対象領域に既に記録されている信号を、第1の記録速度を上回る第2の記録速度で消去する第1のステップと、第1の光強度の光ビームの照射が終了した書換対象領域に、第1の光強度を下回る第2の光強度の光ビームまたは第1の光強度を上回る第3の光強度の光ビームを選択的に照射することにより、書換対象領域に第2の記録速度で信号を記録する第2のステップとを含むものである。
【0016】
本発明の光ディスク記録装置は、光ビームを発する光源と、相変化型光ディスクの書換対象領域に照射される光ビームが第1の光強度となるように光源を制御することにより、書換対象領域に既に記録されている信号を第1の記録速度を上回る第2の記録速度で消去する消去制御手段と、第1の光強度の光ビームの照射が終了した書換対象領域に選択的に照射される光ビームが第1の光強度を下回る第2の光強度または第1の光強度を上回る第3の光強度となるように光源を制御することにより、書換対象領域に第2の記録速度で信号を記録する記録制御手段とを備えている。
【0017】
この光ディスクの記録方法および光ディスク記録装置では、第1の光強度の光ビームの照射により、既に記録されている信号が第2の記録速度で消去される。続いて、第1の光強度の光ビームが照射された領域に、第2の光強度の光ビームまたは第3の光強度の光ビームが選択的に照射されることにより、第2の記録速度で信号が上書きされる。
【0018】
第1のステップまたは消去制御手段では、第1の光強度の光ビームを照射することにより、記録されている信号のトップレベルとボトムレベルとの相対差を表す変調度を照射前の第1の変調度からこれよりも小さい第2の変調度に変化させると共にトップレベルを元の第1のレベルからこれよりも小さい第2のレベルへと変化させるようにするのが好ましい。第2のステップまたは記録制御手段では、第2の光強度の光ビームを照射することによりトップレベルを第2のレベルから第1のレベルに戻し、第3の光強度の光ビームを照射することによりボトムレベルを第2のレベルよりも小さい第3のレベルに変化させるようにするのが好ましい。
【0019】
なお、本発明において用いる文言の意義は、以下の通りである。
【0020】
「記録速度」とは、記録媒体である相変化型光ディスクとこれを照射する光ビームとの相対速度(具体的には線速度)をいう。「第1の記録速度」とは、より低い速度、例えば2倍速(6.98m/s)または2.4倍速(8.376m/s)を意味し、「第2の記録速度」とは、より高い速度、例えば4倍速(13.96m/s)を意味する。
【0021】
「変調度」とは、記録された信号のトップレベルとボトムレベルとの相対差であり、具体的には、トップレベルとボトムレベルとの差をトップレベルで割ったものをいう。「第1の変調度」は、第1のステップによって信号が消去される前の状態に対応する変調度であり、「第2の変調度」は、第1のステップによって信号が消去された後の状態に対応する変調度である。
【0022】
「トップレベル」とは、記録または再生された信号の最大値(または極大値)であり、「ボトムレベル」とは、記録または再生された信号の最小値(または極小値)である。
【0023】
「消去」とは、元の信号の変調度を所定の大きさまで縮小することをいい、必ずしも変調度を0にすることのみを意味するものではない。ここで、所定の大きさとは、その上に新たな信号を重ね書きしてから再生したときに、その再生信号の特性が規格を満足するような程度の大きさである。「記録」とは、相変化型光ディスクに高反射率の「スペース」領域や低反射率の「マーク」領域を形成することをいう。
【0024】
「光強度」とは、照射される光ビームの強度をいい、パワーと同義である。 「第1の光強度」は、記録済の信号を消去するときの光強度であり、「第2の光強度」は、スペースを形成するときの光強度であり、「第3の光強度」は、マークを形成するときの光強度である。
【0025】
「第1のレベル」は高反射率のスペースに対応し、第2の光強度の光ビームの照射により実現される。「第3のレベル」は低反射率のマークに対応し、第3の光強度の光ビームの照射により実現される。「第2のレベル」は、第1のレベル(高反射率)と第3のレベル(低反射率)の中間のレベル(中間反射率)に対応し、第1の光強度の光ビームの照射により実現される。
【0026】
「先行の光ビーム」とは、先に相変化型光ディスクに照射される光ビームをいい、「後続の光ビーム」とは、先行の光ビームの後から相変化型光ディスクに照射される光ビームをいう。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施の形態に係る光ディスク記録装置の構成を表すものである。なお、本発明の実施の形態に係る光ディスクの記録方法は、本実施の形態の光ディスク記録装置によって具現化されるので、以下、併せて説明する。ここで、図1(A)は、光ディスク記録装置の主要な光学要素や機能ブロックの配置および接続関係を表すものであり、図1(B)は、光ディスク上に照射された2つのレーザビームスポットの位置関係を表すものである。
【0029】
この光ディスク記録装置は、RF信号である書込対象の記録信号11が入力される記録制御部12と、記録制御部12の出力側に配置された2つのドライバ13A,13Bと、ドライバ13A,13Bからそれぞれ出力される駆動信号によって発光制御が行われる2ビームレーザ14とを備えている。ここで、記録制御部12が本発明における「消去制御手段」および「記録制御手段」の一具体例に対応する。
【0030】
記録制御部12は、記録信号11や後述する再生制御部24からの再生指示信号26に基づいて、ドライバ13A,13Bに対し、記録時または再生時におけるタイミングやレーザパワー(2ビームレーザ14の駆動パワー)の変調処理等を行うものである。ドライバ13A,13Bは、記録制御部12からの制御信号に基づいて、2ビームレーザ14の駆動制御を行うようになっている。
【0031】
2ビームレーザ14は、互いに僅かに離れて位置する2つの発光部(図示せず)を有し、これらの発光部の各々から、ドライバ13A,13Bからのレーザ駆動電流29A,29Bに応じて所定の光強度のレーザビームを発するようになっている。ドライバ13Aによる駆動によって2ビームレーザ14から出射したレーザビームは、記録ビーム31Aとして機能し、ドライバ13Bによる駆動によって2ビームレーザ14から出射したレーザビームは消去ビーム31Bとして機能するようになっている。記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bについては後述する。
【0032】
光ディスク記録装置はまた、2ビームレーザ14から出射したレーザビームを平行光に変換するコリメータレンズ15と、コリメータレンズ15から出射された平行光を直交方向に反射する偏光ビームスプリッタ(PBS)16と、PBS16と相変化型光ディスク(以下、単に光ディスクという。)18との間に設けられ、PBS16から出射した記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bを光ディスク18上に集光する対物レンズ17とを備えている。光ディスク記録装置はさらに、PBS16の対物レンズ17とは反対側に設けられた集光レンズ21と、集光レンズ21のほぼ焦点位置に配置された受光素子22と、受光素子22からの信号を増幅するプリアンプ23A,23Bと、プリアンプ23A,23Bで増幅された信号が入力される再生制御部24とを備えている。
【0033】
PBS16は、入射した記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bのそれぞれについて、S偏光を反射すると共にP偏光を透過する偏光分離面16Aを有する。なお、PBS16の前後には偏光板が配置されるが、その図示を省略している。集光レンズ21は、光ディスク18で反射されPBS16を透過した記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bを受光素子22上に集光するためのものである。
【0034】
受光素子22は、例えばフォトダイオード等からなり、集光レンズ21によって集光された記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bのスポットの強度や形状に応じた信号を出力するようになっている。記録ビーム31Aによる受光スポットに対応した信号は、プリアンプ23Aで増幅されたのち再生制御部24に供給され、消去ビーム31Bによる受光スポットに対応した信号は、プリアンプ23Bで増幅されたのち再生制御部24に供給される。
【0035】
再生制御部24は、プリアンプ23A,23Bからの信号に基づき、再生信号25を生成して外部に出力すると共に、フォーカスサーボ信号やトラッキングサーボ信号等のサーボ信号27等を生成して図示しないフォーカスサーボ機構やトラッキングサーボ機構に供給する。再生制御部24はまた、外部から再生指示が与えられたときに、上記した再生指示信号26を記録制御部12に出力するようになっている。なお、記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bの光路上には、以上のほかに回折格子やビーム整形用の光学素子等が配置され、また、対物レンズ17には上記したフォーカスサーボ機構やトラッキングサーボ機構等が設けられるが、それらの図示は省略する。
【0036】
図1(B)に示したように、記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bは、光ディスク18の同一トラック上に所定の間隔(例えば、十μm程度)を隔てて集光し、それぞれ、記録ビームスポット32Aおよび消去ビームスポット32Bを形成するようになっている。消去ビームスポット32Bは、ディスク回転方向に沿って、記録ビームスポット32Aよりも先行するように位置する。
【0037】
次に、以上のような構成の光ディスク記録装置の動作を説明する。
【0038】
この光ディスク記録装置では、次のようにして信号記録が行われる。すなわち、まず記録制御部12が、入力された記録信号11に基づいて、ドライバ13A,13Bに対し、記録のためのタイミング制御やレーザパワー制御等を行う。これらの制御の詳細については後述する。2ビームレーザ14は、ドライバ13A,13Bからの駆動電流に応じたパワーの記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bを発する。記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bは、それぞれ、コリメータレンズ15およびPBS16を経由して対物レンズ17によって光ディスク18の同一のトラック33上に集光され、記録ビームスポット32Aおよび消去ビームスポット32Bを形成する。
【0039】
消去ビームスポット32Bは、ディスク回転方向に沿って記録ビームスポット32Aよりも先行し、光ディスク18に既に記録されているRF信号に対して予備的な消去(以下、単に消去という。)処理を行う。この消去処理は、消去ビーム31Bのパワーを第1の光強度に設定することで行われる。記録ビームスポット32Aは、消去ビームスポット32Bによって消去が行われた領域に対して記録信号11を上書きするオーバーライトを行う。このオーバーライトは、記録ビーム31Aのパワーを、第1の光強度を下回る第2の光強度または第1の光強度を上回る第3の光強度に設定し、この記録ビーム31Aを予備消去領域に選択的に照射することにより行われる。記録ビーム31Aのパワーが第2の光強度に設定された場合にはマークが形成され、第3の光強度に設定された場合にはスペースが形成される。
【0040】
このとき、記録制御部12は、次のようなタイミング制御を行う。すなわち、記録開始時においては、先行する消去ビーム31Bによる消去動作を開始した後、光ディスクが光ディスク上のビーム間隔を横切る時間だけ待って記録ビーム31Aによる記録動作を開始するようにタイミングを制御する。一方、記録終了時においては、先行する消去ビーム31Bによる消去動作を終了した後、光ディスクが光ディスク上のビーム間隔を横切る時間だけ待って記録ビーム31Aによる記録動作を終了させるようにタイミングを制御する。
【0041】
なお、信号記録中において、受光素子22は、光ディスク18で反射して入射した記録ビーム31Aおよび消去ビーム31Bの入射位置や強度に応じた信号を出力する。これらの信号はプリアンプ23A,23Bを介して再生制御部24に入力され、フォーカスサーボ信号やトラッキングサーボ信号等のサーボ信号27として記録制御部12に供給される。サーボ信号27は、図示しないフォーカスサーボ機構やトラッキングサーボ制御機構によるサーボ制御に供される。
【0042】
一方、信号再生は、次のようにして行われる。すなわち、再生制御部24から再生指示信号26が入力されると、記録制御部12は、記録ビーム31Aを再生用のパワーに設定し、ドライバ13Aに対し、再生のための発光タイミング制御等を行う。2ビームレーザ14は、ドライバ13Aからの駆動電流に応じた再生パワーの記録ビーム31Aを発する。記録ビーム31Aは、コリメータレンズ15およびPBS16を経由して対物レンズ17によって光ディスク18で反射され、それらの反射光は、受光素子22に入射する。受光素子22は、入射光の位置や強度に応じた信号を出力し、プリアンプ23Aを介して再生制御部24に入力する。再生制御部24は、入力された信号に基づいて、RF信号としての再生信号25とサーボ信号27とを生成する。再生信号25は外部に出力され、サーボ信号27はフォーカスサーボ制御やトラッキングサーボ制御に供される。
【0043】
ここで、本実施の形態に係る光ディスクの記録方法における特徴部分を説明する前に、本実施の形態に対するいくつかの比較例について説明する。
[比較例1]
まず、図5および図7を参照して、通常の記録方法、すなわち、規格範囲内(許容される記録速度の範囲内)でオーバーライトを行う記録方法について考察する。ここでは、例えば、記録速度の規格が2.4倍のDVD+RWディスク、もしくは2倍のDVD−RWディスク等を使用して、その規格範囲で記録する場合を想定する。なお、DVDの場合、1倍速は3.49m/Sという線速に相当する。
【0044】
図5は、記録済みの光ディスクに対して規格範囲内速度で消去を行った場合における、レーザパワーと消去後の再生信号レベル(すなわち、ディスク残留信号レベル(消え残り))との関係を表すものである。図5において、横軸はレーザパワー[単位mW]を示し、縦軸はディスク残留信号レベル[単位mV]を示す。この図で、実線Ct(2.4)は再生信号におけるトップレベルの変化を示し、破線Cb(2.4)はボトムレベルの変化を示す。
【0045】
図7は再生信号波形の一例を表すものである。ここで、図7(A)は規格範囲内速度で記録を行った後の再生信号波形を示し、図7(B)は規格範囲内速度で消去を行った後の再生信号波形(ディスク残留信号波形)を示し、図7(C)は図7(B)に示したような消去状態の光ディスクに対して規格範囲内速度で記録を行った後の再生信号を示す。なお、図7において、横軸は時間を示し、縦軸は再生信号レベル[単位mV]を示す。
【0046】
通常、記録済の光ディスクにおいては、マーク部分は非結晶状態になっているため反射率が低く、スペース部分は結晶状態になっているため反射率が高い。DCレベルで、8T〜14T程度の長いマーク部分とスペース部のレベル(反射率に相当)を比較すると、通常の変調度は60〜70%であるので、スペース部分のレベルに対してマーク部分のレベルは30〜40%程度になる。なお、1Tとは、マークの基準長であり、例えば0.13μm程度である。
【0047】
したがって、例えば図7(A)に示したような波形のRF再生信号を考えると、そのボトムレベルLb のトップレベルLt に対する比Lb /Lt は30〜40%程度になり、また、平均値レベルLa [=(Lt +Lb )/2]はトップレベルLt の65〜70%程度になる。例えば、この平均値レベルLa をデータを2値化するときのしきい値と仮定すると、これを上回る領域Sがスペース部分に相当し、下回る領域Mがマーク部分に相当することになる。
【0048】
このような通常の速度でRF信号が記録された光ディスクに対して消去を行うことを考えてみる。1倍速〜2.4倍速相当の速度で、レーザパワーを例えば直流駆動して増加させていくと、記録層が全体的に結晶状態へと変化して反射率が上がる結果、以前に記録されていたデータが消去される(正確には、変調成分が減少する)。このとき、レーザパワーの増加と共に、再生信号の変調成分は、ボトムレベルLb (非結晶状態になっている8〜14T等の長いマーク部分に対応)が、ほぼ一定で推移するトップレベルLt (結晶状態であるスペース部分に対応)に近づくような形で小さくなっていき、やがて、その後に行われるべきオーバーライトに支障のないレベルになる。
【0049】
図5は、2.4倍速で消去を行った場合の一例であるが、この例では、3.5mWよりも大きいパワーのレーザビームを照射するとRF信号のボトムレベルが増加していき、元のRF信号のピーク間レベル(トップレベルとボトムレベルとの差Lt −Lb )に対する消え残り(残留成分)ΔLの比ΔL/(Lt −Lb )は、6mWにおいて6%(−24dB)、8mWにおいて3%(−30dB)程度となるのが判る。この消え残りΔLが、実際の記録(ダイレクトオーバーライト)において、元のマーク部分の上にスペースを上書きしたときの消え残りに相当するものとなる。このとき、ボトムレベルはトップレベルLt に近づくものの、完全に一致することはなく、トップレベルLt よりも僅かに小さい値Lb1に留まるので、14T等の長いマークは最後まで消えないで残る。したがって、消去後にそのまま信号を再生したとすると、その再生信号波形は、図7(B)に示したように、僅かではあるが、残留成分ΔL(=Lt −Lb1)を含んだものとなる。
【0050】
このように消去が終了した光ディスクに対して、さらに、RF信号のオーバーライトを行うと、そのオーバーライト後の再生信号は、例えば図7(C)に示したようになる。このオーバーライトは、マークを形成し得る(ディスクの記録層を非結晶化し得る)ような大きなパワーのレーザビームを光ディスクに照射することにより行う。なお、図7(C)では、元の信号パターンとは異なるパターンのRF信号をオーバーライトした場合を示している。
【0051】
この場合、レーザビームを照射した部分の記録レベル(反射率)は、その照射部分の元の状態の如何(スペース部分であったのか、マーク部分であったのかという前歴)にかかわらず、元のボトムレベルLb まで一律に変化する。一方、レーザビームを照射しない部分は、そのまま新たなスペース部分となる。このため、この新たなスペース部分については、元の状態の如何によって、記録レベル (反射率)が僅かに異なってくる。具体的には、元がスペース部分であった部分が再び新たなスペース部分となった場合(符号SSの部分)には、その記録レベル(反射率)は、元のトップレベルLt にほぼ等しくなる。一方、元がマーク部分であった部分がスペース部分に書き換えられた場合(符号MSの部分)には、その記録レベル(反射率)は、元のトップレベルLt よりも残留成分ΔLの分だけ小さい値となる。しかしながら、この程度の残留成分ΔLがあっても、記録された信号波形のピーク高さのばらつきは僅かであり、同じRF信号を未記録の光ディスクに記録した場合の信号波形と比べてそれほど歪んではいない。このため、例えば、スペースSとマークMの判別に用いるしきい値が再生信号波形を横切る位置(すなわち、スペースSとマークMとの境界位置)が時間軸方向に揺らぐことが少なく、再生信号のジッタは実用上支障ない大きさとなる。結局、規定の記録速度範囲内であれば、問題なく上書きできることがわかる。
【0052】
[比較例2]
次に、図6、図8および図9を参照して、記録速度の規格が2.4倍速のDVD+RWディスク、もしくは2倍速のDVD−RWディスク等を使用して、その規格範囲を大きく超える4倍速で記録する場合について考察する。なお、DVDの場合、この場合の4倍速は13.96m/Sという線速に相当するが、これは、DVD+RWディスクでは規定速度の1.6倍に当たり、DVD−RWディスクでは規定速度の2倍に当たる。
【0053】
図6は4倍速で消去を行った場合におけるレーザパワーと再生信号レベル(消え残り)との関係を表すものである。図6において、横軸はレーザパワー[単位mW]を示し、縦軸は再生信号レベル[単位mV]を示す。この図で、実線Ct(4)は再生信号におけるトップレベルの変化を示し、破線Cb(4)はボトムレベルの変化を示す。
【0054】
図8および図9は、それぞれ、互いに異なるパワーのレーザビームによって消去処理を行った後にオーバーライトを行った場合の再生信号波形の例を表すものである。ここで、図8(A)および図9(A)は通常の速度(2倍速または2.4倍速)で記録を行った後の再生信号波形(ディスク残留信号波形)を示す。図8(B)および図9(B)は、それぞれ、図8(A)および図9(A)に示した信号波形で記録された光ディスクに対して4倍速での消去を行った後の再生信号波形を示す。図8(C)および図9(C)は、それぞれ、図8(B)および図9(B)に示したような消去状態の光ディスクに対して4倍速で記録を行った後のRF再生信号を示す。なお、図8および図9において、横軸は時間を示し、縦軸は再生信号レベル[単位mV]を示す。
【0055】
まず、通常速度での記録により再生信号波形が図8(A),図9(A)に示したような波形になっている光ディスクに対して、4倍速での消去処理を行うことを考える。
【0056】
図6に示したように、レーザパワーを直流駆動して上げていくと、低いパワーにおいては、全体的に結晶状態に変化して反射率が上がる結果、記録されていた信号のボトムレベルが徐々に上昇してトップレベルに近づき、信号の変調成分 (残留成分)が減少していく。ところが、7mWを超えるパワーになると、ボトムレベルが反対に下降に転じ、さらにパワーが9mWを超えると、トップレベルも下降していく。そして、ボトムレベルおよびトップレベルが共に下降しながらも、両者の間隔は縮まって変調成分は小さくなり、パワーが12mW程度になると、オーバーライトに支障のない残留成分レベルΔL2 になる。ただし、この場合、トップレベルは、2.4倍速で消去した場合と比較すると、40〜50%程度に低下した状態になる。なお、消去パワーの上昇と共にボトムレベルおよびトップレベルが下降していくのは、線速度が規格を大きく上回っていることから、除熱、除冷というよりも、むしろ急熱、急冷に近い状態になり、このため、非結晶状態に近づいて行くためであると考えられる。
【0057】
ここで、例えば消去パワーをそれぞれ7mW程度および12mW程度にした場合を想定して、消去後の状態と、その後のオーバーライト後の状態とについて考察する。
【0058】
〈比較例2−1〉
消去パワーを7mW程度にした場合には、図6から明らかなように、残留成分(消え残り) ΔL1 は、通常速度で消去を行った場合の残留成分ΔL(図5)と比べてかなり大きい。したがって、消去後にそのまま信号を再生したとすると、その再生信号波形は、元の波形(図8(A))から、図8(B)に示したように、大きな残留成分ΔL1 (=Lt −Lb2)を含んだ波形へと変化する。
【0059】
このように消去が終了した光ディスクに対して、さらに、上記比較例1と同様のパターンのRF信号をオーバーライトすると、そのオーバーライト後の再生信号は、例えば図8 (C)に示したようになる。このオーバーライトは、マークを形成し得る(ディスクの記録層を非結晶化し得る)ような大きなパワー(例えば16mW以上)のレーザビームを光ディスクに選択的に照射することにより行う。
【0060】
この場合、レーザビームを照射した部分の記録レベル(反射率)は、その照射部分の元の状態の如何にかかわらず、元のボトムレベルLb まで一律に変化する。一方、レーザビームを照射しない部分は、そのまま新たなスペース部分となるため、この部分については、元の状態の如何によって記録レベル(反射率)、ひいては再生信号レベルが大きく異なってくる。すなわち、元がスペース部分であった部分が再び新たなスペース部分となった場合(符号SSの部分)には、その記録レベル(再生信号レベル)は、元のトップレベルLt にほぼ等しくなるが、元がマーク部分であった部分がスペース部分に書き換えられた場合(符号MSの部分)には、その記録レベル(再生信号レベル)は、元のトップレベルLt よりも残留成分ΔL1 の分だけ小さい値となる。この場合の残留成分ΔL1 は、上記比較例1の場合のそれと比べてかなり大きいので、記録された信号波形のピーク高さのばらつきも大きくなり、同じRF信号を未記録の光ディスクに記録した場合の信号波形や上記比較例1における信号波形と比べると、大きく歪んでいる。このため、例えば、しきい値が再生信号波形を横切る位置(スペースSとマークMとの境界位置)が時間軸方向に大きく揺らぐこととなり、再生信号のジッタが著しく増大する。
【0061】
図10は、2.4倍速ディスクに対して4倍速でオーバーライトを行ったときのDOW特性を示す。ここで、DOW特性とは、同じレーザパワーで繰り返しオーバーライトをしたときに、その重ね書き回数によって再生信号のジッタがどのように変化していくかを示したものである。ここでは、レーザのピークパワー( スペース記録用のパワー) を15mWから16.5mWまで0.5mWステップで変化させた場合の例を示している。曲線C(15.0),C(15.5),C(16.0)およびC(16.5)は、それぞれ、ピークパワーを15mW,15.5mW,16.0mWおよび16.5mWにした場合のジッタ特性を示す。なお、ここではピークパワーと消去パワーとの比が一定になるように設定してある。
【0062】
この図の例では、1回目の記録(DOW=1;すなわち、未記録状態の光ディスクに記録を行った場合)においては、いずれのピークパワーでもあっても、ジッタは7%程度になり、問題ない。ところが、2回目の記録(DOW=2)では、13〜15%を超えるジッタになってしまい、使用することはできないレベルとなる。なお、実用上、ジッタの上限は9〜10%である。
【0063】
このように、本比較例の方法では、再生信号のジッタを実用レベルに抑えつつ、規定速度を大きく超える速度でオーバーライトを行うことは難しい。
〈比較例2−2〉
一方、消去パワーを12mW程度にした場合には、図6から明らかなように、残留成分ΔL2 は、通常速度で消去を行った場合の残留成分ΔL(図4)とほぼ同等になるものの、トップレベルは、通常速度で消去した場合と比較して、著しく低下する。
【0064】
ここで、図9(A)に示したように、消去前の記録状態において、例えば、RF信号のトップレベルLt が100、ボトムレベルLb が30であったと仮定すると、この消去前のRF信号の変調度および振幅は、それぞれ、次のようになる。
変調度=( Lt −Lb)/Lt =(100−30)/100=0.7
RF振幅=Lt −Lb =100−30=70
【0065】
このような状態の光ディスクに対して消去パワーを12mW程度に設定して4倍速で消去処理を行うと、光ディスクの記録状態を示す再生信号波形は、例えば図9(B)に示したようになる。すなわち、上記したように、残留成分ΔL2 はオーバーライトで支障のない程度まで小さくなるが、トップレベルは元のLt からLt1へと大きく低下する。
【0066】
このようにして消去が終了した光ディスクに対して、さらに、上記比較例1と同様のパターンのRF信号をオーバーライトすると、その再生信号は例えば図9(C)に示したようになる。このオーバーライトは、マークを形成し得る(ディスクの記録層を非結晶化し得る)ような大きなパワーのレーザビームを光ディスクに選択的に照射することにより行う。
【0067】
この場合、レーザビームを照射した部分の記録レベル(反射率)は、その照射部分の元の状態の如何にかかわらず、元のボトムレベルLb まで一律に変化する一方、レーザビームを照射しない部分は、そのまま新たなスペース部分となる。この新たなスペース部分については、先行する消去によって記録レベル(反射率)が著しく低下しているので、図9(C)に示したように、トップレベルLt1とボトムレベルLb との差が僅少になる。例えば、トップレベルが元のLt (=100)からLt1(=50)に変化したとすると、ボトムレベルLb は30のまま変化しないから、オーバーライトを後におけるRF信号の変調度および振幅は、それぞれ、例えば次のようになる。
変調度=(Lt1−Lb )/Lt1=(50−30)/50=0.4
RF振幅=Lt1−Lb =50−30=20
【0068】
この場合の変調度は、通常の規格である0.6を満足しない。また、RF振幅は20/70=0.286となって、通常のRF振幅の30%以下に低下してしまう。しかも、実際の記録では、符号間干渉が起きることから、トップレベルはさらに低下することが予想される。したがって、この方法による4倍速記録は、再生時に要求される規格を満足することができない。すなわち、本比較例による方法では、トップレベルの過度の低下を招くことなく、規定速度を大きく超える速度でオーバーライトを行うことは難しい。
【0069】
[比較例3]
次に、以上の比較例2のように消去後にマークを記録するのではなく、1回のレーザビーム照射によって2.4倍速用のディスクに4倍速でオーバーライトを行うダイレクトオーバーライトの場合を考える。
【0070】
このダイレクトオーバーライトによる記録方法では、マーク形成用の大きなレーザパワーと、スペース形成用のレーザパワーとを選択的に切り換えながら1本のレーザビームによって光ディスク面を照射する。この場合、書き込み前の光ディスクの状態に応じて、マーク/マーク、マーク/スペース、スペース/スペース、スペース/マークという4種類の組み合わせパターンが存在する。ここで、「/」の左側がオーバーライト前の状態を示し、「/」の右側がオーバーライト後の状態を示す。
【0071】
これらの組み合わせのうち、同じ状態同士(マーク/マーク、スペース/スペース)の場合には一見して問題ないようではあるが、実際には、スペース/スペースの組み合わせに問題がある。上記の比較例2−2で説明したように、スペース形成用のレーザパワーが高いと、レーザビーム照射によってそのスペース部分の反射レベルが著しく下がってしまい、再生信号のC/N特性が低下してしまうからである。このことは、マーク/スペースの組み合わせの場合も同様である。
【0072】
一方、スペース形成用のレーザビーム照射によってRF信号レベルが低下しないようにするには、レーザパワーをあるパワー値(図6の例では9mWに相当)を上回らないようにする必要がある。ところが、この場合には、上記比較例2−1で説明したように、マーク/スペースの組み合わせの場合に、大きな残留成分ΔL2 が残存してしまい、再生信号のジッタ特性が悪化してしまう。
【0073】
結局、本比較例による方法においても、再生信号のC/N特性やジッタ特性の悪化を伴うことなく、規定速度を大きく超えるような高速でのオーバーライトを実現することは難しい。
【0074】
以上、比較例2および比較例3で考察したように、規定速度を大きく上回る4倍速においては、元々記録されていた信号を消去するために消去パワーを上げていくと、RF信号のトップレベルが低下するので、オーバーライトされたRF信号のトップレベルとボトムレベルとの差が著しく小さくなる。このため、再生したときのC/N性能の劣化が起こる。したがって、通常速度(規定速度)での記録と同等のC/N性能を確保しつつ、規定を大きく上回る記録速度でダイレクトオーバーライトを行うことは極めて困難である。一方、RF再生信号レベルの低下を避けるべく消去パワーを抑え気味にすると、今度は以前に記録された信号の変調成分が消えずに再生信号のジッタの原因となり、使用に耐えない。すなわち、良好なジッタ特性を確保しつつ、規定を大きく上回る記録速度でダイレクトオーバーライトを行うことは極めて困難である。すなわち、上記の比較例2,3による方法では、規定速度を大きく超えるような高速でのオーバーライトを実現することは事実上不可能である。
【0075】
[本実施の形態の記録方法]
次に、図2および図6を参照して、本実施の形態に係る光ディスクの記録方法について説明する。本実施の形態では、上記した比較例2および比較例3で述べた問題点を解決するために、次のような方法を採る。
【0076】
まず、第1のステップで、光ディスク18の書換対象領域(トラック33)に第1の光強度の消去ビーム31Bを照射することにより、その書換対象領域に既に記録されているRF信号を、第1の記録速度(ここでは、2倍速または2.4倍速)を上回る第2の記録速度(ここでは4倍速)で消去する。この第1のステップでは、第1の光強度の光ビームを照射することにより、記録されている信号のトップレベルとボトムレベルとの相対差を表す変調度が照射前の第1の変調度からこれよりも小さい第2の変調度に変化すると共に、トップレベルが元の第1のレベルからこれよりも小さい第2のレベルへと変化する。
【0077】
次に、第2のステップで、第1の光強度の光ビームの照射が終了した書換対象領域に、第1の光強度を下回る第2の光強度の記録ビーム31Aまたは第1の光強度を上回る第3の光強度の記録ビーム31Aを選択的に照射することにより、書換対象領域に第2の記録速度で信号を記録する。第2のステップでは、第2の光強度の光ビームを照射することによりトップレベルが第2のレベルから第1のレベルに戻り、第3の光強度の光ビームを照射することによりボトムレベルが第2のレベルよりも小さい第3のレベルに変化する。
【0078】
以下、より詳細に説明する。
【0079】
消去前の記録状態の信号波形が、図2(A)に示したような第1の変調度(Lt −Lb )/Lt を有するものであったとする。このような記録状態の光ディスクに対して、まず第1のステップで、消去ビーム31Bのパワーを12mW程度(第1の光強度)にして4倍速で消去処理を行う。これにより、光ディスクの記録状態を示す再生信号波形(ディスク残留信号波形)は、例えば図2(B)に示したようになる。この場合には、図6からもわかるように、トップレベル(最大反射率)は、元のLt (第1のレベル)からLt1(第2のレベル)へと降下する一方、ボトムレベル(最小反射率)は、元のLb からLb3へと上昇する。この結果、消去後の残留成分ΔL2 (=Lt1−Lb3)は、通常速度で消去を行った場合の残留成分ΔL(図5,図7(B)参照)とほぼ同等になり、オーバーライトに支障のない程度(再生信号のジッタが許容値以下となるような程度)まで縮小する。すなわち、この消去処理後における記録状態の変調度は、第2の変調度ΔL2 /Lt1となる。
【0080】
こうして消去が終了した光ディスクに対して、さらに、第2のステップを行う。ここで、例えば上記比較例1と同様のパターンのRF信号をオーバーライトしたとすると、その記録後の状態(再生信号の状態)は例えば図2(C)のようになる。このときのオーバーライトは、次のようにして行う。すなわち、高反射率部分であるスペースを形成する場合には、光ディスク18の記録層を十分に結晶化させて高反射率に戻し得るようなパワー、すなわち、記録レベルをLt1(第2のレベル)から元のLt (第1のレベル)に戻し得るような、例えば5〜6mW程度の、小さいパワー(第2の光強度)の記録ビーム31Aを、光ディスク18の消去終了領域(予備消去領域)に照射する。一方、低反射率部分であるマークを形成する場合には、光ディスク18の記録層を十分に非結晶化させてその反射率を最も低い状態(第3のレベル)に変化させ得るような、例えば14mW程度の、より大きなパワー(第3の光強度)の記録ビーム31Aを、光ディスク18の消去終了領域(予備消去領域)に照射する。
【0081】
図2(C)に示したように、第3の光強度(例えば14mW)の記録ビーム31Aを照射した部分は、その記録レベル(反射率)が、元の状態の如何にかかわらず、元のボトムレベルLb まで一律に変化し、この部分が新たなマーク部分となる。一方、第2の光強度(5〜6mW程度)の記録ビーム31Aを照射した部分は、新たなスペース部分となる。この新たなスペース部分は、先行の消去ビーム31Bの照射によって記録レベル(反射率)が一旦著しく低下した部分であるが、図6に示したように、5〜6mW程度のパワーのビームを照射すると、レベルがLt1(第2のレベル)から元のLt (第1のレベル)に回復する。したがって、オーバーライト後におけるRF信号の変調度および振幅は、元の状態とほぼ同じになる。
【0082】
図11は、本実施の形態における光ディスクの記録方法により、2.4倍速ディスクに対して4倍速でオーバーライトを行ったときのDOW特性の一例を表すものである。この例は、第1のステップにおいて、第1の光強度(第1消去パワーPe1)の消去ビーム31Bを照射した後に、第2のステップにおいて、第2の光強度(第2消去パワーPe2=5.4mW)の記録ビーム31Aと、第3の光強度(ピークパワーPp =14mW)の記録ビーム31Aとを選択的に用いて記録を行ったときのDOW特性である。ここで、第1消去パワーPe1は、7mWから12mWまで1mWステップで変化させている。曲線C(7 ),C(8 ),C(9 ), C(10),C(11)およびC(12)は、それぞれ、第1消去パワーPe1を7mW,8mW,9mW,10mW,11mWおよび12mWにした場合のジッタ特性を示す。
【0083】
図11から明らかなように、第1消去パワーPe1が10mWを超えると、DOW=2におけるジッタの上昇がほとんどなくなる。DOW=1000回程度までの範囲においては、若干のジッタの上昇はあるものの9%以下に収まっており、実用上ジッタの上限が9〜10%であることを考慮すると、問題がないレベルである。なお、図6に示したように、RF信号のトップレベルは、第1消去パワーPe1が9mWを超えたところから下がり始めるが、上記したDOW=2でのジッタの上昇がほとんどなくなる10mW〜12mWの領域においては、トップレベルが消去前のトップレベルの70%〜40%程度まで下がっていることがわかる。なお、それ以上パワーを上げてトップレベルが40%を割ると当初のRF信号のボトムレベルと同等になるため、その後の記録(第2消去パワーPe2の記録ビーム31Aの照射)過程において元のトップレベルに戻すのが難しくなる。
【0084】
また、図11からわかるように、第1消去パワーPe1を7mW〜9mW程度に設定した場合においても、光ディスクに予め10回程度のオーバーライト処理を施しておけば、ジッタを9%以下に収めることができ、実用上支障がない。
【0085】
また、図6に示したように、第1のステップにおける第2消去パワーPe2(=5.4mW)の記録ビーム31Aの照射によって、光ディスクの記録レベル(反射率)を消去前のトップレベルまで戻すことが可能であることがわかる。また、第1のステップでの消去処理を行うことにより、比較的低いピークパワーPp (=14mW)での記録が可能になる。すなわち、2倍速で記録を行ったときの最適なピークパワー15〜16mWよりもむしろ低いレベルパワーで記録を行うことができる。これは、先行する消去ビーム31Bによる消去処理によって反射率が低下している箇所に記録ビーム31Aを照射することになるため、記録ビーム31Aのエネルギーを光ディスクの記録層が効率良く吸収できるからであると考えられる。
【0086】
次に、図3を参照して、本実施の形態の光ディスクの記録方法で用いるレーザパワーの設定方法について説明する。ここで、図3は図6を模式的に描いたものである。
【0087】
まず、第1に、記録速度規格が2倍速または2.4倍速である光ディスクに対して、通常の記録速度(2倍速または2.4倍速)で、例えば図2(A)に示したような波形のRF信号を光ディスクに記録する。この記録は、例えば、光ディスク上の予備的な領域を用いて行うことができる。
【0088】
第2に、上記のようなRF信号が記録された光ディスクの領域に対して、パワーを様々に変化させながら消去ビーム31Bを照射したのち、この領域から信号を再生することにより、図3に示したようなレーザビームパワーと再生信号レベルとの関係を示す特性曲線を得る。この特性曲線に基づき、初めに記録されていたRF信号の消え残り(残留成分ΔL)が−25dB程度になり、かつRF信号のトップレベルLt1(第2のレベル)が元のトップレベルLt (第1のレベル)の40〜70%程度になるような第1消去パワーPe1(第1の光強度)を決定する。この図の例では、第1消去パワーPe1を、例えば12mW程度に設定している。
【0089】
ここで、残留成分ΔLを−25dB程度にするのは、上記の議論より、ジッタを実用レベルの9%程度以下にすることを可能にするためである。また、RF信号のトップレベルを元のトップレベルの40%以上にするのは、これ以下にすると、上記したように、その後の記録過程において元のトップレベルに戻すのが難しくなるからであり、また、70%以下にするのは、それ以上にすると、その後の記録過程における熱吸収効率が悪くなると共に、残留成分ΔLが−25dBよりも大きくなってしまうからである。
【0090】
第3に、図3の特性曲線に基づき、消去ビーム31Bの照射によってRF信号のトップレベルが下がり始めるレーザパワー(図3では、9mWに相当)を上限にして、それ以下のパワー値を第2消去パワーPe2(第2の光強度)として選定する。図3の例では、第2消去パワーPe2を、例えば5.4mWに設定している。
【0091】
第4に、この状態で、記録ビーム31Aのパワーを様々に変化させてマークの記録を行ったのち、信号を再生し、この再生信号におけるジッタおよびDOW特性が最良になるようなピークパワーPp (第3の光強度)を決定する。図3の例では、ピークパワーPp を、例えば14mWに設定している。
【0092】
第5に、冷却期間における記録ビーム31Aのパワーを様々に変化させて、再生信号のジッタが最良になるようなクーリングパワーPc を決定する。なお、この冷却期間は、光ディスクの記録層を急熱後、これを急冷して非結晶化させるために設けられるものである。
【0093】
なお、上記の各レーザパワーの値は、例えば、光ディスク記録装置の工場出荷前に種々の相変化型光ディスクについて予め上記第1〜第5の手順を行うことにより決定し、記録制御部12(図1)の図示しないメモリに記憶させておくようにしてもよいし、あるいは、実際にユーザによって相変化型光ディスクが光ディスク記録装置にセットされるごとに、そのセットされた光ディスクの予備領域を利用して上記第1〜第5の手順を自動的に行うことにより決定し、記録制御部12のメモリに記憶させるようにしてもよい。
【0094】
次に、このようにして決定されたレーザパワーに基づいて、実際に速度規格を超える高速でオーバーライトを行う場合の詳細について説明する。
【0095】
図4は、決定されたレーザパワーに基づいて実際にオーバーライトを行う場合のレーザビーム照射タイミングを表すものである。ここで、図4(A)は、消去ビーム31Bの照射タイミングおよびレーザパワーを示し、図4(B)は、記録ビーム31Aの照射タイミングおよびレーザパワーを示す。
【0096】
図4(A)に示したように、第1のステップでは、記録済の光ディスクに対して、第1消去パワーPe1の消去ビーム31Bを連続もしくはIT程度の狭いパルス状に照射して信号を(予備的に)消去する。
【0097】
次に、図4(B)に示したように、スペースを形成する場合には、信号の予備的消去が終了した領域に、第2消去パワーPe2の記録ビーム31Aを照射する。一方、マークを形成する場合には、予備的消去が終了した領域に、ピークパワーPp の記録ビーム31Aをパルス状に照射する。このときのパルスのボトム値は上記したクーリングパワーPc とする。なお、この図では、符号Sの期間がスペース形成期間に対応し、符号Mの期間がマーク形成期間に対応している。
【0098】
以上のように、本実施の形態によれば、2本のレーザビームのうち、先行する消去ビーム31Bによって、光ディスクに記録されているRF信号の変調成分を問題のない状態まで消去する(反射率の差を小さくする)と共にトップレベルを元のRF信号のトップレベルの70〜40%に低下させ、その後、後続の記録ビーム31Aによって、トップレベルが元の(消去前の)状態に戻るようなレーザパワーでスペースの記録を行うと共に、ボトムレベルを十分に低下させ得るようなレーザパワーでマークを記録するようにしている。このため、相変化型光ディスクの規定の記録速度(例えば2〜2.4倍速)を大きく超えた4倍速(規格の1.6〜2倍程度)であっても、再生特性規格を満足させ得るような記録特性をもってオーバーライトを行うことが可能になる。
【0099】
とりわけ、消去ビーム31Bおよび記録ビーム31Aが、それぞれ、元の信号の変調成分の消去、適正なRF信号レベルの確保、という互いに独立した役割をもっているため、各ビームのパワーを個別に最適値に設定することが可能である。このため、規格を大きく上回る高倍速でも、消去不足によるジッタの発生を効果的に避けることができると共に、十分なRF信号レベルを確保することができる。
【0100】
しかも、先行の消去ビーム31Bによる消去によって反射率が元の70〜40%程度まで低下している箇所へ記録ビーム31Aで記録することになるため、ディスクの熱吸収が良くなる。その結果、先行ビームによる消去を行わずにただ1回のビーム照射のみによって記録を行ったときに要するパワーに比べて、記録ビーム31AのピークパワーPp を下げることが可能になる。このことは、オーバーライトの回数(DOW回数)の限界値が記録時のピークパワー値に依存する性質(すなわち、過度のパワーでビーム照射を繰り返すと、記録層の可逆的相変化特性が劣化するという性質)をもつ相変化記録ディスクでは特に有利に作用することを意味する。すなわち、DOW回数の改善を見込むことができ、実際上、1000回のオーバーライトも可能になる。
【0101】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、2倍速や2.4倍速用として規定された相変化型光ディスクに対して4倍速でオーバーライトを行う場合を例に説明したが、光ディスクの規格がさらに高速化して、4倍速用のディスクが登場した場合においても同様の条件を満たせばさらにその2倍の8倍速程度での記録が可能になると考えられる。さらに、それ以上の書き込み速度の規格でも同様である。
【0102】
また、本実施の形態では、2つの発光点を持つ2ビームレーザを用いて光ディスクに2本のビームを照射する場合の例を示したが、1つのチップ上に3つ以上の発光点を持つレーザアレイを使用し、その内の2点から出射されるビームを消去ビームおよび記録ビームとして利用するようにしてもよい。さらに、複数のレーザ素子を組み合わせて光学系を構成し、そのうちの2つのレーザ素子を利用するようにしてもよい。
【0103】
また、本実施の形態では、消去と記録を同時に(並行して)行うことを前提として2本のビームを用いる記録方法の例を示したが、1つのレーザを用いて実現することも可能である。例えば、実際の記録を行わないアイドル状態のときに、ビームパワーを上記第1消去パワーPe1に設定して記録済データを高速で(規格を大きく超える速度で)消去しておけば、転送速度の速いストリーミングデータ等を高速かつ低パワーで記録することが可能である。この方法は特に、初めて使用する光ディスクに規格を超える高速でデータを記録する場合に有効である。すなわち、未使用の光ディスクが光ディスク記録装置にセットされた場合に、その最初の段階で、光ディスクの全面を第1消去パワーPe1のビームによって高速で走査するという、いわば初期化ともいえる処理を施しておけば、その後は、ビームのパワーを第2消去パワーPe2またはピークパワーPp のいずれかに変化させるだけで高速記録を行うことができる。
【0104】
また、本実施の形態では、2倍速や2.4倍速という規格の相変化型光ディスクに対して、その規定速度の1.6倍に当たる4倍速でオーバーライトを行う場合について説明したが、規定の記録速度の1〜1.5倍程度の速度で記録することも可能である。この場合は、消去ビーム31Bによる消去処理後におけるRF信号のトップレベルが消去前のRFトップレベルの100〜70%となるような範囲のパワーであっても、十分消去可能である(すなわち、再生信号のジッタが問題なくなる程度まで変調度の残留成分が小さくなる)。したがって、記録速度が規定の1〜1.5倍程度の範囲内であれば、消去ビーム31Bの第1消去パワーPe1を、そのような条件( すなわち、消去処理後におけるRF信号のトップレベルが消去前のRFトップレベルの100〜70%となるような範囲) を満たす値に設定すればよい。
【0105】
また、本実施の形態の光ディスク記録装置では、2倍速または2.4倍速という規格の相変化型光ディスクに対して、規定速度を上回る4倍速でオーバーライトを行う高速モードを備える場合について説明したが、この高速モードに加えて、本来の記録速度(2倍速や2.4倍速)で記録を行う通常モード(比較例1の図7参照)をも備えるように構成することが可能である。この場合には、記録制御部12が、外部からの指示に応じていずれかのモードを選択するようにすればよい。
【0106】
また、本実施の形態の光ディスクの記録方法および装置はDVD系の光ディスクのみならず、オーバーライトが可能な他の種類の相変化型ディスク(CD− RWを含む)にも応用が可能である。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光ディスクの記録方法または光ディスク記録装置によれば、相変化型光ディスクの書換対象領域に第1の光強度の光ビームを照射することにより、その書換対象領域に既に記録されている信号を、第1の記録速度を上回る第2の記録速度で消去したのち、第1の光強度の光ビームの照射が終了した書換対象領域に、第1の光強度を下回る第2の光強度の光ビームまたは第1の光強度を上回る第3の光強度の光ビームを選択的に照射することにより、書換対象領域に第2の記録速度で信号を記録するようにしたので、第1〜第3の光強度を適切に設定すれば、相変化型光ディスクの規定の記録速度(例えば2〜2.4倍速)を大きく超えた4倍速(規格の1.6〜2倍程度)であっても、通常の再生特性を満足させ得るような記録特性をもってオーバーライトを行うことが可能になる。すなわち、再生信号レベルを低下させることなく、かつ元の記録信号の残留変調成分に起因するジッタの発生を抑制し得るように、上書きすることが可能である。
【0108】
特に、請求項2に記載の光ディスクの記録方法または請求項10に記載の光ディスク記録装置によれば、まず、第1の光強度の光ビームを照射することにより信号のトップレベルを元の第1のレベルよりも小さい第2のレベルへと変化させてから、第3の光強度の光ビームを照射することによりボトムレベルをより小さい第3のレベルに変化させるようにしたので、マーク部分を形成するときの光強度(第3の光強度)が通常の記録速度の場合よりも小さくて済む。このため、相変化型光ディスクに対するオーバーライト可能回数が通常速度での記録の場合よりも増加し、ディスクの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る光ディスク記録装置の概略構成、およびこの光ディスク記録装置で利用される2つの光ビームスポットの位置関係を示す図である。
【図2】図1の光ディスク記録装置によりオーバーライトを行ったときの再生信号の変化を表す図である。
【図3】図1の光ディスク記録装置によるレーザパワーの設定方法を説明するための図である。
【図4】図3のレーザパワー設定方法により設定されたパワーのレーザビームによってオーバーライトを行う場合のレーザ駆動信号波形の一具体例を示す図である。
【図5】規定範囲内の速度で相変化型光ディスク上の記録信号を消去する場合における、レーザパワー対再生信号レベル特性を表す図である。
【図6】規定を大きく超える速度で相変化型光ディスクの記録済信号を消去する場合における、レーザパワー対再生信号レベル特性を表す図である。
【図7】第1の比較例を説明するための図である。
【図8】第2の比較例における第1のケースを説明するための図である。
【図9】第2の比較例における第2のケースを説明するための図である。
【図10】第2の比較例の記録方法により2.4倍速ディスクに対して4倍速でオーバーライトを行ったときのオーバーライト回数対ジッタ特性を表す図である。
【図11】本実施の形態に係る光ディスクの記録方法により2.4倍速ディスクに対して4倍速でオーバーライトを行ったときのオーバーライト回数対ジッタ特性を表す図である。
【符号の説明】
11…記録信号、12…記録制御部、13A,13B…ドライバ、14…2ビームレーザ、18…光ディスク、22…受光素子、24…再生制御部、25…再生信号、29A,29B…レーザ駆動信号、31A…記録ビーム、31B…消去ビーム、32A…記録ビームスポット、32B…消去ビームスポット、Pe1…第1消去パワー、Pe2…第2消去パワー、Pp …ピークパワー、Pc …クーリングパワー、Lt ,Lt1…トップレベル、Lb ,Lb1,Lb2,Lb3…ボトムレベル。

Claims (16)

  1. 第1の記録速度での記録に適合するように作成された書き換え可能な相変化型光ディスクに光ビームを選択的に照射することにより信号を重ねて記録する方法であって、
    相変化型光ディスクの書換対象領域に第1の光強度の光ビームを照射することにより、その書換対象領域に既に記録されている信号を、前記第1の記録速度を上回る第2の記録速度で消去する第1のステップと、
    前記第1の光強度の光ビームの照射が終了した前記書換対象領域に、前記第1の光強度を下回る第2の光強度の光ビームまたは前記第1の光強度を上回る第3の光強度の光ビームを選択的に照射することにより、前記書換対象領域に前記第2の記録速度で信号を記録する第2のステップと
    を含む光ディスクの記録方法。
  2. 前記第1のステップにおいて前記第1の光強度の光ビームを照射することにより、記録されている信号のトップレベルとボトムレベルとの相対差を表す変調度を照射前の第1の変調度からこれよりも小さい第2の変調度に変化させると共に、トップレベルを元の第1のレベルからこれよりも小さい第2のレベルへと変化させ、
    前記第2のステップにおいて、前記第2の光強度の光ビームを照射することによりトップレベルを前記第2のレベルから前記第1のレベルに戻し、第3の光強度の光ビームを照射することによりボトムレベルを前記第2のレベルよりも小さい第3のレベルに変化させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスクの記録方法。
  3. 前記第2の変調度が−25dB以下となるように前記第1の光強度を設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光ディスクの記録方法。
  4. 前記第1のステップの終了後に残留する前記第2の変調度に起因して生ずる再生信号のジッタが9%以下となるように前記第1の光強度を設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光ディスクの記録方法。
  5. 前記第2の記録速度を、前記第1の記録速度の1.6倍ないし2倍に設定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の光ディスクの記録方法。
  6. 前記第2のレベルが第1のレベルの70%ないし40%となるように前記第1の光強度を設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の光ディスクの記録方法。
  7. 前記第1のステップを先行の第1の光ビームにより行い、前記第2のステップを後続の第2の光ビームにより行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスクの記録方法。
  8. 前記第1および第2のステップを1本の光ビームにより行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスクの記録方法。
  9. 第1の記録速度での記録に適合するように作成された書き換え可能な相変化型光ディスクに光ビームを選択的に照射することにより信号を重ねて記録する装置であって、
    前記光ビームを発する光源と、
    相変化型光ディスクの書換対象領域に照射される光ビームが第1の光強度となるように前記光源を制御することにより、前記書換対象領域に既に記録されている信号を前記第1の記録速度を上回る第2の記録速度で消去する消去制御手段と、
    前記第1の光強度の光ビームの照射が終了した前記書換対象領域に選択的に照射される光ビームが前記第1の光強度を下回る第2の光強度または前記第1の光強度を上回る第3の光強度となるように前記光源を制御することにより、前記書換対象領域に前記第2の記録速度で信号を記録する記録制御手段と
    を備えたことを特徴とする光ディスク記録装置。
  10. 前記消去制御手段は、前記第1の光強度の光ビームを照射することにより、記録されている信号のトップレベルとボトムレベルとの相対差を表す変調度を照射前の第1の変調度からこれよりも小さい第2の変調度に変化させると共に、トップレベルを元の第1のレベルからこれよりも小さい第2のレベルへと変化させ、
    前記記録制御手段は、前記第2の光強度の光ビームを照射することによりトップレベルを前記第2のレベルから前記第1のレベルに戻し、第3の光強度の光ビームを照射することによりボトムレベルを前記第2のレベルよりも小さい第3のレベルに変化させる
    ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク記録装置。
  11. 前記消去制御手段は、前記第2の変調度が−25dB以下となるように前記第1の光強度を設定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の光ディスクの記録装置。
  12. 前記消去制御手段は、消去後に残留する前記第2の変調度に起因して生ずる再生信号のジッタが9%以下となるように前記第1の光強度を設定する
    ことを特徴とする請求項10に記載の光ディスクの記録装置。
  13. 前記第2の記録速度が前記第1の記録速度の1.6倍ないし2倍である
    ことを特徴とする請求項10に記載の光ディスクの記録装置。
  14. 前記消去制御手段は、前記第2のレベルが第1のレベルの70%ないし40%となるように前記第1の光強度を設定する
    ことを特徴とする請求項13に記載の光ディスクの記録装置。
  15. 前記光源は、
    前記第1の光強度の光ビームとして機能する先行の第1の光ビームと、
    前記第2の光強度の光ビームおよび第3の光強度の光ビームとして機能する後続の第2の光ビームと
    を発することを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録装置。
  16. 前記光源は、
    前記第1ないし第3の光強度の光ビームとして機能する1の光ビームを発する
    ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスクの記録装置。
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