JP2004340941A - 時間測定システム、物体検出システム、シフト測定方法 - Google Patents

時間測定システム、物体検出システム、シフト測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体位置特定及び物体追跡システムを含む物体検出システムで使用する相対時間遅延を求める方法および装置を提供する。
【解決手段】第1の信号と第2の信号との間の遅延を測定する時間測定システムは、第1の信号が正の傾きで所定レベル(好ましくは平均レベルと実質的に異なる)と交差するアップ交差の時点と第1の信号が負の傾きで所定レベルと交差するダウン交差の時点とを検出する手段を有する。これらのイベントは、第2の信号を受信する遠隔装置に送信され、その遠隔装置は、それらイベントを使用して第2の信号の夫々の時間のずれたセグメントを決め、上記セグメントを加算し、上記加算結果において所定の特徴部を検出する。上記特徴部の位置が、第1の信号と第2の信号との間の遅延を表す。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の信号、特にしかし排他的ではないが広帯域音響信号間の相対時間遅延を求める方法および装置等に関する。
時間遅延を求める1つの明らかな用途は、複雑なエンジニアリングシステム、特に通信システム内で実行されている異なるプロセスまたは機能の同期化である。たとえばレーダシステムおよびソナーシステム等、時間遅延を求めるという多くの他の実用的な用途がある。また、ある現象またはプロセスに関し距離は知られているがその波形の速度が要求される、一部の産業用の用途および生物医学的な用途では、この現象またはプロセスが既知の距離を移動するために必要な時間を求めることによって推測が可能である。
2つの信号x(t)およびy(t)の間の時間遅延Δtを求める従来の1つの方法は、以下の標準のクロス相関関数の値を求めることである。
xy(τ)=(1/T)∫x(t)・y(t+τ)dt=(1/T)∫x(t−τ)・y(t)dt
上式で、長さTの観察間隔にわたり、仮定された時間遅延τmin<τ<τmaxの範囲に関して積分の数値が求められる。クロス相関関数Rxy(τ)を最大化する、変数(argument)、たとえばτは、未知の時間遅延Δtの推定値を提供する。
一般に、クロス相関の動作は次の3つのステップを含む。
1 基準信号x(t)をτだけ遅延させる。
2 受信された信号y(t)の値と遅延された基準信号x(t)の値を乗算する。
3 指定された観察時間間隔Tにわたって、ステップ2で得られた積を積分する。
標準のクロス相関器システムのブロック図が図1に示されている。このシステムは可変遅延線100、乗算器102および積分器104を備える。時間遅延の値を求める値τの最大決定値を伴うクロス相関カーブの例が図2に示されている。
下記特許文献1明細書は、本明細書では「クロスレーション(crosslation)」と呼ぶ技法を使用する信号間の時間遅延の計算の改良された技法を開示する。特許文献1明細書の内容を、参照により本明細書に援用する。
本明細書で使用する「クロスレーション」という用語は、1つの信号で発生する事前定義された(好ましくは、少なくともほぼ非周期的な)イベントを使用して第2の信号の時間のずれた(staggered)セグメントを決め、その後時間のずれたセグメントの表現を合成する技法を言う。第1および第2の信号は、実際には同じ信号であってもよく、その場合、結果としての合成された表現は、その信号の統計的特性に関する情報、特に、事前定義されたイベントの前後の信号の平均の性状(behavior)に関する情報を提供する。代替的に、第1および第2の信号は異なる信号であってもよく(「相互クロスレーション(mutual crosslation)」、あるいは、一方は他方の遅延したものであってもよく、その場合、合成された表現は、それらの信号間の関係に関する情報を提供する。たとえば、合成された表現が、複数の事前定義されたイベントに関連するセグメントを合成することによって予測されるであろう特徴部を含む場合、これは、信号のうちの一方が他方に関してその特徴部の表現内の位置に対応する量だけ遅延することを示す場合がある。
特許文献1明細書によれば、バイナリのバイポーラ信号に対し、未知の遅延がもたらされる。信号の遅延していないものを調べることにより、そのレベルが正の傾きで0と交差する時(アップ交差(upcrossing))を求める。これらの交差イベントのタイミングを使用して、遅延した信号の夫々のセグメントを取得する。これらセグメントは所定の持続時間を有する。セグメントをすべて加算し、その後、加算したセグメントの表現を調べることにより、奇関数の形で特徴部の位置を特定する。奇関数の中心におけるゼロ交差の表現内の位置は、信号が遅延した量を表す。アップ交差を使用する代りに、信号の遅延していないものを調べることにより、そのレベルが負の傾きで0と交差する時(ダウン交差(downcrossing))を求めることができる。
また、特許文献1明細書は、アップ交差とダウン交差とをともに使用することにより精度を高めることも提案する。この場合、ダウン交差によって決められるセグメントを、アップ交差によって決められるセグメントから減じることにより、奇関数を取得し、その後それを調べる。
国際公開第00/39643号パンフレット
特許文献1明細書のクロスレーション技法は、対象の監視領域を問合せエネルギー波形によって照明することにより物体の後方散乱した戻りを取得する、レーダまたはアクティブソナー等のアクティブセンサを使用する物体追跡に特に適している。かかる環境では、送信された信号を変調するために適した(たとえば、バイナリ)信号を選択することができる。しかしながら、この技法は、物体が生成した信号(または、別々のソースからの、物体の影響を受けた信号)のみを取込むパッシブセンサを必要とするアプリケーション、たとえば、人間、車輌または軌道車、高速モータボートまたは振動機械等の移動を、それが生成する広帯域音響信号を使用して検出し、位置測定し、かつ追跡するシステムでは、それほど有利でない可能性がある。また、アプリケーションによっては、特許文献1明細書のシステムによって生成される奇関数より適した出力を生成するシステムを提供することが望ましい(たとえば、すでに検出された物体の追跡ではなく、主に物体検出を意図するアプリケーション)。
物体が生成する音響信号は、それらの最高周波数成分の最低周波数成分に対する割合が比較的大きいため、広帯域信号として分類される。たとえば、30Hz〜15kHzの音声範囲の場合、割合は500である。車輌および軌道車の場合、主な周波数成分は約20Hz〜2kHzの範囲に亙る可能性があり、割合は100になる。
対象の物体によって放出される音響信号は、広い周波数範囲を占有するのみではなく、識別可能な間欠的過渡現象を含む不安定でカオス的な特性も示すことになる。結果として、明示的にまたは暗黙的に信号定常性およびノイズガウス性の仮定に基づく多くの既知のクロス相関技法では、実際的な使用が制限されるだけである。さらに、最も実際的な実施態様は、離散時間サンプルを扱わなければならず、連続時間フレームワークで実行される最適化手法および性能解析が完全には適用可能でなくなる。
物体検出および位置測定のための改良された技法が望ましいであろうアプリケーションの特定の例は、「音響フェンス(acoustic fence)」を形成する分散音響センサのネットワークによるセキュリティ監視のものである。乗物等の対象の物体が検出され位置測定されると、セキュリティカメラが、記録された画像の品質を向上させるために照準およびズームを行う目的で、推定された物体位置を利用することができる。かかるシステムを、産業環境において監視する目的で、たとえば移動する物体を追跡するかまたは電力網、発電所、ガスおよび石油パイプラインおよび水道を含む重要なインフラストラクチャの改良された連続監視を提供するために取付けることができる。別のアプリケーションは、音響センサとセンサ間通信リンクを提供する低電力無線送受信機とを採用する浮遊ブイのネットワークにより、対象の高速ボートおよび他の水上艦艇を検出し位置測定することができる、沿岸警備または沿岸監視のものである。
上記監視および偵察アプリケーションに加えて、明瞭度を高めるために音声信号の質を向上させカメラ照準のために合図を送ることができる分散マイクロホンネットワークを含むマルチメディアアプリケーションを改善することもまた望ましい。
したがって、例えば物体位置特定および物体追跡システムを含む物体検出システムで使用するための、時間遅延測定のための改良された技法を提供することが望ましい。
この発明は、第1の信号と第2の信号との間の遅延を測定する時間測定システムであって、前記第1の信号が正の傾きで所定レベルと交差するアップ交差の時点と前記第1の信号が負の傾きで前記所定レベルと交差するダウン交差の時点とを表すイベントデータを供給するイベント検出手段と、前記イベントデータを使用して前記アップ交差およびダウン交差に関連する前記第2の信号の夫々の時間のずれたセグメントを決め、該セグメントを加算し、該加算結果において所定の特徴部を検出するように動作可能な遅延を求める手段と、を具備し、前記特徴部の位置が、前記第1の信号と第2の信号と間の遅延を表すものである時間測定システム等にある。
本発明のさらなる態様によれば、1つの信号を解析することにより、好ましくは平均信号レベルと実質的に異なる所定レベルと交差した時点を求めることにより、たとえばイベントストリームの形態のイベントデータを生成する。このデータを使用して第2の信号をセグメント化し、第1の信号におけるアップ交差イベントとダウン交差イベントとの両方に対応する導出された信号セグメントを加算する。結果としての波形は、実質的にユニポーラ形状を示し(特許文献1明細書のシステムが生成する奇関数とは異なる)、そこから、2つの信号間の遅延に対応する時間の位置を容易に求めることができる。形状の重心の中心または中間値(形状の面積が等しく2つに分割される位置に対応する)の位置特定等のあらゆる技法を使用して、この位置を見つけることができる。好ましい実施の形態では、結果としての波形のピークの位置を特定することによりこの位置を見つける。このピークは、2つの信号間の遅延に対応する位置と遅延測定値の信頼性を表す振幅とを有する。
最適動作では、両信号は好ましくは広帯域でノイズ状のランダムまたはカオス的特質を有し、第1の信号による所定レベルの交差は、少なくとも実質的に非周期的な、好ましくはランダムな間隔で発生しなければならない。第1の信号は、第1の位置で受信された物体が生成した信号であってもよく、第2の信号は、第2の位置で受信された物体が生成した信号であってもよい。代替的に、第1の信号は、送信された問合せ信号に対応してもよく、第2の信号は、その問合せ信号の物体からの反射であってもよい。いずれの場合も、無線通信リンクを使用して、第2の信号が処理される場所にイベントデータを送信してもよい。
この発明では、例えば物体位置特定および物体追跡システムを含む物体検出システムで使用するための時間遅延測定のための改良された技法を提供することができる。
ここで、本発明を採用する構成について、添付図面を参照して例として説明する。
図3の(a)は、信号を送信し、物体を検出し、その信号と物体から反射した受信信号との間の遅延を求めることによってその距離(range)を求めるように構成されたアクティブ物体検出システムである、本発明の第1の実施の形態のブロック図である。図示する特定の実施の形態は、音響信号を送受信するアクティブ音響システムであり、本システムは、アクティブバイスタティックシステムであってもよく、あるいは後に説明するようにアクティブマルチスタティックシステムであってもよい。
信号発生器SGは、送信機TRによって送信されその後適当に変調され、受信機RXによって受信される、電気信号を生成する。その信号はまた、メインすなわちマスタ装置MDの入力IPにも送られる。受信信号は、従属すなわちスレーブ装置SDの入力IPに送られる。さらに、マスタ装置MDは、概略的にCLとして示す通信リンクを介して、データをスレーブ装置SDに送信する。上記リンクは、特にマスタ装置およびスレーブ装置が互いに近接して配置されている場合、有線リンクであってもよい。しかしながら、本発明は、マスタ装置とスレーブ装置とが異なる場所で互いに遠く離れて配置されているシステムにおいて、特に有利である。この場合、通信リンクCLは、無線リンク等の帯域幅が限定されたチャネルであってもよい。
後に説明するように、スレーブ装置SDは、その入力IPに現れる受信信号とマスタ装置MDから受信するデータとに応じて、送信信号と受信信号との間の遅延を計算することができ、それにより、受信信号が通過した距離を求めることができる。
本システムは、マルチスタティックシステムを形成するために、追加の受信機RX’に結合された追加のスレーブ装置を有してもよく、そのうちの1つをSD’で示す。スレーブ装置SD’もまた、マスタ装置MDからデータを受信し、それにより夫々のスレーブ装置で異なる遅延計算を実行することを可能にする。複数のスレーブ装置を提供する場合、各々を、計算した遅延を共通のデータ収集センタDCCに送信するように構成することができる。
スレーブ装置が計算した遅延を、望ましい場合は他の測定値とともに、物体の範囲、方位および/または位置の検出を含む種々の目的で使用することができる。たとえば、データ収集センタDCCは、物体位置測定および追跡に必要な計算を実行することができる。
図3の(b)は、図3の(a)のものに類似する代替の実施の形態を示すが、この実施の形態は、アクティブシステムではなく、物体が生成した信号に応答するパッシブセンサに依存する。このため、信号発生器SGがなく、マスタ装置MDの入力を追加の受信機RXに連結する。スレーブ装置SDは、マスタ装置MDが受信した信号の遅延に対するその受信信号の遅延を計算する。ここでもまた、複数のスレーブ装置SD’とデータ収集センタDCCとを提供してもよい。
両実施の形態において、マスタ装置MDは以下の動作を実行する。
1.その入力信号が所定レベルLと交差する時点を検出し、その後、レベルLの交互のアップ交差とダウン交差との瞬間によって決まる連続した時間間隔のシーケンスを形成する。以下では、それらの特定の瞬間を、有意瞬間(significant instant)と呼ぶ。システムの適当な動作のために、有意瞬間は、少なくとも実質的に非周期的な、好ましくはランダムな間隔で発生しなければならない。それにしたがって、図3の(a)の信号発生器SGの特性または図3の(b)における物体が生成した信号のタイプを、好ましくは有意瞬間が広帯域でノイズ状のランダムなまたはカオス的な信号から導出されるように選択しなければならない。有意瞬間を、すべてのスレーブ装置SDに対し、それらが時間遅延を求めることを実行することができるように通信リンクCLを介して提供する。
2.所定数Nの有意瞬間が検出された時間間隔を決める時点を求める。サイクル終了(end-of-cycle)パルスECと呼ぶそれら時点を、それらの内部データ更新を同期化するために、すべてのスレーブ装置SDに対し通信リンクCLを介して送信する。ECパルスが発生する瞬間を、有意瞬間の「デシメーション(decimation)」の結果として見てもよい。
両実施の形態において、スレーブ装置SDは以下の動作を実行する。
1.マスタ装置MDによって供給される有意瞬間において、入力信号のオーバーラップするセグメントを加算することにより、後により詳細に説明する「クロスレーション加算(crosslation sum)」CS波形を求める。
クロスレーションのこの操作を、相互クロスレーション(mutual crosslation)と呼ぶ。それは、実際に処理されている信号とは異なる信号から抽出された有意瞬間において実行されるためである。
2.加算結果から得られるクロスレーション加算CS波形を、マスタ装置MDによって供給されるサイクル終了ECパルスと一致する時点に波形解析器WAN(図6参照)に転送する。波形解析器WANは、受信したクロスレーション加算CS波形の各々の最大値とこの最大の時の位置とをともに求める。クロスレーション加算CS波形における最大の時の位置は、そのクロスレーション加算CS波形をもたらすマスタ装置MDとスレーブ装置SDとの間の到着の時間差の尺度である。最大値は、時間差測定値の信頼性の指標である。
図4は、マスタ装置MDによって供給される有意瞬間において取込まれた信号のオーバーラップするセグメントを平均化することにより、スレーブ装置SDにおいて相互クロスレーション加算CS波形を形成するプロセスを概略的に示す。
図4の(a)は、センサ出力信号の夫々のセグメントを示し、夫々のセグメントは、マスタセンサ装置において検知されたレベルLの夫々の交差(アップ交差およびダウン交差)の前後の所定期間に亙って取出されたサンプルを含む。そして、それらのセグメントを合成する。その後、好ましくは、得られた波形を、振幅を加算した波形セグメントの数で除算することにより正規化する。(これは、当然ながら、波形セグメントを平均化することと等価であり、本明細書において加算に言及することは、平均化を包含することを意図する。)正規化したクロスレーション加算の例を、図4の(b)に示す。これは、夫々マスタ装置およびスレーブ装置が処理した信号間の遅延を表す、特定の時点(水平軸上)における振幅ピークを示す。(信号のタイプによっては、ピークは時間遅延に正確に一致しない可能性があるが、誤差はごく僅かである可能性が高い。)本明細書では、「ピーク」という用語を、局所最大値を有する波形と局所最小値を有する波形(すなわち「谷(trough)」)との両方を言う。たとえば、レベルLに対し負の値を選択することにより、正規化されたクロスレーション加算は、負の局所最小値に対応する極値を有するピークとなる。
このように、スレーブ装置SDによって求められたクロスレーション加算CS波形の最大値は、マスタ装置MDによって取込まれた信号の時間シフトした複製である、取込まれた信号のこの部分のレベルの尺度である。この特性は、マスタ装置MDが求めた有意瞬間における信号セグメントのスレーブ装置SDによる加算結果に従う。有意瞬間が抽出された一次信号への単純な時間シフトに関連しない他のいかなる信号またはノイズも、有意瞬間によって形成されたものとは実質的に異なるレベル交差のパターンを有する。
したがって、そのスレーブ装置SDによって求められたクロスレーション加算CS波形の最大が比較的小さいかまたはわずかとなる場合、スレーブ装置SDは、マスタ装置MDからの信号によって表される信号ではない、物体によって放出された信号も取り込んでいる可能性がある。
図5は、図3の(a)および図3の(b)のマスタ装置MDのより詳細なブロック図である。
マスタ信号プロセッサMSPは、適当なクロック発生器CGと、レベル交差検出器LCDと、交差レートモニタCRMと、パルスカウンタPCTと、を備えたアナログまたはデジタルのシリアルインパラレルアウトシフトレジスタSIPOを備え、通信インタフェースプロセッサCIPに結合される。
レベル交差検出器LCDは、シフトレジスタSIPOの入力に結合される入力IPにおける信号による、レベルLのアップ交差とダウン交差とをともに検出する。
シフトレジスタSIPOは、M個の記憶セルC1、C2、・・・、CMを備える。各セルは、入力端子と、出力端子と、クロック端子CPと、を有する。最初のセルC1と最後のセルCMとを除く各セルが、入力端子が先のセルの出力端子に接続され出力端子が続くセルの入力端子に接続されるように、それらのセルを直列に接続する。セルC1の入力端子を、シフトレジスタSIPOの直列入力として使用する。M個すべてのセルの出力端子を、シフトレジスタSIPOの並列出力端子としてみなす。セルのすべてのクロック端子CPを互いに接続することにより、シフトレジスタのクロック端子を形成する。
クロック発生器CGによって、適当なクロックパルスのシーケンスが供給される。クロックパルスがシフトレジスタのクロック端子に与えられると、各セルに格納される信号サンプルが、続くセルに転送されそこに格納される。シフトレジスタSIPOを、デジタルデバイスとしても離散時間型アナログデバイスとしても実施することができ、たとえば「バケツリレー型」電荷結合素子CCDの形態で実施することができる。
レベル交差検出器LCDにより所定レベルLの交差が検出されると、レベル交差検出器LCDの出力において短いトリガパルスTPが生成される。
トリガパルスTPは、スレーブ装置SDが必要とする有意瞬間を決める。トリガパルスTPを、通信インタフェースプロセッサCIPの入力TPに与え、その後通信リンクCLの無線送受信機TRXを介してスレーブ装置SDにブロードキャストすることにより、相互クロスレーションのプロセスを同期化する。
トリガパルスTPはまた、パルスカウンタPCTの現状態を1だけインクリメントする。カウンタPCTの性能は、レベル交差の所定数Nに等しい。
適当な閾値を、隣接する記憶セルCYおよびCZの出力に接続された2つの入力を有するレベル交差検出器LCDの入力LVに供給することにより、所望の交差レベルLを設定する。シフトレジスタSIPO出力の数Mが奇数である場合、2つの選択された出力のうちの好ましい方がシフトレジスタSIPOの中間出力、すなわち出力M+1/2である。しかしながら、シフトレジスタSIPO出力の数が偶数である場合、2つの選択された出力は、好ましくは出力M/2と出力M/2+1とである。レベルLの交差の検出を、以下の決定ルールを適用することによって達成することができる。すなわち、
CYの出力<LおよびCZの出力>LであるかまたはCYの出力>LおよびCZの出力<Lである場合、セルCYとセルCZとの間に位置する「仮想」セルVCにおいてレベルアップ交差が発生しており、そうでない場合、いかなるレベル交差も発生していない。
統計的に考えると、クロック発生器の周期が、処理されている信号の時間変動に比較して短い場合、仮想セルVCの「時間」位置は、クロック周期に亙って一様に分布する、ということになる。したがって、仮想セルVCがセルCYとセルCZとの間の中間に「位置する」と想定される。
レベル交差検出器LCDが所定数Nのレベル交差を検出しパルスカウンタPCTがそれを記録すると、PCTの出力においてサイクル終了ECパルスが生ずる。ECパルスは、リセット入力RTを介してPCTをリセットする。サイクル終了パルスECは、スレーブ装置SDによって必要とされる。ECパルスを、通信インタフェースプロセッサCIPの入力ECに与え、その後、スレーブ装置SDにそれらの内部データ更新を同期化するために通信リンクCLの無線送受信機TRXを介してブロードキャストする。
交差レートモニタCRMは、レベル交差検出器から有意瞬間を受取り、有意瞬間が発生する割合を表す出力を提供する。好ましくは、交差レートモニタCRMは、適当に選択された「時間窓」を備えた移動平均カウンタである。交差レートモニタCRMの出力を、2つのスイッチング装置SWに送る。交差レートが所定レベルを下回る場合(図5のマスタ装置が、物体が生成した信号ではなくノイズのみを検出している可能性が高いことを示す)、それらは各々トリガパルスTPとサイクル終了パルスECとが、先に送信されるために通信インタレフェースプロセッサCIPに転送されないように構成される。(図3の(a)のものでは、図5の交差レートモニタCRMを省略してもよく、その場合、信号発生器SGが、明確な有意瞬間を保証することができる。)
図6は、図3の(a)および図3の(b)のスレーブ装置SDのより詳細なブロック図である。
スレーブ信号プロセッサSSPは、適当なクロック発生器CGと、2つのパルス遅延回路D1およびD2と、複数のサンプル/ホールド回路SHCと、複数の累算器ACCと、記憶レジスタSRGと、を備えたアナログまたはデジタルのシリアルインパラレルアウトシフトレジスタSIPOを備える。記憶レジスタSRGはまた、適当な波形補間器を組込んでもよい。スレーブ信号プロセッサSSPを、クロスレーション加算解析器CSAを組込んだ波形解析器WANと、通信インタフェースプロセッサCIPと、に結合する。
シフトレジスタSIPOを、図5のマスタ信号プロセッサMSPの場合と同様にその入力信号を処理するように構成する。シフトレジスタSIPOのパラレル出力を、M個の夫々のサンプル/ホールド回路SHCに接続する。
通信インタフェースプロセッサCIPのTPR出力を介してマスタ装置MDから受取られる各有意瞬間が、共通のTPS入力を介して、すべてのサンプル/ホールド回路SHCの同時演算を開始させる。各サンプル/ホールド回路SHCは、その入力に現れる信号の瞬間値を取り込み、この値を夫々の累算器ACCに供給する。
遅延が好ましくはサンプル/ホールド回路SHCのセトリングタイムに等しい遅延回路D1から、遅延したトリガパルスDTを取得する。遅延したパルスDTが、共通の入力DTを介して、夫々のサンプル/ホールド回路SHCによって駆動されるすべての累算器ACCの同時演算を開始させる。各累算器ACCの機能は、相互クロスレータ(crosslator)システムの1つの完全な動作サイクル中にその入力に連続的に現れるすべてのサンプルの加算または平均化を実行することである。
通信インタフェースプロセッサCIPの出力ECRにおけるマスタ装置MDから受取った各サイクル終了パルスが、入力ECSを介して、累算器の内容の記憶レジスタSRGへの転送を開始させる。パルス遅延回路D2によって適当に遅延された各ECRパルスにより、すべての累算器ACCが、共通のリセット入力RSを介してそれらの初期ゼロ状態に設定される。ECRパルスの発生の直後では、記憶レジスタSRGの出力CSFにおいて、求められた相互クロスレーション加算波形の離散時間のものが得られる。
SRGにおいて波形補間を使用しない場合、求められた相互クロスレーション加算波形をM個の値によって表す。しかしながら、レジスタSRGにおいていくつかの追加の信号処理を実行することにより、累算器ACCによって提供されるMより多くの一次値を含む相互クロスレーション加算波形の補間された平滑化表現を生成してもよい。
相互クロスレーション加算波形を、波形解析器WANのクロスレーション加算解析器CSAに転送する。
クロスレーション加算解析器は、クロスレーション加算波形における最大の位置を表す出力MPと、クロスレーション加算波形の最大値である出力SMと、を供給する。これらを、波形解析器WANの決定装置DDに送信する。
決定装置DDは、クロスレーション加算波形における最大の位置を表す信号MPによって決まる、計算された遅延を表す出力信号DYを供給する。しかしながら、クロスレーション波形におけるピークの振幅を表す入力信号SMが所定値を下回る(遅延測定値の信頼性が低いことを示す)場合、この出力の供給が禁止される。
決定装置DDの出力DYを、破線で示すように、前方へ(onward)送信するために通信インタフェースプロセッサCIPに送信してもよい。望ましい場合、値SMを、恐らくは距離DYの計算を禁止するか否かを決定するために使用する代りに、送信することも可能である(破線で示すように)。これは、複数のスレーブ装置SDを組込んだ構成で特に有用である可能性があり、この場合、値SMを重み付け関数として使用することにより、複数の遅延値DYを用いる計算に対して夫々の遅延値DYに影響を与えることが可能である。
特に図3の(b)の実施の形態では、ノイズと物体依存信号とを識別することが重要である。実施例1は、ノイズのみと信号にノイズが加わった場合とに予測される交差レートとの差をより詳細に論考する。
実施例1.
σが、0Hz〜2kHzにまで及ぶ矩形周波数スペクトルを有する背景ノイズのrms値であると想定する。背景ノイズがガウス分布を有する場合、予測される交差レートは、交差レベルL=0、すなわちゼロ交差レートの場合、その最大が2310交差/秒に達する。レベルLがL=σ、L=2σおよびL=3σまで徐々に上昇する場合、予測される交差レートは1340,312および25交差/秒まで低下する。L=4σである場合、平均すると、1交差/秒未満となる。
ここで、交差レベルLがL=4σで設定されており、図5の交差レートモニタCRMが、誤った出力の確率が非常に小さい値になるように、1340未満の交差レートに対して有意瞬間の送信を禁止するように設定されている、と仮定する。また、例示の目的で、物体が生成した信号が、背景ノイズと同じ矩形スペクトルを有するものと想定する。この場合、信号のrms値σがおよそノイズのものの少なくとも4倍である場合にのみ、出力が供給される。
また、高い交差レベルを使用することは、図3の(a)および図3の(b)の両実施の形態において別の理由でも重要である。高い交差レベルは、クロスレーション加算におけるピークが、スレーブ装置が受信した信号の大振幅部分を表す信号セグメントから形成されることを意味する。これらの大振幅部分に対するノイズの相対的な影響は、より小振幅の部分に対する影響より小さくなり、したがって、信号対ノイズ比が改善される。さらに、大振幅部分は、受信信号におけるスパイク等のより急峻な信号勾配に関連する可能性がより高く、得られるクロスレーション加算波形のより狭くより正確なピークをもたらす。(しかしながら、多くの信号では、交差レベルが高いほど単位間隔当りの交差の平均数が減り、したがって高過ぎる交差レベルを回避するという妥協を採用しなければならない。)
上記実施の形態では、マスタ装置は、スレーブ装置(複数可)に比較して相対的にクリーンでノイズのない信号に対して作用するものと想定する。これは、図3の(a)の実施の形態の場合明らかに当てはまり、また、図3の(b)の実施の形態にも実施の形態の物理的構成によっては当てはまる場合がある。
しかしながら、異なる装置が配置されるあらゆる場所のうちのいずれにおいても最強信号が発生する可能性がある図3の(b)の実施の形態のアプリケーションがあってもよい。マスタ装置が最も強い信号を受信することが望ましく、それは、これによってイベントデータにより明確なイベントがもたらされ、イベントの定義の精度が向上するためである。したがって、これらの環境では、各場所が、種々の場所で受信された信号の相対強度により、マスタ装置(図5に示すような)かまたはスレーブ装置(図6に示すような)のいずれかとして選択的に動作することができることが好ましい。したがって、各場所は、図5に示す構造とともに図6に示す構造も有し(恐らくは共通コンポーネントを共用する)、各々を、夫々のマスタ/スレーブ機能のうちの一方を実行するように選択的に制御することができる。
これを達成するために、各スレーブ装置に、スレーブ装置に現れる信号のレベル交差のレートを表す信号を通信インタフェースプロセッサCIPの入力端子CRIに供給するように構成された、レベル交差検出器LCDと交差レートモニタCRMと(図6に破線で示す)を備えてもよい。図5のモニタCRMの出力を、破線で示すように、通信インタフェースプロセッサCIPの入力端子CRIにも送信する。図3の(b)のデータ収集センタDCC等のいかなる適当な場所に配置してもよい制御装置が、異なる交差レートを表す信号をすべて受取り、それに応じて、最高交差レートを有する場所に対しマスタ装置(図5を参照して説明したように)として動作し、残りに対しスレーブ装置(図6を参照して説明したように)として動作するように周期的に命令する。
マスタ装置かまたはスレーブ装置のいずれかとして選択的に動作することができる装置のネットワークを組み込んだこのタイプの構成は、本出願と同時に出願された本出願人による同時係属欧州特許出願第03252120.5号明細書に記載されている。
図5および図6の構成では、レジスタSIPOを、各々がIPに現れる信号の時間遅延した複製を供給するM個のタップを有するアナログ遅延線に置換えることができる。いかなる時点にも、アナログ遅延線のM個のタップで観察される信号サンプルは、アナログ遅延線に沿って伝播する信号の有限セグメントの離散時間表現を共同で形成する。好ましくは、アナログ遅延線の連続したタップ間の相対遅延は、一定値を有する。この構成は、レベル交差検出器が中心タップに接続された単一入力のみを必要とすることを意味する。
時間遅延測定アプリケーションでは、相互クロスレーションは、以下の2つの主な理由で従来のクロス相関に対して優れている。
1.計算負荷:相互クロスレーションは、乗算を必要とせず、機能全体を並列に求めるため、可変遅延線が不要である。
2.通信リンク要件:空間的に分離したセンサにおいて受信されるクロス相関信号により時間遅延測定値が取得される場合、それらの信号のうちの1つの高忠実度コピーをクロス相関器に送出しなければならないが、相互クロスレータは、その補正操作に対し明確な有意瞬間のシーケンス(すなわち、イベントストリーム)のみを必要とする。データ送信の目的で、有意瞬間を、その有意瞬間においてその2つの極値間で非同期に交替するバイポーラバイナリ波形によって都合よく表すことができる。
これら2つの場合における送信されたデータフォーマット間の相違を、実施例2によって例示する。
実施例2.
処理されている信号が、0Hz〜2kHzにまでおよぶ矩形周波数スペクトルを有するものと想定する。
信号が4kHzにおいてのみサンプリングされ、各サンプルが10ビット値によって表される場合、1秒間の信号セグメントは、40,000ビットのセットによって表される。このデータセットを、時間遅延を求めるために適当な通信リンクを介してクロス相関器に送出しなければならない。
実施例1から分るように、レベルLのあり得る最低値、すなわちL=0の場合であっても、1秒間隔中に送信する必要のある有意瞬間の数は、2310に等しい。それらの有意瞬間を表すバイナリ波形を、バイポーラフェーズまたは周波数変調を適用することにより都合のよい方法で送信することができる。
したがって、相互クロスレーションは、たとえば低コストの無線送受信機によって提供される通信リンクにおいて単純な変調方式を使用することができる。
図3の(a)の実施の形態の変更形態では、マスタ装置MDの送信機TRとスレーブ装置SDの受信機RXとの間にさらなる信号経路FSがある。この追加の信号経路はわずかな信号遅延をもたらし、それらの物理的構成の結果として、送信機TRの出力から受信機RXの入力までの物理経路であってもよく(それらは互いに近接して配置され、すなわち、スレーブ装置がマスタ装置の側にある場合)、あるいは代替的に、有線リンクまたは恐らくは通信リンクCLを使用して、マスタ装置MDとスレーブ装置SDとの入力への電気経路間の接続であってもよい。
信号経路を追加する理由は、較正の目的でゼロ遅延のポイントを正確に決めることにより精度を向上させる、ということである。このため、図7の(a)に示すように、波形解析器WANに供給されるクロスレーション加算信号は、2つのピーク、すなわちゼロ遅延ポイントを表す第1のピークP1の最大の位置と、求められる遅延に対応する第2のピークP2の最大の位置と、を示す。したがって、この遅延DYを、単に2つのピーク間の時間を求めることによって計算することができる。
実際には、この遅延時間は、ピークP1およびP2が異なる時点に現れる夫々のクロスレーション加算波形に発生するように、シフトレジスタSIPOによって与えられる総遅延より大幅に長くなる可能性が高い。望ましい場合、スレーブ装置において、ゼロ遅延信号を処理するために別個のチャネルを提供することができる。
図7の(b)は、個々のチャネルが特許文献1明細書の技法を使用してゼロ遅延ポイントを検出する場合に発生する可能性のある波形を示す。この場合、第1のピークP1をS型曲線S1に置換え、曲線のゼロ交差がゼロ遅延ポイントを表す。この構成は、1つの方向の変化が正の信号レベルで生じ、反対の方向の変化が負の信号レベルで生じる、という意味で、ゼロポイントの追跡が容易になる、という利点を有する。
上記実施の形態では、音響波形を使用して物体検出および位置測定を行う。これは、信号イベントを表すデータの伝送において発生する遅延が、音響周波数を考慮してわずかであるため、特に有利である。しかしながら、本発明は、他のタイプの信号にも適用可能である。
提案したシステムは、そのアーキテクチャおよび動作モードとともに、対象の物体がマスタおよびスレーブ装置のいずれとも、ともに配置されないソースから照明されるものであってもよい。照明源自体は、本システムが使用するアクティブソースであってもよく、あるいは、市販のラジオまたはTV送信機等、地上、空中または宇宙のいずれかの「臨機のソース(source of opportunity)」であってもよい。
上述した実施の形態では、各受信機RXは、単一の一意の経路を介してその信号を受信するように想定している。実際には、信号は、異なる遅延を示す複数の経路を介して到着する可能性がある。通常、最短経路を介して最初に到着する信号のみを考慮することが望ましいが、代りにまたはそれに加えて他の受信信号を考慮することが望ましい状況もあり得る。
本発明の好ましい実施の形態の上述した説明は、例示および説明の目的のために提示した。それは、網羅的であるようにも、発明を開示した厳密な形態に限定するようにも、意図されていない。上述した説明に鑑みて、多くの代替形態、変更形態および変形形態により、当業者が、企図される特定の使用に適したあらゆる実施の形態において本発明を利用することができる、ということが明らかである。
標準のクロス相関器システムのブロック図である。 クロス相関器曲線の例を示す図である。 本発明による物体検出および位置特定システムの各実施の形態を示す図である。 マスタ装置によって供給される有意瞬間において取込まれた信号のオーバーラップするセグメントを平均化することにより、図3の(a)および(b)の実施の形態のスレーブ装置において相互クロスレーション加算波形を形成するプロセスを概略的に示す図である。 図3の(a)および(b)の実施の形態のマスタ装置のより詳細なブロック図である。 図3の(a)および(b)の実施の形態のスレーブ装置のより詳細なブロック図である。 図3の(a)の実施の形態の夫々の変更形態において導出される波形を示す図である。
符号の説明
SG 信号発生器、TR 送信機、RX,RX’ 受信機、MD マスタ装置、SD,SD’ スレーブ装置、DCC データ収集センタ、MSP マスタ信号プロセッサ、CG クロック発生器、LCD レベル交差検出器、CRM 交差レートモニタ、PCT パルスカウンタ、SIPO シリアルインパラレルアウトシフトレジスタ、CIP 通信インタフェースプロセッサ、C1,C2,・・・,CM 記憶セル、SW スイッチング装置、 SSP スレーブ信号プロセッサ、D1,D2 パルス遅延回路、SHC サンプル/ホールド回路、ACC 累算器、SRG 記憶レジスタ、CSA クロスレーション加算解析器、WAN 波形解析器、DD 決定装置。

Claims (11)

  1. 第1の信号と第2の信号との間の遅延を測定する時間測定システムであって、
    前記第1の信号が正の傾きで所定レベルと交差するアップ交差の時点と前記第1の信号が負の傾きで前記所定レベルと交差するダウン交差の時点とを表すイベントデータを供給するイベント検出手段と、
    前記イベントデータを使用して前記アップ交差およびダウン交差に関連する前記第2の信号の夫々の時間のずれたセグメントを決め、該セグメントを加算し、該加算結果において所定の特徴部を検出するように動作可能な遅延を求める手段と、
    を具備し、
    前記特徴部の位置が、前記第1の信号と第2の信号と間の遅延を表すものである時間測定システム。
  2. 前記所定レベルは前記第1の信号の平均値とは大幅に異なる請求項1に記載の時間測定システム。
  3. 前記イベントデータを前記遅延を求める手段に送信するように動作可能な無線通信リンクを具備する請求項1または2に記載の時間測定システム。
  4. 前記特徴部はピークであり、その極値は前記遅延を表す位置を有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の時間測定システム。
  5. 前記極値の振幅に応じて、前記測定された遅延の信頼性を示す信号を供給する手段を具備する請求項4に記載の時間測定システム。
  6. 物体から受取った信号に関連する遅延を測定する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の時間測定システムを含み、物体の範囲または方位の計算を可能にする物体検出システム。
  7. 前記第1の信号を生成する信号発生器と、前記第1の信号から導出される問合せ信号を送信する問合せ信号送信機と、物体から前記問合せ信号の反射を受取りそれに応じて前記第2の信号を生成する受信機と、を具備する請求項6に記載の物体検出システム。
  8. 前記イベント検出手段と前記遅延を求める手段との間の実質的にゼロ遅延の信号経路を決め、それによりゼロ遅延ポイントの検出を可能にする手段を具備し、前記遅延を求める手段は、前記特徴部と前記ゼロ遅延ポイントとの相対位置から前記遅延を計算するように動作可能である請求項7に記載の物体検出システム。
  9. 物体から信号を受信し、それに応じて前記第1および第2の信号を生成する第1および第2の受信機を具備する請求項6に記載の物体検出システム。
  10. 互いに関して遠く離れている場所に現れる第1の信号と第2の信号との間の遅延を測定する時間測定システムであって、前記場所の各々における装置とそれらの間の無線通信リンクとを具備し、少なくとも第1の装置が、所定イベントが前記第1の信号内で発生する時点を表すイベントデータを、前記リンクを介して送信するように動作可能であり、少なくとも第2の装置が、前記イベントデータを受取り、そのイベントデータを使用して前記第2の信号の夫々の時間のずれたセグメントを決め、該セグメントを合成し、該合成結果において所定の特徴部を検出するように動作可能であり、前記特徴部の位置が前記第1の信号と第2の信号との間の遅延を表すものである時間測定システム。
  11. 第1の信号と第2の信号との間のシフトを測定する方法であって、
    前記第1の信号が、該第1の信号の平均値とは大幅に異なる所定閾値レベルを上回るか下回るイベントを求めることと、
    該イベント間の間隔によって時間がずれる前記第2の信号のセグメントを合成することと、
    合成結果におけるピーク値の位置を検出することと、
    を含み、前記位置が前記シフトを表すものであるシフト測定方法。
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