JP2004340784A - スターセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像入力部1で取得した画像データを画像メモリ2に記憶する速度に合わせて座標情報検出部3は恒星の座標値データを求めて、座標値データを情報メモリ4に格納する。姿勢算出部5は情報メモリ4から取得した恒星の座標値データに基づいて、座標値データの近傍のデータのみを画像メモリ2から取り出すことにより、恒星の正確な座標を算出することが可能となる。したがって、情報メモリ4に格納された座標値データに基づいて、限定された領域のみのメモリアクセス回数で済むこととなり、恒星の正確な座標を算出するための処理時間を大幅に短縮することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、衛星に搭載され、恒星等の星の位置を検出することにより衛星の姿勢を計測するスターセンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスターセンサにおいては、2次元撮像素子(CCD)から出力される画像データに対して、何ら処理を施すことなくメモリに格納し、格納後に制御装置からメモリをアクセスして画像情報の処理を行うことにより、衛星の姿勢を算出していた(例えば、特許文献1参照)。また、画像を複数の部分領域に分割し、画像データをメモリに格納する際に部分領域毎に恒星があるかどうかを検出しておき、制御装置が画像処理を行うためのメモリアクセスを恒星の検出された部分領域のみに減らすことにより、ある程度高速に衛星の姿勢を算出していた(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
また、従来のスターセンサでは、太陽が視野あるいは視野外太陽干渉角内に入ってくると恒星が見えなくなって姿勢決定ができないので、姿勢決定さらには姿勢制御を維持するには、太陽センサ、地球センサ、レートセンサ等の姿勢センサも必要であった。あるいは視野内に太陽が入った時のみNDフィルタを挿入して入力光を減衰させ、太陽像を検出することにより姿勢決定を行うシステムが考案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−270177号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】
特開平11−291996号公報(第2頁、第1図)
【特許文献3】
特許第3331890号公報(第4頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術には次のような問題点がある。制御装置が画像データの処理を行う際に、恒星の有無および座標を検出するために、画像データの入ったメモリの全て、あるいは恒星があると判定された部分領域内のメモリの全てをアクセスする必要があり、画像情報の処理に時間がかかっていた。
【0006】
さらに、画素数の多いCCDを使う場合、駆動信号の速度が遅いと、CCD伝送路においてノイズ成分が増える、あるいは制御周期が長くなってしまうという問題があった。逆に駆動信号の速度が速いと、高速矩形波等に伴う信号のノイズ増の問題、及び高速でも信号が劣化しないように特別の注意を払った高価な基板設計が必要になるといった問題があった。
【0007】
さらに、視野内に太陽が入ったときの対策として、スターセンサ以外にも姿勢センサを搭載することにより、コスト増や重量増となっていた。あるいは視野内に太陽が入ったときの対策としてスターセンサにNDフィルタを追加する場合には、NDフィルタを抜き差しするための駆動部分が必要であり、コストや重量、さらには信頼性の面で問題があった。
【0008】
本発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、衛星の姿勢算出を行うための画像処理時間を短縮したスターセンサを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るスターセンサは、衛星に搭載され恒星の画像を取り込む画像入力部と、前記画像入力部で取り込まれた画像データを保存する画像メモリと、前記画像入力部から順次送られてくる画像データからあらかじめ設定されている閾値以上で連続した画像データの中の最大値に対応する座標値データを順次検出する座標情報検出部と、前記座標情報検出部で検出された前記座標値データを順次保存する情報メモリと、恒星の分布の情報をデータベースに有し、前記情報メモリに保存されている座標値データを順次取り出し、前記画像メモリから前記座標値データの近傍の画像データを取得して、取得した画像データの中から最大値を検出することにより恒星の座標を算出し、算出された恒星の座標と前記データベース内の恒星の分布の情報とを照合することにより前記画像入力部が搭載された衛星の姿勢を算出する姿勢算出部とを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るスターセンサの構成を示すブロック図である。画像入力部1は、光学系、2次元撮像素子(CCD等)、A/D変換器などを備えており、恒星を撮像して得られた画像データを1画素ずつ順に画素データとして出力する。出力された画素データは、そのまま画像メモリ2に記録されるとともに、座標情報検出部3に送られる。
【0011】
座標情報検出部3は、画像入力部1から順に送られてくる画素データに基づいて、後述するアルゴリズム等によって短時間で恒星の座標を検出し、検出された座標値データを情報メモリ4に記録する。座標値データは、1個の星像が複数の部分領域にまたがった場合において複数回検出される可能性や、星像の中心座標ではない可能性があるが、正確な恒星の座標検出は後述の処理で行い、ここでは画素データが画像メモリ2に記録される速度に合わせて短時間で恒星座標の参考情報を取り出しておくことに意味がある。
【0012】
姿勢算出部5は、まず情報メモリ4から座標値データを取得し、その座標値データの近傍の画素データを画像メモリ2から取得し、画像処理を行うことによって、画像入力部1によって取り込まれた画像の中から恒星の正確な座標を算出する。画像中の恒星の位置がわかれば、あらかじめ記録しておいた恒星の分布のデータベースと照合することにより、衛星姿勢を算出することができる。
【0013】
次に図2を用いて座標情報検出部3により、あらかじめ設定されている閾値以上で連続している画像データごとに最大値に対応する座標値データを検出する方法について説明する。ここでは画像入力部1の2次元撮像素子としてCCDを用いた場合を説明する。図2は本発明の実施の形態1に係るCCDの1行分の画像データから恒星の座標値データを検出する説明図である。ここで、Y行目のX番目の画素データはd(X、Y)のように表すことができ、例えばd(X、Y)が極大となったときのX、Yが座標値データとなる。図2においては、恒星1の極大値と恒星2の極大値の2箇所が検出されることとなる。
【0014】
図3は、本発明の実施の形態1に係る座標情報検出部3で恒星の座標値データを検出するアルゴリズムのフローチャートである。X方向は始点x0から終点x1,Y方向は始点y0から終点y1まで順次恒星の座標値データの検索を行う(図2参照)。一般的には恒星の無い領域でも画素データは0とならないこととノイズの影響を防ぐために、閾値をあらかじめ設定しておき、閾値を超えた画素データのみ恒星の座標値データ検出の対象とする。閾値を超えた画素データが続く場合はその最大値dmaxとそのときのX座標pX及びY座標pYをテンポラリなレジスタに記録しておく。そして画素データが閾値を下回った時点でレジスタに残っている座標値データを、情報メモリ4にMX、MYとして順次記録していく(図3の処理Aに相当)。この程度のアルゴリズムであれば、比較的小規模の回路で実現でき、処理速度も高速であり、画像データが画像メモリ2に記録される速度に合わせて短時間で座標値データを検出することが可能となる。
【0015】
また、別のアルゴリズムの例として、1行ごとで検出する座標値データの最大検出数Vと、最大行数Wとをあらかじめ設定しておく場合を考える。このような限定を加えると、データ数としてV×W分のエリアを情報メモリ4内の記憶領域としてあらかじめ持てばよいこととなる。さらに、Y座標に関しては情報メモリ4内の決められたアドレスに対応するため、記録する座標値データとしてはX座標のみでよくなり、メモリサイズや回路規模を小さくすることが可能となる。
【0016】
実施の形態1によれば、姿勢算出部5は情報メモリ4から取得した恒星の座標値データに基づいて、座標値データの近傍のデータのみを画像メモリ2から取り出すことにより、恒星の正確な座標を算出することが可能となる。したがって、情報メモリ4の座標値データに基づいて限定された領域のみのメモリアクセス回数で済むこととなり、処理時間を大幅に短縮することが可能となる。さらに、画像データが画像メモリ2に記録される速度に合わせて、座標情報検出部3は短時間で座標値データを検出することが可能であり、高速で正確な恒星の座標が検出でき、その結果、高速で正確な衛星の姿勢算出が可能となる。
【0017】
実施の形態2.
図4は、本発明の実施の形態2に係るスターセンサの構成を示すブロック図である。画像入力部1は、2次元撮像素子(CCD等)11及びA/D変換器12を備えている。さらに、2次元撮像素子11及びA/D変換器12は外部からの可変駆動信号によりクロック信号を可変にできる機能を有している。
【0018】
駆動回路部15aは、クロック信号を可変とした同期制御を行うための可変駆動信号を2次元撮像素子11、A/D変換器12、画像メモリ2、座標情報検出部3、及び情報メモリ4に対してそれぞれ出力する。2次元撮像素子11は、水平転送信号及び垂直転送信号等の画像読出し信号を可変駆動信号として駆動回路部15aから取得し、可変駆動信号に基づいたタイミングで画素データを取り出す。またA/D変換器12は、2次元撮像素子11から送られてくる画素データのタイミングと同期してA/D変換を行うためのタイミング信号を可変駆動信号として駆動回路部15aから取得し、A/D変換を行う。
【0019】
A/D変換器12が取得したタイミング信号は、可変駆動信号としてさらに画像メモリ2、座標情報検出部3、及び情報メモリ4にも送信される。画像メモリ2は、可変駆動信号に基づいてA/D変換器12からの画像データの書き込みを行う。座標情報検出部3は、可変駆動信号に基づいてA/D変換器12からの画像データから座標値データの検出を行う。情報メモリ4は、可変駆動信号に基づいて座標情報検出部3からの座標値データの書き込みを行う。
【0020】
駆動回路部15aが出力する可変駆動信号は一般に高速パルス列となる。2次元撮像素子11の出力したアナログ信号はA/D変換器12へと到達するが、2次元撮像素子11及びA/D変換器12はともに駆動回路部15aの出力する可変駆動信号で動作するため、ノイズ成分が増加しやすい。しかも可変駆動信号の周波数が高いほどノイズ成分が大きくなる。しかし、全体的に周波数を遅くしてしまうと、1画面分の画素データの読出しに時間がかかってしまうことにつながる。一般には2次元撮像素子11に入力する水平転送信号のパルス周期は全画素を通して一定であるが、この駆動回路部15aは水平転送信号を含む駆動信号の周波数を可変駆動信号として部分的に変更できる。
【0021】
2次元撮像素子11として一般的なCCDの受光領域形状はテレビ画面に合わせて横長の長方形をしているが、スターセンサにおいては横長である必要はなく、必ずしも全画素データを必要とはしない。ところが2次元撮像素子11の画素データ読出しにおいては、仮に一部の画素データのみを取り出したくても、CCD等、全画素を読み出す転送信号を必要とするものがある。この場合、駆動回路部15aの駆動信号の周波数変更機能を用いて可変駆動信号を出力することにより、画素データの転送時間を可変とすることができる。すなわち、必要な領域における画素データの転送期間は比較的低速な周波数で動作させることによりノイズ成分の増加を抑え、不要な領域における画素データの転送期間は比較的高速な周波数で動作させることにより転送時間の短縮を図ることができる。周波数が一定でないことにより、電磁放射強度の低減にも貢献する。
【0022】
実施の形態2によれば、駆動回路部15aの可変駆動信号を利用することにより、2次元撮像素子11の特定のエリアの画像データをノイズの影響を軽減しかつ高速に取得することができる。この結果、恒星の検出座標及び衛星の姿勢算出が、高速で正確に行えることとなる。さらに、対ノイズ基板設計要求の緩和、電磁放射強度の低減という効果も得られる。
【0023】
実施の形態3.
図5は、本発明の実施の形態3に係るスターセンサの構成を示すブロック図である。この構成により画像入力部1から取得する画像データの濃淡度のレベルを可変にすることができる。濃淡値のレベルが極端に高い例として、太陽光が2次元撮像素子11の視野内に入ってきた場合の太陽位置の検出方法を説明する。図5において、駆動回路部15bは姿勢算出部5からの指令に基づいて2次元撮像素子11の露光時間と、増幅器13の増幅度を可変に制御できる機能を有している。太陽が2次元撮像素子11の視野内に入ってくると、画像が明るくなりすぎてしまい恒星の位置検出ができなくなる。そこで駆動回路部15bによって2次元撮像素子11の露光時間を短くし、かつ増幅器13の増幅度を小さくすることにより、太陽の位置を検出しようと試みるものである。
【0024】
通常は、実施の形態1で説明したように図1の構成を取ることにより、姿勢算出部5は情報メモリ4から取得した恒星の座標値データに基づいて、座標値データの近傍のデータのみを画像メモリ2から取り出すことにより、恒星の正確な座標を算出することが可能となる。一方、太陽が2次元撮像素子11の視野内に入ってくると、画像が極端に明るくなりすぎてしまい、座標情報検出部3で閾値判定により恒星の座標情報を検出することができなくなる。このような場合においても、太陽光が画像データとして取り込まれる濃淡度のレベルを、太陽光の影響を受けずに恒星の位置検出が行える場合の恒星の濃淡度のレベルと同等のレベルまで下げることができれば、太陽の位置検出は行えることとなる。
【0025】
太陽が2次元撮像素子11の視野内に入ったことは、次のようにして判断することができる。まず座標情報検出部3は、取得した画像データが閾値を超えた高い値ばかりであり座標値データが検出できない場合には、実際の座標値としてはあり得ないあらかじめ決められた特定の数値を座標値データとして情報メモリ4に書き込む。姿勢算出部5は、情報メモリ4から取得した座標値データが特定の数値を示していることにより、画像データが太陽光の影響を受けたものであることを判断できる。
【0026】
また、太陽が2次元撮像素子11の視野内に入ったことを判断する別の方法としては、姿勢算出部5が情報メモリ4に該当する座標値データがなかったことにより判断することも可能である。また、姿勢算出部5が画像メモリ2の部分的なエリアごとの画素濃淡度の平均値を求め、その値が飽和値に近いことにより、判断することも可能である。これらの方法をとれば、座標情報検出部3は特定の数値の座標値データを情報メモリ4内に書き込む作業が不要となる。
【0027】
姿勢算出部5は、太陽が2次元撮像素子11の視野内に入ったことを判断すると、画像メモリ2から画像データをサンプリングして画素濃淡度の平均値を求める。画像データをサンプリングする場所はあらかじめ画像データとして取り込まれるエリア内の部分的なエリアの集合として特定しておくことができ、例えば4隅と中央部の5箇所を部分的なエリアとして特定できる。姿勢算出部5は部分的なエリアごとの画像データの濃淡度の平均値を求める。
【0028】
明るい画像が取り込まれた場合には露光時間を短くし、増幅度を小さくすることにより、画像データの濃淡度を下げることができる。そこで実際の画像入力部1を用いて、種々の光量入力に対するそのときの部分的なエリアにおける画像データの濃淡度の平均値と、求まった濃淡値の平均値に対する最適な露光時間と増幅度を事前にデータ収集しておく。そしてこのデータ収集結果に基づいて画素濃淡度の平均値に対応した露光時間データ及び増幅度データをあらかじめ姿勢算出部5のデータベース内に格納しておく。
【0029】
姿勢算出部5は部分的なエリアごとに求められた濃淡度の平均値から最大の値を抽出し、さらに抽出された値に対応した露光時間データ及び増幅度データをデータベース内から抽出する。次に姿勢算出部5は、抽出された露光時間データ及び増幅度データを駆動回路部15bに対して駆動制御信号変更指令として出力する。
【0030】
駆動回路部15bは、姿勢算出部5から取得した駆動制御信号変更指令に基づいて、2次元撮像素子11に対して露光時間データを送信し、増幅器13に対して増幅度データを送信する。2次元撮像素子11は駆動回路部15bから取得した露光時間データに基づいて画像を取り込み、増幅器13は駆動回路部15bから取得した増幅度データに基づいて取り込まれた画像の増幅を行う。これにより画像入力部1は、露光時間を短くし増幅度を下げた状態で再度画像を取り込むことができる。太陽光の影響を取り除くためには露光時間及び増幅度は桁違いに変更する必要があり、駆動回路部15bはこのような広範囲に渡って露光時間及び増幅度を制御できる機能を有している。
【0031】
このようにして、露光時間及び増幅度を変更することにより、太陽光が2次元撮像素子11の視野内にある場合にも、太陽光の影響を受けないときの恒星の濃淡度のレベルと同等のレベルにまで太陽光の濃淡度のレベルを押さえ込むことができ、恒星の位置検出と同等の方法で太陽の位置を検出することができる。
【0032】
画像データの濃淡度の平均値に対応した露光時間データ及び増幅度データは、姿勢算出部5内のデータベースに有する場合を説明したが、駆動回路部15b内でデータベースを持つことも可能である。すなわち、姿勢算出部5からは濃淡値の平均値またはそれに対応するコード情報を駆動制御信号変更指令として駆動回路部15bに送り、駆動回路部15bは駆動制御信号変更指令と関連づけた露光時間データ及び増幅度データをデータベース内に有し、取得した駆動制御信号変更指令に対応する露光時間データ及び増幅度データを取り出すことができる。
【0033】
実施の形態3で示した方法により濃淡度の平均値に基づいて露光時間と増幅度を変更して画像データを再度取得するが、この操作を何回か繰り返すことにより、より画像処理に適した濃淡度のレベルをもつ画像データが取得できる。例えば濃淡値の平均値が最大値に近く、2次元撮像素子11の受光光量が飽和状態である場合には、露光時間と増幅度の変更を何回か繰り返すことにより所望の濃淡度のレベルを持つ画像データが取得できることとなる。また、実施の形態3では太陽光の影響を緩和するために露光時間と増幅度の変更を行った場合について説明したが、明るい恒星の位置検出及び暗い恒星の位置検出においても、濃淡度のレベルを調整することにより、正確な位置検出が可能となる。
【0034】
実施の形態3によれば、太陽光が2次元撮像素子11の視野内に入った場合にも、姿勢算出部5が画像データからこの状態を判断する。そして、駆動回路部15bを経由して2次元撮像素子11の露光時間及び増幅器13の増幅度を変えることにより、濃淡度のレベルを下げた太陽光の画像データを取得することが可能となる。取得した画像からは、太陽光の影響を受けない状態で恒星の位置を検出する方法と同様の方法で太陽位置を検出することができる。これにより、太陽センサ、地球センサ、レートセンサ等の姿勢センサを使用せずに太陽位置の検出が可能となる。さらにNDフィルタの挿入機構も不要となる。さらに、明るい恒星の位置検出及び暗い恒星の位置検出においても、濃淡度のレベルを調整することにより、正確な位置検出が可能となる。
【0035】
実施の形態4.
実施の形態3では、太陽が2次元撮像素子11の視野内にある場合に太陽位置を検出する方法を説明した。実施の形態4では、太陽が2次元撮像素子11の視野内には存在しないが、2次元撮像素子11が取り込む画像には影響を及ぼす視野外太陽干渉角内に存在する場合に太陽位置を検出する方法について説明する。
【0036】
図6は、本発明の実施の形態4に係る太陽位置の検出方法の説明図である。スターセンサの構成は実施の形態3で説明した図5と同一である。図6において、2次元撮像素子11が指向方向21を向いているときの2次元撮像素子11の撮像範囲が視野22で示されている。さらに、太陽の位置が太陽方向20で表されている。図6において太陽方向20は視野22の外側にあるが、2次元撮像素子11が取り込む画像には影響を及ぼす位置にあり、このエリアが視野外太陽干渉角内23として斜線で表されている。
【0037】
太陽方向20が視野外太陽干渉角内23にあるときに2次元撮像素子11で取り込まれる画像は、太陽方向20が視野22内にあるときほどではないが、太陽の反射光(迷光)の影響により明るくなり、恒星の位置検出が行えない状態となる。取り込まれた明るい画像に対しては、実施の形態3で説明した方法により、露光時間と増幅度の調整が行われる。
【0038】
露光時間と増幅度の調整を終えた画像データは、視野外太陽干渉角内23における太陽方向20に応じて、濃淡度の2次元パターンを示すこととなる。ここで、2次元パターンとは同じ濃淡度のレベルを結ぶことにより得ることができる濃淡度の分布を示すパターンであり、その一例が図6の2次元パターン24として示されている。太陽方向20が視野22内にないために単純に濃淡値の最大値から太陽の位置を決定することはできないが、2次元パターン24が示す濃淡度の分布の状態から視野外太陽干渉角内23における太陽の位置を検出することは可能である。
【0039】
視野外太陽干渉角内23の太陽方向20と2次元パターン24との関係は、画像入力部1における光学系の設計によって決まり、事前のデータ収集によって太陽方向20と2次元パターン24との関係を太陽位置情報としてデータベース化し、姿勢算出部5に格納しておくことができる。例えば視野外太陽干渉角内23のあらかじめ決められた位置に太陽があるときの露光時間と増幅度を調整した画像データを取得し、取得したデータを太陽位置情報の1つとしてデータベース内に格納しておくことができる。
【0040】
姿勢算出部5は、駆動制御信号変更指令として駆動回路部15bに指令している露光時間データ及び増幅度データから、太陽が存在する領域を知ることができる。太陽方向20が指向方向21に近いほど画像データとしては明るく取り込まれることとなり、それに応じて露光時間データは短く、増幅度データは小さく設定することにより、位置検出を行うのに適した濃淡度をもつ画像データが得られる。そこで、露光時間データ及び増幅度データとして設定されている値の大きさをあらかじめ区分しておくことにより、太陽方向20が視野22、視野外太陽干渉角内23、視野外太陽干渉角内23の外側のいずれであるか判断できることとなる。
【0041】
設定されている露光時間データ及び増幅度データから、太陽方向20が視野外太陽干渉角内23に存在すると判断された場合には、実際に取り込まれた画像データとデータベース内に太陽位置情報として格納されている画像データとの照合により類似度を求め、一番高い類似度を示した画像データから視野外太陽干渉角内23の太陽の位置を検出できる。このように類似度により太陽位置を検出する場合においても、2次元パターン24の一番濃淡度のレベルが高い部分は、実施の形態1で示した方法により短時間で算出でき、求まった位置の近傍の画像データに対して類似度の比較を行うことにより、結果として太陽の位置の検出にかかる時間も短縮できる。
【0042】
複数の恒星の位置から衛星の3軸姿勢は決定でき、実施の形態3または実施の形態4により太陽方向がわかっただけでは衛星の3軸姿勢は決定しない。しかし、太陽光の影響を受ける前のそれまでの姿勢情報をもとにある程度の姿勢予測計算が可能である。また、太陽が視野外太陽干渉角内23の外側に出ると、姿勢算出部5は求まっている太陽方向を用いることにより少なくとも2軸分の姿勢情報を既知として恒星の同定処理を開始できる。したがって、姿勢情報が何も無い状態から恒星の同定処理を開始するよりも、少ない処理にて恒星の同定が可能となる。
【0043】
実施の形態4によれば、太陽方向20が視野外太陽干渉角内23に存在する場合にも、あらかじめ姿勢算出部5に太陽位置情報として格納されたそれぞれの太陽方向における画像データと実際に取得した画像データとを照合することにより、太陽方向を検出することができる。さらに、太陽方向がわかることにより、太陽が太陽干渉視野外に出てからの姿勢決定が短時間でなされるという効果が得られる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像入力部で取得した画像データを画像メモリに記憶する速度に合わせて恒星の座標値データを求めておき、座標値データの近傍のデータのみを画像メモリから取り出すことにより、恒星の正確な座標を短時間で算出でき、衛星の姿勢算出を行うための画像処理時間を短縮したスターセンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスターセンサの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るCCDの1行分の画像データから恒星の座標値データを検出する説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る座標情報検出部で恒星の座標値データを検出するアルゴリズムのフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態2に係るスターセンサの構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るスターセンサの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態4に係る太陽位置の検出方法の説明図である。
【符号の説明】
1 画像入力部、2 画像メモリ、3 座標情報検出部、4 情報メモリ、5姿勢算出部、11 2次元撮像素子、12 A/D変換器、13 増幅器、15a、15b 駆動回路部、20 太陽方向、21 指向方向、22 視野、23 視野外太陽干渉角内、24 2次元パターン。
Claims (4)
- 衛星に搭載され恒星の画像を取り込む画像入力部と、
前記画像入力部で取り込まれた画像データを保存する画像メモリと、
前記画像入力部から順次送られてくる画像データからあらかじめ設定されている閾値以上で連続した画像データの中の最大値に対応する座標値データを順次検出する座標情報検出部と、
前記座標情報検出部で検出された前記座標値データを順次保存する情報メモリと、
恒星の分布の情報をデータベースに有し、前記情報メモリに保存されている座標値データを順次取り出し、前記画像メモリから前記座標値データの近傍の画像データを取得して、取得した画像データの中から最大値を検出することにより恒星の座標を算出し、算出された恒星の座標と前記データベース内の恒星の分布の情報とを照合することにより前記画像入力部が搭載された衛星の姿勢を算出する姿勢算出部と
を備えたことを特徴とするスターセンサ。 - 請求項1に記載のスターセンサにおいて、
前記画像入力部、前記画像メモリ、前記座標情報検出部、及び前記情報メモリのそれぞれに対して、転送クロック信号を可変とした同期制御を行うための可変駆動信号を出力する駆動回路部をさらに備え、
前記画像入力部は、前記駆動回路部からの可変駆動信号に基づいて恒星の画像を取り込み、
前記画像メモリは、前記駆動回路部からの可変駆動信号に基づいて前記画像入力部で取り込んだ画像データを保存し、
前記座標情報検出部は、前記駆動回路部からの可変駆動信号に基づいて前記座標値データを検出し、
前記情報メモリは、前記駆動回路部からの可変駆動信号に基づいて前記座標情報検出部で検出された前記座標値データを順次保存する
ことを特徴とするスターセンサ。 - 請求項1に記載のスターセンサにおいて、
前記姿勢算出部からの指令に基づいて前記画像入力部に対して駆動制御信号を出力する駆動回路部をさらに備え、
前記姿勢算出部は、濃淡度の平均値に対応した露光時間データと増幅度データの情報をデータベースに有し、前記画像メモリから取得した画像データに基づいて濃淡度の平均値を求め、前記濃淡度の平均値に対応する露光時間データと増幅度データの情報をデータベースから取り出し、前記駆動回路部に対して前記露光時間データと前記増幅度データの情報を含む駆動制御信号変更指令を出力し、
前記画像入力部は、前記駆動回路部からの駆動制御信号として露光時間データと増幅度データとを取得し、前記露光時間データに基づいて画像データを取り込み、前記増幅度データに基づいて取り込まれた画像データを増幅することにより濃淡度を変更した画像データを取得する
ことを特徴とするスターセンサ。 - 請求項3に記載のスターセンサにおいて、
前記姿勢算出部は、あらかじめ太陽光の迷光による画像データと太陽の位置とを関連づけた太陽位置情報をデータベース内に有し、前記駆動制御信号変更指令に含まれる前記露光時間データと前記増幅度データの値から、太陽の位置が視野外であるが太陽光の影響を受ける太陽干渉角内であることを判断した場合には、前記画像メモリから取得した太陽光の迷光による画像データと、前記データベース内の前記太陽位置情報とを照合することにより、太陽方向を検出することを特徴とするスターセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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