JP2004340544A - 窓換気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】浴室などに設けられた既設の内倒し窓の窓ガラスや窓枠を交換することなく、簡単な追加工で換気扇を容易に後付けしての換気が可能な窓換気装置を提供する。
【解決手段】側面に吸気口2a、前面側に排気口2bを設けたケース2内に吸気口2aからケース2内に吸い込んだ空気を排気口2bからケース2外に排出するファン3及びモータ4を内蔵する換気扇1を、壁9に設けられた既設の内倒し窓7の屋外側に取付けて、内倒し窓7を開けた状態において、屋内側の空気を換気扇1のケース2内に吸い込んで排気口2bから屋外に排出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室などの外壁に設けられる内倒し窓の窓換気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
窓に取り付ける換気扇として、(1)窓の固定側窓枠と可動側窓枠との間にクロスフローファン型の換気扇を取付ける構造(特許文献1参照)、(2)建物の屋外に面した開口部に取付けられる窓サッシの上枠に室内側に開口した給気口を、換気扇を内蔵する下枠に屋外側に開口した排気口を設け、側枠の空間を上枠及び下枠の空間に連通させて、室内の空気を上枠の給気口から吸い込んで下枠の排気口から屋外に排出して換気する構造(特許文献2参照)、(3)裏面にファンユニット、表面にダクトカバーを配設したプレートを貫通してファンユニットとダクトカバーとを連接させた排気ダクトからなる換気装置のプレートを、窓枠に取付ける構造(特許文献3参照)等が知られている。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3050801号公報(第1頁、図2)
【特許文献2】
特開平11−324524公報(第1頁−3頁、図1)
【特許文献3】
特開2002−285765公報(第2−3頁、図1)
【0004】
従来の技術で述べたもののうち(1)の窓の固定側窓枠と可動側窓枠との間にクロスフローファン型の換気扇を設ける構造は、窓枠と窓との隙間に排気ダクトを設置するため、既設の窓に適用する場合には窓を完全に締め切ることができないため施錠が難しく、施錠できるようにするには後付けの特別な鍵を取付ける必要があり、また、(2)の窓サッシの上枠に給気口、下枠に排気口を設け、これら上枠及び下枠の空間と側枠の空間とを連通させる構造の場合、窓枠自体を給気口、排気口及び連通管とするため、既設の窓への適用が困難で、また、窓枠部分の面積が大きくなり窓ガラス部分の面積が小さくなって開放感が得にくい問題があり、さらに、(3)は窓枠にプレートを取付けるため、既設の窓の窓ガラスが大きく塞がれて採光性が低下するとともに、室内側に換気ファンが露出して圧迫感がある。
【0005】
ところで、特に集合住宅などの浴室用の窓には、窓の下部を回転軸として上部を内側に倒す内開き形式の内倒し窓が従来より好適に用いられており、この内倒し窓を設けた集合住宅などの壁はコンクリートで構成されているものが多く、コンクリート壁の内部には鉄筋等の補強材があり、その構造上から、換気扇を取付けるための壁の開口工事ができないことが多く、特に古い集合住宅では浴室に換気扇がない場合が多いのが実態である。
このような既設の内倒し窓に従来技術で述べた窓に取付る形式の換気扇や換気装置を適用するには大掛かりな工事を必要とするためその設置が難しく、換気扇がない浴室のような多湿の環境化においては、既設の内倒し窓を開けるだけでは湿気が無くならず、黴が発生して、それによる臭気の発生という問題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、既設の内倒し窓の窓ガラスや窓枠を交換することなく、簡単な追加工で換気扇を容易に後付けして換気することが可能な窓換気装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のものに関する。
(1)側面に吸気口及び前面側に排気口を設けたケース内に、吸気口からケース内に吸い込んだ空気を排気口からケース外に排出するファン及びモータを内蔵する換気扇の背面側を、壁に設けられた内倒し窓の屋外側に取付け、内倒し窓を開けた状態において、屋内側の空気を換気扇のケース内に吸い込み排気口から屋外に排出する窓換気装置。
(2)吸気口に、内倒し窓を開けた状態において吸気口を屋内側に向けて開口し、内倒し窓を閉めた状態において吸気口を閉塞する開閉部材を設けてなる上記(1)記載の窓換気装置。
(3)換気扇を、ケースに設けた支持具を内倒し窓の上端に掛止して取付ける上記(1)又は(2)記載の窓換気装置。
(4)浴室の壁に設けられた内倒し窓である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の窓換気装置。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の窓換気装置における換気扇は内倒し窓の屋外側に取付けて、内倒し窓を開けた状態において屋内側の空気を換気扇のケース内に吸い込み排気口から屋外に排出するため、窓の上部を屋内側に倒しての窓を開けた状態で吸気口を設けた換気扇ケースの側面がより多く屋内側に位置して吸気口から屋内側の空気を吸い込めるように、換気扇は、内倒し窓の屋外側の上端付近に取付けられる。
また、窓換気装置における換気扇のケースは屋外側に設置されるため、金属や樹脂により形成され、ケース内部のモータを雨風から保護するため防滴、防塵構造とし、その材質として、好適には重量を軽くするために樹脂製が用いられる。
【0009】
換気扇の内倒し窓への設置は、コの字型の支持具を換気扇ケースに取り付け、この支持具を内倒し窓の窓枠上端に引っ掛けて掛止する。支持具の内倒し窓の窓枠への固定は、接着テープなどの粘着性を有したもので固定する。また、支持具は、窓を閉めた場合に窓枠の可動側と窓枠の固定側との隙間に入り込むため板厚を薄くする必要があり、また、換気扇を支えるための強度を必要とするため、好適には金属製が用いられる。
【0010】
ケースの側面に設ける吸気口の形状は、その設置高さから人が触る可能性があるため、ケース内の回転しているファンに指が触れないようにメッシュ構造やルーバー構造が好適に用いられ、その構造としては径6mmの棒が入らないようにするのが一般的である。
なお、内倒し窓を設けた屋内側の空気を効果的にケース内に吸い込めるように、吸気口はケースの両側面に設けるようにするのが好ましい。
【0011】
次に、ケースの前面側に設ける排気口は、内倒し窓を開けた状態においてケース内に吸い込んだ屋内側の空気を排気口から屋外に排出するため、一旦排気口から屋外に排出した空気が屋内側に戻ることなく屋外に排出できるように、ケース前面側の下面部分に設けるようにするのが好ましい。
【0012】
換気扇ケース内部に設けられるモータの電源は、家庭で使われるAC100Vや直流(DC)方式のどちらでもよく、浴室などの屋内側にそのコードが露出するため、感電への安全性を考慮すると直流方式が好適に用いられる。また、その電圧レベルは12Vや24Vといった低電圧のものが感電に対する安全性に優れている。モータに接続されるコードは窓枠の可動側と固定側との隙間を通すことが難しいため、内倒し窓の窓ガラスを開口して浴室内に引き込む方法が採られ、その開口面積は径7mm程度であり、開口後のガラス端部で人が怪我をしないようにゴム製のブッシュなどで保護する。また、コードは窓枠の内部に収納するように配線することで、コードの露出が少なくてすみ美観を損ねることなく配線することも可能である。
【0013】
モータへの電源の入り・切りは、脱衣所等の壁に取り付けられるスイッチなどにより手動でON/OFFすることもできる。また、浴室内などに設置される機器(例えば、給湯付き風呂釜など)に接続され、その機器の遠隔制御機に換気扇のON/OFFなどのスイッチを設けて、遠隔制御により制御することも可能である。
【0014】
ファンの形状は、外形寸法を大きくせず、適量な吸入空気量が得られるシロッコ式のファンが好適に用いられ、また、窓のサイズによっては、クロスフロー式のファンも用いることができる。
【0015】
換気扇ケース側面の吸気口に、内倒し窓を開けた状態において吸気口を屋内側に向けて開口し、内倒し窓を閉めた状態において吸気口を閉塞する可動式の開閉部材を設ける場合、開閉部材はケース最上端部を支点として可動する形状とし、バネ構造により窓を開けたときに、そのバネ力により自動で開口し、窓を閉めたときには窓枠で開閉部材をケース内に押え込んで吸気口が自動で閉塞する構造などが採られる。さらに、吸気口の開口時に吸気口が屋内側に向けて開口するようにすれば、さらに屋内の空気を吸い込みやすくなる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明による窓換気装置の実施例を図1乃至図6を参照して説明する。
図1は本発明に係る窓換気装置の一実施例を示す斜視図、図2(a)は図1に示した窓換気装置の側面図、図2(b)は窓換気装置の屋外側からの正面図であり、図において、両側面に吸気口2a、前面側下面部分の両側に排気口2b,2b(図2(b)参照)を設けたケース2内にファン3及びモータ4を内蔵する換気扇1を、ケース2の両端に予め取付けた支持具8により、建屋の壁9に設けられた内倒し窓7(幅寸法300mm、高さ寸法600mm)の屋外側の窓枠(可動側)7a部分に取付けて、図2(a)に示すように窓の上部を屋内側に倒した状態に内倒し窓7を開けることによりケース2側面の吸気口2が屋内側に位置するようにした。換気扇1の電源コード5は、窓ガラス7cの一部を開口して屋内側に引き込んだ。
図2(b)に示すように、換気扇1のケース2の前面側(正面側)の下面部分に排気口2b,2bが2箇所に設けられており、ケース2の内部にはモータ4とファン3が備えられている。なお、実施例では排気口2bを2箇所に設けたが1個所としてもよい。
【0017】
図3は本発明の窓換気装置による内倒し窓を開けた状態での換気(空気の流れ)を示す説明図であり、内倒し7窓を開けて換気扇1のファンを駆動することにより、屋内側の空気が矢印のように換気扇1のケース2に設けた吸気口2aからケース2内に吸気され、排気口2b(図2(b)参照))から屋外に排気されて、屋内側(実施例では浴室)が換気される。
【0018】
図4は、図1で示したケース2側面の吸気口2aに可動式の開閉部材を設けた場合の別の実施例を示す斜視図で、この実施例においても、換気扇1のケース2を支持具8により内倒し窓7の窓枠(可動側)7aに取り付けて、内倒し窓7を開けることによりケース2の吸気口部分が屋内側に導かれて、屋内側に向けて開口するようにした。電源コード5は内倒し窓7の窓ガラスの一部を開口して屋内に引き込んだ。図5(a)は図4に示した実施例による窓換気装置の内倒し窓を開けた状態での室外側からの正面図、図5(b)は図4に示した実施例による窓換気装置の内倒し窓を閉めた状態での屋外側からの正面図で、換気扇1におけるケース2の前面側に排気口2bが2箇所に設けられており、ケース2の内部にはモータ4とファン3が備えられ、図5(a)に示す内倒し窓7を開けた状態においてケース2に設けた吸気口の開閉部材6は開口部が屋内側に向けて開口状態となり、図5(b)に示す内倒し窓7を閉めた状態の時に吸気口に設けた開閉部材6が窓枠(固定側)7bによりケース2内に押し込まれて吸気口を閉塞した状態となる。
図6は図4に示した実施例の窓換気装置による内倒し窓を開けた状態での換気(空気の流れ)を示す側面図で、内倒し窓7を開けた状態において、開閉部材6によってケース2の吸気口2aの開口部分が屋内側に向いているため、屋内から屋外に向かって空気の流れがより理想的となる。
【0019】
【発明の効果】
本発明の窓換気装置は、側面に吸気口及び前面側に排気口を設けたケース内に、吸気口からケース内に吸い込んだ空気を排気口からケース外に排出するファン及びモータを内蔵する換気扇の背面側を、壁に設けられた内倒し窓の屋外側に取付け、内倒し窓を開けた状態において、屋内側の空気を換気扇のケース内に吸い込み排気口から屋外に排出する構成としているため、既設の内倒し窓の窓ガラスや窓枠を交換することなく、簡単な追加工で換気扇を容易に後付けして換気することが可能となる。
また、換気扇自体が屋外に設置される形態となるため、屋内での圧迫感がなく、美観を損ねない設置を実現でき、特に浴室に設置するようにすれば、湿気を屋外に排出可能となり黴の発生を防止して浴室内の臭気を抑えるこが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窓換気装置の一実施例を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1に示した実施例による窓換気装置の側面図、(b)は窓換気装置の屋外側からの正面図である。
【図3】本発明の窓換気装置による内倒し窓を開けた状態での換気(空気の流れ)を示す説明図である。
【図4】本発明に係る窓換気装置の別実施例を示す斜視図である。
【図5】(a)は図4に示した実施例による窓換気装置の内倒し窓を開けた状態での室外側からの正面図、(b)は図4に示した実施例による窓換気装置の内倒し窓を閉めた状態での屋外側からの正面図である。
【図6】図4に示した実施例の窓換気装置による内倒し窓を開けた状態での換気(空気の流れ)を示す側面図である。
【符号の説明】
1 換気扇 2 ケース
2a 吸気口 2b 排気口
3 ファン 4 モータ
5 コード 6 開閉部材
7 内倒し窓 7a 窓枠(可動側)
7b 窓枠(固定側) 7c 窓ガラス
8 支持具 9 壁

Claims (4)

  1. 側面に吸気口及び前面側に排気口を設けたケース内に、吸気口からケース内に吸い込んだ空気を排気口からケース外に排出するファン及びモータを内蔵する換気扇の背面側を、壁に設けられた内倒し窓の屋外側に取付け、内倒し窓を開けた状態において、屋内側の空気を換気扇のケース内に吸い込み排気口から屋外に排出する窓換気装置。
  2. 吸気口に、内倒し窓を開けた状態において吸気口を屋内側に向けて開口し、内倒し窓を閉めた状態において吸気口を閉塞する開閉部材を設けてなる請求項1記載の窓換気装置。
  3. 換気扇を、ケースに設けた支持具を内倒し窓の上端に掛止して取付ける請求項1又は請求項2記載の窓換気装置。
  4. 浴室の壁に設けられた内倒し窓である請求項1〜3のいずれかに記載の窓換気装置。
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