JP2004340234A - 無段変速機のブッシュ摩耗検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブッシュの摩耗を、変速機を分解することなく簡単かつ的確に検出できる無段変速機のブッシュ摩耗検出方法を提供する。
【解決手段】軸に固定された固定シーブと、軸上にブッシュを介して軸方向に摺動自在に配置された可動シーブとを有する駆動プーリおよび従動プーリを備え、駆動プーリと従動プーリとの間に乾式ベルトを巻き掛け、両プーリの可動シーブを軸方向に変位させることにより変速比を無段階に可変とした無段変速機であって、変速速度を予め設定されたしきい値とを比較し、変速速度がしきい値以上のときにブッシュの摩耗と判定する。特に、高速比方向への変速速度がしきい値以上のときは駆動プーリのブッシュが摩耗したと判定し、逆に低速比方向への変速速度がしきい値以上のときは従動プーリのブッシュが摩耗したと判定する。
【選択図】 図9
【解決手段】軸に固定された固定シーブと、軸上にブッシュを介して軸方向に摺動自在に配置された可動シーブとを有する駆動プーリおよび従動プーリを備え、駆動プーリと従動プーリとの間に乾式ベルトを巻き掛け、両プーリの可動シーブを軸方向に変位させることにより変速比を無段階に可変とした無段変速機であって、変速速度を予め設定されたしきい値とを比較し、変速速度がしきい値以上のときにブッシュの摩耗と判定する。特に、高速比方向への変速速度がしきい値以上のときは駆動プーリのブッシュが摩耗したと判定し、逆に低速比方向への変速速度がしきい値以上のときは従動プーリのブッシュが摩耗したと判定する。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速機のブッシュ摩耗検出方法、特に乾式ベルトを用いた無段変速機において、可動シーブを軸上に軸方向に摺動自在に支持するためのブッシュの摩耗を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平9−79369号公報
【特許文献2】特開平10−262423号公報
【特許文献3】特開2002−213548号公報
従来より種々の形式の無段変速機が提案され、一部が実用化されている。無段変速機には、湿式ベルト(金属ベルト)を用いたタイプと、乾式ベルトを用いたタイプとがあり、前者はベルトを油で潤滑しながら駆動するものであるのに対し、後者はベルトを潤滑せず、プーリとの間に働く摩擦力を利用して駆動するものであり、前者に比べて伝達効率がよい。
【0003】
このような乾式ベルトを用いた無段変速機の場合、その回転部分や可動部分には無給油部品を使用する必要があるため、その部分の摩耗が避けられない。プーリは、軸に固定された固定シーブと、軸上にブッシュを介して軸方向に摺動自在に配置された可動シーブとを備えており、可動シーブを軸方向に移動させることによって変速を行う。可動シーブを支持しているブッシュは無潤滑部品であるから、必然的に摩耗が発生し、そのために可動シーブが軸に対して傾くことになる。可動シーブが傾くと、ブッシュの摩耗が助長され、さらに傾きが増加する。
【0004】
このように可動シーブ(プーリ)の傾きが増加すると、プーリのトルクがベルトに伝わり難くなり、伝達効率の低下を招くとともに、ベルトの滑り量が増加し、ベルトの発熱量が増大し、ベルト寿命を低下させる原因となる。特に、乾式ベルトは、公知のように、樹脂で覆われた多数のブロックを無端状のゴム製張力帯で支持したものであるから、ベルトの発熱は樹脂皮膜や張力帯の早期劣化をもたらす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1には、目標変速比と実変速比との偏差が設定値以上のとき、あるいは目標変速比と実変速比との偏差の変化速度が設定値以上のとき、無段変速機の異常を検出する方法が開示されている。
しかしながら、無段変速機の異常には種々の原因があるため、変速比あるいは変速比の変化速度に異常があっても、それが如何なる原因によるものかを判別できない。
【0006】
特許文献2には、無段変速機を変速操作する電動シリンダと、この電動シリンダによる実操作量を検出する変速センサと、変速センサにより検出される実操作量が目標値となるように制御する制御装置とが設けられ、電動シリンダの操作量が設定値を下回った時に変速操作系に異常が発生したことを検出する装置が提案されている。
しかし、この場合も、変速速度で異常検出を行うものに過ぎず、これがブッシュの摩耗によるものか、それとも他の原因によるものかを判定できない。
【0007】
特許文献3には、ベルト式無段変速機において、ベルトの摩耗状態を把握してその交換時期を報知する装置が提案されている。
この場合も、特定の運転状態において、変速比が設定変速比よりも大きな基準変速比を越えた状態が所定時間以上継続したとき、ベルトの交換時期を報知するものであって、ブッシュの摩耗を検出するものではない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ブッシュの摩耗を、変速機を分解することなく簡単かつ的確に検出できる無段変速機のブッシュ摩耗検出方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、軸に固定された固定シーブと、軸上にブッシュを介して軸方向に摺動自在に配置された可動シーブとを有する駆動プーリおよび従動プーリを備え、駆動プーリと従動プーリとの間に乾式ベルトを巻き掛け、両プーリの可動シーブを軸方向に変位させることにより変速比を無段階に可変とした無段変速機において、上記駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比の変化速度またはこれに関連する変数を求める工程と、上記変化速度またはこれに関連する変数と予め設定されたしきい値とを比較し、上記ブッシュの摩耗を判定する工程と、を有する無段変速機のブッシュ摩耗検出方法を提供することにある。
【0010】
本発明は、無段変速機の漠然とした故障判定ではなく、特定の現象(変速速度)を観察することによって、ブッシュ摩耗を的確に判定できる方法を提案している。すなわち、駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比の変化速度(変速速度)またはこれに関連する変数を求め、この変速速度またはこれに関連する変数と予め設定されたしきい値とを比較し、ブッシュの摩耗を判定する。ブッシュが摩耗すると、軸とブッシュとのクリアランスが増大するため、可動シーブが軸に対して傾く。定常状態であれば、ベルトが入り込む側と出る側とでプーリ推力がバランスするので、ブッシュ摩耗があっても、ベルトが入り込む側と出る側とでベルトの半径方向位置のアンバランスはほとんどない。しかし、ベルト巻き掛け径が増大する(プーリ溝幅が減少する)プーリの場合、プーリ推力によってベルトが入り込む側に比べてベルトが出る側のプーリ溝幅が広くなる方向に可動シーブは傾くため、プーリに入り込む側のベルトは本来の位置より外径側へと押し出され、逆にプーリから出る側のベルトは本来の位置より内径側に入り込むことになる。そのため、新たにプーリに入り込むベルトは可動シーブの傾きのために一層外径側へ入り込み、ベルト巻き掛け径が一層増大する。つまり変速速度が増大したかのような現象となる。
そこで、変速速度をしきい値と比較し、変速速度がしきい値に比べて大きくなったとき、可動シーブに傾きが発生している、つまりブッシュが摩耗していると判定することができる。しきい値は、例えば初期状態(ブッシュが摩耗していない状態)の変速速度に基づいて設定することができる。
なお、本発明では変速速度だけでなく、これと関連する変数を用いてブッシュ摩耗を検出してもよい。変速速度に関連する変数とは、変速速度と相関関係のある変数のことであり、例えば変速時間がある。変速時間でブッシュ摩耗を検出する場合には、変速時間が予め設定されたしきい値以下になった時にブッシュ摩耗と判定することができる。変速速度や変速時間は、例えば可動シーブの軸方向変位、可動シーブの推力、変速用モータの電流などによって検出できる。
【0011】
請求項2のように、駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比が増加する時と減少する時のそれぞれの変化速度をそれぞれ求め、増加時の変化速度と減少時の変化速度とから、駆動プーリまたは従動プーリのいずれのブッシュの摩耗が大きいかを判定することができる。
速度比は次のように定義される。
速度比=(駆動プーリの回転速度)/(従動プーリの回転速度)
例えば低速比(Low)から高速比(High)へ変速する時、つまり速度比が減少した時には、駆動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加し、逆に高速比から低速比へ変速する時、つまり速度比が増加する時には、従動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加する。したがって、高速比方向への変速速度がしきい値に比べて大きくなった場合には、駆動プーリのブッシュが摩耗したと判定でき、逆に低速比方向への変速速度がしきい値に比べて大きくなった場合には、従動プーリのブッシュが摩耗したと判定できる。
【0012】
請求項3のように、ブッシュの摩耗と判定した時に警報手段を作動させるようにしてもよい。
ブッシュが摩耗して可動シーブに傾きが発生すると、ベルト推力のためにブッシュに偏った力が作用し、ブッシュの摩耗が助長される。そのため、さらに可動シーブの傾きが増加する。
そこで、ブッシュの摩耗が基準値を越えた場合には、警報手段によって速やかにユーザーにブッシュ摩耗を報知することで、ブッシュの交換を促し、伝達効率の低下やベルトの発熱を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる無段変速機の一例の概略構造を示す。
入力軸1上に設けられた駆動プーリ2と出力軸3上に設けられた従動プーリ4との間に、乾式ベルト5が巻き掛けられている。駆動プーリ2は、入力軸1に固定された固定シーブ2aと入力軸1に対して軸方向に移動可能な可動シーブ2bとからなり、従動プーリ4も同様に、出力軸3に固定された固定シーブ4aと出力軸3に対して軸方向に移動可能な可動シーブ4bとからなる。可動シーブ2b,可動シーブ4bはブッシュBを介して入力軸1および出力軸3上に軸方向に摺動自在に支持されている。
【0014】
駆動プーリ2の可動シーブ2bの背後、および従動プーリ4の可動シーブ4bの背後には、それぞれモータ6の回転によって可動シーブ2b,4bを軸方向に移動させるストローク機構7,8が設けられている。すなわち、ストローク機構7は、可動シーブ2bに軸受7aを介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材7bと、変速機ケースなどに固定された雄ねじ部材7cと、その間に配置されたボール7dとを備えたボールネジ機構であり、雌ねじ部材7bの外周部には入力ギヤ7eが固定されている。ストローク機構8もストローク機構7と同様の構成をもつボールネジ機構であり、軸受8a、雌ねじ部材8b、雄ねじ部材8c、ボール8d、入力ギヤ8eを備えている。
モータ6とストローク機構7との間には減速ギヤ9a〜9cが設けられ、ストローク機構7の入力ギヤ7eとストローク機構8の入力ギヤ8eとの間にはアイドラギヤ9d,9eが設けられている。そのため、モータ6の回転力はストローク機構7,8に伝達され、可動シーブ2b,4bを同期して作動させることができる。なお、モータ6、減速ギヤ9a〜9c、アイドラギヤ9d,9eの配置は図1に限定されるものではなく、任意に選択できる。
【0015】
また、駆動プーリ2と従動プーリ4の中間部には、テンションローラによってベルト5の緩み側を押し付けてベルト張力を与えるテンショナ装置(図示せず)が設けられている。このテンショナ装置は、例えば特許第3267596号公報、特許第3290647号公報などによって公知であるため、説明を省略する。
【0016】
ここで使用される乾式ベルト5は、図2に示すように、一対の張力帯5aに多数のブロック5bをベルト長手方向に係止した複合ベルトである。すなわち、ブロック5bの両側部に左右一対の嵌合溝5cが形成され、これら一対の嵌合溝にそれぞれ無端状の張力帯5aが嵌合され、複数のブロック5bが一対の張力帯5aによって長手方向に係止されている。張力帯5aはゴム部の内部に複数のエンドレスの芯線5dを幅方向に平行に埋め込んだ構造となっている。ブロック5bは、金属製のコアの周囲を耐摩耗性樹脂で被覆したものであり、少なくともプーリとの接触面は樹脂で被覆されている。
【0017】
次に、本発明にかかるブッシュ摩耗検出方法について、図3,図4を参照して説明する。図3は上記無段変速機における変速過渡状態のベルト巻き掛け状態を示し、図4は図3の従動プーリの断面を示す。
定常状態では、ベルト5が入り込む側と出る側とでプーリ推力がバランスするので、ブッシュBに摩耗があるか否かに関係なく、ベルト5は駆動プーリ2および従動プーリ4に対して軸1,3を中心として同心状に巻き掛けられている。
一方、変速過渡状態では、ブッシュBに摩耗があると、図3,図4のように、ベルト5が入り込む側に比べてベルト5が出る側のプーリ溝幅が広くなる方向に可動シーブは傾く。そのため、プーリに入り込む側のベルトは本来の位置より外径側へと押され、逆にこのプーリ4から出る側のベルトは内径側へと入り込む。特に、ベルト巻き掛け径が増大する側のプーリ(図3では従動プーリ4)にベルトが入り込む時、可動シーブの傾きのために新たに入り込むベルト5はさらに外径側へ入り込むので、ベルト巻き掛け径が増加し、あたかも変速速度が増大したかのような現象となる。
例えば低速比(Low)から高速比(High)へ変速する場合には、駆動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加し、逆に高速比(High)から低速比(Low)へ変速する場合には、従動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加する。したがって、高速比方向への変速速度が初期状態に比べて増加した場合には、駆動プーリのブッシュが摩耗したと判定でき、逆に低速比方向への変速速度が初期状態に比べて増加した場合には、従動プーリのブッシュが摩耗したと判定できる。
【0018】
図5は、高速比から低速比への変速時における従動プーリ(可動シーブ)の軸方向変位の時間変化を示す。なお、従動プーリの回転数を1000rpm、モータの変速電流を35Aとした。
図5には、ブッシュと軸とのクリアランスが50μm(初期状態)、75μm(少し摩耗した状態)、200μm(大きく摩耗した状態)の3種類の時間変位が示されている。図から明らかなように、ブッシュ摩耗が小さい時には高速比から低速比まで約3.5秒かかっていたのに対し、ブッシュ摩耗が大きくなると高速比から低速比まで約2秒程度で到達している。つまり、ブッシュ摩耗が大きくなる程、変速速度が大きくなる(変速時間が短くなる)ことが実証された。
【0019】
ブッシュ摩耗に起因する変速速度(変速時間)の変化は、図6〜図8に示すように、可動シーブの変位速度だけでなく、プーリ推力や、モータ電流、テンションローラの垂直変位などによっても検出できる。すなわち、プーリ推力については、図6に示すように、ブッシュ摩耗が大きい程、短時間でプーリ推力が低下している。モータ電流についても、図7に示すように、ブッシュ摩耗が大きい程、短時間で電流が低下している。さらに、テンションローラの垂直変位についても、図8に示すように、ブッシュ摩耗が大きい程、短時間で元の位置へ復帰している。何れの場合も、ブッシュ摩耗が大きくなる程、変速時間が短くなっていることがわかる。
【0020】
図9は本発明にかかるブッシュ摩耗検出方法の流れを示す。
まず変速を開始したか否かを判定する(ステップS1)。変速を開始した場合には、変速速度を検出する(ステップS2)。変速速度としては、駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比の変化速度を検出してもよいし、図5〜図8のように可動シーブの軸方向変位速度、プーリ推力や、モータ電流、テンションローラの垂直変位などを検出してもよい。
次に、検出した変速速度をしきい値と比較する(ステップS3)。このしきい値とは、ブッシュ摩耗が少ない状態(新品状態)における無段変速機の変速速度を基準として決定される。
変速速度がしきい値以上の場合には、少なくともいずれかのプーリのブッシュが摩耗していることを意味するので、続いて変速方向が高速比(High)から低速比(Low)か、それとも低速比(Low)から高速比(High)かを判定する(ステップS4)。もし、変速方向が高速比(High)から低速比(Low)であれば、従動プーリのブッシュ摩耗が大きいと判定し(ステップS5)、これを警報手段によってユーザーに報知する(ステップS6)。警報手段としては、警報ランプや液晶表示装置、ブザーなどを用いることができる。
一方、変速方向が低速比(Low)から高速比(High)であれば、駆動プーリのブッシュ摩耗が大きいと判定し(ステップS7)、これを警報手段によってユーザーに報知する(ステップS8)。
以上のようなステップを実施することで、ブッシュの摩耗を変速機を分解することなく的確に検出でき、ユーザーにブッシュの交換時期を知らせることができる。また、しきい値の設定により早期にブッシュ摩耗を検出できるので、伝達効率の低下やベルトの発熱を抑制でき、燃費の向上、ベルト寿命の向上を実現することができる。
【0021】
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
図9では変速速度によってブッシュ摩耗を検出したが、変速時間でブッシュ摩耗を検出してもよい。この場合は、変速時間を予め設定されたしきい値と比較し、変速時間がしきい値以下になった時にブッシュ摩耗が大きいと判定すればよい。上記実施例では、可動シーブの背後にボールネジ機構よりなるストローク機構を設け、モータによってボールネジ機構を駆動することにより可動シーブを軸方向に変位させるとともに、ベルト張力を得るためにテンショナ装置を設けた無段変速機について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特許第2548259号公報に記載のように、可動シーブの背後にボールネジ機構を設けるとともに、いずれかのプーリの固定シーブの背後にベルト張力を得るための調圧カム機構を設けたものでもよい。この他、乾式ベルトを用いた無段変速機であれば適用可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に係る発明によれば、変速速度またはこれに関連する変数を求め、変速速度またはこれに関連する変数と予め設定されたしきい値とを比較し、ブッシュの摩耗を判定するようにしたので、ブッシュの摩耗を変速機を分解することなく簡単かつ的確に検出できる。その結果、ユーザーにブッシュの交換時期を早期に知らせることができ、伝達効率の低下やベルトの発熱を抑制でき、燃費の向上、ベルト寿命の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される無段変速機の一例のスケルトン図である。
【図2】ベルトの一例の斜視図である。
【図3】変速過渡状態におけるベルト巻き掛け状態を示す図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】高速比から低速比への変速時における従動プーリ(可動シーブ)の軸方向変位の時間変化を示す図である。
【図6】高速比から低速比への変速時における従動プーリ(可動シーブ)の推力の時間変化を示す図である。
【図7】高速比から低速比への変速時におけるモータ電流の時間変化を示す図である。
【図8】高速比から低速比への変速時におけるテンションローラの垂直変位の時間変化を示す図である。
【図9】本発明にかかるブッシュ摩耗検出方法の流れ図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2 駆動プーリ
2a 固定シーブ
2b 可動シーブ
3 出力軸
4 従動プーリ
4a 固定シーブ
4b 可動シーブ
5 乾式ベルト
B ブッシュ
【発明の属する技術分野】
本発明は無段変速機のブッシュ摩耗検出方法、特に乾式ベルトを用いた無段変速機において、可動シーブを軸上に軸方向に摺動自在に支持するためのブッシュの摩耗を検出する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平9−79369号公報
【特許文献2】特開平10−262423号公報
【特許文献3】特開2002−213548号公報
従来より種々の形式の無段変速機が提案され、一部が実用化されている。無段変速機には、湿式ベルト(金属ベルト)を用いたタイプと、乾式ベルトを用いたタイプとがあり、前者はベルトを油で潤滑しながら駆動するものであるのに対し、後者はベルトを潤滑せず、プーリとの間に働く摩擦力を利用して駆動するものであり、前者に比べて伝達効率がよい。
【0003】
このような乾式ベルトを用いた無段変速機の場合、その回転部分や可動部分には無給油部品を使用する必要があるため、その部分の摩耗が避けられない。プーリは、軸に固定された固定シーブと、軸上にブッシュを介して軸方向に摺動自在に配置された可動シーブとを備えており、可動シーブを軸方向に移動させることによって変速を行う。可動シーブを支持しているブッシュは無潤滑部品であるから、必然的に摩耗が発生し、そのために可動シーブが軸に対して傾くことになる。可動シーブが傾くと、ブッシュの摩耗が助長され、さらに傾きが増加する。
【0004】
このように可動シーブ(プーリ)の傾きが増加すると、プーリのトルクがベルトに伝わり難くなり、伝達効率の低下を招くとともに、ベルトの滑り量が増加し、ベルトの発熱量が増大し、ベルト寿命を低下させる原因となる。特に、乾式ベルトは、公知のように、樹脂で覆われた多数のブロックを無端状のゴム製張力帯で支持したものであるから、ベルトの発熱は樹脂皮膜や張力帯の早期劣化をもたらす。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1には、目標変速比と実変速比との偏差が設定値以上のとき、あるいは目標変速比と実変速比との偏差の変化速度が設定値以上のとき、無段変速機の異常を検出する方法が開示されている。
しかしながら、無段変速機の異常には種々の原因があるため、変速比あるいは変速比の変化速度に異常があっても、それが如何なる原因によるものかを判別できない。
【0006】
特許文献2には、無段変速機を変速操作する電動シリンダと、この電動シリンダによる実操作量を検出する変速センサと、変速センサにより検出される実操作量が目標値となるように制御する制御装置とが設けられ、電動シリンダの操作量が設定値を下回った時に変速操作系に異常が発生したことを検出する装置が提案されている。
しかし、この場合も、変速速度で異常検出を行うものに過ぎず、これがブッシュの摩耗によるものか、それとも他の原因によるものかを判定できない。
【0007】
特許文献3には、ベルト式無段変速機において、ベルトの摩耗状態を把握してその交換時期を報知する装置が提案されている。
この場合も、特定の運転状態において、変速比が設定変速比よりも大きな基準変速比を越えた状態が所定時間以上継続したとき、ベルトの交換時期を報知するものであって、ブッシュの摩耗を検出するものではない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ブッシュの摩耗を、変速機を分解することなく簡単かつ的確に検出できる無段変速機のブッシュ摩耗検出方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、軸に固定された固定シーブと、軸上にブッシュを介して軸方向に摺動自在に配置された可動シーブとを有する駆動プーリおよび従動プーリを備え、駆動プーリと従動プーリとの間に乾式ベルトを巻き掛け、両プーリの可動シーブを軸方向に変位させることにより変速比を無段階に可変とした無段変速機において、上記駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比の変化速度またはこれに関連する変数を求める工程と、上記変化速度またはこれに関連する変数と予め設定されたしきい値とを比較し、上記ブッシュの摩耗を判定する工程と、を有する無段変速機のブッシュ摩耗検出方法を提供することにある。
【0010】
本発明は、無段変速機の漠然とした故障判定ではなく、特定の現象(変速速度)を観察することによって、ブッシュ摩耗を的確に判定できる方法を提案している。すなわち、駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比の変化速度(変速速度)またはこれに関連する変数を求め、この変速速度またはこれに関連する変数と予め設定されたしきい値とを比較し、ブッシュの摩耗を判定する。ブッシュが摩耗すると、軸とブッシュとのクリアランスが増大するため、可動シーブが軸に対して傾く。定常状態であれば、ベルトが入り込む側と出る側とでプーリ推力がバランスするので、ブッシュ摩耗があっても、ベルトが入り込む側と出る側とでベルトの半径方向位置のアンバランスはほとんどない。しかし、ベルト巻き掛け径が増大する(プーリ溝幅が減少する)プーリの場合、プーリ推力によってベルトが入り込む側に比べてベルトが出る側のプーリ溝幅が広くなる方向に可動シーブは傾くため、プーリに入り込む側のベルトは本来の位置より外径側へと押し出され、逆にプーリから出る側のベルトは本来の位置より内径側に入り込むことになる。そのため、新たにプーリに入り込むベルトは可動シーブの傾きのために一層外径側へ入り込み、ベルト巻き掛け径が一層増大する。つまり変速速度が増大したかのような現象となる。
そこで、変速速度をしきい値と比較し、変速速度がしきい値に比べて大きくなったとき、可動シーブに傾きが発生している、つまりブッシュが摩耗していると判定することができる。しきい値は、例えば初期状態(ブッシュが摩耗していない状態)の変速速度に基づいて設定することができる。
なお、本発明では変速速度だけでなく、これと関連する変数を用いてブッシュ摩耗を検出してもよい。変速速度に関連する変数とは、変速速度と相関関係のある変数のことであり、例えば変速時間がある。変速時間でブッシュ摩耗を検出する場合には、変速時間が予め設定されたしきい値以下になった時にブッシュ摩耗と判定することができる。変速速度や変速時間は、例えば可動シーブの軸方向変位、可動シーブの推力、変速用モータの電流などによって検出できる。
【0011】
請求項2のように、駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比が増加する時と減少する時のそれぞれの変化速度をそれぞれ求め、増加時の変化速度と減少時の変化速度とから、駆動プーリまたは従動プーリのいずれのブッシュの摩耗が大きいかを判定することができる。
速度比は次のように定義される。
速度比=(駆動プーリの回転速度)/(従動プーリの回転速度)
例えば低速比(Low)から高速比(High)へ変速する時、つまり速度比が減少した時には、駆動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加し、逆に高速比から低速比へ変速する時、つまり速度比が増加する時には、従動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加する。したがって、高速比方向への変速速度がしきい値に比べて大きくなった場合には、駆動プーリのブッシュが摩耗したと判定でき、逆に低速比方向への変速速度がしきい値に比べて大きくなった場合には、従動プーリのブッシュが摩耗したと判定できる。
【0012】
請求項3のように、ブッシュの摩耗と判定した時に警報手段を作動させるようにしてもよい。
ブッシュが摩耗して可動シーブに傾きが発生すると、ベルト推力のためにブッシュに偏った力が作用し、ブッシュの摩耗が助長される。そのため、さらに可動シーブの傾きが増加する。
そこで、ブッシュの摩耗が基準値を越えた場合には、警報手段によって速やかにユーザーにブッシュ摩耗を報知することで、ブッシュの交換を促し、伝達効率の低下やベルトの発熱を抑制することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかる無段変速機の一例の概略構造を示す。
入力軸1上に設けられた駆動プーリ2と出力軸3上に設けられた従動プーリ4との間に、乾式ベルト5が巻き掛けられている。駆動プーリ2は、入力軸1に固定された固定シーブ2aと入力軸1に対して軸方向に移動可能な可動シーブ2bとからなり、従動プーリ4も同様に、出力軸3に固定された固定シーブ4aと出力軸3に対して軸方向に移動可能な可動シーブ4bとからなる。可動シーブ2b,可動シーブ4bはブッシュBを介して入力軸1および出力軸3上に軸方向に摺動自在に支持されている。
【0014】
駆動プーリ2の可動シーブ2bの背後、および従動プーリ4の可動シーブ4bの背後には、それぞれモータ6の回転によって可動シーブ2b,4bを軸方向に移動させるストローク機構7,8が設けられている。すなわち、ストローク機構7は、可動シーブ2bに軸受7aを介して相対回転自在に支持された雌ねじ部材7bと、変速機ケースなどに固定された雄ねじ部材7cと、その間に配置されたボール7dとを備えたボールネジ機構であり、雌ねじ部材7bの外周部には入力ギヤ7eが固定されている。ストローク機構8もストローク機構7と同様の構成をもつボールネジ機構であり、軸受8a、雌ねじ部材8b、雄ねじ部材8c、ボール8d、入力ギヤ8eを備えている。
モータ6とストローク機構7との間には減速ギヤ9a〜9cが設けられ、ストローク機構7の入力ギヤ7eとストローク機構8の入力ギヤ8eとの間にはアイドラギヤ9d,9eが設けられている。そのため、モータ6の回転力はストローク機構7,8に伝達され、可動シーブ2b,4bを同期して作動させることができる。なお、モータ6、減速ギヤ9a〜9c、アイドラギヤ9d,9eの配置は図1に限定されるものではなく、任意に選択できる。
【0015】
また、駆動プーリ2と従動プーリ4の中間部には、テンションローラによってベルト5の緩み側を押し付けてベルト張力を与えるテンショナ装置(図示せず)が設けられている。このテンショナ装置は、例えば特許第3267596号公報、特許第3290647号公報などによって公知であるため、説明を省略する。
【0016】
ここで使用される乾式ベルト5は、図2に示すように、一対の張力帯5aに多数のブロック5bをベルト長手方向に係止した複合ベルトである。すなわち、ブロック5bの両側部に左右一対の嵌合溝5cが形成され、これら一対の嵌合溝にそれぞれ無端状の張力帯5aが嵌合され、複数のブロック5bが一対の張力帯5aによって長手方向に係止されている。張力帯5aはゴム部の内部に複数のエンドレスの芯線5dを幅方向に平行に埋め込んだ構造となっている。ブロック5bは、金属製のコアの周囲を耐摩耗性樹脂で被覆したものであり、少なくともプーリとの接触面は樹脂で被覆されている。
【0017】
次に、本発明にかかるブッシュ摩耗検出方法について、図3,図4を参照して説明する。図3は上記無段変速機における変速過渡状態のベルト巻き掛け状態を示し、図4は図3の従動プーリの断面を示す。
定常状態では、ベルト5が入り込む側と出る側とでプーリ推力がバランスするので、ブッシュBに摩耗があるか否かに関係なく、ベルト5は駆動プーリ2および従動プーリ4に対して軸1,3を中心として同心状に巻き掛けられている。
一方、変速過渡状態では、ブッシュBに摩耗があると、図3,図4のように、ベルト5が入り込む側に比べてベルト5が出る側のプーリ溝幅が広くなる方向に可動シーブは傾く。そのため、プーリに入り込む側のベルトは本来の位置より外径側へと押され、逆にこのプーリ4から出る側のベルトは内径側へと入り込む。特に、ベルト巻き掛け径が増大する側のプーリ(図3では従動プーリ4)にベルトが入り込む時、可動シーブの傾きのために新たに入り込むベルト5はさらに外径側へ入り込むので、ベルト巻き掛け径が増加し、あたかも変速速度が増大したかのような現象となる。
例えば低速比(Low)から高速比(High)へ変速する場合には、駆動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加し、逆に高速比(High)から低速比(Low)へ変速する場合には、従動プーリの可動シーブの傾きによって変速速度が増加する。したがって、高速比方向への変速速度が初期状態に比べて増加した場合には、駆動プーリのブッシュが摩耗したと判定でき、逆に低速比方向への変速速度が初期状態に比べて増加した場合には、従動プーリのブッシュが摩耗したと判定できる。
【0018】
図5は、高速比から低速比への変速時における従動プーリ(可動シーブ)の軸方向変位の時間変化を示す。なお、従動プーリの回転数を1000rpm、モータの変速電流を35Aとした。
図5には、ブッシュと軸とのクリアランスが50μm(初期状態)、75μm(少し摩耗した状態)、200μm(大きく摩耗した状態)の3種類の時間変位が示されている。図から明らかなように、ブッシュ摩耗が小さい時には高速比から低速比まで約3.5秒かかっていたのに対し、ブッシュ摩耗が大きくなると高速比から低速比まで約2秒程度で到達している。つまり、ブッシュ摩耗が大きくなる程、変速速度が大きくなる(変速時間が短くなる)ことが実証された。
【0019】
ブッシュ摩耗に起因する変速速度(変速時間)の変化は、図6〜図8に示すように、可動シーブの変位速度だけでなく、プーリ推力や、モータ電流、テンションローラの垂直変位などによっても検出できる。すなわち、プーリ推力については、図6に示すように、ブッシュ摩耗が大きい程、短時間でプーリ推力が低下している。モータ電流についても、図7に示すように、ブッシュ摩耗が大きい程、短時間で電流が低下している。さらに、テンションローラの垂直変位についても、図8に示すように、ブッシュ摩耗が大きい程、短時間で元の位置へ復帰している。何れの場合も、ブッシュ摩耗が大きくなる程、変速時間が短くなっていることがわかる。
【0020】
図9は本発明にかかるブッシュ摩耗検出方法の流れを示す。
まず変速を開始したか否かを判定する(ステップS1)。変速を開始した場合には、変速速度を検出する(ステップS2)。変速速度としては、駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比の変化速度を検出してもよいし、図5〜図8のように可動シーブの軸方向変位速度、プーリ推力や、モータ電流、テンションローラの垂直変位などを検出してもよい。
次に、検出した変速速度をしきい値と比較する(ステップS3)。このしきい値とは、ブッシュ摩耗が少ない状態(新品状態)における無段変速機の変速速度を基準として決定される。
変速速度がしきい値以上の場合には、少なくともいずれかのプーリのブッシュが摩耗していることを意味するので、続いて変速方向が高速比(High)から低速比(Low)か、それとも低速比(Low)から高速比(High)かを判定する(ステップS4)。もし、変速方向が高速比(High)から低速比(Low)であれば、従動プーリのブッシュ摩耗が大きいと判定し(ステップS5)、これを警報手段によってユーザーに報知する(ステップS6)。警報手段としては、警報ランプや液晶表示装置、ブザーなどを用いることができる。
一方、変速方向が低速比(Low)から高速比(High)であれば、駆動プーリのブッシュ摩耗が大きいと判定し(ステップS7)、これを警報手段によってユーザーに報知する(ステップS8)。
以上のようなステップを実施することで、ブッシュの摩耗を変速機を分解することなく的確に検出でき、ユーザーにブッシュの交換時期を知らせることができる。また、しきい値の設定により早期にブッシュ摩耗を検出できるので、伝達効率の低下やベルトの発熱を抑制でき、燃費の向上、ベルト寿命の向上を実現することができる。
【0021】
本発明は上記実施例に限定されるものではない。
図9では変速速度によってブッシュ摩耗を検出したが、変速時間でブッシュ摩耗を検出してもよい。この場合は、変速時間を予め設定されたしきい値と比較し、変速時間がしきい値以下になった時にブッシュ摩耗が大きいと判定すればよい。上記実施例では、可動シーブの背後にボールネジ機構よりなるストローク機構を設け、モータによってボールネジ機構を駆動することにより可動シーブを軸方向に変位させるとともに、ベルト張力を得るためにテンショナ装置を設けた無段変速機について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、特許第2548259号公報に記載のように、可動シーブの背後にボールネジ機構を設けるとともに、いずれかのプーリの固定シーブの背後にベルト張力を得るための調圧カム機構を設けたものでもよい。この他、乾式ベルトを用いた無段変速機であれば適用可能である。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1に係る発明によれば、変速速度またはこれに関連する変数を求め、変速速度またはこれに関連する変数と予め設定されたしきい値とを比較し、ブッシュの摩耗を判定するようにしたので、ブッシュの摩耗を変速機を分解することなく簡単かつ的確に検出できる。その結果、ユーザーにブッシュの交換時期を早期に知らせることができ、伝達効率の低下やベルトの発熱を抑制でき、燃費の向上、ベルト寿命の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される無段変速機の一例のスケルトン図である。
【図2】ベルトの一例の斜視図である。
【図3】変速過渡状態におけるベルト巻き掛け状態を示す図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】高速比から低速比への変速時における従動プーリ(可動シーブ)の軸方向変位の時間変化を示す図である。
【図6】高速比から低速比への変速時における従動プーリ(可動シーブ)の推力の時間変化を示す図である。
【図7】高速比から低速比への変速時におけるモータ電流の時間変化を示す図である。
【図8】高速比から低速比への変速時におけるテンションローラの垂直変位の時間変化を示す図である。
【図9】本発明にかかるブッシュ摩耗検出方法の流れ図である。
【符号の説明】
1 入力軸
2 駆動プーリ
2a 固定シーブ
2b 可動シーブ
3 出力軸
4 従動プーリ
4a 固定シーブ
4b 可動シーブ
5 乾式ベルト
B ブッシュ
Claims (3)
- 軸に固定された固定シーブと、軸上にブッシュを介して軸方向に摺動自在に配置された可動シーブとを有する駆動プーリおよび従動プーリを備え、駆動プーリと従動プーリとの間に乾式ベルトを巻き掛け、両プーリの可動シーブを軸方向に変位させることにより変速比を無段階に可変とした無段変速機において、
上記駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比の変化速度またはこれに関連する変数を求める工程と、
上記変化速度またはこれに関連する変数と予め設定されたしきい値とを比較し、上記ブッシュの摩耗を判定する工程と、を有する無段変速機のブッシュ摩耗検出方法。 - 上記駆動プーリの回転速度と従動プーリの回転速度との速度比が増加する時と減少する時のそれぞれの変化速度をそれぞれ求める工程と、
上記増加時の変化速度と減少時の変化速度とから、駆動プーリまたは従動プーリのいずれのブッシュの摩耗が大きいかを判定する工程と、を有する請求項1に記載の無段変速機のブッシュ摩耗検出方法。 - 上記ブッシュの摩耗と判定した時に警報手段を作動させる工程を有する請求項1または2に記載の無段変速機のブッシュ摩耗検出方法。
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JP2003136769A JP2004340234A (ja) | 2003-05-15 | 2003-05-15 | 無段変速機のブッシュ摩耗検出方法 |
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2003
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CN112789433B (zh) * | 2018-09-07 | 2023-12-29 | 庞巴迪动力产品公司 | 估计无级变速器的聚合物驱动皮带磨损的方法 |
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