JP2004340179A - 車両の操舵用推力伝達装置 - Google Patents

車両の操舵用推力伝達装置 Download PDF

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憲治 茅野
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Abstract

【課題】車両の操舵用推力伝達装置を小型化するとともに、コストを低く抑えるようにする。
【解決手段】往復運動するシリンダロッド16(ロッド)と、回転運動するホイール32(回転部材)とを備える。シリンダロッド16の外周面または当該外周面よりも内部側には、固定端22a(第1部位)と固定端22b(第2部位)とを備える。ホイール32には、固定端28a(第3部位)と固定端28b(第4部位)とを備える。固定端22aと固定端28bとの間でチェーン26a(第1の索条部材)を掛け渡し、固定端22bと固定端28aとの間でチェーン26b(第2の索条部材)を掛け渡すとともに、ホイール32の近傍でチェーン26a,26bをクロスさせる。固定端28a,28bはシリンダロッド16に備えるので、装置を小型化できる。また従来のように張力を与える手段が不要になるので、コストを低く抑えられる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッドと回転部材とを有する車両の操舵用推力伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両において操舵用の推力をロッドからアクスル側に伝達するための操舵用推力伝達装置としては、例えばロッドに加工したラックと、アクスル側の構成品(以下では単に「アクスル部品」と呼ぶ。)に加工したピニオンとを噛み合わせたラック&ピニオンが知られている。当該ラック&ピニオンでは、ロッドを回転させ始める際にバックラッシュ等を起因とする歯車の打ちつけ音が発生する。この打ちつけ音を解消するには、バックラッシュの量を調整できる構造としたり、歯車の加工精度を高める等の方法がある。また、操舵用の推力を確実にロッドからアクスル部品に伝達するには、当該アクスル部品をロッドに荷重をかける必要がある。ロッドの折れや曲げを防止したり、荷重が増加するにつれて増えるロッド用軸受の磨耗を防止するには、ロッドの直径を太くしたり、ロッドの剛性を高めるような構造や材質等にする方法がある。
【0003】
ところが上述した方法のいずれを採用してもコスト高になってしまうので、ラック&ピニオン以外で構成した操舵用推力伝達装置について検討する。例えば、ロッドの両端にヘッドを備え、当該ヘッドの相互間にチェーンを掛け渡し、アクスル部品に備えたスプロケットと前述のチェーンとを係合させた装置が従来より存在する(例えば特許文献1を参照)。ラック&ピニオンに代えてチェーンを用いたことにより、打ちつけ音をほぼ無くすことができる。また上記スプロケットとは別個に備えたスプロケットを用いてチェーンにテンションをかけているので、バックラッシュが発生し難くなる。
【0004】
【特許文献1】
特開昭63−148578号公報(第7−8頁,第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した特許文献1に記載された装置では、ロッドを内蔵したチューブにチェーンが干渉しないように、距離(オフセット)を保つ必要がある。よって打ちつけ音をほぼ無くすことができたとしても、装置が大型化してしまう。
また、ロッドから離れた位置のヘッドにチェーンを掛け渡しているので、ヘッドを通じてロッドを曲げようとする曲げモーメントが働く。チェーンの張力が大きくなれば曲げモーメントも大きくなるので、これに対抗するだけの剛性がロッドに要求される。よってロッドの直径を太くしたり、ロッドの剛性を高める必要があり、結局はコスト高になる。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、小型化するとともに、コストを低く抑えた車両の操舵用推力伝達装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、往復運動するロッドと、回転運動する回転部材とを備え、前記ロッドと前記回転部材とを掛け渡す索条部材を通じて操舵用の推力を伝達する車両の操舵用推力伝達装置であって、
前記ロッドの外周面または当該外周面よりも内部側には第1部位および第2部位を備え、前記回転部材の外周部には第3部位および第4部位を備え、前記第1部位と前記第3部位との間で掛け渡す第1の索条部材と、前記第2部位と前記第4部位との間で掛け渡す第2の索条部材とを前記回転部材の近傍でクロスさせる構成とした。
【0007】
解決手段1によれば、第1部位および第2部位はともにロッドの外周面または当該外周面よりも内部側(すなわちロッドの軸中心から半径を最大限とする内側の位置)に備える。当該ロッドは、索条部材(すなわち第1の索条部材および第2の索条部材)と干渉する部位を削り取る必要がある。第3部位および第4部位はともに回転部材の外周部に備える。第1の索条部材は第1部位と第3部位との間に掛け渡し、第2の索条部材は第2部位と第4部位との間に掛け渡すとともに、回転部材の近傍でクロスさせる。第1の索条部材および第2の索条部材には、例えばチェーン,ワイヤ(ワイヤロープを含む),ベルト等を用いる。これらの索条部材は第1部位から第4部位にそれぞれ固定してもよく、一方または双方の索条部材を交換可能に取り付ける構成としてもよい。このような構成により、例えばロッドが軸中心に沿って一方向に移動すると、索条部材を通じて推力が伝達された回転部材も一方向に回転する。これに対してロッドが逆方向に移動すると、索条部材を通じて推力が伝達された回転部材も逆方向に回転する。
【0008】
上述した構成によれば、第1の索条部材を掛け渡す第1部位および第2部位はロッド自体にあるので、従来技術のように干渉防止のための距離(オフセット)を保つ必要がなく、しかもロッドに対する曲げモーメントを小さく抑えられる。そのため、操舵用推力伝達装置(特にロッド)を小型化でき、ロッドも大きな剛性を必要としない。第1の索条部材および第2の索条部材を用いたので、打ちつけ音をほぼ無くすことができる。さらに、従来技術のようにチェーンに張力を与えるためのスプロケットは不要になる。したがって、コストを低く抑えることができる。なお上述の例ではロッドから回転部材に推力を伝達する場合であるが、回転部材からロッドに推力を伝達することも同様に可能となる。
【0009】
(2)解決手段2は、往復運動するロッドと、回転運動する回転部材と、当該回転部材に掛け渡した索条部材とを備え、前記ロッドと前記回転部材との間で索条部材を通じて操舵用の推力を伝達する車両の操舵用推力伝達装置であって、
前記ロッドの外周面または当該外周面よりも内部側には第1部位および第2部位を備え、前記回転部材の外周面を周回させたうえで前記第1部位と前記第2部位との間で前記索条部材を掛け渡す索条部材を有する。
【0010】
解決手段2によれば、第1部位および第2部位は上述した解決手段1と同様にしてロッドに備える。また、解決手段1のような第3部位および第4部位は回転部材の外周面に存在しない。その代わり、索条部材は回転部材の外周面を周回させたうえで、第1部位と第2部位との間で掛け渡す。すなわち索条部材を介在させることにより、ロッドと回転部材との間で推力を伝達する。索条部材の素材や、ロッドおよび回転部材の運動(推力伝達)等については解決手段1と同様である。よって解決手段1と同様に、従来技術のように干渉防止のための距離を保つ必要がなく、しかもロッドに対する曲げモーメントを小さく抑えることができる。そのため、装置を小型化することができ、ロッドに大きな剛性を必要としない。また索条部材を用いたことにより、打ちつけ音をほぼ無くすことができる。したがって、コストを低く抑えることができる。
【0011】
(3)解決手段3は、請求項2に記載した車両の操舵用推力伝達装置であって、回転部材の外周面と索条部材との間で摩擦力を高める手段を有する。
【0012】
解決手段3によれば、摩擦力を高める手段としては、例えば回転部材の外周面および索条部材のうちで一方または双方について凹凸を設けたり、回転部材の外周面を非平滑な面に形成したり、回転部材の外周面に接触させる索条部材を押圧部材で押圧する等が該当する。こうすればロッドと回転部材との間で摩擦力が高まるので、推力をより確実に伝達できるようになる。
【0013】
(4)解決手段4は、請求項1から3のいずれか一項に記載した車両の操舵用推力伝達装置であって、前記各部位(すなわち第1部位,第2部位,第3部位および第4部位)のうち少なくとも一つには索条部材の張力を調整する調整手段を有する。
【0014】
解決手段4によれば、調整手段によって索条部材の張力を調整することが可能になるので、適切な張力を維持することができる。よって、索条部材を長期間に渡って使用できるようになる。
【0015】
(5)解決手段5は、請求項1から4のいずれか一項に記載した車両の操舵用推力伝達装置であって、第1部位および第2部位から延びる索条部材とロッドの軸中心とがほぼ並行となる位置に回転部材を備える。
【0016】
ロッドは軸中心に沿って往復運動することから、推力もまた当該軸中心に沿うことになる。もし第1部位(あるいは第2部位)から延びる索条部材とロッドの軸中心とが交差するような位置(交差角が大きくなる位置)に回転部材を備えた場合には、ロッドの推力が索条部材に伝達する際に垂直抗力が働いて推力の伝達にロスが生ずる。このことは、索条部材からロッドに推力を伝達する場合も同様のことが起こる。上述した解決手段5によれば、第1部位および第2部位から延びる索条部材とロッドの軸中心とをほぼ並行にしたので、垂直抗力がほとんど働かなくなり、推力の伝達に生ずるロスを最小限に抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は車両の一例として三輪フォークリフトに適用し、ハンドルの操舵力に相当する推力をシリンダロッド側からリアアクスル側に伝達する例である。本実施の形態は、図1〜図7を参照しながら説明する。
【0018】
図1には操舵用推力伝達装置を模式的に平面図で示し、ハンドル10の操舵力をシリンダロッド16に伝達するまでの過程を説明する。操舵用推力伝達装置は、例えば図面の左右方向等に往復運動するシリンダロッド16、例えば左回転や右回転等で回転運動するホイール32、チェーン26a,26bなどを有する。チェーン26aは第1の索条部材に相当し、チェーン26bは第2の索条部材に相当する。シリンダロッド16のほぼ軸中心上には、チェーン26a,26bの各一端を固定するための固定端22a,22bを備える。固定端22aは第1部位に相当し、固定端22bは第2部位に相当する。
【0019】
スライドレール20(具体的にはスライドレール20a,20b)とチェーン26a,26bとの干渉を防止するため、シリンダロッド16の干渉部位を削り取る必要がある。ただし、シリンダロッド16の剛性を高めるため、削り取る部位をできるだけ少なく抑えるのが望ましい。シリンダロッド16は支持部材18(具体的には支持部材18a,18b)によって支持され、当該支持部材18は上記スライドレール20に沿って移動可能に構成する。このスライドレール20は4本の通しボルトによってストッパ24a,24bに固定する。
【0020】
ホイール32の外周面には、チェーン26a,26bの各他端を固定するための固定端28a,28bを有する。固定端28aは第4部位に相当し、固定端28bは第3部位に相当する。固定端22aと固定端28aとの間にはチェーン26aを掛け渡し、固定端22bと固定端28bとの間にはチェーン26bを掛け渡して、固定端の相互間をチェーンで連結する。また、ホイール32は係合部材に相当するスプロケットを外周面に備えており(図示せず)、上述したチェーン26a,26bと係合させることができる。この係合は、言い換えればチェーン26a,26bの一部がホイール32の外周面に接していることを意味する。
図1の例では、固定端28aはホイール32の中心に対して固定端22bとは反対側のホイール32に設け、同じく固定端28bはホイール32の中心に対して固定端22aとは反対側のホイール32に設けている。この結果、チェーン26aとチェーン26bはホイール32の近傍でクロスし、固定端の相互間に掛け渡したチェーン26a,26bの長さを短くすることができる。
【0021】
固定端28aにはチェーン26aの張力を調整する張力調整ネジ30aを備え、固定端28bにはチェーン26bの張力を調整する張力調整ネジ30bを備える。これらの張力調整ネジ30a,30bによって、チェーン26a,26bの張力をそれぞれ適切に調整できるようになる。なお本例では固定端28a,28bにのみ張力調整ネジ30a,30bを備えたが、固定端22a,22bにのみ張力調整ネジ30a,30bを備えてもよく、全ての固定端に張力調整ネジ30a,30bを備えてもよい。いずれの場合でも張力を適切に調整できる。
【0022】
ハンドル10は、操舵軸12に固定されている。ハンドル10を左右方向(図1では矢印D2,D4方向)に回転させたときの操舵力は、操舵軸12を経て、パワーアシスト機構14に伝達される。当該パワーアシスト機構14はハンドル10の操舵力を増幅し、シリンダロッド16を図面左右方向(図1では矢印D6,D8方向)にスライド移動させる。例えばハンドル10を左回転(図1では矢印D2方向の回転)させるとシリンダロッド16を右方向(図1では矢印D8方向)にスライド移動させ、ハンドル10を右回転(図1では矢印D4方向の回転)させるとシリンダロッド16を左方向(図1では矢印D6方向)にスライド移動させる。なお、パワーアシスト機構14とシリンダロッド16との間における推力伝達機構については周知であるので、図示および説明を省略する。
【0023】
図2には、図1における図面下側から上側を見たときの操舵用推力伝達装置の側面図を示す。なお図2では構造を分かり易くするために、チェーン26a,26bの図示を省略している。ホイール32に固定した従動軸36(リアアクスル側)は、従動輪38を回転可能に軸支している。すなわち、シリンダロッド16に伝わった操舵力は、チェーン26a,26bやホイール32を経て従動軸36に伝わり、従動輪38の向き(操舵角)を変化させることができる。
【0024】
ここで、例えば固定端22bからチェーン26aに推力を伝達する例について、図3,図4を参照しながら説明する。当該図3,図4では、シリンダロッド16の軸中心を一点鎖線で図示する。まず図3には、シリンダロッド16のほぼ軸中心上に固定端22bを備え、固定端22bから延びるチェーン26aとシリンダロッド16の軸中心とをほぼ並行に構成した例を示す。シリンダロッド16が図面右方向(すなわち矢印D8方向)にスライド移動すると、固定端22bを経てチェーン26aには力F2が加わる。当該力F2に抗して、チェーン26aには抗力F4が働く。力F2と抗力F4の向きはほぼ並行になるので、ほぼ全部の推力がシリンダロッド16からチェーン26aに伝達され得る。
【0025】
図4には、上述した図3の場合よりもホイール32の中心をシリンダロッド16の軸中心から離し、固定端22bから延びるチェーン26aとシリンダロッド16の軸中心とが角度θ(交差角)で交差する例を示す。上述したようにチェーン26aには力F2が加わり、当該力F2に抗してチェーン26aに抗力F4が働く。しかし、角度θが生じると図4の右下側に示すような力関係となるので、垂直抗力F6の分だけ伝達ロスが生ずる。言い換えれば、シリンダロッド16からチェーン26aに伝達される推力は、F4=F2×cosθにとどまる。よって推力の伝達ロスを少なくするには、固定端22bから延びるチェーン26aとシリンダロッド16の軸中心とが並行になるように構成するのが望ましい。本例では固定端22bからチェーン26aに推力を伝達する例について示したが、チェーン26aから固定端22bに推力を伝達する場合や、固定端22aとチェーン26bとの間で推力を伝達する場合でも同様である。
【0026】
上述のように構成した操舵用推力伝達装置において、図1に示すハンドル10を操舵したときにおけるシリンダロッド16やホイール32等の状態と、フォークリフト40の進行方向との関係を図5〜図7に平面図で示す。すなわち図5にはフォークリフト40が直進する例を、図6にはフォークリフト40が右旋回する例を、図7にはフォークリフト40が左旋回する例をそれぞれ示す。
【0027】
図5(A)において、ハンドル10を真っ直ぐにしたときは(操舵角がゼロ)、シリンダロッド16にかかる長手方向の中心がホイール32の中心とほぼ一致する。この場合には、図5(B)に示すように駆動輪42が直進するような向きに固定されているので、フォークリフト40は矢印D14方向に直進する。そして、ハンドル10を右回転(図1では矢印D4方向の回転)させてゆくと、シリンダロッド16は図面左方向(矢印D6方向)にスライド移動するとともに、ホイール32は左回転(矢印D12方向に回転)し、図6のようになる。すなわち、図6(A)のようにホイール32が図面左側に傾き、図6(B)のように従動輪38も図面左側に傾く。その結果、フォークリフト40は矢印D16のように右旋回する。この右旋回状態から直進状態に戻すには、ハンドル10を左回転(図1では矢印D2方向の回転)させればよく、このとき図6(A)ではシリンダロッド16は図面右方向(矢印D8方向)にスライド移動してゆき、ホイール32は右回転(矢印D10方向に回転)してゆく。
【0028】
直進状態になってもさらにハンドル10を左回転させると、図7のようになる。すなわち、図7(A)のようにホイール32が図面右側に傾き、図7(B)のように従動輪38も図面右側に傾く。その結果、フォークリフト40は矢印D18のように左旋回する。この左旋回状態から直進状態に戻すには、ハンドル10を右回転させればよく、このとき図7(A)ではシリンダロッド16は図面左方向(矢印D6方向)にスライド移動してゆき、ホイール32は左回転(矢印D12方向に回転)してゆく。
【0029】
上述した実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。
(1)往復運動するシリンダロッド16と、回転運動するホイール32とを備えた。シリンダロッド16の外周面または当該外周面よりも内部側における固定端22a,22bとホイール32の外周部における固定端28a,28bとの間で掛け渡すとともに、ホイール32の近傍でクロスさせたチェーン26a,26bを備えた{図1,図2,図5等を参照}。この構成によれば、チェーン26a,26bの各一端を固定する固定端22a,22bはシリンダロッド16自体であるので、従来技術のように干渉防止のための距離を保つ必要がなく、しかもシリンダロッド16に対する曲げモーメントを小さく抑えることができる。そのため、操舵用推力伝達装置(特にシリンダロッド16)を小型化することができ、しかもシリンダロッド16に大きな剛性を必要としない。またホイール32に備えたスプロケットと係合するチェーン26a,26bを用いたことにより、打ちつけ音をほぼ無くすことができる。さらに従来技術のようにチェーンに張力を与えるためのスプロケットは不要になるので、コストを低く抑えることができる。
【0030】
なお本例はシリンダロッド16からホイール32に推力を伝達する場合であるが、ホイール32からシリンダロッド16に推力を伝達することも同様に可能となる。例えば、パワーアシスト機構14をホイール32に連結し、シリンダロッド16の動きによって車輪の向きを代えられるように構成した車両に適用することができる。すなわち上述した操舵用推力伝達装置によってホイール32からシリンダロッド16に推力を伝達し、ハンドル10の操舵によって車両を直進させたり、左旋回や右旋回させたりすることが可能になる。
【0031】
(2)各部位(すなわち固定端22a,22bおよび固定端28a,28b)のうち少なくとも一つには、チェーン26a,26bの張力を調整する調整手段として、張力調整ネジ30a,30bを備えた{図1等を参照}。この構成によれば、チェーン26a,26bの張力を調整できるので、適切な張力を維持することができる。よって、チェーン26a,26bを長期間に渡って使用できるようになる。
また、従来技術ではホイール32に相当する部材以外に備えた二つのスプロケットによってチェーンに張力を与える必要があったが、本発明ではホイール32のみで済む。よって、コストを低く抑えることができる。
【0032】
(3)固定端22a,22bから延びるチェーン26a,26bと、シリンダロッド16の軸中心とがほぼ並行となるような位置にホイール32を備えた{図3等を参照}。シリンダロッド16は軸中心に沿って往復運動することから、推力もまた当該軸中心に沿うことになる。この構成によれば、固定端28a,28bから延びるチェーン26a,26bとシリンダロッド16の軸中心とをほぼ並行にしたので、図4に示す垂直抗力F6がほとんど働かなくなり、推力の伝達に生ずるロスを最小限に抑えることができる。
【0033】
(4)ホイール32の中心に対して固定端22aとは反対側のホイール32に固定端28bを備え、ホイール32の中心に対して固定端22bとは反対側のホイール32に固定端28aを備えた{図1,図5等を参照}。この構成によってチェーン26a,26bがホイール32の近傍でクロスし、ホイール32の外周面に接触する部位が短くなる。したがって、チェーン26a,26bの長さを短く抑えることができる。
【0034】
〔他の実施の形態〕
上述した操舵用推力伝達装置であって、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、次の各形態を実施することもできる。
(1)上述した実施の形態では、車両として、三輪フォークリフトに本発明を適用した。この形態に代えて、他の車両(例えば自動車,原動機付き自転車等)や、軌道用車両(例えば電車,機関車等)、飛行機、船舶、ロケット等のように、往復運動するロッドと回転運動する回転部材との間で推力を伝達する機関に対して本発明を適用することも可能である。これらの機関であっても、操舵用推力伝達装置を小型化するとともに、コストを低く抑えることができる。
【0035】
(2)上述した実施の形態では、固定端22aと固定端28aとの間にチェーン26aを固定して掛け渡し、固定端22bと固定端28bとの間にチェーン26bを固定して掛け渡した{図1等を参照}。この形態に代えて、チェーン26a,26bの一方または双方について交換可能な形態で、固定端22a,22bと固定端28a,28bとの間にそれぞれ掛け渡す構成としてもよい。例えばネジ止めしたり、割りピン等で各端部を留める。こうすれば、チェーン等の索条部材が切断したり延び切った場合などで、容易に交換することが可能になる。
【0036】
(3)上述した実施の形態では、第1の索条部材としてのチェーン26aと、第2の索条部材としてのチェーン26bとを用い、二の索条部材を備える構成とした{図1,図2等を参照}。この形態に代えて、シリンダロッド16からホイール32に推力を伝達可能な他の索条部材(例えばワイヤ,ベルト等)を用いて操舵用推力伝達装置を構成してもよく、一の索条部材(例えばチェーン,ワイヤ,ベルト等)のみを用いて操舵用推力伝達装置を構成してもよい。
【0037】
例えば図1と同様にして、一の索条部材を用いて操舵用推力伝達装置を構成した例を図8に示す。図8において、固定端22aと固定端22bとの間には一のワイヤ44を掛け渡す。また、ホイール32から離れる部位でワイヤ44が互いに干渉するのを防止するため、ホイール32の外周面ではワイヤ44を螺旋状に周回させる。この構成では、ワイヤ44が接触するホイール32の外周面を介して、シリンダロッド16とホイール32との間で推力を伝達する。推力の伝達ロスを低減するには、ワイヤ44とホイール32との間の摩擦力を高める手段や、ワイヤ44をホイール32の外周面に向けて矢印D20方向に押圧する押圧部材46(例えばローラや平滑面を有する棒状部材等)を備えるのが望ましい。
【0038】
摩擦力を高める手段としては、例えばホイール32の外周面およびチェーン26a,26bのうちで一方または双方について凹凸を設けたり、ホイール32の外周面を非平滑面で形成する等が該当する。このような構成であっても、従来技術のように干渉防止のための距離を保つ必要がなく、しかもシリンダロッド16に対する曲げモーメントを小さく抑えることができる。そのため、装置を小型化することができ、シリンダロッド16に大きな剛性を必要としない。またワイヤ44を用いたことにより、打ちつけ音をほぼ無くすことができる。したがって、コストを低く抑えることができる。なお、図1等に示すチェーン26a,26bに代えてワイヤ44を用いてもよく、図8(あるいは後述する図9)に示すワイヤ44に代えてチェーン26a,26bを用いてもよい。この点は、ワイヤ44に限らず他の索条部材(例えばベルト等)を用いた場合も同様である。
【0039】
(4)上述した実施の形態では、ホイール32の断面を円形状に構成した{図1等を参照}。この形態に代えて、ホイール32の断面を他の形状(例えば楕円形や多角形など)に構成してもよい。例えばホイール32の断面を六角形状に構成した例を図9に示す。本例では、角部分を通じて推力を伝達することになる。よって、上述した実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。なお、図8の例と同様にしてワイヤ44をホイール32の外周面に押圧する押圧部材46を備えると、より確実に推力を伝達することが可能になる。
【0040】
(5)上述した実施の形態では、シリンダロッド16のほぼ軸中心(すなわち外周面よりも内部側)に固定端22a,22bを備える構成とした{図1,図3等を参照}。この形態に代えて、図10の例に示すようにシリンダロッド16の外周面に固定端22a,22bを備えてもよい。当該固定端22a,22bには、張力調整ネジ30a,30bを備えるのが望ましい。固定端22a,22bを設ける位置がシリンダロッド16の軸中心から径方向に離れてゆくにつれて、シリンダロッド16を曲げようとする曲げモーメントが大きくなる。しかし、従来技術ではシリンダロッド16の外周面から離れた位置のヘッドに設置したのに比べて、シリンダロッド16の外周面に固定端22a,22bを備えたので、当該シリンダロッド16の剛性を従来よりも低くしても曲げモーメントに対抗することができる。よって、従来よりも剛性の低いシリンダロッド16を用いることができる点でコストを低く抑えることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、小型化するとともに、コストを低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操舵用推力伝達装置を模式的に示す平面図である。
【図2】操舵用推力伝達装置を模式的に示す側面図である。
【図3】推力の伝達を説明する図である。
【図4】推力の伝達を説明する図である。
【図5】中立状態における操舵用推力伝達装置や後輪を示す図である。
【図6】右旋回状態における操舵用推力伝達装置や後輪を示す図である。
【図7】左旋回状態における操舵用推力伝達装置や後輪を示す図である。
【図8】操舵用推力伝達装置を模式的に示す平面図である。
【図9】操舵用推力伝達装置を模式的に示す平面図である。
【図10】操舵用推力伝達装置を模式的に示す平面図である。
【符号の説明】
10 ハンドル
12 操舵軸
14 パワーアシスト機構
16 シリンダロッド(ロッド)
18(18a,18b) 支持部材
20(20a,20b) スライドレール
22a 固定端(第1部位)
22b 固定端(第2部位)
24a,24b ストッパ
26a チェーン(第1の索条部材)
26b チェーン(第2の索条部材)
28a 固定端(第4部位)
28b 固定端(第3部位)
30a,30b 張力調整ネジ(調整手段)
32 ホイール(回転部材)
36 従動軸
38 従動輪(車輪)
40 フォークリフト(車両)
42 駆動輪(車輪)
44 ワイヤ(索条部材)
46 押圧部材

Claims (5)

  1. 往復運動するロッドと、回転運動する回転部材とを備え、前記ロッドと前記回転部材とを掛け渡す索条部材を通じて操舵用の推力を伝達する車両の操舵用推力伝達装置であって、
    前記ロッドの外周面または当該外周面よりも内部側には第1部位および第2部位を備え、
    前記回転部材の外周部には第3部位および第4部位を備え、
    前記第1部位と前記第3部位との間で掛け渡す第1の索条部材と、前記第2部位と前記第4部位との間で掛け渡す第2の索条部材とを前記回転部材の近傍でクロスさせる構成とした車両の操舵用推力伝達装置。
  2. 往復運動するロッドと、回転運動する回転部材と、当該回転部材に掛け渡した索条部材とを備え、前記ロッドと前記回転部材との間で索条部材を通じて操舵用の推力を伝達する車両の操舵用推力伝達装置であって、
    前記ロッドの外周面または当該外周面よりも内部側には第1部位および第2部位を備え、
    前記回転部材の外周面を周回させたうえで、前記第1部位と前記第2部位との間で前記索条部材を掛け渡す索条部材を有する車両の操舵用推力伝達装置。
  3. 請求項2に記載した車両の操舵用推力伝達装置であって、
    回転部材の外周面と索条部材との間で摩擦力を高める手段を有する車両の操舵用推力伝達装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載した車両の操舵用推力伝達装置であって、
    前記各部位のうち少なくとも一つには、索条部材の張力を調整する調整手段を有する車両の操舵用推力伝達装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載した車両の操舵用推力伝達装置であって、
    第1部位および第2部位から延びる索条部材と、ロッドの軸中心とがほぼ並行となる位置に回転部材を備える車両の操舵用推力伝達装置。
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