JP2004339938A - 内燃機関用管体 - Google Patents

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Takuya Ono
拓也 小野
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Abstract

【課題】集合管に対する分岐管の挿入長さを適宜に調節することができ、しかも集合管の内周面と分岐管の外周面との間に隙間が形成されることを防止することができる内燃機関用管体を提供する。
【解決手段】集合管20の先端部には、断面長円状をなす嵌合部22を形成する。嵌合部22の断面形状及び寸法は、その長手方向の各部で一定にする。分岐管30,40の先端部には、ストレート管部33,43を形成する。ストレート管部33,43の断面形状及び寸法は、その長手方向の各部で一定にする。ストレート管部33,43は、当接平面32,43どうしを互いに接触させた状態で嵌合部22に嵌合固定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、集合管の一端部に複数の分岐管が嵌合固定されてなる、排気管その他の内燃機関用管体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に従来の内燃機関用管体の一例を示す。この内燃機関用管体1は、排気管の一部として用いられるものであり、集合管2と、二つの分岐管3,4とを備えている。集合管2は、断面円形をなしているが、その先端部(分岐管3,4側の端部)には拡大部2aと嵌合部2bとが、基端側から先端側へ向って順次形成されている。拡大部2aは、断面長円状をなしている。しかも、拡大部2aは、短軸方向の長さは一定であるが、長軸方向の長さが先端側へ向うにしたがって長くなっている。この結果、拡大部2aの長軸方向における両端部は、テーパ状をなしている。嵌合部2bは、長軸方向の長さの長くなる割合が拡大部2aより小さくなっている点を除き、拡大部2aと同様に形成されている。したがって、嵌合部2bの長軸方向における両端部もテーパ状をなしている。
【0003】
分岐管3,4は、断面円形に形成されているが、先端部(集合管2側の端部)には挿入部3a,4aがそれぞれ形成されている。挿入部3a,4aは、断面「D」字状をなしており、それぞれの外周面の互いに対向する一側部には当接平面3b,4bが形成されている。当接平面3b,4bは、分岐管3,4の軸線に対して傾斜している。当接平面3b,4bの傾斜角度は、嵌合部2bの長軸方向における両端部の傾斜角度と同一に設定されている。
【0004】
挿入部3a,4aは、当接平面3b,4bを互いに接触させると、断面形状が嵌合部2bとほぼ相似な形状になる。しかも、挿入部3a,4aの当接平面3b,4bと逆側の外周面はテーパ状になり、そのテーパ角度は嵌合部2bのテーパ角度と同一になる。この結果、挿入部3a,4aが嵌合部2bに挿入可能になっている。そして、挿入部3a,4aは、長軸方向の両端部が嵌合部2bの長軸方向の両端部に隙間なく嵌り込むまで挿入された後、嵌合部2bに溶接固定されるとともに、互いに溶接固定されることにより、分岐管部3,4が集合管2に連結固定されている。なお、挿入部3a,4aを溶接するとき、分岐管3,4の基端側部分が当接平面3b,4bの傾斜角度の分だけ後方へ向うにしたがって漸次互いに離れるので、溶接を容易に行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−117734号公報(第3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の管体1においては、嵌合部2bの内周面の長軸方向における両端部をテーパ状にするとともに、分岐管3,4の挿入部3a,4aの長軸方向における両端部をテーパ状にしているため、嵌合部2bに対する挿入部3a,4aの挿入長さが各管体1毎に大きくばらついてしまい、その結果管体1の全長(管体1の軸線方向における長さ)に誤差が生じるという問題があった。逆に、管体1の全長を一定にするために、挿入部3a,4aの嵌合部2bに対する挿入長さを一定にしようとする、挿入部3a,4aを嵌合部2bに挿入することができなかったり、嵌合部2bの長軸方向における両端部と各挿入部3a,4aとの間に比較的大きな隙間が生じてしまうことがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、一端部に断面長孔状をなす嵌合部が形成された集合管と、上記嵌合部の断面における長手方向の両端部に一端部がそれぞれ挿入された二つの分岐管とを備え、上記二つの分岐管がその一端側から他端側へ向かうにしたがって互いに離間するように、上記嵌合部の軸線に対して傾斜させられ、上記二つの分岐管の外周面の互いに対向する側部が上記嵌合部の軸線と平行な当接平面とされた内燃機関用管体において、上記嵌合部の断面形状をその軸線に沿う各部で一様にし、上記分岐管の上記嵌合部に挿入される一端部に、軸線が上記嵌合部の軸線と平行で、断面形状が一様であるストレート管部を形成し、各分岐管のストレート管部を上記嵌合部の長軸方向における両端部にそれぞれ嵌め込んだことを特徴としている。
この場合、上記二つの分岐管の上記当接平面どうしが互いに接触していてもよく、あるいは上記二つの分岐管の間に、軸線を上記嵌合部の軸線と平行にした他の分岐管が配置され、この分岐管の両側面が上記二つの分岐管の当接平面にそれぞれ面接触した状態で上記二つの分岐管の上記ストレート管部及び上記他の分岐管が上記嵌合部に嵌め込まれていてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1(A)〜(E)は、この発明の一実施の形態を示す。この実施の形態の内燃機関用管体10は、1本の集合管20と、2本の分岐管30,40とを備えている。そして、集合管20の一端部(図1(A)において右端部。以下、先端部という。)に分岐管30,40の一端部(図1(A)において左端部。以下、先端部という。)が挿入固定されることによって管体10が構成されている。
【0009】
集合管20は、全体的には断面円形の管体として形成されているが、その先端部には拡大部21と嵌合部22とが基端側から先端縁に向って順次形成されている。拡大部21及び嵌合部22は、それぞれの軸線を集合管20の断面円形をなす部分の軸線L1と一致させている。拡大部21は、上記従来のものと同様に構成されている。つまり、拡大部21は、(B)に示すように、断面長円状をなしている。しかも、拡大部21の長軸方向の長さは、基端側から先端側へ向って漸次長くなっている。したがって、拡大部21の長軸方向の両端部は、テーパ状をなしている。一方、嵌合部22は、断面長円状をなしている。この点は上記従来のものと同様である。しかし、嵌合部22は、上記従来のものと異なり、その全長にわたって一定の寸法及び一定の断面形状を有している。したがって、嵌合部22は、長軸方向の両端部がテーパ状をなすことなく、外周面のいずれの箇所も軸線と平行に延びている。嵌合部22の断面形状は、拡大部21の先端縁の断面形状と同一であり、嵌合部22と拡大部21とは、それらの間に段差が生じることなく連続している。
【0010】
分岐管30,40は、図1(E)に示すように、全体的には断面円形の管体として形成されているが、それぞれの先端部には挿入部31,41が形成されている。挿入部31,41は、それぞれの外周面の互いに対向する箇所に当接平面32,42が形成されることにより、図1(D)に示すように、断面D字状をなしている。当接平面32,42は、分岐管30,40の断面円形をなす部分の軸線L2,L3に対して所定角度α(例えば、15°程度)だけ傾斜している。したがって、当接平面32,42どうしを互いに接触させると、分岐管30,40は、角度2αだけ互いに傾斜し、当接平面32,42から後端側へ向うにしたがって互いに離れる。このような構成は、上記従来の分岐管と同様である。
【0011】
分岐管30,40は、次の点で上記従来の分岐管と相違している。すなわち、分岐管30,40の挿入部31,41の先端部には、ストレート管部33,43が形成されている。ストレート管部33,43は、分岐管部30,40の軸線L2,L3に対して当接平面32,42と同一角度αだけ傾斜している。したがって、当接平面32,42を互いに接触させて集合管20の軸線上に位置させるとともに、分岐管30,40を集合管20の軸線L1に対し嵌合部31,41の長軸方向に角度αだけそれぞれ傾斜した状態に配置すると、ストレート管部33,43は軸線L1と平行になり、嵌合部22と平行になる。
【0012】
ストレート管部33,43は、図1(C)に示すように、断面D字状をなしており、それぞれの断面形状及び寸法は、ストレート管部33,43の全長にわたって一定に形成されている。しかも、ストレート管部33,43の外周面の断面形状及び寸法は、当接平面32,42の両端部及びその近傍を除き、嵌合部22の内周面の長軸方向における一端部と他端部との各断面形状及び寸法と同一に設定されている。つまり、ストレート管部33,43は、上下の向きが異なるだけであり、嵌合部22の軸線から長軸方向の一端部及び他端部と同一形状、寸法になっている。したがって、ストレート管部33,43は、嵌合部22にほとんど隙間なく嵌合可能であり、当接平面32,42を互いに接触させた状態で嵌合部22の長軸方向における一端部と他端部とにそれぞれ嵌合されている。そして、ストレート管部33,43は、溶接等によって嵌合部22に固定されるとともに、互いに固定されている。
【0013】
上記構成の内燃機関用管体10においては、嵌合部22をテーパ状にすることなく、断面形状及び寸法を一定にするとともに、嵌合部22に嵌合される分岐管30,40のストレート管部33,43の断面形状及び寸法も一定にしているから、管体10の全長が一定になるように、嵌合部22に対するストレート管部33,43の挿入長さを適宜に調節することができる。しかも、嵌合部22に対するストレート管部33,43の挿入長さを各管体10毎に調節したとしても、それによって嵌合部22の内周面とストレート管部33,43の各外周面との間に隙間が形成されることはない。
【0014】
分岐管30,40の挿入部31,41、当接平面32,42及びストレート管部33,43は、例えば図2〜図4に示すようにして成形することができる。これらの図に示す成形方法では、芯金50が用いられる。芯金50は、図2に示すように、分岐管30(40)にその先端開口部から挿入される。この場合、芯金50は、分岐管30(40)に対して角度αだけ傾斜した状態で挿入される。図3に示すように、芯金50は、分岐管30(40)に所定の長さだけ挿入される。ここで、芯金50は、挿入部31(41)に対応する箇所からさらに前方側(分岐管30,40の基端側)へ挿入されるが、挿入部31(41)より前方の部分は、分岐管30(40)の内周面に単に接触するか、内周面から離れており、成形に関与することはない。しかし、挿入部31(41)に対応する箇所では、当接平面32(42)を成形するための平面部51が形成されるとともに、当接平面32(42)の両端部に続く挿入部31(41)の平坦な両側面を成形するための平面部52,53が形成されている。また、ストレート管部33(43)に対応する部分は、ストレート管部33(43)と同一の断面形状、寸法を有している。
【0015】
芯金50を分岐管30(40)図3に示す所定の位置まで挿入すると、嵌合部22の長軸方向の端部に対応するストレート管部31の外周部が成形される。この場合、ストレート管部31の外周部は、芯金50が分岐管30(40)に対して角度αだけ傾斜しているので、分岐管30(40)に対して角度αだけ傾斜した状態で成形される。その後、図4に示すように、分岐管30(40)の外周面の図4における下部を金型60によって芯金50の平面部51に押し付けるとともに、他の金型(図示せず)によって分岐管30(40)の図5における左右の側部を芯金50の平面部52,53に押し付け、分岐管30(40)の先端部を芯金50に対応した断面形状に成形する。これにより、分岐管30(40)の先端部に挿入部31(41)、当接平面32(42)及びストレート管部33(43)が成形される。成形完了後、芯金50は分岐管30(40)から引き抜かれる。
【0016】
図6〜図8は、この発明の他の実施の形態を示す。この実施の形態の内燃機関用管体10′においても、分岐管30,40のストレート管部33,43が嵌合部22の長軸方向の両端部にそれぞれ挿入されている。この点は、上記の実施の形態と同様であるが、この実施の形態では、当接平面32,42が互いに接触することなく、嵌合部22の長軸方向に互いに離れている。したがって、分岐管30,40全体が嵌合部22の長軸方向に離れて配置されている。互いに離れて配置された分岐管30,40の間には、軸線L4を集合管L1の軸線と一致させた分岐管(他の分岐管)70が配置されている。
【0017】
分岐管70は、断面円形の管体として形成されているが、その先端部(集合管20側の端部)には、断面略四角形の挿入部71が形成されている。この挿入部71の断面形状及び寸法は、当接平面32,42及び嵌合部22の短軸方向の内面とによって囲まれる略四角形をなす部分の断面形状及び寸法とほぼ同一になっている。そして、挿入部71は、嵌合部22の長軸方向(図6において上下方向)に位置する両側面を当接平面32,42に接触させた状態で、ストレート管部33,43と一緒に嵌合部22に挿入されている。勿論、挿入部71は、嵌合部22に溶接等によって固定されるとともに、ストレート管部33,43にも固定されている。その他の構成は、上記の実施の形態と同様である。したがって、上記の実施の形態と同様の効果が得られる。
【0018】
なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、分岐管30,40を、上下対称に配置した点を除き、互いに同一形状、同一寸法に形成しているが、異なる寸法形状にしてもよい。例えば、嵌合部22の長軸方向におけるストレート管部33,43の長さを互いに異なる長さにしてもよい。そのようにした場合、図1に実施の形態では、当接平面32,42が集合管20の軸線L1に対して嵌合部22の長軸方向に離れた個所において互いに接触することになり、また、図6に示す実施例では、分岐管71の挿入部の軸線(分岐管70の軸線L4)が集合管20の軸線L1と一致することなく平行になる。これから明かなように、この発明において「他の分岐管70の軸線L4が集合管20の軸線L1と平行」とは、両軸線L1,L4が一致する場合を含む。
また、上記の実施の形態においては、嵌合部22の両端部に形成された半円状をなす円弧部を平行な二つの側壁部によって連結することにより、嵌合部22を断面長円状に形成しているが、嵌合部22を断面長方形状にしてもよい。これらを含めてこの発明では、嵌合部22を断面長孔状と称している。
さらに、上記の実施の形態においては、嵌合部22の軸線を集合管20の軸線L1と一致させているが、軸線L1に対して離間させて平行にしてもよく、あるいは軸線L1に対して傾斜させてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、集合管の嵌合部に対する各分岐管のストレート管部の挿入長さを適宜に調節することができ、それによって内燃機関用管体の全長を一定にすることができ、しかも嵌合部に対するストレート管部の挿入長さを各管体毎に調節したとしても、それによって嵌合部の内周面とストレート管部の各外周面との間に隙間が形成されるような事態が発生するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す図であって、図1(A)はその主要部の断面図、図1(B)、(C)、(D)、(E)は、それぞれ図1(A)のB−B線、C−C線、D−D線、E−E線に沿う断面図である。
【図2】分岐管に芯金を用いて挿入部及びストレート管部を成形するための一方法を説明するための図であって、芯金を分岐管に挿入する前の状態を示している。
【図3】同方法において、芯金を分岐管に所定の位置まで挿入した状態を示している。
【図4】同方法において、分岐管の外側に配置した金型により、分岐管を芯金に押圧接触させて成形する状態を示している。
【図5】図5(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、それぞれ図3のA−A線、B−B線、C−C線、D−D線、E−E線に沿う断面図であり、図5(F)は図4のF−F線に沿う断面図である。
【図6】この発明の他の実施の形態を示す図であって、図6(A)はその主要部の断面図、図6(B)、(C)はそれぞれ図6(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
【図7】図6(A)のX−X線に沿う断面図である。
【図8】図6(A)のY−Y線に沿う断面図である。
【図9】従来の内燃機関用管体の一例を示す図であって、図9(A)はその主要部を示す断面図、図9(B)、(C)はそれぞれ図9(A)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。
【符号の説明】
10 内燃機関用管体
10′ 内燃機関用管体
20 集合管
22 嵌合部
30 分岐管
32 当接平面
33 ストレート管部
40 分岐管
42 当接平面
43 ストレート管部
70 分岐管(他の分岐管)

Claims (3)

  1. 一端部に断面長孔状をなす嵌合部が形成された集合管と、上記嵌合部の断面における長手方向の両端部に一端部がそれぞれ挿入された二つの分岐管とを備え、上記二つの分岐管がその一端側から他端側へ向かうにしたがって互いに離間するように、上記嵌合部の軸線に対して傾斜させられ、上記二つの分岐管の外周面の互いに対向する側部が上記嵌合部の軸線と平行な当接平面とされた内燃機関用管体において、
    上記嵌合部の断面形状をその軸線に沿う各部で一様にし、上記分岐管の上記嵌合部に挿入される一端部に、軸線が上記嵌合部の軸線と平行で、断面形状が一様であるストレート管部を形成し、各分岐管のストレート管部を上記嵌合部の長軸方向における両端部にそれぞれ嵌め込んだことを特徴とする内燃機関用管体。
  2. 上記二つの分岐管の上記当接平面どうしが互いに接触していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関用管体。
  3. 上記二つの分岐管の間に、軸線を上記嵌合部の軸線と平行にした他の分岐管が配置され、この分岐管の両側面が上記二つの分岐管の当接平面にそれぞれ面接触した状態で上記二つの分岐管の上記ストレート管部及び上記他の分岐管が上記嵌合部に嵌め込まれていることを特徴とする内燃機関用管体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007321627A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Sakamoto Industry Co Ltd 排気管の接続構造

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