JP2004339831A - 指紋認証式無線通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させる。
【解決手段】携帯機11は、携帯機側指紋データを複数の部分データに分割し、各部分データに対して個別に対応する識別子を付与する。一方、認証装置21は、携帯機側指紋データと対応するように、認証側指紋データの部分データへの分割及び識別子の付与を行うとともに、該付与した識別子のうちの1つを任意に選択し、その選択した識別子を含むリクエスト信号を送信する。携帯機11は、リクエスト信号を受信すると、該リクエスト信号に含まれる識別子と対応する部分データを無線信号に変換して外部に送信する。そして、認証装置21は、認証側指紋データのうちのリクエスト信号に含まれる識別子と対応する部分データと、受信した無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて携帯機11の認証成立の可否を判断する。
【選択図】 図1
【解決手段】携帯機11は、携帯機側指紋データを複数の部分データに分割し、各部分データに対して個別に対応する識別子を付与する。一方、認証装置21は、携帯機側指紋データと対応するように、認証側指紋データの部分データへの分割及び識別子の付与を行うとともに、該付与した識別子のうちの1つを任意に選択し、その選択した識別子を含むリクエスト信号を送信する。携帯機11は、リクエスト信号を受信すると、該リクエスト信号に含まれる識別子と対応する部分データを無線信号に変換して外部に送信する。そして、認証装置21は、認証側指紋データのうちのリクエスト信号に含まれる識別子と対応する部分データと、受信した無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて携帯機11の認証成立の可否を判断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋認証方式を用いた無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、所有者(ユーザ)によって所持される通信機能を有する携帯機と、制御対象物に設けられた通信装置との間で無線通信を行う無線通信システムを利用して、該制御対象物を遠隔制御する遠隔制御システムが知られている。
【0003】
例えば、自動車(車両)においては、その基本性能や安全性の向上はもとより、その操作性の向上が求められている。そこで、こうした操作性の向上を目的として、前記無線通信システムを利用した車両用遠隔制御システムが提案されている。
【0004】
具体的には、例えば特許文献1に記載の車両用遠隔操作装置(車両用遠隔制御システム)では、通信機能を有する携帯機を所持したユーザが車両室内に進入すると、車両に配設された送受信装置(通信装置)と携帯機との間で自動的に相互通信が行われるスマート通信制御が行われるようになっている。そして、この車両用遠隔操作装置では、その相互通信が確立したことを条件としてエンジンが始動可能な状態となり、このエンジン始動可能な状態で車両室内に設けられた操作部が操作されることによってエンジンが始動されるようになっている。このため、ユーザは、車両に搭乗して操作部を操作するだけでエンジンを始動させることができることとなる。よって、エンジンを始動させるための操作性が向上する。
【0005】
ところで、この車両用遠隔操作装置における携帯機及び送受信装置には、対応して設定されたIDコードが予め記録されている。そして、携帯機と送受信装置との相互通信時には、該IDコードを含むIDコード信号が携帯機から送信され、送受信装置は、該IDコード信号に含まれるIDコードと自身に記録されたIDコードとの比較(照合)を行う。そして、これらIDコード同士が一致したことを条件として、送受信装置はエンジンを始動可能な状態にするようになっている。
【0006】
こうした車両用遠隔制御システムでは、通常、IDコードを暗号化して携帯機からIDコード信号を送信することにより、IDコードの解読を防止するようになっている。しかしながら、一般にこうしたIDコードは、例えば8ビットの2値パターンからなるディジタル信号などによって構成されており、それほど複雑な構成になっていない。このため、こうした車両用遠隔制御システムでは、機械キーに比べて複製しにくいものの、携帯機が複製されてしまうおそれがないとは言えない。
【0007】
一方、従来、指紋認証を用いたセキュリティ装置も提案されている。一般に、指紋データは1指あたり数百バイトの情報量(データ量)を有し、その情報量は前記IDコードの50〜200倍程度となっている。このため、こうしたセキュリティ装置では、指紋データはデータ量が多いことと、指紋は個人毎に異なることなどから、携帯機の複製が非常に困難となる。そこで、前記車両用遠隔制御システムのセキュリティレベルをさらに向上させるためには、該車両用遠隔制御システムに指紋認証を適用することが考えられる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−311333号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両用遠隔制御システムに指紋認証を単純に適用すると、指紋データを無線によって通信する際に、指紋データのデータ量が多いことに起因して通信時間が長くなり、通信応答性が悪くなってしまうという問題が生じる。また、こうした問題を解消するために通信速度を上げると、携帯機の消費電力量が増してしまい、同携帯機のバッテリ寿命が短くなってしまうという問題が生じる。
【0010】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることができる指紋認証式無線通信システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、携帯機側指紋データが格納され、その携帯機側指紋データの一部を無線信号に変換して送信する携帯機と、認証側指紋データが予め格納され、前記携帯機から送信された前記無線信号を受信した際に、前記携帯機側指紋データの一部と認証側指紋データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証を行う認証装置とを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記認証装置は、前記認証側指紋データを複数の部分データに分割する認証側データ分割処理と、その認証側データ分割処理によって分割された複数の部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データの選択情報を送信する選択情報送信処理とを備え、前記携帯機は、前記認証側指紋データと対応するように前記携帯機側指紋データの前記部分データへの分割を実行する携帯機側データ分割処理と、該分割された前記携帯機側指紋データの各部分データの中から、前記認証装置によって選択された部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出して出力する自動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記部分データを無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、前記認証装置は、前記選択した部分データと前記携帯機から送信された無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段をさらに備えることを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記携帯機は、操作に応じて操作信号を出力する操作部と、前記指紋データを複数の部分データに分割する携帯機側データ分割処理と、前記操作部からの操作信号に基づき、前記部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データ及び該部分データの選択情報を含む制御指令信号を出力する手動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記制御指令信号を無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、前記認証装置は、前記携帯機側指紋データと対応するように前記認証側指紋データの前記部分データへの分割を実行する認証側データ分割処理と、前記認証側指紋データの各部分データの中から、前記無線信号に含まれる前記部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出し、その選出した部分データと該無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段を備えることを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記操作部は、操作された際に指紋データを取得し、その取得した指紋データを前記操作信号として出力し、前記データ制御手段は、該操作信号に基づいて前記携帯機側データ分割処理及び前記手動出力処理とを行うことを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記認証装置は、複数の前記認証側指紋データを格納可能なデータ格納手段と、それら格納された各指紋データに個別に対応した態様で制御対象を制御する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0016】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、指紋データに基づいた無線通信による認証が行われるため、携帯機の複製が困難となる。しかも、携帯機からは指紋データの一部が無線通信されるため、指紋データ全体が無線通信される場合に比べて通信速度が早くなる。また、携帯機の通信負担も減るため、同携帯機の消費電力量の増加も抑制される。よって、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によると、認証装置から送信された選択情報が携帯機によって受信されると、その選択情報と対応する部分データを含む無線信号が携帯機から送信される。そして、その無線信号が認証装置によって受信されると、認証装置による携帯機の認証が行われる。すなわち、認証装置は、携帯機との相互通信(双方向通信)によって認証を行う。この場合、携帯機は選択情報と対応する部分データのみを無線信号として送信するだけである。選択情報は認証装置によって選択されるため、たとえ携帯機からの無線信号が傍受されて部分データが解読され、その後にその部分データが認証装置に不正に送信されても、その部分データが選択情報と対応するとは限らない。よって、認証装置は、不正に送信された部分データを含む無線信号を受信しても、その部分データによって認証を成立しなくなる。それゆえ、当該指紋認証式無線通信システムのセキュリティレベルが一層向上する。
【0018】
請求項3に記載の発明によると、携帯機は、操作部から操作信号が入力されると、指紋データの一部である部分データと、その部分データの選択情報とを無線信号に変換して送信する。認証装置は、無線信号を受信すると、認証側指紋データのうち、受信した選択情報と対応する部分データと無線信号に含まれる部分データとを比較して携帯機の認証を行う。このため、認証装置は、携帯機から送信された無線信号に含まれる部分データが、指紋データのうちのどの部分に相当するかを容易に認識することができる。よって、認証装置による認証処理が簡単となり、処理時間も短くなる。
【0019】
ちなみに、操作部からの操作信号に基づいて送信される無線信号に識別子が含まれていない場合、認証装置は、無線信号に含まれる部分データを、認証側指紋データの全ての部分データと比較することが必要となるため、認証処理時間が長くなってしまう。
【0020】
請求項4に記載の発明によると、携帯機は、取得した指紋データに基づいて携帯機側データ分割処理と手動出力処理とを行う。つまり、指紋データを携帯機に予め格納しておく必要がなくなるため、たとえ携帯機が紛失したり盗難されたりしても、該携帯機との無線通信によって認証装置が認証成立と判断してしまうことはない。
【0021】
請求項5に記載の発明によると、認証装置は、携帯機から送信された無線信号に含まれる指紋データと一致(認証成立)した指紋データに基づき、個別の態様で制御対象を制御する。すなわち、認証装置は、携帯機との認証が成立すると、その認証が成立した指紋データと対応した態様で制御対象を制御する。このため、例えば指紋認証式無線通信システムを車両用遠隔制御システムに具体化し、車両のシートポジションやミラーポジションを駆動制御する制御装置にユーザ毎の指紋データを対応させれば、シートポジションやミラーポジションをユーザに合わせて自動的に調節させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の指紋認証式無線通信システムを車両用遠隔制御システムに具体化した第1実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1に示すように、車両用遠隔制御システム1は、車両2の所有者(ユーザ)によって所持される携帯機11と、車両2内に配設された認証装置21とを備えている。
【0024】
携帯機11は、受信回路12と、送信手段としての送信回路13と、データ制御手段としての携帯機側マイクロコンピュータ(携帯機側マイコン)14と、操作部15とを備えている。
【0025】
受信回路12には、受信アンテナ12a及び携帯機側マイコン14が電気的に接続されている。この受信回路12は、認証装置21から送信されるリクエスト信号を受信アンテナ12aによって受信すると、その信号をパルス信号に復調して携帯機側マイコン14に対して出力する。
【0026】
送信回路13には、送信アンテナ13a及び携帯機側マイコン14が接続されている。この送信回路13は、同携帯機側マイコン14から出力された応答信号または制御指令信号を所定周波数(本実施形態では314MHz)の電波に変調し、送信アンテナ13aを介して外部に送信する。
【0027】
携帯機側マイコン14は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、不揮発性のメモリ14aを備えている。このメモリ14aは、1つまたは複数の指紋データ(携帯機側指紋データ)を記録可能に構成されている。図2に示すように、所定の登録モードにおいて外部から指紋データD(ここでは携帯機側指紋データを指す)が入力されると、携帯機側マイコン14は、その指紋データDのデータ分割処理(携帯機側データ分割処理)を行う。このデータ分割処理において携帯機側マイコン14は、入力された指紋データDを複数(ここでは100個)の部分データD1〜D100に分割する。また、携帯機側マイコン14は、各部分データD1〜D100に対して選択情報としての識別子d1〜d100を付与する。具体的には、携帯機側マイコン14は、第1部分データD1に対して第1識別子d1を付与し、第2部分データD2に対して第2識別子d2を付与する。すなわち、各部分データD1〜D100には、それぞれ対応する番号の識別子d1〜d100が付与される。そして、携帯機側マイコン14は、これら部分データD1〜D100と識別子d1〜d100とをメモリ14aに記録する。よって、外部から指紋データDが入力されると、メモリ14aには、部分データD1〜D100に分割された指紋データDと、それら部分データD1〜D100に対応づけて付与された識別子d1〜d100とが記録される。
【0028】
携帯機側マイコン14は、受信回路12からリクエスト信号が入力されると、送信回路13に対して応答信号を出力する自動出力処理を行う。詳しくは、自動出力処理時において携帯機側マイコン14は、受信回路12からリクエスト信号が入力されると、そのリクエスト信号に含まれる識別子(d1〜d100のいずれか1つ)と対応する部分データD1〜D100をメモリ14aから読み出す。そして、携帯機側マイコン14は、その読み出した部分データD1〜D100を応答信号として送信回路13に対して出力する。具体的には、例えばリクエスト信号に第1識別子d1が含まれている場合、携帯機側マイコン14は、該第1識別子d1と対応づけられた第1部分データD1をメモリ14aから読み出し、その第1部分データD1を応答信号として送信回路13に対して出力する。よって、送信回路13から送信アンテナ13aを介して該応答信号が電波として送信される。
【0029】
また、携帯機側マイコン14には操作部15が電気的に接続されている。本実施形態において操作部15は、携帯機11の意匠面に設けられた押しボタンスイッチによって構成され、同操作部15が押圧操作されるとその押圧操作信号が携帯機側マイコン14に入力される。詳しくは、操作部15は2つの押しボタンスイッチによって構成され、一方は施錠用スイッチで他方は解錠用スイッチとなっている。そして、携帯機側マイコン14は、この押圧操作信号が入力されると、前記リクエスト信号の入力の有無に拘わらず、送信回路13に対して制御指令信号を出力する手動出力処理を行う。詳しくは、手動出力処理時において携帯機側マイコン14は、操作部15から押圧操作信号が入力されると、メモリ14aに記録された各識別子d1〜d100のうちのいずれか1つを任意に選択して読み出す。それとともに、携帯機側マイコン14は、その選択した識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100も併せて読み出す。そして、携帯機側マイコン14は、該読み出した識別子d1〜d100及び部分データD1〜D100を制御指令信号として送信回路13に対して出力する。具体的には、例えば第15識別子d15を選択した場合、携帯機側マイコン14は、その第15識別子d15と、第15部分データD15とを制御指令信号として送信回路13に対して出力する。よって、送信回路13から送信アンテナ13aを介して該制御指令信号が電波として送信される。また、携帯機側マイコン14は、前記施錠用スイッチが押圧操作された場合には施錠コードを該制御指令信号に付与し、前記解錠用スイッチが押圧操作された場合には解錠コードを該制御指令信号に付与する。
【0030】
一方、認証装置21は、送信回路22、受信回路23及び認証制御手段としての認証側マイクロコンピュータ(認証側マイコン)24を備えている。
送信回路22は車両2の所定箇所に配設され、同送信回路22には送信アンテナ22a及び認証側マイコン24が電気的に接続されている。この送信回路22は、認証側マイコン24から出力されるリクエスト信号を所定周波数(ここでは134kHz)の電波に変調し、その電波を送信アンテナ22aを介して車両周辺の所定領域及び車両室内の所定領域に選択的に送信する。
【0031】
受信回路23には、受信アンテナ23a及び認証側マイコン24が電気的に接続されている。この受信回路23は、携帯機11から送信される応答信号や制御指令信号を受信アンテナ23aによって受信すると、その信号をパルス信号に復調して認証側マイコン24に対して出力する。
【0032】
認証側マイコン24は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、データ格納手段としての不揮発性のメモリ24aを備えている。このメモリ24aは、1つまたは複数の指紋データ(認証側指紋データ)を記録可能に構成されている。認証側マイコン24は、図2に示した前記携帯機側マイコン14のデータ分割処理と同様に、所定の登録モードにおいて外部から指紋データD(ここでは認証側指紋データを指す)が入力されると、その指紋データDのデータ分割処理(認証側データ分割処理)を行う。すなわち、認証側マイコン24は、携帯機側指紋データDと対応するように、(認証側)指紋データDの部分データD1〜D100への分割及び前記識別子d1〜d100の付与を実行する。よって、外部から指紋データDが入力されると、メモリ24aには、部分データD1〜D100に分割された指紋データDと、それら部分データD1〜D100に対応づけて付与された識別子d1〜d100とが記録される。
【0033】
こうした認証側マイコン24は、携帯機11に対して応答信号の送信を要求するリクエスト信号送信処理を行う。詳しくは、認証側マイコン24は、送信回路22に対してリクエスト信号を所定の間欠周期で自動的に出力する。このリクエスト信号の出力に際して、認証側マイコン24は、まずメモリ24aから識別子d1〜d100のうちのいずれか1つを任意に選択して読み出す。そして、認証側マイコン24は、その読み出した識別子d1〜d100を含むリクエスト信号を送信回路22に対して出力する。よって、送信回路22から送信アンテナ22aを介して該リクエスト信号が電波として車両2の周辺の所定領域または車両室内の所定領域に選択的に送信される。なお、認証側マイコン24は、車両2の駐車状態で室内にユーザが存在していない状態などの条件下において、車両2の周辺の所定領域に前記リクエスト信号を送信させるようになっている。これに対し、認証側マイコン24は、エンジン停止状態において車両室内にユーザが存在している場合(存在していると推測される場合も含む)に、車両室内の所定領域に前記リクエスト信号を送信させるようになっている。また、本実施形態において、認証側マイコン24は、リクエスト信号を出力する際には、所定のタイミングで識別子d1〜d100を選択し直すようになっている。ちなみに、「所定のタイミング」としては、リクエスト信号を出力する度毎、同一の識別子d1〜d100によるリクエスト信号の出力を所定回数行った毎、車外へのリクエスト信号の送信と室内へのリクエスト信号の送信とが切り換わる毎などが具体例として挙げられる。
【0034】
また、認証側マイコン24には、ドアロック駆動装置31、エンジン始動装置32及び各種電装品33が電気的に接続されている。
ドアロック駆動装置31は、ドア錠を施解錠するアクチュエータを備え、認証側マイコン24から入力された電気信号(解錠制御信号、施錠制御信号)に基づいて同アクチュエータの駆動制御を行う装置である。詳しくは、ドアロック駆動装置31は、認証側マイコン24から解錠制御信号が入力されると前記アクチュエータを駆動してドア錠を解錠させ、施錠制御信号が入力されると該アクチュエータを駆動してドア錠を施錠させる。また、このドアロック駆動装置31は、ドア錠の施解錠状態を示す信号(施解錠状態信号)を認証側マイコン24に対して出力する。このため、認証側マイコン24は、この施解錠状態信号に基づいてドア錠の施解錠状態を認識可能となる。
【0035】
エンジン始動装置32は、セルモータ(図示略)の駆動制御を行う装置である。このエンジン始動装置32は、認証側マイコン24から駆動許可信号が入力されたときにセルモータの駆動を許可し、車両室内に設けられた操作部(図示略)が操作されたことを条件として該セルモータの駆動を行ってエンジンを始動させる。また、エンジン始動装置32は、エンジンの駆動状態を示す信号(駆動状態信号)を認証側マイコン24に対して出力する。このため、認証側マイコン24は、この駆動状態信号に基づいてエンジンの駆動状態を認識可能となる。
【0036】
そして、認証側マイコン24は、携帯機11との相互通信に基づくスマート通信制御と、携帯機11からの単方向通信に基づく手動通信制御とを行うようになっている。
【0037】
<1>スマート通信制御
認証側マイコン24は、リクエスト信号に応答して携帯機11から送信された前記応答信号が受信回路23によって受信されると、その応答信号に含まれる部分データD1〜D100と、該リクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100との比較(データ照合)を行う。具体的には、例えば第1識別子d1がリクエスト信号に含まれている場合、通常は携帯機11から第1部分データD1を含む応答信号が送信される。このため、認証側マイコン24は、該応答信号が入力されると、その応答信号に含まれる第1部分データD1と、メモリ24aに記録された第1部分データD1との比較を行う。
【0038】
そして、認証側マイコン24は、それら第1部分データD1同士が一致した場合、すなわち携帯機11の認証が成立した場合、前記ドアロック駆動装置31または前記エンジン始動装置32の制御を行う。詳しくは、入力された携帯機11からの応答信号が車外に送信されたリクエスト信号に応答して送信されたものである場合、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31の制御を行う。より詳しくは、車両2のドア錠が施錠状態で携帯機11の認証が成立すると、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記解錠制御信号を出力してドア錠を解錠させる。また、ドア錠の解錠状態において該認証が成立しなくなると、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記施錠制御信号を出力してドア錠を施錠させる。一方、入力された携帯機11からの応答信号が車両室内に送信されたリクエスト信号に応答して送信されたものである場合、認証側マイコン24は、エンジン始動装置32の制御を行う。より詳しくは、車両室内において携帯機11の認証が成立すると、認証側マイコン24は、エンジン始動装置32に対して駆動許可信号を出力し、セルモータの駆動を可能な状態にする。
【0039】
<2>手動通信制御
また、認証側マイコン24は、携帯機11から送信された前記制御指令信号が受信回路23によって受信されると、認証側指紋データDのうち、該制御指令信号に含まれる識別子d1〜d100と対応づけられた部分データD1〜D100をメモリ24aから読み出す。そして、認証側マイコン24は、該読み出した部分データD1〜D100と、制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100との比較(データ照合)を行う。具体的には、例えば制御指令信号に第15識別子d15が含まれている場合、認証側マイコン24は、第15識別子d15と対応づけられた第15部分データD15をメモリ24aから読み出し、その第15部分データD15に基づいて前記データ照合を行う。
【0040】
そして、認証側マイコン24は、携帯機11の認証が成立した場合に、前記ドアロック駆動装置31の施解錠制御を行う。詳しくは、前記制御指令信号に施錠コードが含まれている場合、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記施錠制御信号を出力してドア錠を施錠させる。これに対し、前記制御指令信号に解錠コードが含まれている場合、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記解錠制御信号を出力してドア錠を解錠させる。
【0041】
次に、このように構成された車両用遠隔制御システム1の動作態様を図3及び図4に従って説明する。
<1>スマート通信制御時の動作態様
携帯機11は、図3にステップP1で示すように前記携帯機側指紋データ(指紋データD)を取得すると、ステップP2で示すように前記携帯機側データ分割処理を行い、データ登録を完了する。
【0042】
また、認証装置21は、ステップC1で示すように前記認証側指紋データ(指紋データD)を取得すると、ステップC2で示すように前記認証側データ分割処理を行い、データ登録を完了する。データ登録が完了すると、認証装置21は、ステップC3で示すように、前記部分データD1〜D100に対応して付与した各識別子d1〜d100の中から任意に1つを選択する。そして、ステップC4で示すように、認証装置21は、その選択した識別子d1〜d100を含むリクエスト信号を車両2の周辺の所定領域または車両室内の所定領域に選択的に送信する。すなわち、認証装置21は、リクエスト信号送信処理を実行する。
【0043】
携帯機11は、ステップP3で示すように、リクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100を応答信号として送信する自動出力処理を実行する。
【0044】
そして、その応答信号を受信すると認証装置21は、ステップC5で示すように前記スマート通信制御における認証処理を行い、該認証が成立するとステップC6で示すようにドア錠の解錠またはエンジンの始動を許可する。
【0045】
このため、こうした携帯機11と認証装置21との相互通信により、ユーザは、何ら操作を行うことなくドア錠を自動的に施解錠させたり、携帯機11やメカニカルキーを用いることなくエンジンを始動させたりすることができるようになる。
【0046】
<2>手動通信制御時の動作態様
図4に示すように、携帯機11及び認証装置21は、まず前記データ登録を完了する。
【0047】
携帯機11は、ステップP11で示すように操作部15が操作されると、ステップP12で示すように各識別子d1〜d100の中から任意に1つを選択する。そして、ステップP13で示すように携帯機11は、選択した識別子d1〜d100に基づいて前記制御指令信号を送信する手動出力処理を実行する。このため、この制御指令信号には、選択した識別子d1〜d100と、その識別子d1〜d100と対応づけられた部分データD1〜D100とが含まれている。
【0048】
そして、その制御指令信号を受信すると認証装置21は、ステップC11で示すように前記手動通信制御における認証処理を行い、該認証が成立すると、ステップC12で示すようにドア錠の施解錠を行う。
【0049】
このため、携帯機11の操作部15を操作することにより、ユーザは、認証装置21との相互通信が成立していない状態であっても遠隔操作によってドア錠を施解錠させることができるようになる。
【0050】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)車両用遠隔制御システム1ではユーザの指紋データDを用いた無線通信による認証が行われるため、携帯機11の複製が困難となる。しかも、携帯機11からは指紋データDの一部が無線通信されるため、指紋データD全体が無線通信される場合に比べて通信速度が早くなる。また、携帯機11の通信負担も減るため、同携帯機11の消費電力量の増加も抑制される。よって、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることができる。
【0051】
(2)スマート通信制御では、認証装置21から送信されたリクエスト信号を受信したことを条件として携帯機11から無線信号が送信され、その無線信号を受信することにより認証装置21による携帯機11の認証が行われる。すなわち、認証装置21は、携帯機11との相互通信(双方向通信)によって認証を行う。この場合、携帯機11はリクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100のみを無線信号として送信するだけである。そして、リクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100は任意に選択されるようになっている。このため、たとえ部分データD1〜D100のうちの1つが解読され、該部分データD1〜D100が認証装置21に不正に送信されても、その部分データD1〜D100と対応する識別子d1〜d100がリクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応するとは限らない。よって、認証装置21は、不正に送信された部分データD1〜D100を含む無線信号を受信しても、その部分データD1〜D100によって認証を成立しなくなる。それゆえ、車両用遠隔制御システム1のセキュリティレベルを一層向上させることができる。
【0052】
(3)携帯機11は、操作部15から押圧操作信号が入力されると、携帯機側指紋データ(指紋データD)の一部である部分データD1〜D100と、その部分データD1〜D100と対応する識別子d1〜d100とを制御指令信号として送信する。認証装置21は、該制御指令信号を受信すると、認証側指紋データ(指紋データD)のうち、受信した識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100と制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100とを比較して携帯機11の認証を行う。このため、認証装置21は、携帯機11から送信された制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100が、指紋データDのうちのどの部分に相当するかを容易に認識することができる。よって、認証装置21による認証処理が簡単となり、処理時間も短くなる。
【0053】
ちなみに、制御指令信号に識別子d1〜d100が含まれていない場合、認証装置21は、制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100を、認証側指紋データ(指紋データD)の全ての部分データD1〜D100と比較することが必要となるため、認証処理時間が長くなってしまう。したがって、制御指令信号に識別子d1〜d100を含ませることは、認証処理時間の短縮に大きく貢献することとなる。
【0054】
(4)携帯機11のメモリ14a及び認証装置21のメモリ24aには、予め分割処理された指紋データDの部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が記録されている。このため、携帯機11と認証装置21との通信時毎に指紋データDを分割処理する必要がなく、携帯機側マイコン14及び認証側マイコン24の処理負担を軽減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を車両用遠隔制御システムに具体化した第2実施形態を図1、図5及び図6に基づいて説明する。ここでは第1実施形態と相違する点を主に述べ、共通する点については同一部材番号を付すのみとしてその説明を省略する。
【0055】
本第2実施形態において、携帯機11の操作部15には、操作された際に指紋データを取得可能な指紋データ読み取り部が設けられている。詳しくは、操作部15の操作面には、押圧操作を行ったユーザの指の表面を光学的にスキャンする読み取り部が設けられている。そして、操作部15は、指紋データを読み取ると、その読み取った指紋データ(図5に示す第1指紋データDa及び第2指紋データDb)を携帯機側マイコン14に対して出力する。そして、携帯機側マイコン14は、図5に示すように、例えば第1指紋データDaが入力されると、前記第1実施形態と同様に、その第1指紋データDaのデータ分割処理を行う。具体的には、第1指紋データDaを複数(ここでは100個)の部分データDa1〜Da100に分割するとともに、それら分割した部分データDa1〜Da100に対応づけした識別子da1〜da100を付与する。携帯機側マイコン14のメモリ14aは、前記予め登録された指紋データDとは別の領域に該部分データDa1〜Da100及び識別子da1〜da100を記録するようになっている。
【0056】
そして、携帯機側マイコン14は、該識別子da1〜da100の中から1つを任意に選択し、その選択した識別子da1〜da100と、該識別子da1〜da100と対応づけられた部分データDa1〜Da100とを含む制御指令信号を送信回路13に対して出力する。このため、送信回路13から送信アンテナ13aを介して該制御指令信号が外部に送信される。
【0057】
また、携帯機側マイコン14は、例えば第2指紋データDbが入力されると、その第2指紋データDbを部分データDb1〜Db100に分割するとともに、それら分割した部分データDb1〜Db100に対応づけした識別子db1〜db100を付与する。そして、メモリ14aは、第1指紋データDaがメモリ14aに記録されている状態にあっては、第1指紋データDaの部分データDa1〜Da100及び識別子da1〜da100を抹消し、同領域に第2指紋データDbの部分データDb1〜Db100及び識別子db1〜db100を記録するようになっている。この場合、携帯機側マイコン14は、該識別子db1〜db100の中から1つを任意に選択し、その選択した識別子db1〜db100と、該識別子db1〜db100と対応づけられた部分データDb1〜Db100とを含む制御指令信号を送信回路13に対して出力する。
【0058】
一方、図1に示すように、本実施形態の認証側マイコン24には、制御対象としての各種電装品33が電気的に接続されている。各種電装品33は、例えば車両2の室内においてユーザの癖や体型などによって調整されるものであり、具体的にはルームミラー、電動ドアミラー、電動式シート調節装置(パワーシート)、ステアリングの電動式チルト機構などである。こうした各種電装品33は、ユーザによって調整された状態を記憶しており、認証側マイコン24からユーザ情報信号が入力されると、該記憶した調整状態となるように自動的に駆動するようになっている。
【0059】
また、認証側マイコン24のメモリ24aは、前記第1実施形態における指紋データDに加え、図5に示した第1指紋データDa及び第2指紋データDbなど、異なる指紋データD,Da,Dbを記録可能となっている。
【0060】
そして、認証側マイコン24は、携帯機11から送信された応答信号や制御指令信号が入力されると、前記認証処理を行う。例えば、識別子da1及び部分データDa1を含む制御指令信号が入力された場合、認証側マイコン24は、該識別子da1と、その識別子da1と対応づけられた部分データDa1をメモリ24aから読み込む。そして、認証側マイコン24は、その読み込んだ部分データDa1と制御指令信号に含まれる部分データDa1との比較を行い、それらが一致した場合に携帯機11の認証が成立したと判断して、前記ドアロック駆動装置31の施解錠制御を行う。また、それとともに、認証側マイコン24は、各種電装品33の個別制御を行う。この個別制御を行うにあたり、各種電装品33のポジションデータなどが、各指紋データD,Da,Dbと対応づけられた状態でメモリ24aに記録されている。例えば指紋データDと対応するユーザ(オーナ)のシートポジションやミラーポジションのデータなどは、指紋データDと対応づけられた状態でメモリ24aに記録されている。このため、認証側マイコン24は、指紋データDに基づいて携帯機11の認証が成立した場合には、該指紋データDと対応づけられたポジションデータなどに基づいて各種電装品33の駆動を制御する。よって、該ユーザは、何ら操作を行うことなく、シートポジションやミラーポジションなどを最適な位置に自動的に調節させることができる。
【0061】
次に、このように構成された車両用遠隔制御システム1の個別制御時の動作態様を図6に従って説明する。
<3>個別制御時の動作態様
携帯機11は、図6にステップP21で示すように操作部15により例えば第1指紋データDaまたは第2指紋データDbを取得すると、ステップP22で示すように該取得した指紋データDa,Dbのデータ分割処理を行う。データ分割処理を完了すると、携帯機11は、ステップP23で示すように、識別子da1〜da100,db1〜db100の中から任意に1つを選択する。そして、ステップP24で示すように、携帯機11は、選択した識別子da1〜da100,db1〜db100に基づいて前記制御指令信号を送信する前記手動出力処理を実行する。このため、この制御指令信号には、選択した識別子da1〜da100,db1〜db100と、その識別子da1〜da100,db1〜db100と対応づけられた部分データDa1〜Da100,Db1〜Db100とが含まれている。
【0062】
一方、認証装置21は、データ登録が完了した状態で携帯機11から送信された制御指令信号を受信すると、ステップC21で示すように前記認証処理を行い、該認証が成立すると、ステップC22で示すようにドア錠の施解錠及び各種電装品33の個別制御を行う。
【0063】
このため、携帯機11の操作部15を操作することにより、ユーザは、認証装置21との相互通信が成立していない状態であっても遠隔操作によってドア錠を施解錠させることができるようになるとともに、各種電装品33の個別制御(最適制御)を行わせることができるようになる。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、前記第1実施形態における上記(1)〜(4)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)携帯機11は、操作部15によって指紋データ(第1指紋データDa及び第2指紋データDb)を取得した場合、その取得した指紋データに基づいて、携帯機側データ分割処理と手動出力処理とを行う。そして、認証装置21は、携帯機11から送信された無線信号(応答信号または制御指令信号)に含まれる指紋データD,Da,Dbと一致(認証成立)した指紋データD,Da,Dbに基づき、個別の態様で各種電装品33を制御する。すなわち、認証装置21は、携帯機11との認証が成立すると、その認証が成立した指紋データD,Da,Dbと対応した態様で各種電装品33を制御する。このため、例えば各種電装品33としてルームミラー、電動ドアミラー、電動式シート調節装置(パワーシート)、ステアリングの電動式チルト機構などを適用させれば、シートポジションやミラーポジションをユーザに合わせて自動的に調節させることができる。よって、携帯機11の操作者に最適な車両2の各種制御を自動的に行わせることができる。
【0065】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記第1実施形態において、認証装置21のメモリ24aは、複数の指紋データ(認証側指紋データ)を記録可能となっていてもよい。このようにすれば、それぞれ別の指紋データが登録された複数の携帯機11との通信によってドア錠の施解錠やエンジンの始動許可を行わせることができる。
【0066】
・ 前記第1実施形態では、リクエスト信号には認証側マイコン24によって選択された識別子d1〜d100が含まれている。しかし、リクエスト信号には、こうした識別子d1〜d100は含まれていなくてもよい。なお、この場合、携帯機11は、リクエスト信号を受信した際に、前記手動制御時の動作態様と同様に、識別子d1〜d100の中から任意に選択し、その選択した識別子d1〜d100と、該識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100とを含む応答信号を送信する必要がある。
【0067】
・ 前記第2実施形態において携帯機11は、指紋データDを予め登録可能となっており、該登録により、指紋データDの部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100をメモリ14aに記録するようになっている。しかし、携帯機11は、指紋データDを予め登録できないようになっていてもよい。すなわち、携帯機11は、操作部15によって取得された指紋データ(例えば第1指紋データDaや第2指紋データDb)をメモリ14aに一時的に記録するようになっていてもよい。このようにすれば、通常、携帯機11には指紋データが登録されていない状態となるため、たとえ携帯機が紛失したり盗難されたりしても、該携帯機11との無線通信によって認証装置21が認証成立と判断してしまうことはない。なお、この場合には、携帯機11と認証装置21との相互通信(双方向通信)が不能となるため、遠隔制御によるエンジンの始動許可制御は不能となる。
【0068】
・ 前記第2実施形態において認証装置21は、各種電装品33の個別制御を行うようになっている。しかし、認証装置21は、こうした個別制御を行わないようになっていてもよい。また、該個別制御を前記第1実施形態において行うようにしてもよい。
【0069】
・ 前記各実施形態において携帯機11のメモリ14a及び認証装置21のメモリ24aには、指紋データDを分割した部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が記録されるようになっている。しかし、該メモリ14a,24aは、必ずしも指紋データD,Da,Dbを分割した状態で記録していなくてもよい。なお、この場合、携帯機側マイコン14及び認証側マイコン24は、通信時に指紋データD,Da,Dbのデータ分割処理を行うようになっている必要がある。
【0070】
・ 前記各実施形態において携帯機側マイコン14及び認証側マイコン24は、指紋データDを分割した際に、部分データD1〜D100に対して識別子d1〜d100を付与するようになっている。そして、携帯機11のメモリ14a及び認証装置21のメモリ24aには、指紋データDを分割した部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が記録されるようになっている。しかし、該メモリ14a,24aの記録領域に対する部分データD1〜D100の配列順序が同一となるように設定されていれば、該メモリ14a,24aには、識別子d1〜d100が記録されないようになっていてもよい。また、識別子d1〜d100の付与自体が行われないようになっていてもよい。このように変更した場合、携帯機11のメモリ14aに記録されている部分データD1〜D100の順番を示す番号に対応する部分データD1〜D100と、認証装置21のメモリ24aに記録されている部分データD1〜D100の順番を示す番号に対応する部分データD1〜D100とが一致する。このため、識別子d1〜d100の代わりに部分データD1〜D100の順番を示す番号を携帯機11と認証装置21との間で通信させれば、認証装置21は対応する部分データD1〜D100同士の比較を確実に行うことができる。よって、この場合には、部分データD1〜D100の順番を示す番号を選択情報として機能させることができる。なお、ここでは指紋データDについての変更態様のみを説明したが、第2実施形態における第1指紋データDa及び第2指紋データDbについても同様に変更してもよい。
【0071】
・ 前記各実施形態では、指紋データDを100個の部分データD1〜D100に分割するようになっている。しかし、指紋データDは、100個に限らず、99個以下や101個以上の部分データに分割されてもよい。なお、この場合、識別子d1〜d100も指紋データDの分割個数に合わせて付与される必要がある。
【0072】
・ 前記各実施形態では、携帯機11と認証装置21との間で、相互通信(双方向通信)と単方向通信が行われるようになっている。しかし、第1実施形態においては、携帯機11と認証装置21との間で、相互通信のみまたは単方向通信のみが行われるようになっていてもよい。そして、第2実施形態においては、携帯機11と認証装置21との間で、単方向通信のみが行われるようになっていてもよい。例えば携帯機11と認証装置21との間で単方向通信のみが行われるようにした場合、携帯機11の受信回路12と認証装置21の送信回路22とを省略することができるとともに、各マイコン14,24の処理の単純化を図ることができるようになる。
【0073】
・ 前記各実施形態において、携帯機11及び認証装置21に対する指紋データDの登録は、個別に行うようになっていてもよいし、一方(例えば携帯機11)のみに登録し、そのデータを通信によって他方(例えば認証装置21)に登録するようになっていてもよい。この場合、一方(例えば携帯機11)のみがデータ分割処理を行い、他方(例えば認証装置21)はデータ分割処理を行わなくてもよくなるため、携帯機11または認証装置21の処理負担が軽減する。
【0074】
・ 前記各実施形態において携帯機11及び認証装置21は、外部から入力された指紋データDを部分データD1〜D100に分割するデータ分割処理を行うようになっている。しかし、携帯機11及び認証装置21は、予め分割された指紋データDの部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が外部から入力されるようになっていてもよい。
【0075】
・ 前記各実施形態において、車両用遠隔制御システム1は、ドア錠の施解錠制御とエンジン始動許可制御とを行うようになっている。しかし、車両用遠隔制御システム1は、ドア錠の施解錠制御及びエンジン始動許可制御のうちの一方のみを行うようになっていてもよい。
【0076】
・ 指紋認証式無線通信システムは、車両用遠隔制御システム1に限らず、例えば住宅用ドア錠の施解錠を無線通信によって行う住宅用遠隔施解錠制御システムなど、種々の無線通信システムに適用されてもよい。
【0077】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記携帯機側指紋データ及び前記認証側指紋データは、それぞれ対応関係を有する複数の部分データに分割されており、前記認証装置は、分割された前記認証側指紋データにおける各部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データの選択情報を送信する選択情報送信処理とを備え、前記携帯機は、分割された前記携帯機側指紋データにおける各部分データの中から、前記認証装置によって選択された部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出して出力する自動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記部分データを無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、前記認証装置は、前記選択した部分データと前記携帯機から送信された無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段をさらに備えること。
【0078】
(2) 請求項2〜5のいずれか1項に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記携帯機及び前記認証装置のうちの少なくとも一方は、前記データ分割処理によって分割された前記指紋データの部分データ及び前記識別子を格納するデータ格納手段を備えていること。この技術的思想(2)によれば、携帯機と認証装置との通信時における処理負担を軽減することができる。
【0079】
(3) 請求項1〜5、技術的思想(2)のいずれか1項に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、当該指紋認証式無線通信システムは、車両の電装品を遠隔制御する車両用遠隔制御システムであること。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることができる。
【0081】
請求項2に記載の発明によれば、指紋認証式無線通信システムのセキュリティレベルを一層向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、認証装置による認証処理が簡単となり、処理時間も短くなる。
【0082】
請求項4に記載の発明によれば、指紋認証式無線通信システムのセキュリティレベルをより一層向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態のデータ分割処理を模式的に示す説明図。
【図3】第1実施形態のスマート通信制御時の動作態様を示すシーケンスチャート。
【図4】同実施形態の手動通信制御時の動作態様を示すシーケンスチャート。
【図5】第2実施形態のデータ分割処理を模式的に示す説明図。
【図6】同実施形態の個別制御時の動作態様を示すシーケンスチャート。
【符号の説明】
1…指紋認証式無線通信システムとしての車両用遠隔制御システム、2…車両、11…携帯機、13…送信手段としての送信回路、14…データ制御手段としての携帯機側マイクロコンピュータ(携帯機側マイコン)、15…操作部、21…認証装置、22…リクエスト信号送信手段としての送信回路、24…認証制御手段としての認証側マイクロコンピュータ(認証側マイコン)、24a…データ格納手段としてのメモリ、33…制御対象としての各種電装品、D…携帯機側指紋データ及び認証側指紋データ、Da…第1指紋データ、Db…第2指紋データ、D1〜D100,Da1〜Da100,Db1〜Db100…部分データ、d1〜d100,da1〜da100,db1〜db100…識別子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋認証方式を用いた無線通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、所有者(ユーザ)によって所持される通信機能を有する携帯機と、制御対象物に設けられた通信装置との間で無線通信を行う無線通信システムを利用して、該制御対象物を遠隔制御する遠隔制御システムが知られている。
【0003】
例えば、自動車(車両)においては、その基本性能や安全性の向上はもとより、その操作性の向上が求められている。そこで、こうした操作性の向上を目的として、前記無線通信システムを利用した車両用遠隔制御システムが提案されている。
【0004】
具体的には、例えば特許文献1に記載の車両用遠隔操作装置(車両用遠隔制御システム)では、通信機能を有する携帯機を所持したユーザが車両室内に進入すると、車両に配設された送受信装置(通信装置)と携帯機との間で自動的に相互通信が行われるスマート通信制御が行われるようになっている。そして、この車両用遠隔操作装置では、その相互通信が確立したことを条件としてエンジンが始動可能な状態となり、このエンジン始動可能な状態で車両室内に設けられた操作部が操作されることによってエンジンが始動されるようになっている。このため、ユーザは、車両に搭乗して操作部を操作するだけでエンジンを始動させることができることとなる。よって、エンジンを始動させるための操作性が向上する。
【0005】
ところで、この車両用遠隔操作装置における携帯機及び送受信装置には、対応して設定されたIDコードが予め記録されている。そして、携帯機と送受信装置との相互通信時には、該IDコードを含むIDコード信号が携帯機から送信され、送受信装置は、該IDコード信号に含まれるIDコードと自身に記録されたIDコードとの比較(照合)を行う。そして、これらIDコード同士が一致したことを条件として、送受信装置はエンジンを始動可能な状態にするようになっている。
【0006】
こうした車両用遠隔制御システムでは、通常、IDコードを暗号化して携帯機からIDコード信号を送信することにより、IDコードの解読を防止するようになっている。しかしながら、一般にこうしたIDコードは、例えば8ビットの2値パターンからなるディジタル信号などによって構成されており、それほど複雑な構成になっていない。このため、こうした車両用遠隔制御システムでは、機械キーに比べて複製しにくいものの、携帯機が複製されてしまうおそれがないとは言えない。
【0007】
一方、従来、指紋認証を用いたセキュリティ装置も提案されている。一般に、指紋データは1指あたり数百バイトの情報量(データ量)を有し、その情報量は前記IDコードの50〜200倍程度となっている。このため、こうしたセキュリティ装置では、指紋データはデータ量が多いことと、指紋は個人毎に異なることなどから、携帯機の複製が非常に困難となる。そこで、前記車両用遠隔制御システムのセキュリティレベルをさらに向上させるためには、該車両用遠隔制御システムに指紋認証を適用することが考えられる。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−311333号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、車両用遠隔制御システムに指紋認証を単純に適用すると、指紋データを無線によって通信する際に、指紋データのデータ量が多いことに起因して通信時間が長くなり、通信応答性が悪くなってしまうという問題が生じる。また、こうした問題を解消するために通信速度を上げると、携帯機の消費電力量が増してしまい、同携帯機のバッテリ寿命が短くなってしまうという問題が生じる。
【0010】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることができる指紋認証式無線通信システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、携帯機側指紋データが格納され、その携帯機側指紋データの一部を無線信号に変換して送信する携帯機と、認証側指紋データが予め格納され、前記携帯機から送信された前記無線信号を受信した際に、前記携帯機側指紋データの一部と認証側指紋データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証を行う認証装置とを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記認証装置は、前記認証側指紋データを複数の部分データに分割する認証側データ分割処理と、その認証側データ分割処理によって分割された複数の部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データの選択情報を送信する選択情報送信処理とを備え、前記携帯機は、前記認証側指紋データと対応するように前記携帯機側指紋データの前記部分データへの分割を実行する携帯機側データ分割処理と、該分割された前記携帯機側指紋データの各部分データの中から、前記認証装置によって選択された部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出して出力する自動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記部分データを無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、前記認証装置は、前記選択した部分データと前記携帯機から送信された無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段をさらに備えることを要旨とする。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記携帯機は、操作に応じて操作信号を出力する操作部と、前記指紋データを複数の部分データに分割する携帯機側データ分割処理と、前記操作部からの操作信号に基づき、前記部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データ及び該部分データの選択情報を含む制御指令信号を出力する手動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記制御指令信号を無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、前記認証装置は、前記携帯機側指紋データと対応するように前記認証側指紋データの前記部分データへの分割を実行する認証側データ分割処理と、前記認証側指紋データの各部分データの中から、前記無線信号に含まれる前記部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出し、その選出した部分データと該無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段を備えることを要旨とする。
【0014】
請求項4に記載の発明では、請求項3に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記操作部は、操作された際に指紋データを取得し、その取得した指紋データを前記操作信号として出力し、前記データ制御手段は、該操作信号に基づいて前記携帯機側データ分割処理及び前記手動出力処理とを行うことを要旨とする。
【0015】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれか1項に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記認証装置は、複数の前記認証側指紋データを格納可能なデータ格納手段と、それら格納された各指紋データに個別に対応した態様で制御対象を制御する制御手段とを備えることを要旨とする。
【0016】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によると、指紋データに基づいた無線通信による認証が行われるため、携帯機の複製が困難となる。しかも、携帯機からは指紋データの一部が無線通信されるため、指紋データ全体が無線通信される場合に比べて通信速度が早くなる。また、携帯機の通信負担も減るため、同携帯機の消費電力量の増加も抑制される。よって、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によると、認証装置から送信された選択情報が携帯機によって受信されると、その選択情報と対応する部分データを含む無線信号が携帯機から送信される。そして、その無線信号が認証装置によって受信されると、認証装置による携帯機の認証が行われる。すなわち、認証装置は、携帯機との相互通信(双方向通信)によって認証を行う。この場合、携帯機は選択情報と対応する部分データのみを無線信号として送信するだけである。選択情報は認証装置によって選択されるため、たとえ携帯機からの無線信号が傍受されて部分データが解読され、その後にその部分データが認証装置に不正に送信されても、その部分データが選択情報と対応するとは限らない。よって、認証装置は、不正に送信された部分データを含む無線信号を受信しても、その部分データによって認証を成立しなくなる。それゆえ、当該指紋認証式無線通信システムのセキュリティレベルが一層向上する。
【0018】
請求項3に記載の発明によると、携帯機は、操作部から操作信号が入力されると、指紋データの一部である部分データと、その部分データの選択情報とを無線信号に変換して送信する。認証装置は、無線信号を受信すると、認証側指紋データのうち、受信した選択情報と対応する部分データと無線信号に含まれる部分データとを比較して携帯機の認証を行う。このため、認証装置は、携帯機から送信された無線信号に含まれる部分データが、指紋データのうちのどの部分に相当するかを容易に認識することができる。よって、認証装置による認証処理が簡単となり、処理時間も短くなる。
【0019】
ちなみに、操作部からの操作信号に基づいて送信される無線信号に識別子が含まれていない場合、認証装置は、無線信号に含まれる部分データを、認証側指紋データの全ての部分データと比較することが必要となるため、認証処理時間が長くなってしまう。
【0020】
請求項4に記載の発明によると、携帯機は、取得した指紋データに基づいて携帯機側データ分割処理と手動出力処理とを行う。つまり、指紋データを携帯機に予め格納しておく必要がなくなるため、たとえ携帯機が紛失したり盗難されたりしても、該携帯機との無線通信によって認証装置が認証成立と判断してしまうことはない。
【0021】
請求項5に記載の発明によると、認証装置は、携帯機から送信された無線信号に含まれる指紋データと一致(認証成立)した指紋データに基づき、個別の態様で制御対象を制御する。すなわち、認証装置は、携帯機との認証が成立すると、その認証が成立した指紋データと対応した態様で制御対象を制御する。このため、例えば指紋認証式無線通信システムを車両用遠隔制御システムに具体化し、車両のシートポジションやミラーポジションを駆動制御する制御装置にユーザ毎の指紋データを対応させれば、シートポジションやミラーポジションをユーザに合わせて自動的に調節させることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の指紋認証式無線通信システムを車両用遠隔制御システムに具体化した第1実施形態を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0023】
図1に示すように、車両用遠隔制御システム1は、車両2の所有者(ユーザ)によって所持される携帯機11と、車両2内に配設された認証装置21とを備えている。
【0024】
携帯機11は、受信回路12と、送信手段としての送信回路13と、データ制御手段としての携帯機側マイクロコンピュータ(携帯機側マイコン)14と、操作部15とを備えている。
【0025】
受信回路12には、受信アンテナ12a及び携帯機側マイコン14が電気的に接続されている。この受信回路12は、認証装置21から送信されるリクエスト信号を受信アンテナ12aによって受信すると、その信号をパルス信号に復調して携帯機側マイコン14に対して出力する。
【0026】
送信回路13には、送信アンテナ13a及び携帯機側マイコン14が接続されている。この送信回路13は、同携帯機側マイコン14から出力された応答信号または制御指令信号を所定周波数(本実施形態では314MHz)の電波に変調し、送信アンテナ13aを介して外部に送信する。
【0027】
携帯機側マイコン14は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、不揮発性のメモリ14aを備えている。このメモリ14aは、1つまたは複数の指紋データ(携帯機側指紋データ)を記録可能に構成されている。図2に示すように、所定の登録モードにおいて外部から指紋データD(ここでは携帯機側指紋データを指す)が入力されると、携帯機側マイコン14は、その指紋データDのデータ分割処理(携帯機側データ分割処理)を行う。このデータ分割処理において携帯機側マイコン14は、入力された指紋データDを複数(ここでは100個)の部分データD1〜D100に分割する。また、携帯機側マイコン14は、各部分データD1〜D100に対して選択情報としての識別子d1〜d100を付与する。具体的には、携帯機側マイコン14は、第1部分データD1に対して第1識別子d1を付与し、第2部分データD2に対して第2識別子d2を付与する。すなわち、各部分データD1〜D100には、それぞれ対応する番号の識別子d1〜d100が付与される。そして、携帯機側マイコン14は、これら部分データD1〜D100と識別子d1〜d100とをメモリ14aに記録する。よって、外部から指紋データDが入力されると、メモリ14aには、部分データD1〜D100に分割された指紋データDと、それら部分データD1〜D100に対応づけて付与された識別子d1〜d100とが記録される。
【0028】
携帯機側マイコン14は、受信回路12からリクエスト信号が入力されると、送信回路13に対して応答信号を出力する自動出力処理を行う。詳しくは、自動出力処理時において携帯機側マイコン14は、受信回路12からリクエスト信号が入力されると、そのリクエスト信号に含まれる識別子(d1〜d100のいずれか1つ)と対応する部分データD1〜D100をメモリ14aから読み出す。そして、携帯機側マイコン14は、その読み出した部分データD1〜D100を応答信号として送信回路13に対して出力する。具体的には、例えばリクエスト信号に第1識別子d1が含まれている場合、携帯機側マイコン14は、該第1識別子d1と対応づけられた第1部分データD1をメモリ14aから読み出し、その第1部分データD1を応答信号として送信回路13に対して出力する。よって、送信回路13から送信アンテナ13aを介して該応答信号が電波として送信される。
【0029】
また、携帯機側マイコン14には操作部15が電気的に接続されている。本実施形態において操作部15は、携帯機11の意匠面に設けられた押しボタンスイッチによって構成され、同操作部15が押圧操作されるとその押圧操作信号が携帯機側マイコン14に入力される。詳しくは、操作部15は2つの押しボタンスイッチによって構成され、一方は施錠用スイッチで他方は解錠用スイッチとなっている。そして、携帯機側マイコン14は、この押圧操作信号が入力されると、前記リクエスト信号の入力の有無に拘わらず、送信回路13に対して制御指令信号を出力する手動出力処理を行う。詳しくは、手動出力処理時において携帯機側マイコン14は、操作部15から押圧操作信号が入力されると、メモリ14aに記録された各識別子d1〜d100のうちのいずれか1つを任意に選択して読み出す。それとともに、携帯機側マイコン14は、その選択した識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100も併せて読み出す。そして、携帯機側マイコン14は、該読み出した識別子d1〜d100及び部分データD1〜D100を制御指令信号として送信回路13に対して出力する。具体的には、例えば第15識別子d15を選択した場合、携帯機側マイコン14は、その第15識別子d15と、第15部分データD15とを制御指令信号として送信回路13に対して出力する。よって、送信回路13から送信アンテナ13aを介して該制御指令信号が電波として送信される。また、携帯機側マイコン14は、前記施錠用スイッチが押圧操作された場合には施錠コードを該制御指令信号に付与し、前記解錠用スイッチが押圧操作された場合には解錠コードを該制御指令信号に付与する。
【0030】
一方、認証装置21は、送信回路22、受信回路23及び認証制御手段としての認証側マイクロコンピュータ(認証側マイコン)24を備えている。
送信回路22は車両2の所定箇所に配設され、同送信回路22には送信アンテナ22a及び認証側マイコン24が電気的に接続されている。この送信回路22は、認証側マイコン24から出力されるリクエスト信号を所定周波数(ここでは134kHz)の電波に変調し、その電波を送信アンテナ22aを介して車両周辺の所定領域及び車両室内の所定領域に選択的に送信する。
【0031】
受信回路23には、受信アンテナ23a及び認証側マイコン24が電気的に接続されている。この受信回路23は、携帯機11から送信される応答信号や制御指令信号を受信アンテナ23aによって受信すると、その信号をパルス信号に復調して認証側マイコン24に対して出力する。
【0032】
認証側マイコン24は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM等からなるCPUユニットであり、データ格納手段としての不揮発性のメモリ24aを備えている。このメモリ24aは、1つまたは複数の指紋データ(認証側指紋データ)を記録可能に構成されている。認証側マイコン24は、図2に示した前記携帯機側マイコン14のデータ分割処理と同様に、所定の登録モードにおいて外部から指紋データD(ここでは認証側指紋データを指す)が入力されると、その指紋データDのデータ分割処理(認証側データ分割処理)を行う。すなわち、認証側マイコン24は、携帯機側指紋データDと対応するように、(認証側)指紋データDの部分データD1〜D100への分割及び前記識別子d1〜d100の付与を実行する。よって、外部から指紋データDが入力されると、メモリ24aには、部分データD1〜D100に分割された指紋データDと、それら部分データD1〜D100に対応づけて付与された識別子d1〜d100とが記録される。
【0033】
こうした認証側マイコン24は、携帯機11に対して応答信号の送信を要求するリクエスト信号送信処理を行う。詳しくは、認証側マイコン24は、送信回路22に対してリクエスト信号を所定の間欠周期で自動的に出力する。このリクエスト信号の出力に際して、認証側マイコン24は、まずメモリ24aから識別子d1〜d100のうちのいずれか1つを任意に選択して読み出す。そして、認証側マイコン24は、その読み出した識別子d1〜d100を含むリクエスト信号を送信回路22に対して出力する。よって、送信回路22から送信アンテナ22aを介して該リクエスト信号が電波として車両2の周辺の所定領域または車両室内の所定領域に選択的に送信される。なお、認証側マイコン24は、車両2の駐車状態で室内にユーザが存在していない状態などの条件下において、車両2の周辺の所定領域に前記リクエスト信号を送信させるようになっている。これに対し、認証側マイコン24は、エンジン停止状態において車両室内にユーザが存在している場合(存在していると推測される場合も含む)に、車両室内の所定領域に前記リクエスト信号を送信させるようになっている。また、本実施形態において、認証側マイコン24は、リクエスト信号を出力する際には、所定のタイミングで識別子d1〜d100を選択し直すようになっている。ちなみに、「所定のタイミング」としては、リクエスト信号を出力する度毎、同一の識別子d1〜d100によるリクエスト信号の出力を所定回数行った毎、車外へのリクエスト信号の送信と室内へのリクエスト信号の送信とが切り換わる毎などが具体例として挙げられる。
【0034】
また、認証側マイコン24には、ドアロック駆動装置31、エンジン始動装置32及び各種電装品33が電気的に接続されている。
ドアロック駆動装置31は、ドア錠を施解錠するアクチュエータを備え、認証側マイコン24から入力された電気信号(解錠制御信号、施錠制御信号)に基づいて同アクチュエータの駆動制御を行う装置である。詳しくは、ドアロック駆動装置31は、認証側マイコン24から解錠制御信号が入力されると前記アクチュエータを駆動してドア錠を解錠させ、施錠制御信号が入力されると該アクチュエータを駆動してドア錠を施錠させる。また、このドアロック駆動装置31は、ドア錠の施解錠状態を示す信号(施解錠状態信号)を認証側マイコン24に対して出力する。このため、認証側マイコン24は、この施解錠状態信号に基づいてドア錠の施解錠状態を認識可能となる。
【0035】
エンジン始動装置32は、セルモータ(図示略)の駆動制御を行う装置である。このエンジン始動装置32は、認証側マイコン24から駆動許可信号が入力されたときにセルモータの駆動を許可し、車両室内に設けられた操作部(図示略)が操作されたことを条件として該セルモータの駆動を行ってエンジンを始動させる。また、エンジン始動装置32は、エンジンの駆動状態を示す信号(駆動状態信号)を認証側マイコン24に対して出力する。このため、認証側マイコン24は、この駆動状態信号に基づいてエンジンの駆動状態を認識可能となる。
【0036】
そして、認証側マイコン24は、携帯機11との相互通信に基づくスマート通信制御と、携帯機11からの単方向通信に基づく手動通信制御とを行うようになっている。
【0037】
<1>スマート通信制御
認証側マイコン24は、リクエスト信号に応答して携帯機11から送信された前記応答信号が受信回路23によって受信されると、その応答信号に含まれる部分データD1〜D100と、該リクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100との比較(データ照合)を行う。具体的には、例えば第1識別子d1がリクエスト信号に含まれている場合、通常は携帯機11から第1部分データD1を含む応答信号が送信される。このため、認証側マイコン24は、該応答信号が入力されると、その応答信号に含まれる第1部分データD1と、メモリ24aに記録された第1部分データD1との比較を行う。
【0038】
そして、認証側マイコン24は、それら第1部分データD1同士が一致した場合、すなわち携帯機11の認証が成立した場合、前記ドアロック駆動装置31または前記エンジン始動装置32の制御を行う。詳しくは、入力された携帯機11からの応答信号が車外に送信されたリクエスト信号に応答して送信されたものである場合、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31の制御を行う。より詳しくは、車両2のドア錠が施錠状態で携帯機11の認証が成立すると、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記解錠制御信号を出力してドア錠を解錠させる。また、ドア錠の解錠状態において該認証が成立しなくなると、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記施錠制御信号を出力してドア錠を施錠させる。一方、入力された携帯機11からの応答信号が車両室内に送信されたリクエスト信号に応答して送信されたものである場合、認証側マイコン24は、エンジン始動装置32の制御を行う。より詳しくは、車両室内において携帯機11の認証が成立すると、認証側マイコン24は、エンジン始動装置32に対して駆動許可信号を出力し、セルモータの駆動を可能な状態にする。
【0039】
<2>手動通信制御
また、認証側マイコン24は、携帯機11から送信された前記制御指令信号が受信回路23によって受信されると、認証側指紋データDのうち、該制御指令信号に含まれる識別子d1〜d100と対応づけられた部分データD1〜D100をメモリ24aから読み出す。そして、認証側マイコン24は、該読み出した部分データD1〜D100と、制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100との比較(データ照合)を行う。具体的には、例えば制御指令信号に第15識別子d15が含まれている場合、認証側マイコン24は、第15識別子d15と対応づけられた第15部分データD15をメモリ24aから読み出し、その第15部分データD15に基づいて前記データ照合を行う。
【0040】
そして、認証側マイコン24は、携帯機11の認証が成立した場合に、前記ドアロック駆動装置31の施解錠制御を行う。詳しくは、前記制御指令信号に施錠コードが含まれている場合、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記施錠制御信号を出力してドア錠を施錠させる。これに対し、前記制御指令信号に解錠コードが含まれている場合、認証側マイコン24は、ドアロック駆動装置31に対して前記解錠制御信号を出力してドア錠を解錠させる。
【0041】
次に、このように構成された車両用遠隔制御システム1の動作態様を図3及び図4に従って説明する。
<1>スマート通信制御時の動作態様
携帯機11は、図3にステップP1で示すように前記携帯機側指紋データ(指紋データD)を取得すると、ステップP2で示すように前記携帯機側データ分割処理を行い、データ登録を完了する。
【0042】
また、認証装置21は、ステップC1で示すように前記認証側指紋データ(指紋データD)を取得すると、ステップC2で示すように前記認証側データ分割処理を行い、データ登録を完了する。データ登録が完了すると、認証装置21は、ステップC3で示すように、前記部分データD1〜D100に対応して付与した各識別子d1〜d100の中から任意に1つを選択する。そして、ステップC4で示すように、認証装置21は、その選択した識別子d1〜d100を含むリクエスト信号を車両2の周辺の所定領域または車両室内の所定領域に選択的に送信する。すなわち、認証装置21は、リクエスト信号送信処理を実行する。
【0043】
携帯機11は、ステップP3で示すように、リクエスト信号を受信すると、そのリクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100を応答信号として送信する自動出力処理を実行する。
【0044】
そして、その応答信号を受信すると認証装置21は、ステップC5で示すように前記スマート通信制御における認証処理を行い、該認証が成立するとステップC6で示すようにドア錠の解錠またはエンジンの始動を許可する。
【0045】
このため、こうした携帯機11と認証装置21との相互通信により、ユーザは、何ら操作を行うことなくドア錠を自動的に施解錠させたり、携帯機11やメカニカルキーを用いることなくエンジンを始動させたりすることができるようになる。
【0046】
<2>手動通信制御時の動作態様
図4に示すように、携帯機11及び認証装置21は、まず前記データ登録を完了する。
【0047】
携帯機11は、ステップP11で示すように操作部15が操作されると、ステップP12で示すように各識別子d1〜d100の中から任意に1つを選択する。そして、ステップP13で示すように携帯機11は、選択した識別子d1〜d100に基づいて前記制御指令信号を送信する手動出力処理を実行する。このため、この制御指令信号には、選択した識別子d1〜d100と、その識別子d1〜d100と対応づけられた部分データD1〜D100とが含まれている。
【0048】
そして、その制御指令信号を受信すると認証装置21は、ステップC11で示すように前記手動通信制御における認証処理を行い、該認証が成立すると、ステップC12で示すようにドア錠の施解錠を行う。
【0049】
このため、携帯機11の操作部15を操作することにより、ユーザは、認証装置21との相互通信が成立していない状態であっても遠隔操作によってドア錠を施解錠させることができるようになる。
【0050】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)車両用遠隔制御システム1ではユーザの指紋データDを用いた無線通信による認証が行われるため、携帯機11の複製が困難となる。しかも、携帯機11からは指紋データDの一部が無線通信されるため、指紋データD全体が無線通信される場合に比べて通信速度が早くなる。また、携帯機11の通信負担も減るため、同携帯機11の消費電力量の増加も抑制される。よって、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることができる。
【0051】
(2)スマート通信制御では、認証装置21から送信されたリクエスト信号を受信したことを条件として携帯機11から無線信号が送信され、その無線信号を受信することにより認証装置21による携帯機11の認証が行われる。すなわち、認証装置21は、携帯機11との相互通信(双方向通信)によって認証を行う。この場合、携帯機11はリクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100のみを無線信号として送信するだけである。そして、リクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100は任意に選択されるようになっている。このため、たとえ部分データD1〜D100のうちの1つが解読され、該部分データD1〜D100が認証装置21に不正に送信されても、その部分データD1〜D100と対応する識別子d1〜d100がリクエスト信号に含まれる識別子d1〜d100と対応するとは限らない。よって、認証装置21は、不正に送信された部分データD1〜D100を含む無線信号を受信しても、その部分データD1〜D100によって認証を成立しなくなる。それゆえ、車両用遠隔制御システム1のセキュリティレベルを一層向上させることができる。
【0052】
(3)携帯機11は、操作部15から押圧操作信号が入力されると、携帯機側指紋データ(指紋データD)の一部である部分データD1〜D100と、その部分データD1〜D100と対応する識別子d1〜d100とを制御指令信号として送信する。認証装置21は、該制御指令信号を受信すると、認証側指紋データ(指紋データD)のうち、受信した識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100と制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100とを比較して携帯機11の認証を行う。このため、認証装置21は、携帯機11から送信された制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100が、指紋データDのうちのどの部分に相当するかを容易に認識することができる。よって、認証装置21による認証処理が簡単となり、処理時間も短くなる。
【0053】
ちなみに、制御指令信号に識別子d1〜d100が含まれていない場合、認証装置21は、制御指令信号に含まれる部分データD1〜D100を、認証側指紋データ(指紋データD)の全ての部分データD1〜D100と比較することが必要となるため、認証処理時間が長くなってしまう。したがって、制御指令信号に識別子d1〜d100を含ませることは、認証処理時間の短縮に大きく貢献することとなる。
【0054】
(4)携帯機11のメモリ14a及び認証装置21のメモリ24aには、予め分割処理された指紋データDの部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が記録されている。このため、携帯機11と認証装置21との通信時毎に指紋データDを分割処理する必要がなく、携帯機側マイコン14及び認証側マイコン24の処理負担を軽減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を車両用遠隔制御システムに具体化した第2実施形態を図1、図5及び図6に基づいて説明する。ここでは第1実施形態と相違する点を主に述べ、共通する点については同一部材番号を付すのみとしてその説明を省略する。
【0055】
本第2実施形態において、携帯機11の操作部15には、操作された際に指紋データを取得可能な指紋データ読み取り部が設けられている。詳しくは、操作部15の操作面には、押圧操作を行ったユーザの指の表面を光学的にスキャンする読み取り部が設けられている。そして、操作部15は、指紋データを読み取ると、その読み取った指紋データ(図5に示す第1指紋データDa及び第2指紋データDb)を携帯機側マイコン14に対して出力する。そして、携帯機側マイコン14は、図5に示すように、例えば第1指紋データDaが入力されると、前記第1実施形態と同様に、その第1指紋データDaのデータ分割処理を行う。具体的には、第1指紋データDaを複数(ここでは100個)の部分データDa1〜Da100に分割するとともに、それら分割した部分データDa1〜Da100に対応づけした識別子da1〜da100を付与する。携帯機側マイコン14のメモリ14aは、前記予め登録された指紋データDとは別の領域に該部分データDa1〜Da100及び識別子da1〜da100を記録するようになっている。
【0056】
そして、携帯機側マイコン14は、該識別子da1〜da100の中から1つを任意に選択し、その選択した識別子da1〜da100と、該識別子da1〜da100と対応づけられた部分データDa1〜Da100とを含む制御指令信号を送信回路13に対して出力する。このため、送信回路13から送信アンテナ13aを介して該制御指令信号が外部に送信される。
【0057】
また、携帯機側マイコン14は、例えば第2指紋データDbが入力されると、その第2指紋データDbを部分データDb1〜Db100に分割するとともに、それら分割した部分データDb1〜Db100に対応づけした識別子db1〜db100を付与する。そして、メモリ14aは、第1指紋データDaがメモリ14aに記録されている状態にあっては、第1指紋データDaの部分データDa1〜Da100及び識別子da1〜da100を抹消し、同領域に第2指紋データDbの部分データDb1〜Db100及び識別子db1〜db100を記録するようになっている。この場合、携帯機側マイコン14は、該識別子db1〜db100の中から1つを任意に選択し、その選択した識別子db1〜db100と、該識別子db1〜db100と対応づけられた部分データDb1〜Db100とを含む制御指令信号を送信回路13に対して出力する。
【0058】
一方、図1に示すように、本実施形態の認証側マイコン24には、制御対象としての各種電装品33が電気的に接続されている。各種電装品33は、例えば車両2の室内においてユーザの癖や体型などによって調整されるものであり、具体的にはルームミラー、電動ドアミラー、電動式シート調節装置(パワーシート)、ステアリングの電動式チルト機構などである。こうした各種電装品33は、ユーザによって調整された状態を記憶しており、認証側マイコン24からユーザ情報信号が入力されると、該記憶した調整状態となるように自動的に駆動するようになっている。
【0059】
また、認証側マイコン24のメモリ24aは、前記第1実施形態における指紋データDに加え、図5に示した第1指紋データDa及び第2指紋データDbなど、異なる指紋データD,Da,Dbを記録可能となっている。
【0060】
そして、認証側マイコン24は、携帯機11から送信された応答信号や制御指令信号が入力されると、前記認証処理を行う。例えば、識別子da1及び部分データDa1を含む制御指令信号が入力された場合、認証側マイコン24は、該識別子da1と、その識別子da1と対応づけられた部分データDa1をメモリ24aから読み込む。そして、認証側マイコン24は、その読み込んだ部分データDa1と制御指令信号に含まれる部分データDa1との比較を行い、それらが一致した場合に携帯機11の認証が成立したと判断して、前記ドアロック駆動装置31の施解錠制御を行う。また、それとともに、認証側マイコン24は、各種電装品33の個別制御を行う。この個別制御を行うにあたり、各種電装品33のポジションデータなどが、各指紋データD,Da,Dbと対応づけられた状態でメモリ24aに記録されている。例えば指紋データDと対応するユーザ(オーナ)のシートポジションやミラーポジションのデータなどは、指紋データDと対応づけられた状態でメモリ24aに記録されている。このため、認証側マイコン24は、指紋データDに基づいて携帯機11の認証が成立した場合には、該指紋データDと対応づけられたポジションデータなどに基づいて各種電装品33の駆動を制御する。よって、該ユーザは、何ら操作を行うことなく、シートポジションやミラーポジションなどを最適な位置に自動的に調節させることができる。
【0061】
次に、このように構成された車両用遠隔制御システム1の個別制御時の動作態様を図6に従って説明する。
<3>個別制御時の動作態様
携帯機11は、図6にステップP21で示すように操作部15により例えば第1指紋データDaまたは第2指紋データDbを取得すると、ステップP22で示すように該取得した指紋データDa,Dbのデータ分割処理を行う。データ分割処理を完了すると、携帯機11は、ステップP23で示すように、識別子da1〜da100,db1〜db100の中から任意に1つを選択する。そして、ステップP24で示すように、携帯機11は、選択した識別子da1〜da100,db1〜db100に基づいて前記制御指令信号を送信する前記手動出力処理を実行する。このため、この制御指令信号には、選択した識別子da1〜da100,db1〜db100と、その識別子da1〜da100,db1〜db100と対応づけられた部分データDa1〜Da100,Db1〜Db100とが含まれている。
【0062】
一方、認証装置21は、データ登録が完了した状態で携帯機11から送信された制御指令信号を受信すると、ステップC21で示すように前記認証処理を行い、該認証が成立すると、ステップC22で示すようにドア錠の施解錠及び各種電装品33の個別制御を行う。
【0063】
このため、携帯機11の操作部15を操作することにより、ユーザは、認証装置21との相互通信が成立していない状態であっても遠隔操作によってドア錠を施解錠させることができるようになるとともに、各種電装品33の個別制御(最適制御)を行わせることができるようになる。
【0064】
したがって、本実施形態によれば、前記第1実施形態における上記(1)〜(4)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)携帯機11は、操作部15によって指紋データ(第1指紋データDa及び第2指紋データDb)を取得した場合、その取得した指紋データに基づいて、携帯機側データ分割処理と手動出力処理とを行う。そして、認証装置21は、携帯機11から送信された無線信号(応答信号または制御指令信号)に含まれる指紋データD,Da,Dbと一致(認証成立)した指紋データD,Da,Dbに基づき、個別の態様で各種電装品33を制御する。すなわち、認証装置21は、携帯機11との認証が成立すると、その認証が成立した指紋データD,Da,Dbと対応した態様で各種電装品33を制御する。このため、例えば各種電装品33としてルームミラー、電動ドアミラー、電動式シート調節装置(パワーシート)、ステアリングの電動式チルト機構などを適用させれば、シートポジションやミラーポジションをユーザに合わせて自動的に調節させることができる。よって、携帯機11の操作者に最適な車両2の各種制御を自動的に行わせることができる。
【0065】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記第1実施形態において、認証装置21のメモリ24aは、複数の指紋データ(認証側指紋データ)を記録可能となっていてもよい。このようにすれば、それぞれ別の指紋データが登録された複数の携帯機11との通信によってドア錠の施解錠やエンジンの始動許可を行わせることができる。
【0066】
・ 前記第1実施形態では、リクエスト信号には認証側マイコン24によって選択された識別子d1〜d100が含まれている。しかし、リクエスト信号には、こうした識別子d1〜d100は含まれていなくてもよい。なお、この場合、携帯機11は、リクエスト信号を受信した際に、前記手動制御時の動作態様と同様に、識別子d1〜d100の中から任意に選択し、その選択した識別子d1〜d100と、該識別子d1〜d100と対応する部分データD1〜D100とを含む応答信号を送信する必要がある。
【0067】
・ 前記第2実施形態において携帯機11は、指紋データDを予め登録可能となっており、該登録により、指紋データDの部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100をメモリ14aに記録するようになっている。しかし、携帯機11は、指紋データDを予め登録できないようになっていてもよい。すなわち、携帯機11は、操作部15によって取得された指紋データ(例えば第1指紋データDaや第2指紋データDb)をメモリ14aに一時的に記録するようになっていてもよい。このようにすれば、通常、携帯機11には指紋データが登録されていない状態となるため、たとえ携帯機が紛失したり盗難されたりしても、該携帯機11との無線通信によって認証装置21が認証成立と判断してしまうことはない。なお、この場合には、携帯機11と認証装置21との相互通信(双方向通信)が不能となるため、遠隔制御によるエンジンの始動許可制御は不能となる。
【0068】
・ 前記第2実施形態において認証装置21は、各種電装品33の個別制御を行うようになっている。しかし、認証装置21は、こうした個別制御を行わないようになっていてもよい。また、該個別制御を前記第1実施形態において行うようにしてもよい。
【0069】
・ 前記各実施形態において携帯機11のメモリ14a及び認証装置21のメモリ24aには、指紋データDを分割した部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が記録されるようになっている。しかし、該メモリ14a,24aは、必ずしも指紋データD,Da,Dbを分割した状態で記録していなくてもよい。なお、この場合、携帯機側マイコン14及び認証側マイコン24は、通信時に指紋データD,Da,Dbのデータ分割処理を行うようになっている必要がある。
【0070】
・ 前記各実施形態において携帯機側マイコン14及び認証側マイコン24は、指紋データDを分割した際に、部分データD1〜D100に対して識別子d1〜d100を付与するようになっている。そして、携帯機11のメモリ14a及び認証装置21のメモリ24aには、指紋データDを分割した部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が記録されるようになっている。しかし、該メモリ14a,24aの記録領域に対する部分データD1〜D100の配列順序が同一となるように設定されていれば、該メモリ14a,24aには、識別子d1〜d100が記録されないようになっていてもよい。また、識別子d1〜d100の付与自体が行われないようになっていてもよい。このように変更した場合、携帯機11のメモリ14aに記録されている部分データD1〜D100の順番を示す番号に対応する部分データD1〜D100と、認証装置21のメモリ24aに記録されている部分データD1〜D100の順番を示す番号に対応する部分データD1〜D100とが一致する。このため、識別子d1〜d100の代わりに部分データD1〜D100の順番を示す番号を携帯機11と認証装置21との間で通信させれば、認証装置21は対応する部分データD1〜D100同士の比較を確実に行うことができる。よって、この場合には、部分データD1〜D100の順番を示す番号を選択情報として機能させることができる。なお、ここでは指紋データDについての変更態様のみを説明したが、第2実施形態における第1指紋データDa及び第2指紋データDbについても同様に変更してもよい。
【0071】
・ 前記各実施形態では、指紋データDを100個の部分データD1〜D100に分割するようになっている。しかし、指紋データDは、100個に限らず、99個以下や101個以上の部分データに分割されてもよい。なお、この場合、識別子d1〜d100も指紋データDの分割個数に合わせて付与される必要がある。
【0072】
・ 前記各実施形態では、携帯機11と認証装置21との間で、相互通信(双方向通信)と単方向通信が行われるようになっている。しかし、第1実施形態においては、携帯機11と認証装置21との間で、相互通信のみまたは単方向通信のみが行われるようになっていてもよい。そして、第2実施形態においては、携帯機11と認証装置21との間で、単方向通信のみが行われるようになっていてもよい。例えば携帯機11と認証装置21との間で単方向通信のみが行われるようにした場合、携帯機11の受信回路12と認証装置21の送信回路22とを省略することができるとともに、各マイコン14,24の処理の単純化を図ることができるようになる。
【0073】
・ 前記各実施形態において、携帯機11及び認証装置21に対する指紋データDの登録は、個別に行うようになっていてもよいし、一方(例えば携帯機11)のみに登録し、そのデータを通信によって他方(例えば認証装置21)に登録するようになっていてもよい。この場合、一方(例えば携帯機11)のみがデータ分割処理を行い、他方(例えば認証装置21)はデータ分割処理を行わなくてもよくなるため、携帯機11または認証装置21の処理負担が軽減する。
【0074】
・ 前記各実施形態において携帯機11及び認証装置21は、外部から入力された指紋データDを部分データD1〜D100に分割するデータ分割処理を行うようになっている。しかし、携帯機11及び認証装置21は、予め分割された指紋データDの部分データD1〜D100及び識別子d1〜d100が外部から入力されるようになっていてもよい。
【0075】
・ 前記各実施形態において、車両用遠隔制御システム1は、ドア錠の施解錠制御とエンジン始動許可制御とを行うようになっている。しかし、車両用遠隔制御システム1は、ドア錠の施解錠制御及びエンジン始動許可制御のうちの一方のみを行うようになっていてもよい。
【0076】
・ 指紋認証式無線通信システムは、車両用遠隔制御システム1に限らず、例えば住宅用ドア錠の施解錠を無線通信によって行う住宅用遠隔施解錠制御システムなど、種々の無線通信システムに適用されてもよい。
【0077】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記携帯機側指紋データ及び前記認証側指紋データは、それぞれ対応関係を有する複数の部分データに分割されており、前記認証装置は、分割された前記認証側指紋データにおける各部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データの選択情報を送信する選択情報送信処理とを備え、前記携帯機は、分割された前記携帯機側指紋データにおける各部分データの中から、前記認証装置によって選択された部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出して出力する自動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記部分データを無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、前記認証装置は、前記選択した部分データと前記携帯機から送信された無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段をさらに備えること。
【0078】
(2) 請求項2〜5のいずれか1項に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、前記携帯機及び前記認証装置のうちの少なくとも一方は、前記データ分割処理によって分割された前記指紋データの部分データ及び前記識別子を格納するデータ格納手段を備えていること。この技術的思想(2)によれば、携帯機と認証装置との通信時における処理負担を軽減することができる。
【0079】
(3) 請求項1〜5、技術的思想(2)のいずれか1項に記載の指紋認証式無線通信システムにおいて、当該指紋認証式無線通信システムは、車両の電装品を遠隔制御する車両用遠隔制御システムであること。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜5に記載の発明によれば、通信応答性の悪化及び消費電力量の増加を抑制しつつ、セキュリティレベルを確実に向上させることができる。
【0081】
請求項2に記載の発明によれば、指紋認証式無線通信システムのセキュリティレベルを一層向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、認証装置による認証処理が簡単となり、処理時間も短くなる。
【0082】
請求項4に記載の発明によれば、指紋認証式無線通信システムのセキュリティレベルをより一層向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2実施形態の概略構成を示すブロック図。
【図2】第1実施形態のデータ分割処理を模式的に示す説明図。
【図3】第1実施形態のスマート通信制御時の動作態様を示すシーケンスチャート。
【図4】同実施形態の手動通信制御時の動作態様を示すシーケンスチャート。
【図5】第2実施形態のデータ分割処理を模式的に示す説明図。
【図6】同実施形態の個別制御時の動作態様を示すシーケンスチャート。
【符号の説明】
1…指紋認証式無線通信システムとしての車両用遠隔制御システム、2…車両、11…携帯機、13…送信手段としての送信回路、14…データ制御手段としての携帯機側マイクロコンピュータ(携帯機側マイコン)、15…操作部、21…認証装置、22…リクエスト信号送信手段としての送信回路、24…認証制御手段としての認証側マイクロコンピュータ(認証側マイコン)、24a…データ格納手段としてのメモリ、33…制御対象としての各種電装品、D…携帯機側指紋データ及び認証側指紋データ、Da…第1指紋データ、Db…第2指紋データ、D1〜D100,Da1〜Da100,Db1〜Db100…部分データ、d1〜d100,da1〜da100,db1〜db100…識別子。
Claims (5)
- 携帯機側指紋データが格納され、その携帯機側指紋データの一部を無線信号に変換して送信する携帯機と、
認証側指紋データが予め格納され、前記携帯機から送信された前記無線信号を受信した際に、前記携帯機側指紋データの一部と認証側指紋データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証を行う認証装置とを備えることを特徴とする指紋認証式無線通信システム。 - 前記認証装置は、前記認証側指紋データを複数の部分データに分割する認証側データ分割処理と、その認証側データ分割処理によって分割された複数の部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データの選択情報を送信する選択情報送信処理とを備え、
前記携帯機は、前記認証側指紋データと対応するように前記携帯機側指紋データの前記部分データへの分割を実行する携帯機側データ分割処理と、該分割された前記携帯機側指紋データの各部分データの中から、前記認証装置によって選択された部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出して出力する自動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記部分データを無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、
前記認証装置は、前記選択した部分データと前記携帯機から送信された無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の指紋認証式無線通信システム。 - 前記携帯機は、操作に応じて操作信号を出力する操作部と、前記指紋データを複数の部分データに分割する携帯機側データ分割処理と、前記操作部からの操作信号に基づき、前記部分データのうちの少なくとも一つを選択し、その選択した部分データ及び該部分データの選択情報を含む制御指令信号を出力する手動出力処理とを実行するデータ制御手段と、前記制御指令信号を無線信号に変換して送信する送信手段とを備え、
前記認証装置は、前記携帯機側指紋データと対応するように前記認証側指紋データの前記部分データへの分割を実行する認証側データ分割処理と、
前記認証側指紋データの各部分データの中から、前記無線信号に含まれる前記部分データと対応する部分データを、前記無線信号に含まれる前記選択情報に基づいて選出し、その選出した部分データと該無線信号に含まれる部分データとの比較結果に基づいて前記携帯機の認証成立の可否を判断する認証処理とを行う認証制御手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の指紋認証式無線通信システム。 - 前記操作部は、操作された際に指紋データを取得し、その取得した指紋データを前記操作信号として出力し、
前記データ制御手段は、該操作信号に基づいて前記携帯機側データ分割処理及び前記手動出力処理とを行うことを特徴とする請求項3に記載の指紋認証式無線通信システム。 - 前記認証装置は、複数の前記認証側指紋データを格納可能なデータ格納手段と、それら格納された各指紋データに個別に対応した態様で制御対象を制御する制御手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の指紋認証式無線通信システム。
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