JP2004339753A - アーチ型地中構造体の構築方法 - Google Patents

アーチ型地中構造体の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アーチ部の形状が扁平な場合でも、強固なアーチ型地中構造体を容易に構築することのできるアーチ型地中構造体の構築方法を提供する。
【解決手段】トンネルのアーチ部となる地山2内へ複数の継手付き筒体10を連結させながら、上記アーチ部に沿って挿入・埋設するとともに、上記継手付き筒体10の両端側を先進導坑1A,1Bに設けられた反力板5A,5Bに固定し、更に、上記アーチ部4に沿って、上記複数の継手付き筒体10を貫通する鋼線束20を配置してから、上記継手付き筒体10内にコンクリートを充填してアーチ型地中構造体である先行支保工10Rを構築し、その後、上記反力板5A,5Bで反力をとりながら、上記鋼線束20に緊張力を作用させた状態で上記鋼線束20の固定端20a,20bを反力板5A,5Bに固定して上記先行支保工10Rに予め圧縮力を作用させるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、トンネルの掘削に先立って設置する支保工である先行支保工のような、地中に構築されるアーチ型の地中構造体に関するもので、特に、複数の筒体をその断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設して構築されるアーチ型の地中構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、軟弱な地盤にトンネルを掘進する際には、掘削作業を行う前に、切羽からトンネル周辺の地山に掘進方向に向けてボーリングを行い、この削孔内に注入管を挿入して地盤固化剤を注入して上記地山を補強した後、上記補強した部分を掘削して支保工を構築する方法が行われている。しかし、この方法では、地山の補強と支保工の構築とを交互に繰り返して行わなければならないため、作業効率が悪く、工期が長期化するといった問題点があった。そこで、予め、トンネルの掘進方向に先進導坑を構築した後、上記先進導坑の側壁より、本坑のトンネル断面のアーチ部となる地山内へ所定の曲率を有する曲がり鋼管を挿入・埋設してこれを先行支保工とし、しかる後に地山を掘削する方法が提案されている。
【0003】
具体的には、図7(a),(b)に示すような、地山2に挿入する鋼管を、その側面に注入孔51hを有する曲がり鋼管(以下、外管という)51と、この外管51内に設けられた内管52との二重管構造とするとともに、上記内管52の先端部に、モータ53aにより回転する先端ビット53bを備えた先端装置53を取付けて地山2を掘削しながら上記二重管を推進する曲線ボーリング装置50を用いて上記外管51を上記地山2内に挿入して埋設する。この曲線ボーリング装置50では、外管51と内管52とを、先進導坑1内において、スイベル54にて結合し、外管51の外周面を推進装置55のホルダ55Hにて把持して推進させ、上記先端装置53で地山2を掘削しながら、上記外管51と内管52とを同時に地山2内に挿入させる。
【0004】
そして、上記地山2を掘削して外管51と内管52とを推進する工程と、内管52と外管51のそれぞれを繋ぎ合わせて二重管を延長する工程とを繰り返し行いながら、外管51を所定の長さまで挿入した後、上記先端装置53と内管52とを回収し、上記外管51内に、図8(a)に示すような、吐出口56hの前,後にパッカー56pを備えた注入管56を挿入し、上記注入管56の後端部に接続された注入液移送管57を介して圧送された地盤固化剤を上記外管51内に吐出させ、上記外管51の側面に設けられた注入孔51hからトンネル周辺の地山2に上記地盤固化剤を注入して上記地山2を補強する。これにより、図8(b)に示すような、上記地盤固化剤で補強された地山部2Mに埋設された複数本の外管51,51,‥‥から成る先行支保工58を構築することができる(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
しかし、上記先行支保工58は、トンネルの横断面方向には連続しているが、トンネル軸方向には連結されていないため、設置個所によっては強度的に十分とはいえない場合があった。
そこで、図9(a)に示すように、アーチ部となる地山2内に、上記アーチ部に沿って、トンネルの軸方向に延長する多数の継手付き鋼管61を互いに隣接させて推進・埋設してこれを先行支保工60とし、その後、上記先行支保工60内部を掘削してトンネルを構築する方法が提案されている。上記継手付き鋼管61は、詳細には、図9(b)に示すように、断面が台形状の鋼製の本体61mとこの本体61mの両側面の上端部及び下端部から隣接する継手付き鋼管61の本体61mの側面の上端部及び下端部側にそれぞれ突出する継手61a,61b及び継手61c,61dを備えた第1の継手付き鋼管61Aと、上記継手61a〜61dに係合する継手61p〜61sを備えた第2の継手付き鋼管61Bの2種類があり、上記第1の継手付き鋼管61Aの継手61a,61bに、上記第1の継手付き鋼管61Aに隣接する第2の継手付き鋼管61Bの継手61p,61qをそれぞれ嵌合させるなどして、継手付き鋼管61,61同士をトンネルの円周方向に沿って連結した後、上記継手付き鋼管61内にコンクリートを充填して先行支保工60を構築する(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−160980号公報(第2,3頁、第1,3図)
【特許文献2】
2002−242581号公報(第2,3頁、第1−3図)
【非特許文献1】
JR東日本パンフレット;「東北本線王子駅構内、首都高速道路新設他工事」
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年は、トンネル内の不要な上部空間を少なくするために、扁平なアーチ部を有する断面形状を有するトンネルの構築が盛んに行われている。また、トンネル坑口部や土被りが薄い場合にも、半円状のアーチ形成が見込めないことから、アーチ部の形状を扁平にする必要があった。
しかしながら、先行支保工を構成するアーチ部の形状が扁平な場合には、元々上記アーチに沿った軸力が小さいため、上記先行支保工内部を掘削すると、図10に示すように、上記アーチ部に作用する引張力Fが大きくなってしまう。そのため、構造体として弱体化してしまい、先行支保工として十分に機能しないといった問題点があった。このような問題は、特に、トンネルの断面が大きいほど著しいことから、先行支保工の強度を更に高める必要があった。
具体的には、上記継手付き鋼管61内のコンクリートは、上記引張力に対しては寄与しないので、上記引張力は上記継手61a〜61d及び継手61p〜61sに作用するため、上記継手61a〜61d及び継手61p〜61sには高い強度が要求されている。このため、上記従来の方法では、図9(b)に示すように、上記継手61a〜61d及び継手61p〜61sの形状を結合強度が高い構造とするとともに、上記継手61aと継手61pの連結部、及び、継手61bと継手61qとの連結部にグラウト62を注入し、外側をグラウト鋼板63やコーキング材64で覆って更に連結を強固にするようにしている。
しかしながら、上記従来の先行支保工の構築方法では、複雑な形状の継手61a〜61d及び継手61p〜61sを有する継手付き鋼管61を、少なくとも2種類用いる必要があるだけでなく、継手61a〜61s及び継手61p〜61sを更に補強してやる必要があった。
また、継手61a〜61d及び継手61p〜61sの形状が複雑なことから、継手付き鋼管61,61同士を連結させながらスムーズに推進させることが難しいといった問題点があった。
【0008】
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、アーチ部の形状が扁平な場合でも、強固なアーチ型地中構造体を容易に構築することのできるアーチ型地中構造体の構築方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、先行支保工などのアーチ型地中構造体に、そのアーチ部に沿った圧縮力が作用した状態となるように予めプレストレスを与えるようにすることにより、上記アーチ部に引張力が作用した場合でも、上記アーチ型地中構造体を構成するコンクリート等の硬化性の材料が圧縮領域内で変形するので、上記アーチ型地中構造体の上記引張力に対する強度を向上させることができることを見いだし、本発明に到ったものである。
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、複数の筒体を、その断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設してアーチ型の地中構造体を構築するアーチ型地中構造体の構築方法であって、隣接する筒体同士を所定の空隙部を介して配置した後、上記空隙部、または、上記空隙部と上記筒体内部に、コンクリートやモルタルあるいは樹脂などの、引張強度より圧縮強度の方が強い硬化性の材料を充填するとともに、上記地中構造体に上記アーチ部に沿った圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のアーチ型地中構造体の構築方法において、上記アーチ部の両端側を反力板に固定するとともに、上記空隙部、または、上記空隙部と上記筒体内部に膨張性を有する硬化性の材料を充填して、上記地中構造体に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のアーチ型地中構造体の構築方法において、上記アーチ部の両端側を反力板に固定し、上記筒体内に硬化性の材料を所定の圧力で封入し、上記地中構造体に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のアーチ型地中構造体の構築方法において、上記アーチ部に沿って、上記複数の筒体を貫通する線材を配置し、この線材に緊張力を作用させた状態で上記地中構造体の端部に固定して、上記地中構造体に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき説明する。
図1(a)は、本発明の一実施の形態を示す図で、同図において、1A,1Bは地山2に構築される大断面トンネル3の横断面のアーチ部4の両端となる部分に設けられた先進導坑、10は上記トンネル3のアーチ部4に沿って挿入・埋設された、トンネル軸方向に延長するの継手付き筒体、20は上記アーチ部4に沿って配置され、上記複数の互いに連結された継手付き筒体10を貫通する複数の鋼線20zを束ねて成る鋼線束で、上記連結された継手付き筒体10の両端部は、上記先進導坑1A,1B内に設けられた反力板5A,5Bにそれぞれ当接または固定されている。
本例では、図1(b)に示すように、上記鋼線束20の両端部をそれぞれ固定した固定端20a,20bに、反力板5A,5Bで反力をとりながら緊張力pを作用させ、上記固定端20a,20bと上記反力板5A,5Bとの間にできた隙間に楔6を打ち込んで固定するなどして、上記鋼線束20の固定端20a,20bを上記反力板5A,5Bに固定することにより、上記反力板5Aと反力板5Bとの間に配置された互いに連結された継手付き筒体10から成る先行支保工10Rに圧縮力Pを作用させるようにしている。
なお、鋼線束20の固定端20a(または、固定端20b)は、上記反力板5A(または、反力板5B)に固定し、他方の固定端20b(または、固定端20a)のみを反力板5B(または、反力板5A)で反力をとりながら緊張力pを作用させるようにしてもよい。
【0013】
次に、本発明によるアーチ型地中構造体の構築方法を用いたトンネルの施工方法について説明する。
まず、上記継手付き筒体10の本体である、断面が角型の鋼管(以下、角型管という)11内に削孔推進機を設置し、地山を掘削しながら、上記継手付き筒体10を、その断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設する。次に、図2に示すように、上記継手付き筒体10に隣接する継手付き筒体10Aを上記地山内に推進する。このとき、次に埋設する継手付き筒体10Aの継手12Aを、先に挿入・埋設した継手付き筒体10の継手12に係合させるようにして、上記継手付き筒体10Aを地山2内に挿入する。これにより、上記継手付き筒体10Aを、上記継手付き筒体10に連結しながら、上記継手付き筒体10に沿ってトンネル軸方向に埋設することが可能となる。なお、本例では、後述するように、上記継手12,12Aには大きな引張力が作用しないので、挿入する側の継手12の形状、及び、上記継手12を把持する把持する側の継手12Aの形状は、上記従来の継手61a〜61d及び継手61p〜61sのような複雑な形状にする必要もなく、単に、相手側の継手をガイドすることのできるような形状であればよい。また、継手12,12Aの接続部についても特に補強する必要もない。
【0014】
その後、トンネルの横断面の上記アーチ部に沿って、上記複数の継手付き筒体10を貫通する複数の鋼線20zを束ねた鋼線束20を配置する。具体的には、図3に示すように、継手付き筒体10の本体である角型管11の側面11a,11bに、それぞれ複数の貫通孔11sを形成し、上記鋼線束20を上記貫通孔11sを通して配置する。上記貫通孔11sは、角型管11を埋設する前に予め設けておき、継手付き筒体10の埋設時には上記貫通孔11sを蓋部材で塞いでおき、継手付き筒体10の埋設後に上記蓋部材を取り外すようにしたり、継手付き筒体10の埋設後に、角型管11の内側からガス溶断等でくり抜いて形成する。
【0015】
次に、上記鋼線束20を、一方の先進導坑1A(または、先進導坑1B)の内側から角型管11の上記貫通孔11sに導入し、これを他方の先進導坑1B(または、先進導坑1A)まで送る。そして、上記継手付き筒体10内にコンクリートを充填させて先行支保工10Rを構築した後、図1(a),(b)に示すように、反力板5A,5Bで反力をとりながら、上記鋼線束20の両端部をそれぞれ固定した固定端20a,20bをジャッキ等により上記アーチ部4の延長線上に緊張力pを作用させる。そして、上記緊張力pにより上記固定端20a,20bと上記反力板5A,5Bとの間にできた隙間に楔6を打ち込んで固定するなどして、上記鋼線束20の固定端20a,20bを固定することにより、上記反力板5Aと反力板5Bとの間に配置された先行支保工10Rに、トンネルの横断面の上記アーチ部に沿った圧縮力を与えることができる。なお、上記鋼線束20に緊張力pを作用させるのは、継手付き筒体10内のコンクリートが固まった後であるので、上記鋼線束20は保護管等で予め覆っておき、コンクリートと一体化しないようにしておく必要があることはいうまでもない。
最後に、上記先進導坑1A,1B及び上記先行支保工10Rで囲まれた地山2を掘削して、大断面を有するトンネルを構築する。
本例では、上記先行支保工10Rのコンクリートには予め圧縮力が加えられているので、地山2の掘削後に、上記アーチ型の先行支保工10Rに引張力が作用した場合でも、上記コンクリートは圧縮領域内で変形して上記引張力を受けることができる。したがって、上記先行支保工10Rは、継手を補強しなくても、上記引張力に十分に対応することができる。
【0016】
このように、本実施の形態では、トンネルのアーチ部となる地山2内へ、トンネル軸方向に延長する複数の継手付き筒体10を、その継手12を互いに係合させて連結させながら、上記アーチ部に沿って挿入・埋設するとともに、上記継手付き筒体10の両端側をトンネルのアーチ部4の両端側に構築された先進導坑1A,1Bに設けられた反力板5A,5Bに当接または固定し、更に、上記アーチ部4に沿って、上記複数の継手付き筒体10を貫通する鋼線束20を配置してから、上記継手付き筒体10内にコンクリートを充填して先行支保工10Rを構築し、その後、上記反力板5A,5Bで反力をとりながら、上記鋼線束20に緊張力を作用させた状態で上記鋼線束20の固定端20a,20bを反力板5A,5Bに固定して、上記反力板5Aと反力板5Bとの間に配置された先行支保工10Rに予め圧縮力を作用させるようにし、しかる後に上記先行支保工10Rと先進導坑1A,1Bとで囲まれた部分の地山2を掘削するようにしたので、上記アーチ部に引張力が作用した場合でも、上記先行支保工10Rの上記引張力に対する強度を向上させることができる。したがって、簡単な継手構造でかつ継手を補強することなく、強固な大断面トンネル用の先行支保工を構築することができる。
【0017】
なお、上記実施の形態では、継手付き筒体10の角型管11として鋼管を用いたが、コンクリート製、あるいはプラスチック製のものを用いても良い。また、鋼線20zについても、上記地中支保工に緊張力を与えることのできるだけの強度を有するものであれば、強化繊維あるいはガラス繊維などの他の線材を用いてもよい。
また、上記例では、上記鋼線束20の固定端20a,20bと上記反力板5A,5Bとの間に楔6を打ち込んで上記固定端20a,20bを上記反力板5A,5Bに固定したが、図4に示すように、上記反力板5A,5Bに調整ネジ7Mを固定し、上記鋼線束20に緊張力pを作用させてできた隙間の大きさを、上記調整ネジ7Mに螺入するナット7Nの固定位置により調整するなどして、上記先行支保工10Rに予め圧縮力を作用させるようにしてもよい。
また、上記反力板5A,5Bとして、先進導坑1A,1Bの側壁、あるいは、上記側壁を補強したものを利用するようにしてもよい。
【0018】
また、上記例では、先行支保工10Rにプレストレスを与える際に、上記継手付き筒体10,10,‥‥を貫通する鋼線束20を用いたが、図5(a)に示すように、隣接する角型管11,11の間隙、すなわち、継手12,12A及び継手の腕部12m,12mで囲まれた空間に、膨張モルタル等の膨張性を有する硬化性の材料20Mを充填して上記プレストレスを与えるようにしてもよい。このとき、隣接する角型管11,11の間に、膨張性を有する硬化性の材料20Mを注入するための空隙を設ける必要があるので、上記継手の腕部12m長さを、上記充填された硬化性の材料20Mの膨張による圧縮力が所定の値となるように設定する。また、この場合には、上記継手12,12Aの接続部はアーチ部に沿って広げられるので、継手12,12Aは互いに移動できるような形状とすることが望ましい。なお、上記硬化性の材料20Mの膨張により、継手12,12Aには、アーチ部の径方向にも引張力が作用するが、この引張力は、先行支保工10Rが地中にあり圧縮力を受けているので、特に問題にはならない。
【0019】
また、上記角型管11の側面11a,11bに、それぞれ複数の貫通孔11sを形成し、図5(b)に示すように、上記角型管11内から膨張性を有する硬化性の材料20Mを上記角型管11内と隣接する角型管11,11の間隙との両方に充填するようにしてもよい。これにより、少ない充填回数で膨張性を有する硬化性の材料20Mを充填することができる。
あるいは、上記角型管11内から硬化性の材料を所定の圧力で上記隣接する角型管11,11の間隙、または、上記角型管11内と隣接する角型管11,11の間隙との両方に封入するようにしてもよい。
また、上記のように、膨張性を有する硬化性の材料20Mを充填したり、硬化性の材料を所定圧で封入して先行支保工10Rに圧縮力を与える場合には、継手付き筒体10の両端部は、単に、反力板5A,5Bに当接または固定するだけでよいので、先進導坑1A,1Bの構築は必ずしも必要ではない。
【0020】
また、上記実施の形態では、大断面トンネルの先行支保工10Rの構築方法について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば、図6に示すように、既製のトンネル30の上部の地山2を補強するために、上記トンネル30の上部の地山2に構築される地中防護工40Rなどの、複数の筒体を地中に挿入・埋設して構築されるアーチ型の地中構造体に適応することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の筒体を、その断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設してアーチ型の地中構造体を構築するアーチ型地中構造体の構築方法において、隣接する筒体同士を所定の空隙部を介して配置した後、上記空隙部、または、上記空隙部と上記筒体内部に硬化性の材料を充填するとともに、上記地中構造体に上記アーチ部に沿った圧縮力を与えるようにしたので、上記アーチ部に引張力が作用した場合でも、上記アーチ型地中構造体を構成する硬化性の材料が圧縮領域内で変形するので、上記アーチ型地中構造体の上記引張力に対する強度を向上させることができる。したがって、アーチ部の形状が扁平な場合でも、強固なアーチ型地中構造体を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る継手付き筒体の連結方法を示す図である。
【図3】本実施の形態に鋼線束の配置方法を示す図である。
【図4】本発明による鋼線束の他の固定方法を示す図である。
【図5】本発明に係る圧縮力の他の付加方法を示す図である。
【図6】本発明による地中防護工を示す図である。
【図7】従来の曲がり鋼管を用いた支保工の構築方法を示す図である。
【図8】従来の曲がり鋼管を用いた支保工の構築方法を示す図である。
【図9】扁平なアーチ形状を有する地中支保工に作用する引張力を説明するための図である。
【図10】従来の継手付き鋼管の構成を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B 先進導坑、2 地山、3 大断面トンネル、4 アーチ部、
5A,5B 反力板、10R 先行支保工、10,10A 継手付き筒体、
11 角型管、11s 貫通孔、12,12A 継手、12m 継手の腕部、
20 鋼線束、20z 鋼線、20a,20b 鋼線束の固定端。

Claims (4)

  1. 複数の筒体を、その断面が所定のアーチ形状に沿うように互いに連結させながら地中に挿入・埋設してアーチ型の地中構造体を構築するアーチ型地中構造体の構築方法において、隣接する筒体同士を所定の空隙部を介して配置した後、上記空隙部、または、上記空隙部と上記筒体内部に硬化性の材料を充填するとともに、上記地中構造体に上記アーチ部に沿った圧縮力を与えるようにしたことを特徴とするアーチ型地中構造体の構築方法。
  2. 上記アーチ部の両端側を反力板に固定するとともに、上記空隙部、または、上記空隙部と上記筒体内部に膨張性を有する硬化性の材料を充填して、上記地中構造体に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアーチ型地中構造体の構築方法。
  3. 上記アーチ部の両端側を反力板に固定し、上記筒体内に硬化性の材料を所定の圧力で封入し、上記地中構造体に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアーチ型地中構造体の構築方法。
  4. 上記アーチ部に沿って、上記複数の筒体を貫通する線材を配置し、この線材に緊張力を作用させた状態で上記地中構造体の端部に固定して、上記地中構造体に上記圧縮力を与えるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のアーチ型地中構造体の構築方法。
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