JP4784997B2 - トンネルの施工方法 - Google Patents
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Description
このようなアンダーパス工事では、地下の比較的浅い個所にトンネルを設けることから、周辺地山の崩落等を防止する目的で門型や箱型の外殻を先に構築し、その後、この外殻内部を掘削してトンネルを形成する外殻先行トンネル工法が採用されている。
また、並列するルーフパイプを接続する並列継手が、未掘削部分の影響による蛇行をしたり、全接触するセクション抵抗による偏芯や、礫噛み込み・押し出しによる並列継手の変形が発生する。
特に、円回転カッターでは隅角の部分に未掘削領域があり、推進精度が悪化し、礫地盤などでは、隣接する先行箱型ルーフとの隙間は詰めることが困難となる。
また、第2の断面形状の推進函の並列継手は、押し出す第1の断面形状の推進函内に納めることができるため、未掘削部分に接触することがなく、また、地中に露出しないため変形などのトラブルを防止することができる。
さらに、第1の断面形状の推進函を押し出すことによってガイド効果が働くため、後続エレメントの推進精度を高めることが可能となり、残置される第2の断面形状の推進函の間隔を詰めることができ、また、推進時に発生するエレメント間の寸法誤差は、次のエレメント時にセクション位置をずらして修正することができる。
さらに、本実施例では、図3に示すように、2台の同様の多軸推進機2を長円をなすように組み合わせて通常推進工程を行うとともに、各々の多軸推進機2にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻1を構築し、最後に残る1対の半円推進函3を、1台(必要に応じて、2台)の多軸推進機2と、該多軸推進機2の後方に配設した矩形推進函4により推進を行い、前記半円推進函3を押し出しながら推進を行うようにしている。
本実施例では、図3に示すように、2台の多軸推進機2を長円をなすように連結して通常推進工程を行うとともに、分離した各々の多軸推進機2にて押出推進工程を繰り返すことにより箱型の外殻1を構築する。
この場合、押出推進工程では、半円推進函3を押し出す押出治具5を、多軸推進機2の矩形部22側に装着する。
押し出された半円推進函3は、次のエレメント施工に再利用される。
矩形推進函4及び半円推進函3は、それぞれ短管状のものからなり、図9(b)に示すように、RC推進管と同様のフレキシブルな浅い嵌合継手6により軸方向に接続されている。
このように、軸方向の継手をフレキシブルな嵌合継手6とすることにより、推進抵抗を少なくし、長距離施工を可能とすることができる。
また、矩形推進函4と半円推進函3、あるいは並列する矩形推進函4同士を連結する並列継手7は、図9に示すように、例えば、雌側の継手7aは管体長で形成されたチャネルレール状をなすが、雄側の継手7bは、軸方向中心付近に部分的にT字状に突設したものからなる。なお、継手形式は特に限定されるものではなく、任意の継手形式を採用することができる。
このように、雄側の継手7bを部分的に設置することにより、図8に示すようなバーチカルなど曲線施工に対応することができる。
また、矩形推進函4の並列継手7は、図9(a)に示すように、先行する半円推進函3内に保護されており、また、矩形推進函4と半円推進函3の間隙には、環状のゴムスペーサ8が配設されるとともに、止水・減摩性材料(図示省略)が充填されることから、セクション抵抗値の変動と湧水とを抑制することができる。
本実施例では、矩形推進函4の列間隔を詰めることが可能であるため、隣接する矩形推進函4との貫通が容易であり、貫通してPC構造やRC構造とした外殻1は、推進時の並列継手7を利用しないため、一体化した安定した構造とすることができる。
本実施例では、図3(a)や図4に示すように、半円部21と矩形部22を組み合わせた多軸推進機2を使用して推進する。多軸推進機2は、基本的には泥水式とするが、泥濃・土圧式・開放型でも適用可能である。
この多軸推進機2の後方には、矩形推進函4と半円推進函3とを仮組みした推進函を設置する。一般の推進工法と同様に、推進函3、4を後方に連続するように設置して推進し、到達側まで掘進する。
そして、多軸推進機2の矩形部22の後方に配設した矩形推進函4と、多軸推進機2の半円部21の後方に配設した半円推進函3とにより推進を行い、前工程で埋設した半円推進函3を押し出しながら矩形推進函4の埋設を行う。
その際には、多軸推進機2の矩形部22の側部に、押出治具5を装着する。
最初のエレメントは、多軸推進機2と同サイズの矩形推進函4と半円推進函3とを用いて施工する。
原則的には、図4に示すように、多軸推進機2は2台使用し、左右均等に施工する。
水平部の施工では、図5に示すように、多軸推進機2の後方に矩形推進函4と半円推進函3とを用い、既設の半円推進函3を押し出しながら推進する。
また、並列する推進函同士の接続は、現在パイプルーフ等で使用されている継手を用いても構わないが、バーチカルなど曲線施工する場合は、図9に示すように、雄側の継手7bは連続するものではなく、推進函に1箇所の点接合する方式とする。
また、多軸推進機2の後方に設置される仮組した半円推進函3と矩形推進函4の間隙は、止水性・減摩性のある材料であらかじめ充填する。
そのエレメント推進完了後にも同様の材料で充填し、離合時の摩擦力を低減するとともに、並列継手7内への地下水や礫混入を抑制する。離合時も函間隙の泥水は充填しながら推進する。
押し出す半円推進函3は、転用して次のエレメント施工時に使用することが可能である。
矩形推進函4は、仮土留壁施工時には単体として外力と推力を負担できる構造とする。なお、矩形推進函4や半円推進函3は、鋼殻もしくは部分的にSRC構造とすることも可能である。
また、大断面掘削時に中柱が必要な場合は、上記と同様に矩形推進函4と半円推進函3とを使用して先行施工する方法と、大断面掘削時に仮受けしながら施工する方法とが選択できる。
この場合、掘削断面が半裁長円をなす多軸推進機2と、半円推進函3及び矩形推進函4とを使用することにより、推進時のローリングの発生を抑制することができる。
また、矩形推進函4の並列継手7は、押し出す半円推進函内に納めることができるため、未掘削部分に接触することがなく、また、地中に露出しないため変形などのトラブルを防止することができる。
さらに、半円推進函3を押し出すことによってガイド効果が働くため、後続エレメントの推進精度を高めることが可能となり、残置される矩形推進函4の間隔を詰めることができ、また、推進時に発生するエレメント間の寸法誤差は、次のエレメント時にセクション位置をずらして修正することができる。
2 多軸推進機
21 半円部(第1の断面形状部)
22 矩形部(第2の断面形状部)
23 カッター
24 鋼殻
3 半円推進函(第1の断面形状の推進函)
4 矩形推進函(第2の断面形状の推進函)
5 押出治具
6 嵌合継手
7 並列継手
8 ゴムスペーサ
Claims (3)
- 推進機を推進函で地中に推進するとともに、該推進した推進函により外殻を構築するトンネルの施工方法において、2つの断面形状を組み合わせた掘削部を有する多軸推進機と、該多軸推進機の第1の断面形状部を推進する第1の断面形状の推進函と、多軸推進機の第2の断面形状部を推進する第2の断面形状の推進函とにより推進を行う通常推進工程と、前工程の推進開始位置から第1の断面形状部側に所定ピッチ移行した多軸推進機と、前工程で埋設した第2の断面形状の推進函に隣接する位相で多軸推進機の後方に配設した第2の断面形状の推進函と、多軸推進機の第1の断面形状部の後方に配設した第1の断面形状の推進函とにより推進を行い、前工程で埋設した第1の断面形状の推進函を押し出しながら推進を行う押出推進工程とを有し、前記第1及び第2の断面形状の推進函に、隣接して設置される推進函同士を連結する並列継手を、両推進函の継手同士が推進函の推進方向にスライド可能となるように延設するとともに、前記並列継手を挟んで隣接して設置される推進函の間隙を塞ぐゴムスペーサを配設して、前記押出推進工程を繰り返すことにより外殻を構築することを特徴とするトンネルの施工方法。
- 第1の断面形状の推進函を押し出す押出治具と、該押出治具によって押し出される推進函の背面に、該推進函と一部が重なる回転カッターとを備えた多軸推進機を使用して押出推進工程を行うことを特徴とする請求項1記載のトンネルの施工方法。
- 前記2つの断面形状のうち、第1の断面形状が半円形、第2の断面形状が矩形からなることを特徴とする請求項1又は2記載のトンネルの施工方法。
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