JP2004338825A - エレベータのかご内照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】かご内の限られたスペースを効率的に利用可能な照明灯を実現することにある。
【解決手段】乗りかご内の天井板3に、複数個の白色発光素子11を所定の間隔をもって縦横に配列したかご内照明灯10を取り付け、従来の白熱灯や蛍光灯に近い色の光を発することにより、かご内を照明するエレベータのかご内照明装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】乗りかご内の天井板3に、複数個の白色発光素子11を所定の間隔をもって縦横に配列したかご内照明灯10を取り付け、従来の白熱灯や蛍光灯に近い色の光を発することにより、かご内を照明するエレベータのかご内照明装置である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエレベータのかご内照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレベータのかご内照明装置としては、ほとんどの場合、一般照明用の白熱灯や蛍光灯が使用され、これら白熱灯や蛍光灯はかご天井に取り付けられている。
【0003】
また、エレベータの中には、エレベータのかご内天井に多数の発光素子が配列され、かご天井に夜空の光景を再現させた電飾設備を設けたものもある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実公平4−055229号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上のようにエレベータのかご内照明装置では、乗りかご内の照明に白熱灯や蛍光灯が用いられているが、乗りかご自体が可動体であること、また昇降路面積、各階高さ及び昇降路頂部等の関係等から乗りかご内の設備取り付けスペースが限られていること等から、次のような種々の問題点が指摘されている。
【0006】
(1) 一般に、白熱灯、蛍光灯等の照明器具は、共に寿命が短く、1年間に数回の交換作業が必要になる。一方、乗りかごは、建物内のテナントなどを利用する利用者の乗降が目的であり、利用者以外に使用するスペースは限られているので、白熱灯、蛍光灯等の照明器具は狭い場所やかご天井の奥まった場所に取り付けられるのが一般的である。
【0007】
その結果、照明器具の交換は、安全な乗りかご内からではなく、専門の保守員が乗りかご上部に上がって時間をかけて交換作業を行うことが多く、照明器具の寿命が短い場合にはメンテナンス費用が多くかかる問題がある。
【0008】
(2) エレベータの乗りかご内は、密閉された特殊環境にあることから、万一の停電時でも乗りかご内の乗客の不安を和らげるために、かご内停電灯が不可欠である。しかし、かご内停電灯は、蓄電池等の低電圧直流電源を用いる場合が多く、通常の蛍光灯などを用いて直接照光することが難しく、通常照明とは別の停電灯を設けたり、或いは通常照明の蛍光灯を用いる場合には別途にインバータ装置等の電源装置を設ける必要がある。また、通常照明が白熱灯の場合、消費電力が大きく、さらに電圧が高い等の理由から、同様に白熱灯とは別に停電灯を設ける必要がある。
【0009】
このことは、通常照明とは別に停電灯を設けることから、乗りかご内の設備が増えてしまい、益々スペースや保守の面から不利となる。
【0010】
(3) 白熱灯や蛍光灯は、外形寸法が大きく、かご内天井に取り付けた場合、縦方向の寸法に大きく左右される。特に、エレベータは、乗りかごの縦方向寸法は、昇降路頂部の安全寸法確保上、非常に重要な意味をもっている。つまり、昇降路頂部から乗りかご上部の寸法が決まってくるので、この寸法が満たされない場合には乗りかごが最上階まで運転できないとか、最上階に向かうに従って定格速度を下げて運転しなければならない問題がある。このことは、ユーザにとって照明器具の縦方向の寸法を極力小さくしたいという要望がある。
【0011】
(4) 乗りかご内に白熱灯を取り付けた場合、白熱灯から発生する熱が乗りかご内にこもり、夏場等では非常に暑くなる問題がある。また、白熱灯は、消費電力、電流も大きいことから、乗りかご底部などに吊り下げられているテールコードを太くする必要があり、それだけ重量増となる。よって、テールコードの重量が増えると、巻上機の動作によるエレベータ運転の消費電力も増大する問題がある。
【0012】
(5) また、乗りかごのかご天井板に開閉式の救出蓋体が設けられてているが、この部分には白熱灯や蛍光灯の取り付けがきないので、かご天井に取り付ける照明器具の配置にも大きな制約が伴う問題がある。
【0013】
(6) さらに、エレベータでは、かご呼びが長時間発生しない閑散時に節電目的から自動的に照明器具を消灯する機能をもっている。このようなエレベータでは、かご呼びが発生した場合、照明器具を自動的に点灯するが、蛍光灯の場合には点灯するまでに多少の時間を必要とする。その結果、かごドアが開いた瞬間に乗りかご内の照明が消えた状態に見え、利用者に不安感を与えるなどの問題がある。
【0014】
そこで、照明器具が完全に点灯するまでドア開を遅らせる機能を備えたエレベータもあるが、逆に利用者にいらいら感を与える結果となり、サービスの低下をもたらす問題がある。
【0015】
(7) さらに、後者の特許文献1の電飾設備は、乗りかご内を薄暗い状態に設定し、かご内天井に夜空の光景を再現するものであり、特定の使用目的に限って利用することが可能であるが、本来の乗りかご内を明るくする本来の照明器具の機能をもっていない。つまり、電飾設備とは別に乗りかご内を明るくする場合には白熱灯,蛍光灯等の照明器具を取り付ける必要がある。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、長寿命、省エネ化はもとより、かご内の限られたスペースを効率的に利用可能とし、また停電時のバックアップ照明にも十分対応可能なエレベータのかご内照明装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータのかご内照明装置は、乗りかご内の天井部分に、複数個の白色発光素子で構成されるかご内照明灯を取り付けた構成である。
【0018】
この発明は以上のような構成とすることにより、白色発光素子自体は従来の白熱灯、蛍光灯と比較し、低電流であるので、かご内照明灯の長寿命化を図ることが可能となり、メンテナンス費用の大幅な削減が可能となる。また、白色発光素子を用いた照明灯は、かご内天井の縦方向の寸法を小さくでき、乗りかごの昇降路頂部の安全寸法を十分に確保することが可能となる。さらに、乗りかご底部などのテールコードの重量を低減化でき、巻上機の動作によるエレベータ運転の消費電力を低減化することが可能となる。
【0019】
なお、乗りかご内の天井部分に、複数個の赤色発光素子、複数個の緑色発光素子及び複数個の青色発光素子とを組み合わせ配列し、白色光を発光するかご内照明灯を取り付けた場合でも、従来の白熱灯、蛍光灯に近い色の光を出してかご内を照明できる。
【0020】
また、前記かご内の照明灯としては、複数個の白色発光素子を直列接続したアームを基本とし、少なくとも1つ以上のアームを並列接続及び直列接続の何れか一方又は両方により構成し、常時は商用電源から得られる直流電圧が供給され、当該商用電源の断時には、少なくとも1つの並列接続アーム間又は直列接続された複数のアーム間に自動的に直流低電圧電源を供給する構成とすれば、商用電源の停電時に自動的に直流低電圧電源を供給できるだけでなく、かご内の照明灯そのものを停電灯として兼用でき、新たに別の停電灯を設ける必要がなくなり、益々乗りかごの限られたスペースを有効に利用できる。
【0021】
さらに、前記かご内の照明灯としては、複数個の発光素子により構成される同一又は異なる外形寸法を有する複数枚の照明ユニットで構成すれば、複雑な形状の天井であっても有効に生かすつつ照明でき、またデザイン性を十分に配慮しつつかご内天井に取り付け可能となり、取り付けの自由度を高めることが可能となるる。
【0022】
さらに、従来の白熱灯や蛍光灯は、外形寸法や器具全体の重量等から、可動部である救出蓋体に取り付けることが不可能であるが、白色発光素子を用いた照明灯の場合には、薄く、軽量であり、外形寸法も小さので、救出蓋体面に容易に取
(2) 本発明は、乗りかご内の側面に、複数個の白色発光素子で構成されるかご内照明灯を取り付ければ、乗りかごの天井に余裕をもって空調用の通風口を取り付けることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は本発明に係るエレベータのかご内照明装置の一実施の形態を説明する図である。
【0025】
図1はエレベータの乗りかご内側から天井を含むかごドア側を見た図である。この乗りかごは、かご床1、このかご床1から上部に立設され、かご壁となる側板2、これらかご床1及び側板2等で構成されるかごの上部を塞ぐかご天井板3が設けられ、またかご正面側両サイドの側板2−2間にはかごドア4が開閉可能に取り付けられている。
【0026】
また、乗りかごの正面一方サイドに設置されるかご内側側板2にはかご操作盤5が取り付けられている。このかご操作盤5には、利用者が行先階を指定する行先階登録用ボタン、かごドアを開閉するドア開・閉ボタンその他必要な機能部品が設けられている。前記乗りかごの所要個所,例えば天井板3には、従来の白熱灯、蛍光灯等に代えて白色発光素子(例えばLED)を用いたかご内照明灯10が取り付けられている。6はかご内インジケータである。
【0027】
このかご内照明灯10は、白色LEDの発光素子11が用いられ、従来の蛍光灯から発する色に近い色を出すことができ、ひいては色彩上の違和感が無くなるとともに、複数個の白色発光素子11,…を配列することにより、従来の白熱灯、蛍光灯などと同様な明るさを確保することが可能であり、かご内の照明の役割を十分に果たすことができる。ここで、白色とは、白色に近い色という意味であり、例えば昼光色も含むものであり、以下についても同様である。
【0028】
図2はかご内照明灯10の詳細構成を示す図である。
【0029】
このかご内照明灯10は、図2に示すように補強板12と、この補強板12の複数個所に例えば筒状支柱13を介して取り付けられ、所定の間隔をもって縦横方向に複数個の白色発光素子11,…が整然と配置されたプリント配線基板14と、このプリント配線基板14の補強板12とは反対側の面部に同じく筒状支柱15を介して取り付けられた保護板16とで構成されている。なお、この保護板16の外部側からねじ17が保護板16−筒状支柱15−プリント配線基板14−筒状支柱13を経由して挿通され、補強板12にねじ止めまたはナット止めされる。
【0030】
前記補強板12は、プリント配線基板14の強度を確保する他、プリント配線基板14をかご天井板3に固定するために用いられる。また、保護板16は、透明又は半透明の樹脂やガラス等の材料で作られ、プリント配線基板14を保護する他、各白色発光素子11,…から発する個々の発色光を拡散させることにより、あたかも保護板全体から白色光を発光するように見せる機能をもっている。
【0031】
なお、図3は、図2に示すZ−Z矢視方向から見た図であって、プリント配線基板14には複数個の白色発光素子11,…に所要の電力を供給するためのコネクタ18が設けられている。
【0032】
なお、補強板12に所要長さの筒状支柱13を通してプリント配線基板14を取り付けた構成としたが、例えば補強板12自体が絶縁性材料であったり、或いは金属製の基体面に絶縁性塗料を塗布し又は絶縁性材料を貼着した補強板12であれば、当該補強体12とプリント配線基板14とを重ね合わせた一体型の構成でもよく、さらにかご縦方向の寸法を小さくできる。また、図3に示すごとく、補強体12の外形寸法をプリント配線基板14の外形寸法よりも大きくすれば、当該補強体12の四隅を利用してかご天井板3に固定することが可能である。
【0033】
また、保護板16は、支柱15、プリント配線基板14及び支柱13を介して補強板12に取付けたが、例えばプリント配線基板14から所要の距離を離して当該プリント配線基板外側表面全体を覆うようにプリント配線基板14に嵌め込む形式の構成であってもよい。この嵌め込む形式とは、例えばプリント配線基板14側に嵌合部材又は被嵌合部材、保護板16に被嵌合部材又は嵌合部材を取り付けて嵌め込むとか、プリント配線基板14と保護板16との一方端部側を蝶番で接続し、他方端部に嵌合部材、被嵌合部材を取り付け、嵌め込む形式でもよく、その他従来周知の種々の嵌め込む形式のものが使用される。
【0034】
図4はかご内照明装置の電気的な回路構成を示す図である。
【0035】
このかご内照明装置の電気的な回路構成は、商用電源21の通電状態を検出する例えばリレーなどの通電センサ22と、商用電源21からコネクタ(図示せず)を介して接続される照明灯10を構成するプリント配線基板14と、商用電源21の停電時にバックアップするバックアップ電源部23とが設けられている。
【0036】
このプリント配線基板14は、商用電源21から供給される電圧を所要の直流電圧に変換する整流素子からなる整流回路24が設けられている。この整流回路24の出力端側には、所要の電流となるように規制する制限抵抗26と複数個の白色発光素子11,…の直列回路とを直列に接続したアーム27を基本とし、かご内照明装置の大きさ、乗りかごの大きさその他所要の光量等に応じて任意数のアーム27を並列接続、直列接続の何れか一方または両方の組み合わせであってもよい。
【0037】
さらに、バックアップ電源部23は、複数のアーム27を並列接続した並列アーム単位に前記通電センサ22による通電断時にオンするリレー接点等の開閉スイッチ素子22aと低電圧直流電源である蓄電池28との直列回路が接続されている。なお、並列接続される複数のアームを組とし、複数の組を直列接続した直列接続アームの間に開閉スイッチ素子22aと蓄電池24との直列回路を接続する構成であってもよい。
【0038】
なお、複数のアームを並列接続した並列接続アームごとに蓄電池28を設けたが、例えば一部の並列接続アームだけに蓄電池28を接続する構成であってもよい。
【0039】
次に、以上のようなかご内照明装置の動作について説明する。
【0040】
通常、商用電源21が供給されているので、通電センサ22が動作し、開閉スイッチ22aをオフ状態に設定する。この状態においては、商用電源21の交流電力はコネクタ18を通して整流回路24に供給されるので、この整流回路24で所要の直流電圧に変換し、各アーム27を構成する複数の白色発光素子11に供給される。
【0041】
その結果、複数の白色発光素子11は、それぞれ白色の光で発光するが、このとき透明又は半透明の保護板16で拡散するので、乗りかご内部から見たとき、保護板16全体から白色で発光されている状態で乗りかご内を照光する。しかも、複数個の白色発光素子11,…が所定の間隔をもって縦横方向に整然と配置されているので、白熱灯、蛍光灯などと同様な明るさを確保でき、乗りかご内の照明の役割を十分に果たすことができる。
【0042】
ところで、万一、商用電源21が停電すると、通電センサ22が電源断を検出し不動作となり、開閉スイッチ22aをオン状態に設定する。その結果、開閉スイッチ素子22aに直列に接続されている蓄電池28から所要の直流電圧が並列接続アームに供給されるので、蓄電池28の直流電圧が白色発光素子11に供給され、当該白色発光素子11が白色の光で発光するので、停電灯の役割を果たすことになる。しかも、複数個の白色発光素子11の並列接続アームに蓄電池28の電圧を供給するが、もともと白色発光素子11の消費電力が小さいので、低電圧の蓄電池28を用いて白色発光素子11を発光駆動することができる。
【0043】
なお、アーム27を複数直列接続しない場合、例えば整流回路24内に降圧トランス等を組み込み、電圧を落として1つのアーム27に供給することもできる。
【0044】
従って、以上のような実施の形態によれば、白色発光素子11,…は、従来の白熱灯、蛍光灯と比較し、低電流であるので、長寿命化を図ることができ、よって交換回数を減らすことが可能であり、メンテナンス費用を大幅に削減できる。また、白色発光素子11、…の消費電力が小さいので、商用電源21の停電時、蓄電池等の低電圧直流電源を用いて、白色発光素子11をもつ照明灯10をそのまま停電灯として利用でき、しかも従来のように別に停電灯を設ける必要がないので、かご内の有効活用スペースを増やすことができる。
【0045】
また、白色発光素子11、…を用いた照明灯10では、従来の白熱灯、蛍光灯と比較し、かご内天井の縦方向の寸法を小さくでき、乗りかごの昇降路頂部の安全寸法を十分に確保することが可能となる。
【0046】
さらに、白色発光素子11、…を用いた照明灯10は、消費電力が小さいことから、乗りかご底部などのテールコードの重量を低減化でき、巻上機の動作によるエレベータ運転の消費電力を低減化できる。
【0047】
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、一体化した1つのかご内照明灯10について説明したが、例えば図5に示すように複数個の照明ユニット10A〜10Gに分割し、かご天井板3に取り付けるようにすれば、ユーザの要望等を取り入れながら異なる外形寸法の照明ユニットを組み合わせて使用でき、しかも、複雑な形状の天井であっても、デザイン性を十分に配慮しつつかご内照明灯10を取り付けることができ、ひいては照明装置の取り付けの自由度を高めることができる。
【0048】
(2) 複数個の照明ユニット10A〜10Gに分割することにより、例えば乗りかごのかご天井板3に開閉式の救出蓋体が設けられてている場合でも、その救出蓋体に1つの照明ユニット10Dを取り付けることが可能である。従来の照明器具は、その外形寸法や器具全体の重量等から、可動部である救出蓋体に取り付けることが不可能であったが、白色発光素子11、…を用いた照明灯10では、薄く、かつ、軽量であり、外形寸法も小さく作ることが可能であるので、救出蓋体表面にも容易に取り付け可能となる。
【0049】
(3) また、従来では、かご天井の大部分が蛍光灯などの照明装置で占められていたので、十分な空調用通風口を確保することが困難であったが、白色発光素子11、…を用いた照明灯10を複数個の照明ユニット10A´〜10F´に分割し、図6に示すように分割された複数個の照明ユニット10A´〜10F´をかご内の側面に配列すれば、空いた天井をフルに利用でき、エアコンの吹出し口31及び吸引口32等の空調用通風口を容易にレイアウトできる。
【0050】
(4) さらに、上記実施の形態では、図2及び図3に示すようにプリント配線基板14上に白色LEDの発光素子11、…を配列したが、例えば白色LEDの代わりに、ユーザの要望を採りいれながら赤色、緑色、青色LEDの発光素子11、…を組み合わせて配列することにより、色の3原色の原理から白色に近い発色光を出すことができる。その際、保護板16としては、光の拡散率の高い材料を使用すれば、3色のLEDの色むらを低減できる。
【0051】
(5) 赤色、緑色、青色LEDの発光素子11、…を組み合わせて配列するとともに、これら発光素子11、…を予め作成されるプログラムに従ってコンピュータで制御可能とすれば、常時は照明器具として使用するが、特定の時間帯や何らかのイベント開催時などに多彩な色変化をもつ電飾設備として使用することも可能である。
【0052】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。上記実施の形態では、LEDの発光素子を用いたが、例えば有機ELなどの発光素子、またLEDの発光素子と有機ELの発光素子を混在させた構成のものでもよい。
【0053】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来の白熱灯、蛍光灯の照明器具と比較し、長寿命、省エネ化を容易に実現でき、またかご内の限られたスペースを効率的に利用しつつ照明でき、しかもかご全体の設計の自由度を高めるエレベータのかご内照明装置を提供できる。
【0055】
さらに、本発明は、停電時のバックアップ照明にも利用可能なエレベータのかご内照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレベータのかご内照明装置を取り付けた乗りかご内の配置例を示す図。
【図2】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の一実施の形態を説明する詳細構成図。
【図3】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の図2に示すZ−Z矢視方向からエレベータのかご内照明装置を見た図。
【図4】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の一実施の形態を説明する電気的な構成図。
【図5】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の他の乗りかご内の配置例を説明する図。
【図6】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の他の乗りかご内の配置例を説明する図。
【符号の説明】
1…かご床、2…側板、3…天井板、4…かごドア、10…照明灯、10A,10A´〜10F,10F´,10G…照明ユニット、1…白色発光素子、12…補強板、14…プリント配線基板、16…保護板、21…商用電源、22…通電センサ、23…バックアップ電源部、24…整流回路、26…制限抵抗、27…アーム、31…吹出し口、32…吸引口。
【発明の属する技術分野】
本発明はエレベータのかご内照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エレベータのかご内照明装置としては、ほとんどの場合、一般照明用の白熱灯や蛍光灯が使用され、これら白熱灯や蛍光灯はかご天井に取り付けられている。
【0003】
また、エレベータの中には、エレベータのかご内天井に多数の発光素子が配列され、かご天井に夜空の光景を再現させた電飾設備を設けたものもある(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実公平4−055229号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、以上のようにエレベータのかご内照明装置では、乗りかご内の照明に白熱灯や蛍光灯が用いられているが、乗りかご自体が可動体であること、また昇降路面積、各階高さ及び昇降路頂部等の関係等から乗りかご内の設備取り付けスペースが限られていること等から、次のような種々の問題点が指摘されている。
【0006】
(1) 一般に、白熱灯、蛍光灯等の照明器具は、共に寿命が短く、1年間に数回の交換作業が必要になる。一方、乗りかごは、建物内のテナントなどを利用する利用者の乗降が目的であり、利用者以外に使用するスペースは限られているので、白熱灯、蛍光灯等の照明器具は狭い場所やかご天井の奥まった場所に取り付けられるのが一般的である。
【0007】
その結果、照明器具の交換は、安全な乗りかご内からではなく、専門の保守員が乗りかご上部に上がって時間をかけて交換作業を行うことが多く、照明器具の寿命が短い場合にはメンテナンス費用が多くかかる問題がある。
【0008】
(2) エレベータの乗りかご内は、密閉された特殊環境にあることから、万一の停電時でも乗りかご内の乗客の不安を和らげるために、かご内停電灯が不可欠である。しかし、かご内停電灯は、蓄電池等の低電圧直流電源を用いる場合が多く、通常の蛍光灯などを用いて直接照光することが難しく、通常照明とは別の停電灯を設けたり、或いは通常照明の蛍光灯を用いる場合には別途にインバータ装置等の電源装置を設ける必要がある。また、通常照明が白熱灯の場合、消費電力が大きく、さらに電圧が高い等の理由から、同様に白熱灯とは別に停電灯を設ける必要がある。
【0009】
このことは、通常照明とは別に停電灯を設けることから、乗りかご内の設備が増えてしまい、益々スペースや保守の面から不利となる。
【0010】
(3) 白熱灯や蛍光灯は、外形寸法が大きく、かご内天井に取り付けた場合、縦方向の寸法に大きく左右される。特に、エレベータは、乗りかごの縦方向寸法は、昇降路頂部の安全寸法確保上、非常に重要な意味をもっている。つまり、昇降路頂部から乗りかご上部の寸法が決まってくるので、この寸法が満たされない場合には乗りかごが最上階まで運転できないとか、最上階に向かうに従って定格速度を下げて運転しなければならない問題がある。このことは、ユーザにとって照明器具の縦方向の寸法を極力小さくしたいという要望がある。
【0011】
(4) 乗りかご内に白熱灯を取り付けた場合、白熱灯から発生する熱が乗りかご内にこもり、夏場等では非常に暑くなる問題がある。また、白熱灯は、消費電力、電流も大きいことから、乗りかご底部などに吊り下げられているテールコードを太くする必要があり、それだけ重量増となる。よって、テールコードの重量が増えると、巻上機の動作によるエレベータ運転の消費電力も増大する問題がある。
【0012】
(5) また、乗りかごのかご天井板に開閉式の救出蓋体が設けられてているが、この部分には白熱灯や蛍光灯の取り付けがきないので、かご天井に取り付ける照明器具の配置にも大きな制約が伴う問題がある。
【0013】
(6) さらに、エレベータでは、かご呼びが長時間発生しない閑散時に節電目的から自動的に照明器具を消灯する機能をもっている。このようなエレベータでは、かご呼びが発生した場合、照明器具を自動的に点灯するが、蛍光灯の場合には点灯するまでに多少の時間を必要とする。その結果、かごドアが開いた瞬間に乗りかご内の照明が消えた状態に見え、利用者に不安感を与えるなどの問題がある。
【0014】
そこで、照明器具が完全に点灯するまでドア開を遅らせる機能を備えたエレベータもあるが、逆に利用者にいらいら感を与える結果となり、サービスの低下をもたらす問題がある。
【0015】
(7) さらに、後者の特許文献1の電飾設備は、乗りかご内を薄暗い状態に設定し、かご内天井に夜空の光景を再現するものであり、特定の使用目的に限って利用することが可能であるが、本来の乗りかご内を明るくする本来の照明器具の機能をもっていない。つまり、電飾設備とは別に乗りかご内を明るくする場合には白熱灯,蛍光灯等の照明器具を取り付ける必要がある。
【0016】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、長寿命、省エネ化はもとより、かご内の限られたスペースを効率的に利用可能とし、また停電時のバックアップ照明にも十分対応可能なエレベータのかご内照明装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1) 上記課題を解決するために、本発明に係るエレベータのかご内照明装置は、乗りかご内の天井部分に、複数個の白色発光素子で構成されるかご内照明灯を取り付けた構成である。
【0018】
この発明は以上のような構成とすることにより、白色発光素子自体は従来の白熱灯、蛍光灯と比較し、低電流であるので、かご内照明灯の長寿命化を図ることが可能となり、メンテナンス費用の大幅な削減が可能となる。また、白色発光素子を用いた照明灯は、かご内天井の縦方向の寸法を小さくでき、乗りかごの昇降路頂部の安全寸法を十分に確保することが可能となる。さらに、乗りかご底部などのテールコードの重量を低減化でき、巻上機の動作によるエレベータ運転の消費電力を低減化することが可能となる。
【0019】
なお、乗りかご内の天井部分に、複数個の赤色発光素子、複数個の緑色発光素子及び複数個の青色発光素子とを組み合わせ配列し、白色光を発光するかご内照明灯を取り付けた場合でも、従来の白熱灯、蛍光灯に近い色の光を出してかご内を照明できる。
【0020】
また、前記かご内の照明灯としては、複数個の白色発光素子を直列接続したアームを基本とし、少なくとも1つ以上のアームを並列接続及び直列接続の何れか一方又は両方により構成し、常時は商用電源から得られる直流電圧が供給され、当該商用電源の断時には、少なくとも1つの並列接続アーム間又は直列接続された複数のアーム間に自動的に直流低電圧電源を供給する構成とすれば、商用電源の停電時に自動的に直流低電圧電源を供給できるだけでなく、かご内の照明灯そのものを停電灯として兼用でき、新たに別の停電灯を設ける必要がなくなり、益々乗りかごの限られたスペースを有効に利用できる。
【0021】
さらに、前記かご内の照明灯としては、複数個の発光素子により構成される同一又は異なる外形寸法を有する複数枚の照明ユニットで構成すれば、複雑な形状の天井であっても有効に生かすつつ照明でき、またデザイン性を十分に配慮しつつかご内天井に取り付け可能となり、取り付けの自由度を高めることが可能となるる。
【0022】
さらに、従来の白熱灯や蛍光灯は、外形寸法や器具全体の重量等から、可動部である救出蓋体に取り付けることが不可能であるが、白色発光素子を用いた照明灯の場合には、薄く、軽量であり、外形寸法も小さので、救出蓋体面に容易に取
(2) 本発明は、乗りかご内の側面に、複数個の白色発光素子で構成されるかご内照明灯を取り付ければ、乗りかごの天井に余裕をもって空調用の通風口を取り付けることが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1は本発明に係るエレベータのかご内照明装置の一実施の形態を説明する図である。
【0025】
図1はエレベータの乗りかご内側から天井を含むかごドア側を見た図である。この乗りかごは、かご床1、このかご床1から上部に立設され、かご壁となる側板2、これらかご床1及び側板2等で構成されるかごの上部を塞ぐかご天井板3が設けられ、またかご正面側両サイドの側板2−2間にはかごドア4が開閉可能に取り付けられている。
【0026】
また、乗りかごの正面一方サイドに設置されるかご内側側板2にはかご操作盤5が取り付けられている。このかご操作盤5には、利用者が行先階を指定する行先階登録用ボタン、かごドアを開閉するドア開・閉ボタンその他必要な機能部品が設けられている。前記乗りかごの所要個所,例えば天井板3には、従来の白熱灯、蛍光灯等に代えて白色発光素子(例えばLED)を用いたかご内照明灯10が取り付けられている。6はかご内インジケータである。
【0027】
このかご内照明灯10は、白色LEDの発光素子11が用いられ、従来の蛍光灯から発する色に近い色を出すことができ、ひいては色彩上の違和感が無くなるとともに、複数個の白色発光素子11,…を配列することにより、従来の白熱灯、蛍光灯などと同様な明るさを確保することが可能であり、かご内の照明の役割を十分に果たすことができる。ここで、白色とは、白色に近い色という意味であり、例えば昼光色も含むものであり、以下についても同様である。
【0028】
図2はかご内照明灯10の詳細構成を示す図である。
【0029】
このかご内照明灯10は、図2に示すように補強板12と、この補強板12の複数個所に例えば筒状支柱13を介して取り付けられ、所定の間隔をもって縦横方向に複数個の白色発光素子11,…が整然と配置されたプリント配線基板14と、このプリント配線基板14の補強板12とは反対側の面部に同じく筒状支柱15を介して取り付けられた保護板16とで構成されている。なお、この保護板16の外部側からねじ17が保護板16−筒状支柱15−プリント配線基板14−筒状支柱13を経由して挿通され、補強板12にねじ止めまたはナット止めされる。
【0030】
前記補強板12は、プリント配線基板14の強度を確保する他、プリント配線基板14をかご天井板3に固定するために用いられる。また、保護板16は、透明又は半透明の樹脂やガラス等の材料で作られ、プリント配線基板14を保護する他、各白色発光素子11,…から発する個々の発色光を拡散させることにより、あたかも保護板全体から白色光を発光するように見せる機能をもっている。
【0031】
なお、図3は、図2に示すZ−Z矢視方向から見た図であって、プリント配線基板14には複数個の白色発光素子11,…に所要の電力を供給するためのコネクタ18が設けられている。
【0032】
なお、補強板12に所要長さの筒状支柱13を通してプリント配線基板14を取り付けた構成としたが、例えば補強板12自体が絶縁性材料であったり、或いは金属製の基体面に絶縁性塗料を塗布し又は絶縁性材料を貼着した補強板12であれば、当該補強体12とプリント配線基板14とを重ね合わせた一体型の構成でもよく、さらにかご縦方向の寸法を小さくできる。また、図3に示すごとく、補強体12の外形寸法をプリント配線基板14の外形寸法よりも大きくすれば、当該補強体12の四隅を利用してかご天井板3に固定することが可能である。
【0033】
また、保護板16は、支柱15、プリント配線基板14及び支柱13を介して補強板12に取付けたが、例えばプリント配線基板14から所要の距離を離して当該プリント配線基板外側表面全体を覆うようにプリント配線基板14に嵌め込む形式の構成であってもよい。この嵌め込む形式とは、例えばプリント配線基板14側に嵌合部材又は被嵌合部材、保護板16に被嵌合部材又は嵌合部材を取り付けて嵌め込むとか、プリント配線基板14と保護板16との一方端部側を蝶番で接続し、他方端部に嵌合部材、被嵌合部材を取り付け、嵌め込む形式でもよく、その他従来周知の種々の嵌め込む形式のものが使用される。
【0034】
図4はかご内照明装置の電気的な回路構成を示す図である。
【0035】
このかご内照明装置の電気的な回路構成は、商用電源21の通電状態を検出する例えばリレーなどの通電センサ22と、商用電源21からコネクタ(図示せず)を介して接続される照明灯10を構成するプリント配線基板14と、商用電源21の停電時にバックアップするバックアップ電源部23とが設けられている。
【0036】
このプリント配線基板14は、商用電源21から供給される電圧を所要の直流電圧に変換する整流素子からなる整流回路24が設けられている。この整流回路24の出力端側には、所要の電流となるように規制する制限抵抗26と複数個の白色発光素子11,…の直列回路とを直列に接続したアーム27を基本とし、かご内照明装置の大きさ、乗りかごの大きさその他所要の光量等に応じて任意数のアーム27を並列接続、直列接続の何れか一方または両方の組み合わせであってもよい。
【0037】
さらに、バックアップ電源部23は、複数のアーム27を並列接続した並列アーム単位に前記通電センサ22による通電断時にオンするリレー接点等の開閉スイッチ素子22aと低電圧直流電源である蓄電池28との直列回路が接続されている。なお、並列接続される複数のアームを組とし、複数の組を直列接続した直列接続アームの間に開閉スイッチ素子22aと蓄電池24との直列回路を接続する構成であってもよい。
【0038】
なお、複数のアームを並列接続した並列接続アームごとに蓄電池28を設けたが、例えば一部の並列接続アームだけに蓄電池28を接続する構成であってもよい。
【0039】
次に、以上のようなかご内照明装置の動作について説明する。
【0040】
通常、商用電源21が供給されているので、通電センサ22が動作し、開閉スイッチ22aをオフ状態に設定する。この状態においては、商用電源21の交流電力はコネクタ18を通して整流回路24に供給されるので、この整流回路24で所要の直流電圧に変換し、各アーム27を構成する複数の白色発光素子11に供給される。
【0041】
その結果、複数の白色発光素子11は、それぞれ白色の光で発光するが、このとき透明又は半透明の保護板16で拡散するので、乗りかご内部から見たとき、保護板16全体から白色で発光されている状態で乗りかご内を照光する。しかも、複数個の白色発光素子11,…が所定の間隔をもって縦横方向に整然と配置されているので、白熱灯、蛍光灯などと同様な明るさを確保でき、乗りかご内の照明の役割を十分に果たすことができる。
【0042】
ところで、万一、商用電源21が停電すると、通電センサ22が電源断を検出し不動作となり、開閉スイッチ22aをオン状態に設定する。その結果、開閉スイッチ素子22aに直列に接続されている蓄電池28から所要の直流電圧が並列接続アームに供給されるので、蓄電池28の直流電圧が白色発光素子11に供給され、当該白色発光素子11が白色の光で発光するので、停電灯の役割を果たすことになる。しかも、複数個の白色発光素子11の並列接続アームに蓄電池28の電圧を供給するが、もともと白色発光素子11の消費電力が小さいので、低電圧の蓄電池28を用いて白色発光素子11を発光駆動することができる。
【0043】
なお、アーム27を複数直列接続しない場合、例えば整流回路24内に降圧トランス等を組み込み、電圧を落として1つのアーム27に供給することもできる。
【0044】
従って、以上のような実施の形態によれば、白色発光素子11,…は、従来の白熱灯、蛍光灯と比較し、低電流であるので、長寿命化を図ることができ、よって交換回数を減らすことが可能であり、メンテナンス費用を大幅に削減できる。また、白色発光素子11、…の消費電力が小さいので、商用電源21の停電時、蓄電池等の低電圧直流電源を用いて、白色発光素子11をもつ照明灯10をそのまま停電灯として利用でき、しかも従来のように別に停電灯を設ける必要がないので、かご内の有効活用スペースを増やすことができる。
【0045】
また、白色発光素子11、…を用いた照明灯10では、従来の白熱灯、蛍光灯と比較し、かご内天井の縦方向の寸法を小さくでき、乗りかごの昇降路頂部の安全寸法を十分に確保することが可能となる。
【0046】
さらに、白色発光素子11、…を用いた照明灯10は、消費電力が小さいことから、乗りかご底部などのテールコードの重量を低減化でき、巻上機の動作によるエレベータ運転の消費電力を低減化できる。
【0047】
(その他の実施の形態)
(1) 上記実施の形態では、一体化した1つのかご内照明灯10について説明したが、例えば図5に示すように複数個の照明ユニット10A〜10Gに分割し、かご天井板3に取り付けるようにすれば、ユーザの要望等を取り入れながら異なる外形寸法の照明ユニットを組み合わせて使用でき、しかも、複雑な形状の天井であっても、デザイン性を十分に配慮しつつかご内照明灯10を取り付けることができ、ひいては照明装置の取り付けの自由度を高めることができる。
【0048】
(2) 複数個の照明ユニット10A〜10Gに分割することにより、例えば乗りかごのかご天井板3に開閉式の救出蓋体が設けられてている場合でも、その救出蓋体に1つの照明ユニット10Dを取り付けることが可能である。従来の照明器具は、その外形寸法や器具全体の重量等から、可動部である救出蓋体に取り付けることが不可能であったが、白色発光素子11、…を用いた照明灯10では、薄く、かつ、軽量であり、外形寸法も小さく作ることが可能であるので、救出蓋体表面にも容易に取り付け可能となる。
【0049】
(3) また、従来では、かご天井の大部分が蛍光灯などの照明装置で占められていたので、十分な空調用通風口を確保することが困難であったが、白色発光素子11、…を用いた照明灯10を複数個の照明ユニット10A´〜10F´に分割し、図6に示すように分割された複数個の照明ユニット10A´〜10F´をかご内の側面に配列すれば、空いた天井をフルに利用でき、エアコンの吹出し口31及び吸引口32等の空調用通風口を容易にレイアウトできる。
【0050】
(4) さらに、上記実施の形態では、図2及び図3に示すようにプリント配線基板14上に白色LEDの発光素子11、…を配列したが、例えば白色LEDの代わりに、ユーザの要望を採りいれながら赤色、緑色、青色LEDの発光素子11、…を組み合わせて配列することにより、色の3原色の原理から白色に近い発色光を出すことができる。その際、保護板16としては、光の拡散率の高い材料を使用すれば、3色のLEDの色むらを低減できる。
【0051】
(5) 赤色、緑色、青色LEDの発光素子11、…を組み合わせて配列するとともに、これら発光素子11、…を予め作成されるプログラムに従ってコンピュータで制御可能とすれば、常時は照明器具として使用するが、特定の時間帯や何らかのイベント開催時などに多彩な色変化をもつ電飾設備として使用することも可能である。
【0052】
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。上記実施の形態では、LEDの発光素子を用いたが、例えば有機ELなどの発光素子、またLEDの発光素子と有機ELの発光素子を混在させた構成のものでもよい。
【0053】
また、各実施の形態は可能な限り組み合わせて実施することが可能であり、その場合には組み合わせによる効果が得られる。さらに、上記各実施の形態には種々の上位,下位段階の発明が含まれており、開示された複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得るものである。例えば問題点を解決するための手段に記載される全構成要件から幾つかの構成要件が省略されうることで発明が抽出された場合には、その抽出された発明を実施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜補われるものである。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、従来の白熱灯、蛍光灯の照明器具と比較し、長寿命、省エネ化を容易に実現でき、またかご内の限られたスペースを効率的に利用しつつ照明でき、しかもかご全体の設計の自由度を高めるエレベータのかご内照明装置を提供できる。
【0055】
さらに、本発明は、停電時のバックアップ照明にも利用可能なエレベータのかご内照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエレベータのかご内照明装置を取り付けた乗りかご内の配置例を示す図。
【図2】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の一実施の形態を説明する詳細構成図。
【図3】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の図2に示すZ−Z矢視方向からエレベータのかご内照明装置を見た図。
【図4】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の一実施の形態を説明する電気的な構成図。
【図5】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の他の乗りかご内の配置例を説明する図。
【図6】本発明に係るエレベータのかご内照明装置の他の乗りかご内の配置例を説明する図。
【符号の説明】
1…かご床、2…側板、3…天井板、4…かごドア、10…照明灯、10A,10A´〜10F,10F´,10G…照明ユニット、1…白色発光素子、12…補強板、14…プリント配線基板、16…保護板、21…商用電源、22…通電センサ、23…バックアップ電源部、24…整流回路、26…制限抵抗、27…アーム、31…吹出し口、32…吸引口。
Claims (7)
- 乗りかご内を照明するエレベータのかご内照明装置において、
乗りかご内の天井部分に、複数個の白色発光素子で構成されるかご内照明灯を取り付けたことを特徴とするエレベータのかご内照明装置。 - 乗りかご内を照明するエレベータのかご内照明装置において、
乗りかご内の天井部分に、複数個の赤色発光素子、複数個の緑色発光素子及び複数個の青色発光素子とを組み合わせ配列し、白色光を発光するかご内照明灯を取り付けたことを特徴とするエレベータのかご内照明装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のエレベータのかご内照明装置において、
前記かご内照明灯は、複数個の白色発光素子を直列接続したアームを基本とし、少なくとも1つ以上のアームを並列接続及び直列接続の何れか一方又は両方により構成し、常時は商用電源から得られる直流電圧が供給され、当該商用電源の断時には、少なくとも1つの並列接続アーム間又は直列接続された複数のアーム間に自動的に直流低電圧電源を供給する構成としたことを特徴とするエレベータのかご内照明装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のエレベータのかご内照明装置において、
前記かご内照明灯は、複数個の発光素子により構成される同一又は異なる外形寸法を有する複数枚の照明ユニットで構成したことを特徴とするエレベータのかご内照明装置。 - 請求項4に記載のエレベータのかご内照明装置において、
前記複数枚の照明ユニットのうち、少なくとも1枚の照明ユニットは、乗りかごの天井に形成される開閉式の救出蓋体に配置したことを特徴とするエレベータのかご内照明装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れか一項に記載のエレベータのかご内照明装置において、
前記照明ユニットを含むかご内照明灯は、乗りかごの天井又は側面に取り付ける補強板と、この補強板に所定の空隙又は積重構成にて取り付けられ、前記複数個の発光素子が所定の間隔をもって縦横に配列された基板と、この基板に取り付けられ、各発光素子から発する光を拡散する透明又は半透明の保護板とで構成したことを特徴とするエレベータのかご内照明装置。 - 乗りかご内を照明するエレベータのかご内照明装置において、
乗りかご内の側面に、複数個の白色発光素子で構成されるかご内照明灯を取り付け、前記乗りかごの天井に空調用の通風口を取り付け可能としたことを特徴とするエレベータのかご内照明装置。
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