JP2004337729A - 主走査用送り方法および主走査用送り装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器 - Google Patents

主走査用送り方法および主走査用送り装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器 Download PDF

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誠吾 水谷
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Abstract

【課題】本発明は、描画処理時におけるワークの機械的なうねりを矯正して、精度良く描画処理を行うことができる主走査用送り方法および主走査用送り装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、ワークWに所定の描画処理を行うために、主走査用送り装置201を用いて、機能液を選択的に吐出する機能液滴吐出ヘッド32に対して、ワークWを主走査方向に相対的に送る主走査用送り方法において、ワークWの送り方向両側端部における送り量を個々に且つ連続的に検出する送り量検出工程と、送り量検出工程の検出結果に基づいて、ワークWの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とが同一になるように、ワークWの両側端部それぞれの送り量を調整する送り量調整工程と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワークに所定の描画処理を行うために、主走査方向にワークを送る主走査用送り方法および主走査用送り装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液滴吐出法(インクジェット法)により、液晶表示装置などの表示装置に適用される、カラーフィルタ等を製造するフィルタ製造装置(液滴吐出装置)は、基板(ワーク)をセットするテーブル(セットテーブル)を移動させる第1移動手段を備えており、フィルタ製造装置ではテーブルを介して基板を移動させながら、基板に対して描画処理を行っている。第1移動手段は、テーブルを支持するスライダと、スライダの移動を案内する(Y軸方向に延在する)ガイドレールと、スライダを移動させるためのリニアモータと、を有している(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−248925号公報(第4頁−第5頁、図9)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ガイドレールやスライダは一定の機械的公差や微小な歪みを有しているため、テーブルにセットされた基板は、僅かにうねりながら(ヨーイングしながら)移動することがある。液滴吐出装置では、基板の所定位置に精度良く機能液を吐出することが要求されており、基板に対する描画処理時における基板のヨーイングは、描画結果に悪影響を及ぼすため問題となる。
【0005】
そこで本発明は、描画処理時におけるワークの機械的なうねりを矯正して、精度良く描画処理を行うことができる主走査用送り方法および主走査用送り装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ワークに所定の描画処理を行うために、主走査用送り装置を用いて、機能液を選択的に吐出する機能液滴吐出ヘッドに対して、ワークを主走査方向に相対的に送る主走査用送り方法において、ワークの送り方向両側端部における送り量を個々に且つ連続的に検出する送り量検出工程と、送り量検出工程の検出結果に基づいて、ワークの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とが同一になるように、ワークの両側端部それぞれの送り量を調整する送り量調整工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、ワークに所定の描画処理を行うために、機能液を選択的に吐出する機能液滴吐出ヘッドに対して、ワークを主走査方向に相対的に送る主走査手段と、ワークの送り方向両側端部における送り量を個々に且つ連続的に検出する送り量検出手段と、ワークの送り方向両側端部の送り量をそれぞれ調整する送り量調整手段と、送り量検出手段の検出結果に基づいて、ワークの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とが同一になるように、送り量調整手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、(送り量調整手段を制御することにより、)ワークの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とが同一になるように、ワークの送り量が調整されるので、ワークのうねりを矯正しながら直進移動させることができる。すなわち、ワークがヨーイングしながら相対的に移動して、ワークの送り方向両側端部の送り量がそれぞれ異なったとしても、ワークの両側端部の送り量を同一に調整することにより、ワークのうねりを修正して、ワークをまっすぐに移動させることができる。なお、ワーク側を移動(主走査)させる場合には、主走査手段と送り量調整手段を兼用させることが可能となる。
【0009】
この場合、主走査手段は、ワークをセットするセットテーブルを有し、セットテーブルを介してワークを相対的に送っており、セットテーブルの両側端部には、ワークの送り量を指標する一対のスケールが付され、送り量検出手段は、両スケールを検出することにより、ワークの両側端部の送り量を個々に検出することが好ましい。
【0010】
この構成によれば、セットテーブルの両側端部に付された一対のスケールを検出することにより、ワークの両側端部の送り量を個々に検出しており、主走査時におけるセットテーブルのうねりに基づいて、ワークの両側端部の各送り量を調整することができる。
【0011】
この場合、ワークの両側端部には、ワークの送り量を指標する一対のスケールが付され、送り量検出手段は、両スケールを検出することにより、ワークの両側端部の送り量を個々に検出することが好ましい。
【0012】
この構成によれば、ワークには、ワークの送り量を指標する一対のスケールが付されているので、主走査時におけるワークのうねりを直接検出して、ワークの両側端部の各送り量が同一となるように調節することができる。また、ワークに付された一対のスケールに基づいて、ワークの両側端部の送り量が同一となるように調整されるので、液滴吐出装置に対するワークのセット姿勢に関わらず、ワークを主走査方向に均一に送ることができる。また、一対のスケールがワークに付されているため、ワークの送り量がワークの熱膨張の影響を受けることがない。
【0013】
これらの場合、主走査手段は、機能液滴吐出ヘッドに対しワークを送るよう構成されており、送り量調整手段は、ワークの両側端部にそれぞれ臨み、制御手段により個別に駆動制御される一対の制動機構を有していることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、主走査手段により送られるワークに対し、一対の制動機構が臨んで、ワークの両側端部の送り量をブレーキングにより個別に調整する、すなわち一対の制動機構を個別に制御して、ワークの送り量に応じ、ワークの両側端部の送り速度を個別に調整することができるので、ワークの両側端部の送り量を同一に調整することができる。
【0015】
これらの場合、送り量調整手段は、ワークの両側端部をそれぞれ送ると共に、制御手段により個別に駆動制御される一対の送り調整機構を有していることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、送り調整機構を駆動制御してワークの送り量を制御することにより、主走査手段に起因するワークのうねりによって生じるワークの両側端部の送り量の違いを調整することができ、ワークを均一に送ることができる。具体的には、一対の送り調整機構を制御することにより、ワーク送り方向に対して、ワークが右側に向かってうねったときには、ワーク左側端部の送り量に対して、ワーク右側端部の送り量を相対的に増加させ、ワークが左側に向かってうねったときには、ワーク左側端部の送り量に対して、ワーク右側端部の送り量を相対的に減少させるようにする。
【0017】
この場合、主走査手段は、機能液滴吐出ヘッドに対しワークを送るよう構成されており、一対の送り調整機構は、主走査手段を兼ねていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、主走査手段が一対の送り調整機構を兼ねているので、比較的簡易な構成としたまま、ワークのうねりを矯正することができる。
【0019】
これらの場合、送り調整機構は、ワークの送り方向に列設した複数の送りローラ機構を有しており、各送りローラ機構は、ワークに転接してこれを送る駆動ローラおよび従動ローラから成るグリップローラと、駆動ローラを回転駆動する送りモータと、により、構成されていることが好ましい。
【0020】
この構成によれば、送り調整機構は、送りローラ機構で構成されているので、送りローラ機構の回転速度を調整することにより、ワークの送り量を確実に調整することができる。また、送り調整機構は、複数の送りローラ機構を有しているので、単数の送りローラ機構で構成した場合に比して、安定してワークを送ることができると共に、ワークの両側端部の送り量を細かく調整することができる。
【0021】
これらの場合、一対の送り駆動機構を一括して支持すると共に、一対の送り調整機構をワークの送り方向と直交する方向に微小移動させる横移動テーブルと、ワークの送り方向と直交する方向の横ぶれを検出する横ぶれ検出手段と、を更に備え、制御手段は、横ぶれ検出手段の検出結果に基づいて、ワークが直進するように横移動テーブルを制御することが好ましい。
【0022】
この構成によれば、ワークの送り方向と直交する方向の横ぶれを検出し、横移動テーブルを駆動制御することにより、ワークが直進するようにワークの横ぶれが調整(補正)されるので、主走査時にワークが微小に横ぶれしたとしてもこれを修正することができ、描画処理に悪影響を及ぼすことがない。
【0023】
この場合、ワークには、ワークの送り方向に延在すると共に相互に平行な横ぶれ検出用の一対のラインが付されており、横ぶれ検出手段は、一対のラインの中心間距離に対し僅かに広狭位置ずれさせて設けた一対の検出センサを有し、制御手段は、一対の検出センサがそれぞれ両ラインを同時に検出するように横移動テーブルを制御することが好ましい。
【0024】
この構成によれば、ワークが横ぶれすると、検出センサにより、横ぶれ検出用の一対のラインを同時に検出することができなくなるため、ワークに横ぶれが生じたこと、および横ぶれのぶれ方向を精度良く検出することができると共に、ワークの横ぶれを正確に調整することができる。
【0025】
本発明の液滴吐出装置は、上記した主走査用送り装置と、ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする。
【0026】
この構成によれば、ワークを精度良く送ることができる主走査用送り装置を備えているので、機能液滴吐出ヘッドに対してワークを均一に送ることができ、ワークに対して、高品質な描画処理を行うことができる。
【0027】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液滴吐出ヘッドから吐出させた機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0029】
これらの構成によれば、精度良くワークを送ることにより、高度な描画処理を行うことができる液滴吐出装置を用いて製造されるため、電気光学装置を効率よく製造することが可能となる。なお、電気光学装置(デバイス)としては、液晶表示装置、有機EL(Electro−Luminescence)装置、電子放出装置、PDP(Plasma Display Panel)装置および電気泳動表示装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0030】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置を搭載したことを特徴とする。
【0031】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータの他、各種の電気製品がこれに該当する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る液滴吐出装置について説明する。本実施形態の液滴吐出装置は、いわゆるフラットパネルディスプレイの一種である有機EL装置の製造ラインに組み込まれるものであり、有機EL装置の各画素となる発光素子を形成するものである。
【0033】
ここでは先ず、液滴吐出装置の説明に先立ち、有機EL装置の構造および製造工程について簡単に説明する。図1は、有機EL装置の断面図を示した図である。同図に示すように、有機EL装置701は、基板711、回路素子部721、画素電極731、バンク部741、発光素子751、陰極761(対向電極)、および封止用基板771から構成された有機EL素子702に、フレキシブル基板(図示省略)の配線および駆動IC(図示省略)を接続したものである。
【0034】
同図に示すように、有機EL素子702の基板711上には、回路素子部721が形成され、回路素子部721上には、複数の画素電極731が整列している。そして、各画素電極731間には、バンク部741が格子状に形成されており、バンク部741により生じた凹部開口744に、発光素子751が形成されている。バンク部741および発光素子751の上部全面には、陰極761が形成され、陰極761の上には、封止用基板771が積層されている。
【0035】
有機EL素子702の製造プロセスは、バンク部741を形成するバンク部形成工程と、発光素子751を適切に形成するためのプラズマ処理工程と、発光素子751を形成する発光素子形成工程と、陰極761を形成する対向電極形成工程と、封止用基板771を陰極761上に積層して封止する封止工程とを備えている。すなわち、有機EL素子702は、予め回路素子部721および画素電極731が形成された基板711(ワークW)の所定位置にバンク部741を形成した後、プラズマ処理、発光素子751および陰極761(対向電極)の形成を順に行い、さらに、封止用基板771を陰極761上に積層して封止することにより製造される。なお、有機EL素子702は、大気中の水分等の影響を受けて劣化しやすいため、有機EL素子702の製造は、ドライエアーまたは不活性ガス(窒素、アルゴン、ヘリウム等)雰囲気で行うことが好ましい。
【0036】
また、各発光素子751は、正孔注入/輸送層752およびR(赤)・G(緑)・B(青)のいずれかの色に着色された発光層753から成る成膜部で構成されており、発光素子形成工程には、正孔注入/輸送層752を形成する正孔注入/輸送層形成工程と、3色の発光層753を形成する発光層形成工程と、が含まれている。この場合、上記バンク部741により形成したマトリクス状の多数の凹部開口744に対し、3色の発光層753の配列は、例えば図2に示すように、ストライプ配列(同図(a))、モザイク配列(同図(b))およびデルタ配列(同図(c))が知られている。
【0037】
そして、有機EL装置701は、有機EL素子702を製造した後、有機EL素子702の陰極761にフレキシブル基板の配線を接続すると共に、駆動ICに回路素子部721の配線を接続することにより製造される。
【0038】
本実施形態の液滴吐出装置は、注入/輸送層形成工程に用いるものと、発光層形成工程に用いるものとがあるが、装置自体は同一構造のものが用いられるため、ここでは、R・G・B3色の発光層753を形成するための液滴吐出装置を例に、詳細に説明する。
【0039】
図3の平面模式図に示すように、実施形態の液滴吐出装置1は、機台2と、機台2上の全域に広く載置された描画装置3と、描画装置3に添設するように機台2上に載置したヘッド機能回復装置4とを有し、描画装置3に備えられた機能液滴吐出ヘッド32によりワークW上に機能液滴による描画を行うと共に、ヘッド機能回復装置4により適宜、機能液滴吐出ヘッド32の機能回復処理(メンテナンス)を行うようにしている。
【0040】
液滴吐出装置1を構成する各装置の装置構成について簡単に説明する。描画装置3は、ワークWを主走査方向に移動させるX軸テーブル(主走査手段)12およびX軸テーブル21に直交するY軸テーブル22からなるX・Y移動機構11と、Y軸テーブル22に移動自在に取り付けたメインキャリッジ12と、メインキャリッジ12に垂設したヘッドユニット13とを備えている。ヘッドユニット13には、サブキャリッジ31を介して、R色、G色およびB色の3つの機能液滴吐出ヘッド32が搭載されると共に、Y軸方向に離間して、後述するリニアエンコーダ202の一対のリニアセンサ205が搭載されている。
【0041】
この場合、基板であるワークWは、透光性(透明)のガラス基板で構成されている。ワークWには、2ヶ所の基準マーク76が付されており、ワークWをX軸テーブル21に搬入した段階で、これに臨む一対のワーク認識カメラ75,75により、X軸テーブル21に位置決めされた状態でセットされる。なお、図示のサブキャリッジ31には、色別の機能液滴吐出ヘッド32が1つずつ搭載されているが、これらが複数の機能液滴吐出ヘッド32で構成されていてもよい。
【0042】
また、ヘッド機能回復装置4は、機台2上に載置した移動テーブル41と、移動テーブル41上に載置した保管ユニット42、吸引ユニット43およびワイピングユニット44とを備えている。保管ユニット42は、装置の稼動停止時に、機能液滴吐出ヘッド32のノズル34の乾燥を防止すべくこれを封止する。吸引ユニット43は、機能液滴吐出ヘッド32から機能液を強制的に吸引すると共に、機能液滴吐出ヘッド32の全ノズル34からの機能液の捨て吐出を受けるフラッシングボックスの機能を有している。ワイピングユニット44は、主に、機能液吸引を行った後の機能液滴吐出ヘッド32のノズル面33をワイピング(拭き取り)する。
【0043】
保管ユニット42には、例えば機能液滴吐出ヘッド32に対応する封止キャップ51が昇降自在に設けられており、装置の稼動停止にヘッドユニット(の機能液滴吐出ヘッド32)13に臨んで上昇し、機能液滴吐出ヘッド32のノズル面33に封止キャップ51を密接させて、これを封止する。これにより、機能液滴吐出ヘッド32のノズル面33における機能液の気化が抑制され、いわゆるノズル詰まりが防止される。
【0044】
同様に、吸引ユニット43には、例えば機能液滴吐出ヘッド32に対応する吸引キャップ52が、昇降自在に設けられており、ヘッドユニット(の機能液滴吐出ヘッド32)13に機能液の充填を行う場合や、機能液滴吐出ヘッド32内で増粘した機能液を除去する場合に、吸引キャップ52を機能液滴吐出ヘッド32に密着させて、ポンプ吸引を行う。また、機能液の吐出(描画)を休止するときには、吸引キャップ52を機能液滴吐出ヘッド32から僅かに離間させておいて、フラッシング(捨て吐出)を行う。これにより、ノズル詰まりが防止され或いはノズル詰まりの生じた機能液滴吐出ヘッド32の機能回復が図られる。
【0045】
ワイピングユニット44には、例えば、ワイピングシート53が繰出し且つ巻取り自在に設けられており、繰り出したワイピングシート53を送りながら、且つ移動テーブル41によりワイピングユニット44をX軸方向に移動させながら、機能液滴吐出ヘッド32のノズル面33を拭き取るようになっている。これにより、機能液滴吐出ヘッド32のノズル面33に付着した機能液が取り除かれ、機能液吐出時の飛行曲がり等が防止される。
【0046】
なお、ヘッド機能回復装置4として、上記の各ユニットに加え、機能液滴吐出ヘッド32から吐出された機能液滴の飛行状態を検査する吐出検査ユニットや、機能液滴吐出ヘッド32から吐出された機能液滴の重量を測定する重量測定ユニット等を、搭載することが好ましい。さらに、同図示では省略したが、この液滴吐出装置1には、各機能液滴吐出ヘッド32に機能液が供給する機能液供給機構や、上記の描画装置3や機能液滴吐出ヘッド32等の構成装置を統括制御する制御装置(制御手段:後述する)5などが組み込まれている。
【0047】
次に、描画装置3を構成要素について説明する。図3および図4に示すように、X軸テーブル21は、X軸方向の駆動系を構成するX軸モータ62駆動のX軸スライダ61を有し、これに吸着テーブル64およびθテーブル65等から成るセットテーブル63を移動自在に搭載して、構成されている。同様に、Y軸テーブル22は、Y軸方向の駆動系を構成するY軸モータ68駆動のY軸スライダ67を有し、これにθテーブル65を介して上記のメインキャリッジ12を移動自在に搭載して、構成されている。
【0048】
この場合、X軸テーブル21は、機台2上に直接支持される一方、Y軸テーブル22は、機台2上に立設した左右の支柱71,71に支持されている。X軸テーブル21とヘッド機能回復装置4とは、X軸方向に相互に平行に配設されており、Y軸テーブル22は、X軸テーブル21とヘッド機能回復装置4の移動テーブル41とを跨ぐように延在している。
【0049】
X軸テーブル21は、セットテーブル63(吸着テーブル64)にセットしたワークWを主走査(X軸)方向に移動させ、移載エリア74(後述する)で導入されたワークWを描画エリア72に移動させる。
【0050】
Y軸テーブル22は、これに搭載したヘッドユニット(機能液滴吐出ヘッド32)13を、ヘッド機能回復装置4の直上部に位置する機能回復エリア73と、X軸テーブル21の直上部に位置する描画エリア72との相互間で、適宜移動させる。すなわち、Y軸テーブル22は、機能液滴吐出ヘッド32の機能回復を行う場合には、ヘッドユニット13を機能回復エリア73に臨ませ、またX軸テーブル21に導入したワークWに描画を行う場合には、ヘッドユニット13を描画エリア72に臨ませる。
【0051】
そして、描画エリア72に導入したワークWに描画を行う場合には、機能液滴吐出ヘッド(ヘッドユニット13)32を描画エリア72に臨ませておいて、X軸テーブル21による主走査(ワークWの往復移動)に同期して、機能液滴吐出ヘッド32を吐出駆動(機能液滴の選択的吐出)させる。また、Y軸テーブル22により適宜、副走査(ヘッドユニット13の移動)が行われる。この一連の動作により、ワークWの描画領域に所望の機能液滴の選択的吐出、すなわち描画が行われる。
【0052】
また、機能液滴吐出ヘッド32の機能回復を行う場合には、移動テーブル41により吸引ユニット43を機能回復エリア73に移動させると共に、Y軸テーブル22によりヘッドユニット13を機能回復エリア73に移動させ、機能液滴吐出ヘッド32のフラッシング或いはポンプ吸引を行う。また、ポンプ吸引を行った場合には、続いて移動テーブル41によりワイピングユニット44を機能回復エリア73に移動させ、機能液滴吐出ヘッド32のワイピングを行う。同様に、作業が終了して装置の稼動を停止する時には、保管ユニット42により、機能液滴吐出ヘッド32にキャッピングが行われる。
【0053】
なお、X軸テーブル21の一方の端部は、ワークWをX軸テーブル21にセット(載せ代える)するための移載エリア74となっており、移載エリア74には、上記した一対のワーク認識カメラ75,75が配設されている。そして、この一対のワーク認識カメラ75,75により、吸着テーブル64上に供給されたワークWの上記の2箇所の基準マーク76が同時に認識され、この認識結果に基づいて、ワークWのアライメントが為される。
【0054】
次に、液滴吐出装置1の主制御系について説明する。図4に示すように、液滴吐出装置1は、インタフェース91を有し、ホストコンピュータから送信された描画データおよび各種指令を入力すると共に、液滴吐出装置1内部における各種データをホストコンピュータに出力するためのデータ入出力部81と、後述するリニアエンコーダ202や横ぶれセンサ252等を有し、各種検出を行う検出部82と、機能液滴吐出ヘッド32を有し、機能液滴による描画を行う描画部83と、X軸モータ62、Y軸モータ68等のモータを有し、メインキャリッジ12の移動およびワークWの送りを行う搬送部84と、ヘッド機能回復装置4を有し、機能液滴吐出ヘッド32の保全を行う保全部85と、機能液滴吐出ヘッド32を駆動するヘッドドライバ92や、各種モータを駆動するモータドライバ93、ヘッド機能回復装置4の各ユニットを駆動するメンテナンスドライバ94、等を有し、液滴吐出装置1各部を駆動する各種ドライバを有する駆動部86と、これら各部に接続され、液滴吐出装置1全体の制御を行う制御部87と、を備えている。
【0055】
制御部87は、CPU101、ROM102、RAM103、周辺制御回路(P−CON)104を備えており、これらは互いに内部バス105により接続されている。ROM102は、CPU101で処理する制御プログラムを記憶する制御プログラム領域111の他、各種制御データを記憶する制御データ領域112を有している。RAM103は、外部から入力した描画データを記憶する描画データ領域113、印刷のための吐出パターンデータを記憶する吐出パターンデータ領域114の他、各種バッファ領域115や各種レジスタ群116を有し、制御処理のための作業領域として使用される。
【0056】
P−CON104には、CPU101の機能を補うと共に、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなどにより構成されて組み込まれている。すなわち、P−CON104は、ホストコンピュータや液滴吐出装置1各部からの描画データや各種検出信号などをそのまま、あるいは加工して内部バス105に取り込むと共に、CPU101と連動して、CPU101等から内部バス105に出力されたデータや制御信号を(駆動部86を介して)液滴吐出装置1各部に出力している。また、P−CON104には、時間制御を行うためのタイマー117が組み込まれている。
【0057】
CPU101は、ROM102内の制御プログラムに従って、P−CON104を介して各種検出信号、各種指令、各種データ等を入力し、RAM103内の各種データ等を処理した後、P−CON104を介して駆動部86に制御信号を出力する。このように、制御部87により液滴吐出装置1全体が統括制御される。
【0058】
ところで、本実施形態では、上記のX軸テーブル21、ワークWの位置情報を検出するためのリニアエンコーダ202、および制御装置5により、ワークWを主走査方向に送るための主走査用送り装置201が構成されており、描画装置3では、X軸テーブル21によるX軸(主走査)方向へのワークWの移動と、Y軸テーブル22によるY軸(副走査)方向への機能液滴吐出ヘッド(ヘッドユニット13)5の移動と、を繰り返し行いながら、制御装置5に記憶する吐出パターンデータ、およびリニアエンコーダ202の位置情報に基づいて機能液滴吐出ヘッド32の吐出駆動を制御することにより、ワークWに対する描画処理を行うようになっている。
【0059】
図5を参照して、主走査用送り装置201について説明する。上述したように、ワークは、予め回路素子部721、画素電極731およびバンク部741を形成した透明なガラス基板711(ワークW)で構成されている。そして、ワークWの表面には、送り方向の両側端部、すなわち描画範囲から幅方向外側に外れた位置にリニアエンコーダ202を構成する一対のリニアスケール203が形成されている。各リニアスケール203は、バンク部741により構成される凹部開口744の配設ピッチと同一ピッチとなるように線引きした多数の検出線204で構成されており、バンク部741と同様に半導体製造技術により、予めワークWに形成される。
【0060】
このように、描画処理の対象となるワークWにリニアスケール202を形成することにより、ワークWとヘッドユニット13との位置関係を正確に把握することができ、ワークWのセット位置の多少のずれや環境温度の変化に伴うワークWの熱膨張などに起因して、描画精度が悪化することを防止できる。
【0061】
また、同図の機能液滴吐出ヘッド32は、そのノズル34列がワークWの描画範囲(幅方向)より長いものとなっており、いわゆるラインプリント方式で描画を行う。このため、X軸テーブル21により主走査方向に送られるワークWの一対のリニアスケール203には、ヘッドユニット13に搭載した一対のリニアセンサ205が上側から臨むようになっている。すなわち、一対のリニアスケール203と一対のリニアセンサ205とにより、ワークWの両側端部における送り量(ワークWの位置情報)を検出する一対のリニアエンコーダ202が構成されている。そして、描画装置3では、リニアエンコーダ202に基づいて、X軸テーブル21によるワークWの送りが制御されると共に、ワークWの送りと同期した機能液滴吐出ヘッド32の吐出駆動が為されるようになっている。
【0062】
X軸テーブル21のセットテーブル63上には、着座プレート207が設けられており、この着座プレート207には、X軸テーブル21の機械的精度に基づくワークWのヨーイング(水平面内におれるブレ)を機械的に矯正するヨーイング矯正機構206が組み込まれている。ヨーイング矯正機構206は、着座プレート207に支持されたベースプレート208と、ベースプレート208の送り方向中間位置に立設した送り調整ユニット209とで構成されている。
【0063】
送り調整ユニット209は、ベースプレート208の両側端部にそれぞれ固定したモータ(ヨーイング矯正モータ212)内蔵の一対の送り送り駆動部211と、各送り駆動部211の上部から内側に延びる一対の駆動軸222および各駆動軸222に固定したローラ223からなる駆動ローラ221と、両送り駆動部211の下部間に渡した従動軸232および従動軸232に固定した複数のローラ233からなる従動ローラ231と、で構成されている。すなわち、ワークWの側端部を挟んで対峙する駆動ローラ221と従動ローラ231とにより、ワークWを回転送りするグリップローラ241が構成されている。また、ベースプレート208には、従動軸232を挟んで、2つの補助ローラ242が固定されている。補助ローラ242は、ワークWを安定にセットするためのものであり、各補助ローラ242は、従動ローラ231と同様のフリーローラで構成されている。
【0064】
2つの送り駆動部211(駆動ローラ221)は、制御装置5により個別に制御されるようになっており、上記の一対のリニアエンコーダ202の検出結果に基づいて、ワークWの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とか一致するように、右サイドの駆動ローラ221と左サイドの駆動ローラ221の送り量が微調整されるようになっている。
【0065】
ワークWのヨーイング矯正方法について説明する。先ず、X軸テーブル21を駆動して、ワークWを描画エリア72に向かって移動させる。そして、ワークWがヘッドユニット13に臨むと、ヘッドユニット13に搭載した一対のリニアセンサ205が、ワークWに形成された一対のリニアスケール203の検出線204を同時に検出(カウント)していき、検出信号を制御装置5に送信する。このとき、ワークWが蛇行せずにまっすぐ送られていれば、リニアスケール203の一対の検出線204が両リニアセンサ205により同時に検出される。一方、ワークWがヨーイングしている場合、ワークWの両側端部の送り量が異なるため、リニアスケール203の一対の検出線204はずれて検出される。
【0066】
そこで、制御手段7は、両リニアセンサ205により、ワークWの一対の検出線204が同時に検出されなかった場合、X軸テーブル21の駆動と併せてヨーイング矯正機構206を駆動して、ヨーイングの補正を行う。具体的には、一対の検出線204のうち、ワークW左サイドの検出線204が右サイドの検出線204よりも速く検出されると、制御装置5は、ワークW右側の送り駆動部211を駆動することにより、ワークW右側端部を挟持する駆動ローラ221を回転させ、ワークW右側端部における送り速度を僅かに増加させる。
【0067】
そして、ワークWの右側端部と左側端部との送り量が一致して、両リニアセンサ205が、一対の検出線204を同時に検出するようになると、制御装置5は、送り駆動部211の駆動を停止させる。同様に、一対の検出線204のうち、ワークW右サイドの検出線204が左サイドの検出線204よりも速く検出されると、ワークW右側端部における送り速度を僅かに増加させ、ワークWの右側端部と左側端部との送り量が同一となるように、ワークWの送りを微調整する。これにより、ワークWのヨーイングが矯正され、機能液滴吐出ヘッド32に対してワークが均一に送られる。
【0068】
なお、上記実施形態では、ワークW側に対し、ヘッド側(機能液滴吐出ヘッド32)が主走査される装置にも適用可能である。一方、図示省略したが、上記の送り調整ユニット209に代えて、クランプユニット(制動機構)を設けるようにしてもよい。クランプユニットは、ワークWの両側端部をそれぞれ上下方向にクランプする一対のクランパと、各クランパを作動させる一対のアクチュエータとで構成されている。この場合、一対のアクチュエータは、制御装置により個別に制御される。すなわち、X軸テーブル21により全体として送られてゆくワークWに対し、ワークWの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とか一致するように、右サイドのクランパによるワークW右側端部の制動(ブレーキ)と左サイドのクランパによるワークW左側端部の制動(ブレーキ)が個別に行われ、ワークW両サイドの送り量が微調整される。
【0069】
一方、ワークWのヨーイングが矯正されても、ワークWが全体としてY軸方向に位置ずれ(横ぶれ)すると、ワークWに対する描画精度が悪化する。図6は、この横ずれを矯正可能とする変形例を示している。この変形例では、上記のリニアセンサ205に添設するように、一対の横ぶれセンサ252が設けられており、またワークWの表面には、上記のリニアスケール203の両外側に位置して一対の横ぶれライン253が設けられている。
【0070】
さらに、着座プレート207上には、正逆回転可能な横ぶれ矯正モータ254と、これに連結されたボールねじ256とが設けられる一方、ベースプレート208の下面には、ベースプレート208を支持すると共に、ボールねじ256に螺合する雌ねじブロック257が設けられている。すなわち、ヨーイング矯正機構206を介してワークWをY軸方向に微小移動させる横移動テーブル258が構成されており、着座プレート207に対しベースプレート208がY軸方向にスライド自在に支持されている。なお、着座プレート207には、ベースプレート208のスライドを案内する一対のガイド部261が形成されていると共に、ベースプレート208には、一対のガイド部261を摺動する一対のスライド部262が形成されており、ベースプレート208が安定してスライドするようになっている。
【0071】
図7に示すように、一対の横ぶれライン253の中心間距離Lに対し、一対の横ぶれセンサ252の検出端の中心間距離Lが僅かに長く(短くても可)設定されており、両横ぶれセンサ252が同時に横ぶれライン253を検出するように、横移動テーブル258(横ぶれ矯正モータ254)が制御される。例えば、図示の左側の横ぶれセンサ252が(左側の横ぶれライン253を)非検出状態になった場合、すなわちワークWが右側にぶれた場合には、横移動テーブル258によりワークWを左側に微小移動させ(同図(b)参照)、逆に、図示の右側の横ぶれセンサが(右側の横ぶれラインを)非検出状態になった場合、すなわちワークWが左側にぶれた場合には、横移動テーブルによりワークを右側に微小移動させる(同図(c)参照)。これにより、ワークの直線的送りが填補される。
【0072】
図8は、X軸テーブル21の第2実施形態の主走査送り装置201を表している。この実施形態では、上記の移載エリア74に代えて、搬入エリア301および搬出エリア302が設けられており、描画エリア72、搬入エリア301および搬出エリア302に、それぞれ描画部送り機構311、搬入部送り機構312および搬出部送り機構313が配設されている。搬入部送り機構312にセットされたワークWは、搬入部送り機構312から描画部送り機構311に移載するように送られ、ここで機能液滴吐出ヘッド32による描画が行われる。描画後のワークWは、描画部送り機構311から搬出部送り機構313に移載するように送られ、ここから装置外に搬出される。
【0073】
描画部送り機構311は、第1実施形態と略同様の形態であり、ワークWのヨーイングを機械的に矯正するヨーイング矯正機構206が組み込まれている。ヨーイング矯正機構206は、上記の送り調整ユニット209を6組有している。描画部送り機構311では、この6組の送り調整ユニット209がX軸テーブル21を兼ねており、各送り調整ユニット209は、ワークW全体の送りを行いながら、ヨーイングの矯正を行っている。
【0074】
描画部送り機構311は、着座プレート207を有しており、ヨーイング矯正機構206は、着座プレート207上に組み込まれている。ヨーイング矯正機構206は、着座プレート207に支持されたベースプレート208と、ベースプレート208に立設した6組の送り調整ユニット209とで構成されている。なお、第2実施形態では、6組の送り調整ユニット209により、ワークWを安定して支持することができるため、補助ローラ242は設置されていない。
【0075】
各送り調整ユニット209は、第1実施形態の送り調整ユニット209と同様の構成をしており、ワークWの側端部を挟んで対峙する駆動ローラ221と従動ローラ231とで構成されたワークを回転送りする左右一対のグリップローラ241と、ベースプレート208の両側端部にそれぞれ固定され、グリップローラ241を回転させるモータ(ヨーイング矯正モータ212)内蔵の一対の送り駆動部211と、を備えている。
【0076】
この場合も、計12の送り駆動部211(駆動ローラ221)は、制御装置5により個別に制御されるようになっており、制御装置5は、上記の一対のリニアエンコーダ202の検出結果に基づいて、ワークWの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とが一致するように、右サイドの駆動ローラ221と左サイドの駆動ローラ221の回転を個別にコントロールする。すなわち、制御装置5は、12個の送り駆動部211を個別に制御することにより、各駆動ローラ221の回転速度を個別に調整し、機能液滴吐出ヘッド32の吐出駆動と同期させるようにワークWを主走査方向に送りながら、ワークWのヨーイングを適宜矯正している。このように、本実施形態では、12個の駆動ローラ221により、ワークWの両側端部の送り量を微調整することができるので、状況に応じてワークWの両側端部の送り量をきめ細かく微調整することができる。
【0077】
なお、この第2実施形態にも、上記の横移動テーブル258を組み込むことが好ましい。また、搬入部送り機構312および搬出部送り機構313は、描画部送り機構311と同一の構造を有している。但し、搬入部送り機構312および搬出部送り機構313は、ワークWを単純に送るだけで、ヨーイングの矯正制御は行わない。
【0078】
図9は、上記第2実施形態の変形例を表している。この変形例では、上記の描画部送り機構311のベースプレート208上には、送込みローラ401および送出しローラ402が組み込まれている。送込みローラ401は送り方向(主走査方向)の手前に、送出しローラ402は送り方向(主走査方向)の先方に配設されており、両ローラ401、402には、ワークWをセットする無端のセットシート403が架け渡されている。本実施形態では、ワークW上に、リニアスケール203が形成されておらず、セットシート403の送り方向両側端に、一対のリニアスケール203が形成されている。送込みローラ401には、送込みモータ404が接続されており、送込みモータ404を駆動すると、セットシート403が送り方向に送られていく。
【0079】
また、第2実施形態と同様に、ベースプレート208上には、ヨーイング矯正機構を構成する6組の送り調整ユニット209が立設されており、各送り調整ユニット209の駆動ローラ221および従動ローラ231に、セットシート403が挟持されている。そして、送込みローラ401および送出しローラ402により、セットシート403にセットしたワークWの主走査方向への送りを行いながら、6組の送り調整ユニット209により、送り方向におけるセットシート403のヨーイング矯正を行うようになっている。具体的には、ヘッドユニット13に搭載した一対のリニアセンサ205で、セットシート403に形成された一対リニアスケール203を検出することにより、セットシート403の両側端部における送り量のずれを検出する。そして、これに基づいて、ヨーイング矯正機構206を駆動し、セットシート403の両側端部の送り量が同一となるように、セットシート403の送りを微調整する。これにより、セットシート403のヨーイングに伴うワークWのヨーイングを矯正することができる。
【0080】
次に、上記の液滴吐出装置2を液晶表示装置の製造に適用した場合について、説明する。図10は、液晶表示装置801の断面構造を表している。同図に示すように、液晶表示装置801は、カラーフィルタ802と、対向基板803と、カラーフィルタ802と対向基板803との間に封入された液晶組成物804と、バックライト(図示省略)と、で構成されている。対向基板803の内側の面には、画素電極805と、TFT(薄膜トランジスタ)素子(図示省略)とがマトリクス状に形成されている。そして、画素電極805に対向する位置に、カラーフィルタ802の赤、緑、青の着色層813が配列するようになっている。また、カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ内側の面には、液晶分子を一定方向に配列させる配向膜806が形成されており、カラーフィルタ802および対向基板803のそれぞれ外側の面には、偏光板807が接着されている。
【0081】
カラーフィルタ802は、透光性の透明基板811と、透明基板811上にマトリクス状に並んだ多数の画素(フィルタエレメント)812と、画素812上に形成された着色層813と、各画素812を仕切る遮光性の仕切り814と、を備えており、着色層813および仕切り814の上面には、オーバーコート層815および電極層816が形成されている。
【0082】
液晶表示装置801の製造方法について説明すると、先ず、透明基板811に仕切り814を作り込んだ後、画素812部分にR(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813を形成する。そして、透明アクリル樹脂塗料とスピンコートしてオーバーコート層815を形成し、さらに、ITO(indium tin oxide)から成る電極層816を形成して、カラーフィルタ802を作成する。また、対向基板803には、画素電極805とTFT素子を作り込んでおく。次に、作成したカラーフィルタ802および画素電極805が形成された対向基板803に配向膜806の塗布を行った後、これらを貼り合わせる。そして、カラーフィルタ802および対向基板803との間に液晶組成物804を封入した後、偏光板807およびバックライトを積層する。
【0083】
液滴吐出装置1は、上記したカラーフィルタのフィルタエレメント(R(赤)・G(緑)・B(青)の着色層813)の形成に用いることができる。また、画素電極805に対応する液体材料を用いることにより、画素電極805の形成にも用いることが可能である。
【0084】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の他、プレパラート形成を包含する装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【0085】
【発明の効果】
以上のように、本発明の主走査用送り方法および主走査用送り装置によれば、相対的に主走査方向へワークの送るときに、ワークの送り方向両側端部における送り量を個々に且つ連続的に検出し、ワークの両側端部の送り量が同一と成るように、ワーク両側端部それぞれの送り量を調整するので、ワークのヨーイングを矯正することができ、ワーク全体を適切に送ることができる。
【0086】
また、本発明の液滴吐出装置は、上記の主走査送り装置を適用して構成されているので、機能液滴吐出ヘッドに対するワークのうねりを矯正しながらワークを送ることができ、精度良くワークに描画処理を行うことが可能である。
【0087】
また、本発明の電気光学装置の製造方法、電気光学装置、電子機器は、上記の液滴吐出装置を備えているので、高度な描画処理を行うことができ、効率よくこれらを製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】有機EL装置の縦断面図である。
【図2】有機EL素子を構成する発光層の配列を示した図であり、(a)は、ストライプ配列、(b)は、モザイク配列、(c)は、デルタ配列の説明図である。
【図3】第1実施形態にかかる液滴吐出装置の平面模式図である。
【図4】液滴吐出装置の主制御系を示したブロック図である。
【図5】第1実施形態の主走査用送り装置の外観斜視図である。
【図6】第1実施形態の主走査用送り装置の変形例を示した図である。
【図7】横ぶれ矯正機構による横ぶれ矯正方法の説明図である。
【図8】第2実施形態の主走査用送り装置の外観斜視図である。
【図9】第2実施形態の描画部送り機構の変形例を示した図である。
【図10】液晶表示装置の断面図である。
【符号の説明】
1 液滴吐出装置 3 描画装置
5 制御装置 21 X軸テーブル
32 機能液滴吐出ヘッド 63 セットテーブル
201 主走査用送り装置 202 リニアエンコーダ
203 リニアスケール 204 リニアセンサ
206 ヨーイング矯正機構 209 送り調整ユニット
211 送り駆動部 212 ヨーイング矯正モータ
221 駆動ローラ 231 従動ローラ
241 グリップローラ 251 横ぶれ矯正機構
252 横ぶれセンサ 253 横ぶれライン
258 横移動テーブル
W ワーク

Claims (14)

  1. ワークに所定の描画処理を行うために、主走査用送り装置を用いて、機能液を選択的に吐出する機能液滴吐出ヘッドに対して、前記ワークを主走査方向に相対的に送る主走査用送り方法において、
    前記ワークの送り方向両側端部における送り量を個々に且つ連続的に検出する送り量検出工程と、
    前記送り量検出工程の検出結果に基づいて、前記ワークの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とが同一になるように、前記ワークの両側端部それぞれの送り量を調整する送り量調整工程と、を備えたことを特徴とする主走査用送り方法。
  2. ワークに所定の描画処理を行うために、機能液を選択的に吐出する機能液滴吐出ヘッドに対して、前記ワークを主走査方向に相対的に送る主走査手段と、
    前記ワークの送り方向両側端部における送り量を個々に且つ連続的に検出する送り量検出手段と、
    前記ワークの送り方向両側端部の送り量をそれぞれ調整する送り量調整手段と、
    前記送り量検出手段の検出結果に基づいて、前記ワークの一方の側端部の送り量と他方の側端部の送り量とが同一になるように、前記送り量調整手段を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする主走査用送り装置。
  3. 前記主走査手段は、前記ワークをセットするセットテーブルを有し、前記セットテーブルを介して前記ワークを相対的に送っており、
    前記セットテーブルの両側端部には、前記ワークの送り量を指標する一対のスケールが付され、
    前記送り量検出手段は、前記両スケールを検出することにより、前記ワークの両側端部の送り量を個々に検出することを特徴とする請求項2に記載の主走査用送り装置。
  4. 前記ワークの両側端部には、前記ワークの送り量を指標する一対のスケールが付され、
    前記送り量検出手段は、前記両スケールを検出することにより、前記ワークの両側端部の送り量を個々に検出することを特徴とする請求項2に記載の主走査用送り装置。
  5. 前記主走査手段は、前記機能液滴吐出ヘッドに対し前記ワークを送るよう構成されており、
    前記送り量調整手段は、前記ワークの両側端部にそれぞれ臨み、前記制御手段により個別に駆動制御される一対の制動機構を有していることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の主走査用送り装置。
  6. 前記送り量調整手段は、前記ワークの両側端部をそれぞれ送ると共に、前記制御手段により個別に駆動制御される一対の送り調整機構を有していることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の主走査用送り装置。
  7. 前記主走査手段は、前記機能液滴吐出ヘッドに対し前記ワークを送るよう構成されており、
    前記一対の送り調整機構は、前記主走査手段を兼ねていることを特徴とする請求項6に記載の主走査用送り装置。
  8. 前記送り調整機構は、前記ワークの送り方向に列設した複数の送りローラ機構を有しており、
    前記各送りローラ機構は、前記ワークに転接してこれを送る駆動ローラおよび従動ローラから成るグリップローラと、
    前記駆動ローラを回転駆動する送りモータと、により、構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の主走査用送り装置。
  9. 前記一対の送り駆動機構を一括して支持すると共に、前記一対の送り調整機構を前記ワークの送り方向と直交する方向に微小移動させる横移動テーブルと、
    前記ワークの送り方向と直交する方向の横ぶれを検出する横ぶれ検出手段と、を更に備え、
    前記制御手段は、前記横ぶれ検出手段の検出結果に基づいて、前記ワークが直進するように前記横移動テーブルを制御することを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の主走査用送り装置。
  10. 前記ワークには、前記ワークの送り方向に延在すると共に相互に平行な横ぶれ検出用の一対のラインが付されており、
    前記横ぶれ検出手段は、前記一対のラインの中心間距離に対し僅かに広狭位置ずれさせて設けた一対の検出センサを有し、
    前記制御手段は、前記一対の検出センサがそれぞれ両ラインを同時に検出するように前記横移動テーブルを制御することを特徴とする請求項9に記載の主走査用送り装置。
  11. 請求項2ないし10のいずれかに記載の主走査用送り装置と、
    ワークに機能液を吐出する機能液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  12. 請求項11に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  13. 請求項11に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
  14. 請求項13に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
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