JP4539316B2 - ヘッド位置補正方法およびヘッド位置補正装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法 - Google Patents

ヘッド位置補正方法およびヘッド位置補正装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットを移動させながら、ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッドユニットの位置を補正するヘッド位置補正方法およびヘッド位置補正装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法に関する。
従来から、複数の機能液滴吐出ヘッドをサブキャリッジに搭載したヘッドユニットをY軸テーブルに支持し、ワークを、セットテーブルを介してX軸テーブルに支持して、X軸テーブルおよびY軸テーブルにより、ヘッドユニットに対しワークをX軸方向(主走査方向)およびY軸方向(副走査方向)に相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッドを選択的に吐出駆動することにより、ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置(描画装置)が知られている。
このような液滴吐出装置では、ヘッドユニットのサブキャリッジに相互に離間して一対の基準ピンが設けられており、ヘッドユニットの交換時等において、この一対の基準ピンを、セットテーブルをX軸方向に移動させながら、これに搭載したヘッド認識カメラで撮像・画像認識するようにしている。そして、その認識結果に基づいて、ヘッドユニットの設計位置データを補正し、この補正データに基づいてヘッドユニットの位置補正を行うようにしている。
特開2003−127344号公報
ところで、この種の液滴吐出装置を大型のカラーフィルタを製造する製造装置等に適用する場合、これに合わせてワークが大型化すると共に、X軸テーブルおよびY軸テーブルも移動ストロークの長いものを用いる必要がある。このため、X軸テーブルおよびY軸テーブルを機械的に精度良く形成することが難しくなる。
このような液滴吐出装置において、上記従来のヘッド位置補正方法では、X軸テーブルおよびY軸テーブルの歪み対し、対応させることができない問題があった。特に、ヘッドユニットを支持しているY軸テーブルがX軸方向に歪んでいると、副走査においてヘッドユニットが水平面内で角度変化(θ回転)し、X軸方向およびY軸方向に位置ずれする問題がある。もちろん、副走査の範囲において、ヘッドユニットの位置を測定しデータ補正を行うようにすれば、上記問題は解消する。しかし、液滴吐出装置のような工業応用の装置では、ヘッドユニットを定期的に交換する必要があり、かかる場合に、交換時に毎回、ヘッドユニットの位置測定を行うことになり、作業が煩雑になる問題がある。
そこで、本発明は、ヘッドユニットの交換時において、X軸テーブルやY軸テーブルの機械的精度誤差を加味して、ヘッドユニットの位置補正を簡単且つ精度良く行うことができるヘッド位置補正方法およびヘッド位置補正装置、並びに液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法を提供することを課題としている。
本発明のヘッド位置補正方法は、ワークをセットするセットテーブルを有し、セットテーブルを介してワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットと、ヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、ワークに対して、ヘッドユニットを主走査および副走査させながら機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正方法において、ワークに代えてセットテーブルに、副走査におけるヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークをY軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットするマスクセット工程と、ヘッドユニットに取り付けたワーク撮像手段により、副走査の走査範囲に亘って複数のアライメントマークを画像認識する第1画像認識工程と、第1画像認識工程における認識結果に基づいて、ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得工程と、取得した基準位置データに基づいて、ヘッドユニットの位置補正を行う第1補正工程と、新たにヘッドユニットが装着されたときに、ヘッド撮像手段により、ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識工程と、第2画像認識工程における認識結果に基づいて、基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得工程と、取得した最終位置データに基づいて、新たな前記ヘッドユニットの位置補正を行う第2補正工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明のヘッド位置補正装置は、ワークをセットするセットテーブルを有し、セットテーブルを介して前記ワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドをサブキャリッジに搭載したヘッドユニットと、ヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、ワークに対して、ヘッドユニットを主走査および副走査させながら機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正装置であって、ワークに代えてセットテーブルに、副走査におけるヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークをY軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットし、且つヘッドユニットにワーク撮像手段を取り付けたものにおいて、ヘッドユニットに取り付けたワーク撮像手段を制御し、副走査の走査範囲に亘ってアライメントマークを画像認識する第1画像認識手段と、第1画像認識手段による認識結果に基づいて、ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得手段と、取得した基準位置データに基づいて、ヘッドユニットの位置補正を行う第1補正手段と、新たにヘッドユニットが装着されたときに、ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識手段と、第2画像認識手段による認識結果に基づいて、基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得手段と、取得した最終位置データに基づいて、新たなヘッドユニットの位置補正を行う第2補正手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明のヘッド位置補正方法は、ワークをセットするセットテーブルを有し、機能液滴吐出ヘッドを搭載するヘッドユニットを着脱自在に支持するとともに、前記ワークに対して前記ヘッドユニットを走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して、前記ワークに描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正方法において、前記ヘッドユニットに取り付けたワーク撮像手段により、所定の方向に所定のピッチで列設され且つ前記セットテーブルにセットされた複数のアライメントマークを画像認識する第1画像認識工程と、前記第1画像認識手段による認識結果に基づいて前記ヘッドユニットの位置データを補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第1補正工程と、前記ヘッドユニットに設けられた一対の基準マークを画像認識する第2画像認識工程と、前記第1補正工程において補正した前記位置データを、前記第2画像認識手段による認識結果に基づいてさらに補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第2補正工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の液滴吐出装置は、ワークをセットするセットテーブルを有し、機能液滴吐出ヘッドを搭載するヘッドユニットを着脱自在に支持するとともに、前記ワークに対して前記ヘッドユニットを走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して、前記ワークに描画を行う液滴吐出装置であって、前記ヘッドユニットに取り付けたワーク撮像手段と、前記ワーク撮像手段を制御して、前記セットテーブルにセットされ且つ所定の方向に所定のピッチで列設させた複数のアライメントマークを画像認識する第1画像認識手段と、前記第1画像認識手段による認識結果に基づいて前記ヘッドユニットの位置データを補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第1補正手段と、前記ヘッドユニットに設けられた一対の基準マークを画像認識する第2画像認識手段と、前記第1補正手段により補正した前記位置データを、前記第2画像認識手段による認識結果に基づいてさらに補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第2補正手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、複数のアライメントマークをY軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクにより、副走査の走査範囲に亘ってヘッドユニットの位置補正を行うため、Y軸テーブルにおけるX軸方向の歪みやY軸方向への送り誤差に基づく、ヘッドユニットのX軸方向およびY軸方向の位置ずれを補正することができる。一方、この状態で、ヘッドユニットを交換した場合に、新たなヘッドユニットの一対の基準マークに基づいて、位置補正を行うようにしているため、新たに搭載したヘッドユニットの位置補正を簡単に、且つY軸テーブルの歪みや送り誤差を加味したものとすることができる。したがって、頻繁にヘッドユニットを交換しても、位置補正を含む交換作業を円滑且つ短時間で行うことができる。なお、複数のアライメントマークの配設ピッチは、描画対象となるワークに対する描画精度を考慮して定めることが好ましい。
また、上記方法において、複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、ワーク撮像手段は、第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、第1画像認識工程では、副走査の走査範囲に亘って第1カメラおよび第2カメラにより、第1マーク列および第2マーク列それぞれ画像認識することが、好ましい。
同様に、上記装置において、複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、ワーク撮像手段は、第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、第1画像認識手段は、副走査の走査範囲に亘って第1カメラおよび第2カメラにより、第1マーク列および第2マーク列をそれぞれ画像認識させることが、好ましい。
この構成によれば、複数のアライメントマークから成るマーク列を、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列および第2マーク列とし、これを撮像することで、アライメントマークの配設ピッチ単位で、ヘッドユニットの水平面内における角度補正(θ補正)を精度良く行うことができる。この補正により、Y軸テーブルが歪んでいても、副走査におけるヘッドユニットを精度良く位置決めすることができる。なお、マーク列が一列であっても、アライメントマークの配設ピッチが粗ければ、角度ずれを一定の精度で検出することができるが、かかる場合には、Y軸方向の位置ずれ検出が粗くなることは、言うまでもない。また、第1マーク列と第2マーク列との離間寸法は、最終的なヘッドユニットの位置精度を考慮すると、ヘッドユニットの一対の基準マークの離間寸法と同一かそれ以上とすることが、好ましい。
本発明の他のヘッド位置補正方法は、ワークをセットするセットテーブルを有し、セットテーブルを介してワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共にY軸方向に連続した描画ラインを構成する複数のヘッドユニットと、複数のヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、ワークに対して、複数のヘッドユニットを主走査および副走査させながら機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正方法において、ワークに代えてセットテーブルに、副走査におけるヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークをY軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットするマスクセット工程と、Y軸テーブルに、複数のヘッドユニットに代えて、ワーク撮像手段を組み込んだ複数のダミーユニットを装着するダミー装着工程と、各ダミーユニットに組み込んだワーク撮像手段により、各ヘッドユニットにおける副走査の走査範囲に亘ってアライメントマークを画像認識する第1画像認識工程と、第1画像認識工程における認識結果に基づいて、各ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得工程と、取得した基準位置データに基づいて、各ダミーユニットの位置補正を行う第1補正工程と、複数のダミーユニットに代えて複数のヘッドユニットが装着されたときに、ヘッド撮像手段により、各ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識工程と、第2画像認識工程における認識結果に基づいて、基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得工程と、取得した最終位置データに基づいて、各ヘッドユニットの位置補正を行う第2補正工程と、を備えたことを特徴とする。
本発明の他のヘッド位置補正装置は、ワークをセットするセットテーブルを有し、セットテーブルを介してワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共にY軸方向に連続した描画ラインを構成する複数のヘッドユニットと、複数のヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、ワークに対して、複数のヘッドユニットを主走査および副走査させながら機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正装置であって、ワークに代えてセットテーブルに、副走査におけるヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークをY軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットし、且つY軸テーブルに、複数のヘッドユニットに代えて、ワーク撮像手段を組み込んだ複数のダミーユニットを装着したものにおいて、各ダミーユニットに組み込んだワーク撮像手段を制御し、各ヘッドユニットにおける副走査の走査範囲に亘ってアライメントマークを画像認識する第1画像認識手段と、第1画像認識手段により認識結果に基づいて、各ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得手段と、取得した基準位置データに基づいて、各ダミーユニットの位置補正を行う第1補正手段と、複数のダミーユニットに代えて複数のヘッドユニットが装着されたときに、各ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識手段と、第2画像認識手段による認識結果に基づいて、基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得手段と、取得した最終位置データに基づいて、各ヘッドユニットの位置補正を行う第2補正手段と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、複数のアライメントマークをY軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクにより、副走査の走査範囲に亘ってダミーユニットの位置補正を行うため、結果的にY軸テーブルにおけるX軸方向の歪みやY軸方向への送り誤差に基づく、各ヘッドユニットのX軸方向およびY軸方向の位置ずれを補正することができる。これにより、描画ラインを精度良く維持することができる。一方、この状態で、ダミーユニットをヘッドユニットを交換した場合に、ヘッドユニットの一対の基準マークに基づいて、位置補正を行うようにしているため、搭載したヘッドユニットの位置補正を簡単に、且つY軸テーブルの歪みや送り誤差を加味したものとすることができる。したがって、頻繁にヘッドユニットを交換しても、位置補正を含む交換作業を円滑且つ短時間で行うことができる。また、アライメントマークを画像認識において、ヘッドユニットに代えて、ワーク撮像手段を組み込んだダミーユニットを用いることにより、スペース的に、ヘッドユニットにワーク撮像手段を取り付け得ない場合に、特に有用となる。なお、複数のアライメントマークを配設ピッチは、描画対象となるワークに対する描画精度を考慮して定めることが好ましい。
また、上記方法において、複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、各ワーク撮像手段は、第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、第1画像認識工程では、副走査の走査範囲に亘って各第1カメラおよび各第2カメラにより、第1マーク列および第2マーク列それぞれ画像認識することが、好ましい。
同様に、上記装置において、複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、各ワーク撮像手段は、第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、第1画像認識手段は、副走査の走査範囲に亘って各第1カメラおよび各第2カメラにより、第1マーク列および第2マーク列をそれぞれ画像認識させることが、好ましい。
この構成によれば、複数のアライメントマークから成るマーク列を、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列および第2マーク列とし、これを撮像することで、アライメントマークの配設ピッチ単位で、ヘッドユニットの水平面内における角度補正(θ補正)を精度良く行うことができる。この補正により、Y軸テーブルが歪んでいても、副走査におけるヘッドユニットを精度良く位置決めすることができる。なお、マーク列が一列であっても、アライメントマークの配設ピッチが粗ければ、角度ずれを一定の精度で検出することができるが、かかる場合には、Y軸方向の位置ずれ検出が粗くなることは、言うまでもない。また、第1マーク列と第2マーク列との離間寸法は、最終的なヘッドユニットの位置精度を考慮すると、ヘッドユニットの一対の基準マークの離間寸法と同一かそれ以上とすることが、好ましい。
また、上記方法において、各ダミーユニットは、重量および重心位置が各ヘッドユニットと略同一に形成されていることが、好ましい。
同様に、上記装置において、各ダミーユニットは、重量および重心位置が各ヘッドユニットと略同一に形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、ヘッドユニットと重量および重量バランスが略同一のダミーユニットを用いることにより、ヘッドユニットの重み等に基づくY軸テーブルの捩れ等も、位置補正の結果に取り込むことができる。したがって、各ヘッドユニットを精度良く位置あわせすることができる。
また、上記方法において、複数のヘッドユニットは、Y軸テーブルにより個別に移動可能に構成されていることが、好ましい。
同様に、上記装置において、複数のヘッドユニットは、Y軸テーブルにより個別に移動可能に構成されていることが、好ましい。
この構成によれば、ヘッドユニットの交換やメンテナンス等を効率よく行うことができると共に、ワークの大きさに応じて複数のヘッドユニットを使い分けることができる。
本発明の液滴吐出装置は、上記したヘッド位置補正装置を、備えたことを特徴とする。
この構成によれば、副走査を考慮したヘッドユニットの位置精度を高めることができるため、描画精度の高い液滴吐出装置を提供することができる。
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、基板上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする。
これらの構成によれば、高精度の描画を行うことができる液滴吐出装置を用いて製造されるため、信頼性の高い電気光学装置を製造することが可能となる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。
以下、添付の図面を参照して、本発明を適用した液滴吐出装置について説明する。本実施形態の液滴吐出装置は、液晶表示装置等のFPDの製造ラインに組み込まれた描画システムに設置されており、特殊なインクや発光性の樹脂液等の機能液を機能液滴吐出ヘッドに導入して、カラーフィルタ等の基板上にR・G・B3色の機能液滴による成膜部を形成するものである。そこで、まず、液滴吐出装置による機能液滴の吐出対象(描画対象)となる基板(ワーク)について簡単に説明する。なお、以下に挙げる基板のサイズ等の値は概数である。
図1に示すように、基板Wは、石英ガラスやポリイミド樹脂等で構成された透明基板である。基板Wには、複数の画素領域507aが行方向(基板の長辺方向)および列方向(基板の短辺方向)に配列されている。また、基板Wの周縁部の前後2箇所には、導入された液滴吐出装置により位置認識される一対の基板アライメントマークWm、Wmがそれぞれ形成されており、その長辺(行方向)がY軸方向と平行になるようにして(横置きで)、セットされる。なお、基板Wには、大小様々なサイズのものが用意されているが、本実施形態では、液滴吐出装置に搭載可能な最大規格(1500mm×1800mm)の基板Wを用いるものとする。
各画素領域507aは、区画壁部507b(バンク503、図14参照)で囲まれた平面視長方形の凹部となっており、後述する機能液滴吐出ヘッド62によりR(赤)・G(緑)・B(青)3色の成膜部(着色層508R、508G、508B)を形成する際に、機能液滴の着弾領域となる(図14参照)。基板の行方向における各画素領域の寸法Daは、例えば300μm、基板の列方向における各画素領域の寸法Dbは、例えば100μmである。また、基板の行方向における区画壁部507bの寸法Laは、例えば100μm、基板の列方向における区画壁部507bの寸法Lbは、例えば30μmである。そして、着弾させた機能液滴の溶媒が揮発した後、所定の膜厚の着色層508が形成されるように、所定量の機能液滴を着弾させる。
また、後述するように、区画壁部507bは疎水(疎液)性の樹脂材料で構成されているため、区画壁部507bに機能液滴が着弾しても、その機能液滴は隣接する画素領域507a内へ流れ込むようになっている。一方、基板Wの表面は、表面処理により親水(親液)性となっており、着弾した機能液滴は、画素領域507a内に濡れ拡がるようになっている。
なお、本実施形態における多数の画素領域507aの配色パターンは、基板Wの行方向においてすべて同色となるストライプ配列であるが、基板Wの列方向においてすべて同色となるストライプ配列であってもよい。さらに、マトリクスの縦列・横列に並んだ任意の3つの画素が、R・G・Bの3色となるモザイク配列であってもよく、複数の画素領域507aが千鳥をなすデルタ配列であってもよい。そして、機能液滴が着弾した3個の画素領域、すなわち、Rの機能液滴が着弾した画素領域と、Gの機能液滴が着弾した画素領域と、Bの機能液滴が着弾した画素領域とにより、いわゆる画素が構成される。
続いて、本発明に係る液滴吐出装置について説明する。図2ないし図4に示すように、液滴吐出装置1は、機能液滴吐出ヘッド62を搭載した描画装置11と、描画装置11に添設され、定期フラッシングボックス114等を有するメンテナンス手段12とを備え、メンテナンス手段12により機能液滴吐出ヘッド62の機能維持・回復を行うと共に、描画装置11により基板W上に機能液を吐出する描画処理を行うようにしている。さらに、この液滴吐出装置1には、描画システム全体を統括制御する上位コンピュータ2に接続され液滴吐出装置1の各部を制御するコントローラ13(制御部122、図8参照)等が組み込まれている。
また、図示しないが、液滴吐出装置1には、ロボットアームで構成されたワーク搬出入装置が添設されており、このワーク搬出入装置を介して、液滴吐出装置1に基板Wが導入される。
まず、液滴吐出装置1における描画装置11について説明する。描画装置11は、それぞれ複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド62を搭載したヘッドユニット61およびメインキャリッジ63から成る複数(7個)のキャリッジユニット21と、床上に設置され、基板Wを載置する吸着テーブル41を有し、基板WをX軸方向に移動させるX軸テーブル22と、X軸テーブル22を跨ぐようにして配設され、7個のキャリッジユニット21を個々にY軸方向に移動させるY軸テーブル23と、基板Wやキャリッジユニット21等を画像認識する各種カメラを有する画像認識手段26とを備えている。また、各機能液滴吐出ヘッド62は、圧力調整弁25(図5参照)を介して、機能液を貯留する機能液タンク(図示省略)に接続されており、水頭圧が調整された機能液が供給されるようになっている。
そして、X軸テーブル22による基板Wの移動軌跡と、Y軸テーブル23によるキャリッジユニット21の移動軌跡とが交わる領域が、描画処理を行う描画エリア31となっており、また、Y軸テーブル23によるキャリッジユニット21の移動軌跡上のX軸テーブル22から外側に外れた領域が、メンテナンスエリア32となっており、上記のメンテナンス手段の各ユニットが設置されている。なお、メンテナンスエリア32は、ヘッドユニット61の着脱(付替え)のための作業領域を兼ねている。
一方、X軸テーブル22の手前側の領域は、上記のワーク搬出入装置により、液滴吐出装置1に対する基板Wの搬出入を行うワーク搬出入エリア34となっている。
X軸テーブル22は、導入された基板Wを吸着(エアー吸引)セットする吸着テーブル41(セットテーブル)と、吸着テーブル41の下部に接続され、吸着テーブル41を介して基板Wのθ位置を微調整(θ補正)するワークθ軸テーブル42と、ワークθ軸テーブル42を支持するテーブル支持部43と、テーブル支持部43をX軸方向にスライド自在に支持するX軸エアースライダ44と、X軸方向に延在し、吸着テーブル41を介して基板WをX軸方向に移動させる左右一対のX軸リニアモータ(図示省略)と、X軸リニアモータに並設され、X軸エアースライダ44の移動を案内する一対のX軸ガイドレール45,45と、吸着テーブル41の位置を把握するためのX軸リニアスケール(図示省略)とを備えている。そして、一対のX軸リニアモータを駆動すると、一対のX軸ガイドレール45,45をガイドにしながら、X軸エアースライダ44をX軸方向に移動し、吸着テーブル41にセットされた基板WがX軸方向に移動する。
また、このX軸テーブル22は、大型の基板Wに対応して、X軸方向の寸法が長く(約4.0m)なっている。なお、本実施形態では、基板W(吸着テーブル41)がワーク搬出入エリア34側から描画エリア31側(図3の下側から上側)に移動するときを往動とし、描画エリア31側からワーク搬出入エリア34側(同図の上側から下側)に移動するときを復動とする。
吸着テーブル41は、平面視略正方形に形成され、その一辺の長さは、最大規格の基板Wの長辺の長さに合わせて1800mmに設定されており、基板Wを縦置き(基板Wの長辺をX軸方向と平行にする)および横置き(基板Wの長辺をY軸方向と平行にする)のいずれか任意の向きで、且つセンター中心でセット可能になっている。もっとも、本実施形態では、上記のように基板Wを横置きでセットするものとする。
また、吸着テーブル42には、図示しないが、X軸方向に一対のX軸幅寄せ機構が、Y軸方向に一対のY軸幅寄せ機構が設けられており、セットしたワークWを位置決め(プリアライメント)できるようになっている。そして、プリアライメントされたワークWは、さらに上記のワーク認識カメラ101により画像認識され、基板θ軸テーブル42による角度補正(θ補正)と、X軸方向およびY軸方向の位置データの補正とを行うことにより、最終的にアライメントされる。
なお、テーブル支持部43上には、吸着テーブル41に対し基板Wの往動側(図4の左側)に隣接して、ドット抜け検査台116が配設されている。このドット抜け検査台116には、上面に巻取り自在な検査紙が張設されており、この検査紙に対して全機能液滴吐出ヘッド62から検査用に機能液滴を吐出させ、その描画結果を後述するドット認識カメラ102で画像認識することで、ドット抜け、飛行曲がり等の不良吐出の有無が検査(ドット抜け検査)される。さらに、テーブル支持部43上には、ドット抜け検査台116に対し基板Wの往動側に隣接して、後述する定期フラッシングボックス114が設けられている。
一方、Y軸テーブル23は、描画エリア31およびメンテナンスエリア32間を架け渡すと共に、描画エリア31と、メンテナンス手段12の各ユニットの直上部との相互間で、個々に移動させるものであって、Y軸方向に延在する前後一対の支持スタンド56,56上に支持されている。この各支持スタンド56は、4本の支柱57と、4本の支柱57間を架渡した柱状支持部材(図示省略)と、を有している。
Y軸テーブル23は、7個のキャリッジユニット21をそれぞれ垂設する7個のブリッジプレート51がY軸方向に整列するよう、これを両持ちで支持する7組のY軸スライドテーブル(図示省略)と、Y軸方向に延在し、各組のY軸スライドテーブルを介して各ブリッジプレート51をY軸方向に移動させる前後一対のY軸リニアモータ(図示省略)と、Y軸方向に延在し、7個のブリッジプレート51の移動を案内する前後各2本(計4本)のY軸ガイドレール(図示省略)と、各キャリッジユニット21の移動位置を検出するY軸リニアスケール(図示省略)とを備えている。
そして、一対のY軸リニアモータを駆動すると、7組のY軸スライドテーブルをそれぞれ独立して移動させ、7個のキャリッジユニット21を個別にY軸方向へ移動させることができる。これにより、ヘッドユニット61の交換やメンテナンス等を効率良く行うことができると共に、基板Wの大きさに応じて複数のヘッドユニット61を使い分けることができる。もちろん、7組のY軸スライドテーブルを同時にY軸方向に移動させることにより、7個のキャリッジユニット21を一体としてY軸方向に移動させることも可能である。
また、このY軸テーブル23は、大型の基板Wに対応して、移動ストロークが長くなっている。すなわち、後述するように、基板WのY軸方向の寸法(1800mm)に対応して、7個のキャリッジユニット21が搭載される共に、7個のキャリッジユニット21に対応して、メンテナンス手段12の各ユニットが設けられているため、その移動ストロークは、約5.5mである。
7個のキャリッジユニット21は、Y軸テーブル23の7個のブリッジプレート51によりそれぞれ垂設されてY軸方向に並んでおり、各キャリッジユニット21は、サブキャリッジ64(キャリッジ)を介して12個の機能液滴吐出ヘッド62を搭載したヘッドユニット61と、ヘッドユニット61を着脱自在に支持(吊設)するメインキャリッジ63とから構成されている。すなわち、ヘッドユニット61は、メインキャリッジ63を介して、Y軸テーブル23に着脱自在に支持されている。なお、詳細は後述するが、各メインキャリッジ63は、ヘッドユニット61に代えて、ダミー認識カメラ104(ワーク撮像手段)を組み込んだダミーユニット161を装着可能に構成されている(図10参照)。
図5に示すように、ヘッドユニット61は、サブキャリッジ64と、サブキャリッジ64に搭載した複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド62と、各機能液滴吐出ヘッド62をサブキャリッジ64に個々に精度良く取り付けるためのヘッド保持部材91とを備えている。また、サブキャリッジ64には、12個の機能液滴吐出ヘッド62にそれぞれ併設するようにして、12個の圧力調整弁25が搭載されている。
各サブキャリッジ64は、12個の機能液滴吐出ヘッド62および12個の圧力調整弁25をそれぞれ位置決め固定する平面視略平行四辺形のヘッドプレート65と、画像認識を前提として、各キャリッジユニット21(ヘッドユニット61)をX軸、Y軸およびθ軸方向に位置決め(位置認識)するための基準となる一対の基準ピン69,69とを有している(詳細は後述する)。なお、ヘッドプレート65に対する12個の機能液滴吐出ヘッド62を位置決めは、別装置で行われ、メインキャリッジ63に装着した状態では、上記の一対の基準ピン69,69と各機能液滴吐出ヘッド62の位置精度は確立されている。
各メインキャリッジ63は、サブキャリッジ64(ヘッドプレート65)を支持するキャリッジ本体66と、キャリッジ本体66を吊設すると共に、キャリッジ本体66の上部に連結され、キャリッジ本体66を介して、ヘッドユニット61のθ位置をモータ駆動で微調整(θ軸補正)可能なヘッドθ軸テーブル67(第1補正手段、第2補正手段)と、ヘッドθ軸テーブル67の上部に連結され、ヘッドθ軸テーブル67およびキャリッジ本体66を介して、ヘッドユニット61のZ位置をモータ駆動で微調整(Z軸補正)可能なヘッドZ軸テーブル68とを有している。
図6に示すように、機能液滴吐出ヘッド62は、いわゆる2連のものであり、2連の接続針72を有する機能液導入部71と、機能液導入部71に連なる2連のヘッド基板73と、機能液導入部71の下方(同図では上方)に連なり、内部に機能液で満たされるヘッド内流路が形成されたヘッド本体74とを備えている。接続針72は、圧力調整弁25を介して機能液タンクに接続され、機能液滴吐出ヘッド62のヘッド内流路に機能液を供給する。また、ヘッド本体74は、ピエゾ素子等で構成されたキャビティ81と、2本のノズル列84,84を相互に平行に形成したノズル面83を有するノズルプレート82とを有している。また、ヘッド基板73には、2連のコネクタ75,75が設けられており、各コネクタ75は、フレキシブルフラットケーブルを介してヘッドドライバ131(図8参照)に接続されている。なお、図中の符号86は、上述した別装置により機能液滴吐出ヘッド62をヘッドプレート65に位置決めするときの一対のマークである。
各ノズル列84の長さは、例えば1インチ(略25.4mm)であって、各ノズル列84は180個のノズル85が等ピッチ(略140μm)で並べられて構成されている。なお、一方のノズル列84は、他方のノズル列84に対して、ノズル列方向に半ピッチ(70μm)分ずれており、ドット密度(解像度)は360dpiである。
図5および図7に示すように、各機能液滴吐出ヘッド62は、サブキャリッジ64に搭載された状態では、2本のノズル列84,84がY軸方向と平行になるようにヘッドプレート65に固定されている。そして、各サブキャリッジ64の12個の機能液滴吐出ヘッド62は、その幅方向(X軸方向)に密に重ね合わせると共に、全吐出ノズル85(160×12個)がY軸方向に連続するようにして、階段状に配設されている。そして、図7の左側から1個単位で順に、R・G・B3色の機能液をそれぞれ導入したR系機能液滴吐出ヘッド62R、G系機能液滴吐出ヘッド62G、B系機能液滴吐出ヘッド62Bとなっている。
すなわち、各ヘッドユニット61の12個の機能液滴吐出ヘッド62は、各色の4個の機能液滴吐出ヘッド62の複数のノズル85により各色の部分描画ラインを4本構成し、3色の部分描画ラインがY軸方向に4回繰り返し連なって、1の分割描画ラインを構成するように配置されている。さらに、7個の分割描画ラインがY軸方向に連続して、1の描画ラインが構成される。この部分描画ラインの長さは、22.6mm(25.4mm/180×160)であって、描画ラインの長さは、1897mm(25.4mm/180×160×12×7)である。すなわち、7個のヘッドユニット61が、基板WのY軸方向の描画幅(1800mm)に対応しているため、1回の吐出走査で基板Wの全域に描画処理(フルライン方式)を行うことができる。
そして、上述したように、基板の行方向(Y軸方向)における各画素領域の寸法Daは、例えば300μmで、基板の行方向における区画壁部507bの寸法Laは、例えば100μmであるから、この場合、1の部分描画ラインには、56列の画素領域507aが対応している。そして、この56列の画素領域507aにより、部分描画領域Dp(図7参照)が構成されている。すなわち、基板W全体の画素領域507aは、基板の行方向(Y軸方向)に84個の部分描画領域Dpに仮想分割されている。なお、図7では、1行×56列の画素領域507aを、1個の長方形で表している。
図2ないし図4に示すように、画像認識手段26は、ワーク搬出入エリア34の前後両側に臨むように配設され、基板Wの両長辺部分にそれぞれ形成された2つの基板アライメントマークWm、Wmをそれぞれ画像認識する2台のワーク認識カメラ101と、上記のY軸テーブル23に添設されたカメラ移動機構(図示省略)によりY軸方向に移動可能にそれぞれ搭載され、ドット抜け検査台116上に吐出された機能液滴(ドット)を画像認識する2台のドット認識カメラ102と、X軸テーブル22のX軸エアースライダ44に連結され、各ヘッドユニット61(サブキャリッジ64)の2つの基準ピンを画像認識するヘッド認識カメラ103(図9参照)とを有している。これらの各種カメラの画像認識結果に基づいて、上述した基板Wやヘッドユニット61の位置補正が行われる。さらに、詳細は後述するが、画像認識手段26は、ヘッドユニット61に代えて各メインキャリッジ63に搭載されるダミーユニット161に組み込まれたダミー認識カメラ104を有している。
次に、図2ないし図4を参照して、液滴吐出装置1におけるメンテナンス手段12について説明する。メンテナンス手段12は、メンテナンスエリア32に配設され、機能液滴吐出ヘッド62内で増粘した機能液を除去するための吸引(クリーニング)を行う7個の吸引ユニット111と、機能液滴吐出ヘッド62のノズル面83を払拭するワイピングユニット112と、7個の吸引ユニット111およびワイピングユニット112をそれぞれ個別に昇降可能に支持する8個のユニット昇降機構(図示省略)と、これらを支持するアングル架台118とを備えている。さらに、メンテナンス手段12は、上記のテーブル支持部43上に配設された定期フラッシングボックス114と、吸着テーブル41の前後両側に配設された一対の描画前フラッシングボックス115,115とを備えている。
7個の吸引ユニット111は、7個のキャリッジユニット21にそれぞれ対応しており、各吸引ユニット111は、各キャリッジユニット21に対して下方から臨み、12個の機能液滴吐出ヘッド62のノズル面83にそれぞれ封止させる12個のキャップ(図示省略)を備えている。これにより、非稼動時等に、各機能液滴吐出ヘッド62のノズル85の機能液が乾燥して吐出機能が低下することを防止できる。さらに、各キャップをノズル面83に封止させた状態でノズル85から機能液を吸引し、機能液滴吐出ヘッド62内で増粘した機能液を排出する。
ワイピングユニット112は、吸引ユニット111の描画エリア31側に配置されており、機能液滴吐出ヘッド62の吸引等により、機能液が付着して汚れたノズル面83を、ワイピングシート112aを押し当てて拭き取るものである。そして、上記の吸引処理と、このワイピングとにより、ノズル詰まりの生じた機能液滴吐出ヘッド62の吐出機能を回復させることができる。
定期フラッシングボックス114は、基板Wの交換時等に行う定期フラッシングを受けるためのものである。上記のテーブル支持部43上に設けられており、基板Wの交換のために吸着テーブル41がワーク搬出入エリア34に臨むとき、定期フラッシングボックス114が描画エリア31に臨み、機能液滴吐出ヘッド62の全ノズル85からの捨て吐出を受けるようになっている。この定期フラッシングにより、待機中の機能液滴吐出ヘッド62のノズル詰まりを防止できる。
一対の描画前フラッシングボックス115,115は、基板Wに機能液を吐出させる直前(一連の描画動作中)に行う描画前フラッシングを受けるためのものである。吸着テーブル41をX軸方向に挟むように配設されており、基板Wの往復動に伴う機能液滴吐出ヘッド62の吐出駆動の直前に行われる全ノズル85(吐出ノズル)からの捨て吐出を受けるようになっている。この描画前フラッシングにより、機能液滴吐出ヘッド62からの機能液滴の吐出が安定した状態で、基板Wに機能液滴を吐出することができる。
次に、図8を参照して、液滴吐出装置1全体の制御系について説明する。液滴吐出装置1の制御系は、基本的に、上記の上位コンピュータ2と、機能液滴吐出ヘッド62、X軸テーブル22、Y軸テーブル23、メンテナンス手段12等を駆動する各種ドライバを有する駆動部121と、駆動部121を含め液滴吐出装置1全体を統括制御する制御部122(コントローラ13)とを備えている。
上位コンピュータ2は、コントローラ13に接続されたコンピュータ本体126に、キーボード127や、キーボード127による入力結果等を画像表示するディスプレイ128等が接続されて構成されている。
駆動部121は、機能液滴吐出ヘッド62を吐出駆動制御するヘッドドライバ131と、X軸テーブル22およびY軸テーブル23の各モータをそれぞれ駆動制御する移動用ドライバ132と、メンテナンス手段12の吸引ユニット111、ワイピングユニット112およびユニット昇降機構を駆動制御するメンテナンス用ドライバ133とを備えている。
制御部122は、CPU141と、ROM142と、RAM143と、P−CON144とを備え、これらは互いにバス145を介して接続されている。ROM142は、CPU141で処理する制御プログラム等を記憶する制御プログラム領域と、描画動作や画像認識を行うための制御データ等を記憶する制御データ領域を有している。
RAM143は、各種レジスタ群のほか、基板Wに機能液の吐出を行うための描画データを記憶する描画データ記憶部、基板Wおよびヘッドユニット61の設計位置データを記憶する位置データ記憶部等の各種記憶部を有し、制御処理のための各種作業領域として使用される。なお、ヘッドユニット61の設計位置データとは、描画処理の直前に記憶されている位置データのことであり、液滴吐出装置1の設計時(新設時)における位置データのほか、更新後の位置データをも含む概念である。
P−CON144には、駆動部121の各種ドライバのほか、画像認識手段26の各種カメラが接続されており、CPU141の機能を補うと共に、周辺回路とのインタフェース信号を取り扱うための論理回路が構成されて組み込まれている。このため、P−CON144は、上位コンピュータ2からの各種指令等をそのままあるいは加工してバス145に取り込むと共に、CPU141と連動して、CPU141等からバス145に出力されたデータや制御信号を、そのままあるいは加工して駆動部121に出力する。
そして、CPU141は、ROM142内の制御プログラムに従って、P−CON144を介して各種検出信号、各種指令、各種データ等を入力し、RAM143内の各種データ等を処理した後、P−CON144を介して駆動部121等に各種の制御信号を出力することにより、液滴吐出装置1全体を制御している。例えば、CPU141は、機能液滴吐出ヘッド62、X軸テーブル22およびY軸テーブル23を制御して、所定の液滴吐出条件および所定の移動条件で基板Wに描画を行う。また、CPU141は、画像認識手段26の各種カメラを制御し、その撮像対象を画像認識し、その認識結果に基づいて、位置補正データを取得し、さらに、データ補正を行っている(詳細は後述する)。
次に、描画装置11による基板Wへの一連の描画動作について説明する。まず、描画対象となる基板Wを吸着テーブル41上に載置し、上記のプリアライメント後、ワーク認識カメラ101により、セットされた基板Wの基板アライメントマークWm、Wmを撮像し、その画像認識結果に基づいて、ワークθ軸テーブル42によるθ軸方向の位置補正と、基板WのX軸方向およびY軸方向の位置データ補正とを行う。
なお、後述するヘッド位置補正処理により、予め、X軸テーブル22やY軸テーブル23の機械的精度誤差に基づく、各ヘッドユニット61のX軸方向およびY軸方向の位置ずれが補正されていると共に、新たに投入された各ヘッドユニット61に対して、ヘッド認識カメラ103の撮像結果に基づいて、位置補正が為されている。
このようにして、基板Wに対する吐出動作の準備が整うと、描画装置11は、基板WをX軸テーブル22によりX軸方向に往復動させると共に、これに同期して7個のキャリッジユニット21の各機能液滴吐出ヘッド62を選択的に吐出駆動させて、描画エリア31に臨んだ基板Wの上面Waにフルライン方式で機能液の吐出(描画)を行う。
ここで、本実施形態では、基板Wの縦列(X軸方向)には、R・G・B3色に対応した画素領域507aが並んでいるため、ヘッドユニット61をY軸方向に移動させる副走査を2回行って、R・G・B3色の画素領域507aのそれぞれに3色の機能液滴を吐出・着弾させている。
具体的には、図7に示すように、まず、第1回目の主走査として、図示右側から1、4、・・・、(3n−2)、・・・、82番目の部分描画領域Dp(のBに対応する各画素領域507a)に対し、Bの機能液滴を着弾させ、2、5、・・・、(3n−1)、・・・、83番目の部分描画領域Dp(のRに対応する各画素領域507a)に対し、Rの機能液滴を着弾させ、3、6、・・・、(3n)、・・・、84番目の部分描画領域Dp(のGに対応する各画素領域507a)に対し、Gの機能液滴を着弾させる(図7(a)参照)。
続いて、各ヘッドユニット61を部分描画ライン分Y軸方向に移動(1回目の副走査)させた後、第2回目の主走査として、(3n−2)番目の部分描画領域Dpに対し、Gの機能液滴を着弾させ、(3n−1)番目の部分描画領域Dpに対し、Bの機能液滴を着弾させ、(3n)番目の部分描画領域Dpに対し、Rの機能液滴を着弾させる(同図(b)参照)。
さらに、各ヘッドユニット61を部分描画ライン分Y軸方向に移動(2回目の副走査)させた後、第3回目の主走査として、(3n−2)番目の部分描画領域Dpに対し、Rの機能液滴を着弾させ、(3n−1)番目の部分描画領域Dpに対し、Gの機能液滴を着弾させ、(3n)番目の部分描画領域Dpに対し、Bの機能液滴を着弾させ、基板Wに対する描画が完了する(同図(c)参照)。
このようにすることで、(3n−2)番目、(3n−1)番目および(3n)番目の部分描画領域Dpに対し、すなわち全部分描画領域Dpに対し、R・G・B3色の機能液滴を着弾させることができる。この一連の描画処理では、各ヘッドユニット61に対し、部分描画ライン分の副走査を2回行っているため、各ヘッドユニット61の副走査の走査範囲(副走査範囲)は、部分描画ラインの2倍の長さ(45.2mm)に略相当する。
次に、基板Wに対するヘッドユニット61の位置決め(位置補正)方法について説明する。図9の模式図に示すように、X軸テーブル22のセットテーブル41上には、基板Wに代えてアライメントマスク200がセットされる一方、Y軸テーブル23の7個のメインキャリッジ63には、それぞれヘッドユニット61に代えてダミーユニット161が搭載されている。そして、上述したように、X軸エアースライダ44には、ヘッド認識カメラ103(ヘッド認識手段)が上向きに配設されており、X軸テーブル23を駆動させることで、Y軸テーブル23によるヘッドユニット61の移動軌跡上に、ヘッド認識カメラ103を位置させることができる。
アライメントマスク200は、基板Wと同様に石英ガラス等から成るガラスマスクであり、基板Wと同一の厚みを有している。アライメントマスク200の表面には、X軸方向に相互に離間すると共に平行に位置する第1マーク列201および第2マーク列202が形成されている。第1マーク列201および第2マーク列202は、全く同一に形成され、Y軸方向において、後述するダミー認識カメラ104の第1カメラ104aおよび第2カメラ104bの相互の離間寸法と同一の離間寸法で、且つX軸方向において同位置に配設されている。各マーク列201,202は、副走査におけるヘッドユニット61の絶対基準位置を指標する複数のアライメントマーク203で構成されており、7個のヘッドユニット61(ダミーユニット161)の副走査における移動範囲を網羅する長さを有している。
各マーク列201,201の複数のアライメントマーク203は、1本の基準線204とこれに直交する複数の交差線205とにより構成されている。複数の交差線205が、Y軸方向において所定の配設ピッチで列設されている。詳細は後述するが、このアライメントマーク203の配設ピッチは、ヘッドユニット61の各位置補正ポイントとなるものであり、実施形態のものは、基板Wの画素ピッチやY軸テーブルの直線性精度を考慮して、10mmピッチとなっている。
図10に示すように、ダミーユニット161は、図5示すヘッドユニット61のヘッドプレート65と略同一の基本形態を有するダミープレート165、ダミープレート165に搭載した第1カメラ104aおよび第2カメラ104bから成るダミー認識カメラ104を有している。第1カメラ104aおよび第2カメラ104bは、それぞれCCDカメラで構成されており、それぞれカメラヘッド106を下向きにした状態で、X軸方向に相互に離間すると共に背合わせに配設されている。この場合、第1カメラ104aおよび第2カメラ104bの位置は、ヘッドユニット61における一対の基準ピン69,69の位置に対応している。各カメラヘッド106の直下には、ダミープレート165に一対のカメラ開口167,167が形成されおり、第1カメラ104aおよび第2カメラ104bは、このカメラ開口167から上記のアライメントマーク203を撮像する。
図中の符号168は、一対のバランスウェイトであり、符号169は、バランス開口である。これらバランスウェイト168およびバランス開口169により、ダミープレート165の重量および重心位置が、ヘッドユニット61と略同一になるように調整されている。これにより、ヘッドユニット61の重み等に基づくY軸テーブル23の捩れ等も、後述する位置補正の結果に取り込むことができる。なお、ダミープレート165の重量および重心位置は、ヘッドユニット61に上記の機能液滴吐出ヘッド62や圧力調整弁25を搭載した状態に加え、これらに機能液を充填した状態であることが、好ましい。
次に、本発明の主要部であるヘッド位置補正処置の一連の動作とについて詳細に説明する。まず、7個のメインキャリッジ63に、7個のダミーユニット161をそれぞれ装着する(図11のS11)。続いて、吸着テーブル41にアライメントマスク200をセットすると共に、アライメントマスク200の位置補正を行う(S12)。このアライメントマスク200のセットおよび位置補正は、上述した基板Wのセットおよび位置補正と同様にして行われる。このアライメントマスク200が吸着テーブル41にセット・位置補正されることで、複数のアライメントマーク203が、ヘッドユニット61の絶対基準位置を指標するものとして機能する。
次に、装着された各ダミーユニット161に組み込まれたダミー認識カメラ104の原点調整を行う(S13)。ここで、後述するように、各ダミーユニット161は、対応する各ヘッドユニット61の副走査範囲に亘って複数のアライメントマーク203を画像認識することから、この原点調整においても、各ダミー認識カメラ104の第1カメラ104aおよび第2カメラ104bは、対応する副走査範囲における第1マーク列201の任意のアライメントマーク203および第2マーク列202の任意のアライメントマーク203をそれぞれ撮像することにより行われる。
次に、各ダミーユニット161により、対応する各ヘッドユニット61の副走査範囲に亘って複数のアライメントマーク203を撮像し、その画像認識結果に基づいて、位置ずれを測定する(S14)。具体的には、Y軸テーブル23により、各ダミーユニット161をY軸方向にアライメントマーク203の1ピッチ分(10mm)ずつ移動させ、第1カメラ104aおよび第2カメラ104bにより、それぞれ第1マーク列201および第2マーク列202のアライメントマーク203を個々に撮像していく。
図12は、第1カメラ104aによる第1マーク列201のアライメントマーク(第1アライメントマーク203)の画像認識結果と、第2カメラ104bによる第2マーク列202のアライメントマーク(第2アライメントマーク203)の画像認識結果とを示している。第1アライメントマーク203は、第1カメラ104aの撮像中心CCは、+ΔX1、+ΔY1だけ原点0からずれた位置にある。また、第2アライメントマーク203は、第2カメラ104bの撮像中心CCは、−ΔX2、−ΔY2だけ原点0からずれた位置にある。
このように、第1カメラ104aおよび第2カメラ104bによる認識結果に基づいて、位置ずれデータ(+ΔX1、+ΔY1−ΔX2、−ΔY2)が取得され、この位置ずれデータに基づいて、ヘッドユニット61の設計位置データを補正(X軸方向およびY軸方向におけるデータ補正)し、基準位置データを取得する(S15)。
この第1カメラ104aおよび第2カメラ104bによる画像認識と、それに基づいた設計位置データの補正とを、対応する各ヘッドユニット61の副走査範囲における全アライメントマーク203について行うことで、アライメントマーク203の配設ピッチ単位で、ヘッドユニット61の設計位置データを補正し、その配設ピッチ単位で、基準位置データを取得することができる。
そして、得られた基準位置データに基づいて、ヘッドθ軸テーブル67を制御し、各ダミーユニット161を回転させることで、各ダミーユニット161のθ補正を行う(S16)。この状態で、ダミーユニット161をヘッドユニット61に交換しない場合には(S17;No)、位置補正処理が完了する。
以上のように、複数のアライメントマーク203をY軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスク200により、対応する各ヘッドユニット61による副走査範囲に亘ってダミーユニット161の位置補正を行うため、結果的にY軸テーブル23におけるX軸方向の歪みやY軸方向の位置ずれを補正することができる。これにより、描画ラインを精度良く維持することができる。
さらに、各第1カメラ104aおよび各第2カメラ104bにより、第1マーク列201および第2マーク列202をそれぞれ画像認識することで、アライメントマーク203の配設ピッチ単位で、ヘッドユニット61のθ補正を精度良く行うことができる。なお、各アライメントマーク203の撮像結果に基づいて、各アライメントマーク203間における位置ずれデータを補完することにより、アライメントマーク203の配設ピッチよりも微細なピッチの基準位置データを取得することも可能であり、ヘッドユニット61の副走査位置に対応させた基準位置データを得ることも可能である。
一方、各ダミーユニット161のθ補正(S16)の後、ダミーユニット161をヘッドユニット61に交換した場合(S17;Yes)には、ヘッド認識カメラ103による各ヘッドユニット61の一対の基準ピン69,69の画像認識結果に基づいて、各ヘッドユニット61のθ補正を行うようにする(S21〜S23)。
具体的には、まず、X軸テーブル22を駆動して、ヘッド認識カメラ103をY軸テーブル23の移動軌跡上に位置させると共に、Y軸テーブル23を駆動して、そのヘッド認識カメラ103の直上部に各ヘッドユニット61を臨ませ、一対の基準ピン69,69を撮像し、その画像認識結果に基づいて、位置ずれを測定する(S21)。なお、ヘッド認識カメラ103は、一対の基準ピン69,69に対応して、2台のカメラにより構成してもよく、X軸テーブル22により1台のカメラを移動させることで、一対の基準ピン69,69をそれぞれ撮像してもよい。もちろん、7個のヘッドユニット61に対応して、7個のヘッド認識カメラ103を設置してもよい。
次に、得られた画像認識結果(位置ずれデータ)に基づいて、上記の基準位置データを補正し、最終位置データを取得する(S22)。
最後に、得られた最終位置データに基づいて、各ヘッドθ軸テーブル67を制御して、各ヘッドユニット61を回転し、各ヘッドユニット61のθ補正を行う(S23)。このようにして、一連のヘッド位置補正処理が完了する。
以上のように、ダミーユニット161をヘッドユニット61に交換した場合に、各ヘッドユニット61のθ補正を行うようにしているため、上記のようにY軸テーブルの歪みや送り誤差を加味した位置補正ができると共に、搭載した各ヘッドユニット61の位置補正を簡単に行うことができる。したがって、頻繁にヘッドユニット61を交換しても、位置補正を含む交換作業を円滑且つ短時間で行うことができる。
なお、本実施形態では、ダミーユニット161を用いて、設計位置データを補正したが、ダミーユニット161を用いることなく、ヘッドユニット61にアライメントマーク203を撮像するカメラ(ワーク撮像手段)を取り付け、そのカメラによるアライメントマーク203の画像認識に基づいて、設計位置データを補正するようにしてもよい。もっとも、ヘッドユニット61にカメラを取り付ける代わりに、本実施形態のダミーユニット161を用いることにより、スペース的に特に有用である。
以上のように、本実施形態のヘッド位置補正処理によれば、ヘッドユニット61の交換時において、X軸テーブルやY軸テーブルの機械的精度誤差を加味して、ヘッドユニット61の位置補正を簡単且つ精度良く行うことができる。したがって、液滴吐出装置1において、副走査を考慮したヘッドユニット61の位置精度を高めることができる。
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図13は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図14は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図14(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図14(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図14(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド62により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
次に、着色層形成工程(S103)では、図14(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド62によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド62を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図14(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
図15は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図14に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図15において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド62で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド62で行うことも可能である。
図16は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
図17は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
次に、図18は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
次に、上記の表示装置600の製造工程を図19〜図27を参照して説明する。
この表示装置600は、図19に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
まず、バンク部形成工程(S111)では、図20に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図21に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド62を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図2に示した液滴吐出装置1の吸着テーブル41に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
図22に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド62から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図23に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
そして次に、図24に示すように、各色のうちのいずれか(図24の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図25に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
同様に、機能液滴吐出ヘッド62を用い、図26に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
対向電極形成工程(S115)では、図27に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
次に、図28は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図2に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1の吸着テーブル41に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド62により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド62から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
次に、図29は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図30(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図30(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
基板の模式的な平面図である。 液滴吐出装置の外観斜視図である。 液滴吐出装置の平面図である。 液滴吐出装置の側面図である。 ヘッドユニットの模式的な平面図である。 機能液滴吐出ヘッドの外観斜視図である。 液滴吐出装置による一連の描画処理を説明する模式図である。 液滴吐出装置の制御系について説明したブロック図である。 ヘッドユニットの位置補正方法について説明する模式図である。 (a)はダミーヘッドの平面図、(b)はダミーヘッドの外観斜視図である。 ヘッドユニットの位置補正処理を示すフローチャートである。 ダミー認識カメラによるアライメントマークの画像認識結果を示す図である。 カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。 (a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の要部断面図である。 有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。 無機物バンク層の形成を説明する工程図である。 有機物バンク層の形成を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。 正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。 青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。 青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。 陰極の形成を説明する工程図である。 プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。 電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。 表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
符号の説明
1…液滴吐出装置 13…コントローラ 22…X軸テーブル 23…Y軸テーブル 41…吸着テーブル 61…ヘッドユニット 62…機能液滴吐出ヘッド 69…基準ピン 103…ヘッド認識カメラ 104…ダミー認識カメラ 161…ダミーユニット 200…アライメントマスク 203…アライメントマーク W…基板

Claims (16)

  1. ワークをセットするセットテーブルを有し、前記セットテーブルを介して前記ワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載したヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、
    前記ワークに対して、前記ヘッドユニットを前記主走査および前記副走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、前記ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正方法において、
    前記ワークに代えて前記セットテーブルに、前記副走査における前記ヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークを前記Y軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットするマスクセット工程と、
    前記ヘッドユニットに取り付けたワーク撮像手段により、前記副走査の走査範囲に亘って前記複数のアライメントマークを画像認識する第1画像認識工程と、
    前記第1画像認識工程における認識結果に基づいて、前記ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得工程と、
    取得した前記基準位置データに基づいて、前記ヘッドユニットの位置補正を行う第1補正工程と、
    新たに前記ヘッドユニットが装着されたときに、ヘッド撮像手段により、前記ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識工程と、
    前記第2画像認識工程における認識結果に基づいて、前記基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得工程と、
    取得した前記最終位置データに基づいて、新たな前記ヘッドユニットの位置補正を行う第2補正工程と、を備えたことを特徴とするヘッド位置補正方法。
  2. 前記複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、
    前記ワーク撮像手段は、前記第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、
    前記第1画像認識工程では、前記副走査の走査範囲に亘って前記第1カメラおよび前記第2カメラにより、前記第1マーク列および前記第2マーク列それぞれ画像認識することを特徴とする請求項1に記載のヘッド位置補正方法。
  3. ワークをセットするセットテーブルを有し、前記セットテーブルを介して前記ワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に前記Y軸方向に連続した描画ラインを構成する複数のヘッドユニットと、前記複数のヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、
    前記ワークに対して、前記複数のヘッドユニットを前記主走査および前記副走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、前記ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正方法において、
    前記ワークに代えて前記セットテーブルに、前記副走査における前記ヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークを前記Y軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットするマスクセット工程と、
    前記Y軸テーブルに、前記複数のヘッドユニットに代えて、ワーク撮像手段を組み込んだ複数のダミーユニットを装着するダミー装着工程と、
    前記各ダミーユニットに組み込んだ前記ワーク撮像手段により、前記各ヘッドユニットにおける前記副走査の走査範囲に亘って前記アライメントマークを画像認識する第1画像認識工程と、
    前記第1画像認識工程における認識結果に基づいて、前記各ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得工程と、
    取得した前記基準位置データに基づいて、前記各ダミーユニットの位置補正を行う第1補正工程と、
    前記複数のダミーユニットに代えて前記複数のヘッドユニットが装着されたときに、ヘッド撮像手段により、前記各ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識工程と、
    前記第2画像認識工程における認識結果に基づいて、前記基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得工程と、
    取得した前記最終位置データに基づいて、前記各ヘッドユニットの位置補正を行う第2補正工程と、を備えたことを特徴とするヘッド位置補正方法。
  4. 前記複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、
    前記各ワーク撮像手段は、前記第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、
    前記第1画像認識工程では、前記副走査の走査範囲に亘って前記各第1カメラおよび前記各第2カメラにより、前記第1マーク列および前記第2マーク列それぞれ画像認識する
    ことを特徴とする請求項3に記載のヘッド位置補正方法。
  5. 前記各ダミーユニットは、重量および重心位置が前記各ヘッドユニットと略同一に形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載のヘッド位置補正方法。
  6. 前記複数のヘッドユニットは、前記Y軸テーブルにより個別に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載のヘッド位置補正方法。
  7. ワークをセットするセットテーブルを有し、前記セットテーブルを介して前記ワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドをサブキャリッジに搭載したヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、
    前記ワークに対して、前記ヘッドユニットを前記主走査および前記副走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、前記ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正装置であって、
    前記ワークに代えて前記セットテーブルに、前記副走査における前記ヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークを前記Y軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットし、
    且つ前記ヘッドユニットにワーク撮像手段を取り付けたものにおいて、
    前記ヘッドユニットに取り付けた前記ワーク撮像手段を制御し、前記副走査の走査範囲に亘って前記アライメントマークを画像認識する第1画像認識手段と、
    前記第1画像認識手段による認識結果に基づいて、前記ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得手段と、
    取得した前記基準位置データに基づいて、前記ヘッドユニットの位置補正を行う第1補正手段と、
    新たに前記ヘッドユニットが装着されたときに、前記ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識手段と、
    前記第2画像認識手段による認識結果に基づいて、前記基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得手段と、
    取得した前記最終位置データに基づいて、新たな前記ヘッドユニットの位置補正を行う第2補正手段と、を備えたことを特徴とするヘッド位置補正装置。
  8. 前記複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、
    前記ワーク撮像手段は、前記第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、
    前記第1画像認識手段は、前記副走査の走査範囲に亘って前記第1カメラおよび前記第2カメラにより、前記第1マーク列および前記第2マーク列をそれぞれ画像認識させることを特徴とする請求項7に記載のヘッド位置補正装置。
  9. ワークをセットするセットテーブルを有し、前記セットテーブルを介して前記ワークをX軸方向に主走査させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に前記Y軸方向に連続した描画ラインを構成する複数のヘッドユニットと、前記複数のヘッドユニットを着脱自在に支持すると共にこれをY軸方向に副走査させるY軸テーブルと、を備え、
    前記ワークに対して、前記複数のヘッドユニットを前記主走査および前記副走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドを吐出駆動して、前記ワークに機能液による描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正装置であって、
    前記ワークに代えて前記セットテーブルに、前記副走査における前記ヘッドユニットの絶対基準位置を指標する複数のアライメントマークを前記Y軸方向に所定のピッチで列設させたアライメントマスクを、セットし、
    且つ前記Y軸テーブルに、前記複数のヘッドユニットに代えて、ワーク撮像手段を組み込んだ複数のダミーユニットを装着したものにおいて、
    前記各ダミーユニットに組み込んだ前記ワーク撮像手段を制御し、前記各ヘッドユニットにおける前記副走査の走査範囲に亘って前記アライメントマークを画像認識する第1画像認識手段と、
    前記第1画像認識手段により認識結果に基づいて、前記各ヘッドユニットの設計位置データを補正して基準位置データを取得する基準位置データ取得手段と、
    取得した前記基準位置データに基づいて、前記各ダミーユニットの位置補正を行う第1補正手段と、
    前記複数のダミーユニットに代えて前記複数のヘッドユニットが装着されたときに、前記各ヘッドユニットの一対の基準マークを画像認識する第2画像認識手段と、
    前記第2画像認識手段による認識結果に基づいて、前記基準位置データを補正して最終位置データを取得する最終位置データ取得手段と、
    取得した前記最終位置データに基づいて、前記各ヘッドユニットの位置補正を行う第2補正手段と、を備えたことを特徴とするヘッド位置補正装置。
  10. 前記複数のアライメントマークから成るマーク列は、相互にX軸方向に離間し且つ平行に列設された第1マーク列と第2マーク列とから成り、
    前記各ワーク撮像手段は、前記第1マーク列を撮像する第1カメラと、第2マーク列を撮像する第2カメラとから成り、
    前記第1画像認識手段は、前記副走査の走査範囲に亘って前記各第1カメラおよび前記各第2カメラにより、前記第1マーク列および前記第2マーク列をそれぞれ画像認識させることを特徴とする請求項9に記載のヘッド位置補正装置。
  11. 前記各ダミーユニットは、重量および重心位置が前記各ヘッドユニットと略同一に形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載のヘッド位置補正装置。
  12. 前記複数のヘッドユニットは、前記Y軸テーブルにより個別に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項9ないし11のいずれかに記載のヘッド位置補正装置。
  13. 請求項7ないし12のいずれかに記載のヘッド位置補正装置を、備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
  14. 請求項13に記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液滴による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. ワークをセットするセットテーブルを有し、機能液滴吐出ヘッドを搭載するヘッドユニットを着脱自在に支持するとともに、前記ワークに対して前記ヘッドユニットを走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して、前記ワークに描画を行う液滴吐出装置のヘッド位置補正方法において、
    前記ヘッドユニットに取り付けたワーク撮像手段により、所定の方向に所定のピッチで列設され且つ前記セットテーブルにセットされた複数のアライメントマークを画像認識する第1画像認識工程と、
    前記第1画像認識手段による認識結果に基づいて前記ヘッドユニットの位置データを補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第1補正工程と、
    前記ヘッドユニットに設けられた一対の基準マークを画像認識する第2画像認識工程と、
    前記第1補正工程において補正した前記位置データを、前記第2画像認識手段による認識結果に基づいてさらに補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第2補正工程と、を備えたことを特徴とするヘッド位置補正方法。
  16. ワークをセットするセットテーブルを有し、機能液滴吐出ヘッドを搭載するヘッドユニットを着脱自在に支持するとともに、前記ワークに対して前記ヘッドユニットを走査させながら前記機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して、前記ワークに描画を行う液滴吐出装置であって、
    前記ヘッドユニットに取り付けたワーク撮像手段と、
    前記ワーク撮像手段を制御して、前記セットテーブルにセットされ且つ所定の方向に所定のピッチで列設させた複数のアライメントマークを画像認識する第1画像認識手段と、
    前記第1画像認識手段による認識結果に基づいて前記ヘッドユニットの位置データを補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第1補正手段と、
    前記ヘッドユニットに設けられた一対の基準マークを画像認識する第2画像認識手段と、
    前記第1補正手段により補正した前記位置データを、前記第2画像認識手段による認識結果に基づいてさらに補正し、該位置データに基づいて前記ヘッドユニットの位置を補正する第2補正手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
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