JP2004335737A - 有機薄膜太陽電池の製造方法および転写シート - Google Patents

有機薄膜太陽電池の製造方法および転写シート Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、短絡の生じる可能性を小さくすることができ、また、材料選択の幅を広げることができる有機薄膜太陽電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、基材と、上記基材上に形成された第2電極層とを少なくとも有する転写体、および基板と、上記基板上に形成され、上記第2電極層と対向する電極層である第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する調製工程と、
上記転写体および太陽電池側基板を、上記転写体の第2電極層と、上記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、上記転写体の第2電極層を、上記太陽電池側基板の第1電極層上へ光電変換層を介して転写させる転写工程と、
を有することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【従来の技術】
有機薄膜太陽電池は、2つの異種電極間に、電子供与性および電子受容性の機能を有する有機薄膜を配置してなる太陽電池であり、シリコンなどに代表される無機太陽電池に比べ製造工程が容易であり、かつ低コストで大面積化が可能であるという利点を持つ。しかしながら、エネルギー変換効率が低いことから実用に供することは困難であった。したがって、有機薄膜太陽電池においては、エネルギー変換効率の高効率化が最大の課題となっている。
【0002】
このような有機薄膜太陽電池の一般的な構造が非特許文献1および非特許文献2に開示されている。
【0003】
上述したような有機薄膜太陽電池の製造方法としては、例えば、有機薄膜が電子輸送層および正孔輸送層からなるバイレイヤー型有機薄膜太陽電池の例を挙げることができる。具体的には、図5(a)に示すように、透明基板50上に透明電極51を形成した後、図5(b)に示すように、前記透明電極51を有する透明基板50上に、電子供与体として機能する正孔輸送層52を形成する。さらに、図5(c)に示すように、正孔輸送層52上に、電子受容体として機能する電子輸送層53を形成する。そして、電子輸送層53上に、図5(d)に示すように、前記透明電極51と対向する電極である対向電極54を形成することにより、有機薄膜太陽電池を製造することができる。
【0004】
しかしながら、従来の有機薄膜太陽電池の製造方法においては、有機薄膜を形成した後、蒸着法等で対向電極を形成することが一般的に行われているが、この際、膜抵抗低減の観点から、数十nm程度の極めて薄膜状に形成された有機薄膜を、対向電極を形成する材料が突き抜ける場合があり、部分的に、透明電極と対向電極とが導通し、短絡といった不都合が生じるおそれがあった。
【0005】
さらに、有機薄膜として電子輸送層および正孔輸送層を積層する際、いずれか一方の層のうち先に成膜された層が、後に成膜される層により及ぼされる影響を回避するために、先に成膜された層を形成する材料は、後に成膜される層に使用される溶媒に対して、難溶性のものを選択するといった制約があり、必然的に材料選択の幅が狭められることとなっていた。
【0006】
【非特許文献1】
MATERIAL STAGE vol.2,No.9 2002 p.37−42 中村潤一ら著「有機薄膜太陽電池‐ドナー・アクセプター相互作用の活用‐」
【非特許文献2】
応用物理 第71巻 第4号(2002)p.425−428 昆野昭則著「有機太陽電池の現状と展望」
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、短絡の生じる可能性を小さくすることができ、また、材料選択の幅を広げることができる有機薄膜太陽電池の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、基材と、上記基材上に形成された第2電極層とを少なくとも有する転写体、および基板と、上記基板上に形成され、上記第2電極層と対向する電極層である第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する調製工程と、上記転写体および太陽電池側基板を、上記転写体の第2電極層と、上記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、上記転写体の第2電極層を、上記太陽電池側基板の第1電極層上へ光電変換層を介して転写させる転写工程とを有することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【0009】
本発明においては、第1電極層と対向する電極である第2電極層を転写法により形成することから、光電変換層を極めて薄くした場合であっても、このような光電変換層を突き抜けて、第2電極層が形成される不都合を防止することができる。したがって、第2電極層と第1電極層とにおいて、短絡の生じる可能性が小さい有機薄膜太陽電池を製造することができる。
【0010】
上記記載の本発明においては、上記光電変換層が、上記転写体の第2電極層上に形成されている場合、上記太陽電池側基板の第1電極層上に形成されている場合、上記転写体の第2電極層上および上記太陽電池側基板の第1電極層上の両方に形成されている場合のいずれであってもよい。いずれの場合も、転写体から太陽電池側基板へ第2電極層を転写させる際に、光電変換層を介して第2電極層を転写させることができるからである。
【0011】
さらに本発明においては、上記第2電極層は、上記基材上にパターン状に形成されていることが好ましい。太陽電池側基板側で第2電極層をパターニングする必要がないため、第2電極層のパターニングによる有害な影響が太陽電池側基板に及ぶことが回避されるからである。
【0012】
また、本発明においては、上記転写体は、上記第2電極層と基材との間に剥離層が形成されていることが好ましい。第2電極層を転写する際に、第2電極層の基材からの解離が良好となり、転写不良等を防止することができるからである。
【0013】
また本発明においては、基材と、上記基材上に形成された光電変換層とを少なくとも有する転写体、および基板と、上記基板上に形成された第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する調製工程と、上記転写体および太陽電池側基板を、上記転写体の光電変換層と、上記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、上記転写体の光電変換層を、上記太陽電池側基板上へ転写させる転写工程と、上記転写工程により上記太陽電池側基板上に形成された光電変換層上に、上記第1電極層と対向する電極である第2電極層を形成する第2電極層形成工程とを有することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法を提供する。
【0014】
本発明においては、光電変換層を転写法により形成することができるため、転写法により形成する光電変換層の種類、その種類に応じて太陽電池側基板に設ける部材を選択することにより、光電変換層の材料選択の幅を広げることができる。
【0015】
上記転写体は、光電変換層と基材との間に剥離層が形成されていることが好ましい。転写体からの光電変換層の解離を良好とすることができるため、転写不良を防止することができるからである。
【0016】
上記本発明においては、上記光電変換層が、電子輸送層または正孔輸送層の少なくとも一方を有する場合であってもよく、または電子正孔輸送層であってもよい。本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法により製造された有機薄膜太陽電池の種類に応じて、光電変換層の種類を選択することにより、所望の有機薄膜太陽電池を製造することができる。
【0017】
本発明においてはまた、基材と、上記基材上に形成された電極層とを有することを特徴とする転写シートを提供する。このような転写シートを用いることにより、少なくとも上記電極層と対向する電極が形成されている被転写体に、電極層を転写法により形成することができる。
【0018】
上記電極層上には、光電変換層が形成されていることが好ましい。電極層と共に光電変換層も転写法により形成することができるからである。
【0019】
さらに本発明においては、上記電極層は、上記基材上にパターン状に形成されていることが好ましい。被転写体側で、電極層をパターニングする必要がないため、電極層のパターニングによる影響を被転写体に及ぼすことが回避できるからである。
【0020】
また本発明においては、上記基材および電極層との間に、剥離層が形成されていることが好ましい。電極層と基材との解離が良好となるため、精度良く電極層を転写させることができるからである。
【0021】
さらに本発明においては、基材と、上記基材上に形成された光電変換層とを有することを特徴とする転写シートを提供する。このような転写シートを用いることにより光電変換層を転写法により形成することができる。
【0022】
上記記載の本発明においては、上記転写シートは、上記基材と、上記光電変換層との間に剥離層が形成されていることが好ましい。被転写体上に本発明の転写シートを用いて光電変換層を転写させる際に、基材と光電変換層との解離が良好となるからである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法および転写シートについて説明する。
【0024】
A.有機薄膜太陽電池の製造方法
まず、有機薄膜太陽電池の製造方法について説明する。本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法は、転写法により形成する部材の違いにより2つの実施態様に分けることができる。すなわち、第2電極層を有する転写体を用い、少なくとも第2電極層を転写法により形成する態様と、光電変換層を有する転写体を用い、少なくとも光電変換層を転写法により形成する態様とに分けることができる。以下、これら2つの態様について各々詳細に説明する。
【0025】
1.第1実施態様
第1実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法は、基材と、前記基材上に形成された第2電極層とを少なくとも有する転写体、および基板と、前記基板上に形成され、前記第2電極層と対向する電極層である第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する調製工程と、前記転写体および太陽電池側基板を、前記転写体の第2電極層と、前記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、前記転写体の第2電極層を、前記太陽電池側基板の第1電極層上へ光電変換層を介して転写させる転写工程とを有することを特徴とするものである。
【0026】
本実施態様においては、第1電極層と対向する電極である第2電極層を転写法により形成することから、従来、蒸着法等で第2電極層を形成していた場合には、極めて薄く形成された光電変換層を第2電極層を形成する材料が突き抜け、部分的に第1電極層と第2電極層とが接触するといった不都合が生じる場合があったが、本実施態様では、このような不都合の発生を防止することができる。したがって、第2電極層と第1電極層とにおいて、短絡の生じる可能性が小さい有機薄膜太陽電池を製造することができる。
【0027】
このような本実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法について、具体的に図面を用いて説明する。
【0028】
図1は、本実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を図示した工程図である。まず、図1(a)に示すように、基材1上に、剥離層2を形成する。さらに、剥離層2上に、第2電極層3を形成し、当該第2電極層3上に、電子受容体として機能する電子輸送層4が形成された転写体5を準備する。さらに、基板6上に、第1電極層7をパターン状に形成し、さらに、第1電極層7上に電子供与体として機能する正孔輸送層8が形成された太陽電池側基板9を準備する。
【0029】
次に、図1(b)に示すように、転写体5の電子輸送層4と、太陽電池側基板9の正孔輸送層8とが接触するように、転写体5および太陽電池側基板9を配置し、転写体5に形成された第2電極層3および電子輸送層4を、正孔輸送層8上に転写する。その後、転写体5の基材1を太陽電池側基板9から剥離することにより、図1(c)に示すように、第1電極層7上に、正孔輸送層8および電子輸送層4が形成され、さらに、電子輸送層4上に第2電極層3が形成された有機薄膜太陽電池を得る。
【0030】
以下、このような本実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法について各工程に分けて説明する。
【0031】
(1)調製工程
本実施態様における調整工程は、基材と、前記基材上に形成された第2電極層とを少なくとも有する転写体、および基板と、前記基板上に形成され、前記第2電極層と対向する電極層である第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する工程である。
【0032】
以下、本工程において調製される転写体および太陽電池側基板について説明する。
【0033】
▲1▼ 転写体
本実施態様における転写体は、少なくとも第2電極層が基材上に形成されているものである。このような転写体においては、少なくとも第2電極層を有するものであれば特に限定はされなく、第2電極層上に光電変換層が形成されている場合であってもよい。
【0034】
なお、ここでいう光電変換層とは、電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向って輸送させる機能を有する部材を意味する。このような光電変換層を第2電極層上に形成することにより、第2電極層と共に、光電変換層も転写法により太陽電池側基板上に形成することができる。
【0035】
以下、本実施態様における転写体を構成する基材および第2電極層について説明する。光電変換層については、後述する転写工程において詳細に説明する。
【0036】
(a)基材
本実施態様における基材としては、透明なものであっても不透明なものであっても特に限定されるものではないが、後述する転写工程における転写方法に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、熱転写法を用いる場合には、熱伝導率の良好な材料からなる基材であることが好ましい。熱転写法では、通常、転写体側から熱を加えるからである。また、後述する転写工程において、レーザー光を照射することにより転写を行う方法とした場合には、レーザー光の透過性に優れた基材であることが好ましい。
【0037】
具体的に、熱伝導性を重視した場合の基材としては、銅等の金属の薄膜等を挙げることができる。一方、光の透過性を重視した場合は、透明でかつ耐熱性のあるポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル、ポリエーテルサルホン等のポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルム等を挙げることができる。また、これらの材料を2種類以上積層した複合フィルムも使用することができる。
【0038】
(b)第2電極層
第2電極層は、後述する太陽電池側基板に形成された第1電極層と対向する電極である。このような第2電極層を形成する材料としては、導電性を有するものであれば特に限定はされないが、光の照射方向、後述する第1電極層を形成する材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば、後述する太陽電池側基板の基板を受光面とした場合には、後述する第1電極層が透明電極となり、このような場合には、第2電極層は透明でなくともよい。また、第1電極層を仕事関数が高い材料を用いて形成した場合には、第2電極層は仕事関数が低い材料を用いて形成することが好ましく、具体的に仕事関数が低い材料としては、Li、In、Al、Ca、Mg、Sm、Tb、Yb、Zr、LiF等を挙げることができる。また、第2電極層は、単層からなる場合であってもよく、また、異なる仕事関数の材料を用い、積層されてなる場合であってもよい。
【0039】
このような第2電極層の膜厚は、第2電極層が単層からなる場合にはその膜厚が、複数層からなる場合には各層を合わせた総膜厚が、0.1nm〜500nmの範囲内、中でも、1nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。
【0040】
さらに第2電極層は、基材上にパターン状に形成されていることが好ましい。これにより、第2電極層はパターン状に形成された状態で、太陽電池側基板上に転写される。したがって、太陽電池側基板において、第2電極層をパターニングする必要がないことから、そのようなパターニングの影響が太陽電池側基板に及ぶことを回避することができるからである。
【0041】
このような第2電極層の形成方法としては、公知の形成方法を用いることができ、例えば、蒸着法、イオンスパッタリング、ゾルゲル法等を挙げることができる。また、第2電極層をパターン状に形成する場合のパターニング方法としては、第2電極層を所望のパターンに精度良く形成することができる方法であれば特に限定はされないが、具体的には、フォトリソグラフィー法等を挙げることができる。
【0042】
(c)その他
本実施態様における転写体には、上述した基材と第2電極層との間に剥離層を設けることが好ましい。ここでいう剥離層とは、第2電極層との解離性に優れた部材であり、このような剥離層上に第2電極層を形成することにより、太陽電池側基板上に第2電極層を転写させる際、転写体からの第2電極層の解離が良好となるため、転写不良を防止することができる。
【0043】
このような剥離層は、基材との密着性が高いものであれば特に限定はされないが、表面が不活性で膜硬度が高いことが好ましい。具体的に、剥離層を形成する材料は、非水溶性の樹脂としては、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、線状ポリエステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、などを挙げることができる。また後述するプライマー層が非水溶性の材料からなる場合には剥離層を水溶性の樹脂を主成分として形成することができる。水溶性樹脂としてはポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、などを挙げることができ、これらを単独で、あるいは2種以上の混合物として使用することができる。
【0044】
なお、基材表面と剥離層との密着性を向上させるために、基材と剥離層との間にプライマー層を形成するようにしてもよい。これにより、第2電極層を転写させる際、剥離層は基材に対して適度な密着性を有しているため、第2電極層と共に転写されるおそれが少なく、転写不良をより一層防止することができる。
【0045】
また、後述する転写工程において、例えばレーザー光を照射する転写方法を用いた場合には、レーザー光を熱に効率良く変換できる性質を有する光−熱変換層を転写体に設けることが好ましい。例えば、光−熱変換層を形成する材料としては、光を効率的に熱に変換することができる材料であれば特に限定されるものではないが、具体的には、カーボンブラックを練りこんだ樹脂、チタンブラックを練りこんだ樹脂等を挙げることができる。このような光−熱変換層は、別個、光−熱変換層を設ける場合であってもよいが、上述した転写体を構成する部材のうちいずれかの部材に、光−熱変換層の機能を兼備させることが好ましい。工程上有利であるからである。例えば、光―熱変換層としての機能を兼備する部材としては、プライマー層を挙げることができる。
【0046】
▲2▼ 太陽電池側基板
次に、太陽電池側基板について説明する。本実施態様における太陽電池側基板は、基板と、前記基板上に形成された第1電極層とを少なくとも有するものである。このような太陽電池側基板は、上記転写体から第2電極層等を転写する際の被転写体に該当し、第2電極層等が形成されることにより、最終的に有機薄膜太陽電池となるものである。
【0047】
このような太陽電池側基板は、基板上に、少なくとも第1電極層が形成されているものであれば特に限定はされるものではなく、第1電極層上に光電変換層が形成されている場合であってもよい。光電変換層を有する太陽電池側基板とした場合には、光電変換層上に、上記転写体から第2電極層等が転写法により形成される。
【0048】
以下、太陽電池側基板を構成する基板および第1電極層について説明する。なお、光電変換層については、後述する転写工程において詳細に説明する。
【0049】
(a)基板
基板は、透明なものであっても不透明なものであっても特に限定されるものではないが、例えば、この基板側が光の受光面となる場合には、透明基板であることが好ましい。具体的に透明基板としては、特に限定されるものではなく、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフレキシブル材を挙げることができる。
【0050】
(b)第1電極層
本実施態様における第1電極層は、上記第2電極層と対向する電極である。このような第1電極層を形成する材料としては、導電性を有するものであれば特に限定はされないが、光の照射方向、第2電極層を形成する材料の仕事関数等を考慮して適宜選択することが好ましい。例えば、上述した第2電極層を形成する材料を、仕事関数が低い材料とした場合には、第1電極層を形成する材料は、仕事関数が高い材料が好ましい。具体的には、Au、Ag、Co、Ni、Pt、C、ITO、SnO、フッ素をドープしたSnO、ZnO等を挙げることができる。また、太陽電池側基板の基板を受光面とした場合には、第1電極層を透明電極とすることが好ましく、この場合、一般的に透明電極として使用されているものを用いることができる。具体的には、In−Zn−O(IZO)、In−Sn−O(ITO)、ZnO−Al、Zn−Sn−O等を挙げることができる。
【0051】
(2)転写工程
次に、転写工程について説明する。本実施態様における転写工程は、上記転写体および太陽電池側基板を、転写体の第2電極層と、前記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、転写体の第2電極層を、太陽電池側基板の第1電極層上へ光電変換層を介して転写させる工程である。
【0052】
なお、ここでいう光電変換層を介してとは、上述した転写体から太陽電池側基板へ第2電極層を転写させる際に、第1電極層と第2電極層との間に光電変換層が介在している状態で第2電極層を太陽電池側基板上へ転写させることを意味している。これにより、最終的に得られる有機薄膜太陽電池において、第1電極層および第2電極層間に光電変換層を配置させることができる。具体的には、太陽電池側基板の第1電極層上に光電変換層を形成し、この光電変換層上に第2電極層を転写する場合や、転写体の第2電極層上に光電変換層を形成し、第2電極層と共に光電変換層も転写法により形成する場合、さらに、第1電極層上および第2電極層上の両方に光電変換層を形成する場合を挙げることができる。
【0053】
以下、まず光電変換層について説明する。
【0054】
▲1▼ 光電変換層
ここでいう光電変換層とは、上述したように有機薄膜太陽電池の電荷分離に寄与し、生じた電子および正孔を各々反対方向の電極に向って輸送させる機能を有する部材を意味する。具体的にこのような光電変換層としては、電子供与体として機能する正孔輸送層または電子受容体として機能する電子輸送層の少なくとも一方を有する場合、電子供与体および電子受容体の両方の機能を有する電子正孔輸送層からなる場合等を挙げることができる。これら光電変換層の種類は、本実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法により製造された有機薄膜太陽電池の種類に応じて選択する。
【0055】
具体的に有機薄膜太陽電池の種類としては、電子供与性または電子受容性のいずれか一方の機能を有する、すなわち、上記電子輸送層または正孔輸送層のいずれか一方である光電変換層が、上述した第1電極層および第2電極層間に配置されており、電極とそのような光電変換層とのショットキー障壁を利用したショットキー型の有機薄膜太陽電池、または、電子受容性および電子供与性の機能を一組として、pn接合を利用したヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池等を挙げることができる。
【0056】
さらに、ヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池においては、電子受容性の機能を有する電子輸送層および電子供与性の機能を有する正孔輸送層を各々別個に積層させた構造のバイレイヤー型と、電子供与性および電子受容性の機能を一つの層に混合させた電子正孔輸送層を用いたバルクへテロ接合型とがある。
【0057】
以下、光電変換層について、有機薄膜太陽電池の種類が、ショットキー型、ヘテロ接合型の各々の場合に分けて説明する。
【0058】
(a)ショットキー型の有機薄膜太陽電池の場合
本実施態様における光電変換層を電子供与性または電子受容性のいずれか一方の機能を有する層、すなわち、電子輸送層または正孔輸送層のいずれか一方とすることにより、そのような光電変換層と電極との界面において形成されるショットキー障壁を利用して光電流を得るショットキー型有機薄膜太陽電池とすることができる。
【0059】
例えば、光電変換層を正孔輸送層とした場合には、上述した第1電極層および第2電極層のうち仕事関数が小さい方の電極との界面にショットキー障壁が形成されるため、その界面において光電荷分離を生じさせることができる。一方、光電変換層を電子輸送層とした場合には、上述した第1電極層および第2電極層のうち仕事関数が大きい方の電極との界面で光電流を生じさせることができる。
【0060】
このようにショットキー型の有機薄膜太陽電池とした場合に、光電変換層を形成する材料は、電子供与性または電子受容性の性質を有する材料であれば特に限定はされない。具体的には、ペンタセンなどの有機単結晶、ポリ−3−メチルチオフェン、ポリアセチレン、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体などの導電性高分子およびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、メロシアニン誘導体、クロロフィルなどの合成色素、有機金属ポリマー等を挙げることができる。ショットキー型の有機薄膜太陽電池における光電変換層は、電子供与性または電子受容性のいずれか一方の材料を用いて形成する。
【0061】
また、光電変換層の膜厚としては、0.1nm〜1500nmの範囲内、その中でも、5nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも膜厚を厚くした場合には、光電変換層の膜抵抗が高くなる場合があるため好ましくなく、一方、上記範囲よりも薄くした場合には、膜厚が薄すぎ第1電極層および第2電極層に短絡が生じる場合があり好ましくない。
【0062】
また、このような光電変換層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定はされない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート等を挙げることができる。その中でも、スピンコート法またはダイコート法であることが好ましい。光電変換層を上記範囲内の膜厚に精度良く形成することができるからである。
【0063】
このような光電変換層は、上述した転写体および太陽電池側基板のいずれに形成しても特に限定はされない。転写体の第2電極層上に形成した場合には、ショットキー型有機薄膜太陽電池における光電変換層を転写法により形成することができ、また、太陽電池側基板の第1電極層上に形成した場合には、光電変換層上に、転写法により第2電極層を形成することができる。また、転写体および太陽電池側基板の両方に形成する場合でもよい。
【0064】
(b)ヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池の場合
ヘテロ接合型有機薄膜太陽電池は、上述したように、バイレイヤー型と、バルクへテロ接合型とに分けることができる。以下、光電変換層についてバイレイヤー型およびバルクヘテロ接合型に分けて説明する。
【0065】
i.バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池の場合
バイレイヤー型の有機薄膜太陽電池は、光電変換層として、電子受容性の機能を有する電子輸送層および電子供与性の機能を有する正孔輸送層を各々別個に形成し、それらの界面において形成されるpn接合を利用して光電荷分離を生じさせ、光電流を得る太陽電池である。
【0066】
このような場合の光電変換層は、電子輸送層および正孔輸送層を組み合わせたものであり、最終的に得られる有機薄膜太陽電池において、光電変換層として電子輸送層および正孔輸送層の組合せが少なくとも一組形成されるように、転写体または太陽電池側基板に形成する光電変換層の種類を選択する。
【0067】
例えば、太陽電池側基板の第1電極層上に、光電変換層のうち正孔輸送層が形成されている場合には、上述した転写体において、第2電極層上に光電変換層のうち電子輸送層を形成することにより、最終的に図2(a)に示すように、基板6上に第1電極層7、正孔輸送層8、電子輸送層4および第2電極層3がこの順に積層された有機薄膜太陽電池を得ることができる。このように、光電変換層のうち、電子輸送層または正孔輸送層のいずれか一方を転写体上に形成し、その一方を転写法により形成することにより、電子輸送層および正孔輸送層を異なる形成方法により形成することができる。したがって、電子輸送層および正孔輸送層を形成する材料の選択の幅を広げることができる。
【0068】
また、図1に示す例のように、電子輸送層および正孔輸送層のいずれか一方のみを転写法により形成する場合のみならず、転写体の第2電極層上に、電子輸送層および正孔輸送層の両方を形成し、電子輸送層および正孔輸送層の両方を転写法により太陽電池側基板上に形成する場合であっても良い。
【0069】
また、本実施態様においては、光電変換層が、図2(a)に示すように電子輸送層4および正孔輸送層8が各々一層からなる場合でもよく、図2(b)に示すように、電子輸送層4および正孔輸送層8を各々複数層有する場合であってもよい。
【0070】
このような光電変換層として、電子輸送層および正孔輸送層の膜厚は特に限定はされないが、具体的には、各々の膜厚が0.1nm〜1500nmの範囲内、その中でも、5nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも膜厚を厚くした場合には、電子輸送層および正孔輸送層における膜抵抗が高くなる場合があるため好ましくなく、一方、上記範囲よりも薄くした場合には、膜厚が薄すぎるため、第1電極層および第2電極層に短絡が生じる場合があり好ましくない。
【0071】
また、電子輸送層または正孔輸送層を形成する方法としては、転写体の第2電極層上または太陽電池側基板の第1電極層上のいずれに形成する場合であっても、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定はされない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート等を挙げることができる。その中でも、スピンコート法またはダイコート法であることが好ましい。光電変換層を上記範囲内の膜厚となるように精度良く形成することができるからである。
【0072】
また、電子輸送層を形成する材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定はされない。具体的には、CN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基または−CF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、C60などのフラーレン誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等の材料を挙げることができる。
【0073】
一方、正孔輸送層を形成する材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定はされない。具体的には、ポリフェニレンおよびその誘導体、、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、、ポリシランおよびその誘導体、、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体、、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
【0074】
ii.バルクヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池の場合
バルクヘテロ接合型の有機薄膜太陽電池は、光電変換層として、電子受容性および電子供与性の両方の機能を有する電子正孔輸送層とし、電子正孔輸送層内で形成されるpn接合を利用して光電荷分離を生じさせ、光電流を得る太陽電池である。
【0075】
このような電子正孔輸送層の膜厚としては、一般的にバルクヘテロ接合型において採用されている膜厚であれば特に限定はされないが、具体的には、0.2nm〜3000nmの範囲内、その中でも、10nm〜600nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも膜厚を厚くした場合には、電子正孔輸送層における膜抵抗が高くなる場合があるため好ましくなく、一方、上記範囲よりも薄くした場合には、膜厚が薄すぎるため、第1電極層および第2電極層に短絡が生じる場合があり好ましくない。
【0076】
また、電子正孔輸送層を形成する方法としては、所定の膜厚に均一に形成することができる方法であれば特に限定はされない。具体的には、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、スプレーコート法等を挙げることができる。その中でも、スピンコート法またはダイコート法であることが好ましい。光電変換層を上記範囲内の膜厚に精度良く形成することができるからである。
【0077】
さらに、電子正孔輸送層を形成する材料としては、一般的に、バルクへテロ接合型の有機薄膜太陽電池において用いられているものであれば特に限定はされないが、具体的には、電子供与性の材料および電子受容体の材料の両方の材料を均一に分散させたものを挙げることができる。また、電子供与性の材料および電子受容性の両方の材料の混合比は、用いる材料により最適な混合比に適宜調整する。
【0078】
例えば、電子輸送層を形成する材料としては、電子受容体としての機能を有するものであれば特に限定はされない。具体的には、CN−ポリ(フェニレン−ビニレン)、MEH−CN−PPV、−CN基または−CF基含有ポリマー、それらの−CF置換ポリマー、ポリ(フルオレン)誘導体、C60誘導体、カーボンナノチューブ、ペリレン誘導体、多環キノン、キナクリドン等の材料を挙げることができる。
【0079】
一方、正孔輸送層を形成する材料としては、電子供与体としての機能を有するものであれば特に限定はされない。具体的には、ポリフェニレンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、ポリアルキルチオフェンおよびその誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、有機金属ポリマー等を挙げることができる。
【0080】
上述した電子供与性の材料および電子受容性の材料を、両方を溶解させることができる溶媒中に溶解させ、その溶液を、上述した塗布方法により塗布することにより本実施態様における電子正孔輸送層を形成することができる。
【0081】
本実施態様においては、光電変換層を電子正孔輸送層とした場合、電子正孔輸送層が転写体または太陽電池側基板の少なくとも一方に形成されていればよい。具体的には、転写体の第2電極層上に形成することにより、第2電極層と共に電子正孔輸送層を転写法により形成することができる。また、太陽電池側基板の第1電極層上に形成する場合であってもよい。さらには、転写体および太陽電池側基板の両方に形成する場合であってもよい。最終的に得られる有機薄膜太陽電池の態様に応じて適宜選択するものとする。
【0082】
また、最終的に得られる有機薄膜太陽電池において、電子正孔輸送層の層の数は、一層であってもよく、複数層であってもよい。
【0083】
▲2▼ 転写方法
次に、本工程における転写方法について説明する。
【0084】
本工程においては、転写体上に形成されている部材を被転写体である太陽電池側基板上に、上述した光電変換層を介して転写させるものであるが、この際の転写の方法としては、一般的に行われている転写方法であれば特に限定はされない。具体的には、熱転写法等を挙げることができる。中でも、熱転写法であることが好ましい。
【0085】
例えば、本工程において、熱転写法により、第2電極層を転写させる場合、加熱する方法としては、特に限定されるものではないが、具体的には、ヒートバーを用いる方法、ランプを用いる方法、、レーザーを用いる方法、電磁誘導加熱を用いる方法、超音波摩擦加熱を用いる方法等を挙げることができる。その中でも、本実施態様においては、レーザーを用いたレーザー転写法であることが好ましい。
【0086】
この際、用いることができるレーザーとしては、固体レーザー(YAGレーザー)、半導体レーザー等を用いることができる。
【0087】
本工程において、上述したように、熱転写法により転写を行った場合、転写時における転写温度としては、転写させる部材、すなわち、第2電極層、光電変換層等の材料により異なるものであるが、光電変換層に用いられる材料のガラス転移温度よりも低い温度での熱転写が好ましい。転写させる部材の熱劣化による機能低下といった問題を回避することができるからである。
【0088】
(3)その他
本実施態様においては、上記転写工程を行った後、転写体を太陽電池側基板から剥離することにより、第2電極層が転写された太陽電池側基板を得ることができる。この際、剥離層を設けた転写体とすることにより、転写体からの第2電極層の解離が良好となるため、転写不良等を防止することができる。
【0089】
このような本実施態様により製造される有機薄膜太陽電池は、第1電極層および第2電極層間に光電変換層が配置されているものであれば特に限定はされない。例えば、上述したように、光電変換層を単層のみならず、複数層設ける場合であっても良く、また、光電変換層を複数層形成した場合には、光電変換層間に、別個電極層を設ける場合であってもよい。具体的には、図2(c)に示すように、2層の光電変換層10間に別個、第2電極層3を形成するような場合である。
【0090】
2.第2実施態様
第2実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法は、基材と、前記基材上に形成された光電変換層とを少なくとも有する転写体、および基板と、前記基板上に形成された第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する調製工程と、
前記転写体および太陽電池側基板を、前記転写体の光電変換層と、前記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、前記転写体の光電変換層を、前記太陽電池側基板上へ転写させる転写工程と、
前記転写工程により前記太陽電池側基板上に形成された光電変換層上に、前記第1電極層と対向する電極である第2電極層を形成する第2電極層形成工程とを有することを特徴とするものである。
【0091】
本実施態様においては、転写体を用いて光電変換層を転写法により形成し、さらに、光電変換層を太陽電池側基板上に形成した後、光電変換層上に第2電極層を形成することにより有機薄膜太陽電池を製造する態様である。
【0092】
このような本実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法について図面を用いて説明する。
【0093】
図3は、本実施態様の有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示した工程図である。まず、図3(a)に示すように、基材1上に、剥離層2が形成され、さらに、剥離層2上に、電子受容体として機能する電子輸送層4が形成された転写体5を準備する。さらに、基板6上に、第1電極層7をパターン状に形成し、さらに、第1電極層7上に電子供与体として機能する正孔輸送層8が形成された太陽電池側基板9を準備する。
【0094】
次に、図3(b)に示すように、転写体5の電子輸送層4と、太陽電池側基板9の正孔輸送層8とが接触するように、転写体5および太陽電池側基板9を配置し、転写体5に形成された電子輸送層4を、正孔輸送層8上に転写する。その後、転写体5の基材1を太陽電池側基板9から剥離することにより、図3(c)に示すように、第1電極層7上に、光電変換層として正孔輸送層8および電子輸送層4が形成された太陽電池側基板9を得る。さらに、図3(d)に示すように、電子輸送層4上に、第2電極層6を形成することにより有機薄膜太陽電池を得る。
【0095】
このような本実施態様においては、上述した第1実施態様と第2電極層の形成の方法が異なる。すなわち、第1実施態様においては、第2電極層を転写法により形成したが、本実施態様においては、光電変換層を転写法により形成し、第2電極層は、通常の方法により形成する点が異なる。以下、本実施態様について各工程に分けて説明する。
【0096】
(1)調製工程
本実施態様における調整工程は、基材と、前記基材上に形成された光電変換層とを少なくとも有する転写体、および基板と、前記基板上に形成された第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する工程である。
【0097】
本工程においては、基材上に少なくとも光電変換層が形成された転写体を調製する。これにより、後述する転写工程において、光電変換層を転写法により形成することができる。本実施態様における転写体に形成される光電変換層は、上記第1実施態様の中に記載したものと同様である。また、転写法により形成する光電変換層の種類は、最終的に得られる有機薄膜太陽電池の態様、太陽電池側基板上に形成された光電変換層の種類等を考慮し適宜選択する。
【0098】
例えば、太陽電池側基板を、基板上に第1電極層が形成され、前記第1電極層上に正孔輸送層が形成されているとしたものの場合には、転写体上に電子輸送層を形成することにより、電子輸送層および正孔輸送層からなる光電変換層が少なくとも一組形成された有機薄膜太陽電池を得ることができる。このように、電子輸送層および正孔輸送層のいずれか一方を転写法により形成した場合には、従来のように、先に形成された層の上に、後に形成する層の塗工液を塗布することがないので、後に形成する層に用いた溶媒に対して、先に形成した層を構成する材料は難溶性のものを選択するといった材料面における制約がないことから、材料選択の幅を広げることができ、良好な性能を有する素子の作成が可能となりコストの削減にも繋がる。
【0099】
その他、本工程における転写体および太陽電池側基板に関することは、上述した第1実施態様の中に記載したものと同様であるのでここでの説明は省略する。
【0100】
(2)転写工程
本実施態様における転写工程は、前記転写体および太陽電池側基板を、前記転写体の光電変換層と、前記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、前記転写体の光電変換層を、前記太陽電池側基板上へ転写させる工程である。
【0101】
本工程における転写工程等は上述した第1実施態様において記載したものと同様なのでここでの説明は省略する。
【0102】
(3)第2電極層形成工程
次に、第2電極層形成工程について説明する。本実施態様における第2電極層形成工程は、上記転写工程により前記太陽電池側基板上に形成された光電変換層上に、前記第1電極層と対向する電極である第2電極層を形成する工程である。
【0103】
本実施態様においては、上述した第1実施態様と異なり、第2電極層を転写体に形成していないことから、上記転写工程において、太陽電池側基板上に光電変換層を形成した後、光電変換層上に、第2電極層を形成することにより有機薄膜太陽電池を作製するものである。
【0104】
このような本工程において、第2電極層の形成方法としては、一般的に、有機薄膜太陽電池において用いられている方法であれば特に限定はされない。具体的には、蒸着法、イオンスパッタリング、ゾルゲル法等を挙げることができる。
【0105】
この際、第2電極層の膜厚としては、0.1nm〜300nmの範囲内、その中でも、1nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。上記範囲よりも膜厚を薄くすると、電極のシート抵抗が大きくなりすぎ、発生した光電荷を十分に外部回路へ伝達できない場合があるため好ましくなく、一方、上記範囲よりも膜厚を厚くした場合には、光の透過率が悪くなり光の変換効率を低下させる場合があるため好ましくないからである。
【0106】
B.転写シート
次に、転写シートについて説明する。本発明の転写シートは、転写シートに形成されている部材の違いにより2つの態様に分けることができる。以下本発明の転写シートについて各態様に分けて説明する。
【0107】
1.第3実施態様
本実施態様の転写シートは、基材と、前記基材上に形成された電極層とを少なくとも有するものである。
【0108】
本実施態様の転写シートについて図面を用いて説明する。図4は、本実施態様の転写シートの一例を示した概略断面図である。図4(a)に示す例の転写シート40は、基材41上にプライマー層42を介して剥離層43が形成されている。プライマー層42を設けることにより、基材41と剥離層43との密着性が高まり、電極層を転写させる際に剥離層43の一部が電極層と共に転写される転写不良を防止することができる。さらに、剥離層43上には、被転写体上に転写される電極層44がパターン状に形成されている。例えば、電極層44を転写させる際の転写方法がレーザー光を照射することによる転写方法である場合には、レーザー光を効率的に熱に変換させる光‐熱変換層が形成されていてもよい。このような場合、プライマー層42にカーボンブラックを含有させることにより、光−熱変換層としての機能も兼備させることができる。
【0109】
このような転写シートにおいて、電極層は、パターン状に形成されていることが好ましい。これにより、電極層はパターン状に形成された状態で、被転写体上に転写される。したがって、被転写体上において、電極層をパターニングする必要がないことから、そのようなパターニングの影響が被転写体側に及ぶことを回避することができるからである。
【0110】
さらに、本実施態様の転写シートにおいては、基材と電極層との間に剥離層が形成されていることが好ましい。これにより、転写シートから被転写体側へ、電極層を転写させる際に、電極層の解離性が向上し、転写不良を防止することができるからである。
【0111】
また、本実施態様の転写シートは、基材上に形成された電極層のほかに、この電極層上に光電変換層が形成されていてもよい。これにより電極層と共に、光電変換層も転写法により形成することができる。
【0112】
このような本実施態様の転写シートは、上述した転写体に該当するものであり、また電極層は、上述した第2電極層に該当し、その他各部材については、上述した「A.有機薄膜太陽電池の製造方法」の各項目において説明したものと同様である。したがって、ここでの説明は省略する。
【0113】
2.第4実施態様
本実施態様の転写シートは、基材と、前記基材上に形成された光電変換層とを有することを特徴とするものである。
【0114】
このような本実施態様の転写シートについて図面を用いて説明する。図4(b)に示す例の転写シート40は、基材41上にプライマー層42を介して剥離層43が形成されている。プライマー層42を設けることにより、基材41と剥離層43との密着性が高まり、電極層を転写させる際に剥離層43の一部が光電変換層と共に転写される転写不良を防止することができる。さらに、剥離層43上には、被転写体上に転写される光電変換層45が形成されている。例えば、光電変換層45を転写させる際の転写方法がレーザー光を照射することによる転写方法である場合には、レーザー光を効率的に熱に変換させる光‐熱変換層が形成されていてもよい。このような場合、プライマー層42にカーボンブラックを含有させることにより、光−熱変換層としての機能も兼備させることができる。
【0115】
なお、本実施態様における各部材に関する説明は、上述した第3実施態様と同様であるためここでの説明は省略する。
【0116】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0117】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をさらに説明する。
【0118】
[実施例]
まず、実施例1、2、3および4における有機薄膜太陽電池の層構成を示す。
層構成
実施例1:ITO/PEDOT:PSS/P3HT/PCBM/Ca/Al
実施例2:ITO/PEDOT:PSS/P3HT/PCBM/Al
実施例3:ITO/PEDOT:PSS/P3HTおよびPCBM混合膜/Ca/Al
実施例4:ITO/PEDOT:PSS/P3HTおよびPCBM混合膜/Al
また、後述する方法により製造された本実施例における被転写体A、Bおよび転写体a、b、c、dの組合わせを下記表1に示す。
【0119】
【表1】
Figure 2004335737
【0120】
(被転写体の作成)
被転写体A:ITO/PEDOT:PSS/P3HT
PETフィルム基板上にパターニングされたITO(表面シート抵抗10Ω/□)を設け、基板洗浄の後、その上に正孔輸送層としてPEDOT:PSS(ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネイト水分散液)(Bayer社製、品名BaytronP)を80nmとなるように塗布した後、120℃で10分間乾燥させた。続いて、P3HT(ポリ3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル(レジオレギュラー))をクロロホルム溶液、濃度0.25wt%になるように溶解させ50nmになるように塗布し、その後80℃、30分乾燥させ被転写体Aを得た。
【0121】
被転写体B:ITO/PEDOT:PSS
PETフィルム基板上にパターニングされたITO(表面シート抵抗10Ω/□)を設け、基板洗浄の後、その上に正孔輸送層としてPEDOT:PSS(ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォネイト水分散液)(Bayern社製、品名BaytronP)を80nmとなるように塗布した後、120℃で10分間乾燥させ被転写体Bを得た。
【0122】
(転写体の作成)
基材と剥離層の密着性向上のためのプライマー層を設け、さらに、基材と光電変換層(電子輸送層、正孔輸送層、電子正孔輸送層)または電極層としてAlとの剥離を可能とする剥離層を形成した。プライマー層によって、転写時の剥離層の膜切れないし凝集破壊を防止することができた。
【0123】
剥離層:通常の転写に用いる材料を用いることができる。例えば、光電変換層が溶剤溶解性の材料ならば、剥離層としては水溶性ポリマー、例えばPVA(ポリビニルアルコール)を含むもの等が適当である。光電変換層が水溶性材料ならば、剥離層は溶剤系のポリマーが適当である。
【0124】
転写体a:PCBM/剥離層/プライマー層/PET
▲1▼ プライマー層の形成
プライマー層は後述の剥離層が水溶性であることから非水溶性の樹脂を主成分とした。
【0125】
(塗布液)
ポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製 #3000−1)…50重量部
トルエン…475重量部
メチルエチルケトン…475重量部
基材である二軸延伸ポリエチレンテレフタレート50μmに上記プライマー層形成用の塗布液をワイヤーバーにて膜厚0.2μmとなるように塗布し、その後130℃、1分間乾燥させた。
【0126】
▲2▼ 剥離層の形成
剥離層は、PCBMを溶解しているクロロホルムおよびトルエンに難溶性/不溶性であることが必要であることから、水溶性樹脂を主成分とした。
【0127】
(塗布液)
ポリビニルアルコール…100重量部
水…2000重量部
▲1▼で形成されたプライマー層の上に、剥離層形成用の塗布液をワイヤーバーにて膜厚0.5μmとなるように塗布し、その後130℃、1分間乾燥させた。
【0128】
▲3▼ 光電変換層形成
剥離層形成の後、PCBM([6,6]−フェニル−C61ブチリックアシッドメチルエステル)をクロロホルム:トルエン=1:1溶液に濃度0.25wt%となるように溶解した後、膜厚50nmとなるように塗布し、その後80℃、30分乾燥させた。
【0129】
転写体b:PCBM/Al/剥離層/プライマー層/PET
プライマー層および剥離層については上記転写体aと同様にして形成した。
【0130】
剥離層形成の後、レート0.5nm/sec、膜厚は150nmとなるようにAlを蒸着した。その後転写体aと同様にしてPCBM層を形成した。
【0131】
転写体c:P3HTおよびPCBM混合膜/剥離層/プライマー層/PET
プライマー層および剥離層については上記転写体aと同様にして形成した。
【0132】
光電変換層の形成は、剥離層形成の後、P3HT(ポリ3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル(レジオレギュラー))およびPCBM([6,6]−フェニル−C61ブチリックアシッドメチルエステル)を重量比1:4、クロロホルム:トルエン=1:1溶液に濃度0.25wt%となるように溶解した後、膜厚100nmとなるように塗布し、その後80℃、30分乾燥させた。
【0133】
転写体d:P3HTおよびPCBM混合膜/Al/剥離層/プライマー層/PET
プライマー層および剥離層については上記転写体aと同様にして形成した。
【0134】
剥離層形成の後、レート0.5nm/sec、膜厚は150nmとなるようにAlを蒸着した。その後、P3HT(ポリ3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル(レジオレギュラー))およびPCBM([6,6]−フェニル−C61ブチリックアシッドメチルエステル)を重量比1:4、クロロホルム:トルエン=1:1溶液に濃度0.25wt%となるように溶解した後、膜厚100nmとなるように塗布し、その後80℃で30分乾燥させた。
【0135】
(転写工程)
熱プレス装置にて転写体と被転写体を密着させて転写する工程を行った。ITOパターン上に太陽電池セルがパターン形成されるよう熱プレス装置のプレス面が素子パターンに対応して凸型を有する。形状パターン転写温度は100℃、130℃、150℃にて行った。熱プレス終了後、冷却した後、基材から剥離した。
【0136】
(電極形成)
実施例1については被転写体Aを転写体aに転写工程により転写させた後、および実施例3については、被転写体Bを転写体cに転写工程によって転写させた後、Ca、Alからなる対向電極を蒸着成膜した。蒸着時の真空度を7×10−6Torr以下に設定し、Ca蒸着レート0.05nm/sec、Al蒸着レート0.5nm/secとし、Ca膜厚は10nm、Al膜厚は150nmとなるようにした。
【0137】
(評価結果)
AM1.5、擬似太陽光(100mW/cm)を光源とし、ソースメジャーユニット(ケースレー2400型)にて電圧印加により電流電圧特性の評価を行った。
【0138】
評価結果を下記表2に示す。評価結果は開放電圧Voc(mV)、短絡電流Isc(mA/cm)、変換効率%を示した。
【0139】
【表2】
Figure 2004335737
【0140】
【発明の効果】
本発明によれば、第1電極層と対向する電極である第2電極層を転写法により形成することから、光電変換層を極めて薄くした場合であっても、このような光電変換層を突き抜けて、第2電極層が形成される不都合を防止することができる。したがって、第2電極層と第1電極層とにおいて、短絡の生じる可能性が小さい有機薄膜太陽電池を製造することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明における有機薄膜太陽電池の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の有機薄膜太陽電池の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図4】本発明の転写シートの例を示す概略断面図である。
【図5】従来の有機薄膜太陽電池の製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1 … 基材
2 … 剥離層
3 … 第2電極層
4 … 電子輸送層
5 … 転写体
6 … 基板
7 … 第1電極層
8 … 正孔輸送層
9 … 太陽電池側基板

Claims (16)

  1. 基材と、前記基材上に形成された第2電極層とを少なくとも有する転写体、および基板と、前記基板上に形成され、前記第2電極層と対向する電極層である第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する調製工程と、
    前記転写体および太陽電池側基板を、前記転写体の第2電極層と、前記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、前記転写体の第2電極層を、前記太陽電池側基板の第1電極層上へ光電変換層を介して転写させる転写工程と、
    を有することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法。
  2. 前記光電変換層が前記転写体の第2電極層上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  3. 前記光電変換層が前記太陽電池側基板の第1電極層上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  4. 前記光電変換層が、前記転写体の第2電極層上および前記太陽電池側基板の第1電極層上の両方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  5. 前記第2電極層は、前記基材上にパターン状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  6. 前記転写体は、前記第2電極層と基材との間に剥離層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  7. 基材と、前記基材上に形成された光電変換層とを少なくとも有する転写体、および基板と、前記基板上に形成された第1電極層とを少なくとも有する太陽電池側基板を調製する調製工程と、
    前記転写体および太陽電池側基板を、前記転写体の光電変換層と、前記太陽電池側基板の第1電極層とが対向するように配置し、前記転写体の光電変換層を、前記太陽電池側基板上へ転写させる転写工程と、
    前記転写工程により前記太陽電池側基板上に形成された光電変換層上に、前記第1電極層と対向する電極である第2電極層を形成する第2電極層形成工程と、を有することを特徴とする有機薄膜太陽電池の製造方法。
  8. 前記転写体は、光電変換層と基材との間に剥離層が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  9. 前記光電変換層は、電子輸送層または正孔輸送層の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  10. 前記光電変換層は、電子正孔輸送層であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の有機薄膜太陽電池の製造方法。
  11. 基材と、前記基材上に形成された電極層とを有することを特徴とする転写シート。
  12. 前記電極層上には、光電変換層が形成されていることを特徴とする請求項11に記載の転写シート。
  13. 前記電極層は、前記基材上にパターン状に形成されていることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の転写シート。
  14. 前記基材と、前記電極層との間に、剥離層が形成されていることを特徴とする請求項11から請求項13までのいずれかの請求項に記載の転写シート。
  15. 基材と、前記基材上に形成された光電変換層とを有することを特徴とする転写シート。
  16. 前記転写シートは、前記基材と、前記光電変換層との間に剥離層が形成されていることを特徴とする請求項15に記載の転写シート。
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