JP2004335155A - アンテナ装置 - Google Patents

アンテナ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004335155A
JP2004335155A JP2003125972A JP2003125972A JP2004335155A JP 2004335155 A JP2004335155 A JP 2004335155A JP 2003125972 A JP2003125972 A JP 2003125972A JP 2003125972 A JP2003125972 A JP 2003125972A JP 2004335155 A JP2004335155 A JP 2004335155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
antenna
coaxial cable
coaxial
impedance
relay board
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003125972A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Ogawa
智之 小川
Takehiro Sugiyama
剛博 杉山
Yuuki Yamamoto
勇揮 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2003125972A priority Critical patent/JP2004335155A/ja
Publication of JP2004335155A publication Critical patent/JP2004335155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】ケーブルの接続作業を簡易にすると共にコストダウンを図り、中継接続部におけるインピーダンス不整合を防止して伝送路における損失を低減できるようにしたアンテナ装置を提供する。
【解決手段】ノートパソコン10は、マザーボード4を備える本体1と、LCD6が搭載された蓋部3とを備え、マザーボード4には送受信モジュール5が搭載され、蓋部3には平板アンテナ7a,7bが搭載されている。平板アンテナ7a,7bには同軸ケーブル8c,8dが接続され、送受信モジュール5には同軸ケーブル8a,8bが接続され、それぞれの他端はマザーボード4に取り付けられた中継基板20の線路パターンの両端に接続される。中継基板20は、同軸ケーブル8a〜8dとのインピーダンス整合器の機能を有する。この機能によりVSWRの悪化及び挿入損失の増大が防止される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナ装置に関し、特に、ケーブルの接続作業を簡易にし、コストダウンを図ると共に、中継部におけるインピーダンス不整合を改善し、伝送路における損失を低減できるようにしたアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という。)の利用形態の1つにインターネットがある。インターネットを利用するには、パソコンをネットワークに接続する必要がある。ネットワークに接続する場合、従来、パソコンにモデムを内蔵させ、或いはモデムを外付けにより接続し、このモデムをケーブルにより電話回線に接続していた。また、2台以上のパソコンにより家庭内やオフィス内でLAN(Local Area Network)を構築する場合、それぞれのパソコンを専用のケーブル(100BASE−T等)によりハブ( Hub)に接続している。
【0003】
しかし、ケーブルによる接続は、パソコンがデスクトップ型が標準の時代には設置場所を移動することが殆どないため、特に不都合はなかったが、近年のようにノート型パソコン(以下、「ノートパソコン」という。)が主流になってくると、ケーブルで接続するのは煩わしいばかりでなく、ケーブル接続が可能な場所や範囲内でしか利用できず、どこでも使用できるというノートパソコンの特長が生かせなくなる。
【0004】
そこで、ノートパソコンに無線LANカード(例えば、IEEE802.11規格)を装着できるようにし、無線によりルータ(router)に接続してケーブル接続を不要にした無線LANが注目されている。この無線LANにより、ケーブル接続が不要になり、ルータから数十メートルの範囲であれば、どの場所からもノートパソコンをネットワークや他のパソコンに接続することが可能になるため、使い勝手が向上する。
【0005】
ノートパソコンに無線LANの機能を内蔵させた場合、ノートパソコンは小型化及び軽量化を極限まで追求して設計されており、内部には空間が殆ど無いことから、アンテナ(平板アンテナ等)を高能率に動作させるためには、搭載場所を吟味する必要がある。
【0006】
ノートパソコンの場合、LCD(液晶表示器)等の表示器が蓋部の内側に設けられており、この蓋部の上端部のケース(又はフレーム部、筐体等)内部にアンテナを設置しておくことにより、本体から蓋部を開いたとき、アンテナはノートパソコンの最上部に位置し、電波の送受信を良好にすることができる。また、ロッドアンテナ、ヘリカルアンテナ等のように本体の外部にアンテナが突出しないため、折損を招いたり、移動中に他のものにアンテナを引っ掛かたりすることがない。そして、アンテナに接続される送受信モジュール(送受信回路を金属ケースに収めた部品)は、本体内に設置されたマザーボード(mother board)に実装されるため、蓋部に設けられたアンテナとの接続は同軸ケーブルによって行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図12は、携帯型電子機器に搭載した従来のアンテナ装置を示す。ここでは、携帯型電子機器として、ノートパソコンを示している。ノートパソコン100は、本体101と、この本体101にヒンジ部102a,102bにより開閉自在に取り付けられた蓋部103とを主体に構成されている。
【0008】
本体101内には、1枚のマザーボード104が設置されており、このマザーボード104の所定位置に送受信モジュール105が実装されている。なお、マザーボード104上には、不図示のキーボード及び不図示の表面パネルが搭載される。また、蓋部103の内側には、9〜15インチ程度の表示サイズを有するLCD106が実装され、その上端縁の両側には平板アンテナ107a,107bが装着されている。アンテナを複数にすることで、二方向又は広範囲の指向性が得られ、或いは送信用と受信用に分けた使い方が可能になる。平板アンテナ107a,107bは蓋部103のLCD106の取付枠の内側に取り付けることにより、その装着を外部から見えない様にすることができ、見栄えが悪くなるのを防止することができる。
【0009】
図12に示すように、送受信モジュール105と平板アンテナ107a,107bとは、2本の同軸ケーブル108a,108bにより接続される。本体101と蓋部103の組み付けに際しては、例えば、最初に同軸ケーブル108aと108bの一端を平板アンテナ107a,107bに接続する。平板アンテナ107a,107bからの同軸ケーブル8a,8bは、蓋部3の枠部の内側を這うように布線された後、ヒンジ部102a,102b内を通し、本体101側に引き出される。これにより、同軸ケーブル108a,108bが外部から見えることはない。ついで、同軸ケーブル108aと108bの他端が、送受信モジュール105に接続される。最後に、同軸ケーブル108a,108bの他端が接続されているマザーボード104は、本体1内の所定の位置に実装される。
【0010】
【特許文献1】
特開2003−37431公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のアンテナ装置によると、送受信モジュールと平板アンテナとを長い同軸ケーブルで接続するため、本体又は蓋部の製造工程において同軸ケーブルの組み付けが煩雑となる。このため、同軸ケーブルを引回し、更に半田付け作業を行ったりすることは現場作業員の作業効率を低下させ、量産性も低下させる要因になる。
【0012】
この問題は、同軸ケーブルを短い2本に分割し、それぞれの同軸コネクタを本体側と蓋部側に別々に実装した後に同軸コネクタを用いて結合することで解消することが考えられる。しかし、同軸コネクタを用いた場合、同軸コネクタが高価で、しかも1本のケーブルにオスとメスの2個が必要になるためにコストアップになり、また、接続に際しては両手を使わざるをえないため、作業性が悪い。更に、同軸コネクタの金属部が他の電子部品に接触してショートしないようにしたり、同軸コネクタが筐体に当たって音を発生しないように固定する処置等が必要になる。
【0013】
したがって、本発明の目的は、ケーブルの接続作業を簡易にすると共にコストダウンを図り、中継接続部におけるインピーダンス不整合を防止して伝送路における損失を低減できるようにしたアンテナ装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するため、送信部、受信部、又は送受信部を構成する回路と、アンテナとを備え、前記アンテナと前記回路とが同軸ケーブルによって接続されるアンテナ装置において、前記同軸ケーブルとのインピーダンス整合機能を有するストリップ線路が片面に形成され、前記回路からの第1の同軸ケーブル及び前記アンテナからの第2の同軸ケーブルが前記ストリップ線路の両端に接続された中継部を備えることを特徴とするアンテナ装置を提供する。
【0015】
この構成によれば、回路側の第1の同軸ケーブルとアンテナ側からの第2の同軸ケーブルとを中継部を介して接続し、2本の同軸ケーブルを接続した際のインピーダンス不整合に対しては、中継部のストリップ線路によりインピーダンス整合を行う。これにより、同軸ケーブルの接続作業が簡便になると共に、高価な同軸コネクタによる接続を行わずに済むため、コストダウンが可能になる。更に、同軸ケーブルがアンテナ側と回路側に分離されるため、それぞれにおける同軸ケーブルの接続処理を先行して行えるようになり、量産性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ装置を示す。
以下においては、アンテナ装置を携帯電子機器の1つであるノートパソコンに適用した場合について説明する。また、一部については、実際には見えない部分を露出させた状態で示している。
【0017】
ノートパソコン10は、キーボード(図示せず)、及びキーボードのほか、電源オン/オフキー、機能キー、指操作型のマウス部等が実装された表面パネルが装着される本体1(第1の筐体部)と、この本体1にヒンジ部2a,2bにより開閉自在に取り付けられた蓋部3(第2の筐体部)とを主体に構成されている。本体1及び蓋部3は、樹脂成型、アルミ、マグネシウム合金等により作られている。
【0018】
本体1内には、CPU、半導体メモリ、その他の電子回路等が実装された1枚のマザーボード4が設置されており、このマザーボード4の所定位置には金属ケース等によるシールドが施された送受信モジュール5が実装されている。なお、マザーボード4上には、このマザーボード4を覆うようにして、不図示のキーボード及び不図示の表面パネルが搭載される。また、蓋部3の内側には、9〜15インチ程度の表示サイズを有するフルカラー表示のLCD6が実装され、その上端縁の両側には平板アンテナ7a,7bが装着されている。平板アンテナ7a,7bは蓋部3のLCD6の取付枠(図示せず)の内側に取り付けられるので、外部から見えることはない。なお、平板アンテナ7a,7bは、いずれか1つのみであってもよい。
【0019】
本体1内には、小サイズの中継部としての中継基板20が取り付けられており、この中継基板20と送受信モジュール5とが同軸ケーブル8a,8bによって接続され、更に、中継基板20と平板アンテナ7a,7bとが同軸ケーブル8c,8dによって接続される。同軸ケーブル8a〜8dは同一仕様であり、そのインピーダンスは50Ωである。中継基板20が設けられていることにより、ケーブル長を短くすることができ、ケーブル接続の作業性は格段に向上する。
【0020】
図2は、中継基板20の第1の実施の形態を示す。
エポキシ樹脂等による絶縁基板21の表面の全面には、グランドパターン22aが形成されており、同様に絶縁基板21の裏面の全面にグランドパターンが形成されている。絶縁基板21の表面には、グランドパターンを有しないパターン除去部23が縦長に形成され、その中央部には縦長に線路パターン24a,24b(ストリップ線路)が形成(グランドパターン22aとは非接続)されている。
【0021】
絶縁基板21の片端部には、絶縁基板21をマザーボード4等に固定するためのネジ11が挿入される貫通孔が開けられており、ネジ11の周囲はグランドパターン22aの設けられていない無パターン部21aが円形に形成れている。この対策により、グランドパターン22aがネジ11を通して筐体の金属部に導通するのを防止でき、不要輻射等が生じるのを防止できる。
【0022】
線路パターン24a,24bの下端には、平板アンテナ7a,7b側の同軸ケーブル8c,8dをコネクタ接続するためのレセプタクル25a,25b(接続具)が設けられている。更に、線路パターン24a,24bの上端には、送受信モジュール5からの同軸ケーブル8a,8bが半田接続されている。同軸ケーブル8a,8bは端部の絶縁被覆及び心線絶縁が剥がされ(ストリップされ)、そのシールド部(編組)81はグランドパターン22aに半田接続される。更に、同軸ケーブル8a,8bの心線部は、半田82により線路パターン24a,24bの上端部に半田接続される。また、線路パターン24a,24bの下端部には、レセプタクル25a,25bの信号端子26が半田接続される。
【0023】
同軸ケーブル8a,8bの外側、その半田接続部、レセプタクル25a,25bの両側には、複数のスルーホール27が設けられ、グランドパターン22aと裏面のグランドパターン(22b)が接続されている。スルーホール27が設けられていることにより、漏れ信号はグランドにバイパスされ、クロストークを低減することができる。
【0024】
図3は、レセプタクルの詳細構成を示す。レセプタクル25aと25bは同一構成であるので、ここではレセプタクル25aについてのみ説明する。レセプタクル25aは、樹脂製の本体部31と、この本体部31の中央部に垂直に配設された金属製の信号端子32と、この信号端子32に接続され、本体部31の底部に設けられた信号端子26と、この信号端子26の底面と同一平面になるように設けられたグランド端子33a,33bと、信号端子32と同軸に配設されると共にグランド端子33a,33bと接続された円筒状で金属製のグランド端子34とを備えて構成されている。
【0025】
図4は、レセプタクル25a及び線路パターン24aの縦断面を示す。図4においては、レセプタクル25aの本体部31の図示を省略している。レセプタクル25aには、同軸ケーブル8cを接続済みの同軸コネクタ40が結合される。同軸コネクタ40は、信号端子32に嵌合する金属製の信号端子41と、絶縁物を介して信号端子41と同軸に配設され、グランド端子34に外嵌される金属製のグランド端子42とを備え、全体がL字形を成している。信号端子41とグランド端子42との間には、通常、絶縁物が配設されているが、ここでは図示を省略している。
【0026】
信号端子41には同軸ケーブル8cの心線83が接続され、グランド端子42には同軸ケーブル8cのシールド部84が接続されている。なお、心線83とシールド部84との間には、ポリエチレン等による絶縁体85が配設されている。同軸ケーブル8aにおいては、そのシールド部81が、これに接するグランドパターン22aに半田付けされる。更に、同軸ケーブル8aの心線86は線路パターン24aに半田82により半田付けされる。この様に、同軸ケーブル8a,8bを半田付け処理とすることにより、そのための2個のレセプタクルと2個の同軸コネクタが不必要になるため、アンテナ装置のコストダウンを図ることができる。
【0027】
上記第1の実施の形態に係るアンテナ装置によれば、送受信モジュール5に接続された同軸ケーブル8a,8bは、中継基板20において線路パターン24a,24bに接続され、この線路パターン24a,24bに接続された同軸ケーブル8c,8dにより平板アンテナ7a,7bと送受信モジュール5の接続が行われる。線路パターン24a,24bはストリップ線路として機能するので、信号を支障なく伝送することができる。しかも、同軸ケーブル8a〜8dは、適用される機器の状況や仕様に応じて端末処理(半田又はレセプタクルによる接続)が可能であるため、機種を選ばない。更に、線路パターン24a,24bは同軸ケーブル8a,8b(又は、8c,8d)とのインピーダンス整合が図られているため、インピーダンス不整合に伴う影響を排除することができる。
【0028】
なお、図2の中継基板20においては、同軸ケーブル8a,8bを線路パターン24a,24bに半田接続するものとしたが、逆に、同軸ケーブル8c,8dを半田接続し、同軸ケーブル8a,8bをレセプタクル25a,25bに接続する構成であってもよい。
【0029】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る中継基板を示す。図5において(a)は平面を示し、(b)は(a)のA−A断面を示している。図5の中継基板50は、図2の中継基板20における同軸ケーブル8a,8bの半田接続に代え、同軸ケーブル8a,8bもレセプタクルを介して接続できるようにしたものである。そのために、図2の中継基板20の構成に加え、線路パターン24a,24bの同軸ケーブル8a,8bの接続側にレセプタクル51a,51bを設けている。同軸ケーブル8a,8bの端部には、図4に示した同軸コネクタ40と同一構造の同軸コネクタが接続され、この同軸コネクタがレセプタクル51a,51bに結合される。
【0030】
図2の中継基板20は、同軸ケーブル8a,8bが半田接続であったため、マザーボード4の組立工程において中継基板20に同軸ケーブル8a,8bを半田付けしておく必要があった。これに対し、図5の中継基板50によれば、中継基板50への同軸ケーブル8a〜8dの接続は、本体1と蓋部3の組み付け時に行うことができる。しかも、同軸ケーブル8a,8bの接続に半田付けを必要としないので、組立工程の作業性を向上させることができる。
【0031】
図6は、本発明の第4の実施の形態に係る中継基板を示す。この中継基板60は、図2の構成の中継基板20からレセプタクル25a,25bを除去し、同軸ケーブル8c,8dを半田によって線路パターン24a,24bに接続する構成にしたところに特徴がある。これにより、同軸ケーブル8a〜8dの全てを中継基板60の線路パターン24a,24bに半田接続ができるため、4個のレセプタクルと4個の同軸コネクタを使用せずに済む結果、図2の構成の中継基板20よりも更にコストダウンを図ることができる。
【0032】
図7は、中継基板20,50,60における線路パターン24a,24bの各部の寸法関係を示す。同軸ケーブル8(8a〜8d)のインピーダンスは50Ωであるため、中継基板20,50,60の線路パターン24(24a,24b)における線路のインピーダンスも50Ωでなければならない。また、同軸ケーブル自体は50Ωであるが、その端部は処理状態によっては50Ωになるとは限らない。
【0033】
例えば、同軸ケーブル8の端部を半田付けにより線路パターン24aに接続を行った場合、シールド部81から延伸する心線86は或る長さを有し、この部分がインダクタンスを持つため、インピーダンスは50Ωよりも大きくなる。線路パターン24a,24bと同軸ケーブル8a〜8dのインピーダンス整合がとれなかった場合、挿入損失の増加、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio :電圧定在波比)の悪化を招くことになる。そこで、線路のインピーダンスは、50Ωにする必要がある。線路のインピーダンスは、線路パターン24a,24bの各部の寸法によって決定される。なお、同軸ケーブル8a〜8dのインピーダンスが50Ωの場合を示したが、75Ω仕様であってもよく、この場合、中継基板20におけるインピーダンスが75Ωになるようにする必要がある。
【0034】
すなわち、図7において、線路パターン24a,24bの幅をW、線路パターン24a,24bの両側面とグランドパターン22aとの間の間隔をg、グランドパターン22aと22bの間隔(=絶縁基板21の厚み)をhとすると、W、g、及びhを調整することにより線路のインピーダンスを変えることができる。線路のインピーダンスZは、(|Z|=(L/C)1/2 )で表されるので、インダクタンスLが大きくなればインピーダンスZは増大し、静電容量Cが大きくなればインピーダンスZは減少する。中継基板においては、主にインダクタンスがインピーダンスZに影響を与え、インダクタンスは、gが大きいとき、wが小さいとき、又はhが大きいときに増加する。
【0035】
例えば、同軸ケーブル8の心線86を半田接続したことにより同軸ケーブル接続端のインピーダンスZが大きくなった場合、Wを狭くすることにより線路のインピーダンスZを上げることができるため、インピーダンス整合(インピーダンスマッチング)が可能になる。また、レセプタクル25と同軸コネクタにより同軸ケーブル8の接続を行った場合、図4の信号端子41とグランド端子42との間に静電容量Cが形成され、この静電容量によって、同軸ケーブルの端部のインピーダンスZは50Ωより低くなる。このようにインピーダンスが50Ωから変化した場合、線路パターン24a,24bのg、w、又はhを予め最適にしておくことにより、同軸ケーブル8と中継基板(20,50,60)とのインピーダンス整合が可能になる。
【0036】
図8は、中継基板と同軸ケーブルの接続部におけるインピーダンス変化を示し、(a)はインピーダンスZが50Ωより低い場合であり、(b)は50Ωより低い場合である。なお、図8に示す波形は、TDR(Time Domain Reflectometry) を用いて測定したものである。
【0037】
レセプタクル部分や同軸ケーブルのストリップした部分が50Ωからずれた場合、その影響を相殺するように線路のインピーダンスを調整する。例えば、図8の(a)のように、レセプタクル部分や同軸ケーブルのストリップ部分におけるインピーダンスが実線図示の特性のように50Ωより低い場合(例えば、47Ω)、これを相殺するように線路パターン24a,24bにおけるインピーダンスを高く(例えば、53Ω)すれば、インピーダンス整合がとれる。
【0038】
図9は、線路パターンの片端又は両端にレセプタクルを配設した図2と図4、又は図5の構成の中継基板におけるインピーダンス整合を示す。図9において、(a)は図2及び図4の構成(同軸ケーブル−レセプタクル)に対応し、(b)は図5の構成(レセプタクル−レセプタクル)に対応する。
【0039】
図2及び図4の構成(同軸ケーブル−レセプタクル)の中継基板の場合、図9の(a)に示すように、同軸ケーブル8a,8bをストリップした部分(CCストリップ)のインピーダンスは50Ωより高くなり、レセプタクル25a,25bのインピーダンスは50Ωより低くなる。そこで、線路パターン24a,24bにおけるインピーダンスを50Ωより低く(例えば、40Ω)すると50Ωに整合がとれる。
【0040】
また、図5の構成(レセプタクル−レセプタクル)の中継基板の場合、図9の(b)に示すように、2つのレセプタクル(25a,25b)におけるインピーダンスは50Ωより低くなるので、線路パターン24a,24bにおけるインピーダンスを50Ωより高くなるようにする。例えば、線路パターン24a,24bのインピーダンスを53Ωにすることで整合がとれる。
【0041】
図9においては、「同軸ケーブル−レセプタクル」と、「レセプタクル−レセプタクル」の構成による中継基板について示したが、図6に示す「同軸ケーブル−同軸ケーブル」構成の中継基板60においても同様にインピーダンス整合をとることができる。すなわち、線路パターン24a,24bの両端に接続される同軸ケーブル8a〜8dのストリップ部分のインピーダンスは50Ωより高くなるので、これを相殺するように線路パターン24a,24bにおけるインピーダンスを低くすればよい。
【0042】
図10は、図2に示した構成の中継基板20を介して同軸ケーブルにより平板アンテナ7a,7bに接続した場合(特性A)と、従来方法により同軸コネクタを介して同軸ケーブルにより平板アンテナ7a,7bに接続した場合(特性B)とにおけるリターンロス(Return Loss )特性を示す。ここでは、同軸ケーブル8a,8bとして、直径が1.37mmの規格のものを用いている。図10から明らかなように、特性AとBに殆ど差異はなく、同軸コネクタを用いて接続した場合と同等の結果が得られることがわかる。
【0043】
図11は、図10と同一の条件による中継基板20と同軸コネクタの挿入損失特性を示す。図11から明らかなように、中継基板20による特性Aは同軸コネクタの特性Bに比べ、挿入損失はやや大きくなっている。しかし、最大でも0.5dB(6GHz)であり、問題になるレベルではない。以上のように、高価な同軸コネクタを用いずとも、安価な中継基板の使用により、同等の高周波特性が得られるアンテナ装置を構築することができる。
【0044】
なお、図4に示したように、グランドパターンは絶縁基板21の表面(グランドパターン22a)と裏面(グランドパターン22b)に設ける構成としたが、グランドパターン22aのみの片面であってもよい。片面のみとすることによりクロストーク等が増えることは避けられない。しかし、裏面にグランドパターンを設けないことで、中継基板の取り付け場所に制約を受けないようにすることができる。
【0045】
上記の説明では、アンテナ装置をノートパソコンに適用した場合について述べたが、本発明はノートパソコンに限定されるものではなく、アンテナを搭載し、その接続に同軸ケーブルを用いる全ての携帯移動機器に適用できることは勿論のこと、固定機器に対しても適用可能である。
【0046】
更に、中継基板20,50,及び60は、マザーボード4に搭載するものとしたが、搭載スペースを確保できるのであれば、蓋部3側に搭載することも可能である。
【0047】
また、レセプタクルは、図3に示した形状に限定されるものではなく、着脱式でアンテナのインピーダンスに合致したインピーダンス(例えば50Ω)を有し、且つ比較的安価なケーブル接続器具であれば、どのような形状及び規格のものであってもよい。
【0048】
また、中継基板は、マイクロストリップ構造、すなわち表面のグランドパターン22aを前述したようにほぼ全面に設けずに、レセプタクル25a,25bあるいは半田82による接続部の周辺のみに設けてもよい。この場合、線路パターン24a,24bの幅Wか絶縁基板21の厚みhを調整してインピーダンスの整合を図ることになる。
【0049】
【発明の効果】
以上より明らかなように、本発明のアンテナ装置によれば、インピーダンス整合機能を有するストリップ線路を備えた中継部を備え、この中継部に回路側からの同軸ケーブル及びアンテナ側からの同軸ケーブルを接続する構成にしたので、同軸ケーブルの接続作業が簡便になると共に、高価な同軸コネクタによる接続を行わずに済むため、コストダウンが可能になる。更に、同軸ケーブルがアンテナ側と回路側に分離されるため、それぞれにおける同軸ケーブルの接続処理を先行して行えるようになり、量産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るアンテナ装置及び前記アンテナ装置が適用されたノート型パーソナルコンピュータの模式的構成図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る中継基板を示す平面図である。
【図3】図2の中継基板におけるレセプタクルの詳細構成を示し、(a)は平面図、(b)は底面図である。
【図4】図2の中継基板に同軸ケーブルを接続した状態を示す断面図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る中継基板を示し(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
【図6】本発明の第4の実施の形態に係る中継基板を示す平面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る中継基板の線路パターンの寸法関係を説明する断面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る中継基板と同軸ケーブルの接続部におけるインピーダンス変化を示し、(a)はインピーダンスZが50Ωより低い場合の特性図、(b)は50Ωより低い場合の特性図である。
【図9】線路パターンの片端又は両端にレセプタクルを配設した構成の中継基板におけるインピーダンス整合を示し、(a)は「同軸ケーブル−レセプタクル」の場合の特性図、(b)は「レセプタクル−レセプタクル」の場合の特性図である。
【図10】図2の中継基板を介して同軸ケーブルにより平板アンテナに接続した場合と、従来方法により同軸コネクタを介して同軸ケーブルにより平板アンテナに接続した場合とにおけるリターンロス特性図である。
【図11】図2の中継基板を介して同軸ケーブルにより平板アンテナに接続した場合と、従来方法により同軸コネクタを介して同軸ケーブルにより平板アンテナに接続した場合とにおける挿入損失特性図である。
【図12】従来のアンテナ装置、及びこれを適用した携帯電子機器(ノートパソコン)の模式的構成図である。
【符号の説明】
1 本体
2a,2b ヒンジ部
3 蓋部
4 マザーボード
5 送受信モジュール
6 LCD
7a,7b 平板アンテナ
8a,8b,8c,8d 同軸ケーブル
10 ノートパソコン
11 ネジ
20,50,60 中継基板
21 絶縁基板
22a,22b グランドパターン
23 パターン除去部
24a,24b 線路パターン
25a,25b レセプタクル
26,32,41 信号端子
27 スルーホール
31 本体部
33a,33b,34,42 グランド端子
40 同軸コネクタ
51a,51b レセプタクル
81,84 シールド部(編組)
82 半田
83 心線
85 絶縁体
86 心線
100 ノートパソコン
101 本体
102a,102b ヒンジ部
103 蓋部
104 マザーボード
105 送受信モジュール
106 LCD
107a,107b 平板アンテナ

Claims (6)

  1. 送信部、受信部、又は送受信部を構成する回路と、アンテナとを備え、前記アンテナと前記回路とが同軸ケーブルによって接続されるアンテナ装置において、
    前記同軸ケーブルとのインピーダンス整合機能を有するストリップ線路が片面に形成され、前記回路からの第1の同軸ケーブル及び前記アンテナからの第2の同軸ケーブルが前記ストリップ線路の両端に接続された中継部を備えることを特徴とするアンテナ装置。
  2. 前記中継部は、少なくとも片面にグランドパターンが形成された絶縁基板と、
    前記直線状及び帯状に且つ前記グランドパターンに非接触で絶縁基板の前記片面に形成され、その両端に前記第1及び第2の同軸ケーブルが接続される前記ストリップ線路としての線路パターンとを備えることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  3. 前記線路パターンは、その幅、前記グランドパターンとの間の間隔、及び前記絶縁基板の厚みの少なくとも1つを調整し、前記同軸ケーブルに対するインピーダンス整合をとることを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
  4. 前記中継部は、1枚の基板上に1つの部品として構成され、又は他の回路基板を共用して実装されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
  5. 前記他の回路基板は、携帯型電子機器のマザーボード又はノート型パーソナルコンピュータのマザーボードであることを特徴とする請求項4記載のアンテナ装置。
  6. 前記ストリップ線路は、接続具又は半田接続により前記第1及び第2の同軸ケーブルに接続されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
JP2003125972A 2003-04-30 2003-04-30 アンテナ装置 Pending JP2004335155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003125972A JP2004335155A (ja) 2003-04-30 2003-04-30 アンテナ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003125972A JP2004335155A (ja) 2003-04-30 2003-04-30 アンテナ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004335155A true JP2004335155A (ja) 2004-11-25

Family

ID=33503070

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003125972A Pending JP2004335155A (ja) 2003-04-30 2003-04-30 アンテナ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004335155A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008141393A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Toshiba Corp 電子機器
WO2008133992A1 (en) * 2007-04-30 2008-11-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Antenna grounding system and method
JP2008301105A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Toshiba Corp アンテナ装置及び情報端末装置
WO2009057243A1 (ja) * 2007-10-31 2009-05-07 Panasonic Corporation 携帯無線装置
KR101259812B1 (ko) 2006-09-18 2013-04-30 엘지전자 주식회사 이동통신 단말기
JP2020181648A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 矢崎総業株式会社 回路モジュールと回路モジュールの製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63141273A (ja) * 1986-12-02 1988-06-13 日本電気株式会社 同軸ケ−ブルの接続方法
JPH0379511U (ja) * 1989-12-01 1991-08-14
JPH11283707A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Nec Eng Ltd マイクロストリップ線路用コネクタ装置
JP2002280825A (ja) * 2001-03-19 2002-09-27 Hitachi Cable Ltd コンピュータ内蔵用多重アンテナ及びそれを備えたコンピュータ
JP2002305062A (ja) * 2001-04-04 2002-10-18 Asahi Glass Co Ltd コネクタ装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63141273A (ja) * 1986-12-02 1988-06-13 日本電気株式会社 同軸ケ−ブルの接続方法
JPH0379511U (ja) * 1989-12-01 1991-08-14
JPH11283707A (ja) * 1998-03-27 1999-10-15 Nec Eng Ltd マイクロストリップ線路用コネクタ装置
JP2002280825A (ja) * 2001-03-19 2002-09-27 Hitachi Cable Ltd コンピュータ内蔵用多重アンテナ及びそれを備えたコンピュータ
JP2002305062A (ja) * 2001-04-04 2002-10-18 Asahi Glass Co Ltd コネクタ装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8115689B2 (en) 2004-05-04 2012-02-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Electronic device
KR101259812B1 (ko) 2006-09-18 2013-04-30 엘지전자 주식회사 이동통신 단말기
JP2008141393A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Toshiba Corp 電子機器
WO2008133992A1 (en) * 2007-04-30 2008-11-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Antenna grounding system and method
JP2008301105A (ja) * 2007-05-30 2008-12-11 Toshiba Corp アンテナ装置及び情報端末装置
WO2009057243A1 (ja) * 2007-10-31 2009-05-07 Panasonic Corporation 携帯無線装置
JP2020181648A (ja) * 2019-04-23 2020-11-05 矢崎総業株式会社 回路モジュールと回路モジュールの製造方法
JP7005116B2 (ja) 2019-04-23 2022-01-21 矢崎総業株式会社 回路モジュールと回路モジュールの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101539141B1 (ko) 힌지결합된 인클로저를 구비한 전자 장치의 안테나 구조체
KR101974710B1 (ko) 안테나를 구비한 환기 시스템을 갖는 전자 디바이스
US6861989B2 (en) Antenna system for a communication device
US6486834B2 (en) Arrangement of a printed circuit board-mounted antenna in a portable electronic device with a metallic hinge base
US7242354B2 (en) Antenna unit and wireless communication apparatus
DE102008031516A1 (de) Antennen für handhaltbare elektronische Vorrichtungen
US11063339B2 (en) Antenna module and communication device
JP2011124834A (ja) アンテナ装置、及び無線端末装置
US6340952B1 (en) Induced loop antenna
US20060061433A1 (en) Printed board
JP7418586B2 (ja) アンテナアセンブリ及び電子装置
JP2004335155A (ja) アンテナ装置
WO2024032018A1 (zh) 天线系统和终端设备
JP4057560B2 (ja) アンテナ装置
US6861995B2 (en) Slot bracket antenna
US6297779B1 (en) Antenna module for portable computer
EP3226665A1 (en) Tunable slot resonator etched at the edge of a printed circuit board
US20110080324A1 (en) Single-band antenna
CN1156939C (zh) 平面印刷天线
JP4200808B2 (ja) アンテナ装置
US7061435B2 (en) Monopole antenna assembly
US10249945B2 (en) Electronic device having antenna structure
CN113985970B (zh) 阻抗调谐的转轴连接装置和可开合电子设备
JP2004335156A (ja) アンテナ装置
WO2023240548A1 (en) Antenna assembly for use in a communication device

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050617

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070731

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071120