JP2004335014A - ディスク製造方法及びディスク製造装置 - Google Patents
ディスク製造方法及びディスク製造装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004335014A JP2004335014A JP2003131724A JP2003131724A JP2004335014A JP 2004335014 A JP2004335014 A JP 2004335014A JP 2003131724 A JP2003131724 A JP 2003131724A JP 2003131724 A JP2003131724 A JP 2003131724A JP 2004335014 A JP2004335014 A JP 2004335014A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- disk
- disk substrate
- annealing
- information
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
- Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
Abstract
【課題】ディスク製品の歩留りを良くすることができ、アニーリング工程において使用されるエネルギーを少なくすることができるようにする。
【解決手段】情報面を備えない第1のディスク基板を成形し、情報面を備えた第2のディスク基板を成形し、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行い、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成し、アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼(は)り合わせる。成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板内の内部残留応力を小さくすることができ、内部残留応力を小さくした後に第1、第2のディスク基板が貼り合わせられることになる。
【選択図】 図1
【解決手段】情報面を備えない第1のディスク基板を成形し、情報面を備えた第2のディスク基板を成形し、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行い、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成し、アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼(は)り合わせる。成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板内の内部残留応力を小さくすることができ、内部残留応力を小さくした後に第1、第2のディスク基板が貼り合わせられることになる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク製造方法及びディスク製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスク製品、例えば、DVD−Video、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等のDVDの光ディスクにおいては、それぞれ成形された二つの基板を貼(は)り合わせることによって製造されるようになっている。そして、記録容量によって、二つの基板のいずれにも情報が記録される光ディスク、一つの基板にだけ情報が記録される光ディスク等が提供されている。
【0003】
そのうち、一つの基板にだけ情報が記録される光ディスクにおいては、二つの基板のうちの情報が記録される基板、すなわち、情報基板、及び情報が記録されない基板、すなわち、ダミー基板が別々の製造工程で形成された後、情報基板とダミー基板とが貼り合わせられるようになっている。
【0004】
図2は従来のディスク製造方法の製造工程を示すブロック図である。
【0005】
ダミー基板を製造するに当たり、基板成形工程Pd1において、図示されない射出成形機によってダミー基板の原材となる第1のディスク基板が成形され、射出成形機から取り出された第1のディスク基板は、冷却工程Pd2において冷却された後、ストック工程Pd3において図示されない第1のストック装置に送られ、該第1のストック装置内においてダミー基板として蓄えられる。
【0006】
一方、情報基板を製造するに当たり、基板成形工程Pi1において、図示されない他の射出成形機によって情報基板の原材となる第2のディスク基板が成形され、該第2のディスク基板の一方の面が情報面にされ、該情報面に細かいトラックピッチで微細なグルーブ(溝)が形成される。前記射出成形機から取り出された第2のディスク基板は、冷却工程Pi2において冷却された後、ダイコート工程Pi3において記録用の色素(ダイ)が塗布され、記録層が形成される。続いて、第2のディスク基板は、乾燥工程Pi4において乾燥させられた後、反射膜スパッタ工程Pi5において、第2のディスク基板に対してスパッタリングが行われ、反射膜としての金属膜が被覆され、反射層が形成される。
【0007】
次に、第2のディスク基板は、ストック工程Pi6において図示されない第2のストック装置に送られ、該第2のストック装置内において情報基板として蓄えられる。
【0008】
続いて、前記第1のストック装置からダミー基板が、第2のストック装置から情報基板が取り出され、貼(はり)合工程Pc1においてダミー基板と情報基板とが、情報面をダミー基板側に向けて接着剤によって貼り合わせられた後、UVコート工程Pc2において、前記ダミー基板の表面を保護するために、紫外線硬化樹脂から成るUVコート層が被覆される。このようにして、光ディスクが製造される。
【0009】
ところが、前記情報基板においては、第2のディスク基板が成形され、冷却された後、乾燥工程Pi4において乾燥させられるようになっているだけでなく、反射膜スパッタ工程Pi5は真空チャンバ内で行われ真空脱気されているので、内部に残留する応力、すなわち、内部残留応力が小さくなるのに対して、ダミー基板においては、第1のディスク基板が成形され、冷却された後、そのまま第1のストック装置内に蓄えられるようになっているので、内部残留応力が比較的大きい。したがって、前記情報基板とダミー基板とを貼り合わせると、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になるだけでなく、経時的に光ディスクに反りが発生してしまう。
【0010】
ところで、従来、CD−ROM等の光ディスクにおいて、射出成形を行うことによって発生した分子配設向歪(ひず)みが残留していると複屈折が大きくなるので、ダミー基板に対してアニーリング処理が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
そこで、該アニーリング処理をDVDの光ディスクに適用し、ダミー基板に対してアニーリング処理を施すことによって、内部残留応力を小さくした後、ダミー基板と情報基板とを貼り合わせるようにしたディスク製造方法が考えられる。
【0012】
図3は従来のディスク製造方法におけるダミー基板の製造工程を示すブロック図である。
【0013】
この場合、ダミー基板を製造するに当たり、基板成形工程Pd1において、図示されない複数の射出成形機によって第1のディスク基板が成形され、前記各射出成形機から取り出された第1のディスク基板は、それぞれ冷却工程Pd2において冷却される。続いて、ストック工程Pd3において図示されない各第1のストック装置に送られ、該第1のストック装置内においてダミー基板として蓄えられた後、アニーリング工程Pd4において図示されないアニーリング炉に送られ、該アニーリング炉内においてダミー基板が加熱され、ダミー基板に対してアニーリング処理が行われる。
【0014】
このようにして、内部残留応力が小さくなったダミー基板と別の製造工程で製造された情報基板とが貼合工程Pc1で貼り合わせられる。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−11815号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のディスク製造方法において、各第1のディスク基板は、それぞれ別々の射出成形機において、異なる金型装置を使用し、異なる成形条件に従って成形されるので、互いに内部残留応力が異なるにもかかわらず、いずれのダミー基板も一つのアニーリング炉に供給され、同じアニール温度で、同じ処理時間だけ加熱され、同じアニーリング条件でアニーリング処理が行われてしまう。
【0017】
したがって、アニーリング処理が行われた後に存在する内部残留応力にばらつきが生じるので、ダミー基板と情報基板とを貼り合わせたときに、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になったり、経時的に光ディスクに反りが発生したりしてしまう。その結果、光ディスクの歩留りを悪くしてしまう。
【0018】
また、ストック工程Pd3の後にアニーリング工程Pd4が設けられ、アニーリング処理においてダミー基板を室温から所定のアニール温度にするようになっているので、アニーリング工程Pd4において使用されるエネルギーが多くなってしまう。
【0019】
しかも、アニーリング処理を行う際に、ダミー基板を急激に加熱すると、ダミー基板の品質が低下してしまう。そこで、ダミー基板を予熱した後、所定のアニール温度に加熱するようにしているが、その分、多くのダミー基板をアニーリング炉内に収容しておく必要がある。したがって、アニーリング炉が大型化してしまう。
【0020】
本発明は、前記従来のディスク製造方法の問題点を解決して、ディスク製品の歩留りを良くすることができ、アニーリング工程において使用されるエネルギーを少なくすることができ、アニーリング炉を小型化することができるディスク製造方法及びディスク製造装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のディスク製造方法においては、情報面を備えない第1のディスク基板を成形し、情報面を備えた第2のディスク基板を成形し、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行い、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成し、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせる。
【0022】
本発明の他のディスク製造方法においては、さらに、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板は、冷却された後、ストック装置に蓄えられる。
【0023】
本発明の更に他のディスク製造方法においては、さらに、成形された第2のディスク基板は、記録用の色素が塗布されて記録層が形成された後、乾燥させられる。
【0024】
本発明のディスク製造装置においては、情報面を備えない第1のディスク基板を成形する第1の成形機と、情報面を備えた第2のディスク基板を成形する第2の成形機と、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行う熱処理装置と、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成する表面処理装置と、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせる貼合装置とを有する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、ディスク製品として光ディスク、すなわち、DVD−Rについて説明するが、DVD−Video、DVD−RW、DVD−RAM等の光ディスクに適用することもできる。
【0026】
図4は本発明の実施の形態における光ディスクの断面図である。
【0027】
図4において、11は、DVD−R等のDVDの光ディスクであり、該光ディスク11は、第1の基板としてのダミー基板22と、該ダミー基板22とは別の製造工程で製造された第2の基板としての情報基板23とを接着剤によって貼り合わせることにより製造され、ダミー基板22と情報基板23との間に接着剤から成る接着層14が形成される。前記ダミー基板22には、情報が記録されず、第1の射出成形機においてダミー基板22の原材となる第1のディスク基板12を成形する際に、前記情報基板23と対向する側の面に凹凸は形成されない。一方、前記情報基板23には、情報が記録されるようになっていて、DVD−Rの場合、第2の射出成形機において情報基板23の原材となる第2のディスク基板15を成形する際に、ダミー基板22と対向する側の面が情報面にされ、該情報面に、0.74〔μm〕の細かいトラックピッチで、0.4〔μm〕で深さが100〜200〔nm〕の微細なグルーブ(溝)が形成されるようになっている。なお、第1、第2の射出成形機によって第1、第2の成形機が構成される。また、前記第1、第2の射出成形機は、いずれも、2個取りの射出成形機であり、1回の成形サイクルで第1、第2のディスク基板12、15がそれぞれ2個ずつ成形される。
【0028】
そして、16は、前記情報面に記録用の色素を塗布することによって形成された記録層、17は該記録層16上にスパッタリングを行うことによって形成された反射膜としての金属膜から成る反射層、18は、ダミー基板22の表面を保護するために保護層として形成された、紫外線硬化樹脂から成るUVコート層である。
【0029】
次に、前記構成の光ディスク11を製造するためのディスク製造方法及びディク製造装置について説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の形態におけるディスク製造方法の工程を示すブロック図、図5は本発明の実施の形態におけるディスク製造装置の要部を示す概略図、図6は本発明の実施の形態における光ディスクの特性図である。
【0031】
ダミー基板22(図4)を製造するに当たり、基板成形工程Pd11において、第1の射出成形機31によってダミー基板22の原材となる第1のディスク基板12が成形され、取出機32によって第1の射出成形機31から取り出された直後の第1のディスク基板12に対して、アニーリング工程Pd12が開始され、アニーリング処理が行われる。
【0032】
そのために、第1のディスク基板12は、一対ずつ取出機32によって取り出された後、移載アーム33に受け取られる。続いて、各第1のディスク基板12は、前記移載アーム33によって保持されたまま、矢印A方向に搬送され、基板移載装置34に送られる。該基板移載装置34は、一対の反転機構35、36を備え、移載アーム33から第1のディスク基板12を受け取り、前記反転機構35、36によって180〔°〕向きを変えた後、搬送装置としての歩進コンベヤ37上に置く。
【0033】
該歩進コンベヤ37は、互いに並行に配設され、図示されない駆動部を駆動することによって走行させられる二つのコンベヤ38、39を備え、各コンベヤ38、39には、長手方向に、複数の図示されない支持具が所定のピッチで形成される。そして、前記各第1のディスク基板12は、前記各コンベヤ38、39を走行させるのに伴って、前記支持具によって支持された状態で搬送され、熱処理装置としてのアニーリング炉41に送られ、該アニーリング炉41内において所定のアニール温度(本実施の形態においては、130〔℃〕)で所定の時間、本実施の形態においては、3分間程度加熱される。そのために、アニーリング炉41は、筐(きょう)体42、該筐体42内に配設された加熱部材としての図示されない赤外線ヒータ、筐体42内の空気を循環させるための循環装置としての図示されない送風ファン、アニーリング処理が行われる温度及び時間を設定するための図示されない設定器等を備える。そして、図示されない制御部の熱処理手段は、熱処理を行い、アニーリング工程Pd12を開始し、前記赤外線ヒータを通電するとともに、送風ファンを作動させ、筐体42内の所定の箇所に配設された温度検出部としての図示されない温度センサによって検出された温度を読み込み、前記アニール温度と設定値(本実施の形態においては、130〔℃〕)との偏差が零(0)になるように、赤外線ヒータの通電を制御する。なお、前記設定値は、製造された情報基板23に発生した反り等の評価結果に基づいて調整される。また、アニーリング処理を行う時間は、歩進コンベヤ37の走行速度及びアニーリング炉41の炉長に対応させて決定される。
【0034】
このように、前記アニーリング炉41内のアニーリングゾーンZ1を搬送される間に第1のディスク基板12に対してアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板12の全体の温度を均一化することができるだけでなく、第1のディスク基板12内の内部残留応力を小さくすることができる。
【0035】
そして、第1のディスク基板12がアニーリング炉41に送られ、アニーリング工程Pd12が開始されてから、前記所定の時間が経過すると、各第1のディスク基板12がアニーリング炉41を通過し、アニーリング工程Pd12が完了する。その後、前記第1のディスク基板12は、冷却工程Pd13において歩進コンベヤ37によって冷却ゾーンZ2を搬送される間に冷却部材としての図示されない送風ファンによって冷却される。なお、該送風ファンによる強制冷却だけでなく、自然冷却を利用することもできる。
【0036】
また、アニーリング工程Pd12が開始されてから、所定の時間、例えば、20分が経過したときに、前記熱処理手段によるアニーリング工程Pd12を完了し、冷却工程Pd13を開始し、赤外線ヒータの通電を停止させ、送風ファンの作動を継続することによって、第1のディスク基板12を冷却することもできる。
【0037】
このようにして、第1のディスク基板12は、冷却工程Pd13において冷却された後、ストック工程Pd14においてダミー基板22として第1のストック装置45に送られ、該第1のストック装置45において蓄えられる。そのために、該第1のストック装置45は、各コンベヤ38、39に対応させて一対の回転支持装置46、47、及び各コンベヤ38、39から第1のディスク基板12を受け取り、各回転支持装置46、47に受け渡すための反転機構48を備える。また、前記各回転支持装置46、47は、いずれも、円周方向における6箇所に、複数の支持具としてのストッカ49を備え、各ストッカ49において、各第1のディスク基板12は図示されないスペーサ等を介して積層される。
【0038】
一方、情報基板23を製造するに当たり、基板成形工程Pi11において、前記第2の射出成形機によって情報基板23の原材となる第2のディスク基板15が成形され、該第2のディスク基板15の一方の面が情報面にされ、細かいトラックピッチで前記グルーブが形成される。前記第2の射出成形機から取り出された第2のディスク基板15は、冷却工程Pi12において冷却された後、ダイコート工程Pi13において第1の表面処理装置としての図示されない塗布装置によって、第1の表面処理が行われ、記録用の色素が塗布され、記録層16が形成される。続いて、第2のディスク基板15は、乾燥工程Pi14において乾燥させられた後、反射膜スパッタ工程Pi15において、第2の表面処理装置としての図示されないスパッタリング装置によって、第2の表面処理が行われ、第2のディスク基板15に対してスパッタリングが行われ、反射膜としての金属膜が被覆され、反射層17が形成される。
【0039】
なお、前記乾燥工程Pi14において第2のディスク基板15を乾燥させるために、図示されない乾燥炉が配設され、該乾燥炉に加熱部材としてのヒータ、加熱された空気を循環させるための送風ファン等が配設される。
【0040】
次に、第2のディスク基板15は、ストック工程Pi16において図示されない第2のストック装置に送られ、該第2のストック装置内において情報基板23として蓄えられる。
【0041】
続いて、前記第1のストック装置45からダミー基板22が、第2のストック装置から情報基板23が取り出され、図示されない貼合装置によって貼合工程Pc11においてダミー基板22と情報基板23とが、情報面をダミー基板22側に向けて接着剤によって貼り合わせられ、ダミー基板22と情報基板23との間に接着層14が形成される。その後、UVコート工程Pc12において、前記ダミー基板22の表面を保護するために、紫外線硬化樹脂から成る保護層としてのUVコート層18が被覆される。このようにして、光ディスク11が製造される。
【0042】
このように、第1のディスク基板12に対してアニーリング処理が行われるので、内部残留応力を小さくした後にダミー基板22と情報基板23とが貼り合わせられることになる。したがって、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になることがなく、経時的に光ディスク11に反りが発生することがないので、光ディスク11の歩留りを良くすることができる。
【0043】
例えば、図6に示されるように、第1のディスク基板12を成形した後、1分以内にアニーリング処理が行われた場合、第1のディスク基板12を成形した後、10分間放置した後に冷却した場合、及び第1のディスク基板12を成形した後、そのまま冷却した場合について、光ディスク11に発生した反りの量、すなわち、反り量をそれぞれ比較すると、第1のディスク基板12を成形した後、1分以内にアニーリング処理が行われた場合、反り量が少ないことが分かる。
【0044】
また、第1のストック装置45内には、一つの第1の射出成形機31から取り出されたダミー基板22が蓄えられることになる。したがって、アニーリング処理が行われた後に存在する内部残留応力にばらつきが生じることがなくなるので、ダミー基板22と情報基板23とを貼り合わせたときに、貼合せの状態を安定させることができるだけでなく、経時的に光ディスク11に反りが発生することが一層なくなる。
【0045】
なお、複数の第1の射出成形機において、それぞれ異なる金型装置を使用し、異なる成形条件に従って第1のディスク基板12を成形する場合には、各第1の射出成形機から取り出された第1のディスク基板12の内部残留応力が等しくなるように、アニーリング処理が行われるアニール温度及び時間のアニーリング条件を異ならせる。
【0046】
ところで、第1の射出成形機31から取り出された直後の第1のディスク基板12の温度は、120〔℃〕程度である。したがって、基板成形工程Pd11の直後にアニーリング工程Pd12が設けられるようになっているので、アニーリング処理を行うに当たり、第1のディスク基板12の温度を室温からアニール温度にする必要がない。その結果、アニーリング工程Pd12において使用されるエネルギーを少なくすることができる。
【0047】
しかも、アニーリング処理を行う際に、第1のディスク基板12を予熱する必要がないので、アニーリング処理の時間をその分短くすることができる。また、多くの第1のディスク基板12をアニーリング炉41内に収容しておく必要がないので、アニーリング炉41を小型化することができる。
【0048】
本実施の形態においては、光ディスク11としてDVD−Rを製造する場合について説明したが、DVD−Video、DVD−RW、DVD−RAM等を製造する場合、冷却工程Pi12が完了した後、ダイコート工程Pi13において記録層16が形成されるようになっているが、前記ダイコート工程Pi13に代えて複数のスパッタ工程を設定し、該各スパッタ工程において、例えば、多層の金属膜(アモルファスの膜)等から成る各種の相変化層を記録層として形成することもできる。その場合、各スパッタ工程が完了した後、乾燥工程Pi14及び反射膜スパッタ工程Pi15が行われる。
【0049】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ディスク製造方法においては、情報面を備えない第1のディスク基板を成形し、情報面を備えた第2のディスク基板を成形し、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行い、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成し、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせる。
【0051】
この場合、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板内の内部残留応力を小さくすることができ、内部残留応力を小さくした後に第1、第2のディスク基板が貼り合わせられることになる。したがって、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になることがなく、経時的にディスク製品に反りが発生することがないので、ディスク製品の歩留りを良くすることができる。
【0052】
また、成形された直後にアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板の温度を室温からアニール温度にする必要がない。したがって、アニーリング工程において使用されるエネルギーを少なくすることができる。
【0053】
しかも、アニーリング処理を行う際に、第1のディスク基板を予熱する必要がないので、アニーリング処理の時間をその分短くすることができる。また、多くの第1のディスク基板をアニーリング炉内に収容しておく必要がないので、アニーリング炉を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるディスク製造方法の工程を示すブロック図である。
【図2】従来のディスク製造方法の製造工程を示すブロック図である。
【図3】従来のディスク製造方法におけるダミー基板の製造工程を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における光ディスクの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるディスク製造装置の要部を示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態における光ディスクの特性図である。
【符号の説明】
11 光ディスク
12、15 第1、第2のディスク基板
16 記録層
17 反射層
31 第1の射出成形機
41 アニーリング炉
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク製造方法及びディスク製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ディスク製品、例えば、DVD−Video、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等のDVDの光ディスクにおいては、それぞれ成形された二つの基板を貼(は)り合わせることによって製造されるようになっている。そして、記録容量によって、二つの基板のいずれにも情報が記録される光ディスク、一つの基板にだけ情報が記録される光ディスク等が提供されている。
【0003】
そのうち、一つの基板にだけ情報が記録される光ディスクにおいては、二つの基板のうちの情報が記録される基板、すなわち、情報基板、及び情報が記録されない基板、すなわち、ダミー基板が別々の製造工程で形成された後、情報基板とダミー基板とが貼り合わせられるようになっている。
【0004】
図2は従来のディスク製造方法の製造工程を示すブロック図である。
【0005】
ダミー基板を製造するに当たり、基板成形工程Pd1において、図示されない射出成形機によってダミー基板の原材となる第1のディスク基板が成形され、射出成形機から取り出された第1のディスク基板は、冷却工程Pd2において冷却された後、ストック工程Pd3において図示されない第1のストック装置に送られ、該第1のストック装置内においてダミー基板として蓄えられる。
【0006】
一方、情報基板を製造するに当たり、基板成形工程Pi1において、図示されない他の射出成形機によって情報基板の原材となる第2のディスク基板が成形され、該第2のディスク基板の一方の面が情報面にされ、該情報面に細かいトラックピッチで微細なグルーブ(溝)が形成される。前記射出成形機から取り出された第2のディスク基板は、冷却工程Pi2において冷却された後、ダイコート工程Pi3において記録用の色素(ダイ)が塗布され、記録層が形成される。続いて、第2のディスク基板は、乾燥工程Pi4において乾燥させられた後、反射膜スパッタ工程Pi5において、第2のディスク基板に対してスパッタリングが行われ、反射膜としての金属膜が被覆され、反射層が形成される。
【0007】
次に、第2のディスク基板は、ストック工程Pi6において図示されない第2のストック装置に送られ、該第2のストック装置内において情報基板として蓄えられる。
【0008】
続いて、前記第1のストック装置からダミー基板が、第2のストック装置から情報基板が取り出され、貼(はり)合工程Pc1においてダミー基板と情報基板とが、情報面をダミー基板側に向けて接着剤によって貼り合わせられた後、UVコート工程Pc2において、前記ダミー基板の表面を保護するために、紫外線硬化樹脂から成るUVコート層が被覆される。このようにして、光ディスクが製造される。
【0009】
ところが、前記情報基板においては、第2のディスク基板が成形され、冷却された後、乾燥工程Pi4において乾燥させられるようになっているだけでなく、反射膜スパッタ工程Pi5は真空チャンバ内で行われ真空脱気されているので、内部に残留する応力、すなわち、内部残留応力が小さくなるのに対して、ダミー基板においては、第1のディスク基板が成形され、冷却された後、そのまま第1のストック装置内に蓄えられるようになっているので、内部残留応力が比較的大きい。したがって、前記情報基板とダミー基板とを貼り合わせると、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になるだけでなく、経時的に光ディスクに反りが発生してしまう。
【0010】
ところで、従来、CD−ROM等の光ディスクにおいて、射出成形を行うことによって発生した分子配設向歪(ひず)みが残留していると複屈折が大きくなるので、ダミー基板に対してアニーリング処理が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
そこで、該アニーリング処理をDVDの光ディスクに適用し、ダミー基板に対してアニーリング処理を施すことによって、内部残留応力を小さくした後、ダミー基板と情報基板とを貼り合わせるようにしたディスク製造方法が考えられる。
【0012】
図3は従来のディスク製造方法におけるダミー基板の製造工程を示すブロック図である。
【0013】
この場合、ダミー基板を製造するに当たり、基板成形工程Pd1において、図示されない複数の射出成形機によって第1のディスク基板が成形され、前記各射出成形機から取り出された第1のディスク基板は、それぞれ冷却工程Pd2において冷却される。続いて、ストック工程Pd3において図示されない各第1のストック装置に送られ、該第1のストック装置内においてダミー基板として蓄えられた後、アニーリング工程Pd4において図示されないアニーリング炉に送られ、該アニーリング炉内においてダミー基板が加熱され、ダミー基板に対してアニーリング処理が行われる。
【0014】
このようにして、内部残留応力が小さくなったダミー基板と別の製造工程で製造された情報基板とが貼合工程Pc1で貼り合わせられる。
【0015】
【特許文献1】
特開平10−11815号公報
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のディスク製造方法において、各第1のディスク基板は、それぞれ別々の射出成形機において、異なる金型装置を使用し、異なる成形条件に従って成形されるので、互いに内部残留応力が異なるにもかかわらず、いずれのダミー基板も一つのアニーリング炉に供給され、同じアニール温度で、同じ処理時間だけ加熱され、同じアニーリング条件でアニーリング処理が行われてしまう。
【0017】
したがって、アニーリング処理が行われた後に存在する内部残留応力にばらつきが生じるので、ダミー基板と情報基板とを貼り合わせたときに、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になったり、経時的に光ディスクに反りが発生したりしてしまう。その結果、光ディスクの歩留りを悪くしてしまう。
【0018】
また、ストック工程Pd3の後にアニーリング工程Pd4が設けられ、アニーリング処理においてダミー基板を室温から所定のアニール温度にするようになっているので、アニーリング工程Pd4において使用されるエネルギーが多くなってしまう。
【0019】
しかも、アニーリング処理を行う際に、ダミー基板を急激に加熱すると、ダミー基板の品質が低下してしまう。そこで、ダミー基板を予熱した後、所定のアニール温度に加熱するようにしているが、その分、多くのダミー基板をアニーリング炉内に収容しておく必要がある。したがって、アニーリング炉が大型化してしまう。
【0020】
本発明は、前記従来のディスク製造方法の問題点を解決して、ディスク製品の歩留りを良くすることができ、アニーリング工程において使用されるエネルギーを少なくすることができ、アニーリング炉を小型化することができるディスク製造方法及びディスク製造装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のディスク製造方法においては、情報面を備えない第1のディスク基板を成形し、情報面を備えた第2のディスク基板を成形し、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行い、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成し、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせる。
【0022】
本発明の他のディスク製造方法においては、さらに、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板は、冷却された後、ストック装置に蓄えられる。
【0023】
本発明の更に他のディスク製造方法においては、さらに、成形された第2のディスク基板は、記録用の色素が塗布されて記録層が形成された後、乾燥させられる。
【0024】
本発明のディスク製造装置においては、情報面を備えない第1のディスク基板を成形する第1の成形機と、情報面を備えた第2のディスク基板を成形する第2の成形機と、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行う熱処理装置と、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成する表面処理装置と、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせる貼合装置とを有する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この場合、ディスク製品として光ディスク、すなわち、DVD−Rについて説明するが、DVD−Video、DVD−RW、DVD−RAM等の光ディスクに適用することもできる。
【0026】
図4は本発明の実施の形態における光ディスクの断面図である。
【0027】
図4において、11は、DVD−R等のDVDの光ディスクであり、該光ディスク11は、第1の基板としてのダミー基板22と、該ダミー基板22とは別の製造工程で製造された第2の基板としての情報基板23とを接着剤によって貼り合わせることにより製造され、ダミー基板22と情報基板23との間に接着剤から成る接着層14が形成される。前記ダミー基板22には、情報が記録されず、第1の射出成形機においてダミー基板22の原材となる第1のディスク基板12を成形する際に、前記情報基板23と対向する側の面に凹凸は形成されない。一方、前記情報基板23には、情報が記録されるようになっていて、DVD−Rの場合、第2の射出成形機において情報基板23の原材となる第2のディスク基板15を成形する際に、ダミー基板22と対向する側の面が情報面にされ、該情報面に、0.74〔μm〕の細かいトラックピッチで、0.4〔μm〕で深さが100〜200〔nm〕の微細なグルーブ(溝)が形成されるようになっている。なお、第1、第2の射出成形機によって第1、第2の成形機が構成される。また、前記第1、第2の射出成形機は、いずれも、2個取りの射出成形機であり、1回の成形サイクルで第1、第2のディスク基板12、15がそれぞれ2個ずつ成形される。
【0028】
そして、16は、前記情報面に記録用の色素を塗布することによって形成された記録層、17は該記録層16上にスパッタリングを行うことによって形成された反射膜としての金属膜から成る反射層、18は、ダミー基板22の表面を保護するために保護層として形成された、紫外線硬化樹脂から成るUVコート層である。
【0029】
次に、前記構成の光ディスク11を製造するためのディスク製造方法及びディク製造装置について説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の形態におけるディスク製造方法の工程を示すブロック図、図5は本発明の実施の形態におけるディスク製造装置の要部を示す概略図、図6は本発明の実施の形態における光ディスクの特性図である。
【0031】
ダミー基板22(図4)を製造するに当たり、基板成形工程Pd11において、第1の射出成形機31によってダミー基板22の原材となる第1のディスク基板12が成形され、取出機32によって第1の射出成形機31から取り出された直後の第1のディスク基板12に対して、アニーリング工程Pd12が開始され、アニーリング処理が行われる。
【0032】
そのために、第1のディスク基板12は、一対ずつ取出機32によって取り出された後、移載アーム33に受け取られる。続いて、各第1のディスク基板12は、前記移載アーム33によって保持されたまま、矢印A方向に搬送され、基板移載装置34に送られる。該基板移載装置34は、一対の反転機構35、36を備え、移載アーム33から第1のディスク基板12を受け取り、前記反転機構35、36によって180〔°〕向きを変えた後、搬送装置としての歩進コンベヤ37上に置く。
【0033】
該歩進コンベヤ37は、互いに並行に配設され、図示されない駆動部を駆動することによって走行させられる二つのコンベヤ38、39を備え、各コンベヤ38、39には、長手方向に、複数の図示されない支持具が所定のピッチで形成される。そして、前記各第1のディスク基板12は、前記各コンベヤ38、39を走行させるのに伴って、前記支持具によって支持された状態で搬送され、熱処理装置としてのアニーリング炉41に送られ、該アニーリング炉41内において所定のアニール温度(本実施の形態においては、130〔℃〕)で所定の時間、本実施の形態においては、3分間程度加熱される。そのために、アニーリング炉41は、筐(きょう)体42、該筐体42内に配設された加熱部材としての図示されない赤外線ヒータ、筐体42内の空気を循環させるための循環装置としての図示されない送風ファン、アニーリング処理が行われる温度及び時間を設定するための図示されない設定器等を備える。そして、図示されない制御部の熱処理手段は、熱処理を行い、アニーリング工程Pd12を開始し、前記赤外線ヒータを通電するとともに、送風ファンを作動させ、筐体42内の所定の箇所に配設された温度検出部としての図示されない温度センサによって検出された温度を読み込み、前記アニール温度と設定値(本実施の形態においては、130〔℃〕)との偏差が零(0)になるように、赤外線ヒータの通電を制御する。なお、前記設定値は、製造された情報基板23に発生した反り等の評価結果に基づいて調整される。また、アニーリング処理を行う時間は、歩進コンベヤ37の走行速度及びアニーリング炉41の炉長に対応させて決定される。
【0034】
このように、前記アニーリング炉41内のアニーリングゾーンZ1を搬送される間に第1のディスク基板12に対してアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板12の全体の温度を均一化することができるだけでなく、第1のディスク基板12内の内部残留応力を小さくすることができる。
【0035】
そして、第1のディスク基板12がアニーリング炉41に送られ、アニーリング工程Pd12が開始されてから、前記所定の時間が経過すると、各第1のディスク基板12がアニーリング炉41を通過し、アニーリング工程Pd12が完了する。その後、前記第1のディスク基板12は、冷却工程Pd13において歩進コンベヤ37によって冷却ゾーンZ2を搬送される間に冷却部材としての図示されない送風ファンによって冷却される。なお、該送風ファンによる強制冷却だけでなく、自然冷却を利用することもできる。
【0036】
また、アニーリング工程Pd12が開始されてから、所定の時間、例えば、20分が経過したときに、前記熱処理手段によるアニーリング工程Pd12を完了し、冷却工程Pd13を開始し、赤外線ヒータの通電を停止させ、送風ファンの作動を継続することによって、第1のディスク基板12を冷却することもできる。
【0037】
このようにして、第1のディスク基板12は、冷却工程Pd13において冷却された後、ストック工程Pd14においてダミー基板22として第1のストック装置45に送られ、該第1のストック装置45において蓄えられる。そのために、該第1のストック装置45は、各コンベヤ38、39に対応させて一対の回転支持装置46、47、及び各コンベヤ38、39から第1のディスク基板12を受け取り、各回転支持装置46、47に受け渡すための反転機構48を備える。また、前記各回転支持装置46、47は、いずれも、円周方向における6箇所に、複数の支持具としてのストッカ49を備え、各ストッカ49において、各第1のディスク基板12は図示されないスペーサ等を介して積層される。
【0038】
一方、情報基板23を製造するに当たり、基板成形工程Pi11において、前記第2の射出成形機によって情報基板23の原材となる第2のディスク基板15が成形され、該第2のディスク基板15の一方の面が情報面にされ、細かいトラックピッチで前記グルーブが形成される。前記第2の射出成形機から取り出された第2のディスク基板15は、冷却工程Pi12において冷却された後、ダイコート工程Pi13において第1の表面処理装置としての図示されない塗布装置によって、第1の表面処理が行われ、記録用の色素が塗布され、記録層16が形成される。続いて、第2のディスク基板15は、乾燥工程Pi14において乾燥させられた後、反射膜スパッタ工程Pi15において、第2の表面処理装置としての図示されないスパッタリング装置によって、第2の表面処理が行われ、第2のディスク基板15に対してスパッタリングが行われ、反射膜としての金属膜が被覆され、反射層17が形成される。
【0039】
なお、前記乾燥工程Pi14において第2のディスク基板15を乾燥させるために、図示されない乾燥炉が配設され、該乾燥炉に加熱部材としてのヒータ、加熱された空気を循環させるための送風ファン等が配設される。
【0040】
次に、第2のディスク基板15は、ストック工程Pi16において図示されない第2のストック装置に送られ、該第2のストック装置内において情報基板23として蓄えられる。
【0041】
続いて、前記第1のストック装置45からダミー基板22が、第2のストック装置から情報基板23が取り出され、図示されない貼合装置によって貼合工程Pc11においてダミー基板22と情報基板23とが、情報面をダミー基板22側に向けて接着剤によって貼り合わせられ、ダミー基板22と情報基板23との間に接着層14が形成される。その後、UVコート工程Pc12において、前記ダミー基板22の表面を保護するために、紫外線硬化樹脂から成る保護層としてのUVコート層18が被覆される。このようにして、光ディスク11が製造される。
【0042】
このように、第1のディスク基板12に対してアニーリング処理が行われるので、内部残留応力を小さくした後にダミー基板22と情報基板23とが貼り合わせられることになる。したがって、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になることがなく、経時的に光ディスク11に反りが発生することがないので、光ディスク11の歩留りを良くすることができる。
【0043】
例えば、図6に示されるように、第1のディスク基板12を成形した後、1分以内にアニーリング処理が行われた場合、第1のディスク基板12を成形した後、10分間放置した後に冷却した場合、及び第1のディスク基板12を成形した後、そのまま冷却した場合について、光ディスク11に発生した反りの量、すなわち、反り量をそれぞれ比較すると、第1のディスク基板12を成形した後、1分以内にアニーリング処理が行われた場合、反り量が少ないことが分かる。
【0044】
また、第1のストック装置45内には、一つの第1の射出成形機31から取り出されたダミー基板22が蓄えられることになる。したがって、アニーリング処理が行われた後に存在する内部残留応力にばらつきが生じることがなくなるので、ダミー基板22と情報基板23とを貼り合わせたときに、貼合せの状態を安定させることができるだけでなく、経時的に光ディスク11に反りが発生することが一層なくなる。
【0045】
なお、複数の第1の射出成形機において、それぞれ異なる金型装置を使用し、異なる成形条件に従って第1のディスク基板12を成形する場合には、各第1の射出成形機から取り出された第1のディスク基板12の内部残留応力が等しくなるように、アニーリング処理が行われるアニール温度及び時間のアニーリング条件を異ならせる。
【0046】
ところで、第1の射出成形機31から取り出された直後の第1のディスク基板12の温度は、120〔℃〕程度である。したがって、基板成形工程Pd11の直後にアニーリング工程Pd12が設けられるようになっているので、アニーリング処理を行うに当たり、第1のディスク基板12の温度を室温からアニール温度にする必要がない。その結果、アニーリング工程Pd12において使用されるエネルギーを少なくすることができる。
【0047】
しかも、アニーリング処理を行う際に、第1のディスク基板12を予熱する必要がないので、アニーリング処理の時間をその分短くすることができる。また、多くの第1のディスク基板12をアニーリング炉41内に収容しておく必要がないので、アニーリング炉41を小型化することができる。
【0048】
本実施の形態においては、光ディスク11としてDVD−Rを製造する場合について説明したが、DVD−Video、DVD−RW、DVD−RAM等を製造する場合、冷却工程Pi12が完了した後、ダイコート工程Pi13において記録層16が形成されるようになっているが、前記ダイコート工程Pi13に代えて複数のスパッタ工程を設定し、該各スパッタ工程において、例えば、多層の金属膜(アモルファスの膜)等から成る各種の相変化層を記録層として形成することもできる。その場合、各スパッタ工程が完了した後、乾燥工程Pi14及び反射膜スパッタ工程Pi15が行われる。
【0049】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0050】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、ディスク製造方法においては、情報面を備えない第1のディスク基板を成形し、情報面を備えた第2のディスク基板を成形し、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行い、成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成し、前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせる。
【0051】
この場合、成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板内の内部残留応力を小さくすることができ、内部残留応力を小さくした後に第1、第2のディスク基板が貼り合わせられることになる。したがって、内部残留応力の差によって貼合せの状態が不安定になることがなく、経時的にディスク製品に反りが発生することがないので、ディスク製品の歩留りを良くすることができる。
【0052】
また、成形された直後にアニーリング処理が行われるので、第1のディスク基板の温度を室温からアニール温度にする必要がない。したがって、アニーリング工程において使用されるエネルギーを少なくすることができる。
【0053】
しかも、アニーリング処理を行う際に、第1のディスク基板を予熱する必要がないので、アニーリング処理の時間をその分短くすることができる。また、多くの第1のディスク基板をアニーリング炉内に収容しておく必要がないので、アニーリング炉を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるディスク製造方法の工程を示すブロック図である。
【図2】従来のディスク製造方法の製造工程を示すブロック図である。
【図3】従来のディスク製造方法におけるダミー基板の製造工程を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態における光ディスクの断面図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるディスク製造装置の要部を示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態における光ディスクの特性図である。
【符号の説明】
11 光ディスク
12、15 第1、第2のディスク基板
16 記録層
17 反射層
31 第1の射出成形機
41 アニーリング炉
Claims (4)
- (a)情報面を備えない第1のディスク基板を成形し、
(b)情報面を備えた第2のディスク基板を成形し、
(c)成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行い、
(d)成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成し、
(e)前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせることを特徴とするディスク製造方法。 - 前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板は、冷却された後、ストック装置に蓄えられる請求項1に記載のディスク製造方法。
- 成形された第2のディスク基板は、記録用の色素が塗布されて記録層が形成された後、乾燥させられる請求項1に記載のディスク製造方法。
- (a)情報面を備えない第1のディスク基板を成形する第1の成形機と、
(b)情報面を備えた第2のディスク基板を成形する第2の成形機と、
(c)成形された直後の第1のディスク基板に対してアニーリング処理を行う熱処理装置と、
(d)成形された第2のディスク基板に記録層及び反射層を形成する表面処理装置と、
(e)前記アニーリング処理が行われた第1のディスク基板と、記録層及び反射層が形成された第2のディスク基板とを貼り合わせる貼合装置とを有することを特徴とするディスク製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131724A JP2004335014A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | ディスク製造方法及びディスク製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131724A JP2004335014A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | ディスク製造方法及びディスク製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004335014A true JP2004335014A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33506827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003131724A Withdrawn JP2004335014A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | ディスク製造方法及びディスク製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004335014A (ja) |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131724A patent/JP2004335014A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6416609B1 (en) | Process and apparatus of producing optical disk and process of producing substrate | |
JP2004335014A (ja) | ディスク製造方法及びディスク製造装置 | |
JP2002358695A (ja) | ディスク基板の処理方法及び装置 | |
JP3676624B2 (ja) | 光ディスクの製造方法及び製造装置並びに基板の製造方法 | |
JP2778939B2 (ja) | 多層光記録媒体の製造方法及びその装置 | |
JP3662531B2 (ja) | 光ディスクの製造方法および装置 | |
JPH08212600A (ja) | 光学的ディスク製品の製造方法 | |
JP2009093757A (ja) | 厚膜製造装置及び厚膜製造方法 | |
US20090294073A1 (en) | Substrate processing apparatus | |
WO2006054782A1 (ja) | 光ディスクの製造方法および光ディスク | |
JP3555919B2 (ja) | 光ディスクの製造方法 | |
JP3969720B2 (ja) | ディスク基板の貼り合わせ装置 | |
JP3709388B2 (ja) | ディスク製造システム | |
JPH11345435A (ja) | 光ディスク基板の搬送方法および搬送装置 | |
JP2003291211A (ja) | エンボス加工装置とその製品 | |
JPH1177778A (ja) | ディスク基板の変形低減方法 | |
JP2004335015A (ja) | ディスク製造方法 | |
JP2002197735A (ja) | 光ディスクの製造装置 | |
JP2001205585A (ja) | ディスク搬送装置 | |
JP2004303323A (ja) | 貼合装置及び貼合方法 | |
JP2779570B2 (ja) | ディスク検査方法およびディスク製造装置 | |
JP2001216692A (ja) | ディスク貼り合わせ装置 | |
JP2002245689A (ja) | 相変化型情報記録媒体とその製造方法 | |
JP2002337227A (ja) | 薄肉光ディスク熱転写用金型 | |
JPH10312590A (ja) | 光ディスクの製造装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060801 |