JP2004334589A - 入館管理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】人による本人確認を支援する入館管理装置を提供する。
【解決手段】カード読取装置3は、来館者にあらかじめ供与され固有の来館識別情報が登録された入館登録カード1から来館識別情報を読み取る。カード読取装置3により読み取った来館識別情報は照合手段5により所有者データベース4と照合され、所有者データベース4に一致する来館識別情報が登録されているときには、所有者データベース4から来館識別情報に対応する所有者の顔写真画像を含む所有者データが読み出され、ディスプレイ装置6に顔写真画像が表示される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビルなどの施設において許可されていない不審者が入館するのを防止するために来館者の確認を支援する入館管理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、本人を認証する技術として、指紋、声紋、網膜紋、顔面特徴などのいわゆるバイオメトリック情報を利用する技術が知られている。バイオメトリック情報を本人認証に用いるには、認証の対象者のバイオメトリック情報を適宜のセンサによって読み取り、あらかじめ登録されているバイオメトリック情報と照合することが考えられている。しかしながら、バイオメトリック情報を読み取るためのセンサは高価である上に読取性能にばらつきが大きいという問題を有している。
【0003】
この種の問題を解決するために、バイオメトリック情報をICカードのような記憶媒体に記憶させておき、記憶媒体から読み取ったバイオメトリック情報をあらかじめ記憶したバイオメトリック情報と照合することにより、記憶媒体の所有者を本人として認証する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2003−30028号公報(第0019−0022段落、図1−3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載の技術では、記憶媒体に記憶させた情報とあらかじめ記憶した情報とを照合することによって本人認証を行うものであって、バイオメトリック情報を読み取るセンサを用いる必要がないものの、記憶媒体の所有者を本人として認証するから、記憶媒体を本人以外が使用する危険性を回避することはできない。この種の問題を回避するには、本人確認を人が行えばよいが、多数人の顔を覚えることは難しいものである。
【0006】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、人による本人確認を支援する入館管理装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、あらかじめ供与され固有の来館識別情報が登録された入館登録カードと、入館登録カードから来館識別情報を読み取るカード読取装置と、入館登録カードの所有者の来館識別情報と所有者の顔写真画像を含む所有者データとを対応付けて登録してある所有者データベースと、カード読取装置が入館登録カードから読み取った来館識別情報を所有者データベースと照合し一致する来館識別情報が登録されているときに所有者データを出力する照合手段と、照合手段から出力された所有者データを顔写真画像を含めて画面表示するディスプレイ装置とを備えることを特徴とする。この発明によれば、来館者の所有する入館登録カードから読み取った来館識別情報を所有者データベースに照合することによって、所有者データベースから顔写真画像を含む所有者データをディスプレイ装置に画面表示するから、来館者の顔写真画像と来館者の顔とを人が比較することによって来館者を容易に確認することができ、本人確認を支援することが可能になる。つまり、本人確認を行う人が対象者の顔を覚えておく必要がなく、しかもバイオメトリック情報を読み取るセンサを用いる場合よりも本人確認の確実性が増すことになる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、固有の入館識別情報が登録されるとともに入館登録カードの照合によって入館が許可された来館者に対して入館時に貸与される館内カードと、館内カードを貸与した来館者の所有する入館登録カードの来館識別情報に前記カード読取装置が館内カードから読み取った入館識別情報を対応付ける入館処理手段と、館内カードの貸出から返却までの期間において入館処理手段が対応付けた来館識別情報と入館識別情報とを一時的に記憶する在館記憶手段とを備えることを特徴とする。この発明によれば、本人確認ができた来館者に対して館内カードを貸与するから、館内の設備を館内カードによってのみ使用可能としておくことによって、偽造カードによる館内設備の使用が防止される。しかも、館内カードは返却されるまで来館者に対応付けられているから、館内カードが館外に持ち出されないようにすることができる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記在館記憶手段には、1個の来館識別情報に複数枚の館内カードの入館識別情報を対応付けて記憶可能であることを特徴とする。この発明によれば、来館者に複数人の随伴者がある場合でも各人に館内カードを貸与することが可能になる。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3の発明において、来館者の退館時に前記カード読取装置が館内カードから読み取った入館識別情報を前記在館記憶手段と照合し一致する入館識別情報が登録されているときに在館記憶手段から当該入館識別情報および対応する来館識別情報を削除する退館処理手段を備えることを特徴とする。この発明によれば、入館時に貸し出した館内カードが退館時に返却されると在館記憶手段から所要の情報を削除し、当該館内カードを別の来館者が使用できるようになるから、館内カードの返却処理を自動化することができる。
【0011】
請求項5の発明は、請求項2または請求項3の発明において、来館者の入館時に前記カード読取装置が入館登録カードから読み取った来館識別情報を前記在館記憶手段と照合し一致する来館識別情報が登録されているときに警告報知を行う報知手段を備えることを特徴とする。この発明によれば、すでに入館している来館者の入館登録カードと同じ来館識別情報を持つ入館登録カードが不正に使用されるのを防止することができる。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2または請求項3の発明において、来館者の退館時に前記カード読取装置が館内カードから読み取った入館識別情報を前記在館記憶手段と照合し一致する入館識別情報が登録されていないときに警告報知を行う報知手段を備えることを特徴とする。この発明によれば、退館時に返却される館内カードが、入館時に在館記憶手段に登録された館内カードか否かを判別することができるから、正規の館内カードが館外に持ち出されるのを防止することができる。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項6の発明において、来館者の入館時および退館時に前記カード読取装置が読取動作を行った時刻を来館者に対応付けて格納する履歴記録手段を備えることを特徴とする。この発明によれば、カード読取装置が入館登録カードを読み取った時刻やカード読取装置が館内カードを読み取った時刻が来館者に対応付けて記憶されるから、来館者の出入りの時刻を履歴として残すことができ、後日に来館者の行動を分析することが可能になり、たとえば入館から退館までの時間によって不審な行動がないか否かを判断することが可能になる。
【0014】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項7の発明において、前記所有者データベースが、前記所有者データとして複数の来館識別情報に共通に設定可能なグループ情報を含むことを特徴とする。この発明によれば、来館識別情報を会社別などにグループ化することによって来館識別情報の管理が容易になる。
【0015】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項8の発明において、前記カード読取装置は非接触式であることを特徴とする。この発明によれば、入館登録カードや館内カードがカード読取装置に接触しないから、カードの損耗が少なくなる。
【0016】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項9の発明において、前記所有者データベースに登録する所有者データが、入館許可を与える所有者について文字で記入された個人情報および顔写真を読み込むスキャナと、スキャナで読み込んだ個人情報をテキストデータに変換するとともに顔写真を顔写真画像として電子データに変換する電子データ化手段とを用いて作成されることを特徴とする。この発明によれば、入館登録カードの発行を希望する者は個人情報を記入するとともに顔写真を貼付した入館登録申込書を用意し、入館登録申込書をスキャナで読み込むことによって、顔写真画像の電子データと、個人情報のテキストデータとが得られ、入館登録カードの発行に際して所有者データベースに登録するデータの作成を支援することになり、入館登録カードの発行処理の一部を自動化することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本実施形態では、ビルへの来館者が入館する際に通過する場所において人である入館管理者が来館者を確認する場合を想定して説明する。本発明における入館管理装置は、入館管理者による来館者の確認を支援する装置であって、具体的には、来館者が所有する入館登録カードをあらかじめ登録してある顔写真画像と照合し、顔写真画像をディスプレイ装置に表示するものである。したがって、入館管理者が来館者の顔を記憶していなくとも、来館者の所有する入館登録カードによって来館者の顔写真画像をディスプレイ装置に自動的に表示させることができ、この顔写真画像と来館者の顔とを入館管理者が見比べることによって入館の可否を決定することができるようになる。
【0018】
図1に基づいて本実施形態の構成を説明する。以下に説明する入館管理装置は、基本的にはコンピュータ装置により適宜のプログラムを実行することで実現されるものであって、図1において一点鎖線で囲んだ部分がコンピュータ装置に相当する。コンピュータ装置には、図示しないキーボードのような入力装置が設けられ、また後述する各種記憶はハードディスクおよびメモリを用いて実現される。図1に示す入館登録カード1は、後述する入館登録の申込を行うことによって発行され、入館を許可する人にのみあらかじめ供与される。入館登録カード1および後述する館内カード2には、磁気カードやICカードのような記録媒体を備えるカードを用いる。ただし、本実施形態では、入館登録カード1および館内カード2には非接触で読み書きが可能なICカードを用いる。
【0019】
入館登録カード1には、固有の来館識別情報が登録される。来館識別情報は来館者カード1ごとに異なっていればよく、特定の意味を持たない文字列のデータを用いたり、指紋などのバイオメトリック情報を電子化したデータを用いたりすることができる。ただし、入館登録カード1の来館識別情報は暗号化技術などを用いて他人が読み出せないようにしておく。入館登録カード1に格納された来館識別情報は、ビルに入館しようとする来館者が通過する場所に設置されるカード読取装置3に入館登録カード1を近接させることによって読み出される。
【0020】
入館管理装置には、既発行である入館登録カード1の来館識別情報に、入館登録カード1を供与する各個人の個人情報である所有者データを対応付けて登録した所有者データベース4が設けられている。所有者データベース4に格納される所有者データは、入館登録カード1の所有者の氏名、所属企業、顔写真画像を含んでいる。所属企業はグループ情報として用いることができ、来館識別情報を所属企業別などに分類することによって来館識別情報の管理が容易になる。カード読取装置3により入館登録カード1から読み取られた来館識別情報は、照合手段5によって所有者データベース4と照合される。照合手段5では、入館登録カード1から読み取った来館識別情報に一致する来館識別情報が所有者データベース4に登録されているときには、当該来館識別情報に対応した所有者データを所有者データベース4から読み出すとともに、読み出した所有者データをディスプレイ装置6に画面表示する。所有者データには顔写真画像が含まれているから、ディスプレイ装置6には顔写真画像も表示される。
【0021】
すなわち、ビルへの入館を希望する来館者が、所有している入館登録カード1をカード読取装置3に読み取らせると、入館登録カード1が正規に発行されたものであるときには、ディスプレイ装置6に顔写真画像が自動的に表示される。入館管理者は、ディスプレイ装置6に表示された顔写真画像と来館者の顔とを見比べることによって、来館者が正規の入館登録カード1の所有者か否かを確認することができる。ここで、顔写真画像はディスプレイ装置6の画面上に比較的大きく表示され、来館者の顔との比較が容易になるようにしてある。正規の入館登録カード1の所有者であれば入館管理者は来館者に対して館内カード2を貸与する。また、入館登録カード1が所有者と異なっていれば顔写真画像が来館者の顔と一致しないから、入館管理者は来館者の入館を拒否したり来館者に事情説明を行わせるなどの対処を行う。
【0022】
館内カード2は、館内の施設を利用するために必要なカードであって、たとえば特定の部屋への入室には館内カード2が必要になる。館内カード2にはカードごとに固有の入館識別情報が登録されており、館内カード2の貸与時に入館手続として館内カード2の入館識別情報をカード読取装置3に読み込ませる。カード読取装置3には入館処理手段7が接続されており、入館処理手段7では、ディスプレイ装置6に来館者の顔写真画像が表示されている状態において機能し、カード読取装置3が館内カード2から読み取った入館識別情報を来館者カード1の来館識別情報に対応付け、在館記憶手段8に一時的に記憶させる。すなわち、来館識別情報は照合手段5に入力されているから、来館識別情報を照合手段5から入館処理手段7に転送し、カード読取装置3から入館処理手段7に入力された入館識別情報と来館識別情報とを結合して在館記憶手段8に記憶させるのである。なお、顔写真画像をディスプレイ装置6に表示する状態は、キーボードのような入力装置を操作するか、または一定時間が経過すると解除される。
【0023】
在館記憶手段8では1個の来館識別情報に複数枚(たとえば、5枚)の館内カード2の入館識別情報を対応付けて記憶可能になっている。したがって、1人の来館者に複数人の随伴者がある場合でも各人に館内カード2を貸与することが可能になる。ところで、入館処理手段7にはカード読取装置3が入館登録カード1から読み出した来館識別情報も引き渡される。入館処理手段7では、来館識別情報を在館記憶手段8に照合し、照合した来館識別情報に一致する来館識別情報が在館記憶手段8にすでに登録されているときには、報知手段9によって警告報知を行う。報知手段9は聴覚報知を行うほか、ディスプレイ装置6の画面上に視覚報知も行うようにしてある。このように入館処理手段7が既登録の入館登録カード1を検出したときには、入館登録カード1が複製された可能性があるものとして警報報知を行うのである。なお、来館者の立ち寄り先が館内カード2を必要としない場所であれば、館内カード2を発行せずに入館させる場合もある。
【0024】
一方、来館者の退館時には、館内カード2の返却が求められる。館内カード2の返却時にも館内カード2の入館識別情報をカード読取装置3によって読み取る。退館時においてはカード読取装置3が館内カード2から読み取った入館識別情報は退館処理手段10に入力される。退館時には来館者の顔写真画像がディスプレイ装置6に表示されていないから、カード読取装置3で館内カード2から読み取った入館識別情報が自動的に退館処理手段10に引き渡される。来館者の退館時においてカード読取装置3が館内カード2から読み取った入館識別情報は在館記憶手段8に照合され、カード読取装置3で読み取った入館識別情報に一致する入館識別情報が在館記憶手段8に登録されているときには、当該入館識別情報および対応する来館識別情報を在館記憶手段8から削除する。つまり、入館処理から退館処理までの期間にのみ在館記憶手段8に入館識別情報が一時的に記憶されることになる。したがって、入館時に貸し出した館内カード2が退館時に返却されると在館記憶手段8から返却された館内カード2の入館識別情報が削除されるから、当該館内カード2を別の来館者に対して使用することが可能になる。
【0025】
来館者の退館時にカード読取装置3が館内カード2から読み取った入館識別情報を在館記憶手段8と照合したときに、一致する入館識別情報が在館記憶手段8に登録されていないときには、報知手段9によって警告報知が行われる。この警告報知により、入館時と退館時との館内カード2の不一致が検出され、仮に館内カード2が偽造された場合でも入館時と退館時との入館識別情報が不一致であることによって正規の館内カード2が館外に持ち出されるのを防止することができる。館内カード2の持ち出しをより確実に防止するには、入館識別情報を館内カード2の貸し出し毎に変化させるようにすればよい。なお、入館時に館内カード2を貸与していないときには、入館登録カード1によって退館手続を行うことができる。
【0026】
上述のように、本人確認ができた来館者に対して館内カード2を貸与し、館内カード2は返却されるまで来館者に対応付けられているから、退館時に館内カード2が返却されなければ館内カード2を持ち出した人を容易に発見することができ、結果的に館内カード2が館外に持ち出されるのを抑止する効果が得られる。しかも、退館時に返却される館内カード2が、入館時に在館記憶手段8に登録された館内カード2か否かを判別することができるから、正規の館内カード2が館外に持ち出されるのを防止することができる。したがって、館内の設備を館内カード2によってのみ使用可能としておくことによって、偽造カードによる館内設備の使用が防止される。
【0027】
ところで、入館処理手段7と退館処理手段10とは、カード読取装置3で読み取った来館者識別情報や入館識別情報を、来館者の所有者データと、時計手段12により計時されている現在日時とに対応付けて履歴記録手段11に格納する機能も備える。所有者データとしては氏名と会社名とを記録する。したがって、来館者の入館および退館の後に、来館者識別情報や入館識別情報をキーワードとして履歴記録手段11を検索することにより、氏名と会社名との履歴を確認して来館者の行動を分析することが可能になり、入館から退館までの時間によって不審な行動がなかったか否かを追跡することが可能になる。図示していないが、履歴記録手段11に格納された履歴はディスプレイ装置6に必要に応じて表示することが可能になっている。
【0028】
上述した各動作に関連してディスプレイ装置6に表示される画面について簡単に説明する。入館および退館の手続を行っていない期間には、図2に示すメイン画面が表示される。メイン画面には「履歴」「登録票表示」「データ登録」「入館処理」「退館処理」の各釦B1〜B5が設けられ、入館中の来館者を一覧表示する来館者表示欄C1が設けられる。また、ディスプレイ装置6の画面隅には時計手段12に計時されている現在日時を表示する日時表示欄C2も設けられる。来館者表示欄C1には、在館記憶手段8に記憶されている来館者について、「No」「入館時刻」「入館登録カード」「館内カード」「会社名」「氏名」の各欄が設けられる。「No」は人数と入館順序とを把握するための通し番号である。「入館登録カード」「館内カード」には、それぞれ入館登録カード1から読み取った来館識別情報と、館内カード2から読み取った入館識別情報とが表示される。
【0029】
入館登録カード1をカード読取装置3に読み取らせると、後述する入館登録申込書の画像がディスプレイ装置6の画面の略全面に表示される。つまり、顔写真画像が比較的大きく表示されるから、入館管理者は来館者の顔と見比べることによって、入館の可否を決定することができる。入館を許可する来館者に対しては館内カード2を貸与し、カード読取装置3に館内カード2を読み取らせる。この段階で、図3に示すように、「入館登録カード」「館内カード」「会社」「氏名」などのフィールドF1〜F4を備える画面が表示される。フィールドF1にはカード読取装置3が読み取った来館識別情報が表示され、フィールドF2にはカード読取装置3が読み取った入館識別情報が表示され、さらにフィールドF3,F4には所有者データベース4に来館識別情報を照合することにより得た会社名、氏名が所有者データとして表示される。また、この画面には入館登録申込書の画像を表示する登録票表示欄C3が設けられ、顔写真画像を含む入館登録申込書の画像が表示される。複数枚の館内カード2を貸与するときには、この画面を表示した状態で館内カード2をカード読取装置3に順に読み込ませることによって、フィールドF2にはすべての館内カード2の入館識別情報が入力される。その後、「閉じる」釦B6の操作(マウスなどでクリックすること)によって入館処理が完了する。履歴記録手段11にはこの時点で履歴が記録される。
【0030】
一方、来館者の退館時には図2に示すメイン画面において「退館処理」釦B5を操作し、図4に示す画面を表示させる。この画面には入館登録カード1の来館識別情報と貸出中の館内カード2の入館識別情報とを表示するフィールドF5,F6がそれぞれ設けられ、さらに入館登録カード1に対応する来館者の会社名、氏名を示すフィールドF7,F8と、入館登録申請書を表示する表示欄C4とが設けられる。フィールドF6は館内カード2の最大貸出枚数に合わせて5個設けられ、各フィールドF6には「返却」釦B7が付設される。この画面が表示された状態で、退館時にカード読取装置3に館内カード2を読み込ませると、フィールドF6に入館識別情報が表示されるから、表示欄C4の顔写真などを用いて退館する人に間違いがなければ、「返却」釦B7を操作することによって在館記憶手段8から当該館内カード2に対応する情報を削除する。
【0031】
図2のメイン画面において「履歴」釦B1を操作したときには、図5に示すように、「入館登録カード」「館内カード」「開始時刻」「終了時刻」の各フィールドF9〜F12が表示され、フィールドF11,F12に付随して「開始時刻」釦B8、「終了時刻」釦B9がそれぞれ設けられる。ここで、所望のフィールドF9〜F12に対応するデータを入力して「検索表示」釦B10を操作すれば、履歴記録手段11に記録されている履歴のうちフィールドF9〜F12に入力した検索条件に適合するものが表示欄C5に一覧表示される。なお、すべての履歴を表示する場合には「全表示」釦B11を操作する。
【0032】
ところで、本実施形態では入館登録カード1の来館識別情報に所有者データを対応付けて所有者データベース4に格納しておく必要がある。所有者データベース4に格納するデータは、スキャナ13および電子データ化手段14を用いて作成される。すなわち、入館登録カード1の発行を希望する来館者は、まず図6に示すような、来館者の個人情報(氏名、会社名、電話番号など)を記入する記入欄D1と、顔写真を貼付する写真欄D2とを備える入館登録申込書Pを提出することが要求される。入館登録申込書Pに必要事項が記入され顔写真が貼付されていれば、会社に問い合わせるなどして人物確認を行い、申請者の人物確認が完了すると、入館登録申込書Pをスキャナ13で読み込む。スキャナ13で読み込んだ画像は電子データ化手段14に入力され、電子データ化手段14では入館登録申込書Pを画像の電子データに変換するとともに、写真欄D2に貼付された写真を顔写真画像の電子データに変換する。さらに、電子データ化手段14では、記入欄D1に記入された個人情報のうち氏名、会社名などの必要情報をテキストデータである電子データに変換する。
【0033】
このようにして個人情報と顔写真画像と入館登録申込書Pの画像との電子データを電子データ化手段14において生成するとともに、発行する入館登録カード1をカード読取装置3で読み取ると、入館登録カード1にあらかじめ設定されている来館識別情報と生成された電子データとが対応付けられて所有者データベース4に登録される。顔写真画像はディスプレイ装置6の画面に拡大した形で表示することができるようにスキャナ13の分解能が設定される。また、電子データ化手段14により文字をテキストデータに変換する際には誤認識が生じる可能性があるから、ディスプレイ装置6の画面に表示されるテキストデータを適宜修正することによって所有者データベース4に格納する所有者データを作成する。このようにして、スキャナ13と電子データ化手段14とによって、所有者データベース4に格納する所有者データの作成が支援される。
【0034】
【発明の効果】
請求項1の発明は、あらかじめ供与された入館登録カードからカード読取装置によって来館識別情報を読み取り、カード読取装置が入館登録カードから読み取った来館識別情報を所有者データベースと照合し、一致する来館識別情報が所有者データベースに登録されているときに、所有者データベースから顔写真画像を含む所有者データを読み出してディスプレイ装置に画面表示するので、来館者の顔写真画像と来館者の顔とを入館管理者などの人が比較することによって来館者を容易に確認することができ、本人確認を支援することができる。その結果、入館管理者のような本人確認を行う人が対象者の顔を覚えておく必要がなく、しかもバイオメトリック情報を読み取るセンサを用いる場合よりも本人確認の確実性が増すという効果が期待できる。
【0035】
請求項2の発明は、本人確認ができた来館者に対して館内カードを貸与するから、館内の設備を館内カードによってのみ使用可能としておくことによって、偽造カードによる館内設備の使用が防止される。しかも、館内カードは返却されるまで来館者に対応付けられているから、館内カードが館外に持ち出されないようにすることができる。
【0036】
請求項3の発明は、来館者に複数人の随伴者がある場合でも各人に館内カードを貸与することが可能になる。
【0037】
請求項4の発明は、入館時に貸し出した館内カードが退館時に返却されると在館記憶手段から所要の情報を削除し、当該館内カードを別の来館者が使用できるようになるから、館内カードの返却処理を自動化することができる。
【0038】
請求項5の発明は、すでに入館している来館者の入館登録カードと同じ来館識別情報を持つ入館登録カードが不正に使用されるのを防止することができる。
【0039】
請求項6の発明は、退館時に返却される館内カードが、入館時に在館記憶手段に登録された館内カードか否かを判別することができるから、正規の館内カードが館外に持ち出されるのを防止することができる。
【0040】
請求項7の発明は、カード読取装置が入館登録カードを読み取った時刻やカード読取装置が館内カードを読み取った時刻が来館者に対応付けて記憶されるから、来館者の出入りの時刻を履歴として残すことができ、後日に来館者の行動を分析することが可能になり、たとえば入館から退館までの時間によって不審な行動がないか否かを判断することが可能になる。
【0041】
請求項8の発明は、来館識別情報を会社別などにグループ化することによって来館識別情報の管理が容易になる。
【0042】
請求項9の発明は、入館登録カードや館内カードがカード読取装置に接触しないから、カードの損耗が少なくなる。
【0043】
請求項10の発明は、入館登録カードの発行を希望する者は個人情報を記入するとともに顔写真を貼付した入館登録申込書を用意し、入館登録申込書をスキャナで読み込むことによって、顔写真画像の電子データと、個人情報のテキストデータとが得られ、入館登録カードの発行に際して所有者データベースに登録するデータの作成を支援することになり、入館登録カードの発行処理の一部を自動化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】同上における画面の表示例を示す図である。
【図3】同上における画面の表示例を示す図である。
【図4】同上における画面の表示例を示す図である。
【図5】同上における画面の表示例を示す図である。
【図6】同上に用いる入館登録申込書の例を示す図である。
【符号の説明】
1 入館登録カード
2 館内カード
3 カード読取装置
4 所有者データベース
5 照合手段
6 ディスプレイ装置
7 入館処理手段
8 在館記憶手段
9 報知手段
10 退館処理手段
11 履歴記録手段
12 時計手段
13 スキャナ
14 電子データ化手段

Claims (10)

  1. あらかじめ供与され固有の来館識別情報が登録された入館登録カードと、入館登録カードから来館識別情報を読み取るカード読取装置と、入館登録カードの来館識別情報と所有者の顔写真画像を含む所有者データとを対応付けて登録してある所有者データベースと、カード読取装置が入館登録カードから読み取った来館識別情報を所有者データベースと照合し一致する来館識別情報が登録されているときに所有者データを出力する照合手段と、照合手段から出力された所有者データを顔写真画像を含めて画面表示するディスプレイ装置とを備えることを特徴とする入館管理装置。
  2. 固有の入館識別情報が登録されるとともに入館登録カードの照合によって入館が許可された来館者に対して入館時に貸与される館内カードと、館内カードを貸与した来館者の所有する入館登録カードの来館識別情報に前記カード読取装置が館内カードから読み取った入館識別情報を対応付ける入館処理手段と、館内カードの貸出から返却までの期間において入館処理手段が対応付けた来館識別情報と入館識別情報とを一時的に記憶する在館記憶手段とを備えることを特徴とする請求項1記載の入館管理装置。
  3. 前記在館記憶手段は、1個の来館識別情報に複数枚の館内カードの入館識別情報を対応付けて記憶可能であることを特徴とする請求項2記載の入館管理装置。
  4. 来館者の退館時において前記カード読取装置が館内カードから読み取った入館識別情報を前記在館記憶手段と照合し一致する入館識別情報が登録されているときに在館記憶手段から当該入館識別情報および対応する来館識別情報を削除する退館処理手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3記載の入館管理装置。
  5. 来館者の入館時において前記カード読取装置が入館登録カードから読み取った来館識別情報を前記在館記憶手段と照合し一致する来館識別情報が登録されているときに警告報知を行う報知手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3記載の入館管理装置。
  6. 来館者の退館時において前記カード読取装置が館内カードから読み取った入館識別情報を前記在館記憶手段と照合し一致する入館識別情報が登録されていないときに警告報知を行う報知手段を備えることを特徴とする請求項2または請求項3記載の入館管理装置。
  7. 来館者の入館時および退館時において前記カード読取装置が読取動作を行った時刻を来館者に対応付けて格納する履歴記録手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の入館管理装置。
  8. 前記所有者データベースは、前記所有者データとして複数の来館識別情報に共通に設定可能なグループ情報を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の入館管理装置。
  9. 前記カード読取装置は非接触式であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の入館管理装置。
  10. 前記所有者データベースに登録する所有者データは、入館許可を与える所有者について文字で記入された個人情報および顔写真を読み込むスキャナと、スキャナで読み込んだ個人情報をテキストデータに変換するとともに顔写真を顔写真画像として電子データに変換する電子データ化手段とを用いて作成されることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の入館管理装置。
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