JP2004333798A - 二成分系現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

二成分系現像剤及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的はトナーの帯電の立ち上がりが早く、高精細な画像を得られる二成分系現像剤及びその現像剤を用いる画像形成方法を提供することである。
【解決手段】本発明は二成分系現像剤は、トナーはポリエステル樹脂をバインダー樹脂として混練、粉砕工程を経て得られた粒子を球形化処理して得られたトナーであり、磁性キャリアは粒子の形状係数SFが1.0〜1.3、SF2が1.1〜2.5の範囲であり、かつ磁性粉と熱硬化性樹脂とから直接重合によって得られたものであることを特徴とする。この現像剤はトナーの帯電の立ち上がりが速く、カブリがなく、高精細な画像を提供することが出来る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真、静電印刷の如き画像形成方法において、静電荷像を現像する為のトナー又はトナージェット方式の画像形成方法におけるトナー像を形成するための二成分系現像剤及び画像形成方法関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては米国特許第2,297,691号に記載されている如く、多くの方法が知られているが、一般には光導電性物質からなる感光体を利用し、種々の手段により該感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像を行って可視像とし、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力などにより転写材上にトナー画像を定着し複写画像を得るものである。また、トナーを用いて現像する方法あるいは、トナー画像を定着する方法としては、従来各種の方法が提案されている。
【0003】
近年、複写機等においてモノカラー複写からフルカラー複写への展開が急速に進みつつあり、2色カラー複写機やフルカラー複写機の検討及び実用かも大きくなされるようになってきた。例えば「電子写真学会誌」Vol 22,No.1(1983)や「電子写真学会誌」Vol 25,No.1,P52(1986)のごとく色再現性,階調再現性の報告もある。
【0004】
しかしテレビ,写真,カラー印刷物のように実物と直ちに対比されることはなく、又、実物よりも美しく加工されたカラー画像を見慣れた人々にとっては、現在実用化されているフルカラー電子写真画像は必ずしも満足しうるものとはなっていない。
【0005】
フルカラー電子写真法によるカラー画像形成は一般に3原色であるイエロー,マゼンタ,シアンの3色のカラートナーを用いて全ての色の再現を行うものである。
【0006】
その方法は、まず原稿からの光をトナーの色と補色の関係にある色分解光透過フィルターを通して光導電層上に静電潜像を形成し、次いで現像,転写工程を経てトナーを支持体に保持させ、次いで前述の工程を順次複数回行い、レジストレーションを合わせつつ、同一支持体上に各トナーを重ね合わせ、一回の定着によって最終のフルカラー画像を得るというものである。
【0007】
原理的には、色の3原色であるイエロー、マゼンタ、シアンの3色が有れば、減色混合法によってほとんど全ての色をあらゆる濃度範囲で再現することが可能のはずであり、それゆえ現在市場のフルカラー複写機も3原色のカラートナーを重ね合わせて用いる構成となっているが、現実的には、トナーの分光反射特性、トナーの重ね合わせ時の混色性、減色混合による彩度の低下などいまだ改善すべき点を数多く有している。すなわち、複数回の現像を行ない、同一支持体上に色の異なる数種のトナー層の重ね合わせを必要とする上述のごときカラー電子写真法ではカラートナーに下記の様な特性が要求され、
(1)定着したトナーは、光に対して乱反射して、色再現を妨げることのないように、トナー粒子の形が判別出来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態となること、
(2)そのトナー層の下にある異なった色調のトナー層を妨げない透明性を有する着色トナーであること、
(3)構成する各トナーはバランスのとれた色相及び分光反射特性と十分な彩度を有していること、
カラートナーの場合には、用いる樹脂や着色剤の選択が難しく、加えて顔料の分散の程度が色味や色相に大きく影響を及ぼすため、その確固たる製造法の確立は急務とされるところである。
【0008】
加えて電子写真特性という観点から見てもカラートナーには当然下記の様な特性が要求される。
【0009】
環境依存性の少ない良好な帯電特性を有する。
【0010】
(2)ホッパーから現像器への供給が円滑に行え、かつキャリアや現像剤との混合しやすい好ましい搬送性及び混合性を有する。
【0011】
(3)取り扱い中、または貯蔵中にケーキングや凝集性のなく保存安定性が良い。
【0012】
しかし、上記の性能を全て満たしたカラートナーは今のところ存在しないのが現状であり、上述の特性を満たすべく新規トナー材料の開発ならびに新たな製造法の確立にかかる期待は大きいものがある。
【0013】
一方、今日一般に提案されているトナーの製造方法は、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練器によって構成材料を良く混練した後、機械的な粉砕、分級によって得る方法、あるいは結着樹脂溶液中に材料を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法、もしくは結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合した後、この乳化懸濁液を重合させることによりトナーを得る方法等多種多様である。
【0014】
中でも熱ロール等の熱混練機により着色剤や電荷制御剤等を樹脂に混練、分散して、トナーを得る方法が今日広く実用化されている状況にある。
【0015】
一般にかぶりのない高精細なカラー画像を得るには、トナー中に着色剤が均一に分散している事、すなわち着色剤粒子を出来るだけ微細、均一かつ安定な状態で樹脂中に分散させる事が要求される。そのためには着色剤だけでなく、樹脂の組成や性質さらには互いの親和性、粒度等に関する十分な情報を得ていなければならない。
【0016】
一般に顔料粒子はそれ自体、難分散性である場合が多く顔料メーカーでも種々の表面処理により分散性の改良を行なっているが、その対象用途は多種多様であり、一つの表面処理の方法が全てに有効とは限らない。また顔料と媒体がいかに十分な親和性を有していても良好な分散状態を得るためには、顔料の凝集をほぐし、強制的に樹脂と混合させるための分散あるいは混練機の使用が不可欠である。
【0017】
前述した様に当該研究分野においては、顔料の分散に熱ロール、エクストルーダーごとき混練機が多く用いられているが、カラートナーの場合は一般に前者のタイプの混練機を用いることが多く広く実用化されている。
【0018】
今日カラートナー用に用いられている樹脂には、光透過性、混色性、耐オフセット性等を考慮してポリエステル系の低融点のバインダーを使わざるを得ない状況にありエクストルーダーごとき押し出し型混練機では、十分な剪断力がかかりにくく、満足し得る顔料分散が達成できない。
【0019】
それに対して3本ロール混練では、はじめに顔料と樹脂のみからなるマスターバッチを作りこれを混練、冷却、粉砕し、再度3本ロールで練り、これに最終処方量になるよう樹脂と電荷制御剤を加えさらに混練、冷却、粉砕工程を数回繰り返すという作業方法を取り入れることによりポリエステルごとき低融点の樹脂へも難分散性の顔料を良好に分散させている。
【0020】
上記のようにしてポリエステル樹脂へ顔料分散が良好になされた後、粉砕、分級の工程を経て製造されたトナーは磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として、画像形成プロセスに用いられるにであるが、このようなトナーは混色性、耐オフセット性などの点においては良好であるものの、画質の決め手となるハーフトーン部の諧調性やドット再現などにややガサツキ感が認められるなど、まだ十分なものとは言えなかった。
【0021】
また、特開平08−146657号公報においてはトナーの帯電劣化を抑制し、画質の低下を防ぐ目的で混練、粉砕法で製造したトナーをさらに球形化して用いる方法が提案されている。しかし、このような球形化したトナーに対して従来の鉄粉キャリアやフェライト系キャリアではトナーの帯電の立ち上がりが十分速くないため、カブリや飛散などで画像を損なうことがあった。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した製造工程が簡便な連続押し出し機で加熱混練して得られるカラートナーをさらに球形化して用いて、混色性、耐オフセット性に優れ、かつ帯電の立ち上がりが速くカブリや飛散のない高画質画像が得られる二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0023】
すなわち本発明の目的は低融点のポリエステル系樹脂に顔料を良好に分散したカラートナーで球形化されたものを用いて安定した摩擦帯電性を有し、画像濃度が高く混色性に優れた二成分系現像剤及び画像形成方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明はトナー及び磁性キャリアからなる二成分系現像剤において、該トナーは少なくともポリエステル樹脂と顔料もしくは染料の着色剤とを混合し、得られた混合物を連続押し出し機で加熱混練し、得られた混練物を粉砕し、分級する工程を経た後、球形化処理されたトナーであり、該磁性キャリアの個数平均粒子径が5〜100μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が20個数%以下であり、磁性キャリアの形状係数SF1が1.0〜1.3、SF2が1.1〜2.5の範囲であり、磁性キャリアが直接重合により得られ、バインダー樹脂、表面を親油化処理した金属酸化物を有し、かつ、該キャリア粒子中の該金属酸化物総量が70〜99重量%であり、かつキャリア磁気力が1キロエルステッドの磁場中で140〜250emu/cmであることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
【0025】
さらに本発明は静電潜像担持体とトナーと磁性キャリアからなる二成分系現像剤を担持する現像剤担持体とを対向させて配設し、現像する画像形成方法において、該二成分系現像剤は、上述の二成分系現像剤を現像剤担持体上に現像剤磁気ブラシを形成させて、該静電潜像担持体上に接触させ、交番電界を印加しつつ現像を行うことを特徴とする画像形成方法に関する。
【0026】
一般にトナー樹脂に顔料もしくは染料を機械分散させる場合、強力かつ効率の良い混練機を選ぶことはもちろん重要であるが、いかに強力な混練機を使用しても着色剤と樹脂との相溶性、親和性が悪ければ微細化は進まないし、たとえ微粒子が得られたとしても不安定な状態であれば再凝集し加えた機械エネルギーは、全く浪費されてしまうという結果になる。
【0027】
そこで本発明に用いるトナー樹脂としては負帯電可能なポリエステル樹脂と正帯電可能な着色剤とを組み合わせて用いることにより良好な着色剤の分散性を達成した。すなわち本発明に用いるトナーの着色剤は帯電量は3〜45μc/gの範囲のものが好ましく、この範囲のものなら何らかの表面処理した着色剤であっても良い。着色剤の帯電量がこの範囲以上であればトナーの負帯電性が相対的に落ち安定した帯電が得られなくなり、また着色剤の帯電量がこの範囲以下であれば樹脂との親和性が悪く原材料を混合する過程で着色剤同士の再凝集、偏在が起こり目的のトナーが得られない。
【0028】
加えて本発明に用いられるトナーにおいては、混練前のポリエステル樹脂と着色剤の粒径を限定することによりさらに良好な着色剤の分散を達成した。すなわち、ポリエステル樹脂の混合前の体積平均粒径が30〜1000μm、着色剤の一次粒子径が0.05〜5μmの範囲にあることが好ましい。
【0029】
用いる樹脂の粒径が1000μmを超える場合であれば、いくら着色剤が細かくとも充分に混じり合うことはなく、また30μm未満に微粉砕してから用いると、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等でプレミックスする際に融着を起こしやすく作業能率の低下を引き起こす。好ましい樹脂の粒径は500μm以下より好ましくは50μ〜150μの範囲にあることが望ましい。
【0030】
また着色剤の一次粒子は小さいほど分散が良く隠ぺい力が増大するが、一次粒子径が0.05μm未満であれば粒子同士が凝集し易くより大きな第二次、三次粒子を形成するためかえって好ましくない。
【0031】
本発明においては上記のごとき凝集体に機械的シェアーを加えて粉砕し、近一次粒子に近づけてから用いても良く、また表面改質により凝集しづらい表面処理品の顔料を用いても良い。
【0032】
以上の結果これまでエクストルーダーごとき連続押し出し型の混練機では充分混練できなかったポリエステル樹脂のような低融点の樹脂にも着色剤を均一に分散することが可能となり、トナー生産ラインの連続化に寄与した。加えてこれまでの様なバッチ間での着色剤の偏在も少なく、多量のトナーの生産を可能とした。
【0033】
本発明に用いられるトナーの100℃及び90℃における見掛けの粘度は、それぞれ104〜5×105ポイズ、5×104〜5×106ポイズであることが好ましい。一般に樹脂に加える着色剤のフィラー効果により、トナーは樹脂単体に比較して高粘度化にシフトする傾向があることが種々報告されているが、我々は着色剤の分散性を高める程樹脂の粘度は高まる傾向にあることを確認し、できたトナーの溶融粘度を規定することにより目的の高品位トナーをエクストルーダーごとき混練機で入手できる様になった。
【0034】
フルカラー画像の色味ならびに混色性の観点からトナーの定着性というものはきわめて重要な因子である。転写支持体上で多層にトナーが積層し、1回の定着で混色を行ない、転写材上のトナー被覆量に応じて多種の色を発現させるのであるから、顕微鏡下でトナー粒子が判別しうる程度の悪い定着性であると、光に対し定着トナー粒子が乱反射し、その結果彩度の低下した濁りのある画像となり、ひいては色再現性の低下を招くことになる。
【0035】
またOHPフィルムへの複写をした場合、定着性が悪いと光の透過性が悪く、反射光ではほぼ希望の色調が再現されているにもかかわらず、透過光では暗灰色となる場合がある。
【0036】
ただ定着性のみを考慮すると高温オフセット、定着ローラへの巻きつき、それを防止するための多量のオイルを塗布する装置の具備による定着器の複雑化やコストアップを招く。さらに、はなはだしくは複写画像へのオイル跡により品質の低下を招来することになる。
【0037】
しかるに本発明に用いられるトナーの90℃における見掛け粘度が5×104〜5×106ポイズ、好ましくは7.5×104〜2×106ポイズ、より好ましくは105〜106ポイズであり、100℃における見掛け粘度は104〜5×106ポイズ、好ましくは104〜3.0×105ポイズ、より好ましくは104〜2×105ポイズであることにより、フルカラートナーの定着性、混色性及び耐高温オフセット性を保証するものである。
【0038】
特に90℃における見掛け粘度P1と100℃における見掛け粘度P2との差の絶対値が、2×105<|P2−P1|<4×106の範囲にあるのが好ましい。
【0039】
本発明に用いられるトナーの結着樹脂としてはポリエステル樹脂がある。
【0040】
ポリエステル樹脂を構成する2価の酸成分としては、例えば、芳香族系ジカルボン酸類としてはテレフタル酸,イソフタル酸,フタル酸,ジフェニル−P・P′−ジカルボン酸,ナフタレン−2・7−ジカルボン酸,ナフタレン2・6−ジカルボン酸,ジフェニルメタン−P・P′−ジカルボン酸,ベンゾフェノン−4・4′−ジカルボン酸,1・2−ジフェノキシエタン−P・P′−ジカルボン酸等が使用でき、それ以外の酸としては、マレイン酸,フマル酸,グリタル酸,シクロヘキサンジカルボン酸,コハク酸,マロン酸,アジピン酸,メサコニン酸,イタコン酸,シトラコン酸,セバチン酸,これらの酸の無水物、低級アルキルエステル等がある。
【0041】
本発明に用いられるトナー用のポリエステル樹脂に使用するアルキル置換基やアルケニル置換基を有した酸または、アルコールとしては、例えばn−ドデセニル基,イソドデセニル基,n−ドデシル基,イソドデシル基又はイソオクチル基を有した、マレイン酸,フマル酸,グルタル酸,コハク酸,マロン酸,アジピン酸,エチレングリコール1,3−プロピレンジオ−ル,テトラメチルグリコール,1,4−ブチレンジオール,1,5−ペンチルジオール等がある。
【0042】
2価のアルコールとしては
【外1】
Figure 2004333798
【0043】
〔式中、R1及びR2は炭素数2乃至5個のアルキレン基を示し、X及びYが正数を示し、X+Yは2乃至6を示す。〕で表わされるエーテル化ビスフェノールの如きジオールが挙げられる。例えば、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン,ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドエオキシフェニル)プロパン,ポリオキシプロピレン(13)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンがある。
【0044】
その他の2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフェノールA、水素添加ビスフェノールAが挙げられる。
【0045】
3価以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロヘキサントリカルボン酸類、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフラレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシルプロパン、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸及びそれらの無水物が使用できる。また3価以上のポリオールとしては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、しょ糖、1,2,4−メシタトリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が使用できる。
【0046】
本発明に用いられるトナー用ポリエステル樹脂の製造条件は、樹脂の分子量分布を出来る限り、シャープで狭い分布となるように特に調整している。ポリエステル中の縮合体の分子鎖の分布を狭い範囲で均一化せしめることは、カラートナーにおける混色性と耐オフセット性を両立せしめる上で重要なことである。すなわち、分子量の小さい分子鎖の短い縮合体は加熱によってたやすく、分子主鎖が動き、逆に高分子量の分子鎖の長い縮合体は、その熱エネルギーではほとんど動かない。そのアンバランスがポリエステル樹脂中で存在すると、該樹脂を用いたカラートナーが低い温度の定着ローラーを通過する場合、低分子の縮合体はすみやかに溶融し、定着及び混色するような挙動を示し、かつ高分子の縮合体はほとんど溶けないという現象が発生する。
【0047】
一方、高分子が溶融するほどの高温を定着ローラーに加えると、低分子はまったく弾性を有しない粘性体として挙動し、高温オフセットの素因をつくることになる。
【0048】
それゆえ、とりわけカラートナーにあっては、比較的シャープメルト性を有しつつ、かつトナーを構成するポリエステル樹脂の分子間凝集を高めるために、重量平均分子量と数平均分子量の比をできるだけ小さくすることが必要である。
【0049】
本発明に用いられるトナーに適合する着色材としては下記の顔料又は染料が挙げられる。
【0050】
染料としては、例えばC.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー15、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー1、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7等がある。
【0051】
顔料としては、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、ブリリアントカーミン3B、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等がある。
【0052】
好ましくは顔料としては、ジスアゾイエロー、不溶性アゾ、銅フタロシアニン、染料としては塩基性染料、油溶性染料が適している。
【0053】
特に好ましくはC.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー16、又は下記で示される構造式を有する、フタロシアニン骨格にカルボキシベンズアミドメチル基を2〜3個置換したBa塩である銅フタロシアニン顔料などである。
【0054】
染料としては、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド52、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ベイシックレッド12、C.I.ベイシックレッド1、C.I.ベイシックレッド3bなどである。その含有量としては、OHPフィルムの透過性に対し敏感に反映するイエロートナーについては、結着樹脂100重量部に対して12重量部以下であり、好ましくは0.5〜7重量部が望ましい。
【0055】
12重量部を超えると、イエローの混合色でありグリーン、レッド、又、画像としては人間の肌色の再現性に劣る。
【0056】
その他のマゼンタ、シアンのカラートナーについては、結着樹脂100重量部に対しては15重量部以下、より好ましくは0.1〜9重量部以下が望ましい。
【0057】
特に2色以上の着色剤を併用して用いる黒色トナーについては20重量部以上の総着色剤量の添加はキャリアへのスペント化を生じやすくなるのみではなく、着色剤がトナー表面に数多く露出することによるトナーのドラム融着や、定着性の不安も増加させる。したがって、着色剤の量は結着樹脂100重量部に対して3〜15重量部が好ましい。
【0058】
黒色トナーを形成するために好ましい着色剤の組合わせとしては、ジスアゾ系イエロー顔料、モノアゾ系レッド顔料及び銅フタロシアニン系ブルー顔料の組合わせがある。各顔料の配合割合はイエロー顔料、レッド顔料及びブルー顔料の比が1:1.5〜2.5:0.5〜1.5が好ましい。
【0059】
本発明に用いるトナーには、負荷電特性を安定化するために、荷電制御剤を配合することも好ましい。その際トナーの色調に影響をあたえない無色または淡色の負荷電性制御剤が好ましい。負荷電制御剤としては、例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例えば、ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体または亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制御剤をトナーに配合する場合には、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部添加するのが良い。
【0060】
本発明に用いるトナーの製造法は、前記したポリエステル樹脂と着色剤ならびに電荷制御剤とをそれぞれ秤量し、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等でプレ混合した後、エクストルーダーごとき連続押し出し型の混練機で充分混練し、冷却後、ハンマーミル等で約1〜2mmに粗粉砕し次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕し、さらに得られた微粉砕物を分級した後、微粉砕物を分散剤を用いて水系の溶媒に分散させた後、溶液に剪断力をかけるか、もしくは超音波照射を行いながら分散粒子のガラス転移温度(Tg)より高い温度からガラス転移温度(Tg)+50℃以下の温度範囲に制御することで粒子を球形化する。また、上記の方法で剪断力をかけながらと超音波照射を同時に行うことも球形化には有効な方法である。粒子を溶液中で球形化した後は、濾過した後、風乾、真空乾燥、噴霧乾燥などの一般的な乾燥方法によってトナーを得ることができる。
【0061】
本発明に用いられるトナーの理論ガラス転移温度(Tg)は、30〜90℃を示すものが好ましく用いられる。ガラス転移温度が30℃未満の樹脂では室温でトナー粒子同志が融着して凝集してしまう可能性があり、取り扱いが困難であり、また90℃を越えるとトナーとした場合、定着工程において多大なエネルギーを必要とするなどの問題がある。
【0062】
本発明において剪断力を与えるための方法としては粒子に剪断力を与えることができる装置の中で、均一にかつ高剪断力を与えられる撹拌装置で行うことが好ましい。本発明に用いられるトナーの球形化においては攪拌翼あるいは攪拌翼とビーズの併用によってトナー粒子に剪断力が及ぼされ、ある特定の範囲において高回転数、すなわち攪拌翼の周速が速いほど高剪断力が加わり容易に球形化が進むことになる。
【0063】
本発明の効果が発現し得る周速はトナー粒子分散液の粘度、温度によって異なった値を取るが、3m/sec以上100m/sec以下、好ましくは5m/sec以上50m/sec以下の周速で攪拌が施される。この範囲未満の周速であればトナー球形化の効果は充分には発揮されず、逆にこの範囲を超えるとトナー粒子そのものの破壊、あるいはトナー粒子同志の融着、凝集が生じるため好ましくない。使用可能な攪拌部の形状は一般にパドル翼、タービン翼、スクリュー翼、ファウドラー翼、等が挙げられるが、好ましくは、回転し得るタービン部とその周囲にわずかな間隙を置いて位置する固定化されたステータ部から構成されている形態のものが高剪断力を施し得る分散機として好ましい。
【0064】
本発明に用いられるトナーを得るための剪断力を与える分散機としては次の様な機種が挙げられる。
【0065】
超高速ホモジナイザー(商品名、バイオトロン) 株式会社池田理化製
T.K.ホモミクサー 特殊機化工業株式会社製
超高速万能ホモジナイザー(ビスコトロン) 株式会社日音理科器械製作所
エースホモジナイザー 日本精機製作所
マルチディスパーザー 三田村理研工業株式会社
また、攪拌翼とビーズのようなメディアを使用したタイプの分散機としてはサンドミル、アトライター、アイガーモーターミルなど従来使用されているものを挙げることができる。
【0066】
また、分級されたトナーを水系媒体中に分散させた後、超音波照射を行なうことによりトナーを球形化することができる。この場合、超音波照射できる装置としては超音波ホモジナイザーが挙げられる。水系媒体中への超音波照射は先に述べた剪断力を与えるタイプの分散機と異なりキャビテーション等の機構による衝撃的、瞬間的な高圧の働きによるものである。超音波ホモジナイザーによって水系媒体中に加えられる超音波振動は、一般に用いられる超音波ホモジナイザーによって発生させられるものであれば十分であり、その周波数は20kHz程度であり、その最大出力は分散液に対して300〜600W程度あればよい。
【0067】
本発明に用いられるトナーの球形化する際に、トナー粒子を分散させる水系媒体とは、水と有機溶剤との混合物であり、トナーのバインダー樹脂を溶解することない溶媒が好ましく用いられる。ここで用いられる有機溶剤としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、1,4−ジオキサン等が好ましい。水と有機溶剤の混合比率は樹脂のモノマーの種類、分子量等によって適宜選択すればよく、これらの媒体中でトナー粒子を分散させながらトナーのTg以上かつTg+50℃以下の温度で加熱処理しながら剪断力あるいは超音波照射することでトナーを球形化することが可能となる。
【0068】
本発明に用いるトナーの球形化に際し、使用することができる高分子分散剤としては、スチレン−アクリル酸共重合体及びその塩、ポリメタクリル酸塩、ポリアクリル酸塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体及びその塩、スチレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体及びその塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体及びその塩、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体及びその塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩やリン酸塩等の陰イオン性高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルポロリドン等の非イオン性高分子を挙げることができる。これらにはアクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のモノマーが共重合されていても良い。また、これらは単独あるいは複数の組合せで添加しても良い。また、ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のたんぱく質、あるいはアラビアゴム等の天然ゴム類、サボニン等のグルコシド類、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子等も用いることが出来る。
【0069】
本発明に用いるトナーの粒径は、重量平均粒径で1〜10μmであり、より好ましくは3〜6μmである。本発明に用いるトナーは粒径が小さいので、微小な静電潜像に対するトナーの付着が忠実であり、静電潜像端部のトナー付着の乱れが少ない。その結果、高解像度で色再現性の良好な画像が得られる。特に、写真画像では、微小な潜像の集まりであるハーフトーン域が多く、より一層、粒径の効果が表われ、良好な画像となる。
【0070】
本発明に用いられるトナーは、水系媒体中で球形化処理を行い、ろ過、乾燥工程を経た後、さらに流動性、帯電安定性の付与のため、シリカ、二酸化チタン、アルミナなどの無機微粒子を外添してもよい。この場合には、外添剤の添加量は0.01重量%〜2重量%の範囲で用いることが好ましい。またこれらの外添剤は長期の使用によってもトナーに埋まり込むことがなく、流動性や帯電性を維持することができるため良好な画像を得ることが可能となる。
【0071】
本発明に用いられるトナーにおいて外添剤による処理は、例えばヘンシェルミキサーなどにより微粒子を固着したトナー粒子と、流動化剤や荷電制御剤などの外添剤を混合し、通常の条件で処理すればよい。
【0072】
本発明で用いられるトナーは球形化されているため、一般的な鉄粉キャリアやフェライト系のコートキャリアを用いて現像剤にするとキャリアとの接触による帯電が不十分になりカブリや飛散を生じやすく、また、ドット再現性に劣るため、ハーフトーン領域の諧調性や滑らかさに欠けた画像となりやすい。
【0073】
そこで、本発明者らが詳細な検討をおこなったところ、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアとして、個数平均粒子径が5〜100μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が20個数%以下であり、形状係数SF1が1.0〜1.3、SF2が1.1〜2.5の範囲であるような磁性キャリアを用い、上記の問題を解決することができることがわかった。
【0074】
すなわち、磁性キャリアの粒度分布が狭く、形状がおおむね球状でかつ表面に微細な凹凸があることにより、トナーカブリを効果的に軽減することができる。つまり、このような粒度分布と形状の磁性キャリアを用いることにより、トナーに対する帯電付与が均一になり、トナーカブリの原因となる帯電していない、あるいは逆帯電のトナーが極めて少なくなる。
【0075】
キャリアの個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が20個数%以上である場合、トナーの帯電量分布がひろくなってしまい、上述したような条件下でトナーカブリが発生してしまう場合があった。
【0076】
形状係数SF1はおおむねの球形度を表し、SF2は表面の凹凸度合いを表す。磁性キャリアの形状係数SF1が1.3を超えるような場合、現像剤の流動性が悪くなり、トナーとの混合性が劣り、やはり帯電不良のトナーが発生してトナーカブリの原因となった。形状係数SF2が1.1未満である場合、トナーに対する摩擦帯電付与性が劣り、やはりトナーカブリの原因となった。SF2が2.5以上であるとき、キャリアの強度が低くなり、マシンランニング時にキャリアの破壊が起こる場合があった。
【0077】
以下に、形状係数SF−1とSF−2の算出方法について述べる。
【0078】
なお、本発明のキャリアおよびトナーの形状係数の測定は、日立制作所(株)社製フィールドエミッション走査型電子顕微鏡S−4500により、キャリアおよびトナーの拡大写真をランダムに100個撮影し、これをニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3を用いて解析、次式によって導かれる形状係数を算出し、その平均を結果とした。
【外2】
Figure 2004333798
【0079】
上記したような粒度分布、形状の磁性キャリアは、重合法で製造するいわゆる磁性粉分散型の樹脂キャリアによって達成することができる。このとき、バインダー樹脂中に分散する磁性粉および非磁性分は、親油化処理された後に重合処理されることが必要である。親油化処理された金属酸化物はバインダー樹脂中に分散させコア粒子を形成する場合、均一でかつ高密度でバインダー樹脂中に取り込まれることが可能となり、粒度分布をシャープにすることができる。
【0080】
本発明に用いられる磁性キャリアを製造する重合法について具体的に述べる。重合に用いられるモノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンなどの不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などのビニル系モノマーの他にエポキシ樹脂の出発原料となるビスフェノール類とエピクロルヒドリン、フェノール樹脂のフェノール類とアルデヒド類、尿素樹脂の尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類等が用いられる。
【0081】
例えば、硬化系フェノール樹脂を用いたキャリアコアの製造方法としては、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で前述した金属酸化物、好ましくは親油化処理した金属酸化物を入れ、重合しコアを得る。特に好ましく本発明のキャリアコアを製造する方法としては、キャリアコアの強度をアップさせたり、コート樹脂をより良好にコートさせるためにバインダーを架橋させて用いるのが好ましい。
【0082】
本発明に用いられる磁性キャリアに使用する、磁性金属酸化物を含む金属酸化物は、その総量として該キャリア粒子中に70〜99重量%となることが必要である。金属酸化物総量が70%に満たないような場合、金属酸化物による表面の凹凸が足りなくなり、トナーに対する帯電付与能が低下するだけではなく、キャリア粒子の強度も低くなり、本発明の目的である多数枚のプリント出力に耐えられない場合がある。また、金属酸化物総量が99%を超える場合には、バインダー樹脂が金属酸化物同士を接合する力が足りなくなり、これもキャリア粒子の強度に問題が生じることがあった。
【0083】
本発明に用いられる磁性キャリアの磁気力、および比抵抗を調節するために、金属酸化物としては磁性金属酸化物と非磁性酸化物を併用することができる。磁性キャリアの磁気力は、現像剤担持体上での二成分現像剤磁気ブラシの密度や、現像器中でのトナーに対するシェアの大きさに影響するため、紙上、あるいは感光体上へのキャリア付着を起こさない範囲で低い方が好ましい。具体的には1キロエルステッドの磁場中で140〜250emu/cmであることが必要である。
【0084】
本発明で使用する磁性キャリアの磁気特性は、理研電子(株)社製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定する。キャリア粉体の磁気特性値は1キロエルステッドの外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。キャリアは円筒状のプラスチック容器に十分密になるようにパッキングした状態に作製する。この状態で磁化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さ(emu/g)を求める。次いで、磁性キャリアの真比重を乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所(株)社製)により求め、磁化の強さ(emu/g)に真比重を掛けることで単位体積あたりの磁化の強さ(emu/cm)を求める。
【0085】
また、磁性キャリアの比抵抗は、低ければキャリア付着、また、感光体への現像バイアスの注入による潜像の乱れを生じる原因となるため、キャリアコアに樹脂コートを施して用いるコートキャリアの形態をとる場合、キャリアコアとして1×10^10Ωcm以上、コートされた磁性キャリアとして1×10^12Ωcm以上が好ましい。
【0086】
本発明に用いられる磁性キャリア又はコア粒子の比抵抗測定は、図3に示す測定装置を用いて行う。セルEに、キャリア又はコア粒子を充填し、該充填キャリア又はコア粒子に接するように電極21及び22を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流を測定することにより比抵抗を求める方法を用いる。本発明における比抵抗の測定条件は、充填キャリア又はコア粒子と電極との接触面積S=約2.3cm、厚みd=約2mm、上部電極22の荷重180g、測定電界強度を5×104V/mとした。
【0087】
効果的に磁性キャリアの比抵抗を高めるために、一般的に比抵抗の低い磁性金属酸化物粒子の個数平均粒径がra、比抵抗の高い非磁性金属酸化物粒子の個数平均粒子径をrbとする場合、rb/raが1.0を超える、つまり非磁性金属酸化物粒子が大きいものを用いることができる。これにより、キャリア表面には比抵抗の高い非磁性金属酸化物粒子が多く頭を出すため、磁性キャリアの比抵抗が高くなる。
【0088】
また、重合により得られたキャリアコア上に、再びバインダー樹脂と高抵抗非磁性金属酸化物の重合層を施す方法をとっても、高抵抗の磁性キャリアを効率的に得ることができる。
【0089】
本発明に用いられる磁性キャリアを構成する金属酸化物として、磁性を示すMO・Fe2O3又はMFe2O4の一般式で表されるマグネタイト、フェライト等を好ましく用いることができる。ここで、Mは2価あるいは1価の金属イオンMn、Fe、Ni、Co、Cu、Mg、Zn、Cd、Li等が相当し、Mは単独あるいは複数の金属として用いることができる。例えばマグネタイト、γ酸化鉄、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ca−Mg系フェライト、Li系フェライト、Cu−Zn系フェライトといった鉄系酸化物を挙げることができる。また、非磁性金属酸化物としては、たとえば、Al2O3、SiO2、CaO、TiO2、V2O5、CrO2、MnO2、Fe2O3、CoO、NiO、CuO、ZnO、SrO、Y2O3、ZrO2系等を使用することができる。
【0090】
なお、2種以上の金属酸化物を用いる場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのがバインダーとの密着性、キャリア強度を高めるためにより好ましい。例えば、マグネタイトとヘマタイト、マグネタイトとSiO2、マグネタイトとAl2O3、マグネタイトとTiO2、マグネタイトとCa−Mn系フェライト、マグネタイトとCa−Mg系フェライト等を好ましく用いることができる。中でも、マグネタイトとヘマタイトの組み合わせが価格面、キャリア強度の面から好ましく用いることができる。
【0091】
上記の金属酸化物を樹脂に分散してコアとする場合、磁性を示す金属酸化物の個数平均粒径はキャリア粒径によっても変わるが、0.02〜2μmまでのものが好ましく用いることができる。また、2種以上の金属酸化物を分散させて用いる場合、磁性を示す金属酸化物の個数平均粒径は0.02〜2μmまでのものが用いることができ、他方の非磁性金属酸化物の個数平均粒径は0.05〜5μmのものが使用できる。
【0092】
金属酸化物の親油化処理はシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤などのカップリング剤で金属酸化物を処理するか、界面活性剤を含む水性溶媒中に金属酸化物を分散させることにより表面を親油化する等の方法がある。
【0093】
ここでいうシラン系カップリング剤としては、疎水性基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものを用いることができる。疎水性基をもつシラン系カップリング剤として例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン等を挙げることができる。アミノ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。エポキシ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシシラン等が挙げられる。
【0094】
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等を挙げることができる。
【0095】
界面活性剤としては、市販の界面活性剤をそのまま使用することができる。
【0096】
本発明に用いる磁性キャリアは、本発明に使用するトナーの帯電量に合わせて適当なコート樹脂をコートすることが必要である。本発明で使用されるコート材のコート量は、0.1重量%〜10重量%の範囲であり、さらには0.3重量%〜5重量%の範囲であることが最も好適である。
【0097】
コート量が0.1重量%未満ではキャリアコア材を十分にコートすることが困難となり、とくに耐久後にトナーに対して十分な帯電付与制御ができない。また、10重量%を超えると、樹脂コート量が多すぎるため比抵抗は所望の範囲とすることができるが流動性が低下したり、多数枚の複写による耐久画像特性が劣化する等の点で好ましくはない。
【0098】
本発明に使用できるコート樹脂としては、絶縁性樹脂を好適に使用することができる。ここで、使用される絶縁性樹脂としては熱可塑性の樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても使用でき、具体的には例えば熱可塑性の樹脂としてはポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−アクリル酸共重合体等のアクリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アルキルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリレートといった芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂を挙げることができる。
【0099】
またかかる硬化性樹脂としては、具体的には例えば、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、具体的には例えば無水マレイン酸−テレフタル酸−多価アルコールの重縮合によって得られる不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。上述した樹脂は、単独でも使用できるがそれぞれを混合して使用してもよい。また、熱可塑性樹脂に硬化剤などを混合し硬化させて使用することもできる。
【0100】
本発明に用いられる磁性キャリアの粒径は、個数平均粒径で5〜100μmであることが好適である。個数平均粒径が5μm未満では、キャリアのもつ磁気力が実質的に足りなくなり、キャリア付着を免れ得ない場合があった。また、個数平均粒径が100μmを超えると、本発明の目的である優れた高画質トナー画像が得られない場合がある。
【0101】
本発明の画像形成方法における現像工程は、現像剤磁気ブラシによる接触二成分系AC現像方式であり、現像剤磁気ブラシに印加する交番電界は500〜5000Hzであることが好適である。印加する交番電界が500Hz未満である場合、現像剤担持体から電荷が磁性キャリアに注入されて磁性キャリアが帯電して像担持体に現像されてしてしまう場合がある。また、印加する交番電界が5000Hzを超える場合、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0102】
現像工程において印加する交番電界としては、従来の正弦波、三角波あるいは矩形波を用いることができるが、波形を適切に制御した交番電界を用いることもできる。例えば、像担持体から現像剤担持体にトナーを向かわせる第1電圧と現像剤担持体から像担持体にトナーを向かわせる第2電圧と、該第1電圧と第2電圧の間の第3電圧で波形のパターンを形成させるような交番電界を用いることができるが、このような場合も、その波形の繰り返しパターン1周期に対して周波数が本発明における交番電界の周波数の範囲、すなわち500〜5000Hzであることが好適である。
【0103】
本発明で使用したキャリア粒径の測定方法を記載する。本発明のキャリアの粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、個数平均粒径を算出するものとする。この条件で測定した個数基準の粒度分布より個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を求め、1/2倍径累積分布以下の累積値を計算する。
【0104】
以下に本発明に用いられる測定法について述べる。
【0105】
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターカウンターTA−II型を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターカウンターTA−II型によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)を求めた。
【0106】
本発明で用いたトナーの摩擦帯電量の測定方法を記載する。現像剤担持体上からサンプリングした二成分系現像剤を底部に500メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、吸引前後の重量差と容器に接続されたコンデンサーに蓄積された電位から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、摩擦帯電量を下記式を用いて算出する。
【0107】
Q(μC/g)=(C×V)×(W1−W2)−1
(式中W1は吸引前の重量でありW2は吸引後の重量であり、Cはコンデンサーの容量、及びVはコンデンサーに蓄積された電位である。)
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。尚、本実施例において「部」は重量部、%は重量を表すものとする。
【0108】
【発明の実施の形態】
実施例1
[トナーの製造]
・プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して得られたポリエステル樹脂
A 100部
[重量平均分子量Mw:11000、ガラス転移温度(Tg):56℃]
・フタロシアニン顔料 4部
・ジ−tert −ブチルサリチル酸のクロム錯塩 2部
上記化合物を秤量し最大周速50m/secとなるように高速回転羽根を設定したヘンシェルミキサーにより充分予備混合を行なった。この際、樹脂Aにはスピードミルにて約140μmに微粉砕したものを用い、フタロシアニン顔料は帯電量が8μc/gで一次粒径0.1μmのものを用いた。
【0109】
次に、上述の混合物を連続押し出し機で主軸回転300rpm、吐出量80kg/h、吐出樹脂温143℃で混練した後、冷却物をハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を多段割分級機により分級を行い、重量平均粒径8.3μmのシアントナーを得た。
【0110】
トナーの見掛け粘度は90℃で5.0×105ポイズ、100℃で3.8×104ポイズであった。
【0111】
[トナーの球形化]
次に、上記のシアントナー100gを水/メタノール=50/501kgの媒体中に分散した。この分散液の温度は45℃であり、次に超音波ホモジナイザー(日本精機社性:US−600T)を用いて処理しながら、ウォーターバスにより分散液を75℃に加熱した。液温が75℃になったところで10分間保持して、処理を終了した。
【0112】
上記トナー分散液を減圧ろ過した後、真空乾燥を行い、シアントナーを得た。得られたトナーを走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察したところ、真球形のトナーとなっていることが判明した。
【0113】
[磁性キャリアの作製]
個数平均粒径0.24μmのマグネタイト粉に対し、1.2重量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物微粒子の親油化処理を行った。
・フェノール 9重量部
・ホルムアルデヒド溶液
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%) 6重量部
・親油化処理したマグネタイト 100重量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、50〜60℃で乾燥して、球状の金属酸化物分散フェノール樹脂粒子を得た。
【0114】
得られた金属酸化物分散フェノール樹脂粒子100重量部と、フェノール0.3重量部、ホルムアルデヒド溶液0.2重量部、親油化処理したヘマタイト3重量部と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、50〜60℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子を得た。
【0115】
更に、上記で得られたキャリアコア粒子の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂(東芝シリコーン:TSR117)をコートした。キャリアコア粒子表面のコート樹脂量が0.5重量%になるように、トルエンを溶媒として10重量%のキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液を剪断応力を連続して加えながら溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を200℃で1時間熱処理し、放冷後、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、個数平均粒径30μm、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が9個数%の磁性キャリアAを得た。得られた磁性キャリアの表面をFE−SEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、表面に微細な凹凸がある球状の粒子であることが判明した。また、この磁性キャリアの形状係数を測定したところ、SF1=1.05、SF2=1.12であった。また、1キロエルステッドにおけるキャリア磁気力は195(emu/cm)であった。
【0116】
この磁性キャリアと上記球形トナーとをトナー濃度が8重量%になるように混合して現像剤を調製した。次にこの現像剤を用いて、カラー複写機(カラーレーザーコピア500、キヤノン社製)の改造機を用いて2万枚の複写耐久試験を行った。このとき、帯電潜像電位−550V、露光潜像電位−180V、現像剤担持体には周波数2000Hz、感光体と現像剤担持体間にはピーク対ピーク値1800Vの交流電圧に−440Vの直流電圧を重畳させる条件で画出しを行ったところ、初期から2万枚に至るまで画像濃度1.45〜1.55と安定でかつ細線再現性に優れた画像が得られた。またドラムから紙へのトナーの転写効率を測定したところ、初期92%であり、2万枚耐久時では91%と高く、転写効率の低下も認められなかった。また、耐久試験中のトナーの摩擦帯電量を測定したところ初期は−29.5(mc/kg)であり、2万枚後は−28.9(mc/kg)と安定していた。また、初期と2万枚後に転写材としてOHPフィルムを使用して画像の状態を見た場合も良好なトナーの透明性を維持していた。
【0117】
実施例2
実施例1で用いた球形化処理後のシアントナー100重量部に対して0.5重量部のコロイダルシリカ(電子顕微鏡観察による一次粒径0.1〜0.2μ)とBET法による比表面積が105m/gのアルミナを0.3重量部を流動性向上剤としてヘンシェルミキサーにより2000r.p.mの条件で2分間攪拌し、均一に混合せしめた後、混合後に存在する粗粒を100メッシュ篩いおよび200メッシュ篩いを通して除去しシアントナーとした。
【0118】
得られたシリカとアルミナを外添したトナー粒子の表面を走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察したところ球形トナーの表面にシリカとアルミナが均一に付着していることが判明した。
【0119】
上記トナーと実施例1で用いた磁性キャリアとを組み合わせて実施例1と同様にして現像剤を作製し、同様に評価した。
【0120】
その結果、初期から2万枚まで画像濃度1.55〜1.58と安定で、かつカブリも全くなく、細線再現性に優れた画像が得られた。またドラムから紙へのトナーの転写効率を測定したところ、初期97%であり、2万枚耐久時では95%と高く、転写効率の低下も認められなかった。また、耐久試験中のトナーの摩擦帯電量を測定したところ初期は−32.5(mc/kg)であり、2万枚後は−33.1(mc/kg)と安定していた。また、実施例1と同様にして初期と2万枚後に転写材としてOHPフィルムを使用して画像の状態を見た場合も良好なトナーの透明性を維持していた。
【0121】
実施例3
実施例1で用いた球形化処理後のシアントナー100重量部に対して1.0重量部の酸化チタンル(電子顕微鏡観察による一次粒径10〜30nm)BET法による比表面積が300m/gを流動性向上剤としてヘンシェルミキサーにより2000r.p.mの条件で2分間攪拌し、均一に混合せしめた後、混合後に存在する粗粒を100メッシュ篩いおよび200メッシュ篩いを通して除去しシアントナーとした。
【0122】
得られた酸化チタンを外添したトナー粒子の表面を走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察したところ球形トナーの表面に酸化チタンが均一に付着していることが判明した。
【0123】
上記トナーと実施例1で用いた磁性キャリアとを組み合わせて実施例1と同様にして現像剤を作製し、同様に評価した。
【0124】
その結果、初期から2万枚まで画像濃度1.45〜1.50と安定で、かつカブリも全くなく、細線再現性に優れた画像が得られた。またドラムから紙へのトナーの転写効率を測定したところ、初期96%であり、2万枚耐久時では94%と高く、転写効率の低下も認められなかった。また、耐久試験中のトナーの摩擦帯電量を測定したところ初期は−27.5(mc/kg)であり、2万枚後は−26.1(mc/kg)と安定していた。また、実施例1と同様にして初期と2万枚後に転写材としてOHPフィルムを使用して画像の状態を見た場合も良好なトナーの透明性を維持していた。
【0125】
実施例4
[磁性キャリアの作製]
個数平均粒径0.24μmのマグネタイト粉と個数平均粒径0.60μmのヘマタイト粉に対し、それぞれ1.2重量%のシラン系カップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン)を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物微粒子の親油化処理を行った。
【0126】
フェノール 9重量部
ホルムアルデヒド溶液
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%) 6重量部
親油化処理したマグネタイト 80重量部
親油化処理したヘマタイト 20重量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で50〜60℃で乾燥して、球状の金属酸化物分散フェノール樹脂粒子を得た。
【0127】
得られた金属酸化物分散フェノール樹脂粒子100重量部と、フェノール0.3重量部、ホルムアルデヒド溶液0.2重量部、親油化処理したヘマタイト3重量部と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で50〜60℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子を得た。
【0128】
更に、上記で得られたキャリアコア粒子の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂(東芝シリコーン、TSR144)をコートした。キャリアコア粒子表面のコート樹脂量が0.5重量%になるように、トルエンを溶媒として10重量%のキャリアコート溶液を作製した。このコート溶液を剪断応力を連続して加えながら溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を200℃で1時間熱処理し、解砕した後、200メッシュの篩で分級して、個数平均粒径28μm、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が12個数%の磁性キャリアBを得た。得られた磁性キャリアBの表面をFE−SEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、表面に微細な凹凸がある球状の粒子であることが判明した。また、この磁性キャリアの形状係数を測定したところ、SF1=1.08、SF2=1.15であった。また、1キロエルステッドにおけるキャリア磁気力は175(emu/cm3)であった。
【0129】
上記磁性キャリアBを用いること以外は実施2と同様にして現像剤を作製し、評価した。その結果、その結果、初期から2万枚まで画像濃度1.60〜1.55と安定で、かつカブリも全くなく、細線再現性に優れた画像が得られた。またドラムから紙へのトナーの転写効率を測定したところ、初期95%であり、2万枚耐久時では94%と高く、転写効率の低下も認められなかった。また、耐久試験中のトナーの摩擦帯電量を測定したところ初期は−29.5(mc/kg)であり、2万枚後は−27.9(mc/kg)と安定していた。また、実施例1と同様にして初期と2万枚後に転写材としてOHPフィルムを使用して画像の状態を見た場合も良好なトナーの透明性を維持していた。
【0130】
比較例1
磁性キャリアとして以下のようにしてフェライトキャリアを作製した。
【0131】
<フェライトキャリアの作製>
モル比で、Fe2O3=50モル%、CuO=27モル%、ZnO=23モル%になるように秤量し、ボールミルを用いて混合を行った。これを仮焼した後、ボールミルにより粉砕を行い、さらにスプレードライヤーにより造粒を行った。これを焼結し、平均粒径42μmのキャリアコア粒子を得た。このキャリアコア粒子に実施例1と同様にしてシリコーン樹脂を0.3重量%コートしたキャリアを作製した。
【0132】
上記磁性キャリアを用いて現像剤のトナー濃度を5重量%にすること以外は実施例1と同様にして評価を行った。その結果初期から2万枚に至るまで画像濃度1.55〜1.59と安定していたが、やや細線再現性に劣っており、ややカブリのある画像が得られた。さらに、クリーニング不良も発生せず、またドラムから紙へのトナーの転写効率を測定したところ、初期91%であり、2万枚耐久時では90%と高く、転写効率の低下も認められなかった。また、耐久試験中のトナーの摩擦帯電量を測定したところ初期は−24.5(mc/kg)であり、2万枚後は−22.9(mc/kg)と安定していた。また、初期と2万枚後に転写材としてOHPフィルムを使用して画像の状態を見た場合も良好なトナーの透明性を維持していた。
【0133】
比較例2
トナーを球形化しないこと以外は実施例1と同様にして現像剤を調製し、評価した。そのその結果初期から2万枚に至るまで画像濃度1.55〜1.59と安定していたが、細線再現性に劣っており、カブリのある画像が得られた。またドラムから紙へのトナーの転写効率を測定したところ、初期85%であり、2万枚耐久時では78%と低く、ガサついた画像であった。
【0134】
複写機内をみたところ、機内にかなりの飛散が認められた。また、耐久試験中のトナーの摩擦帯電量を測定したところ初期は−29.5(mc/kg)であり、2万枚後は−17.2(mc/kg)と低下していた。2万枚耐久後のキャリア表面をFE−SEM(走査型電子顕微鏡)で観察したところ、キャリア表面にトナーが融着していることが判明した。初期と2万枚後に転写材としてOHPフィルムを使用して画像の状態を見たところ、トナーの透明性は維持していた。
【0135】
【発明の効果】
本発明の二成分系現像剤においてトナーは、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いて混練、粉砕、分級の工程を経た後に、球形化処理されたトナーであり、磁性キャリアは磁性粉と熱硬化系樹脂から直接重合によって製造されており、形状係数、粒度分布、磁気力が所定の範囲に制御されたキャリアを組み合わせた現像剤であり、この現像剤を用いることで、初期からトナーの帯電が均一でカブリ、トナー飛散がなくハーフトーン画質の階調性やドット再現性に優れた高精細で、かつ混色性や透過性に優れた画像を提供することができる。

Claims (3)

  1. トナー及び磁性キャリアからなる二成分系現像剤において、該トナーは少なくともポリエステル樹脂と顔料もしくは染料の着色剤とを混合し、得られた混合物を連続押し出し機で加熱混練し、得られた混練物を粉砕し、分級する工程を経た後、球形化処理されたトナーであり、該磁性キャリアの個数平均粒子径が5〜100μmであり、個数平均粒径の1/2倍径以下の分布累積値が20個数%以下であり、
    磁性キャリアの形状係数SF1が1.0〜1.3、SF2が1.1〜2.5の範囲であり、
    磁性キャリアが直接重合により得られ、バインダー樹脂、表面を親油化処理した金属酸化物を有し、かつ、該キャリア粒子中の該金属酸化物総量が70〜99重量%であり、かつキャリア磁気力が1キロエルステッドの磁場中で140〜250emu/cm3であることを特徴とする二成分系現像剤。
  2. 該トナーは球形化処理した後、金属酸化物微粒子を外添したものであることを特徴とする請求項1に記載の二成分系現像剤。
  3. 静電潜像担持体とトナーと磁性キャリアからなる二成分系現像剤を担持する現像剤担持体とを対向させて配設し、現像する画像形成方法において、該二成分系現像剤は請求項1乃至2に記載の現像剤であり、該現像剤を現像剤担持体上に現像剤磁気ブラシを形成させて、該静電潜像担持体上に接触させ、交番電界を印加しつつ現像を行うことを特徴とする画像形成方法。
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