JP2004332656A - 副燃焼室式ディーゼルエンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シリンダヘッド1に副燃焼室2を設け、この副燃焼室2に燃料噴射ノズル3を臨ませ、副燃焼室2を噴口4を介して主燃焼室5に連通させた、副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、副燃焼室2の室壁の一部に沿って副室冷却風路6を形成するとともに、副燃焼室2の室壁の他部を吸気ポート7のポート壁8と共通化させた。
【効果】シリンダヘッド1に油冷ジャケットを形成する必要がないとともに、エンジンにオイルクーラとその配管を設ける必要もなくなり、エンジンの製造コストが安くなる。オイルクーラとその配管がない分だけ、エンジンのメンテナンスが容易になる。副燃焼室2の室壁の熱が副室冷却風路6を通過する一部冷却風18と吸気ポート7を通過する吸気26とに吸熱される。このため、空冷でありながら、副燃焼室2の室壁の冷却効率が高い。
【選択図】 図1
【効果】シリンダヘッド1に油冷ジャケットを形成する必要がないとともに、エンジンにオイルクーラとその配管を設ける必要もなくなり、エンジンの製造コストが安くなる。オイルクーラとその配管がない分だけ、エンジンのメンテナンスが容易になる。副燃焼室2の室壁の熱が副室冷却風路6を通過する一部冷却風18と吸気ポート7を通過する吸気26とに吸熱される。このため、空冷でありながら、副燃焼室2の室壁の冷却効率が高い。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、副燃焼室式ディーゼルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、副燃焼室式ディーゼルエンジンとして、図4に示すように、本発明と同様、シリンダヘッド(51)に副燃焼室(52)を設け、この副燃焼室(52)に燃料噴射ノズル(図外)を臨ませ、副燃焼室(52)を噴口(図外)を介して主燃焼室(図外)に連通させたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術では、副燃焼室(52)の室壁の冷却は、油冷によって行われている。このため、副燃焼室(52)の室壁周囲に油冷ジャケット(55)を設け、油冷ジャケット(55)を通過したオイルをオイルクーラ(図外)で冷却するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−271058号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次の問題がある。
《問題1》 エンジンの製造コストが高くつく。
シリンダヘッド(51)に油冷ジャケット(55)を形成するとともに、エンジンにオイルクーラ(図外)とその配管(図外)を設ける必要があり、エンジンの製造コストが高くつく。
【0006】
《問題2》 エンジンのメンテナンスが煩雑になる。
オイルクーラとその配管の分だけ、エンジンのメンテナンスが煩雑になる。
【0007】
本発明の課題は、上記問題点を解決できる副燃焼室式ディーゼルエンジンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
請求項1の発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダヘッド(1)に副燃焼室(2)を設け、この副燃焼室(2)に燃料噴射ノズル(3)を臨ませ、副燃焼室(2)を噴口(4)を介して主燃焼室(5)に連通させた、副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させた、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0009】
(請求項2の発明)
請求項1の発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項1に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
図1に示すように、副室冷却風路(6)を、副燃焼室(2)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成した、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0010】
(請求項3の発明)
請求項3の発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項1または請求項2に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、図1に示すように、副室冷却風路(6)の入口(10)を、吸気ポート(7)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成した、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0011】
(請求項4の発明)
請求項4の発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項3に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
図1に示すように、シリンダ中心軸線(11)と平行な向きに見て、ファンケース(12)の位置を前として、シリンダヘッド(1)内に前後方向の主冷却風通路(13)を形成し、この主冷却風通路(13)に沿って、前に吸気ポート弁口(14)を、後に排気ポート弁口(15)を並べ、吸気ポート弁口(14)から主冷却風通路(13)のある側と反対側に向けて吸気ポート(7)を横向きに導出し、排気ポート弁口(15)の横で、吸気ポート(7)の後に副燃焼室(2)を配置し、排気ポート弁口(15)から主冷却風通路(13)に沿って後向きに排気ポート(9)を導出し、排気ポート弁口(15)の横の排気ポート壁から冷却風案内壁(16)を主冷却風通路(13)内に導出し、ファンケース(12)から主冷却風通路(13)に流入した冷却風(17)のうちの一部冷却風(18)を、冷却風案内壁(16)で副室冷却風路(6)に案内するようにした、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0012】
【発明の効果】
(請求項1の発明)
請求項1の発明は、次の効果を奏する。
《効果1》 エンジンの製造コストが安くなる。
図1に示すように、副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させたため、シリンダヘッド(1)に油冷ジャケットを形成する必要がないとともに、エンジンにオイルクーラとその配管を設ける必要もなくなり、エンジンの製造コストが安くなる。
【0013】
《効果2》 エンジンのメンテナンスが容易になる。
オイルクーラとその配管がない分だけ、エンジンのメンテナンスが容易になる。
【0014】
《効果3》 空冷でありながら、副燃焼室の室壁の冷却効率が高い。
図1に示すように、副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させたため、副燃焼室(2)の室壁の熱が副室冷却風路(6)を通過する一部冷却風(18)と吸気ポート(7)を通過する吸気(26)とに吸熱される。このため、空冷でありながら、副燃焼室(2)の室壁の冷却効率が高い。この結果、シリンダヘッド(1)の熱歪が起こりにくく、これに起因する燃焼室の圧縮率の低下等の不備が起こりにくい。
【0015】
(請求項2の発明)
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果4》 副燃焼室の室壁の冷却効率が高い。
図1に示すように、副室冷却風路(6)を、副燃焼室(2)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成したため、副燃焼室(2)の室壁の熱が排気ポート(9)の壁の熱に邪魔されることなく、副室冷却風路(6)を通過する一部冷却風(18)にスムーズに移動し、副燃焼室(2)の室壁の冷却効率が高い。
【0016】
(請求項3の発明)
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果5》 吸気の充填効率の低下を抑制することができる。
図1に示すように、副燃焼室(2)の室壁の熱の一部が吸気に伝わるが、副室冷却風路(6)の入口(10)を、吸気ポート(7)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成したため、排気の熱は副室冷却風路(6)の入口(10)を通過する一部冷却風(18)に放熱され、吸気(26)には伝わりにくい。このため、吸気温度が必要以上に上がらず、吸気の充填効率の低下を抑制することができる。
【0017】
(請求項4の発明)
請求項4の発明は、請求項3の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果6》 シリンダヘッドをコンパクトにすることができる。
図1に示すように、主冷却風路(13)と吸気ポート(7)と排気ポート(9)と副燃焼室(2)とを所定の配置にすることにより、シリンダヘッド(1)をコンパクトにすることができる。
【0018】
《効果7》 簡単な構造で副燃焼室の室壁の空冷を効率化することができる。
排気ポート弁口(15)の横の排気ポート壁から冷却風案内壁(16)を主冷却風通路(13)内に導出し、ファンケース(12)から主冷却風通路(13)に流入した冷却風(17)のうちの一部冷却風(18)を、冷却風案内壁(16)で副室冷却風路(6)に案内するようにしたため、簡単な構造で副燃焼室(2)の室壁の空冷を効率化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンを説明する図である。この実施形態では、縦型短気筒の副燃焼室式ディーゼルエンジンについて説明する。
【0020】
このエンジンの構成の概要は、次の通りである。
図3に示すように、クランクケース(19)の上部にシリンダ(20)を一体化してシリンダブロック(21)を形成し、シリンダ(20)の上部にシリンダヘッド(22)を組み付け、シリンダヘッド(22)の上部にヘッドカバー(23)を組み付けている。シリンダブロック(21)の前部に冷却ファン(24)を配置し、この冷却ファン(24)をファンケース(12)で覆い、ファンケース(12)の上部をシリンダヘッド(22)の前部まで導出している。シリンダ(20)の周囲にはシリンダ冷却フィン(25)を設け、図2に示すように、冷却フィン(25)(25)の相互間にシリンダ冷却風通路(27)を形成し、ここにシリンダ冷却風(28)を通風させている。また、シリンダヘッド(22)内にも冷却風通路を設けている。
【0021】
このエンジンの燃焼室の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダヘッド(1)に副燃焼室(2)を設け、この副燃焼室(2)に燃料噴射ノズル(3)を臨ませ、図2に示すように、副燃焼室(2)を噴口(4)を介して主燃焼室(5)に連通させている。
【0022】
シリンダヘッド(1)の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダ中心軸線(11)と平行な向きに見て、ファンケース(12)の位置を前として、シリンダヘッド(1)内に前後方向の主冷却風通路(13)を形成し、この主冷却風通路(13)に沿って、前に吸気ポート弁口(14)を、後に排気ポート弁口(15)を並べている。吸気ポート弁口(14)から主冷却風通路(13)のある側と反対側に向けて吸気ポート(7)を横向きに導出し、排気ポート弁口(15)の横で、吸気ポート(7)の後に副燃焼室(2)を配置している。排気ポート弁口(15)から主冷却風通路(13)に沿って後向きに排気ポート(9)を導出し、排気ポート弁口(15)の横の排気ポート壁から冷却風案内壁(16)を主冷却風通路(13)内に導出し、ファンケース(12)から主冷却風通路(13)に流入した冷却風(17)のうちの一部冷却風(18)を、冷却風案内壁(16)で副室冷却風路(6)に案内するようにしている。
【0023】
副室冷却風路(6)の構成は、次の通りである。
副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させている。副室冷却風路(6)を、副燃焼室(2)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成している。副室冷却風路(6)の入口(10)を、吸気ポート(7)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンのシリンダヘッドの横断平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンの上部の縦断正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンの縦断側面図である。
【図4】従来技術に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンのシリンダヘッドの横断平面図である。
【符号の説明】
(1)…シリンダヘッド、(2)…副燃焼室、(3)…燃料噴射ノズル、(4)…噴口、(5)…主燃焼室、(6)…副室冷却風路、(7)…吸気ポート、(8)…ポート壁、(9)…排気ポート、(10)…副室冷却風路の入口、(11)…シリンダ中心軸線、(12)…ファンケース、(13)…主冷却風通路、(14)…吸気ポート弁口、(15)…排気ポート弁口、(16)…冷却風案内壁、(17)…冷却風、(18)…冷却風の一部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、副燃焼室式ディーゼルエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、副燃焼室式ディーゼルエンジンとして、図4に示すように、本発明と同様、シリンダヘッド(51)に副燃焼室(52)を設け、この副燃焼室(52)に燃料噴射ノズル(図外)を臨ませ、副燃焼室(52)を噴口(図外)を介して主燃焼室(図外)に連通させたものがある(特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術では、副燃焼室(52)の室壁の冷却は、油冷によって行われている。このため、副燃焼室(52)の室壁周囲に油冷ジャケット(55)を設け、油冷ジャケット(55)を通過したオイルをオイルクーラ(図外)で冷却するようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−271058号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術には、次の問題がある。
《問題1》 エンジンの製造コストが高くつく。
シリンダヘッド(51)に油冷ジャケット(55)を形成するとともに、エンジンにオイルクーラ(図外)とその配管(図外)を設ける必要があり、エンジンの製造コストが高くつく。
【0006】
《問題2》 エンジンのメンテナンスが煩雑になる。
オイルクーラとその配管の分だけ、エンジンのメンテナンスが煩雑になる。
【0007】
本発明の課題は、上記問題点を解決できる副燃焼室式ディーゼルエンジンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
請求項1の発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダヘッド(1)に副燃焼室(2)を設け、この副燃焼室(2)に燃料噴射ノズル(3)を臨ませ、副燃焼室(2)を噴口(4)を介して主燃焼室(5)に連通させた、副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させた、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0009】
(請求項2の発明)
請求項1の発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項1に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
図1に示すように、副室冷却風路(6)を、副燃焼室(2)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成した、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0010】
(請求項3の発明)
請求項3の発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項1または請求項2に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、図1に示すように、副室冷却風路(6)の入口(10)を、吸気ポート(7)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成した、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0011】
(請求項4の発明)
請求項4の発明の発明特定事項は、次の通りである。
請求項3に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
図1に示すように、シリンダ中心軸線(11)と平行な向きに見て、ファンケース(12)の位置を前として、シリンダヘッド(1)内に前後方向の主冷却風通路(13)を形成し、この主冷却風通路(13)に沿って、前に吸気ポート弁口(14)を、後に排気ポート弁口(15)を並べ、吸気ポート弁口(14)から主冷却風通路(13)のある側と反対側に向けて吸気ポート(7)を横向きに導出し、排気ポート弁口(15)の横で、吸気ポート(7)の後に副燃焼室(2)を配置し、排気ポート弁口(15)から主冷却風通路(13)に沿って後向きに排気ポート(9)を導出し、排気ポート弁口(15)の横の排気ポート壁から冷却風案内壁(16)を主冷却風通路(13)内に導出し、ファンケース(12)から主冷却風通路(13)に流入した冷却風(17)のうちの一部冷却風(18)を、冷却風案内壁(16)で副室冷却風路(6)に案内するようにした、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
【0012】
【発明の効果】
(請求項1の発明)
請求項1の発明は、次の効果を奏する。
《効果1》 エンジンの製造コストが安くなる。
図1に示すように、副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させたため、シリンダヘッド(1)に油冷ジャケットを形成する必要がないとともに、エンジンにオイルクーラとその配管を設ける必要もなくなり、エンジンの製造コストが安くなる。
【0013】
《効果2》 エンジンのメンテナンスが容易になる。
オイルクーラとその配管がない分だけ、エンジンのメンテナンスが容易になる。
【0014】
《効果3》 空冷でありながら、副燃焼室の室壁の冷却効率が高い。
図1に示すように、副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させたため、副燃焼室(2)の室壁の熱が副室冷却風路(6)を通過する一部冷却風(18)と吸気ポート(7)を通過する吸気(26)とに吸熱される。このため、空冷でありながら、副燃焼室(2)の室壁の冷却効率が高い。この結果、シリンダヘッド(1)の熱歪が起こりにくく、これに起因する燃焼室の圧縮率の低下等の不備が起こりにくい。
【0015】
(請求項2の発明)
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果4》 副燃焼室の室壁の冷却効率が高い。
図1に示すように、副室冷却風路(6)を、副燃焼室(2)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成したため、副燃焼室(2)の室壁の熱が排気ポート(9)の壁の熱に邪魔されることなく、副室冷却風路(6)を通過する一部冷却風(18)にスムーズに移動し、副燃焼室(2)の室壁の冷却効率が高い。
【0016】
(請求項3の発明)
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果5》 吸気の充填効率の低下を抑制することができる。
図1に示すように、副燃焼室(2)の室壁の熱の一部が吸気に伝わるが、副室冷却風路(6)の入口(10)を、吸気ポート(7)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成したため、排気の熱は副室冷却風路(6)の入口(10)を通過する一部冷却風(18)に放熱され、吸気(26)には伝わりにくい。このため、吸気温度が必要以上に上がらず、吸気の充填効率の低下を抑制することができる。
【0017】
(請求項4の発明)
請求項4の発明は、請求項3の発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果6》 シリンダヘッドをコンパクトにすることができる。
図1に示すように、主冷却風路(13)と吸気ポート(7)と排気ポート(9)と副燃焼室(2)とを所定の配置にすることにより、シリンダヘッド(1)をコンパクトにすることができる。
【0018】
《効果7》 簡単な構造で副燃焼室の室壁の空冷を効率化することができる。
排気ポート弁口(15)の横の排気ポート壁から冷却風案内壁(16)を主冷却風通路(13)内に導出し、ファンケース(12)から主冷却風通路(13)に流入した冷却風(17)のうちの一部冷却風(18)を、冷却風案内壁(16)で副室冷却風路(6)に案内するようにしたため、簡単な構造で副燃焼室(2)の室壁の空冷を効率化することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンを説明する図である。この実施形態では、縦型短気筒の副燃焼室式ディーゼルエンジンについて説明する。
【0020】
このエンジンの構成の概要は、次の通りである。
図3に示すように、クランクケース(19)の上部にシリンダ(20)を一体化してシリンダブロック(21)を形成し、シリンダ(20)の上部にシリンダヘッド(22)を組み付け、シリンダヘッド(22)の上部にヘッドカバー(23)を組み付けている。シリンダブロック(21)の前部に冷却ファン(24)を配置し、この冷却ファン(24)をファンケース(12)で覆い、ファンケース(12)の上部をシリンダヘッド(22)の前部まで導出している。シリンダ(20)の周囲にはシリンダ冷却フィン(25)を設け、図2に示すように、冷却フィン(25)(25)の相互間にシリンダ冷却風通路(27)を形成し、ここにシリンダ冷却風(28)を通風させている。また、シリンダヘッド(22)内にも冷却風通路を設けている。
【0021】
このエンジンの燃焼室の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダヘッド(1)に副燃焼室(2)を設け、この副燃焼室(2)に燃料噴射ノズル(3)を臨ませ、図2に示すように、副燃焼室(2)を噴口(4)を介して主燃焼室(5)に連通させている。
【0022】
シリンダヘッド(1)の構成は、次の通りである。
図1に示すように、シリンダ中心軸線(11)と平行な向きに見て、ファンケース(12)の位置を前として、シリンダヘッド(1)内に前後方向の主冷却風通路(13)を形成し、この主冷却風通路(13)に沿って、前に吸気ポート弁口(14)を、後に排気ポート弁口(15)を並べている。吸気ポート弁口(14)から主冷却風通路(13)のある側と反対側に向けて吸気ポート(7)を横向きに導出し、排気ポート弁口(15)の横で、吸気ポート(7)の後に副燃焼室(2)を配置している。排気ポート弁口(15)から主冷却風通路(13)に沿って後向きに排気ポート(9)を導出し、排気ポート弁口(15)の横の排気ポート壁から冷却風案内壁(16)を主冷却風通路(13)内に導出し、ファンケース(12)から主冷却風通路(13)に流入した冷却風(17)のうちの一部冷却風(18)を、冷却風案内壁(16)で副室冷却風路(6)に案内するようにしている。
【0023】
副室冷却風路(6)の構成は、次の通りである。
副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させている。副室冷却風路(6)を、副燃焼室(2)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成している。副室冷却風路(6)の入口(10)を、吸気ポート(7)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンのシリンダヘッドの横断平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンの上部の縦断正面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンの縦断側面図である。
【図4】従来技術に係る副燃焼室式ディーゼルエンジンのシリンダヘッドの横断平面図である。
【符号の説明】
(1)…シリンダヘッド、(2)…副燃焼室、(3)…燃料噴射ノズル、(4)…噴口、(5)…主燃焼室、(6)…副室冷却風路、(7)…吸気ポート、(8)…ポート壁、(9)…排気ポート、(10)…副室冷却風路の入口、(11)…シリンダ中心軸線、(12)…ファンケース、(13)…主冷却風通路、(14)…吸気ポート弁口、(15)…排気ポート弁口、(16)…冷却風案内壁、(17)…冷却風、(18)…冷却風の一部。
Claims (4)
- シリンダヘッド(1)に副燃焼室(2)を設け、この副燃焼室(2)に燃料噴射ノズル(3)を臨ませ、副燃焼室(2)を噴口(4)を介して主燃焼室(5)に連通させた、副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
副燃焼室(2)の室壁の一部に沿って副室冷却風路(6)を形成するとともに、副燃焼室(2)の室壁の他部を吸気ポート(7)のポート壁(8)と共通化させた、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。 - 請求項1に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
副室冷却風路(6)を、副燃焼室(2)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成した、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。 - 請求項1または請求項2に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
副室冷却風路(6)の入口(10)を、吸気ポート(7)と排気ポート(9)との間で、これらの壁の相互に対向する部分の間に形成した、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。 - 請求項3に記載した副燃焼室式ディーゼルエンジンにおいて、
シリンダ中心軸線(11)と平行な向きに見て、ファンケース(12)の位置を前として、シリンダヘッド(1)内に前後方向の主冷却風通路(13)を形成し、この主冷却風通路(13)に沿って、前に吸気ポート弁口(14)を、後に排気ポート弁口(15)を並べ、吸気ポート弁口(14)から主冷却風通路(13)のある側と反対側に向けて吸気ポート(7)を横向きに導出し、排気ポート弁口(15)の横で、吸気ポート(7)の後に副燃焼室(2)を配置し、排気ポート弁口(15)から主冷却風通路(13)に沿って後向きに排気ポート(9)を導出し、排気ポート弁口(15)の横の排気ポート壁から冷却風案内壁(16)を主冷却風通路(13)内に導出し、ファンケース(12)から主冷却風通路(13)に流入した冷却風(17)のうちの一部冷却風(18)を、冷却風案内壁(16)で副室冷却風路(6)に案内するようにした、ことを特徴とする副燃焼室式ディーゼルエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131399A JP2004332656A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 副燃焼室式ディーゼルエンジン |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003131399A JP2004332656A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 副燃焼室式ディーゼルエンジン |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004332656A true JP2004332656A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33506585
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003131399A Pending JP2004332656A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 副燃焼室式ディーゼルエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004332656A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103485919A (zh) * | 2013-09-14 | 2014-01-01 | 绿田机械股份有限公司 | 一种新型涡流式风冷柴油机气缸盖 |
RU180050U1 (ru) * | 2017-07-11 | 2018-05-31 | Общество с ограниченной ответственностью "Завод инновационных продуктов "КТЗ" | Головка цилиндра дизельного двигателя |
US10208652B2 (en) | 2015-12-14 | 2019-02-19 | Caterpillar Energy Solutions Gmbh | Pre-chamber of internal combustion engine |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131399A patent/JP2004332656A/ja active Pending
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US10208652B2 (en) | 2015-12-14 | 2019-02-19 | Caterpillar Energy Solutions Gmbh | Pre-chamber of internal combustion engine |
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