JP2005090361A - Egrクーラ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 シリンダヘッドの一側面に形成された吸気口部と吸気マニホールドとの間にプレート状のスペーサ(50)を介在させ、スペーサのシリンダヘッド側の面に、気筒列方向に延びる冷却水溝(56)を形成するとともに、該冷却水溝に沿うEGRガス溝(58)を形成し、当該EGRガス溝を介してEGRガスを吸気系に還流させるようにした。
【選択図】 図3
Description
しかし、EGRガスは温度が高く、このEGRガスを吸気系に還流させると、吸気の温度が上昇して吸気密度が低くなり、充填効率が低下するという問題がある。また、吸気温度の上昇によりノッキングを起こしやすくなるため、点火時期を遅らせる等の措置を行った場合には、燃費向上効果が低減するという問題もある。
また、上記特許文献1に開示された技術では、冷却が行われるのはEGRガスが通る接続導管の一部分だけなので、EGRガスの冷却時間が短く、冷却性能に劣るという問題がある。さらに、特許文献1では、接続導管などを設けなくてはならず、構造が複雑になってしまうという欠点もある。
また、請求項2のEGRクーラでは、前記冷却水通路は、前記スペーサ部材の一端から他端に亘って形成され、前記EGRガス通路は、前記冷却水通路に沿い前記スペーサ部材の一端から他端に向けて延びるとともに、該他端で折り返して前記冷却水通路に沿い前記一端に向けて延びるよう形成されていることを特徴としている。
また、請求項3のEGRクーラでは、前記スペーサ部材は、前記シリンダヘッドの複数の吸気ポートと前記吸気マニホールドの前記複数の吸気ポートに対応する複数の通路とを各々連通する複数の貫通孔を有し、前記冷却水通路は、前記複数の貫通孔よりもエンジンのシリンダブロック側に前記スペーサ部材の一端から他端に亘って形成され、前記EGRガス通路は、前記冷却水通路の前記シリンダブロック側において、前記スペーサ部材の一端から他端に向けて延びるとともに、該他端で折り返して、前記複数の貫通孔と前記冷却水通路との間を前記一端に向けて延びるよう形成されていることを特徴としている。
請求項3のEGRクーラによれば、特に吸気流方向の省スペース化を図りつつ冷却水によるEGRガス冷却時間を十分に長くできる。
図1を参照すると、本発明に係るEGRクーラを備えたエンジン1の全体斜視図が示されており、以下同図に基づき説明する。
同図に示すように、エンジン1は、例えば4サイクル直列4気筒エンジンであって、シリンダブロック2にシリンダヘッド4が載置され、さらにシリンダヘッド4にロッカカバー6が載置されて構成されている。
同図に示すように、吸気口部20には、シリンダヘッド4におけるエンジン1の高さ方向中央よりやや上方部に位置し且つエンジン1の気筒列方向に一列に並ぶようにして、4つの吸気ポート22A〜22Dが各気筒に対応して形成されている。
吸気口カバー30には、吸気口部20の吸気ポート22A〜22Dに対応するようにして貫通孔32A〜32Dが形成されている。また、吸気口部20のボルト孔24A〜24Iに対応するようにして貫通孔34A〜34Iが形成されている。さらに、吸気口部20のEGRガス導入孔28に対応するようにして貫通孔38が形成されている。
また、ガスケット40には、エンジン1の高さ方向中央よりやや下方に位置し且つエンジン1の気筒列方向に延びるようにして、貫通孔46が形成されている。この貫通孔46は、例えば両端が上向き三角形に膨らんだ形状をしており、後述するスペーサ50の冷却水溝56の周縁形状に対応している。さらに、吸気口カバー30の貫通孔38に対応するようにして貫通孔48が形成されている。
ここで、図3を参照すると、図2に示したスペーサ50の背面、即ちスペーサ50のシリンダヘッド4側の面構造が示されており、以下スペーサ50の詳細について説明する。
そして、スペーサ50の一端に冷却水導入管71が、他端に排水管72が設けられており、冷却水溝56の一端には冷却水導入管71内部と連通する冷却水導入孔59が形成され、他端には排水管72内部と連通する排水孔57が形成されている。
これより、図4を参照すると、図1のX−X線に沿う断面図、即ちシリンダヘッド4の吸気口部20に、吸気口カバー30、ガスケット40、スペーサ50を介して吸気マニホールド8がボルトで接続された状態のエンジン1の断面図が示されているが、同図に示すように、スペーサ50の冷却水溝56とガスケット40の貫通孔46とが吸気口カバー30によって塞がれることで冷却水通路90が形成され、EGRガス溝58がガスケット40によって塞がれることでEGRガス通路100が形成されている。
また、吸気口部20の吸気ポート22A〜22D、吸気口カバー30の貫通孔32A〜32D、ガスケット40の貫通孔42A〜42D及びスペーサ50の貫通孔52A〜52Dから各気筒の吸気通路が形成されている。つまり、当該エンジン1では、各吸気ポート22A〜22Dに、それぞれピストン81の上面とシリンダブロック2のシリンダ壁82とシリンダヘッド4の下面とから形成される燃焼室83と吸気ポートとの連通と遮断とを行う吸気バルブ84が設けられ、各気筒の排気ポート85A〜85Dに、それぞれ燃焼室83と排気ポートとの連通と遮断を行う排気バルブ86が設けられているが、ピストン81や吸気バルブ84、排気バルブ86の作動に応じ、吸気マニホールド8から吸気ポート22A〜22D、貫通孔32A〜32D、貫通孔42A〜42D及び貫通孔52A〜52Dを介して燃焼室83への吸気が行われる。
即ち、これら吸気口部20、吸気口カバー30、ガスケット40、スペーサ50、EGRバルブ70、冷却水導入管71、排水管72により本発明のEGRクーラが構成されている。
冷却水は、図示しないものの、エンジン1内を回流した後、冷却水導入管71を通り冷却水導入孔59から冷却水通路90に導入される。そして、このように導入された冷却水は、冷却水通路90を通って排水孔57から排水管72へと流れ、最終的にウォーターポンプに返戻される。
また、ここでは、EGRクーラを加工が困難なシリンダヘッド4内に設けず、シリンダヘッド4とは別体にして加工しやすい吸気カバー30、ガスケット40、スペーサ50を用いて構成するようにしているため、余計な加工コストをかけずに低コスト化が図られており、さらに、EGRクーラは吸気マニホールド8とシリンダブロック4の間に構成されているので、省スペース化も図られている。
つまり、図5を参照すると、EGRガス流量とEGRガスの温度降下効率{(EGR入口温度−EGR出口温度)/(EGR入口温度−冷却水の温度)を百分率で表したもの}との関係が、本発明のEGRクーラを用いた場合(□印)と上記従来の別体のEGRクーラを用いた場合(△印)とで実験結果に基づき比較して示されており、同図によれば、温度降下率が100%に近いほど温度降下効率が良く、EGRガスの冷却効率の良いEGRクーラが実現されているといえるが、このように、本発明のEGRクーラを用いることで、従来の別体のEGRクーラを用いた場合よりも温度降下率を高くできる。即ち、EGRクーラを上記の如く構成することにより、EGRガスを効率良く効果的に冷却でき、性能の良いEGRクーラを実現可能となる。なお、上記温度降下効率の計算式中、具体的には、EGR導入孔28がEGR入口に、EGRガス導入溝60A〜60DがEGR出口に対応している。
例えば、上記実施形態では、冷却水溝56に対応した貫通孔46をガスケット40に形成し、冷却水溝56と貫通孔46とから冷却水通路90を構成するようにしたが、貫通孔46をガスケット40に形成せず、冷却水溝56のみで冷却水通路を形成してもよい。
また、上記実施形態では、冷却水溝56を例えば両端が上向き三角形に膨らんだ形状としたが、これに限られるものではない。
また、上記実施形態では、エンジン1として4サイクル直列4気筒エンジンを採用したが、エンジン1は如何なる形式のものであってもよい。
2 シリンダブロック
4 シリンダヘッド
20 吸気口部
22A〜22D 吸気ポート
28 EGRガス導入孔
30 吸気口カバー
40 ガスケット
46 貫通孔
50 スペーサ
56 冷却水溝
57 排水孔
58 EGRガス溝
59 冷却水導入孔
60A〜60D EGRガス導入溝
70 EGRバルブ
71 冷却水導入管
72 排水管
90 冷却水通路
100 EGRガス通路
Claims (3)
- EGRガスを冷却するためのEGRクーラにおいて、
エンジンのシリンダヘッドと吸気マニホールドとの間にプレート状のスペーサ部材を介在させ、
該スペーサ部材に、気筒列方向に延びる冷却水通路と、該冷却水通路の周縁に沿うよう設けられ、EGRガスを吸気系に還流させるEGRガス通路と、を形成したことを特徴とするEGRクーラ。 - 前記冷却水通路は、前記スペーサ部材の一端から他端に亘って形成され、前記EGRガス通路は、前記冷却水通路に沿い前記スペーサ部材の一端から他端に向けて延びるとともに、該他端で折り返して前記冷却水通路に沿い前記一端に向けて延びるよう形成されていることを特徴とする、請求項1記載のEGRクーラ。
- 前記スペーサ部材は、前記シリンダヘッドの複数の吸気ポートと前記吸気マニホールドの前記複数の吸気ポートに対応する複数の通路とを各々連通する複数の貫通孔を有し、
前記冷却水通路は、前記複数の貫通孔よりもエンジンのシリンダブロック側に、前記スペーサ部材の一端から他端に亘って形成され、
前記EGRガス通路は、前記冷却水通路の前記シリンダブロック側において、前記スペーサ部材の一端から他端に向けて延びるとともに、該他端で折り返して、前記複数の貫通孔と前記冷却水通路との間を前記一端に向けて延びるよう形成されていることを特徴とする、請求項1記載のEGRクーラ。
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