JP2004331951A - 新規ポリイミド - Google Patents

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Abstract

【課題】 耐熱性や相溶性が良好なフィルムの材料であるポリイミドを提供することを課題とする。
【解決手段】 下記式(I)で表される繰り返し単位および下記式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも1つの繰り返し単位と、
下記式(III)で表される繰り返し単位および下記式(IV)で表される繰り返し単位の少なくとも1つの繰り返し単位とを有し、かつ下記式(I)で表される繰り返し単位と下記式(III)で表される繰り返し単位のみを同時に有さないポリイミドにより上記の課題を解決する。
【化1】
Figure 2004331951

前記式(I)〜(IV)において、A、X、Y、R1、R2、R3、R4、R5、R6、n1、n2、n3、n4、n5およびn6は、明細書中に定義したとおりである。
【選択図】 なし


Description

本発明は、新規ポリイミドに関し、更に詳しくは、負の配向複屈折を示す新規ポリイミドに関する。
従来から、位相差板としては、負の配向複屈折を示す材料を含む1枚のフィルムから形成される位相差板も知られていた(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、このようなフィルムは、耐熱性や相溶性に問題があった。
特開2002−341140号公報 特開2000−026705号公報 特開2002−296415号公報
本発明は、耐熱性や相溶性が良好なフィルムを形成することが可能な、新規ポリイミドを提供することを目的とする。
本発明のポリイミドは、下記式(I)で表される繰り返し単位および下記式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも1つの繰り返し単位と、
下記式(III)で表される繰り返し単位および下記式(IV)で表される繰り返し単位の少なくとも1つの繰り返し単位とを有し、かつ下記式(I)で表される繰り返し単位と下記式(III)で表される繰り返し単位のみを同時に有さないポリイミドである。
Figure 2004331951
前記式(I)において、Aは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
前記式(II)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
前記式(II)において、R1およびR2は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
前記式(II)において、n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
前記式(III)において、Yは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
前記式(IV)において、R3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
前記式(IV)において、n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
本発明の新規ポリイミドは、負の配向複屈折を示し、耐熱性や相溶性が良好なポリイミドフィルムを形成することができる。
本発明のポリイミドは、負の配向複屈折を有する。さらに、このポリイミドフィルムは、耐熱性や相溶性に優れている。
前記ポリイミドとしては、例えば、下記の式(V)〜(VII)で表されるポリイミドが挙げられる。
Figure 2004331951
前記式(V)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
Yは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
1およびR2は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
nは、10〜1000の整数である。
Figure 2004331951
前記式(VI)において、Aは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
nは、10〜1000の整数である。
Figure 2004331951
前記式(VII)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
nは、10〜1000の整数である。
上記および本発明の記載における様々な定義について、以下に説明する。
前記ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。
前記アルキル基とは、直鎖状または分岐状のアルキル基であり、例えば1〜50の炭素原子を含むものである。前記アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル2−エチルブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル等が挙げられる。
前記アリール基とは、芳香族炭化水素残基であり、例えば、6〜30の炭素原子を含むものである。前記アリール基の例としては、単環式アリール基、例えば、フェニル等および、縮合多環式アリール基、例えば、ナフチル、インデニル、フルオレニル等が挙げられる。
前記非芳香族炭化水素基とは、炭化水素基のうち芳香族炭化水素基を除いたものであり、例えば、非環式飽和炭化水素基、非環式不飽和炭化水素基、脂環炭化水素基、縮合多環脂環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基、炭化水素環集合基、側鎖のある脂環炭化水素基等が挙げられる。
前記非環式飽和炭化水素基としては、アルカン等から誘導される基であり、例えば、1〜50の炭素原子を含む。置換基Aのための非環式飽和炭化水素基の例としては、メタンテトライル、エタン−1,1,2,2−テトライル、プロパン−1,1,3,3−テトライル等が挙げられる。置換基Yのための非環式飽和炭化水素基の例としては、メチレン、エチレン、エタン−1,1−ジイル、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブタン−1,4−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル等が挙げられる。
前記非環式不飽和炭化水素基としては、前記非環式飽和炭化水素基から水素原子の数が偶数個少ないものを意味する。その例としては、アルケン、アルキン等から誘導される基であり、例えば、2〜50の炭素原子を含む。置換基Aのための非環式不飽和炭化水素基の例としては、1,3−ブテン−1,2,3,4−テトライル等が挙げられる。置換基Yのための非環式不飽和炭化水素基の例としては、プロペン−1,3−ジイル等が挙げられる。
前記脂環炭化水素基としては、シクロアルカン、シクロアルケン、シクロアルカジエン等から誘導される基であり、例えば、3〜50の炭素原子を含む。
下記に示す式は、置換基Aのための脂環炭化水素基の例である。
Figure 2004331951
下記に示す式は、置換基Yのための脂環炭化水素基の例である。
Figure 2004331951
前記側鎖のある脂環炭化水素基としては、前記脂環炭化水素基に側鎖基が結合した基から誘導される基であり、例えば、6〜50の炭素原子を含む。
下記に示す基は、置換基Yのための側鎖のある脂環炭化水素基の例である。
Figure 2004331951
前記縮合多環脂環炭化水素基としては、2つ以上の前記脂環炭化水素がそれぞれの環の辺を互いに1つだけ共有するものから誘導される基を意味し、例えば、4〜50の炭素原子を含む。
下記に示す式は、置換基Aのための縮合多環脂環炭化水素基の例である。
Figure 2004331951
前記橋かけ環炭化水素基としては、2つ以上の前記脂環炭化水素がそれぞれの環の辺を1辺以上、および2原子または更に多い原子を共有して縮合した脂環炭化水素から誘導される基を意味し、例えば、6〜50の炭素原子を含む。
下記に示す式は、置換基Aのための橋かけ環炭化水素基の例である。
Figure 2004331951
前記炭化水素環集合基としては、単環または縮合環が、単結合で直結されているものから誘導される基を意味し、例えば、6〜50の炭素原子を含む。
下記に示す式は、置換基Aのための炭化水素環集合基の例である。
Figure 2004331951
前記非芳香族炭化水素基、アルキル基およびアリール基の置換基としては、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アミノ基、モノもしくはジアルキルアミノ基(メチルアミノ、ジメチルアミノ基等)、アルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシエトキシ等)、ハロアルキル基(トリフルオロメチル、ジクロロメチル、トリフルオロエチル基等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ基等)、 アルキルスルホニル基(メタンスルホニル、エタンスルホニル、ブタンスルホニル基等)、脂環炭化水素基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル基等)、アリール基などが挙げられる。ただし、アルキル基の置換基としては、アルキル基を除く。
本発明のポリイミドは、例えば、
酸二無水物とジアミンとを反応させることを含むポリイミドの製造方法であって、
前記酸二無水物が、下記式(VIII)で表される酸二無水物および下記式(IX)で表される酸二無水物の少なくとも1つであり、
前記ジアミンが、下記式(X)で表されるジアミンおよび下記式(XI)で表されるジアミンの少なくとも1つである製造方法により、製造することができる。
Figure 2004331951
前記式(VIII)において、Aは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
前記式(IX)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
前記式(IX)において、R1およびR2は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
前記式(IX)において、n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
前記式(X)において、Yは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
前記式(XI)において、R3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
前記式(XI)において、n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
前記式(V)で表されるポリイミドは、例えば、前記式(IX)で表される酸二無水物と、前記式(X)で表されるジアミンとを反応させることを含む製造方法により製造することができる。
また、前記式(VI)で表されるポリイミドは、例えば、前記式(VIII)で表される酸二無水物と、前記式(XI)で表されるジアミンとを反応させることを含む製造方法により製造することができる。
さらに、前記式(VII)で表されるポリイミドは、例えば、前記式(IX)で表される酸二無水物と、前記式(XI)で表されるジアミンとを反応させることを含む製造方法により製造することができる。なお、前記式(V)、(VI)および(VII)で表されるポリイミドの製造方法は、上記方法には限定されない。
前記式(VIII)で表される酸二無水物には、例えば、以下の式に示すものが挙げられる。
Figure 2004331951
式(X)で表されるジアミンには、例えば、アルキレンジアミン類(例えば、メチレンジアミン、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン)、脂環式ジアミン類(例えば、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン)等が挙げられる。さらに、式(X)で表されるジアミンには、例えば、以下の式に示すものが挙げられる。
Figure 2004331951
前記式(VIII)、(IX)、(X)および(XI)で表される化合物は、市販で入手可能なものを購入してもよいし、公知の文献に従い、製造してもよい。
前記酸二無水物と前記ジアミンとの反応は、例えば、有機溶媒中で行うことができる。前記有機溶媒としては、前記酸二無水物と前記ジアミンとの反応が効率よく進行でき、かつこれらの原料に対して不活性であれば、特に制限されない。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、アニソール、m−クレゾール、ジオキソラン、ブチルセルソルブアセテート、ピリジン、ピペリジン、N−メチル−2−ピロリドン、トリブチルアミン、フェノール、γ−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ニトロメタン、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、トルエン、キシレン等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
有機溶媒の量は、前記酸二無水物と前記ジアミンの反応が効率よく進行できる量であれば特に制限されないが、例えば、有機溶媒中の前記酸二無水物の濃度が2〜30重量%となる量であってもよい。
本発明のポリイミドの製造方法において、公知の触媒を用いることもできる。例えば、塩基触媒としては、イミダゾール、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、イソキノリン、ピリジン等の有機塩基、および水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基などが挙げられる。また、酸触媒としては、クロトン酸、アクリル酸、トランス−3−ヘキサン酸、桂皮酸、安息香酸、メチル安息香酸、テレフタル酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等の有機酸、および塩化水素、臭化水素等の無機酸などが挙げられる。
前記反応において、前記酸二無水物と前記ジアミンとの反応割合は、例えば、1モルの前記酸二無水物に対して、0.7〜1.3モルの前記ジアミンである。
本発明のポリイミドの製造方法において、反応時間や反応温度は、使用する溶媒や触媒の有無または種類によって異なるが、例えば、反応温度は20℃〜300℃、反応時間は1時間から24時間である。
また、反応は、例えば空気中、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で、行うことができる。
なお、本発明のポリイミドの製造方法における反応条件は、上記の例示には限定されない。
本発明のポリイミドは、例えば、以下のようにして製造することができる。前記酸二無水物の2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の0.031モルと、ジアミンの9,9−ビス(2−メチル−4−アミノフェニル)フルオレンの0.031モルと、イソキノリン(触媒)の0.019モルを、m−クレゾール(0.24リットル)中に溶解させ、180℃で窒素雰囲気下に24時間反応させて、重量平均分子量30,000〜150,000の式(VII)に示すポリイミドを得ることができる。
本発明のポリイミドは、例えば、10,000〜300,000の重量平均分子量を有する。また、本発明のポリイミドは、負の配向複屈折を示すのが好ましい。
本発明のポリイミドを含むポリイミドフィルムは、例えば以下のような方法で製造することができる。例えば、基板上に、前記ポリイミドを塗工し、固化させることにより製造することができる。
前記基板上に、前記ポリイミドを塗工する方法としては、特に限定されないが、例えば、前記ポリイミドを加熱溶融したポリイミド溶融液を塗工する方法や、前記ポリイミドを溶媒に溶解させたポリイミド溶液を塗工する方法等があげられる。その中でも、作業性に優れることから、前記ポリイミド溶液を塗工する方法が好ましい。
前記ポリイミド溶液におけるポリイミド濃度は、特に制限されないが、例えば、塗工が容易な粘度となることから、溶媒100重量部に対して、例えば、前記ポリイミド5〜50重量部であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量部である。
前記ポリイミド溶液の溶媒としては、特に制限されず、前記ポリイミドの種類に応じて適宜決定できる。具体例としては、例えば、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、オルソジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;フェノール、バラクロロフェノール等のフェノール類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メトキシベンゼン、1,2−ジメトキシベンゼン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;t−ブチルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールのようなアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドのようなアミド類;アセトニトリル、ブチロニトリルのようなニトリル類;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類;あるいは二硫化炭素、エチルセルソルブ、ブチルセルソルブ等があげられる。これらの溶媒は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
前記ポリイミド溶液は、例えば、必要に応じて、さらに、安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤を配合してもよい。
また、前記ポリイミド溶液は、例えば、前記ポリイミドの配向性等が著しく低下しない範囲で、異なる他の樹脂を含有してもよい。前記他の樹脂としては、例えば、各種汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等があげられる。
前記汎用樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、およびAS樹脂等があげられる。前記エンジニアリングプラスチックとしては、例えば、ポリアセテート(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA:ナイロン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)等があげられる。前記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリケトン(PK)、ポリイミド(PI)、ポリシクロヘキサンジメタノールテレフタレート(PCT)、ポリアリレート(PAR)、および液晶ポリマー(LCP)等があげられる。前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂等があげられる。
このように、前記他の樹脂等を前記ポリイミド溶液に配合する場合、その配合量は、例えば、前記ポリイミドに対して、例えば、0〜50重量%であり、好ましくは、0〜30重量%である。
また、本発明のポリイミドに、正の配向複屈折を示すポリマーを加えてもよい。そのような正の配向複屈折を示すポリマーとしては、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース等のセルロース系高分子、ナイロン6等のポリアミド樹脂、ポリエチレン等の直鎖状ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、マレイミド・オレフィン共重合体などが挙げられる。
この際、本発明のポリイミドと正の配向複屈折を示すポリマーとの混合比は、特に制限されない。
前記ポリイミド溶液の塗工方法としては、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等があげられる。また、塗工に際しては、必要に応じて、ポリイミド層の重畳方式も採用できる。
前記ポリイミド溶融液の塗工方法としては、前記基材の面に塗工可能な方法であれば限定されないが、例えば、キャスティング法、溶融押し出し法等が挙げられる。前記ポリイミドの溶融液は、例えば、必要に応じて、上述の安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤および異なる他の樹脂をさらに含有してもよい。
次いで、前記基材に塗工された前記ポリイミドの溶液または溶融液を固化させて、前記基材上に前記ポリイミドフィルムを形成する。
前記固化の方法としては、例えば、自然乾燥や加熱乾燥等の乾燥があげられる。その条件も、例えば、前記ポリイミドの種類や、溶液の場合には前記溶媒の種類等に応じて適宜決定できるが、例えば、温度は、通常、25℃〜300℃であり、50℃〜200℃であり、特に好ましくは60℃〜180℃である。なお、固化は、一定温度で行っても良いし、段階的に温度を上昇または下降させながら行っても良い。固化時間も特に制限されない。通常、固化時間は、10秒〜60分、好ましくは30秒〜30分である。
前記基材上に形成されるポリイミドフィルムの厚みは、特に制限されないが、例えば、3〜100μmの範囲であり、好ましくは5〜50μmの範囲であり、より好ましくは5〜30μmの範囲である。
このようにして、基材上に直接形成された、本発明のポリイミドフィルムを得ることができる。前記ポリイミドフィルムは、基材と積層された状態で、本発明の光学フィルムとして用いられてもよいし、基材を剥離して除去し、前記ポリイミドフィルムのみを、本発明の光学フィルムとして用いてもよい。このようなポリイミドフィルムは、前記のように、偏光フィルムを斜め方向から見た際に、光漏れや、漏れ光の着色が少ない位相差板の製造において有用である。
任意に、前記基板上のポリイミドフィルムに、さらに加熱処理を施すことによって、前記基板を収縮させることもできる。この基板の収縮に伴って、前記ポリイミドフィルムが収縮し、その結果フィルムの特性に更に別の光学特性を付与したり、光学特性を変化させることが可能である。前記加熱処理の条件としては、特に制限されず、例えば、基板の材料の種類等によって適宜決定できるが、例えば、加熱温度は、25〜300℃の範囲であり、好ましくは50〜200℃の範囲であり、特に好ましくは60〜180℃の範囲である。
また、加熱の代わりに、前記基板と前記ポリイミドフィルムを一体として、延伸してもよい。延伸条件は特に限定されず、一軸延伸でも二軸延伸でも良い。また、具体的な延伸方法も特に限定されず、公知の方法を適宜使用することができるが、例えば、ロール縦延伸、テンター横延伸、フィルムの流れ方向に一軸に延伸する自由端縦延伸、フィルムの流れ方向は固定しながら幅方向に一軸に延伸する固定端横延伸、幅方向に延伸しながら同時に流れ方向に収縮される同時二軸延伸、流れ方向に延伸した後に幅方向にも延伸する二軸延伸などが挙げられる。
次に、本発明の光学フィルムは、前記ポリイミドフィルムを含むことを特徴とする。前記光学フィルムは、前記基板を含んでもよいし、前記ポリイミドフィルムのみを含んでもよい。このような光学フィルムは、光学補償用の位相差板として有用である。すなわち、本発明の位相差板は、本発明の光学フィルムを含むことを特徴とする。
つぎに、本発明の偏光板は、位相差板を含む光学補償機能付き偏光板であって、前記位相差板が本発明の位相差板であることを特徴とする。このような偏光板は、前記本発明の製造方法により得られるポリイミドフィルムと、偏光子とを有していれば、その構成は特に制限されず、例えば、以下のような偏光板が例示できる。
まず第1の偏光板としては、例えば、前記本発明の光学フィルム、偏光子および二つの透明保護層を有し、前記偏光子の両面に透明保護層がそれぞれ積層されており、一方の透明保護層の表面にさらに前記光学フィルムが積層された形態である。なお、本発明の光学フィルムが、前述のように前記ポリイミドフィルムと基材との積層体の場合、いずれの表面が前記透明保護層に面してもよいが、ポリイミドフィルム側が透明保護層に面していることが好ましい。
また、前記透明保護層は、前記偏光子の両側に積層してもよいし、いずれか一方の面のみに積層してもよい。また、両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の透明保護層を使用しても、異なる種類の透明保護層を使用してもよい。
一方、第2の光学補償層付き偏光板は、前記本発明の光学フィルム、偏光子および透明保護層を有し、前記偏光子の一方の表面に前記光学フィルムが、前記偏光子の他方の表面に前記透明保護層が、それぞれ積層されている形態である。
前記光学フィルムが、前述のようなポリイミドフィルムと基材との積層体の場合は、いずれの表面が前記偏光子に面してもよいが、例えば、以下のような理由から、前記光学フィルムの前記基材側が偏光子に面するように配置することが好ましい。このような構成であれば、前記光学フィルムの前記基材を、光学補償層付き偏光板における透明保護層として兼用できるからである。すなわち、前記偏光子の両面に透明保護層を積層する代わりに、前記偏光子の一方の面には透明保護層を積層し、他方の面には、前記基材が面するように光学フィルムを積層することによって、前記基材が透明保護層の役割も果たすのである。このため、より一層薄型化された偏光板を得ることができる。
前記偏光子(偏光フィルム)としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により、各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光フィルムの厚みは、通常、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
前記保護層としては、特に制限されず、従来公知の透明フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムがあげられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有す熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
また、前記保護層は、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、下記式で表されるフィルム厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)を解消できる。なお、下記式において、nx,ny,nzは、前述と同様であり、dは、その膜厚を示す。
Rth=[(nx+ny)/2−nz]・d
また、前記透明保護層は、さらに光学補償機能を有するものでもよい。このように光学補償機能を有する透明保護層としては、例えば、液晶セルにおける位相差に基づく視認角の変化が原因である、着色等の防止や、良視認の視野角の拡大等を目的とした公知のものが使用できる。具体的には、例えば、前述した透明樹脂を一軸延伸または二軸延伸した各種延伸フィルムや、液晶ポリマー等の配向フィルム、透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を配置した積層体等があげられる。これらの中でも、良視認の広い視野角を達成できることから、前記液晶ポリマーの配向フィルムが好ましく、特に、ディスコティック系やネマチック系の液晶ポリマーの傾斜配向層から構成される光学補償層を、前述のトリアセチルセルロースフィルム等で支持した光学補償位相差板が好ましい。このような光学補償位相差板としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製「WVフィルム」等の市販品があげられる。なお、前記光学補償位相差板は、前記位相差フィルムやトリアセチルセルロースフィルム等のフィルム支持体を2層以上積層させることによって、位相差等の光学特性を制御したもの等でもよい。
前記透明保護層の厚みは、特に制限されず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、通常、500μm以下であり、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である
前記透明保護層は、例えば、偏光フィルムに前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光フィルムに前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
また、前記透明保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。前記ハードコート処理とは、偏光板表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光板表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行うことができる。
前記アンチグレア処理とは、偏光板表面において外光が反射することによる、偏光板透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形成する方式等があげられる。
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂100重量部あたり2〜70重量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50重量部の範囲である。
前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、透明保護層そのものとして使用することもでき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光板透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機能等)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、アンチグレア層等は、前記透明保護層とは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光板に積層してもよい。
各構成物同士(光学フィルム、偏光子、透明保護層等)の積層方法は、特に制限されず、従来公知の方法によって行うことができる。一般には、前述と同様の粘着剤や接着剤等が使用でき、その種類は、前記各構成物の材質等によって適宜決定できる。前記接着剤としては、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤や、ゴム系接着剤等があげられる。また、ホウ酸、ホウ砂、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等も使用できる。前述のような粘着剤、接着剤は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れる。具体的には、前記偏光子がPVA系フィルムの場合、例えば、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのまま偏光子や透明保護層の表面に塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置してもよい。また、例えば、水溶液として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。なお、前記接着剤を塗布する場合は、例えば、前記接着剤水溶液に、さらに、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。このような接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1nm〜500nmであり、好ましくは10nm〜300nmであり、より好ましくは20nm〜100nmである。特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマー等の接着剤等を使用した従来公知の方法が採用できる。これらの接着剤は、例えば、その水溶液を前記各構成物表面に塗工し、乾燥すること等によって使用できる。前記水溶液には、例えば、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合できる。これらの中でも、前記接着剤としては、PVAフィルムとの接着性に優れる点から、PVA系接着剤が好ましい。
本発明の光学補償層付き偏光板は、実用に際して、前記本発明の光学フィルムの他に、さらに他の光学層を含んでもよい。前記光学層としては、例えば、以下に示すような偏光板、反射板、半透過反射板、輝度向上フィルム等、液晶表示装置等の形成に使用される、従来公知の各種光学層があげられる。これらの光学層は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよく、また、一層でもよいし、二層以上を積層してもよい。このような光学層をさらに含む光学補償層付き偏光板は、例えば、光学補償機能を有する一体型偏光板として使用することが好ましく、例えば、液晶セル表面に配置する等、各種画像表示装置への使用に適している。
以下に、このような一体型偏光板について説明する。
まず、反射型偏光板または半透過反射型偏光板の一例について説明する。前記反射型偏光板は、本発明の光学補償層付き偏光板にさらに反射板が、前記半透過反射型偏光板は、本発明の光学補償層付き偏光板にさらに半透過反射板が、それぞれ積層されている。
前記反射型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、例えば、バックライト等の光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
前記反射型偏光板は、例えば、前記弾性率を示す偏光板の片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法等、従来公知の方法によって作製できる。具体的には、例えば、前記偏光板における透明保護層の片面(露出面)を、必要に応じてマット処理し、前記面に、アルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を反射板として形成した反射型偏光板等があげられる。
また、前述のように各種透明樹脂に微粒子を含有させて表面を微細凹凸構造とした透明保護層の上に、その微細凹凸構造を反映させた反射板を形成した、反射型偏光板等もあげられる。その表面が微細凹凸構造である反射板は、例えば、入射光を乱反射により拡散させ、指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制できるという利点を有する。このような反射板は、例えば、前記透明保護層の凹凸表面に、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等、従来公知の方法により、直接、前記金属箔や金属蒸着膜として形成することができる。
また、前述のように偏光板の透明保護層に前記反射板を直接形成する方式に代えて、反射板として、前記透明保護フィルムのような適当なフィルムに反射層を設けた反射シート等を使用してもよい。前記反射板における前記反射層は、通常、金属から構成されるため、例えば、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、透明保護層の別途形成を回避する点等から、その使用形態は、前記反射層の反射面が前記フィルムや偏光板等で被覆された状態であることが好ましい。
一方、前記半透過型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。前記半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等があげられる。
前記半透過型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等に使用できる。すなわち、前記半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、一方、比較的暗い雰囲気下においても、前記内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
つぎに、本発明の光学補償層付き偏光板に、さらに輝度向上フィルムが積層された偏光板の一例を説明する。
前記輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。このような輝度向上フィルムとしては、例えば、3M社製の商品名「D−BEF」等があげられる。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等が使用できる。これらは、左右一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであり、例えば、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名「Transmax」等があげられる。
本発明の各種偏光板は、例えば、前述のような位相差板を含む光学補償層付き偏光板と、さらに光学層とを積層して、2層以上の光学層を含む光学部材であってもよい。
このように2層以上の光学層を積層した光学部材は、例えば、液晶表示装置等の製造過程において、順次別個に積層する方式によっても形成できるが、予め積層した光学部材として使用すれば、例えば、品質の安定性や組立作業性等に優れ、液晶表示装置等の製造効率を向上できるという利点がある。なお、積層には、前述と同様に、粘着層等の各種接着手段を用いることができる。
前述のような各種偏光板は、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに粘着剤層や接着剤層を有していることが好ましく、これらは、前記偏光板の片面または両面に配置することができる。前記粘着層の材料としては、特に制限されず、アクリル系ポリマー等の従来公知の材料が使用でき、特に、吸湿による発泡や剥離の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、例えば、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層となることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層等でもよい。前記偏光板表面への前記粘着剤層の形成は、例えば、各種粘着材料の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、前記偏光板の所定の面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記偏光板の所定面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような層は、偏光板のいずれの表面に形成してもよく、例えば、偏光板における前記位相差板の露出面に形成してもよい。
このように偏光板に設けた粘着剤層等の表面が露出する場合は、前記粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護フィルム等のような適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを設ける方法等によって形成できる。
前記粘着剤層等は、例えば、単層体でもよいし、積層体でもよい。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層を組合せた積層体を使用することもできる。また、前記偏光板の両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着剤層でもよいし、異なる組成や異なる種類の粘着剤層であってもよい。
前記粘着剤層の厚みは、例えば、偏光板の構成等に応じて適宜に決定でき、一般には、1〜500μmである。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等があげられる。
前記粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、前記粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
以上のような本発明の光学フィルムや偏光板、各種光学部材(光学層をさらに積層した各種偏光板)を形成する偏光フィルム、透明保護層、光学層、粘着剤層等の各層は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものでもよい。
本発明の光学フィルムや偏光板は、前述のように、液晶表示装置等の各種装置の形成に使用することが好ましく、例えば、偏光板を液晶セルの片側または両側に配置して液晶パネルとし、反射型や半透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置に用いることができる。
液晶表示装置を形成する前記液晶セルの種類は、任意で選択でき、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等、種々のタイプの液晶セルが使用できる。これらの中でも、本発明の光学フィルムや偏光板は、特にVA(垂直配向;Vertical Aligned)セルの光学補償に非常に優れているので、VAモードの液晶表示装置用の視角補償フィルムとして非常に有用である。
また、前記液晶セルは、通常、対向する液晶セル基板の間隙に液晶が注入された構造であって、前記液晶セル基板としては、特に制限されず、例えば、ガラス基板やプラスチック基板が使用できる。なお、前記プラスチック基板の材質としては、特に制限されず、従来公知の材料があげられる。
また、液晶セルの両面に偏光板や光学部材を設ける場合、それらは同じ種類のものでもよいし、異なっていてもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適当な部品を、適当な位置に1層または2層以上配置することができる。
さらに、本発明の液晶表示装置は、液晶パネルを含み、前記液晶パネルとして、本発明の液晶パネルを使用する以外は、特に制限されない。また、さらに光源を有する場合には、特に制限されないが、例えば、光のエネルギーが有効に使用できることから、例えば、偏光を出射する平面光源であることが好ましい。
本発明の液晶パネルの一例としては、以下のような構成があげられる。例えば、液晶セル、本発明の光学フィルム、偏光子および透明保護層を有しており、前記液晶セルの一方の面に前記光学フィルムが積層されており、前記光学フィルムの他方の面に、前記偏光子および前記透明保護層が、この順序で積層されている構造である。前記液晶セルは、二枚の液晶セル基板の間に、液晶が保持された構成となっている。また、前記光学フィルムが、前述のようにポリイミドフィルムと基材との積層体である場合、その配置は特に制限されないが、例えば、前記ポリイミドフィルム側が前記液晶セルに面しており、前記基材側が前記偏光子に面している形態があげられる。
本発明の液晶表示装置は、視認側の光学フィルム(偏光板)の上に、例えば、さらに拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護層や保護板を配置したり、または液晶パネルにおける液晶セルと偏光板との間に補償用位相差板等を適宜配置することもできる。
なお、本発明の光学フィルムや偏光板は、前述のような液晶表示装置には限定されず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)、FED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)等の自発光型表示装置にも使用できる。自発光型フラットディスプレイに使用する場合は、例えば、本発明の複屈折性光学フィルムの面内位相差値Δndをλ/4にすることで、円偏光を得ることができるため、反射防止フィルターとして利用できる。
以下に、本発明の偏光板を備えるエレクトロルミネッセンス(EL)表示装置について説明する。本発明のEL表示装置は、本発明の光学フィルムまたは偏光板を有する表示装置であり、このEL装置は、有機ELおよび無機ELのいずれでもよい。
近年、EL表示装置においても、黒状態における電極からの反射防止として、例えば、偏光子や偏光板等の光学フィルムをλ/4板とともに使用することが提案されている。本発明の偏光子や光学フィルムは、特に、EL層から、直線偏光、円偏光もしくは楕円偏光のいずれかの偏光が発光されている場合、あるいは、正面方向に自然光を発光していても、斜め方向の出射光が部分偏光している場合等に、非常に有用である。
まずここで、一般的な有機EL表示装置について説明する。前記有機EL表示装置は、一般に、透明基板上に、透明電極、有機発光層および金属電極がこの順序で積層された発光体(有機EL発光体)を有している。前記有機発光層は、種々の有機薄膜の積層体であり、例えば、トリフェニルアミン誘導体等からなる正孔注入層とアントラセン等の蛍光性有機固体からなる発光層との積層体や、このような発光層とペリレン誘導体等からなる電子注入層との積層体や、また、前記正孔注入層と発光層と電子注入層との積層体等、種々の組み合わせがあげられる。
そして、このような有機EL表示装置は、前記陽極と陰極とに電圧を印加することによって、前記有機発光層に正孔と電子とが注入され、前記正孔と電子とが再結合することによって生じるエネルギーが、蛍光物質を励起し、励起された蛍光物質が基底状態に戻るときに光を放射する、という原理で発光する。前記正孔と電子との再結合というメカニズムは、一般のダイオードと同様であり、電流と発光強度とは、印加電圧に対して整流性を伴う強い非線形性を示す。
前記有機EL表示装置においては、前記有機発光層での発光を取り出すために、少なくとも一方の電極が透明であることが必要なため、通常、酸化インジウムスズ(ITO)等の透明導電体で形成された透明電極が陽極として使用される。一方、電子注入を容易にして発光効率を上げるには、陰極に、仕事関数の小さな物質を用いることが重要であり、通常、Mg−Ag、Al−Li等の金属電極が使用される。
このような構成の有機EL表示装置において、前記有機発光層は、例えば、厚み10nm程度の極めて薄い膜で形成されることが好ましい。これは、前記有機発光層においても、透明電極と同様に、光をほぼ完全に透過させるためである。その結果、非発光時に、前記透明基板の表面から入射して、前記透明電極と有機発光層とを透過して前記金属電極で反射した光が、再び前記透明基板の表面側へ出る。このため、外部から視認した際に、有機EL表示装置の表示面が鏡面のように見えるのである。
本発明の有機EL表示装置は、例えば、前記有機発光層の表面側に透明電極を備え、前記有機発光層の裏面側に金属電極を備えた前記有機EL発光体を含む有機EL表示装置において、前記透明電極の表面に、本発明の光学フィルム(偏光板等)が配置されることが好ましく、さらにλ/4板を偏光板とEL素子との間に配置することが好ましい。このように、本発明の光学フィルムを配置することによって、外界の反射を抑え、視認性向上が可能であるという効果を示す有機EL表示装置となる。また、前記透明電極と光学フィルムとの間に、さらに位相差板が配置されることが好ましい。
前記位相差板および光学フィルム(偏光板等)は、例えば、外部から入射して前記金属電極で反射してきた光を偏光する作用を有するため、その偏光作用によって前記金属電極の鏡面を外部から視認させないという効果がある。特に、位相差板として1/4波長板を使用し、かつ、前記偏光板と前記位相差板との偏光方向のなす角をπ/4に調整すれば、前記金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができる。すなわち、この有機EL表示装置に入射する外部光は、前記偏光板によって直線偏光成分のみが透過する。この直線偏光は、前記位相差板によって、一般に楕円偏光となるが、特に前記位相差板が1/4波長板であり、しかも前記角がπ/4の場合には、円偏光となる。
この円偏光は、例えば、透明基板、透明電極、有機薄膜を透過し、金属電極で反射して、再び、有機薄膜、透明電極、透明基板を透過して、前記位相差板で再び直線偏光となる。そして、この直線偏光は、前記偏光板の偏光方向と直交しているため、前記偏光板を透過できず、その結果、前述のように、金属電極の鏡面を完全に遮蔽することができるのである。
本発明の新規ポリイミドは、例えば、光学フィルム用フィルムの材料として有用である。

Claims (16)

  1. 下記式(I)で表される繰り返し単位および下記式(II)で表される繰り返し単位の少なくとも1つの繰り返し単位と、
    下記式(III)で表される繰り返し単位および下記式(IV)で表される繰り返し単位の少なくとも1つの繰り返し単位とを有し、かつ下記式(I)で表される繰り返し単位と下記式(III)で表される繰り返し単位のみを同時に有さないポリイミド。
    Figure 2004331951
    前記式(I)において、Aは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
    前記式(II)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
    前記式(II)において、R1およびR2は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
    前記式(II)において、n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
    前記式(III)において、Yは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
    前記式(IV)において、R3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
    前記式(IV)において、n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
  2. 下記式(V)で表される請求項1に記載のポリイミド。
    Figure 2004331951
    前記式(V)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
    Yは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
    1およびR2は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
    n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
    nは、10〜1000の整数である。
  3. 下記式(VI)で表される請求項1に記載のポリイミド。
    Figure 2004331951
    前記式(VI)において、Aは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
    3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
    n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
    nは、10〜1000の整数である。
  4. 式(VII)で表される請求項1に記載のポリイミド。
    Figure 2004331951
    前記式(VII)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
    1、R2、R3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
    n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
    n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
    nは、10〜1000の整数である。
  5. 酸二無水物とジアミンとを反応させることを含む請求項1に記載のポリイミドの製造方法であって、
    前記酸二無水物が、下記式(VIII)で表される酸二無水物および下記式(IX)で表される酸二無水物の少なくとも1つであり、
    前記ジアミンが、下記式(X)で表されるジアミンおよび下記式(XI)で表されるジアミンの少なくとも1つである製造方法。
    Figure 2004331951
    前記式(VIII)において、Aは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
    前記式(IX)において、Xは、結合手、−CH2−、−C(=O)−、−C(CF32−、−O−または−SO2−である。
    前記式(IX)において、R1およびR2は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
    前記式(IX)において、n1およびn2は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜3の整数である。置換基数が複数の場合、R1およびR2は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
    前記式(X)において、Yは、置換されていてもよい非芳香族炭化水素基である。
    前記式(XI)において、R3、R4、R5およびR6は、同一であっても、または異なっていてもよく、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基である。前記アルキル基と前記アリール基は置換されていてもよい。
    前記式(XI)において、n3、n4、n5およびn6は置換基数を示し、同一であっても、または異なっていてもよく、0〜4の整数である。置換基数が複数の場合、R3、R4、R5およびR6は、それぞれ同一であっても、または異なっていてもよい。
  6. 請求項5に記載の製造方法により得られるポリイミド。
  7. 負の配向複屈折を示す請求項1〜4および6のいずれかに記載のポリイミド。
  8. 請求項1〜4および6のいずれかに記載のポリイミドから形成されるポリイミドフィルム。
  9. 請求項1〜4および6のいずれかに記載のポリイミドから形成されるポリイミドフィルムの製造方法であって、
    前記ポリイミドの溶液または溶融液を、基材上に塗工し、固化させてポリイミドフィルムを形成する製造方法。
  10. 請求項9に記載の製造方法により得られるポリイミドフィルム。
  11. 請求項8または10に記載のポリイミドフィルムを含む光学フィルム。
  12. 請求項11に記載の光学フィルムを含む位相差板。
  13. 位相差板を含む光学補償層付き偏光板であって、前記位相差板が請求項12に記載の位相差板である光学補償層付き偏光板。
  14. 液晶セルおよび光学部材を含み、前記液晶セルの少なくとも一方の表面に前記光学部材が配置された液晶パネルであって、前記光学部材が、請求項12に記載の位相差板または請求項13に記載の光学補償層付き偏光板である液晶パネル。
  15. 液晶パネルを含む液晶表示装置であって、前記液晶パネルが請求項14に記載の液晶パネルである液晶表示装置。
  16. 請求項12に記載の位相差板または請求項13に記載の光学補償層付き偏光板を含むことを特徴とする画像表示装置。
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