JP2004331506A - エポキシ基末端(メタ)アクリレート - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ基末端(メタ)アクリレートに関し、詳しくは、塗料などの原料として有用なエポキシ基末端(メタ)アクリレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ基末端(メタ)アクリレートの一般的な製造方法として、エステル交換反応触媒の存在下にアクリル酸エステルとモノグリシジルエーテルとのエステル交換反応がある(例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】
例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(以下4HBAGEと略記する)の場合には、アクリル酸エステルとヒドロキシブチルグリシジルエーテル(以下1,4BDMGEと略記する)とのエステル交換反応により製造することが出来る。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−99968号公報
【特許文献2】
特開2000−128831号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、原料として上記のエポキシ基末端(メタ)アクリレートを使用して塗料などを製造しようとした場合、例えばエポキシ基を利用してカルボン酸または酸無水物などを架橋剤として使用した場合、予想に反して架橋効率が低いばかりでなく、得られる塗料の耐候性や物性が低い。また、ラジカル重合した場合には、樹脂が黄変する等の弊害も起こる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、原料として使用した場合、最終目的物が目標とする物性が得られなかったり、着色などの不具合を起こすことのない、エポキシ基末端(メタ)アクリレートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、前記のエポキシ基末端(メタ)アクリレート中には通常0.5重量%を超える量のモノグリシジルエーテルが残存し、上記の問題はこのモノグリシジルエーテルに起因する。
【0008】
エポキシ基末端(メタ)アクリレート中に残存するモノグリシジルエーテルのエポキシ基は、エポキシ基末端(メタ)アクリレートのエポキシ基と同様の反応性を有しているため、塗料原料として使用する場合、例えば架橋剤としてジカルボン酸と反応した場合、モノグリシジルエーテルも反応して樹脂中に残存し、耐候性の低下や所望の物性が得られないといった不具合が発生する。また、ラジカル重合をさせた場合には、生成した樹脂が黄変するといった不具合も、含有するモノグリシジルエーテルにより発生する。
【0009】
本発明は、上記の知見に基づき達成されたものであり、その要旨は、下記一般式(I)で示されるモノグリシジルエーテルの含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする下記一般式(II)で示されるエポキシ基末端(メタ)アクリレートに存する。
【0010】
【化2】
(式(I)及び(II)中、Yは炭素数2〜6のアルキレン基、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、エポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法としては、アクリル酸エステルとモノグリシジルエーテルとのエステル交換反応が好適に使用される。
【0012】
アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
【0013】
モノグリシジルエーテルは、公知の製造方法、例えば特公昭58−42867号公報や特開平8−99968号公報に記載されている製造方法で得ることが出来る。一般的には、アルカリ化合物を使用し、ジオール化合物とエピハロヒドリンとを直接脱ハロゲン付加反応させる。
【0014】
ジオール化合物は炭素数が2〜6のものが使用され、その具体例としては、C2:エチレングリコール、C3:1,3プロパンジオール、C4:1,4−ブタンジオール、C5:1,5−ペンタンジオール、C6:1,6−ヘキサンジオールを挙げることが出来る。
【0015】
エステル交換反応は、平衡反応であるため、アクリル酸エステルや炭化水素溶媒との共沸により、反応で生成するアルコールを系外に留去しながら行う。反応を完結させることは、過剰にアクリル酸エステルを使用したとしても困難であり、モノグリシジルエーテルの含有量は、通常の反応時間(8〜10時間)で3〜5重量%程度であり、更に長い反応時間では副反応が増加する。
【0016】
本発明のエポキシ基末端(メタ)アクリレートは、モノグリシジルエーテルの含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする。モノグリシジルエーテルの含有量は、好ましくは0.3重量%以下、更に好ましくは実質的に含有しない0.1重量%以下である。モノグリシジルエーテルの含有量が0.5重量%を超える場合は本発明の目的を達成することが出来ない。
【0017】
本発明においては、例えば、水と非水溶性有機溶媒による抽出処理により、モノグリシジルエーテルの含有量を低減させることが出来る。すなわち、親水性のモノグリシジルエーテルは水によって抽出される。
【0018】
因に、精密蒸留により、目的とするエポキシ基末端(メタ)アクリレートを分離精製しようとすれば、各々の沸点が近いために分離し難い。しかも、エポキシ基末端(メタ)アクリレートは、熱により容易に重合するため、精密蒸留は好ましくない。
【0019】
非水溶性有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N−ヘキサン、N−ヘプタン等の鎖状飽和炭化水素類などが挙げられる。これらの中ではトルエンが好ましい。
【0020】
非水溶性有機溶媒の使用量は、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに対し、通常1〜5重量倍である。これより少ない場合は、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに引きずられる形でモノグリシジルエーテルが非水溶性有機溶媒相に混入し、抽出効率が低下する。また、これ以上多くても効果はない。
【0021】
水の使用量は、エポキシ基末端(メタ)アクリレートに対し、通常0.1〜3重量倍である。これよりも少ない場合は、分離性が悪化し、また、モノグリシジルエーテルの抽出効率も低下する。また、水にメタノールを加えるとモノグリシジルエーテルの抽出効率が向上するので好ましい。メタノールの使用量は、水に対し、通常0.1〜1.0重量倍である。
【0022】
抽出処理は例えば次の様に行うことが出来る。すなわち、先ず、エステル交換反応後の反応液に水(及びメタノール)を加え10〜40℃で10〜60分間撹拌し、次に、非水溶性有機溶媒を加え10〜40℃で10〜60分間撹拌する。次いで、10〜60分間静置し、水層と非水溶性有機溶剤を分液する。反応液中のモノグリシジルエーテル量によるが、通常は1回の抽出で目的とするモノグリシジルエーテル含有量以下に達することが出来る。1回で未達の際には、上記操作を繰り返し行う。
【0023】
非水溶性有機溶剤からのエポキシ基末端(メタ)アクリレートの取得は、非水溶性有機溶剤を減圧留去などの方法により除去することによって行う。これによってモノグリシジルエーテルの含有量が低減されたエポキシ基末端(メタ)アクリレートを得ることが出来る。回収された非水溶性有機溶剤は、再び、モノグリシジルエーテルを含有するエポキシ基末端(メタ)アクリレートの抽出に使用できる。
【0024】
モノグリシジルエーテル含有量が低減化された本発明のエポキシ基末端(メタ)アクリレートは、自動車用塗料、家電製品、情報技術関連基材などの用途、特に、これらのトップコートに使用した場合、通常品を使用した場合に比し、得られる最終製品の物性が格段に向上する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例より更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】
実施例1
蒸留装置、温度計、撹拌装置を取り付けた3L四つ口フラスコに1,4BDMGE600g(4.11モル)、アクリル酸メチルエステル1590g(18.49モル)、チタンテトラ−n−ブトキシド14g(0.041モル)、フェノチアジン2.4g(0.012モル)を加えた。
【0027】
撹拌下、昇温を開始し、反応液温度83℃でメタノール/アクリル酸メチルエステルの共沸が始まった。この際の留出温度は60〜63℃であった。その後、10時間反応を行い、メタノール/アクリル酸メチルエステルの共沸溶液を合計810g抜き出した。この時点での1,4BDMGEの残存量は、対4HBAGEで4.1重量%であった。その後、200torrの減圧下、残存するアクリル酸メチルエステルを回収した。
【0028】
反応液845g(4HBAGE含有量760g(3.8モル)、1,4BDMGE含有量30g(対4HBAGE3.9重量%))を回収し、これに水500gを加え、30分間撹拌した。次に、トルエン1000gを加え、再び30分間撹拌した。その後、静置60分後、分液を行った。トルエン層には4HBAGE752g、1,4BDMGE6g(対4HBAGE0.8重量%)が含有されていた。
【0029】
トルエン層に水/メタノール(重量比50/50)500gを新たに加え、上記と同様の条件で抽出を行った。トルエン層中には4HBAGE749gが含まれており、1,4BDMGEはGCでは検出されなかった。
【0030】
その後、減圧下にトルエンを留去して4HBAGEを得た。原料1,4BDMGE中に存在する不純物を除くため、100〜120℃/2〜3torrの条件で蒸留を行った。その結果、純度99.5重量%の4HBAGEが685g回収できた。
【0031】
比較例1
実施例1と同様の反応に反応を行った。10時間後のメタノール/アクリル酸メチルメチルエステルの共沸抜き出し量は780gであり、1,4BDMGE残存量は、対4HBAGEで4.9重量%であった。その後、2時間反応(合計12時間)したが、1,4BDMGEは、対4HBAGEで4.5重量%であった。アクリル酸メチルエステルを新たに795g(9.25モル)追加し、反応を継続した。その後、3時間反応(合計15時間)し、1,4BDMGEは、対4HBAGEで1.6重量%になった。合計20時間反応し、1,4BDMGEの残存量は対4HBAGEで1.2重量%であった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、原料として使用した場合、最終目的物中に不純物が発生したり、所望の物性が得られなかったり等の様々の問題を惹起することのない、エポキシ基末端(メタ)アクリレートが提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、エポキシ基末端(メタ)アクリレートに関し、詳しくは、塗料などの原料として有用なエポキシ基末端(メタ)アクリレートに関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ基末端(メタ)アクリレートの一般的な製造方法として、エステル交換反応触媒の存在下にアクリル酸エステルとモノグリシジルエーテルとのエステル交換反応がある(例えば特許文献1及び2参照)。
【0003】
例えば、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(以下4HBAGEと略記する)の場合には、アクリル酸エステルとヒドロキシブチルグリシジルエーテル(以下1,4BDMGEと略記する)とのエステル交換反応により製造することが出来る。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−99968号公報
【特許文献2】
特開2000−128831号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、原料として上記のエポキシ基末端(メタ)アクリレートを使用して塗料などを製造しようとした場合、例えばエポキシ基を利用してカルボン酸または酸無水物などを架橋剤として使用した場合、予想に反して架橋効率が低いばかりでなく、得られる塗料の耐候性や物性が低い。また、ラジカル重合した場合には、樹脂が黄変する等の弊害も起こる。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、原料として使用した場合、最終目的物が目標とする物性が得られなかったり、着色などの不具合を起こすことのない、エポキシ基末端(メタ)アクリレートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、次の様な知見を得た。すなわち、前記のエポキシ基末端(メタ)アクリレート中には通常0.5重量%を超える量のモノグリシジルエーテルが残存し、上記の問題はこのモノグリシジルエーテルに起因する。
【0008】
エポキシ基末端(メタ)アクリレート中に残存するモノグリシジルエーテルのエポキシ基は、エポキシ基末端(メタ)アクリレートのエポキシ基と同様の反応性を有しているため、塗料原料として使用する場合、例えば架橋剤としてジカルボン酸と反応した場合、モノグリシジルエーテルも反応して樹脂中に残存し、耐候性の低下や所望の物性が得られないといった不具合が発生する。また、ラジカル重合をさせた場合には、生成した樹脂が黄変するといった不具合も、含有するモノグリシジルエーテルにより発生する。
【0009】
本発明は、上記の知見に基づき達成されたものであり、その要旨は、下記一般式(I)で示されるモノグリシジルエーテルの含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする下記一般式(II)で示されるエポキシ基末端(メタ)アクリレートに存する。
【0010】
【化2】
(式(I)及び(II)中、Yは炭素数2〜6のアルキレン基、Rは水素原子またはメチル基を表す。)
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において、エポキシ基末端(メタ)アクリレートの製造方法としては、アクリル酸エステルとモノグリシジルエーテルとのエステル交換反応が好適に使用される。
【0012】
アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
【0013】
モノグリシジルエーテルは、公知の製造方法、例えば特公昭58−42867号公報や特開平8−99968号公報に記載されている製造方法で得ることが出来る。一般的には、アルカリ化合物を使用し、ジオール化合物とエピハロヒドリンとを直接脱ハロゲン付加反応させる。
【0014】
ジオール化合物は炭素数が2〜6のものが使用され、その具体例としては、C2:エチレングリコール、C3:1,3プロパンジオール、C4:1,4−ブタンジオール、C5:1,5−ペンタンジオール、C6:1,6−ヘキサンジオールを挙げることが出来る。
【0015】
エステル交換反応は、平衡反応であるため、アクリル酸エステルや炭化水素溶媒との共沸により、反応で生成するアルコールを系外に留去しながら行う。反応を完結させることは、過剰にアクリル酸エステルを使用したとしても困難であり、モノグリシジルエーテルの含有量は、通常の反応時間(8〜10時間)で3〜5重量%程度であり、更に長い反応時間では副反応が増加する。
【0016】
本発明のエポキシ基末端(メタ)アクリレートは、モノグリシジルエーテルの含有量が0.5重量%以下であることを特徴とする。モノグリシジルエーテルの含有量は、好ましくは0.3重量%以下、更に好ましくは実質的に含有しない0.1重量%以下である。モノグリシジルエーテルの含有量が0.5重量%を超える場合は本発明の目的を達成することが出来ない。
【0017】
本発明においては、例えば、水と非水溶性有機溶媒による抽出処理により、モノグリシジルエーテルの含有量を低減させることが出来る。すなわち、親水性のモノグリシジルエーテルは水によって抽出される。
【0018】
因に、精密蒸留により、目的とするエポキシ基末端(メタ)アクリレートを分離精製しようとすれば、各々の沸点が近いために分離し難い。しかも、エポキシ基末端(メタ)アクリレートは、熱により容易に重合するため、精密蒸留は好ましくない。
【0019】
非水溶性有機溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N−ヘキサン、N−ヘプタン等の鎖状飽和炭化水素類などが挙げられる。これらの中ではトルエンが好ましい。
【0020】
非水溶性有機溶媒の使用量は、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに対し、通常1〜5重量倍である。これより少ない場合は、エポキシ基含有(メタ)アクリレートに引きずられる形でモノグリシジルエーテルが非水溶性有機溶媒相に混入し、抽出効率が低下する。また、これ以上多くても効果はない。
【0021】
水の使用量は、エポキシ基末端(メタ)アクリレートに対し、通常0.1〜3重量倍である。これよりも少ない場合は、分離性が悪化し、また、モノグリシジルエーテルの抽出効率も低下する。また、水にメタノールを加えるとモノグリシジルエーテルの抽出効率が向上するので好ましい。メタノールの使用量は、水に対し、通常0.1〜1.0重量倍である。
【0022】
抽出処理は例えば次の様に行うことが出来る。すなわち、先ず、エステル交換反応後の反応液に水(及びメタノール)を加え10〜40℃で10〜60分間撹拌し、次に、非水溶性有機溶媒を加え10〜40℃で10〜60分間撹拌する。次いで、10〜60分間静置し、水層と非水溶性有機溶剤を分液する。反応液中のモノグリシジルエーテル量によるが、通常は1回の抽出で目的とするモノグリシジルエーテル含有量以下に達することが出来る。1回で未達の際には、上記操作を繰り返し行う。
【0023】
非水溶性有機溶剤からのエポキシ基末端(メタ)アクリレートの取得は、非水溶性有機溶剤を減圧留去などの方法により除去することによって行う。これによってモノグリシジルエーテルの含有量が低減されたエポキシ基末端(メタ)アクリレートを得ることが出来る。回収された非水溶性有機溶剤は、再び、モノグリシジルエーテルを含有するエポキシ基末端(メタ)アクリレートの抽出に使用できる。
【0024】
モノグリシジルエーテル含有量が低減化された本発明のエポキシ基末端(メタ)アクリレートは、自動車用塗料、家電製品、情報技術関連基材などの用途、特に、これらのトップコートに使用した場合、通常品を使用した場合に比し、得られる最終製品の物性が格段に向上する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明を実施例より更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0026】
実施例1
蒸留装置、温度計、撹拌装置を取り付けた3L四つ口フラスコに1,4BDMGE600g(4.11モル)、アクリル酸メチルエステル1590g(18.49モル)、チタンテトラ−n−ブトキシド14g(0.041モル)、フェノチアジン2.4g(0.012モル)を加えた。
【0027】
撹拌下、昇温を開始し、反応液温度83℃でメタノール/アクリル酸メチルエステルの共沸が始まった。この際の留出温度は60〜63℃であった。その後、10時間反応を行い、メタノール/アクリル酸メチルエステルの共沸溶液を合計810g抜き出した。この時点での1,4BDMGEの残存量は、対4HBAGEで4.1重量%であった。その後、200torrの減圧下、残存するアクリル酸メチルエステルを回収した。
【0028】
反応液845g(4HBAGE含有量760g(3.8モル)、1,4BDMGE含有量30g(対4HBAGE3.9重量%))を回収し、これに水500gを加え、30分間撹拌した。次に、トルエン1000gを加え、再び30分間撹拌した。その後、静置60分後、分液を行った。トルエン層には4HBAGE752g、1,4BDMGE6g(対4HBAGE0.8重量%)が含有されていた。
【0029】
トルエン層に水/メタノール(重量比50/50)500gを新たに加え、上記と同様の条件で抽出を行った。トルエン層中には4HBAGE749gが含まれており、1,4BDMGEはGCでは検出されなかった。
【0030】
その後、減圧下にトルエンを留去して4HBAGEを得た。原料1,4BDMGE中に存在する不純物を除くため、100〜120℃/2〜3torrの条件で蒸留を行った。その結果、純度99.5重量%の4HBAGEが685g回収できた。
【0031】
比較例1
実施例1と同様の反応に反応を行った。10時間後のメタノール/アクリル酸メチルメチルエステルの共沸抜き出し量は780gであり、1,4BDMGE残存量は、対4HBAGEで4.9重量%であった。その後、2時間反応(合計12時間)したが、1,4BDMGEは、対4HBAGEで4.5重量%であった。アクリル酸メチルエステルを新たに795g(9.25モル)追加し、反応を継続した。その後、3時間反応(合計15時間)し、1,4BDMGEは、対4HBAGEで1.6重量%になった。合計20時間反応し、1,4BDMGEの残存量は対4HBAGEで1.2重量%であった。
【0032】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、原料として使用した場合、最終目的物中に不純物が発生したり、所望の物性が得られなかったり等の様々の問題を惹起することのない、エポキシ基末端(メタ)アクリレートが提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
Claims (4)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003121434A JP2004331506A (ja) | 2003-03-11 | 2003-04-25 | エポキシ基末端(メタ)アクリレート |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003064556 | 2003-03-11 | ||
JP2003121434A JP2004331506A (ja) | 2003-03-11 | 2003-04-25 | エポキシ基末端(メタ)アクリレート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004331506A true JP2004331506A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33512891
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003121434A Pending JP2004331506A (ja) | 2003-03-11 | 2003-04-25 | エポキシ基末端(メタ)アクリレート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004331506A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8183018B2 (en) | 2006-10-26 | 2012-05-22 | Basf Aktiengesellschaft | Process for producing of epoxy-containing (meth)acrylic esters, using lipases |
US8211553B2 (en) | 2003-06-02 | 2012-07-03 | Fujifilm Corporation | Organic electroluminescent devices and metal complex compounds |
-
2003
- 2003-04-25 JP JP2003121434A patent/JP2004331506A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8211553B2 (en) | 2003-06-02 | 2012-07-03 | Fujifilm Corporation | Organic electroluminescent devices and metal complex compounds |
US10396299B2 (en) | 2003-06-02 | 2019-08-27 | Udc Ireland Limited | Organic electroluminescent devices and metal complex compounds |
US11393989B2 (en) | 2003-06-02 | 2022-07-19 | Udc Ireland Limited | Organic electroluminescent devices and metal complex compounds |
US8183018B2 (en) | 2006-10-26 | 2012-05-22 | Basf Aktiengesellschaft | Process for producing of epoxy-containing (meth)acrylic esters, using lipases |
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