JP2004331175A - 被収容物の加熱方法および高周波加熱装置用容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】被収容物を容易かつ確実に加熱できる被収容物の加熱方法を提供する。
【解決手段】水Wを保持した吸水性素材3で、食品2を収容したレトルトパウチ1を包装する。吸水性素材3で包装されたレトルトパウチ1を、電子レンジで所定の時間加熱する。水Wのみを電子レンジのマイクロウェーブにて加熱することで、加熱した水Wを保持する吸水性素材3を介してレトルトパウチ1を間接的に加熱する。食品2がレトルトパウチ1に接触して、食品2を容易かつ確実に加熱できる。
【選択図】 図1
【解決手段】水Wを保持した吸水性素材3で、食品2を収容したレトルトパウチ1を包装する。吸水性素材3で包装されたレトルトパウチ1を、電子レンジで所定の時間加熱する。水Wのみを電子レンジのマイクロウェーブにて加熱することで、加熱した水Wを保持する吸水性素材3を介してレトルトパウチ1を間接的に加熱する。食品2がレトルトパウチ1に接触して、食品2を容易かつ確実に加熱できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波を遮蔽する部材を少なくとも一部に備えた密閉容器に収容された被収容物を加熱する被収容物の加熱方法、および、高周波を遮蔽する部材を少なくとも一部に有する密閉容器を備えた高周波加熱装置用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば金属系などの高周波遮蔽部材を用いた容器であるいわゆるレトルトパウチ、あるいは缶詰に収容された被収容物としての内容物である食品は、高周波遮蔽部材により食品が電磁的に遮蔽されているので、高周波加熱装置、すなわち電子レンジで加熱調理の際に、電子レンジの電磁波である高周波、すなわちマイクロウェーブが食品に届かない。このため、これらレトルトパウチ、あるいは缶入り食品を電子レンジで加熱調理する際には、食品を別の容器に移した後、電子レンジにより加熱調理加工することが一般的であった。
【0003】
しかしながら、この加熱法では、電子レンジによる加熱が容器内で均一になることが容易でないため、食品の容器の内周に接触する部分が過剰加熱されて焦げ付いたりすることがあり、食品を確実に加熱することが容易でない。また、食品を別の容器に移すことでこの容器を汚濁するため、本来の簡易食品としての機能を充分に発揮していなかった。
【0004】
このため、レトルトパウチにおいては、このレトルトパウチを構成する素材を高周波遮蔽性のないものとし、内部の温度圧力により剥離してレトルトパウチの破裂などを防止するための剥離開口部を設けた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載されているレトルトパウチを用いた食品の加熱方法では、レトルトパウチに剥離開口部を設けなければならないなど、食品の加熱が容易でない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−240150号公報(第3−4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の加熱方法では、食品の加熱が容易かつ確実でないという問題点を有している。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、被収容物を容易かつ確実に加熱できる被収容物の加熱方法および高周波加熱装置用容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の被収容物の加熱方法は、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備えた密閉容器に収容された被収容物を加熱する被収容物の加熱方法であって、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、前記被収容物を収容した前記密閉容器を包装し、この包装体で包装された密閉容器を、前記高周波加熱装置で所定の時間加熱するものである。
【0010】
そして、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、被収容物を収容した密閉容器を包装し、この包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0011】
請求項2記載の被収容物の加熱方法は、請求項1記載の被収容物の加熱方法において、密閉容器は、軟質容器であり、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、被収容物を収容した前記密閉容器を包装する際に、この密閉容器を前記包装体とともに板材で挟持し、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、前記高周波加熱装置で所定の時間加熱するものである。
【0012】
そして、軟質容器である密閉容器を包装体で包装する際に、この密閉容器を包装体とともに板材で挟持し、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0013】
請求項3記載の被収容物の加熱方法は、請求項1または2記載の被収容物の加熱方法において、包装体で包装された密閉容器を高周波加熱装置で所定の時間加熱する際に、前記包装体で包装された密閉容器を回転させるものである。
【0014】
そして、包装体で包装された密閉容器を回転させて高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0015】
請求項4記載の高周波加熱装置用容器は、高周波加熱装置で加熱される高周波加熱装置用容器であって、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備え、被収容物を収容した密閉容器と、熱触媒を保持し前記密閉容器を包装する包装体とを具備したものである。
【0016】
そして、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備え、被収容物を収容した密閉容器を、熱触媒を保持した包装体で保持することで、高周波加熱装置にて加熱した際に、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0017】
請求項5記載の高周波加熱装置用容器は、請求項4記載の高周波加熱装置用容器において、密閉容器は、軟質容器であり、包装体にて包装された前記密閉容器を挟持する板材を具備したものである。
【0018】
そして、包装体で包装された軟質容器である密閉容器を板材で挟持することで、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0019】
請求項6記載の高周波加熱装置用容器は、請求項4記載の高周波加熱装置用容器において、密閉容器は、回転体状であるものである。
【0020】
そして、密閉容器が回転体状であることにより、包装体で包装された密閉容器をこの密閉容器の周方向に回転させつつ高周波加熱装置で加熱することが可能になり、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態の高周波加熱装置用容器の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0022】
図1は、高周波加熱装置用容器Cを示し、この高周波加熱装置用容器Cにおいて、1は密閉容器としての軟質容器であるレトルトパウチである。このレトルトパウチ1は、食品容器であり、例えば高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材としてのアルミニウム膜1aおよび図示しない多数の樹脂フィルム層を重ね合わせて多層構造の袋状に形成されている。また、このレトルトパウチ1内には、被収容物としての食品2が収容されている。
【0023】
さらに、レトルトパウチ1の外側面である両主面、すなわちレトルトパウチ1の上下部には、包装体としての一対の吸水性素材3が例えば図示しない接着剤などで接合されて取り付けられている。これら吸水性素材3は、例えば紙、布、あるいは発泡樹脂などであり、流体状の熱触媒としての水Wを吸水して保持している。またさらに、これら吸水性素材3は、平面視でレトルトパウチ1の各主面全体を被覆可能な大きさに形成されている。このため、レトルトパウチ1は、吸水性素材3にて包装されている。
【0024】
そして、吸水性素材3の上下部には、平板状の板材4が取り付けられている。これら板材4は、吸水性素材3を介してレトルトパウチ1を上下から挟持している。
【0025】
また、図2において、5は高周波加熱装置としての電子レンジであり、この電子レンジ5は、蓋部5aにて開閉可能に閉塞される収容部5bを備えている。この収容部5b内には、水平方向に沿って回転可能なターンテーブル5cが取り付けられている。さらに、収容部5b内のターンテーブル5cの上方には、このターンテーブル5cに向けて電磁波である高周波、すなわちマイクロウェーブを照射する図示しない照射部が設けられている。そして、電子レンジ5の前面には、照射部によるマイクロウェーブの出力および照射時間などを設定する設定ボタン5dが複数設けられている。
【0026】
次に、上記第1の実施の形態の被収容物の加熱方法を説明する。
【0027】
まず、レトルトパウチ1の両主面に、水Wを吸水させた吸水性素材3を接着剤などで接合する。ここで、吸水性素材3に吸水させる水Wの量は、レトルトパウチ1内の食品2の量、あるいはこの食品2の温度特性などに応じて決定する。また、吸水性素材3に吸水させる水Wの量は、吸水性素材3の材質に応じた吸水特性により、使用する吸水性素材3の量、すなわち体積を変化させるなどして設定可能である。
【0028】
次いで、この吸水性素材3が取り付けられたレトルトパウチ1の両主面を、板材4にて挟持する。
【0029】
この後、電子レンジ5の蓋部5aを開け、板材4にて挟持されたレトルトパウチ1および吸水性素材3を、電子レンジ5の収容部5bのターンテーブル5cに載置して蓋部5aを閉じる。
【0030】
さらに、設定ボタン5dにより、マイクロウェーブの出力および照射時間を設定する。
【0031】
このとき、マイクロウェーブの照射時間は、吸水性素材3に吸水された水Wの量に応じて設定する。
【0032】
次いで、電子レンジ5を駆動させて、照射部からレトルトパウチ1に向けてマイクロウェーブを照射すると、吸水性素材3に吸水された水Wがマイクロウェーブにより加熱され、この水Wを保持した吸水性素材3が加熱されることで、レトルトパウチ1の外側面が間接的に加熱される。
【0033】
同時に、ターンテーブル5cが回転することで、マイクロウェーブがレトルトパウチ1に均一に照射され、レトルトパウチ1全体が加熱される。
【0034】
さらに、所定時間マイクロウェーブを照射した後、マイクロウェーブの照射が停止すると、蓋部5aを開け、電子レンジ5の収容部5bからレトルトパウチ1を吸水性素材3および板材4とともに取り出す。
【0035】
そして、板材4および吸水性素材3を取り外し、レトルトパウチ1を開封して食品2を図示しない食器などに盛り付ける。
【0036】
上述したように、上記第1の実施の形態では、アルミニウム1aを備えていることで電子レンジ5において加熱不適当とされるレトルトパウチ1を、水Wを保持した吸水性素材3で包装して電子レンジ5で所定の時間加熱した。
【0037】
このため、電子レンジ5のマイクロウェーブで水Wのみが加熱されることによりこの水Wを保持した吸水性素材3が加熱され、この吸水性素材3にて包装されたレトルトパウチ1が間接的に加熱されて、レトルトパウチ1が湯煎により加熱された状態と同様に加熱される。
【0038】
この結果、食品2がレトルトパウチ1に接触することで、この食品2を容易かつ確実に加熱できる。
【0039】
また、水Wの標準気圧下での沸点は100℃であるから、内部圧力が必要以上に上昇しないようにレトルトパウチ1を食品2の量に対して余裕を持たせて製造すれば、吸水性素材3を介してレトルトパウチ1の表面温度の上限が100℃となり、かつレトルトパウチ1自体の熱伝播抵抗により、レトルトパウチ1内の温度は100℃未満となるので、食品2は完全沸騰しない。このため、レトルトパウチ1内での温度圧力を抑制でき、レトルトパウチ1の破裂などを防止できる。
【0040】
したがって、レトルトパウチ1を、例えば高周波遮蔽性がないもの、あるいはレトルトパウチ1内の温度圧力により剥離する剥離開口部を設けたものなどとする必要がなく、従来の一般的なレトルトパウチをそのまま用いることができるから、利便性が良好になる。
【0041】
さらに、レトルトパウチ1の全体を包装する吸水性素材3に水Wを吸水させることにより、レトルトパウチ1における単位面積あたりの水Wの量が比較的少なくて済み、電子レンジ5のマイクロウェーブによるレトルトパウチ1の単位面積あたりの加熱反応が比較的早くなる。この結果、比較的短時間でレトルトパウチ1の表面温度が上昇するので、電子レンジ5のマイクロウェーブにより加熱された水Wが完全に蒸発するまで加熱を持続できる。
【0042】
そして、吸水性素材3の体積を調整することで、レトルトパウチ1に収容された食品2の加熱温度をも調整できる。
【0043】
また、電子レンジ5のマイクロウェーブによるレトルトパウチ1の加熱は、レトルトパウチ1の表面からの間接的な加熱であるために、レトルトパウチ1内の中心域は、このレトルトパウチ1内の周囲と比較して、温度上昇が遅くなる。
【0044】
しかしながら、軟質容器であるレトルトパウチ1を板材4で挟持することで、板材4の自重による圧力などでレトルトパウチ1の厚みを薄くした状態に保持しているため、レトルトパウチ1内の中心域と周囲とで温度上昇の差が生じにくいので、このレトルトパウチ1に収容された食品2全体を均一に加熱できる。
【0045】
さらに、板材4で挟持され吸水性素材3が取り付けられたレトルトパウチ1を電子レンジ5の収容部5b内でターンテーブル5cにより回転させることで、照射部から照射されたマイクロウェーブが全体に均一に照射されるため、食品2をより均一に加熱できる。
【0046】
しかも、吸水性素材3は、再度水Wを吸水などさせることで、再利用、すなわちリサイクルできる。
【0047】
そして、レトルトパウチ1を吸水性素材3で包装しているので、電子レンジ5のマイクロウェーブをレトルトパウチ1が反射することがなく、電子レンジ5内で火花が飛んだりすることをも防止できる。
【0048】
次に、第2の実施の形態を図3および図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
この図3において、11は密閉容器としての缶詰であり、この缶詰11には食品2が収容されている。ここで、缶詰11は、アルミニウム、あるいは鉄などの高周波遮蔽部材11aにより、例えば円形箱状、すなわち回転体状に形成されたものである。
【0050】
また、吸水性素材3は、例えば接着剤などで缶詰11の周囲に接合されて取り付けられ、この缶詰11を包装している。
【0051】
そして、図5に示すように、電子レンジ5の蓋部5aを開け、吸水性素材3で包装した缶詰11を電子レンジ5の収容部5bのターンテーブル5c上に、外周面がターンテーブル5cに接するように、すなわち横倒しにして載置した後、蓋部5aを閉じて収容部5bを閉塞し、上記第1の実施の形態と同様に設定ボタン5dでマイクロウェーブの出力および照射時間を設定して電子レンジ5で加熱する。
【0052】
この結果、第2の実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
また、缶詰11を横倒しにターンテーブル5c上に載置してこのターンテーブル5cを回転させることにより、缶詰11が収容部5b内で回転して周方向に向けて転がるため、缶詰11内の食品2が攪拌されて熱対流、あるいは熱交換が促進され、缶詰11内の食品2をより均一に加熱できる。
【0054】
なお、上記各実施の形態において、吸水性素材3は、吸液性を有する部材であればその材質を限定されるものではない。
【0055】
また、吸水性素材3は、吸水した素材、すなわち湿体の吸着効果によりレトルトパウチ1、あるいは缶詰11の外側面に吸着可能である場合には、必ずしも接着剤で接合する必要はない。
【0056】
さらに、レトルトパウチ1、あるいは缶詰11の外装に吸水性素材3などの包装体を特殊加工により一体に設ける構成も可能である。
【0057】
次に、第3の実施の形態を図5を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
この図5において、12は包装体としての開閉可能なジップロック(登録商標)などの保水袋である。この保水袋12は、電子レンジ5で加熱可能な耐熱性を有するものであり、内部に缶詰11が収容されて密閉、すなわちロックされている。言い換えると、保水袋12は、缶詰11を包装している。また、この保水袋12内には、缶詰11の周囲に水泡状の水Wが充填されて保持されている。
【0059】
そして、上記第1の実施の形態と同様に、電子レンジ5の蓋部5aを開け、収容部5bのターンテーブル5c上に保水袋12に包装された缶詰11を載置して蓋部5aを閉じて収容部5bを閉塞し、設定ボタン5dでマイクロウェーブの出力および照射時間を設定して電子レンジ5を駆動させて加熱する。
【0060】
この結果、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0061】
なお、上記第2および第3の実施の形態において、缶詰11は、矩形箱状など、他の様々な形状が可能である。この場合には、缶詰11の形状によりこの缶詰11を電子レンジ5のターンテーブル5cにて転がすことができないことがあるが、缶詰11自体の高さ寸法である厚みを比較的小さくすることで、この缶詰11に収容された食品2を均一に加熱できる。
【0062】
また、上記各実施の形態において、熱触媒としては、油などの比較的高温の沸点を有するものでもよい。この場合には、食品2の水分が比較的少ないときに、焼き物などの高温加熱を要する食品にも適用できる。
【0063】
さらに、密閉容器としては、電子レンジ5での加熱が不適当とされる密閉容器、すなわち高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備えた密閉容器であれば、レトルトパウチ1および缶詰11以外でも可能である。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の被収容物の加熱方法によれば、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、被収容物を収容した密閉容器を包装し、この包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0065】
請求項2記載の被収容物の加熱方法によれば、請求項1記載の被収容物の加熱方法の効果に加えて、軟質容器である密閉容器を包装体で包装する際に、この密閉容器を包装体とともに板材で挟持し、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0066】
請求項3記載の被収容物の加熱方法によれば、請求項1または2記載の被収容物の加熱方法の効果に加えて、包装体で包装された密閉容器を回転させて高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0067】
請求項4記載の高周波加熱装置用容器によれば、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備え、被収容物を収容した密閉容器を、熱触媒を保持した包装体で保持することで、高周波加熱装置にて加熱した際に、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0068】
請求項5記載の高周波加熱装置用容器によれば、請求項4記載の高周波加熱装置用容器の効果に加えて、包装体で包装された軟質容器である密閉容器を板材で挟持することで、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0069】
請求項6記載の高周波加熱装置用容器によれば、請求項4記載の高周波加熱装置用容器の効果に加えて、密閉容器が回転体状であることにより、包装体で包装された密閉容器をこの密閉容器の周方向に回転させつつ高周波加熱装置で加熱することが可能になり、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の高周波加熱装置用容器を示す説明断面図である。
【図2】同上密閉容器の高周波加熱装置での載置状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の高周波加熱装置用容器を示す説明断面図である。
【図4】同上密閉容器の高周波加熱装置での載置状態を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の高周波加熱装置用容器を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 密閉容器としての軟質容器であるレトルトパウチ
1a 高周波遮蔽部材としてのアルミニウム膜
2 被収容物としての食品
3 包装体としての吸水性素材
4 板材
5 高周波加熱装置としての電子レンジ
11 密閉容器としての缶詰
11a 高周波遮蔽部材
12 包装体としての保水袋
C 高周波加熱装置用容器
W 熱触媒としての水
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波を遮蔽する部材を少なくとも一部に備えた密閉容器に収容された被収容物を加熱する被収容物の加熱方法、および、高周波を遮蔽する部材を少なくとも一部に有する密閉容器を備えた高周波加熱装置用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば金属系などの高周波遮蔽部材を用いた容器であるいわゆるレトルトパウチ、あるいは缶詰に収容された被収容物としての内容物である食品は、高周波遮蔽部材により食品が電磁的に遮蔽されているので、高周波加熱装置、すなわち電子レンジで加熱調理の際に、電子レンジの電磁波である高周波、すなわちマイクロウェーブが食品に届かない。このため、これらレトルトパウチ、あるいは缶入り食品を電子レンジで加熱調理する際には、食品を別の容器に移した後、電子レンジにより加熱調理加工することが一般的であった。
【0003】
しかしながら、この加熱法では、電子レンジによる加熱が容器内で均一になることが容易でないため、食品の容器の内周に接触する部分が過剰加熱されて焦げ付いたりすることがあり、食品を確実に加熱することが容易でない。また、食品を別の容器に移すことでこの容器を汚濁するため、本来の簡易食品としての機能を充分に発揮していなかった。
【0004】
このため、レトルトパウチにおいては、このレトルトパウチを構成する素材を高周波遮蔽性のないものとし、内部の温度圧力により剥離してレトルトパウチの破裂などを防止するための剥離開口部を設けた構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
しかしながら、この特許文献1に記載されているレトルトパウチを用いた食品の加熱方法では、レトルトパウチに剥離開口部を設けなければならないなど、食品の加熱が容易でない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−240150号公報(第3−4頁、図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の加熱方法では、食品の加熱が容易かつ確実でないという問題点を有している。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、被収容物を容易かつ確実に加熱できる被収容物の加熱方法および高周波加熱装置用容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の被収容物の加熱方法は、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備えた密閉容器に収容された被収容物を加熱する被収容物の加熱方法であって、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、前記被収容物を収容した前記密閉容器を包装し、この包装体で包装された密閉容器を、前記高周波加熱装置で所定の時間加熱するものである。
【0010】
そして、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、被収容物を収容した密閉容器を包装し、この包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0011】
請求項2記載の被収容物の加熱方法は、請求項1記載の被収容物の加熱方法において、密閉容器は、軟質容器であり、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、被収容物を収容した前記密閉容器を包装する際に、この密閉容器を前記包装体とともに板材で挟持し、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、前記高周波加熱装置で所定の時間加熱するものである。
【0012】
そして、軟質容器である密閉容器を包装体で包装する際に、この密閉容器を包装体とともに板材で挟持し、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0013】
請求項3記載の被収容物の加熱方法は、請求項1または2記載の被収容物の加熱方法において、包装体で包装された密閉容器を高周波加熱装置で所定の時間加熱する際に、前記包装体で包装された密閉容器を回転させるものである。
【0014】
そして、包装体で包装された密閉容器を回転させて高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0015】
請求項4記載の高周波加熱装置用容器は、高周波加熱装置で加熱される高周波加熱装置用容器であって、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備え、被収容物を収容した密閉容器と、熱触媒を保持し前記密閉容器を包装する包装体とを具備したものである。
【0016】
そして、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備え、被収容物を収容した密閉容器を、熱触媒を保持した包装体で保持することで、高周波加熱装置にて加熱した際に、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0017】
請求項5記載の高周波加熱装置用容器は、請求項4記載の高周波加熱装置用容器において、密閉容器は、軟質容器であり、包装体にて包装された前記密閉容器を挟持する板材を具備したものである。
【0018】
そして、包装体で包装された軟質容器である密閉容器を板材で挟持することで、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0019】
請求項6記載の高周波加熱装置用容器は、請求項4記載の高周波加熱装置用容器において、密閉容器は、回転体状であるものである。
【0020】
そして、密閉容器が回転体状であることにより、包装体で包装された密閉容器をこの密閉容器の周方向に回転させつつ高周波加熱装置で加熱することが可能になり、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態の高周波加熱装置用容器の構成を図1および図2を参照して説明する。
【0022】
図1は、高周波加熱装置用容器Cを示し、この高周波加熱装置用容器Cにおいて、1は密閉容器としての軟質容器であるレトルトパウチである。このレトルトパウチ1は、食品容器であり、例えば高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材としてのアルミニウム膜1aおよび図示しない多数の樹脂フィルム層を重ね合わせて多層構造の袋状に形成されている。また、このレトルトパウチ1内には、被収容物としての食品2が収容されている。
【0023】
さらに、レトルトパウチ1の外側面である両主面、すなわちレトルトパウチ1の上下部には、包装体としての一対の吸水性素材3が例えば図示しない接着剤などで接合されて取り付けられている。これら吸水性素材3は、例えば紙、布、あるいは発泡樹脂などであり、流体状の熱触媒としての水Wを吸水して保持している。またさらに、これら吸水性素材3は、平面視でレトルトパウチ1の各主面全体を被覆可能な大きさに形成されている。このため、レトルトパウチ1は、吸水性素材3にて包装されている。
【0024】
そして、吸水性素材3の上下部には、平板状の板材4が取り付けられている。これら板材4は、吸水性素材3を介してレトルトパウチ1を上下から挟持している。
【0025】
また、図2において、5は高周波加熱装置としての電子レンジであり、この電子レンジ5は、蓋部5aにて開閉可能に閉塞される収容部5bを備えている。この収容部5b内には、水平方向に沿って回転可能なターンテーブル5cが取り付けられている。さらに、収容部5b内のターンテーブル5cの上方には、このターンテーブル5cに向けて電磁波である高周波、すなわちマイクロウェーブを照射する図示しない照射部が設けられている。そして、電子レンジ5の前面には、照射部によるマイクロウェーブの出力および照射時間などを設定する設定ボタン5dが複数設けられている。
【0026】
次に、上記第1の実施の形態の被収容物の加熱方法を説明する。
【0027】
まず、レトルトパウチ1の両主面に、水Wを吸水させた吸水性素材3を接着剤などで接合する。ここで、吸水性素材3に吸水させる水Wの量は、レトルトパウチ1内の食品2の量、あるいはこの食品2の温度特性などに応じて決定する。また、吸水性素材3に吸水させる水Wの量は、吸水性素材3の材質に応じた吸水特性により、使用する吸水性素材3の量、すなわち体積を変化させるなどして設定可能である。
【0028】
次いで、この吸水性素材3が取り付けられたレトルトパウチ1の両主面を、板材4にて挟持する。
【0029】
この後、電子レンジ5の蓋部5aを開け、板材4にて挟持されたレトルトパウチ1および吸水性素材3を、電子レンジ5の収容部5bのターンテーブル5cに載置して蓋部5aを閉じる。
【0030】
さらに、設定ボタン5dにより、マイクロウェーブの出力および照射時間を設定する。
【0031】
このとき、マイクロウェーブの照射時間は、吸水性素材3に吸水された水Wの量に応じて設定する。
【0032】
次いで、電子レンジ5を駆動させて、照射部からレトルトパウチ1に向けてマイクロウェーブを照射すると、吸水性素材3に吸水された水Wがマイクロウェーブにより加熱され、この水Wを保持した吸水性素材3が加熱されることで、レトルトパウチ1の外側面が間接的に加熱される。
【0033】
同時に、ターンテーブル5cが回転することで、マイクロウェーブがレトルトパウチ1に均一に照射され、レトルトパウチ1全体が加熱される。
【0034】
さらに、所定時間マイクロウェーブを照射した後、マイクロウェーブの照射が停止すると、蓋部5aを開け、電子レンジ5の収容部5bからレトルトパウチ1を吸水性素材3および板材4とともに取り出す。
【0035】
そして、板材4および吸水性素材3を取り外し、レトルトパウチ1を開封して食品2を図示しない食器などに盛り付ける。
【0036】
上述したように、上記第1の実施の形態では、アルミニウム1aを備えていることで電子レンジ5において加熱不適当とされるレトルトパウチ1を、水Wを保持した吸水性素材3で包装して電子レンジ5で所定の時間加熱した。
【0037】
このため、電子レンジ5のマイクロウェーブで水Wのみが加熱されることによりこの水Wを保持した吸水性素材3が加熱され、この吸水性素材3にて包装されたレトルトパウチ1が間接的に加熱されて、レトルトパウチ1が湯煎により加熱された状態と同様に加熱される。
【0038】
この結果、食品2がレトルトパウチ1に接触することで、この食品2を容易かつ確実に加熱できる。
【0039】
また、水Wの標準気圧下での沸点は100℃であるから、内部圧力が必要以上に上昇しないようにレトルトパウチ1を食品2の量に対して余裕を持たせて製造すれば、吸水性素材3を介してレトルトパウチ1の表面温度の上限が100℃となり、かつレトルトパウチ1自体の熱伝播抵抗により、レトルトパウチ1内の温度は100℃未満となるので、食品2は完全沸騰しない。このため、レトルトパウチ1内での温度圧力を抑制でき、レトルトパウチ1の破裂などを防止できる。
【0040】
したがって、レトルトパウチ1を、例えば高周波遮蔽性がないもの、あるいはレトルトパウチ1内の温度圧力により剥離する剥離開口部を設けたものなどとする必要がなく、従来の一般的なレトルトパウチをそのまま用いることができるから、利便性が良好になる。
【0041】
さらに、レトルトパウチ1の全体を包装する吸水性素材3に水Wを吸水させることにより、レトルトパウチ1における単位面積あたりの水Wの量が比較的少なくて済み、電子レンジ5のマイクロウェーブによるレトルトパウチ1の単位面積あたりの加熱反応が比較的早くなる。この結果、比較的短時間でレトルトパウチ1の表面温度が上昇するので、電子レンジ5のマイクロウェーブにより加熱された水Wが完全に蒸発するまで加熱を持続できる。
【0042】
そして、吸水性素材3の体積を調整することで、レトルトパウチ1に収容された食品2の加熱温度をも調整できる。
【0043】
また、電子レンジ5のマイクロウェーブによるレトルトパウチ1の加熱は、レトルトパウチ1の表面からの間接的な加熱であるために、レトルトパウチ1内の中心域は、このレトルトパウチ1内の周囲と比較して、温度上昇が遅くなる。
【0044】
しかしながら、軟質容器であるレトルトパウチ1を板材4で挟持することで、板材4の自重による圧力などでレトルトパウチ1の厚みを薄くした状態に保持しているため、レトルトパウチ1内の中心域と周囲とで温度上昇の差が生じにくいので、このレトルトパウチ1に収容された食品2全体を均一に加熱できる。
【0045】
さらに、板材4で挟持され吸水性素材3が取り付けられたレトルトパウチ1を電子レンジ5の収容部5b内でターンテーブル5cにより回転させることで、照射部から照射されたマイクロウェーブが全体に均一に照射されるため、食品2をより均一に加熱できる。
【0046】
しかも、吸水性素材3は、再度水Wを吸水などさせることで、再利用、すなわちリサイクルできる。
【0047】
そして、レトルトパウチ1を吸水性素材3で包装しているので、電子レンジ5のマイクロウェーブをレトルトパウチ1が反射することがなく、電子レンジ5内で火花が飛んだりすることをも防止できる。
【0048】
次に、第2の実施の形態を図3および図4を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0049】
この図3において、11は密閉容器としての缶詰であり、この缶詰11には食品2が収容されている。ここで、缶詰11は、アルミニウム、あるいは鉄などの高周波遮蔽部材11aにより、例えば円形箱状、すなわち回転体状に形成されたものである。
【0050】
また、吸水性素材3は、例えば接着剤などで缶詰11の周囲に接合されて取り付けられ、この缶詰11を包装している。
【0051】
そして、図5に示すように、電子レンジ5の蓋部5aを開け、吸水性素材3で包装した缶詰11を電子レンジ5の収容部5bのターンテーブル5c上に、外周面がターンテーブル5cに接するように、すなわち横倒しにして載置した後、蓋部5aを閉じて収容部5bを閉塞し、上記第1の実施の形態と同様に設定ボタン5dでマイクロウェーブの出力および照射時間を設定して電子レンジ5で加熱する。
【0052】
この結果、第2の実施の形態でも、上記第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
また、缶詰11を横倒しにターンテーブル5c上に載置してこのターンテーブル5cを回転させることにより、缶詰11が収容部5b内で回転して周方向に向けて転がるため、缶詰11内の食品2が攪拌されて熱対流、あるいは熱交換が促進され、缶詰11内の食品2をより均一に加熱できる。
【0054】
なお、上記各実施の形態において、吸水性素材3は、吸液性を有する部材であればその材質を限定されるものではない。
【0055】
また、吸水性素材3は、吸水した素材、すなわち湿体の吸着効果によりレトルトパウチ1、あるいは缶詰11の外側面に吸着可能である場合には、必ずしも接着剤で接合する必要はない。
【0056】
さらに、レトルトパウチ1、あるいは缶詰11の外装に吸水性素材3などの包装体を特殊加工により一体に設ける構成も可能である。
【0057】
次に、第3の実施の形態を図5を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0058】
この図5において、12は包装体としての開閉可能なジップロック(登録商標)などの保水袋である。この保水袋12は、電子レンジ5で加熱可能な耐熱性を有するものであり、内部に缶詰11が収容されて密閉、すなわちロックされている。言い換えると、保水袋12は、缶詰11を包装している。また、この保水袋12内には、缶詰11の周囲に水泡状の水Wが充填されて保持されている。
【0059】
そして、上記第1の実施の形態と同様に、電子レンジ5の蓋部5aを開け、収容部5bのターンテーブル5c上に保水袋12に包装された缶詰11を載置して蓋部5aを閉じて収容部5bを閉塞し、設定ボタン5dでマイクロウェーブの出力および照射時間を設定して電子レンジ5を駆動させて加熱する。
【0060】
この結果、上記第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0061】
なお、上記第2および第3の実施の形態において、缶詰11は、矩形箱状など、他の様々な形状が可能である。この場合には、缶詰11の形状によりこの缶詰11を電子レンジ5のターンテーブル5cにて転がすことができないことがあるが、缶詰11自体の高さ寸法である厚みを比較的小さくすることで、この缶詰11に収容された食品2を均一に加熱できる。
【0062】
また、上記各実施の形態において、熱触媒としては、油などの比較的高温の沸点を有するものでもよい。この場合には、食品2の水分が比較的少ないときに、焼き物などの高温加熱を要する食品にも適用できる。
【0063】
さらに、密閉容器としては、電子レンジ5での加熱が不適当とされる密閉容器、すなわち高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備えた密閉容器であれば、レトルトパウチ1および缶詰11以外でも可能である。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の被収容物の加熱方法によれば、高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、被収容物を収容した密閉容器を包装し、この包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0065】
請求項2記載の被収容物の加熱方法によれば、請求項1記載の被収容物の加熱方法の効果に加えて、軟質容器である密閉容器を包装体で包装する際に、この密閉容器を包装体とともに板材で挟持し、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0066】
請求項3記載の被収容物の加熱方法によれば、請求項1または2記載の被収容物の加熱方法の効果に加えて、包装体で包装された密閉容器を回転させて高周波加熱装置で所定の時間加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0067】
請求項4記載の高周波加熱装置用容器によれば、高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備え、被収容物を収容した密閉容器を、熱触媒を保持した包装体で保持することで、高周波加熱装置にて加熱した際に、密閉容器を包装した包装体の熱触媒のみが高周波加熱装置の高周波にて加熱されることで、この加熱された熱触媒を保持する包装体により密閉容器が間接的に加熱されるから、被収容物が密閉容器に接触して、この被収容物を容易かつ確実に加熱できる。
【0068】
請求項5記載の高周波加熱装置用容器によれば、請求項4記載の高周波加熱装置用容器の効果に加えて、包装体で包装された軟質容器である密閉容器を板材で挟持することで、この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、高周波加熱装置で加熱することにより、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【0069】
請求項6記載の高周波加熱装置用容器によれば、請求項4記載の高周波加熱装置用容器の効果に加えて、密閉容器が回転体状であることにより、包装体で包装された密閉容器をこの密閉容器の周方向に回転させつつ高周波加熱装置で加熱することが可能になり、密閉容器全体が比較的均一に加熱され、被収容物をより均一に加熱できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の高周波加熱装置用容器を示す説明断面図である。
【図2】同上密閉容器の高周波加熱装置での載置状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の高周波加熱装置用容器を示す説明断面図である。
【図4】同上密閉容器の高周波加熱装置での載置状態を示す説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の高周波加熱装置用容器を示す説明断面図である。
【符号の説明】
1 密閉容器としての軟質容器であるレトルトパウチ
1a 高周波遮蔽部材としてのアルミニウム膜
2 被収容物としての食品
3 包装体としての吸水性素材
4 板材
5 高周波加熱装置としての電子レンジ
11 密閉容器としての缶詰
11a 高周波遮蔽部材
12 包装体としての保水袋
C 高周波加熱装置用容器
W 熱触媒としての水
Claims (6)
- 高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備えた密閉容器に収容された被収容物を加熱する被収容物の加熱方法であって、
高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、前記被収容物を収容した前記密閉容器を包装し、
この包装体で包装された密閉容器を、前記高周波加熱装置で所定の時間加熱する
ことを特徴とした被収容物の加熱方法。 - 密閉容器は、軟質容器であり、
高周波加熱装置で加熱可能な熱触媒を保持した包装体で、被収容物を収容した前記密閉容器を包装する際に、この密閉容器を前記包装体とともに板材で挟持し、
この板材で挟持され包装体で包装された密閉容器を、前記高周波加熱装置で所定の時間加熱する
ことを特徴とした請求項1記載の被収容物の加熱方法。 - 包装体で包装された密閉容器を高周波加熱装置で所定の時間加熱する際に、前記包装体で包装された密閉容器を回転させる
ことを特徴とした請求項1または2記載の被収容物の加熱方法。 - 高周波加熱装置で加熱される高周波加熱装置用容器であって、
高周波を遮蔽する高周波遮蔽部材を少なくとも一部に備え、被収容物を収容した密閉容器と、
熱触媒を保持し前記密閉容器を包装する包装体と
を具備したことを特徴とした高周波加熱装置用容器。 - 密閉容器は、軟質容器であり、
包装体にて包装された前記密閉容器を挟持する板材を具備した
ことを特徴とした請求項4記載の高周波加熱装置用容器。 - 密閉容器は、回転体状である
ことを特徴とした請求項4記載の高周波加熱装置用容器。
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JP2003130498A JP2004331175A (ja) | 2003-05-08 | 2003-05-08 | 被収容物の加熱方法および高周波加熱装置用容器 |
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Cited By (1)
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KR102127366B1 (ko) * | 2019-08-21 | 2020-06-26 | 씨제이제일제당 주식회사 | 회전 구조물 및 회전 구조물을 사용하는 용기 |
-
2003
- 2003-05-08 JP JP2003130498A patent/JP2004331175A/ja active Pending
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KR102127366B1 (ko) * | 2019-08-21 | 2020-06-26 | 씨제이제일제당 주식회사 | 회전 구조물 및 회전 구조물을 사용하는 용기 |
WO2021033910A1 (ko) * | 2019-08-21 | 2021-02-25 | 씨제이제일제당(주) | 회전 구조물 및 회전 구조물을 사용하는 용기 |
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