JP2004331007A - 車両用座席シート - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成でありながら、ドライバ等の後方の視認を容易に行うことができるようにした車両用座席シートを提供する。
【解決手段】座席シート1は、シートバック3を備える。シートバック3の肩部には、可倒装置10が設けられており、後方に力が加わることにより、可倒装置10が可倒してシートバック3の肩部が後方に逃げて、ドライバが後方を視認する際の邪魔にならないようにする。さらに、可倒装置10には、ロック機構20が取り付けられており、可倒装置10に急激に力が加わったときには、ロック機構20が作動して、可倒装置10によるシートバック3の変形を阻止する。
【選択図】 図1
【解決手段】座席シート1は、シートバック3を備える。シートバック3の肩部には、可倒装置10が設けられており、後方に力が加わることにより、可倒装置10が可倒してシートバック3の肩部が後方に逃げて、ドライバが後方を視認する際の邪魔にならないようにする。さらに、可倒装置10には、ロック機構20が取り付けられており、可倒装置10に急激に力が加わったときには、ロック機構20が作動して、可倒装置10によるシートバック3の変形を阻止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用座席シートに係り、特に、運転席の座席シートに用いて好適であり、後方の視認を容易とした車両用座席シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用車などの車両を、後退させる際には、ドライバは、たとえば振り返って後方を視認するようにしている。しかし、従来の座席シートは、ドライバ等の着座の安定性や衝突時等の安全性等を考慮してドライバ等の体を確実に支える点を主眼に製造されている。そのため、後方の視認が難しい場合がある。このような後方の視認をしやすくしたものとして、たとえば特開平10−250420号公報に開示された車両用シート姿勢制御装置がある。この車両用シート姿勢制御装置は、現在のリクライニング位置からシートバックを倒し、リヤハイト位置を上昇させるとともに、ランバーサポート部を押し出して目線高さを高い位置にして後方を視認しやすくしたというものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−250420号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に開示された車両用シート姿勢制御装置では、リクライニング装置、ハイト装置、ランバーサポート装置などを制御する必要がある。このため、制御が複雑になるとともに、装置全体が大掛かりなものとなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、簡素な構成でありながら、ドライバ等の後方の視認を容易に行うことができるようにした車両用座席シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係る車両用座席シートは、車両に設けられ、シートバックを備える車両用座席シートにおいて、シートバックの肩部に、シートバックの肩部を後方に逃がす可倒装置が形成され、可倒装置には、シートバックの肩部に緩荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を許容するとともに、シートバックの肩部に急荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を阻止するロック機構が取り付けられているものである。
【0007】
ドライバが振り向いて後方を視認しようとする際には、シートバックの肩部にドライバの肩が当接して、シートバックの肩部がドライバの振り向きを阻害する原因となってしまう。この点、本発明に係る車両用座席シートでは、シートバックにおける肩部を後方に逃がすように転倒する可倒装置が形成されている。このため、たとえば車両用座席シートに着座するドライバが振り向こうとすると、ドライバがシートバックに当たるが、このときの力で可倒装置が転倒し、シートバックの肩部が後方に逃げる。したがって、シートバックが、ドライバが後方に振り向く際の阻害の原因とならいないようにすることができる。
【0008】
ところで、単に可倒装置とするのみでは、たとえば衝突等でドライバに急荷重がかかった際には、ドライバを安全に保護することができなくなることが懸念される。この点、本発明に係る車両用座席シートでは、シートバックの肩部に形成された可倒装置に、ロック機構が取り付けられている。このロック機構は、シートバックの肩部に緩荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を許容し、シートバックの肩部に急荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を阻止する。このため、ドライバが後方を視認しようとして振り向く際には、シートバックの肩部には緩荷重がかかるので、容易に可倒装置を転倒させて、シートバックの肩部を後方に逃がすことができる。その一方、衝突などでドライバからシートバックに急荷重をかけてしまった際には、ロック機構によって可倒装置の転倒を阻止することができ、シートバックを通常の形状に保持することができる。したがって、衝突などの場合でも、ドライバを安全に保護することができる。
【0009】
ここで、可倒装置は、シートバックに設けられたシートバックフレームに対して、シートバックの起立方向に沿った軸周りに回動する可倒フレームを備える態様とするのが好適である。
【0010】
このような可倒フレームを備えることにより、可倒装置を容易に形成することができる。
【0011】
さらに、ロック機構が、シートバックに設けられ、アンカーベルトが巻き出されるリトラクタを有し、アンカーベルトが、可倒フレームに取り付けられている態様とするのが好適である。
【0012】
このようなリトラクタおよびアンカーベルトを用いることにより、ロック機構を容易に形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、下記の実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用座席シートの斜視図、図2は、その正断面図、図3は、図1のIII−III線断面図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る車両用座席シート(以下「座席シート」という)1は、シートクッション2およびシートバック3を備えている。シートバック3の内側には、シートバック3の起立方向に沿ったシートバックフレーム4が設けられている。シートバックフレーム4は、略コ字状をなし、その開口部分が下方を向くように配置され、図示しない車体フレームに固定されている。シートバック3の上端部には、ヘッドレスト5が取り付けられている。
【0016】
また、シートバック3の両肩部には、可倒装置10が形成されている。可倒装置10は、図2および図3に示すように、可倒フレーム11を備えている。可倒フレーム11は、シートバックフレーム4の起立方向に沿ったシートバックフレーム4の側フレーム周りに回動可能とされている。さらに、可倒フレーム11には、可倒フレーム11の側部を前方に向けて付勢するスプリング12が取り付けられている。可倒フレーム11の先端に荷重がかかった場合には、シートバックフレーム4の側フレーム周りに、可倒フレーム11が回転し、可倒フレーム11の側部が後方に移動する。この可倒フレーム11の側部の移動によって、シートバック3の肩部が後方に逃げる。また、可倒フレーム11の先端にかかった荷重が解放されたときには、スプリング12の付勢力によって、可倒フレーム11の側部が前方位置に復帰させられる。このように、可倒フレーム11の側部が前方位置に復帰させられることにより、シートバック3の肩部が後方に逃げた状態から復帰する。
【0017】
また、可倒装置10には、ロック機構20が取り付けられている。ロック機構20は、シートバックフレーム4に固定されたリトラクタ21を有しており、リトラクタ21からはアンカーベルト22が巻き出されている。リトラクタ21としては、たとえばシートベルトなどに汎用されているものを用いることができる。リトラクタ21は、巻取り機構を備えており、この巻取り機構によって、リトラクタ21から巻き出されたアンカーベルト22を巻き取る方向に常時付勢している。
【0018】
さらに、リトラクタ21は、緩慢に加えられた力でアンカーベルト22が引張された際には、その引張力に抗することなく、容易にアンカーベルト22の巻き出しを許容する。また、急激に加えられた力でアンカーベルト22が引張された際には、アンカーベルト22を拘束し、アンカーベルト22の巻き出しを阻止する。アンカーベルト22の巻き出しを許容するか阻止するかの力の境目は、適宜設定されている。
【0019】
リトラクタ21から巻き出されたアンカーベルト22の先端部は、可倒フレーム11における側部に取り付けられている。リトラクタ21と可倒フレーム11との間には、方向変換ローラ23が設けられており、アンカーベルト22の延在方向を変換させている。
【0020】
以上の構成を有する本実施形態に係る座席シートにおける作用について説明する。
【0021】
たとえば、図4に示すように、座席シート1に着座するドライバMが後方を視認する際には、ステアリングSを握りながら、シートバック3の側方から顔を後ろ側に向ける。このときに、シートバック3が動かない構造となっている場合には、シートバック3の肩部によってドライバMの動きが阻害され、後方を視認する際の妨げとなることがある。本発明に係る座席シート1では、この肩部に可倒装置10が設けられていることから、ドライバMが後方を視認しようとしてシートバック3の肩部に体を預けたときには、可倒装置10が作動してシートバック3の肩部が後方に転倒する。この状態について図5を参照して説明すると、可倒装置10における可倒フレーム11が、シートバックフレーム4周りに回転し、可倒フレーム11の側部が後方に移動することによって可倒装置10が転倒する。こうして、ドライバMが後方を視認する際にシートバックが邪魔にならないようにすることができる。
【0022】
また、可倒装置10は、可倒フレーム11の側部を前方に向けて付勢するスプリング12を有している。このため、ドライバが後方の視認を終えて前方を向いた際には、可倒フレーム11は、スプリング12の付勢力により、転倒する前の状態に復帰する。したがって、後方の視認を終えた後にも、別段の作業を要することなく、シートバック3を元の状態に戻すことができる。
【0023】
ところで、シートバック3は、本来、衝突や急加速などが生じたときにドライバを保護するために変形しないように製造されているが、可倒装置10が設けられていることにより、シートバック3の変形が問題となることが考えられる。この点、本実施形態に係る座席シート1では、可倒装置10にロック機構20が取り付けられている。このロック機構20におけるリトラクタ21は、急激に加えられた力でアンカーベルト22が引張された際には、アンカーベルト22の巻き出しを阻止し、可倒フレーム11の転倒を阻止するようになっている。
【0024】
したがって、図6(a)に示すように、可倒装置10は、通常時には可倒フレーム11が回動することなく、シートバック3の形状を保形している。また、図6(b)に示すように、たとえばドライバが後方を視認するために振り向いてシートバック3の肩部にドライバが当たる場合などは、可倒フレーム11がシートバックフレーム4周りに回動して、可倒装置10が転倒する。このとき、シートバック3の肩部には、緩慢に力Fsが加えられるので、ロック機構20のリトラクタ21は、アンカーベルト22の巻き出しを阻止することはない。よって、可倒装置10により、容易にシートバック3を後方に逃がして、ドライバが振り向いて後方を視認する際の妨げにならないようにすることができる。
【0025】
さらに、衝突などでドライバがシートバック3の方向に押し付けられた場合には、シートバック3の肩部に急激に力Frが加えられる。このように、急激に力Frが加えられると、ロック機構20のリトラクタ21がアンカーベルト22の巻き出しを阻止する。アンカーベルト22は、可倒装置10における可倒フレーム11の側部に取り付けられているので、アンカーベルト22の巻き出しが阻止されることにより、可倒フレーム11の回動、すなわち可倒装置10の転倒が阻止される。このため、シートバック3の変形が抑止されるので、ドライバを安全に保護することができる。
【0026】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態において、ロック機構として、リトラクタおよびアンカーベルトを用いているが、これに代えて、油圧を利用した油圧ダンパなどを用いることができる。また、液体、気体などの他のダンパも当然用いることができる。これらのダンパにより、車両に急激な動きが生じた場合に可倒装置にロックを掛ける機構とすることができる。また、可倒装置にモータなどを組み込み、常時は可倒装置を作動が禁止された状態としておき、トランスミッションのギアがバックに入ることにより、電気的、機械的に可倒装置を転倒させ、または転倒可能な状態とする態様とすることができる。
【0027】
さらに、可倒装置として、可倒フレームとスプリングとを併用した態様としているが、樹脂製などの板ばねをシートバックパッドの裏側に肋骨状に配置した可倒装置とすることもできる。他方、ロック機構におけるリトラクタとして、プリテンショナが設けられているものを用いることにより、衝突時などに逆にシートバックの肩部を前進させ、ドライバの体を積極的に包み込んで保護する機能を付加することなどもできる。
【0028】
他方、上記実施形態では、シートバック3の両肩部にそれぞれ可倒装置10を設けているが、片側の肩部にのみ可倒装置を設ける態様とすることもできる。この場合、車両の内側に配置される側の肩部に可倒装置を設けるのがより好適である。
【0029】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、簡素な構成でありながら、ドライバ等の後方の視認を容易に行うことができるようにした車両用座席シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用座席シートの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用座席シートの正断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】座席シートに着座するドライバが後方を視認する状態を示す斜視図である。
【図5】肩部が転倒した状態のシートバックの平断面図である。
【図6】(a)〜(c)とも、シートバックが転倒する条件を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…座席シート、2…シートクッション、3…シートバック、4…シートバックフレーム、5…ヘッドレスト、10…可倒装置、11…可倒フレーム、12…スプリング、20…ロック機構、21…リトラクタ、22…アンカーベルト、23…方向変換ローラ、M…ドライバ、S…ステアリング。
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用座席シートに係り、特に、運転席の座席シートに用いて好適であり、後方の視認を容易とした車両用座席シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
乗用車などの車両を、後退させる際には、ドライバは、たとえば振り返って後方を視認するようにしている。しかし、従来の座席シートは、ドライバ等の着座の安定性や衝突時等の安全性等を考慮してドライバ等の体を確実に支える点を主眼に製造されている。そのため、後方の視認が難しい場合がある。このような後方の視認をしやすくしたものとして、たとえば特開平10−250420号公報に開示された車両用シート姿勢制御装置がある。この車両用シート姿勢制御装置は、現在のリクライニング位置からシートバックを倒し、リヤハイト位置を上昇させるとともに、ランバーサポート部を押し出して目線高さを高い位置にして後方を視認しやすくしたというものである。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−250420号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1に開示された車両用シート姿勢制御装置では、リクライニング装置、ハイト装置、ランバーサポート装置などを制御する必要がある。このため、制御が複雑になるとともに、装置全体が大掛かりなものとなるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の課題は、簡素な構成でありながら、ドライバ等の後方の視認を容易に行うことができるようにした車両用座席シートを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明に係る車両用座席シートは、車両に設けられ、シートバックを備える車両用座席シートにおいて、シートバックの肩部に、シートバックの肩部を後方に逃がす可倒装置が形成され、可倒装置には、シートバックの肩部に緩荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を許容するとともに、シートバックの肩部に急荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を阻止するロック機構が取り付けられているものである。
【0007】
ドライバが振り向いて後方を視認しようとする際には、シートバックの肩部にドライバの肩が当接して、シートバックの肩部がドライバの振り向きを阻害する原因となってしまう。この点、本発明に係る車両用座席シートでは、シートバックにおける肩部を後方に逃がすように転倒する可倒装置が形成されている。このため、たとえば車両用座席シートに着座するドライバが振り向こうとすると、ドライバがシートバックに当たるが、このときの力で可倒装置が転倒し、シートバックの肩部が後方に逃げる。したがって、シートバックが、ドライバが後方に振り向く際の阻害の原因とならいないようにすることができる。
【0008】
ところで、単に可倒装置とするのみでは、たとえば衝突等でドライバに急荷重がかかった際には、ドライバを安全に保護することができなくなることが懸念される。この点、本発明に係る車両用座席シートでは、シートバックの肩部に形成された可倒装置に、ロック機構が取り付けられている。このロック機構は、シートバックの肩部に緩荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を許容し、シートバックの肩部に急荷重がかかったときに、可倒装置の転倒を阻止する。このため、ドライバが後方を視認しようとして振り向く際には、シートバックの肩部には緩荷重がかかるので、容易に可倒装置を転倒させて、シートバックの肩部を後方に逃がすことができる。その一方、衝突などでドライバからシートバックに急荷重をかけてしまった際には、ロック機構によって可倒装置の転倒を阻止することができ、シートバックを通常の形状に保持することができる。したがって、衝突などの場合でも、ドライバを安全に保護することができる。
【0009】
ここで、可倒装置は、シートバックに設けられたシートバックフレームに対して、シートバックの起立方向に沿った軸周りに回動する可倒フレームを備える態様とするのが好適である。
【0010】
このような可倒フレームを備えることにより、可倒装置を容易に形成することができる。
【0011】
さらに、ロック機構が、シートバックに設けられ、アンカーベルトが巻き出されるリトラクタを有し、アンカーベルトが、可倒フレームに取り付けられている態様とするのが好適である。
【0012】
このようなリトラクタおよびアンカーベルトを用いることにより、ロック機構を容易に形成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、下記の実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る車両用座席シートの斜視図、図2は、その正断面図、図3は、図1のIII−III線断面図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態に係る車両用座席シート(以下「座席シート」という)1は、シートクッション2およびシートバック3を備えている。シートバック3の内側には、シートバック3の起立方向に沿ったシートバックフレーム4が設けられている。シートバックフレーム4は、略コ字状をなし、その開口部分が下方を向くように配置され、図示しない車体フレームに固定されている。シートバック3の上端部には、ヘッドレスト5が取り付けられている。
【0016】
また、シートバック3の両肩部には、可倒装置10が形成されている。可倒装置10は、図2および図3に示すように、可倒フレーム11を備えている。可倒フレーム11は、シートバックフレーム4の起立方向に沿ったシートバックフレーム4の側フレーム周りに回動可能とされている。さらに、可倒フレーム11には、可倒フレーム11の側部を前方に向けて付勢するスプリング12が取り付けられている。可倒フレーム11の先端に荷重がかかった場合には、シートバックフレーム4の側フレーム周りに、可倒フレーム11が回転し、可倒フレーム11の側部が後方に移動する。この可倒フレーム11の側部の移動によって、シートバック3の肩部が後方に逃げる。また、可倒フレーム11の先端にかかった荷重が解放されたときには、スプリング12の付勢力によって、可倒フレーム11の側部が前方位置に復帰させられる。このように、可倒フレーム11の側部が前方位置に復帰させられることにより、シートバック3の肩部が後方に逃げた状態から復帰する。
【0017】
また、可倒装置10には、ロック機構20が取り付けられている。ロック機構20は、シートバックフレーム4に固定されたリトラクタ21を有しており、リトラクタ21からはアンカーベルト22が巻き出されている。リトラクタ21としては、たとえばシートベルトなどに汎用されているものを用いることができる。リトラクタ21は、巻取り機構を備えており、この巻取り機構によって、リトラクタ21から巻き出されたアンカーベルト22を巻き取る方向に常時付勢している。
【0018】
さらに、リトラクタ21は、緩慢に加えられた力でアンカーベルト22が引張された際には、その引張力に抗することなく、容易にアンカーベルト22の巻き出しを許容する。また、急激に加えられた力でアンカーベルト22が引張された際には、アンカーベルト22を拘束し、アンカーベルト22の巻き出しを阻止する。アンカーベルト22の巻き出しを許容するか阻止するかの力の境目は、適宜設定されている。
【0019】
リトラクタ21から巻き出されたアンカーベルト22の先端部は、可倒フレーム11における側部に取り付けられている。リトラクタ21と可倒フレーム11との間には、方向変換ローラ23が設けられており、アンカーベルト22の延在方向を変換させている。
【0020】
以上の構成を有する本実施形態に係る座席シートにおける作用について説明する。
【0021】
たとえば、図4に示すように、座席シート1に着座するドライバMが後方を視認する際には、ステアリングSを握りながら、シートバック3の側方から顔を後ろ側に向ける。このときに、シートバック3が動かない構造となっている場合には、シートバック3の肩部によってドライバMの動きが阻害され、後方を視認する際の妨げとなることがある。本発明に係る座席シート1では、この肩部に可倒装置10が設けられていることから、ドライバMが後方を視認しようとしてシートバック3の肩部に体を預けたときには、可倒装置10が作動してシートバック3の肩部が後方に転倒する。この状態について図5を参照して説明すると、可倒装置10における可倒フレーム11が、シートバックフレーム4周りに回転し、可倒フレーム11の側部が後方に移動することによって可倒装置10が転倒する。こうして、ドライバMが後方を視認する際にシートバックが邪魔にならないようにすることができる。
【0022】
また、可倒装置10は、可倒フレーム11の側部を前方に向けて付勢するスプリング12を有している。このため、ドライバが後方の視認を終えて前方を向いた際には、可倒フレーム11は、スプリング12の付勢力により、転倒する前の状態に復帰する。したがって、後方の視認を終えた後にも、別段の作業を要することなく、シートバック3を元の状態に戻すことができる。
【0023】
ところで、シートバック3は、本来、衝突や急加速などが生じたときにドライバを保護するために変形しないように製造されているが、可倒装置10が設けられていることにより、シートバック3の変形が問題となることが考えられる。この点、本実施形態に係る座席シート1では、可倒装置10にロック機構20が取り付けられている。このロック機構20におけるリトラクタ21は、急激に加えられた力でアンカーベルト22が引張された際には、アンカーベルト22の巻き出しを阻止し、可倒フレーム11の転倒を阻止するようになっている。
【0024】
したがって、図6(a)に示すように、可倒装置10は、通常時には可倒フレーム11が回動することなく、シートバック3の形状を保形している。また、図6(b)に示すように、たとえばドライバが後方を視認するために振り向いてシートバック3の肩部にドライバが当たる場合などは、可倒フレーム11がシートバックフレーム4周りに回動して、可倒装置10が転倒する。このとき、シートバック3の肩部には、緩慢に力Fsが加えられるので、ロック機構20のリトラクタ21は、アンカーベルト22の巻き出しを阻止することはない。よって、可倒装置10により、容易にシートバック3を後方に逃がして、ドライバが振り向いて後方を視認する際の妨げにならないようにすることができる。
【0025】
さらに、衝突などでドライバがシートバック3の方向に押し付けられた場合には、シートバック3の肩部に急激に力Frが加えられる。このように、急激に力Frが加えられると、ロック機構20のリトラクタ21がアンカーベルト22の巻き出しを阻止する。アンカーベルト22は、可倒装置10における可倒フレーム11の側部に取り付けられているので、アンカーベルト22の巻き出しが阻止されることにより、可倒フレーム11の回動、すなわち可倒装置10の転倒が阻止される。このため、シートバック3の変形が抑止されるので、ドライバを安全に保護することができる。
【0026】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態において、ロック機構として、リトラクタおよびアンカーベルトを用いているが、これに代えて、油圧を利用した油圧ダンパなどを用いることができる。また、液体、気体などの他のダンパも当然用いることができる。これらのダンパにより、車両に急激な動きが生じた場合に可倒装置にロックを掛ける機構とすることができる。また、可倒装置にモータなどを組み込み、常時は可倒装置を作動が禁止された状態としておき、トランスミッションのギアがバックに入ることにより、電気的、機械的に可倒装置を転倒させ、または転倒可能な状態とする態様とすることができる。
【0027】
さらに、可倒装置として、可倒フレームとスプリングとを併用した態様としているが、樹脂製などの板ばねをシートバックパッドの裏側に肋骨状に配置した可倒装置とすることもできる。他方、ロック機構におけるリトラクタとして、プリテンショナが設けられているものを用いることにより、衝突時などに逆にシートバックの肩部を前進させ、ドライバの体を積極的に包み込んで保護する機能を付加することなどもできる。
【0028】
他方、上記実施形態では、シートバック3の両肩部にそれぞれ可倒装置10を設けているが、片側の肩部にのみ可倒装置を設ける態様とすることもできる。この場合、車両の内側に配置される側の肩部に可倒装置を設けるのがより好適である。
【0029】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、簡素な構成でありながら、ドライバ等の後方の視認を容易に行うことができるようにした車両用座席シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両用座席シートの斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車両用座席シートの正断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】座席シートに着座するドライバが後方を視認する状態を示す斜視図である。
【図5】肩部が転倒した状態のシートバックの平断面図である。
【図6】(a)〜(c)とも、シートバックが転倒する条件を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1…座席シート、2…シートクッション、3…シートバック、4…シートバックフレーム、5…ヘッドレスト、10…可倒装置、11…可倒フレーム、12…スプリング、20…ロック機構、21…リトラクタ、22…アンカーベルト、23…方向変換ローラ、M…ドライバ、S…ステアリング。
Claims (3)
- 車両に設けられ、シートバックを備える車両用座席シートにおいて、
前記シートバックの肩部に、前記シートバックの肩部を後方に逃がす可倒装置が形成され、
前記可倒装置には、前記シートバックの肩部に緩荷重がかかったときに、前記可倒装置の転倒を許容するとともに、前記シートバックの肩部に急荷重がかかったときに、前記可倒装置の転倒を阻止するロック機構が取り付けられていることを特徴とする車両用座席シート。 - 前記可倒装置は、前記シートバックに設けられたシートバックフレームに対して、前記シートバックの起立方向に沿った軸周りに回動する可倒フレームを備える請求項1に記載の車両用座席シート。
- 前記ロック機構が、前記シートバックに設けられ、アンカーベルトが巻き出されるリトラクタを有し、
前記アンカーベルトが、前記可倒フレームに取り付けられている請求項2に記載の車両用座席シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003133449A JP2004331007A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 車両用座席シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003133449A JP2004331007A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 車両用座席シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004331007A true JP2004331007A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33507985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003133449A Pending JP2004331007A (ja) | 2003-05-12 | 2003-05-12 | 車両用座席シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004331007A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019077240A (ja) * | 2017-10-20 | 2019-05-23 | 株式会社今仙電機製作所 | 椅子用シートバック及び車両用シート |
JP2021142775A (ja) * | 2020-03-10 | 2021-09-24 | 宣禹實業股▲分▼有限公司 | 椅子用腰当て構造 |
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2003
- 2003-05-12 JP JP2003133449A patent/JP2004331007A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019077240A (ja) * | 2017-10-20 | 2019-05-23 | 株式会社今仙電機製作所 | 椅子用シートバック及び車両用シート |
JP2021142775A (ja) * | 2020-03-10 | 2021-09-24 | 宣禹實業股▲分▼有限公司 | 椅子用腰当て構造 |
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