JP2004330912A - 自動車用安全装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガス発生器13を内蔵するホルダ11に、ピストンを同軸的に受容するシリンダ17及び外装部品18を同軸的に立設する。衝突時に高圧ガスを発生し、ピストンを突出させることによりエンジンフードを持ち上げて、衝撃力に対するエンジンフードの変形代を大きくする。高圧力が作用するシリンダを鋼製とし、外気にさらされる外装部品をアルミニウム合金製とする。シリンダの薄肉化による小型化を達成し、かつ火災発生時に破壊してしまうことを防止できる。また、外装部品により水滴の付着からシリンダを保護することができる。この外装部品にあっては、強度を必要としないため、例えば防錆性に優れるが強度の劣るアルミニウム合金材を用いても薄肉化することができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用安全装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車が衝突した歩行者の二次衝突の衝撃を緩和するために自動車側に設けられた自動車用安全装置において、例えばフロントエンジン車のエンジンフードを持ち上げかつその持ち上げた状態に保持して、歩行者の衝突時のフード変形量を大きく確保するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照。)。このものにあっては、エンジンフードの車両後方側端部を持ち上げ可能なフード持ち上げ保持機構として、シリンダ及びピストンロッドを有する直動型アクチュエータを用いている。そして、シリンダの内部に高圧ガスを発生させ、そのガス圧力によりピストンロッドをシリンダによりガイドして上方に変位させるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−33850号公報(第2−3頁、図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したようなアクチュエータにあっては、その車両への取付部位が、外気に直接触れる場所であるばかりでなく、エンジンルームのような温度変化が大きい場所であるため、防錆性を考慮する必要がある。例えば、外気にさらされるシリンダをアルミニウム合金材により製作することが考えられる。
【0005】
しかしながら、シリンダ内に高圧ガスを瞬時に発生させるためには火薬を使用すると良いが、そのような火薬の燃焼で発生する大きな推力に耐えるようにするためには、上記したアルミニウム合金製のシリンダの場合にはその肉厚を厚くする必要があるため、製造コストが高騰化するという問題がある。また、アルミニウム合金材の場合には、車両に火災が生じたような高温雰囲気下では強度が低下するため、火災の熱で火薬に引火してアクチュエータが作動すると破壊する虞が考えられる。
【0006】
一方、鋼材の場合には、防錆性に劣るが、高温雰囲気下での強度が高く、上記したような火災発生時に対する十分な強度を容易に確保することができる。しかしながら、防錆のために表面処理を施す必要があり、その耐久性を高めるためには製造コストが高騰化するという問題がある。このように、防錆性及び高温雰囲気下での強度の確保が可能でありかつ低廉化し得ることは、アルミニウム合金材及び鋼材のいずれにおいても困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決して、シリンダアクチュエータを用いる自動車用安全装置において防錆性及び高温雰囲気下での強度の確保が可能でありかつ低廉化を実現するために、本発明に於いては、車体表面の一部を形成する部材(3)を衝突時に外方に突出させるための自動車用安全装置であって、前記部材(3)が変位可能に車体本体(1)に支持されていると共に、前記部材(3)を外方に突出させる向きに作動させるためのシリンダアクチュエータ(6)を前記部材(3)と前記車体本体(1)との間に設け、前記シリンダアクチュエータ(6)が、シリンダ(17)と、ピストン(19)と、前記衝突時に前記シリンダ(17)内に高圧ガスを発生するガス発生器(13)とを有し、前記シリンダ(17)が、常温雰囲気での防錆性よりも高温雰囲気で強度を優先させた高剛性材からなると共に、高温雰囲気での強度低下よりも常温雰囲気での防錆を優先させた防錆材からなる外装部品(18)により外囲されているものとした。
【0008】
これによれば、高圧ガスの圧力を受けるシリンダを剛性の高い鋼材により形成しており、例えば車両火災発生時など高温雰囲気下になっても充分な強度を維持することができる。したがって、アクチュエータのシリンダの薄肉化による小型化を達成し、かつ火災発生時に破壊してしまうことを防止できる。また、高強度であるが防錆性に劣る鋼材などからなるシリンダを、防錆性を確保する材質の外装部品を用いて外囲することにより、水滴の付着からシリンダを保護することができる。
【0009】
特に、前記防錆材がアルミニウム合金材であり、前記高剛性材が鋼材であることにより、入手容易な材料で上記強度及び防錆性を確保することができる。また、前記シリンダと前記外装部品とが、前記シリンダアクチュエータの固定部材にねじ結合されていることによれば、簡単な加工によりシリンダ及び外装部品を同軸的に組み付けることができる。あるいは、前記シリンダが前記シリンダアクチュエータの固定部材にねじ結合されていると共に、前記外装部品が、前記シリンダに対して、両者間の少なくとも一部を圧入状態にして取り付けられていると良い。これによれば、外装部品をシリンダに圧入するだけで組み付けることができ、組み付け性が良い。また、前記圧入状態が、前記外装部品の内周面と前記シリンダの外周面との一方に設けられたビード(27・28・29)を他方に圧接させることによれば、圧入時の抵抗がビードの圧接のみとなるため、小さな力で圧入することができるため組み付けが容易になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付の図面に示された具体例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明が適用された自動車の全体を示す斜視図である。図に示されるように、車体本体1の前部にエンジン(図示せず)を搭載したエンジンルーム2が設けられており、その上部には開閉自在なエンジンフード3が取り付けられている。エンジンフード3は、図示例の場合にはエンジンルーム2の車両後端部(フロントウィンドウの近傍)における左右の2点でヒンジ4により傾動自在に支持されていると共に、車両前端の中央部(フロントグリルの近傍)にて車体本体1との間に設けられたフードロック機構5により閉じた状態に保持されるようになっている。
【0012】
そして、上記各ヒンジ4の近傍のエンジンフード3の下部には左右一対のアクチュエータ6が配設されている。各アクチュエータ6は同一構造のため、以下に一方についてのみ示す。
【0013】
本アクチュエータ6は、車体本体1への取り付け状態の姿勢に対応する図2に示されるように、上下方向に伸びるシリンダ部6aとその下部で曲折されて水平方向に伸びるガス発生部6bとを有するL字形に形成されており、ガス発生部6bのケーシングとなる部分を、例えばブラケットを介したり、直接ねじ止めしたり、クランプにより保持したりして、車体に固定されている(図示せず)。
【0014】
また、車体本体1の前端部の適所には、車両の前端部に人などが衝突した場合の衝撃を検出する衝突検知センサ7が設けられている。この衝突検知センサ7と上記ガス発生部6bとは、それぞれワイヤハーネス8a・8bを介して制御ユニット(ECU)9に接続されている。
【0015】
ガス発生部6bのL字形の角部に当たる部分にはエルボ形のホルダ11が設けられている。アクチュエータの非作動状態を示す図3に示されるように、ホルダ11の内部にはL字形の貫通孔12が形成されている。そのホルダ11の一端部である図における水平方向側端部には、貫通孔12内に頭部を没入させた状態でインフレータ等のガス発生器13が装着されている。ガス発生器13の軸線方向中間部には拡径部13aが形成されていると共に、貫通孔12の対応する開口部分が拡径部13aを受容する大きさに拡径されている。貫通孔12の拡径形状による段部に拡径部13aがOリング14aを介して係合しており、ガス発生器13の貫通孔12への没入深さが決められている。
【0016】
ホルダ11の上記水平方向側端部にはガス発生器13の拡径部13aを外囲する袋ナット15がねじ結合されており、これによりガス発生器13が固定されている。袋ナット15と拡径部13aとの軸線方向当接面間にはパッキン14dが介装されており、このパッキン14dと上記Oリング14aとによりガス発生器13の頭部における外部に対する気密性及び防水性が確保されている。また、袋ナット15のねじ結合部には防水や緩み止めのための例えば液状シール材(嫌気性硬化型)が塗布されている。なお、ガス発生器13の後部が袋ナット15の開口から外方に突出し、その突出部分にワイヤハーネス8bのコネクタ16が接続されている。
【0017】
これらホルダ11及び袋ナット15はアルミニウム合金からなる。また、ガス発生器13からの高圧ガスの爆発力に耐えられるように、それぞれ充分な肉厚で形成されている。このようにアルミニウム合金製とすることにより、長期に亘る高い防錆性が確保され、図示例のように雨水が付着する可能性のある所に設置される装置として好適である。
【0018】
また、ホルダ11の他端部である図3における上下方向側端部には、貫通孔12と連通する大径ねじ孔11aと小径ねじ孔11bとが同軸的に2段形状に設けられている。その小径ねじ孔11bにはシリンダ17の一端部(図3における下端部)がねじ結合されており、これによりシリンダ17がホルダ11に対して立設状態に保持されている。ホルダ11の大径ねじ孔11aには、外装部品としての外筒体18の一端部(図3における下端部)がねじ結合されており、これによりシリンダ15を外囲した状態で外筒体18がホルダ11に対して立設状態に保持されている。なお、各ねじ結合部には防水や緩み止めのための例えば上記と同様の液状シール材がそれぞれ塗布されている。
【0019】
シリンダ17は、貫通孔12と連通する筒内に高圧ガス発生時の高圧力が加わることから、高剛性材として例えば鋼材からなる。このように鋼製とすることにより、必要な強度に対して、アルミニウム合金製のものよりも薄肉にすることができる。なお、押し出し工法などにより製作し、また、めっき処理すると良い。
【0020】
それに対して、外筒体18は、外気にさらされる部品であり、防錆材として例えばアルミニウム合金により形成される。それにより、上記ホルダ11などと同様の効果を奏し得る。なお、外筒体18にあっては、高圧ガスの圧力が作用しないことから薄肉化することができるため、シリンダ17の小径化に伴って外筒体18も小径化することができる。
【0021】
これらシリンダ17及び外筒体18の小径化により、それらのホルダ11へのねじ結合部も小型化できるためホルダ11も小型化でき、全体をコンパクト化し得る。また、ピストン19のストロークをより長く確保するためにはシリンダ17が長尺になり、厚肉では長尺部分が大径化して全体的に大型化するのに対して、鋼製により小径化することができるため、装置全体として小型化できる。
【0022】
図3はアクチュエータ6の非作動状態を示す図である。その非作動状態におけるシリンダ17の内部には同軸的かつ軸線方向変位自在にピストン19が受容されている。ピストン19の一端部(図3における下側)にはシリンダ17の内径より若干小径にされた拡径部19aが形成されており、その拡径部19aの外周面に設けた周方向溝にOリング14bが装着されており、ピストン19の下端部とシリンダ17との間の気密性が確保されている。ピストンの図3における上側の他端部には、シリンダ17の上端部に形成された縮径部17aにより軸線方向スライド自在にガイドされるようになっている。この縮径部17aにあって、上記したシリンダ17を製作する押し出し工法にて同時に形成することができるため、部品点数を削減し得ると共に、肉厚形状を一体的に形成しており、強度も向上する。
【0023】
なお、シリンダ17の上部にはシリンダ17の突出方向である図3における上方に拡開されたテーパ孔が設けられており、テーパ孔の開口面を閉塞する平座金形状のインナカバー21が取り付けられている。なお、インナカバー21は、シリンダ17の上部におけるテーパ孔の縁部を半径方向内向きにかしめることにより固定されている。そのテーパ孔内にはインナカバー21により抜け止めされたCリング22が受容されている。
【0024】
また、シリンダ17及び外筒体18の図3における各上端部にあっては、外筒体18よりもシリンダ17の方が下方に位置している。ピストン19の上端部がシリンダ17から上方に突出しており、その突出部にピストンヘッド23が同軸的にねじ結合されている。ピストンヘッド23は、外筒体18の内径より若干小さい外径の円形駒状に形成されていると共にその上端面を凸面状に形成されている。ピストンヘッド23の外周面には周方向溝が形成されており、その周方向溝にOリング14cが嵌装されている。これにより、外筒体18のピストンヘッド23側の防水性が確保されている。なお、シール部材として用いた各Oリング14a・14b・14cにあっては、パッキンや、一体成形の焼き付けゴムなどの弾性体や、液状シール材などに代えても良く、気密性の要求を満たすものであれば良い。
【0025】
また、ピストン19の図3における下部の適所には、軸線方向に所定の長さ(幅)を有する周方向溝19bが設けられている。この周方向溝19bの深さ(半径方向長さ)は、上記Cリング22の半径方向幅よりも小さくされている。
【0026】
このようにして構成されたアクチュエータ6にあっては、車両の前端部の衝突を衝突検知センサ7により検出したら、制御ユニット9からガス発生器13に発火信号を出力して、ガス発生器13から高圧ガスが発生する。その高圧ガスの圧力によりピストン19が図3における上方に向けて押し出され、図4に示されるようになる。
【0027】
図4はピストン19が最上昇位置に達した状態であり、その状態では図に示されるように、拡径部19aの肩部が縮径部17aに衝当した状態でピストン19の上昇が止められている。それと合わせて、周方向溝19bが縮径部17aのテーパ孔に臨むようになり、その状態で、Cリング22が自身の縮径方向の弾発力により周方向溝19b内に入り込む。これにより、Cリング22を介して周方向溝19bと縮径部17aとが係合状態になって、ピストン19の下降が止められるため、ガス圧力が弱まった後でもピストン19の最上昇状態が保持される。
【0028】
このように、衝突時には、エンジンフード3の車両後方側が図4に示されるようにピストン19により持ち上げられるため、エンジンフード3上に落下したものに対する衝撃をエンジンフード3の大きな変形代をもって大きく吸収することができる。
【0029】
次に、第2の例を図5を参照して以下に示す。なお、上記図示例と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。図に示されるように、この第2の例にあっては、シリンダ17の外周面に外筒体18が圧入されて組み付けられた一体化構造である。なお、外筒体18のホルダ11に対するシール性は、図に示されるように外筒体18の下端とホルダ11の対向する端面との間に介装されたパッキン24による。このパッキン24としてはOリングなどを用いても良い。
【0030】
この第2の例では、シリンダ17及び外筒体18の組み付けをシリンダ17のみのねじ込みで行うことができ、ねじ込み部を減らすことができると共に、外筒体18を単純な圧入作業で組み付けるため、組み付け性が向上する。さらに、シリンダ17と外筒体18との間の隙間が無いため、より一層の小径化により小型化し得ると共に、内包湿度が小さくなる。両者間の密着状態により外気の浸入を防止できるため、シリンダ17の防錆性を向上し得る。
【0031】
また、第3の例を図6(a)を参照して以下に示す。この図示例においても上記図示例と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。図に示されるように、この第3の例にあっては、シリンダ17のホルダ11へのねじ込み部に続く近傍にその上方部分よりも拡径された圧入用拡径部25が形成されている。この圧入用拡径部25の外径は外筒体18を圧入し得る大きさにされている。したがって、シリンダ17に対して外筒体18がホルダ11側の一部に圧入する部分圧入にて結合されている。これにより、圧入部分が小さくなり、圧入組み付け作業が容易になる。なお、圧入用拡径部25における外筒体18の組み付け時挿入方向に対向する角部を落としてテーパ面としておくことにより、外筒体18の圧入が容易になる。この例にあっても、圧入部分で密閉性が確保されるため、上記と同様の効果を奏し得る。
【0032】
この第3の例と同様の他の例を図6(b)に示す。この図示例においても上記図示例と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。図に示されるように、この第3の他の例にあっては、圧入用拡径部26の外径を図示例ではホルダ11の外面と合わせるように大きくしていると共に、上記と同様にテーパ面26aを設けている。このようにすることにより、外筒体18の図における下端部をホルダ11側に被せるように組み付けることができるため、その外筒体18によりパッキン24を外囲することになり、パッキン24を保護し得る。
【0033】
また、第4の例を図7に示す。この図示例においても上記図示例と同様の部分については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。図に示されるように、この第4の例にあっては、外筒体18の内周面に軸線方向に延在する複数本の小ビード27が設けられている。これら小ビード27は、図示例では3本であり、周方向に等角度ピッチで設けられている。また、各小ビード27の頂点を通る円の直径がシリンダ17の外形よりも若干小さくなるように、各小ビード27の半径方向内向き高さが設定されている。
【0034】
このようにすることにより、圧入時の抵抗が小ビード27の接触圧によるものだけになるため外筒体18のシリンダ17への圧入作業が容易にる。また、図示例のように3本の小ビード27を当角度ピッチで設けた場合には、シリンダ17と外筒体18との互いの整合が容易になり、安価に組み付け精度を向上し得る。さらに、シリンダ17及び外筒体18の少なくともいずれか一方の圧入方向端面の縁部が面取りされていると良い。これにより、両者の挿入時にガイドし易くなるため、組み付け性が向上し得る。
【0035】
また、第4の他の例を図8(a)に示す。この例では、シリンダ17の外周面に軸線方向に延在する複数本の小ビード28を設けている。このようにしても、上記図示例と同様の効果を奏し得る。また、図8(b)に示されるように、シリンダ17のホルダ11へのねじ込み部に続く近傍にのみ複数本の小ビード部29を設けるようにしても良い。図では2本が示されているが、上記と同様に3本であって良い。これにより、圧入部分が小さくなり、圧入組み付け作業がより一層容易になる。
【0036】
【発明の効果】
このように本発明によれば、高圧ガスの圧力を受けるシリンダを剛性の高い鋼材により形成しており、例えば車両火災発生時など高温雰囲気下になっても充分な強度を維持することができる。したがって、アクチュエータのシリンダの薄肉化による小型化を達成し、かつ火災発生時に破壊してしまうことを防止できる。また、高強度であるが防錆性に劣る鋼材などからなるシリンダを、防錆性を確保する材質の外装部品を用いて外囲することにより、水滴の付着からシリンダを保護することができる。この外装部品にあっては、強度を必要としないため、例えば防錆性に優れるが強度の劣るアルミニウム合金材を用いても薄肉化することができ、各部品の薄肉化による小型化に何ら問題が生じることがない。
【0037】
特に、外装部品をアルミニウム合金材とし、シリンダを鋼材により製造することにより、入手容易な材料で上記強度及び防錆性を確保することができる。また、シリンダと外装部品とが、シリンダアクチュエータの固定部材にねじ結合されていることによれば、簡単な加工によりシリンダ及び外装部品を同軸的に組み付けることができる。
【0038】
あるいは、シリンダに対して外装部品を圧入して一体化することにより、外装部品の組付けが容易になり、組み付け性が向上する。その圧入をシリンダに対して外装部品を全面圧入することにより、シリンダと外装部品との間の隙間が無くなり、外装部品内部の内包湿度が小さくなるため例えば鋼材からなるシリンダに対する防錆性が向上すると共に、両者間の密閉性が増大するため外気の自然浸入を防止でき、長期に亘ってシリンダの防錆性を高め得る。また、シリンダと外装部品とが密着により一体化されることにより一体化状態における強度が増大し、特に外装部品がシリンダに対してコーティング状態になるため、外装部品をより一層薄肉化し得る。
【0039】
また、シリンダに対する外装部品の圧入構造を部分圧入とすることにより、圧入荷重を小さくすることができるため、小型の設備で組み付けを行うことができるなど組み付けが容易になる。その圧入に必要な高精度に加工する部分が少なくなるため、高精度化を維持した加工が容易になり、部品コストを低廉化し得る。また、外装部品の内周面とシリンダの外周面との一方にビードを設けて圧入することにより、圧入時の抵抗がビードの圧接のみとなるため、小さな圧入力で圧入することができるため組み付けが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された自動車の全体を示す斜視図。
【図2】アクチュエータを示す斜視図。
【図3】アクチュエータの側断面図。
【図4】アクチュエータの作動状態を示す要部破断側面図。
【図5】第2の例を示す要部破断図。
【図6】(a)は第3の例を示す要部破断図であり、(b)はさらに他の例を示す図。
【図7】第4の例を示す要部斜視図。
【図8】(a)は第4の例の他の例を示す要部斜視図であり、(b)はさらに別の例を示す要部斜視図。
【符号の説明】
1 車体本体
3 フード(部材)
6 アクチュエータ
13 ガス発生器
17 シリンダ
18 外筒体(外装部品)
19 ピストン
27・28・29 小ビード
Claims (5)
- 車体表面の一部を形成する部材を衝突時に外方に突出させるための自動車用安全装置であって、
前記部材が変位可能に車体本体に支持されていると共に、前記部材を外方に突出させる向きに作動させるためのシリンダアクチュエータを前記部材と前記車体本体との間に設け、
前記シリンダアクチュエータが、シリンダと、ピストンと、前記衝突時に前記シリンダ内に高圧ガスを発生するガス発生器とを有し、
前記シリンダが、常温雰囲気での防錆性よりも高温雰囲気で強度を優先させた高剛性材からなると共に、高温雰囲気での強度低下よりも常温雰囲気での防錆を優先させた防錆材からなる外装部品により外囲されていることを特徴とする自動車用安全装置。 - 前記防錆材がアルミニウム合金材であり、前記高剛性材が鋼材であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用安全装置。
- 前記シリンダと前記外装部品とが、前記シリンダアクチュエータの固定部材にねじ結合されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動車用安全装置。
- 前記シリンダが前記シリンダアクチュエータの固定部材にねじ結合されていると共に、
前記外装部品が、前記シリンダに対して、両者間の少なくとも一部を圧入状態にして取り付けられていることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載の自動車用安全装置。 - 前記圧入状態が、前記外装部品の内周面と前記シリンダの外周面との一方に設けられたビードを他方に圧接させることを特徴とする請求項4に記載の自動車用安全装置。
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