JP2004330637A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノズル16からインク液滴が吐出される際に、インク液滴の一部がインクミストになって、インクジェット記録ヘッド10内を飛翔する。インクジェット記録ヘッド10の走査方向上の両側に回収ダクト24、28を配設して稼動させることで、インクミストはキャリッジ14の走査方向上を飛翔して、インクジェット記録ヘッド10の他の部分に付着することがなく、確実に回収ダクト24、28に回収される。また、回収ダクト24、28をキャリッジ14の走査方向上の両側に配設することで、キャリッジ14の走査方向の切り替わりに合わせて回収ダクト24、28のファン26、30の稼動を切り替えて、キャリッジ14の走査方向のどちら側からでもインクミストを回収することができる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録ヘッドから記録媒体へインクを吐出して記録を行う記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、オフィスにおけるカラー文書の普及はめざましく、そのための様々な出力機器が提案されている。特に、小型化が可能で低価格なインクジェット記録装置が様々な出力機器に使用されている。
【0003】
インクジェット記録装置で用いられる記録ヘッドは、エネルギ発生手段と、エネルギ発生手段で発生したエネルギをインク吐出力に変換するエネルギ変換手段と、インク吐出力によってインク液滴を吐出するインク吐出口と、インク吐出口に連通してインクを供給するインク供給路とから構成される。エネルギ発生手段としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いた手段や発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱して気泡を発生させ、この気泡の生成によってインク液滴を吐出させる手段等がある。
【0004】
また、画像の高画質性等の理由から、記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、記録媒体の所定ピッチごとの搬送とキャリッジの往復移動とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を記録するシリアル型がある。
【0005】
しかし、インクジェット記録装置では、記録ヘッドのノズルからインク液滴を吐出する際、インク液滴の一部がインクミストとなって、インクジェット記録装置内を浮遊する。このインクミストが装置内の様々な部分に付着することによって、良好な画像が記録されない。
【0006】
また、プラテンや記録紙搬送ローラー等にインクミストが付着して蓄積すると、記録媒体の搬送がスムーズに行われなくなり、ジャム、斜行、しわ及び波打ち等の搬送不良を引き起こす原因となる。さらに、インクミストがキャリッジが摺動する軸や軸受等の稼動部近辺に付着蓄積すると、可動部分の摩擦が大きくなり、可動部分の動作に影響を与えてしまう。
【0007】
これらの欠点に対し、記録ヘッド、キャリッジ、プラテンなど記録装置付近に空気流を発生させるためのファンを付設し、インク液滴の吐出時に送風することで記録ヘッド近傍に気流を発生させる構成が開示されている(特許文献1参照)。しかし、これはインクミストを吹き飛ばす際にインクミストがノズル近傍又は意図していない場所に付着してしまう。
【0008】
また、気流発生手段によって、記録装置内部にキャリッジの移動方向と同じ方向に気流を発生させ、具体的な構成は示されていないが、インクミストを回収してもよいと記載されている従来技術もある(特許文献2参照)。
【0009】
しかし、キャリッジのノズルから吐出されたインクミストは、キャリッジの移動方向と反対方向に速度を持って飛翔することを本出願人は確認した。従って、キャリッジの移動方向と同じ方向に気流を発生させると、キャリッジの移動方向と反対方向に飛翔しているインクミストと反対方向に気流をかけることになり、インクミストの回収効率が上がらない。
【0010】
【特許文献1】
特許第2756341号(第4項、第1図)
【特許文献2】
特開平11−138776号公報(第5項、第1図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事実を考慮し、キャリッジの走査方向にかかわらず、インクミストの回収効率を向上させることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明の記録装置は、記録媒体の搬送方向と直交する方向へ走査する記録ヘッドのノズルからインク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録する記録装置において、前記記録ヘッドの走査方向上の両側に配設され、発生したインクミストを吸引して回収するミスト回収手段と、を有することを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、記録ヘッドの走査方向上の両側に配設されたミスト回収手段で吸引することで、発生したインクミストが回収される。
【0014】
記録ヘッドのノズルからインク液滴が吐出される際に、このインク液滴の一部がインクミストになって、記録装置内を飛翔する。ここで、記録ヘッドの走査方向上の両側にミスト回収手段を配設して稼動させることで、インクミストは記録ヘッドの走査方向上を飛翔して、記録ヘッドの他の部分に付着することがなく、確実にミスト回収手段に回収される。
【0015】
また、ミスト回収手段を記録ヘッドの走査方向上の両側に配設することで、記録ヘッドの走査方向の切り替わりに合わせてミスト回収手段の稼動を切り替えることができる。すなわち、記録ヘッドの走査方向のどちら側からでもインクミストを回収することができる。
【0016】
請求項2に記載の本発明の記録装置は、前記記録ヘッドの走査方向と反対側の前記ミスト回収手段は、空気を吸引することを特徴としている。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、記録ヘッドからインク液滴が吐出されると、その一部がインクミストとなって走査時に引き起こされる気流により記録ヘッドの走査方向と反対方向へ飛翔する。ここで、記録ヘッドの走査方向と反対方向側のミスト回収手段のみを稼動させることで、記録ヘッドの走査方向と反対方向に気流が発生する。これによって、インクミストは、飛翔方向側にあるミスト回収手段に、確実に回収される。
【0018】
請求項3に記載の本発明の記録装置は、前記記録ヘッドの走査方向と反対側の前記ミスト回収手段は空気を吸引し、前記記録ヘッドの走査方向側の前記ミスト回収手段は空気を送風することを特徴としている。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、記録ヘッドの走査方向と反対側に配設されたミスト回収手段で記録装置内の空気を吸引し、記録ヘッドの走査方向側に配設されたミスト回収手段で記録装置内に空気を送風することによって、記録装置内の記録ヘッドの走査領域全体に、記録ヘッドの走査方向と反対の方向に向かって気流が発生する。したがって、記録ヘッドから吐出された全てのインクミストが、記録ヘッドの走査方向と反対方向に向かって飛翔し、記録ヘッドの走査方向の反対側に配設されたミスト回収手段に回収される。
【0020】
請求項4に記載の本発明の記録装置は、前記記録ヘッドの走査方向と反対側の前記ミスト回収手段は空気を吸引し、前記記録ヘッドの走査方向側の前記ミスト回収手段は、前記記録ヘッドが止まって反対側に移動する前に空気を吸引することを特徴としている。
【0021】
請求項4に記載の発明によれば、記録ヘッドが一方のミスト回収手段に近づいたときに、記録ヘッドの走査方向上の両側のミスト回収手段で記録装置内の空気を吸引する。これによって、記録ヘッドの走査方向が切り替わったとき、走査方向が切り替わった直後に記録ヘッドの走査方向と反対側にあるミスト回収手段で記録装置内の空気を吸引し始める場合と比べて、確実にインクミストを回収することができる。
【0022】
請求項5に記載の本発明の記録装置は、前記ミスト回収手段は、前記ノズルから前記インク液滴が吐出される前に稼動させることを特徴としている。
【0023】
請求項5に記載の発明によれば、ノズルからインク液滴を吐出させる前にミスト回収手段を稼動させることで気流の状態が安定するため、印字開始時に発生したインクミストも確実に回収することができる。
【0024】
請求項6に記載の本発明の記録装置は、前記ミスト回収手段の吸引量を、該ミスト回収手段の吸引口と前記記録ヘッドとの距離に比例させて増加させることを特徴としている。
【0025】
請求項6に記載の発明によれば、記録ヘッドが移動することで大きくなる、ミスト回収手段の吸引口と記録ヘッドの距離に比例させて、ミスト回収手段の吸引量を大きくすることで、記録ヘッドから吐出されたインクミストは、距離に影響されることなく、確実に回収できる。
【0026】
請求項7に記載の本発明の記録装置は、前記ミスト回収手段の吸引量を、前記記録ヘッドの移動速度に比例させて増加させることを特徴としている。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、記録ヘッドの移動速度が大きくなると、発生するインクミストの量が増大する。このとき、記録ヘッドの移動速度に比例させてミスト回収手段の吸引量を大きくすることで、記録ヘッドから吐出されたインクミストが確実に回収される。
【0028】
請求項8に記載の本発明の記録装置は、前記ミスト回収手段の吸引量は、前記記録ヘッドの走査方向と反対側へ流れる気流の流速が、1cm/s〜400cm/sとなるように設定したことを特徴としている。
【0029】
請求項8に記載の発明によれば、気流の流速が400cm/s以上になると、本来、垂直に記録紙へ着弾すべき粒径10μm以上のインク液滴も気流に大きく引っ張られて印字が乱れてしまう。また、流速が1cm/sより小さい場合には、粒径5μm以下のインクミストが回収できない。従って、流速1cm/s〜400cm/sの気流をミスト回収手段から発生させたときに、最適な印字状態が得られる。
【0030】
請求項9に記載の本発明の記録装置は、前記ミスト回収手段の吸引口にシャッターが設置され、前記ミスト回収手段を、常時稼動させながら前記シャッターによって送風を切り替えることを特徴としている。
【0031】
請求項9に記載の発明によれば、ミスト回収手段の吸引口にシャッターが設置され、ミスト回収手段を常時稼動させ、吸引を行うときにはシャッターを開放し、吸引を止めるときにはシャッターを閉じればよい。このような構成にすることで、ファンを駆動、駆動停止する制御と比較して、吸引、遮断の切り替えが確実に行われる。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態に係る記録装置について説明する。
【0033】
図1には、本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド12が搭載されたインクジェットプリンタ10が示されている。
【0034】
インクジェット記録ヘッド12はノズル16(図2参照)を有しており、記録用紙22と対向するようにキャリッジ14上に搭載されている。このキャリッジ14は、駆動制御信号に基づき主走査機構29によって主走査方向(矢印A、Bで示す)に移動される。これにより、インクジェット記録ヘッド12は、副走査機構31によって副走査方向(矢印Cで示す)へ搬送される記録用紙22へ、画像情報に応じてインク液滴を吐出することにより、記録用紙22の全面に画像の記録を行う。ここでは、記録媒体として記録紙22を用いたが、これに限らずフィルムやOHPシートなどであってもよい。また、記録紙22は、ロール状でも短冊状のものでもよく、制限はない。
【0035】
キャリッジ14の走査方向上の両端には、ミスト回収手段としての回収ダクト24、28が設けられている。この中には、ファン26、30が設置されている。ファン26、30は駆動して気流を発生させ、回収ダクト24、26の吸引口24A、28Aから、後述するインクミストを回収するようになっている。また、回収ダクト24、28の背面には、排気口18が形成されている。排気口18にはフィルター20が設けられており、フィルター20で吸引した空気に含まれるインクミストをトラップする。
【0036】
ここでは、インクジェットプリンタ10のキャリッジ14の走査方向の両端にファン26、30が設置された回収ダクト24、28でインクミストを回収する構成としたが、回収ダクトのみをキャリッジ14の走査方向の両側に設け、ファンを別の場所に設置する構成でもよい。この場合、ファンの設置場所はインクジェットプリンタ10内であれば特に限定されず、複数のファンを設置することも可能となって、ファンで回収ダクトの吸引量の調整を行うことが容易となる。
【0037】
図2に示すように、キャリッジが矢印A方向に移動する際、インクジェット記録ヘッド12のインク液滴が吐出されるノズル面12Aに沿って空気が引っ張られ、渦状の気流が発生する。その気流は、インクジェット記録ヘッド12と記録紙22との間を、キャリッジ14の移動方向から吐出方向に向かって長円を描くように回流する。
【0038】
このため、ノズル16からインク液滴を吐出すると、インクミストMは、キャリッジ14の移動によって発生する気流によって、インクジェット記録ヘッド12と記録紙22との間を長円を描くように飛翔し、ノズル16から離れたインクミストMは、キャリッジ14の移動方向(矢印A方向)と反対(矢印B方向)に向かう。
【0039】
このとき、キャリッジ14の移動方向と反対側に設置された回収ダクト24でインクジェットプリンタ10内(ノズル面12Aと記録紙22の間)の空気を吸引することで、インクジェット記録ヘッド12と記録紙22との間に矢印B方向に向かって気流を発生させ、インクミストMを効率良く回収する。
【0040】
また、図3に示すように、キャリッジ14が矢印B方向に移動しているときは、キャリッジ14の移動方向と反対側にある回収ダクト28でインクジェットプリンタ10内の空気を矢印A方向に吸引する。これによって、インクジェット記録ヘッド12と記録紙22との間には矢印A方向に向かって気流が発生し、キャリッジ14の移動で矢印A方向に向かうインクミストMが、回収ダクト28によって効率良く回収される。
【0041】
ここで、回収ダクト24、28について説明する。なお、回収ダクト24と回収ダクト28とは同構成なので、回収ダクト24についてのみ説明する。
【0042】
図4に示すように、回収ダクト24は箱状とされ、内部にはファン26が設置されている。また、回収ダクト24の吸引口24Aには、開閉動作を行う扉23が取付けられている。扉23には、ソレノイド25のプランジャー25Aが連結されている。そして、ソレノイド25に電流を印加することでプランジャー25Aが伸長し、扉23が閉まる。また、電流の印加を停止することで、プランジャー25Aが収縮し、扉23が開放する。このように、電流のON、OFFによって扉23の開閉を行う。
【0043】
ファン26を稼動させた状態で扉23を閉じると吸引が阻止され、扉23を開けると吸引が行われるようになっており、扉23の開閉によって、回収ダクト24の吸引の開始、停止が行われるので、ファン26の駆動、駆動停止制御を行う必要がなく、また、駆動制御を行う場合と比較して、空気の吸引、遮断の切り替えが確実に行える。
【0044】
ここで、インクミストの挙動について説明する。
【0045】
図7には、ノズル16から吐出され、飛翔するインクミストに作用する気流によってインクミストが吐出方向に移動する距離と、キャリッジ14の移動方向と反対側に移動する距離を粒子画像流速測定法(Particle Image Velocimetry、以降PIVと呼ぶ)装置で測定し、グラフ化したものが示されている。
【0046】
図7(B)に示すように、ノズル16から吐出されたインク液滴の初速度が10m/sのとき、回収ダクト24で発生させた気流の速度を400cm/sとする。このとき、粒径10μmのインク液滴は、本来インク液滴が着弾する位置よりキャリッジ14の移動方向と反対側に200μm以上移動することがわかる。
すなわち、記録紙22に対して着弾位置が200μm以上ずれると、記録紙22の印字が乱れてしまう恐れがあるので、気流速度は最大で400cm/sが適当であることが言える。
【0047】
また、図7(C)に示すように、ノズル16から吐出されたインク液滴の初速度が10m/sのとき、ファン24で発生させた気流の速度を1cm/sとする。このとき、粒径が1μmと5μmのインクミスト以外は吐出方向に飛翔して、気流の影響を受けず記録紙22に着弾する。しかし、5μm以下のインクミストはキャリッジ14の移動方向と反対方向に向かって飛翔する。気流の流速を1cm/s以下とすると、粒径5μm以下のインクミストが回収できない。従って、ファン24で発生させる気流の速度を1cm/s〜400cm/sとなるように設定すればよい。
【0048】
回収ダクト24、28のファン26、30は、ノズル16からインク液滴が吐出される前から稼動させ、キャリッジ14の移動方向と反対側の扉を開放しておく。これにより、ノズル16からインク液滴が吐出された直後から発生したインクミストを確実に回収することができる。
【0049】
次に、本発明の第1の実施形態の作用について説明する。
【0050】
図2または図3に示すように、インクジェット記録ヘッド12のノズル16からインク液滴が吐出される際に、このインク液滴の一部がインクミストMになって、インクジェットプリンタ10内を飛翔する。キャリッジ14の走査方向上の両側には、ミスト回収手段としての回収ダクト24、28が配設されており、ファンを駆動して扉23を開放することで、インクミストMはキャリッジ14やインクジェットプリンタ10内部に付着することがなく、キャリッジ14の走査方向上を飛翔して、確実に回収ダクト24、28に回収される。
【0051】
また、回収ダクト24、28をキャリッジ14の走査方向上の両側に配設することで、キャリッジ14の往路、復路走査に合わせて扉23の開閉を切り替えることができる。すなわち、キャリッジ14の走査方向のどちら側からでもインクミストMを回収することができる。
【0052】
キャリッジ14からインク液滴が吐出されると、その一部がインクミストMとなってキャリッジ14の走査方向と反対方向へ飛翔する。ここで、キャリッジ14の移動方向と反対方向の回収ダクトでキャリッジ14の移動方向と反対方向の気流を発生させる。これによって、インクミストMは、飛翔方向側にある回収ダクトに、確実に回収される。
【0053】
なお、本実施形態では、回収ダクト24、28の吸引量を一定としたが、回収ダクト24、28の吸引量を吸引口24A、28Aからインクジェット記録ヘッド12のノズル16までの距離に比例させて増加させてもよい。また、設定されたキャリッジ14の走査速度が速くなると発生するインクミストの量が増えるので、これに合わせて回収ダクト24、28の吸引量を増加させてもよい。
【0054】
ここで、回収ダクト24、28の吸引量の調整法について説明する。
【0055】
例えば、キャリッジ14の位置は、駆動制御信号に基づいて制御部で演算される。この演算値に基づいて回収ダクト24、28のファン26、30の回転数が制御され、回収ダクト24、28の吸引量が調整される。これにより、キャリッジ14の位置に対応して、確実にインクミストが回収される。
【0056】
ここでは、ファン26、30の回転数によって回収ダクト24、28の吸引量を変化させたが、扉23の開度を変えることで回収ダクト24、28の吸引量を変化させてもよい。
【0057】
なお、本実施形態においては、空気の吸引、遮断の切り替えを、回収ダクト24、28に設けた扉23の開閉によって行ったが、回収ダクト23、28のファン26、30の駆動、駆動停止で行ってもよい。
【0058】
次に、本発明の第2の実施形態に係る記録装置について説明する。
【0059】
第1の実施形態では、気流の方向の切り替えを回収ダクトに設けた扉の開閉によって行ったが、ここでは、回収ダクトのファンの回転方向を切り替えることで気流の方向を切り替える。
【0060】
図5に示すように、キャリッジ14が矢印A方向に移動しているときは、キャリッジ14の移動方向と反対側にある回収ダクト32のファン33を正転させてインクジェットプリンタ10内の空気を吸引する。このとき、キャリッジ14の移動方向側にある回収ダクト34のファン35を逆転させ、インクジェットプリンタ10内の空気を送風する。これによって、インクジェットプリンタ10内に矢印B方向に気流を発生させる。
【0061】
次に、キャリッジ14の移動方向が切り替わり矢印B方向へ移動するとき、これに伴って、回収ダクト32、34の吸引と送風を切り替える。すなわち、キャリッジ14の移動方向と反対側にある回収ダクト34のファン35を正転させてインクジェットプリンタ10内の空気を吸引し、キャリッジ14の移動方向側にある回収ダクト32のファン33を逆転させてインクジェットプリンタ10内の空気を送風する。これによって、インクジェットプリンタ10内に、矢印A方向に気流が発生する。
【0062】
次に、本発明の第2の実施形態の作用について説明する。
【0063】
図5に示すように、キャリッジ14の移動方向と反対側に配設された回収ダクト32でインクジェットプリンタ10内の空気を吸引し、キャリッジ14の走査方向側に配設された回収ダクト34でインクジェットプリンタ10内に空気を送風することによって、キャリッジ14の移動方向と反対の方向に向かって大きな気流が発生する。したがって、キャリッジ14から吐出された全てのインクミストが、キャリッジ14の移動方向と反対方向に向かって飛翔して、キャリッジ14の移動方向の反対側に配設された回収ダクト32に回収される。
【0064】
次に、本発明の第3の実施形態に係る記録装置について説明する。
【0065】
図6(A)に示すように、キャリッジ14が矢印A方向に移動しているときは、キャリッジ14の移動方向と反対側にある回収ダクト36でインクジェットプリンタ10内の空気を吸引する。キャリッジ14が回収ダクト36側にあるときは、キャリッジ14の移動方向側にある回収ダクト38ではインクジェットプリンタ10内の空気を吸引しない。図6(B)に示すように、キャリッジ14が回収ダクト38に近づき、止まって矢印B方向へ移動する前に、回収ダクト38でもインクジェットプリンタ10内の空気を吸引する。従って、キャリッジ14が回収ダクト38に近づいたときには、回収ダクト36、38の両方でインクジェットプリンタ10内の空気を吸引することになる。
【0066】
同様にして、キャリッジ14の移動方向が切り替わって矢印B方向に移動するとき、キャリッジ14の移動方向と反対側にある回収ダクト38でインクジェットプリンタ10内の空気を吸引する。キャリッジ14が回収ダクト36に近づくと、回収ダクト36でもインクジェットプリンタ10内の空気を吸引する。
【0067】
次に、本発明の第3の実施形態の作用について説明する。
【0068】
図6に示すように、キャリッジ14の移動方向の両側には回収ダクト36、38が設置されており、キャリッジ14が一方の回収手段に近づいたときに、両方の回収ダクト36、38でインクジェットプリンタ10内の空気を吸引する。これによって、矢印A方向に移動していたキャリッジ14の移動方向が切り替わったとき、移動方向が切り替わった直後にキャリッジ14の移動方向と反対側にある回収ダクトでインクジェットプリンタ10内の空気を吸引し始める場合と比べて、確実にインクミストを回収することができる。
【0069】
なお、本実施形態においては、インクジェット方式のインクジェットプリンタについて説明したが、インクジェット方式においてはサーマルインクジェット方式、ピエゾ式インクジェット、連続流型インクジェット、静電吸引型インクジェット等、方式に限定されない。
【0070】
さらに、使用するインクも水性インク、油性インク、常温で固形のいわゆるソリッドインク、溶剤インク等いずれも適用可能である。インク中の色材も顔料・染料を問わない。
【0071】
また、インクジェット記録ヘッド12は1個のタイプのものでも複数個が用いられるタイプのものでも、同様に適用することができる。
【0072】
さらに、キャリッジ14が往復移動するタイプのものに限らず、一方の移動しか行わないタイプの記録装置の場合にも本装置を用いることができる。
【0073】
【発明の効果】
本発明は上記構成としたので、キャリッジの走査方向にかかわらず、インクミストの回収効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドを搭載するインクジェットプリンタを示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る記録ヘッドからインク液滴が吐出される状態を模式的に示した図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る記録ヘッドからインク液滴が吐出される状態を模式的に示した図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る記録ヘッドのインクミストを回収する回収手段の詳細を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るインクジェットプリンタからインク液滴が吐出される状態を模式的に示した図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るインクジェットプリンタからインク液滴が吐出される状態を模式的に示した図である。
【図7】(A)ノズルから吐出されたインク液滴に作用する気流を模式的に示した図であり、(B)インク液滴の初速度が10m/s、気流の速度が400cm/sのときのインク液滴の移動量(飛翔軌跡)を示したグラフであり、(C)インク液滴の初速度が10m/s、気流の速度が1cm/sのときのインク液滴の移動量(飛翔軌跡)を示したグラフである。
【符号の説明】
10 インクジェットプリンタ(記録装置)
12 インクジェット記録ヘッド(記録ヘッド)
14 キャリッジ
16 ノズル
23 扉(シャッター)
24 回収ダクト(ミスト回収手段)
24A 吸引口
28 回収ダクト(ミスト回収手段)
28A 吸引口
32 回収ダクト(ミスト回収手段)
34 回収ダクト(ミスト回収手段)
36 回収ダクト(ミスト回収手段)
38 回収ダクト(ミスト回収手段)
Claims (9)
- 記録媒体の搬送方向と直交する方向へ走査する記録ヘッドのノズルからインク液滴を吐出して記録媒体に画像を記録する記録装置において、前記記録ヘッドの走査方向上の両側に配設され、発生したインクミストを吸引して回収するミスト回収手段と、を有することを特徴とする記録装置。
- 前記記録ヘッドの走査方向と反対側の前記ミスト回収手段は、空気を吸引することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドの走査方向と反対側の前記ミスト回収手段は空気を吸引し、前記記録ヘッドの走査方向側の前記ミスト回収手段は空気を送風することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記記録ヘッドの走査方向と反対側の前記ミスト回収手段は空気を吸引し、前記記録ヘッドの走査方向側の前記ミスト回収手段は、前記記録ヘッドが止まって反対側に移動する前に空気を吸引することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記ミスト回収手段は、前記ノズルから前記インク液滴が吐出される前に稼動させることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の記録装置。
- 前記ミスト回収手段の吸引量を、該ミスト回収手段の吸引口と前記記録ヘッドとの距離に比例させて増加させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の記録装置。
- 前記ミスト回収手段の吸引量を、前記記録ヘッドの移動速度に比例させて増加させることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の記録装置。
- 前記ミスト回収手段の吸引量は、前記記録ヘッドの走査方向と反対側へ流れる気流の流速が、1cm/s〜400cm/sとなるように設定したことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の記録装置。
- 前記ミスト回収手段の吸引口にシャッターが設置され、前記ミスト回収手段を、常時稼動させながら前記シャッターによって送風を切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の記録装置。
Priority Applications (1)
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