JP2004330481A - 樹脂リングの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス繊維および樹脂の減損量を低減する樹脂リングの製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂リングの製造方法21は、ガラス繊維製の糸を液状の樹脂液に浸漬し、樹脂液を含浸させる含浸工程S1と、余剰に含浸された樹脂液を扱き取る扱き工程S2と、巻付け型に樹脂糸を巻付ける巻付け工程S3と、樹脂糸を巻付ける巻付け位置を変更する変位工程S4と、樹脂糸が巻付けられた巻付け型を加熱し、樹脂液を硬化させる熱硬化工程S5と、樹脂液を硬化することにより形成され、連結体より連なった複数の環状体を、連結体を切断することにより個々に分断する切断工程S7とを主に具備する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂リングの製造方法に関するものであり、特にガラス繊維製の糸を利用して製造される樹脂リングの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電動機のローター等に使用されている整流子を構成する樹脂リングは、絶縁性および剛性が要求されるため、ガラス繊維製の糸を利用して製造されていることが多い。ここで、整流子は、環状に配置された複数の整流子片に樹脂リングを嵌合し、これにより各整流子片を保持して構成されるものである。また、樹脂リングは、ガラス繊維製の糸を液状のポリエステル樹脂等に浸漬した樹脂糸を、棒状の巻付け型に所定の外径になるまで巻付けた後、硬化させてガラス強化樹脂の円筒体を作り、その後、円筒体を数値制御工作機械(いわゆる、NC工作機械)等の切断機械を用いて一定の厚さの環状体に切出し、さらに切断面に生じたケバを取り、滑らかな表面に仕上げて製造されている。
【0003】
以上の従来技術は、公然に実施されているものであり、出願人は、この従来技術が記載された文献を、本願出願時においては知見していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した円筒体から切出して樹脂リングを製造する際には、以下のような課題があった。すなわち、製造される樹脂リングは薄片状に形成されるため、NC工作機械等を利用した場合、切削刃の厚みに相当する減損量が多くなることがあった。すなわち、切断加工時のロスが大きく、例えば、円筒体の約1/3が減損する場合もあった。さらに、切出された樹脂リングは、切断面にケバが生じるため、係る切断面のケバを除去し、滑らかな表面に仕上げる加工が必要であった。そのため、工程が複雑化し、さらに製造時間が延びることがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記実情に鑑み、ガラス繊維および樹脂の減損量を低減することが可能な樹脂リングの製造方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る樹脂リングの製造方法は、「ガラス繊維製の糸を熱硬化性の樹脂液に浸漬する浸漬工程と、前記樹脂液に浸漬した樹脂糸の表面に付着する余剰な前記樹脂液を扱き取る扱き工程と、中空部を有する複数のスペーサ、前記スペーサの外径より拡径した外径を有し、前記中空部と略同径の第二中空部を備える複数のフランジ、前記スペーサの前記中空部および前記フランジの前記第二中空部に嵌挿可能なシャフト径を有するシャフトを具備し、前記フランジおよび前記スペーサを前記シャフトに交互に通して形成された巻付け型の互いに対向する前記フランジによって挟まれた前記スペーサの周囲に、前記扱き工程により余剰な前記樹脂液が除去された前記樹脂糸を巻付ける巻付け工程と、前記巻付け工程により前記スペーサの周囲に巻付けられる前記樹脂糸を隣接する前記スペーサに誘導し、前記樹脂糸の巻付け位置を変位させる変位工程と、前記樹脂糸が前記スペーサの周囲に巻付けられた前記巻付け型を所定の条件で加熱し、前記樹脂液を熱硬化させる熱硬化工程と、前記巻付け型のそれぞれの前記スペーサの周囲に巻付けられた前記樹脂糸が熱硬化した環状体、および隣接する前記環状体同士を連結する連結体を有して構成される連結環状体の前記連結体を切断する切断工程とを具備すること」を、上述の課題を解決するための特徴とする。
【0007】
ここで、樹脂リングは、環状に配された整流子片に嵌合し、電動機のローター等に使用される整流子を構成するもの、あるいは、シールリングやパッキンのバックアップリング等に利用可能なものである。
【0008】
そして、樹脂液には、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が利用可能である。また、ガラス繊維製の糸には、紡糸された連続繊維集合体(一般に、「ストランド」と称されている。)を、所定の本数引き揃えた「ロービング」、ストランドに撚りをかけた「ヤーン」等が利用可能である。ここで、本明細書中において、液状の樹脂を「樹脂液」、樹脂液に浸漬したガラス繊維製の糸を「樹脂糸」と定義している。
【0009】
また、巻付け型を構成するフランジおよびスペーサは樹脂製のものが好ましく、特に耐熱性、および離型性に優れる四フッ化エチレン樹脂が好適である。ここで、スペーサの外径が、製造される樹脂リングの内径に相当し、フランジの外径は、樹脂リングの外径より大きく形成されている。また、巻付け型に樹脂糸を巻付ける方法は、巻付け型を回転する方法、巻付け型を固定して樹脂糸を巻付ける方法等の周知の方法をそれぞれ適用可能である。
【0010】
したがって、本発明に係る樹脂リングの製造方法によれば、ガラス繊維製の糸を熱硬化性の樹脂液に浸漬すると、ガラス繊維製の糸の表面に樹脂液が付着する。そして、樹脂糸をV字状の溝やスリット状の細隙等に通すことによって、樹脂糸の表面に付着された余剰な樹脂液が扱き落とされる。その後、巻付け型のフランジに挟まれたスペーサの周囲に樹脂糸が巻付けられる。そして、所望する樹脂リングの外径になると、隣接するスペーサに樹脂糸を巻付けられるように、巻付け位置を変更する。このとき、樹脂糸はフランジを跨いだ状態になる。そして、前述と同様に複数のスペーサに対する樹脂糸の巻付けを繰返す。その後、樹脂糸が巻付けられた状態の巻付け型を乾燥炉等に入れて加熱し、樹脂糸に付着している樹脂液を熱硬化させる。これにより、環状体が複数連なった連結環状体が形成される。そして、環状体を連結している連結体を切断することにより、個々の環状体に分断され、樹脂リングが形成される。なお、環状体をスペーサから取外した後に連結体を切断してもよいし、連結体を切断した後に環状体をスペーサから取外してもよい。
【0011】
これにより、個別に樹脂リングが成形されるため、従来の筒状体から切出して形成する場合に使用しているNC工作機械等の切断機械および切断工程が不要となる。さらに、切断加工等によってケバが生じた粗い切断面を滑らかに仕上げる仕上げ加工等が不要になるため、製造にかかる手間が削減される。また、樹脂リングを製造する際に減損する樹脂およびガラス繊維は、環状体を連結している連結部の体積量とほぼ同量になり、従来の減損量に比べて著しく減少させられる。そのため、製造にかかる費用を削減することが可能となる。
【0012】
また、本発明に係る樹脂リングの製造方法は、「前記糸は、合撚糸が利用されること」を、上述の課題を解決するための特徴とするものであってもよい。
【0013】
ここで、合撚糸とは、紡糸された連続繊維集合体(一般に、「ストランド」と称されている。)に撚りをかけて一本に形成されている単糸を、数本束ねて撚り合せた糸である。なお、ガラス繊維の単糸は径が約5〜9μmの単ガラス繊維を50〜800本程度撚り合せて構成されているものが一般的である。そして、ガラス繊維の単糸、および数本のガラス繊維の単糸を撚り合せた合撚糸は、一般に「ガラスヤーン」と称されている。
【0014】
これにより、数百から数千本のガラス繊維を撚り合せた引張強度の大きい合撚糸が利用されるため、ガラス繊維製の糸に含浸された余剰の樹脂を扱き取る際に、切断されることが少なくなる。また、撚り合せた合撚糸は、繊維と繊維の間に微細な空隙を有するため、樹脂液を含浸し易くなり、樹脂リングを製造する際に充分な量の樹脂液が樹脂糸に付着することになる。
【0015】
また、本発明に係る樹脂リングの製造方法は、「前記切断工程の際に前記環状体の周面に生ずるケバを除去するケバ取り工程」をさらに具備するものであってもよい。
【0016】
ここで、ケバは前記連結体を切断することにより前記環状体の周面に形成される突起やささくれ状のものである。そして、ヤスリ等を用いてケバを削り、滑らかに仕上げる処理を施すケバ取り工程が行われる。これにより、ケバが削り取られ、周面に突起等のない樹脂リングが形成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である樹脂リングの製造方法21について、図1乃至図5に基づいて詳しく説明する。ここで、図1は樹脂リングの製造方法21の各工程の流れを示すフローチャートであり、図2は樹脂リングの製造方法21において使用される製造装置31の概略構成を示す説明図であり、図3は巻付け型8の構成を示す分解斜視図であり、図4は巻付け型8の構成を示す断面図であり、図5はスペーサ9に樹脂糸5が巻付けられた状態示す斜視図である。なお、図4において、スペーサ9およびフランジ10を明瞭に示すために、それぞれの厚さを若干誇張して示してある。ここで、樹脂リング1は、整流子片に嵌合し、モータ等に用いられる整流子に使用するものを想定している。
【0018】
まず、本実施形態の樹脂リングの製造方法21において使用される製造装置31について図2乃至図4に基づいて説明する。製造装置31は、ガラスヤーン3が巻付けられ、略円筒状を呈する巻芯2を緩装可能な棒状を呈する支持軸6と、液状の樹脂(以下、樹脂液4と称する。)を含浸したガラスヤーン3(以下、樹脂糸5と称する。)の余剰な樹脂液4を扱き取るために形成されたスリット状の細隙7aを有する扱き部7と、扱き部7が移動可能に取着される変位軸15と、樹脂糸5が巻付けられる巻付け型8と、巻付け型8を軸支する巻付け型支持部14を主に具備して構成されている。ここで、支持軸6、変位軸15、および巻付け型支持部14に軸支されている巻付け型8は、地面に対して略水平に、ほぼ同じ高さで略平行に配設されている。そして、扱き部7は変位軸15の軸方向に変位自在に取付けられている。
【0019】
また、図3および図4に示すように、巻付け型8は、製造する樹脂リング1の内径と略同一の外径および樹脂リング1の厚さと略同一の厚さを有し、中空部9aを備える円盤状を呈する複数のスペーサ9と、樹脂リング1の外径より拡径した外径を有し、中空部9aと略同径の第二中空部10aを備える円盤状を呈する複数のフランジ10と、中空部9aおよび第二中空部10aに嵌挿可能なシャフト径を有するシャフト11と、第一留めフランジ12と、ナット13とから主に構成されている。そして、シャフト11は一端にナット13の雌ネジ部13aと螺合する雄ねじ部11aが形成され、他端が巻付け型支持部14に固定されるものである。さらに、シャフト11の他端近傍には、シャフト11に通したフランジ10を留めるための第二留めフランジ11bが設けられている。そして、フランジ10,スペーサ9,フランジ10・・・と両端がフランジ10になるように所定の枚数を交互にシャフト11に通し、最後に留めフランジ12を通し、ナット13の雌ネジ部13aと雄ねじ部11aとの螺合により、締付け固定する。これにより、シャフト11に設けられた第二留めフランジ11bと、シャフト11に通した第一留めフランジ12とによって、フランジ10およびスペーサ9がシャフト11に通された状態で挟着される(図4参照)。そして、巻付け型8は巻付け型支持部14によって軸支され、モータ等の軸駆動手段(図示しない)によってシャフト11を軸に回転する(図2の矢印A方向)。
【0020】
ここで、巻付け型8が回転し一枚のスペーサ9に樹脂糸5を所定の回数巻付けた後、扱き部7が隣接するスペーサ9の位置に移動し、全てのスペーサに樹脂糸5を巻付けた後、巻付け型8の回転が自動的に停止するように、扱き部7の移動のタイミングおよび巻付け型8の回転数が予め設定されている。
【0021】
次に、樹脂リングの製造方法21について図1乃至図5に基づいて説明する。まず、巻芯2に巻かれているガラスヤーン3を浸漬層(図示しない)内の樹脂液4に浸漬し、ガラスヤーン3に樹脂液4を含浸させる(含浸工程S1)。ここで、樹脂液4は液状で熱硬化性のポリエステル樹脂である。また、ガラスヤーン3は、径が9μmのガラス繊維を200本束ねて撚った糸(一般に、「単糸」と呼ばれている。)を、さらに4本束ねて撚り合わせた糸(一般に、「合撚糸」と呼ばれている。)で、撚り数が152回/mのものを利用している。そして、ガラスヤーン3はガラス繊維を撚り合わせており、繊維と繊維の間に微細な空隙を有するため、樹脂液4に浸漬されることにより、かかる空隙に樹脂液4が浸透することになる。なお、含浸工程S1が本発明における浸漬工程に相当する。
【0022】
そして、所定時間浸漬を行うことにより樹脂液4を充分に含浸した樹脂糸5を、巻芯2に巻付けられた状態で、支持軸6に緩装する。その後、樹脂糸5を繰出し、扱き部7の細隙7aを通して、巻付け型8の巻付け型支持部14に最も近いスペーサ9に樹脂糸5の一端を固定し、巻付け型8を軸回転させる(図2の矢印A方向)。このとき、樹脂糸5は扱き部7の細隙7aを通過し、余剰な樹脂液4が扱き取られ(扱き工程S2)、その後、樹脂糸5が該スペーサ9に巻付けられる(巻付け工程S3)。ここで、巻芯2は支持軸6に緩装されているため、巻付け型8の回転に伴って巻芯2が回転し、樹脂糸5が次々に繰出される。
【0023】
そして、樹脂糸5は対向する二枚のフランジ10の間を往復しながら、フランジ10に挟まれたスペーサ9の周囲に均一に巻付けられていく。そして、スペーサ9の周囲に所定の外径になるまで樹脂糸5が巻付けられた後、扱き部7が変位軸15の軸方向(図2の矢印B方向)に移動する(変位工程S4)。このとき、樹脂糸5はフランジ10を跨ぎ、隣接したスペーサ9の周囲に巻付き始める。なお、樹脂糸5が確実にフランジ10を跨げるように、扱き部7は一旦スペーサ9に隣接するフランジ10の付近に移動した後、スペーサ9の中央付近に戻るのが好適である。
【0024】
上述の動作を繰返し、全てのスペーサ9に樹脂糸5が巻付けられると、巻付け型8の回転が停止する。その後、巻付け型8を巻付け型支持軸14から取外し、樹脂糸5が巻付けられた巻付け型8を加熱炉(図示しない)に入れ、100℃で1時間加熱して樹脂液4を熱硬化させた後、さらに120℃で20分加熱して熱硬化反応を促進し、寸法を安定させる(熱硬化工程S5)。これにより、樹脂液4が硬化する。その後、巻付け型8を乾燥炉から出し、ナット13の雌ネジ部13aとシャフト11の雄ねじ部11aの螺合を解除し、スペーサ9およびフランジ10をシャフト11から抜き取る(第一取外し工程S6)。このとき、スペーサ9の周囲に巻付けられた樹脂糸5によって環状体1aが形成され、フランジ10を跨いだ状態の樹脂糸5によって形成された連結体1bを介して複数の環状体1aが連結された連結環状体1cが形成される(図5参照)。
【0025】
そして、連結体1bを環状体1aとの際で切断し、連結環状体1cを個々の環状体1aに分断し(切断工程S7)、スペーサ9から環状体1aを取外す(第二取外し工程S8)。さらに、連結体1bを切断した際に環状体1aの周面に形成される突起状のケバをハサミ、およびヤスリ等を用いて取り、切断した箇所を滑らかに仕上げる(ケバ取り工程S9)。その後、再び加熱炉に入れ175℃で1時間加熱し、さらに200℃で30分加熱し、物性を安定させる(エージング工程S10)。これにより、寸法および物性が安定した樹脂リング1が形成される。
【0026】
以上のように、本実施形態の樹脂リングの製造方法21によれば、フランジ10に挟まれたスペーサ9の周囲に樹脂糸5を巻付けることにより、樹脂リング1を成形することができる。これにより、樹脂リング1が一個ずつ個別に成形されるため、従来のように筒状体から切出して形成する必要がなくなる。また、切断工具等を用いて切出す際に減損していた材料(ガラスヤーン3およびポリエステル樹脂)の体積量に比べ、減損する体積量を低減することができる。そのため、製造コストを低減することができる。さらに、切断加工等によって切断面に形成されるケバをヤスリ等を用いて削り、表面を滑らかに仕上げる仕上げ加工等に要する手間および時間を省略することができる。
【0027】
また、樹脂リングの製造方法21によって製造される樹脂リング1は、樹脂糸5がスペーサ9の周囲に巻付けられるため、内径の寸法は正確に形成される。一方、巻付け型8は外周が開放されているため、周面が粗く形成される。これにより、複数の整流子片を樹脂リング1を用いてリング状に保持した後、整流子片を樹脂モールドする際にアンカーとなる。
【0028】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良および設計の変更が可能である。
【0029】
すなわち、本実施形態において、整流子片に嵌合し、整流子を構成する樹脂リング1の製造方法を示したが、油圧制御部品に利用されるシールリングや、パッキンに使用されるバックアップリング等の種々の樹脂リングを製造する際も適用することが可能である。また、樹脂液4は、液状のポリエステル樹脂を使用したが、エポキシ樹脂、ビニル系樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が利用可能であり、樹脂リングの種類等に応じて適宜変更することが可能である。
【0030】
さらに、巻付け型8は、製造する樹脂リング1の種類に応じて、スペーサ9およびフランジ10の外径等を変更して構成することが可能である。例えば、予め用意された数種類の巻付け型8を、製造する樹脂リング1に応じて、巻付け型支持部14に付替えて使用することができる。このとき、巻付け型8の回転数、および扱き部7の移動のタイミングは、巻付け型8に対応して予め数パターン設定しておくことができる。これにより、種々の樹脂リング1を製造することができる。
【0031】
さらに、センサーを用いてスペーサ9に巻付けられた樹脂糸5の外径および巻付け型8への樹脂糸5の巻き終わりを検知し、扱き部7の移動、および回転している巻付け型8を停止するタイミングを制御するもの等であってもよい。
【0032】
また、ガラスヤーン3は、本実施形態に示したものに限定されず、扱き部7の細隙7aを通過し、切断されない程度の引張強度を有するものであればよい。さらに、熱硬化工程S5およびエージング工程S10における加熱温度および加熱時間は、使用する樹脂液4、加熱炉、および樹脂リング1の大きさ等に応じて変更可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の樹脂リングの製造方法を利用することにより、樹脂リングを形成する材料(ガラス繊維製の糸および樹脂成分)の減損量を低減することができる。さらに、筒状体から切出す際に使用する切断工具および切断工程が不要になる。したがって、樹脂リングの製造工程の簡略化、および製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の樹脂リングの製造方法の各工程の流れを示すフローチャートである。
【図2】樹脂リングの製造方法において使用される製造装置の概略構成を示す説明図である。
【図3】巻付け型の構成を示す分解斜視図である。
【図4】巻付け型の構成を示す断面図である。
【図5】スペーサ9に樹脂糸5が巻付けられた状態示す斜視図である。
【符号の説明】
1 樹脂リング
1a 環状体
1b 連結体
1c 連結環状体
3 ガラスヤーン(ガラス繊維製の糸)
4 樹脂液
5 樹脂糸
8 巻付け型
9 スペーサ
9a 中空部
10 フランジ
10a 第二中空部
11 シャフト
21 樹脂リングの製造方法
S1 含浸工程(浸漬工程)
S2 扱き工程
S3 巻付け工程
S4 変位工程
S5 熱硬化工程
S7 切断工程
S9 ケバ取り工程

Claims (3)

  1. ガラス繊維製の糸を熱硬化性の樹脂液に浸漬する浸漬工程と、
    前記樹脂液に浸漬した樹脂糸の表面に付着する余剰な前記樹脂液を扱き取る扱き工程と、
    中空部を有する複数のスペーサ、前記スペーサの外径より拡径した外径を有し、前記中空部と略同径の第二中空部を備える複数のフランジ、前記スペーサの前記中空部および前記フランジの前記第二中空部に嵌挿可能なシャフト径を有するシャフトを具備し、前記フランジおよび前記スペーサを前記シャフトに交互に通して形成された巻付け型の互いに対向する前記フランジによって挟まれた前記スペーサの周囲に、前記扱き工程により余剰な前記樹脂液が除去された前記樹脂糸を巻付ける巻付け工程と、
    前記巻付け工程により前記スペーサの周囲に巻付けられる前記樹脂糸を隣接する前記スペーサに誘導し、前記樹脂糸の巻付け位置を変位させる変位工程と、
    前記樹脂糸が前記スペーサの周囲に巻付けられた前記巻付け型を所定の条件で加熱し、前記樹脂液を熱硬化させる熱硬化工程と、
    前記巻付け型のそれぞれの前記スペーサの周囲に巻付けられた前記樹脂糸が熱硬化した環状体、および隣接する前記環状体同士を連結する連結体を有して構成される連結環状体の前記連結体を切断する切断工程と
    を具備することを特徴とする樹脂リングの製造方法。
  2. 前記糸は、
    合撚糸が利用されることを特徴とする請求項1に記載の樹脂リングの製造方法。
  3. 前記切断工程の際に前記環状体の周面に生ずるケバを除去するケバ取り工程をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂リングの製造方法。
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