JP2004330327A - レンズの切削・研磨加工に用いるレンズ固定用部材及びそれを用いるレンズの切削・研磨加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ面を研磨させる又はレンズを所定形状に切削加工するにレンズをレンズ押さえ治具に支持固定させる粘着剤層を有する安価で、シンプル形状で、装・脱着性に優れるシート状のレンズ固定部材及びこの固定部材を用いてレンズ面を効率よく研磨加工又はレンズ形状を効率よく切削加工させるレンズの研磨・切削加工方法を提供することである。
【解決手段】レンズをレンズ押させ治具6に支持固定させレンズ面を研磨させる又はレンズ形状を切削加工させるに用いる粘着剤層を有するシート状レンズ固定部材1は、所定形状の可撓性の両面粘着クッションシート4と、可撓性の片面粘着シート2とを有し、両面粘着クッションシート4の片側粘着面5に、片面粘着シート2の被粘着面2aが押接接着され、片面粘着シート2の接着面3は、両面粘着クッションシート4の接着面より、大き目の接着占有面を有する複合粘着シート状の可撓性シート部材である。
【選択図】 図1
【解決手段】レンズをレンズ押させ治具6に支持固定させレンズ面を研磨させる又はレンズ形状を切削加工させるに用いる粘着剤層を有するシート状レンズ固定部材1は、所定形状の可撓性の両面粘着クッションシート4と、可撓性の片面粘着シート2とを有し、両面粘着クッションシート4の片側粘着面5に、片面粘着シート2の被粘着面2aが押接接着され、片面粘着シート2の接着面3は、両面粘着クッションシート4の接着面より、大き目の接着占有面を有する複合粘着シート状の可撓性シート部材である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズの切削又は研磨加工に用いるレンズ固定用部材に関し、より詳細には、切削治具でレンズを所定形状に切削加工させる又は研磨治具でレンズを研磨させるに、レンズを支持固定させる安価で、形状がシンプルで、しかも、装・脱着等の取り扱い性(ハンドリング性)に優れる粘着剤層を有するシート状のレンズ固定用部材に関する。
また、本発明は、このようなレンズ固定部材を用いてレンズを所定の形状に効率よく切削加工できるレンズの切削加工方法及びこのような固定部材を用いてレンズを効率よく研磨加工できるレンズの研磨加工方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、メガネや、その他の光学機器等にはガラス製、プラスチック製を含め各種の形状のレンズが用いられている。また、近年においては、各種の利点を活かしてガラスレンズに代わって、メガネ、カメラ、その他の光学機器を含めてプラスチック製レンズが多く用いられている。また、このように用いられるレンズは、特にサングラスを含めメガネ用レンズには撥水処理や、防汚処理や、染色や、UV反射防止等のようにレンズ面には、多種多様の仕上げ処理が施されている。従って、このような最近のレンズのトップ面は、未加工レンズ面を含め従来のレンズ面に比べて、著しくスベスベした素材になっている。また、このようなレンズ面を鏡面加工させるに際して、また、そのレンズの形状を2次加工させて各種の製品レンズにするに際しては、従来からレンズを1次的に支持固定させながらレンズを研磨加工(研磨処理)又は切削加工する。
【0003】
例えば、眼鏡レンズ等の光学部品の研磨処理では、ワックスや、低融点合金(アロイ)を保持具上のレンズとの空間内に流し込み、このワックスやアロイを介して保持具上にレンズをキャスティング固定させて切削加工又は研磨加工されている。また、このような接着固定材のアロイを直接レンズ面にキャスティング固定するに[特許文献]には、レンズ面との密着性が高く研削・研磨工程中には接着保持させ、且つ処理後の剥離が容易なシート状レンズ固定用保護材をレンズ面に装着させ、保護材とレンズ固定部材と間にアロイを流し込みキャスティング固定させる方法が提案されている。
【0004】
また、レンズ面を保護する観点から[特許文献2]には、レンズの裏面を研磨するに際して、その表研磨面に接着させてその研磨面を保護させる片面粘着樹脂フィルムが用いられ、このポリオレフィン係フィルム面上に融点45〜60℃程度の低融点金属がキャスティングされてレンズ回転軸にレンズを固定させ、このキャスティング低融点金属層に密着し、研磨処理後には水浸漬させて剥離させる片面粘着樹脂フィルムが記載されている。
【0005】
また、[特許文献3]には、このようなアロイ接着によるキャスティング固定方法に代えて、レンズとレンズ支持体との空間を両面接着層のシートタイプの接着材で接着固定する方法が提案されている。このようにレンズの切削又は研磨加工にはレンズを支持固定する部材として樹脂、粘着剤、粘着テープ等の素材が種々検討されている。
【0006】
更には、[特許文献4]又は[特許文献5]には、眼用レンズを切削加工するに際して、レンズ材料を切削加工装置に設ける支持体に、ポリエチレングリコールとポリN−ビニルピロリドンとの混合物からなる仮接着剤で接着支持させるメガネ用レンズ仮接着剤が提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開平10−296603
【特許文献2】特開平04−146983
【特許文献3】特開2002−187056
【特許文献4】特開平07−90241
【特許文献5】特開2002−88336
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況にあって、成型加工、研磨加工されたガラス製、プラスチック製のレンズが、各種の形状に加工され、特に近年は、プラスチックレンズの市場への展開は、極めて多彩でメガネ用レンズを主流に、その他の光学機器用レンズとして、例えばカメラのファインダー、撮影用レンズ、プロジェクションテレビ用レンズ、大型スクリーン用フレネルレンズ、太陽光集光用レンズ、オーバーヘッドプロジェクター用フレネルレンズ、CD用光メモリー用対物レンズ等のように多岐にわたって使用されている。このようなプラスチックレンズの展開は、無機ガラスに比べてプラスチックレンズが軽量で、レンズ枠との一体成形が可能で、量産性に富み、低価格で、しかも、無機ガラスでは特殊加工を要する非球面レンズにおいても、両面非球面プラスチックレンズとして効率的に加工することができる等の種々の利点を有している。
【0009】
既に上述した[特許文献1]〜[特許文献5]に記載するレンズの切削・研磨加工法からも明らかなように、例えば、レンズを切削・研磨加工させるに用いる低融点金属によるキャスティング固定法や、その他の仮接着素材による従来のレンズ固定法では、著しく固定方法が煩雑で量産性に乏しくコスト高の傾向にある。また、レンズ面の切削・研磨工程は勿論のこと、そのレンズの側面又は裏面を切削・研磨させて各種の形状に2次加工させる工程を通して、仕上げレンズ面(レンズの下地研磨面に撥水処理や、防汚処理や、染色や、UV反射防止等が施されている)に対する保護対策も、未だ充分に満足されに至っていないのが実状である。
【0010】
既に上述するように、従来からガラス又はプラスチックレンズは、レンズの下地加工として、研磨治具を介してレンズ面が研磨される。また、その下地研磨面には、撥水処理、防汚処理、染色、UV反射防止等のような仕上げ加工がされている。また、このように加工されたレンズは、更に切削加工されて各種の形状に2次加工されて製品レンズとなる。そこで、レンズをこのように下地加工又は2次加工するに際しては、従来からレンズを支持固定させて回転する切削治具、研磨治具を介して加工されている。
【0011】
従って、本発明の目的は、このような下地加工、2次加工において、従来法に比べて著しく簡便で、量産化を可能にさせ、安価で、しかも、加工工程における装・脱着等の取り扱い性(ハンドリング性)に優れる粘着剤層を有するシート状の可撓性レンズ固定用部材を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、このような装着が容易で、加工処理後の剥離脱着も容易である取扱い性に優れる粘着剤層を有するシート状のレンズ固定用部材を用いることで、下地加工としてレンズ面等を効率よく研磨できるレンズの研磨方法及び効率よくレンズを2次加工できるレンズの切削加工方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、上述する課題を達成させるために、鋭意検討した結果、従来の低融点金属等を用いてキャスティング固定させる方法に代えて、レンズ押さえ治具とレンズと間に、粘着剤層を有するシート状のクッション材に、フィルム状の粘着シートを合わせ貼着させてなる貼り合せ複合シートを装着させてレンズを固定させたところ、レンズ面の中心軸をブレさせることなく、また、レンズを剥離脱落させることなく効率よく研磨させたり、効率よく2次加工(切削加工)させることができ本発明を完成させるに至った。
【0014】
本発明によれば、レンズを支持固定させてレンズ面を鏡面研磨させる又はレンズ形状を切削加工させるに用いる粘着剤層を有し、可撓性の貼り合せ複合シートであることを特徴とする可撓性シート状のレンズ固定用部材を提供する。
すなわち、本発明によるレンズ固定用部材は、所定形状の可撓性である両面粘着クッションシートと、フィルム状の可撓性である片面粘着シートとを有している。
これらの両シートは、両面粘着クッションシートの片側粘着面に、片面粘着シートの非粘着面が貼り合せられ、粘着剤層を有する複合シート状を形成される。
しかも、研磨・切削対象レンズ側に押接接着させる片面粘着シートの接着面は、レンズ押さえ治具側に押接する両面粘着クッションシートの接着面より、少なくとも大き目の接着占有面を有していることを特徴とする粘着剤層を有する複合シート状の可撓性レンズ固定用部材である。
【0015】
また、本発明によれば、レンズ押さえ治具に、このような所定形状の両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを有する粘着剤層を有する可撓性シート状のレンズ固定用部材を装着させて、研磨加工対象レンズを押接固定させてレンズ面を鏡面研磨させることを特徴とするレンズの研磨加工方法を提供する。
すなわち、本発明による可撓性レンズ固定用部材は、両面粘着クッションシートに片面粘着シートとを、互いに中心線方向に合わせて接着する貼り合せ複合シートである。
次いで、レンズ押さえ治具のレンズ応接面に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート側の粘着面を、互いに中心線方向に合わせて押接接着させる。
次いで、研磨加工させる対象レンズの被研磨面に、この貼り合せ複合シートの片面粘着シート側の粘着面を、互いに中心線方向に押接接着させて、このレンズをレンズ押さえ治具に支持固定させる。
次いで、固定させたレンズの研磨対象面を、回転する研磨治具の研磨材に押接させながら所定のレンズ面を研磨加工させる。
【0016】
更にまた、本発明によれば、レンズ押さえ治具に、このような所定形状の両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを有する粘着剤層を有する可撓性シートタイプのレンズ固定用部材を装着させて、切削加工対象レンズを押接固定させてレンズの形状を切削加工させることを特徴とするレンズの切削加工方法を提供する。
すなわち、本発明による可撓性レンズ固定用部材は、両面粘着クッションシートに片面粘着シートとを、互いに中心線方向に合わせ貼着されている貼り合せ複合シートである。
次いで、レンズの両側から対向押接させるレンズ押さえ治具の対向面に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート側の粘着面を、互いに中心線方向に合わせて押接接着させる。
次いで、レンズ両面を狭持するように対向するレンズ押さえ治具を、互いに中心線方向に押圧させながら、この貼り合せ複合シートの片面粘着シート側の粘着面を、レンズのトップ面に押接接着させて、切削加工させる対象レンズを支持固定させる。
次いで、回転する切削治具に、この対象レンズの切削対象面を押接させながらレンズを所定の形状に切削加工させる。
【0017】
(作用)
以上から、本発明による複合粘着シートからなる可撓性シート状レンズ固定用部材は、後述する図1に図示するようにシート状のクッション材4aとフィルム状の基材シート2aとが粘着剤層を介して貼り合わせられ、その両側には粘着剤層3及び5が設けられている粘着剤層を有する可撓性のシートタイプのレンズ固定用部材1である。従って、レンズを研磨・切削加工させるに際しては、レンズ押さえ治具と加工対象のレンズと間に、このシートタイプ部材1を装着させることで粘着剤層3及び粘着剤層5は、それぞれ加工対象レンズ面及びレンズ押さえ治具面に押接させることで、この加工対象レンズを簡便に、効果的にレンズ押さえ治具に支持固定される。従って、本発明による粘着剤層を有するレンズ固定用部材によるレンズ固定法は、可撓性の貼り合せ複合シートで、その粘着剤層を介してレンズと押さえ治具とを押接固定させることから、従来法のキャスティング固定法に比較してレンズ固定を著しく容易にさせている。また、加工処理後のレンズ脱着、使用済みのレンズ固定用部材の剥離も著しく容易にさせている。
【0018】
また、本発明による複合粘着シートからなる可撓性シート状レンズ固定用部材によるレンズの固定は、以下の(1)、(2)に記載する装着仕様を満たすことで、研磨・切削加工において、レンズずれ、レンズ剥離等の支障を起こすことなくレンズを効果的に支持固定させる。
(1)後述する図2及び4に図示するように研磨・切削加工において、[レンズ押さえ治具−本発明によるシートタイプのレンズ固定用部材−加工対象レンズ]を通して、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着されている。
(2)また、後述する図1に図示するように、レンズ固定用部材が外部衝撃及び捻れ応力を、緩和吸収させるシート状の両面粘着クッションシート1と、耐ズレ応力性、耐捻れ応力性を発揮させるフィルム状の片面粘着シート2とを有し、しかも、対象レンズ側に押接する片面粘着シート2の接着占有面が、レンズ押さえ治具側に押接する両面粘着クッションシート1の接着占有面より、少なくとも大きめの関係にある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による可撓性シート状レンズ固定用部材及びそのレンズ固定用部材を用いてレンズを切削・研磨加工させる方法について、図1〜図4を参照しながらその実施の形態を説明する。
【0020】
既に上述した如く、本発明による複合粘着シートからなる可撓性シート状レンズ固定用部材(以後、単にレンズ固定用部材と記すこともある)は、図1に図示するように、両面粘着クッションシート4と、片面粘着シート2とを有している。この両面粘着クッションシート4は、円形、楕円形又は4〜8角の正多角形から選ばれる何れかの所定形状を有し、そのクッション材シート(発泡材シート)4aの両面に、粘着剤層5を設ける可撓性のクッション状シートである。また、一方の片面粘着シート2は、フィルム材の基材シート2aの片面に粘着剤層3を設ける可撓性のフィルム状シートである。そこで、本発明における可撓性シート状レンズ固定用部材1とは、この両面粘着クッションシート4の粘着面5に、片面粘着シート2の被粘着面を、互いに中心線方向に合わせ貼着させてなる粘着剤層3、5を有する貼り合せ複合シート状(又はシートタイプ)であることを特徴とするレンズを支持固定させる部材である。
【0021】
また、本発明において、この貼り合わせ複合粘着シートとしての可撓性シート状レンズ固定用部材の特徴は、図1に図示するように、片面粘着シート2の接着面は、両面粘着クッションシート4の接着面より、少なくとも大き目の接着占有面を有している。すなわち、本発明において、片面粘着シート2の接着占有面は、両面粘着クッションシート4の接着占有面に対して1.1〜2.5倍の範囲にあって、好ましくは、1.5〜2.5倍の範囲にあることが適宜好適に使用することができる。この片面粘着シート2の接着占有面に係わって、加工対象レンズのレンズ面の大きさにもよるが、下限値の1.1倍以下では、レンズに及ぼすズレ応力に係わってレンズ剥離や、固定レンズのセンターズレ等を発生させる傾向から好ましくない。一方、上限値の2.5倍を超えても単に押接占有面を大きくさせて、装・脱着の取り扱い性を低下させる傾向から好ましくない。
【0022】
また、本発明においては、両面粘着クッションシート4のクションシート4a層に係わって、その目的はレンズの研磨・切削加工時に加工対象レンズから及ぼされる捻れ応力や、衝撃応力等に対して緩和減衰(吸収)させる作用である。本発明においては、このクッションシートのクション性にもよるが、好適な両面粘着クッションシート4の厚さとして0.5〜10mmの範囲で、好ましくは1〜7mmで、更に好ましくは2〜5mmにあれば適宜好適に使用される。特に、上限値を超えるシート厚さでは、そのクッション性にもよるが、このクッションシートに捻れ応力が溜まり、逆捻れを片面粘着シート2に及ぼして、接着固定レンズのセンターズレを及ぼす傾向から好ましくない。
【0023】
また、本発明において、研磨・切削対象レンズ面に押接接着させる片面粘着シート2に設ける粘着剤層3には、好ましくは、この対象レンズのトップ面に対するズレ剪断力で表して、0.15〜2.0N/mm2の範囲にある粘着剤を設ければ適宜好適にレンズズレを生じさせることなくレンズ固定を可能にさせる。なお、ズレ剪断力で表して上限値を超えると、接着力が高くなり処理後のレンズ脱着を単に困難にさせるだけで好ましくない。また、このようなズレ剪断力を発揮させるに好適な片面粘着シート2の基材シートに施す粘着剤層の厚さは、通常の10〜50μmの範囲にある粘着シートであれば特に問題なく使用することができる。そこで、本発明において、この粘着剤層3に用いられる粘着剤としては、上述するズレ剪断力で表される粘着特性を発揮させるものであれば特に限定することなく使用することができる。その粘着剤としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、シリコーン系、ゴム系等を挙げることができる。また、この基材シートの素材としては、特に限定することなく樹脂フィルム材が使用され、例えば、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアラミド、ポリカーボネート、ポリメチレンメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミド、ポリビニールアセタール、ポリメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0024】
また、本発明による複合粘着シートとしてレンズ固定部材を形成させる両面粘着クッションシートの素材としては、好ましくは、独立気泡のポリウレタンフォーム、ポリ塩化ビニールフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォームや、又はシリコーンゴム等のフォームラバー等の発泡体シートや、また、ポリエステル系樹脂繊維の集束体シート等を適宜使用することができる。また、その発泡性配合樹脂原液の観点から、軟質、半硬質、硬質等の発泡材かたさの如何によらず、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリウレタン系フォーム、イソシアネート系フォーム、ポリアミド系フォーム等が挙げられ、特にポリウレタン系フォームが好適に使用される。また、ゴム素材として、シート状のスチレン−ブタジェンゴム,ブタジェンゴム,イソプレンゴム,アクリロニトリル−ブタジェンゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴム,エチレン−プロピレンゴム,アクリルゴム,クロロスルホン化ポリエチレンゴム,フッ素ゴム,シリコーンゴム,ウレタンゴム,天然ゴム等を挙げることができる。
【0025】
そこで、以上のような特徴を発揮させる本発明による複合粘着シートである可撓性シート状レンズ固定用部材(又はレンズ固定用部材)を用いて、研磨加工及び切削加工させる対象レンズを固定させて、研磨治具及び切削治具で対象レンズを研磨・切削加工させる方法である実施の形態(又は実施例)について図1〜図4を参照しながら以下に説明する。
【0026】
そこで、本発明においては、図2に図示する如く、例えばレンズ面を下地加工させて所定の研磨面(レンズのトップ面)に研磨加工させる場合には、図2に図示されているように、本発明によるレンズ固定用部材1がレンズ押さえ治具7と研磨対象レンズのレンズ裏面11と間に装着されて、既に上述したレンズ固定用部材1の粘着剤層5、3が押接接着されてレンズがレンズ押させ治具7に支持固定される。また、本発明においては、図4に図示する如く、例えばレンズの側面を2次加工として切削加工させて所定形状のレンズに切削加工させる場合には、図2又は図4に図示されているように、本発明によるレンズ固定用部材1がレンズ押さえ治具6及び7の応接面6A、7Aと切削対象レンズのレンズのトップ面12及びレンズの裏面11と間に装着されて、図3に図示する如くレンズの両側からレンズを狭持させるように押圧(P)させることで、レンズ固定用部材1それぞれの粘着剤層5、3が押接接着されてレンズ10がレンズ押させ治具6,7で支持固定される。
【0027】
そこで、本発明による可撓性シート状レンズ固定用部材を装着させてレンズ押さえ治具を介して支持固定(又は押接固定)させたレンズの研磨加工方法の実施例として、図2を参照させながら、例えばレンズトップ面を鏡面研磨させる研磨方法の実施例を以下に記載する。
【0028】
図1及び図2に図示する本発明によるレンズ固定用部材1は、レンズ固定部材として装着させるに際しては、両面粘着クッションシート4に片面粘着シート2を、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着されて、貼り合せ複合シートとして、しかも粘着層5及び3を設ける両面粘着複合シートとして装着される。
このように両面に粘着剤層3、5を有する貼り合せ複合シートは、レンズ押さえ治具7のレンズ押さえ面側の応接面7A(図3参照)に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート4側の粘着面5を、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着させる。次いで、研磨対象レンズ10の被研磨面11(又はレンズ裏面11)に、前貼り合せ複合シートの片面粘着シート2側の粘着面3を、互いに中心線方向[C1−C2]に押接接着させて研磨対象レンズ10をレンズ押さえ治具7に支持固定させる。次いで、この研磨対象レンズ10の未研磨面を下地加工として研磨させるために、レンズトップ面12を回転する研磨治具31の研磨材30に押接させながら研磨させてレンズトップ面を鏡面研磨させる。また、本発明においては、このように研磨加工させた後、図2の図示から明らかなように、本発明による可撓性の複合粘着シートを介してのレンズの支持固定法から、レンズの剥離又は使用済みのレンズ固定部材1のレンズ押させ治具からの脱着が著しく容易であることも理解される。
【0029】
また、本発明においては、図2から明らかなように、必要に応じて上述するレンズトップ面の鏡面研磨方法に換えて、レンズ固定部材1のレンズ押接固定面をレンズトップ面12に置き換えることで、同様にしてレンズ裏面11を研磨対象面として研磨することができる。
【0030】
また、本発明においては、このような可撓性シート状レンズ固定用部材を装着させてレンズ押さえ治具を介して支持固定(又は押接固定)させたレンズの切削加工方法の実施例として、図3及び4を参照させながら、例えばメガネレンズをメガネ枠に嵌め込む形状に2次加工させるため、切削対象レンズの側面を切削加工させて所定の形状に加工させる切削加工方法の実施例を以下に説明する。
【0031】
図3及び図4に図示する本発明によるレンズ固定用部材1は、既に上述したと同様に、レンズ固定部材1として装着させるに際しては、両面粘着クッションシート4に片面粘着シート2を、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着されて、貼り合せ複合シートとして、しかも粘着層5及び3を設ける両面粘着複合シートとして装着される。このように両面に粘着剤層3、5を有する貼り合せ複合シートは、図3に図示するように、切削対象レンズ10を両側から狭持するように対向させたレンズ押さえ治具6及び7のレンズ押さえ面側の応接面6A及び7A(図3参照)に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート4側の粘着面5のそれぞれを、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着させる。次いで、図3に図示されるようにしてこのレンズ押さえ治具6及び7を両側から押圧Pさせながら切削対象レンズ10のトップ面12及びレンズ裏面11に、貼り合せ複合シートの片面粘着シート2側の粘着面3のそれぞれが、互いに中心線方向[C1−C2]に押接接着させて切削対象レンズ10をレンズ押さえ治具6及び7で支持固定させる。次いで、レンズ押さえ治具6、7で固定された切削対象レンズ10の所定の切削面であるレンズ側面13を、回転する切削治具20の切削面21に、押接させながら切削させてレンズ形状を切削加工させる。また、図3又4に図示されるように、このように狭持する支持固定においても、同様の理由から、レンズの剥離又は使用済みのレンズ固定部材1のレンズ押させ治具からの脱着が著しく容易であることが理解される。
【0032】
以上のように本発明による粘着剤層を有する可撓性の複合シートタイプのレンズ固定用部材を用いて、レンズを支持固定させて研磨・切削加工させることができる眼がねレンズ等を含めて多くの光学機器に用いられているレンズトップ面には、鏡面研磨面である下地加工面の順に、通常、衝撃吸収コート、ハードコート、反射防止コート及び撥水コート(又は防汚コート)等の仕上げ加工が施されている。そのコート法にもよるが、特に撥水コート又は防汚コートされているレンズトップ面は、著しくスベスベ面になる傾向にある。従って、接着固定材でレンズを押接固定させるに際しては、その接着固定性を低下させる。
【0033】
本発明によるシート状レンズ固定用部材で支持固定させる対象となるレンズはガラス製を含めてプラスチックス製が挙げられ、例えばプラスチックレンズ素材として、素材としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)、ポリスチレン(PS)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリ(4−メチルペンテン−1)(TPX)等が挙げられる。
【0034】
また、サングラスレンズ用等のファッション分野に強いポリメタクリル酸メチル(PMMA)、視力矯正用としてジエチレングリコールビスアリルカーボネート、スチレンと臭素含有メタクリレートとの共重合物、イソシアナート基有モノマーとヒドロキシル基もしくはチオール基含有モノマーとの共重合物が用いられ、各種の押出し成形、プレス成形、射出成形、射出圧縮成形等で成形され、特に高性能プラスチックレンズの製造には、主に射出圧縮成形(又は注型成形)法が用いられ、その成型後、通常、既に上述するように反射防止、表面硬化、防曇、防汚、撥水、染色、UV吸収等の表面処理が施される。また、その表面硬度を上げるため有機シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の有機ハードコート材、二酸化ケイ素等の無機系ハードコート材をディップコート法、スプレーコート法又はスピンコート法等で塗布させる。また、必要に応じてこのハードコート面に、カラー化膜及び/又は反射防止膜を施す。また、反射防止膜としてSiO2,ZrO2,TiO2,Al2O3,Ta2O5,CeO2,MgO,Y2O3,SnO2,WO3等の無機物を単層又は複層の膜厚10〜200nmに真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法で被膜形成させる。また、防汚処理としては、真空蒸着法で常温硬化性のポリシラザン、ポリシロキサザンの0.1〜30nmの非晶性単分子膜が施される。また、特にガラスレンズ面等の無機表面に対する撥水性、防汚性表面を施す触媒硬化型のCF3CH2CH2Si(OCH3)3、C8F17CH2CH2Si(OCH3)3、(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3等のパーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物が知られている。また、ガラス、プラスチック表面に撥水撥油防汚性被膜としてのフッ化炭素系界面活性剤として、例えば、CF3(CF2)7(CH2)SiCl3、CF3CH2O(CH2)15SiCl3、CF3(CH2)2Si(CH2)15SiCl3等の単分子膜の塗布被膜が利用されている。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例にいささかも限定されるものではない。
【0036】
(実施例及び比較例)
本発明による可撓性シート状レンズ固定用部材は、両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを貼り合わせた複合粘着シート状でレンズをレンズ押さえ治具に支持固定させる。このように貼り合せ複合粘着シート状でレンズ固定部材として使用される本発明の可撓性シート状レンズ固定用部材は、レンズを支持固定させる時に、この複合粘着シートの片面粘着シート側の粘着面がレンズ面に押接接着させる。
【0037】
そこで、本発明では、防汚処理されてガラス面がスベスベしているオプツールガラスを作製して、厚さ38μmのPETフィルム(基材シート)にドクターブレードを用いて厚さ30μmになるように各種の粘着剤層を設けた片面粘着シートを作成し、このガラスに貼り合わせて、JIS Z 0237の粘着テープの試験法に準拠させてこの片面粘着シートのガラストップ面に対する粘着力をそれぞれ測定し、また、この片面粘着シート(20mm×20mm)と市販の両面粘着クッションシート(18mm×18mm)を貼着して複合シートとしJIS Z 0237の粘着テープの試験法に準拠させてこの複合シートのガラストップ面に対する保持力をそれぞれ測定し、さらに、JIS K 6850(試験機の荷重速度300mm/min、常温圧着20分後測定)に準拠させて片面粘着シートのガラストップ面に対するズレ剪断力をそれぞれ測定し、評価した。
このオプツールガラスとは、ガラス面にダイキン工業(株)製の商品名オプツールDSXのフッ素系表面防汚コーチィング剤で表面処理させたガラスを示す。このオプツールDSXで表面処理をすると防汚性(撥水・撥油性)に優れ、その処理面は著しく滑り性を呈する。デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、カーナビゲーション等のディスプレ面、ネガネレンズ、カメラレンズ等の光学機器用レンズ、CRT表面等の防汚処理に多く使用されている。
【0038】
そこで、本実施例用及び比較例用の粘着剤層として調製・評価した粘着剤組成物は、(1)SKダイン1604N(綜研化学(株)製:ブチルアクリレートBA/アクリル酸AA系共重合体、GPCによる重量平均分子量Mw60万)/L−45(綜研化学(株)製:イソシアネート系硬化剤)=15kg/225gの粘着剤組成物、(2)SKダイン2003(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw160万)/L−45/E−5XM(綜研化学(株)製:エポキシ系硬化剤)/A−50(綜研化学(株)製:シランカップリング剤)=15kg/31.2g/7.65g/3.85gの粘着剤組成物、(3)SKダイン2006H(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw140万)/L−45/E−5XM/A−50=15kg/1.56g/0.42g/0.21gの粘着剤組成物、(4)SKダイン1502B(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw90万)/L−45=15kg/281gの粘着剤組成物、(5)SKダイン1501B(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw100万)/L−45=15kg/375gの粘着剤組成物、(6)SKダイン1386(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw50万)/L−45=15kg/225gである。また、両面粘着クッションシートは、WF−105(コニシ(株)製:フォーム芯材両面テープ)である。
【0039】
以上から、評価した測定結果を以下の[表1]に示した。[表1]の結果から明らかなように、本発明のレンズ固定用部材の貼り合せ複合シートの片面粘着シートとして使用されるシートは、実施例1〜3であって、その中でも適度の粘着力及びタックを呈し、防汚処理ガラストップ面(オプツールガラス面)になじみ性を発揮する実施例1がより好適に使用することができる。
【0040】
なお、[表1]中の◎及び○印の評価は、図2に図示するレンズ研磨加工方法及び図4に図示するレンズ切削加工方法に準拠させて、レンズメーカーで実施した時に、支持固定させたレンズが何らレンズズレ(貼り合わせセンターズレ)や、レンズ剥離を起こさなかった事実に符合する評価値である。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上から、レンズの下地加工、2次加工におけるレンズの支持固定に、従来の低融点金属等によるキャスティング固定法に代えて、本発明による可撓性シート状レンズ固定部材による固定法は、レンズ押さえ治具とレンズと間に、粘着剤層を有するシート状のクッション材と、フィルム状の粘着シートとを貼り合せてなる複合粘着シートを装着させて、この粘着剤層を介して研磨又は切削させるレンズを支持固定させることを特徴とするシート状のレンズ固定部材である。
【0043】
このような複合粘着シートで押接接着固定させることで、研磨・切削処理中にレンズ面の中心軸をブレさせることなく、また、レンズを脱落させることなく効率よく研磨させたり、効率よく2次加工(切削加工)させることができ可撓性で複合シート状のレンズ固定用部材を提供することができる。
【0044】
また、このような押接接着させる粘着剤層を有するシート状であることから、レンズの下地加工、2次加工において、従来法のキャスティング法に比べて著しく簡便で、安価で、製品レンズの量産化を可能にさせ、しかも、加工工程における装・脱着等の取り扱い性(ハンドリング性)に優れるシート状の可撓性レンズ固定用部材を提供することができる。
【0045】
また、このような装着が容易で、加工処理後の剥離脱着も容易である取扱い性に優れるシート状のレンズ固定用部材を用いることで、従来法に比べてレンズを効率よく下地加工でき又レンズを効率よく切削加工できるレンズの研磨方法及び効率よくレンズを2次加工できるレンズの研磨及び切削加工方法を提供することができる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレンズ固定用部材である可撓性シート状レンズ固定部材の概念断面図を示す。
【図2】本発明による可撓性レンズ固定用部材を用いて、レンズ面を研磨加工する実施例を表す概念図を示す。
【図3】図1に示す本発明による可撓性シート状レンズ固定部材を用いて、切削加工用レンズを支持固定する工程を表す概念断面図を示す。
【図4】本発明による可撓性レンズ固定部材を用いて支持固定されるレンズを切削加工する実施例を表す概念図を示す。
【符号の説明】
1 可撓性シート状レンズ固定部材
2 片面粘着シート
2a 基材シート
3,5 粘着剤層
4 両面粘着クッションシート
4a クッションシート
6,7 レンズ押さえ治具
6A ,7A レンズ押さえ治具の応接面
10 レンズ
11 レンズの裏面
12 レンズのトップ面
13 レンズの切削加工面
20 切削治具
21 切削治具の切削材面
30 研磨材
31 研磨治具
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズの切削又は研磨加工に用いるレンズ固定用部材に関し、より詳細には、切削治具でレンズを所定形状に切削加工させる又は研磨治具でレンズを研磨させるに、レンズを支持固定させる安価で、形状がシンプルで、しかも、装・脱着等の取り扱い性(ハンドリング性)に優れる粘着剤層を有するシート状のレンズ固定用部材に関する。
また、本発明は、このようなレンズ固定部材を用いてレンズを所定の形状に効率よく切削加工できるレンズの切削加工方法及びこのような固定部材を用いてレンズを効率よく研磨加工できるレンズの研磨加工方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、メガネや、その他の光学機器等にはガラス製、プラスチック製を含め各種の形状のレンズが用いられている。また、近年においては、各種の利点を活かしてガラスレンズに代わって、メガネ、カメラ、その他の光学機器を含めてプラスチック製レンズが多く用いられている。また、このように用いられるレンズは、特にサングラスを含めメガネ用レンズには撥水処理や、防汚処理や、染色や、UV反射防止等のようにレンズ面には、多種多様の仕上げ処理が施されている。従って、このような最近のレンズのトップ面は、未加工レンズ面を含め従来のレンズ面に比べて、著しくスベスベした素材になっている。また、このようなレンズ面を鏡面加工させるに際して、また、そのレンズの形状を2次加工させて各種の製品レンズにするに際しては、従来からレンズを1次的に支持固定させながらレンズを研磨加工(研磨処理)又は切削加工する。
【0003】
例えば、眼鏡レンズ等の光学部品の研磨処理では、ワックスや、低融点合金(アロイ)を保持具上のレンズとの空間内に流し込み、このワックスやアロイを介して保持具上にレンズをキャスティング固定させて切削加工又は研磨加工されている。また、このような接着固定材のアロイを直接レンズ面にキャスティング固定するに[特許文献]には、レンズ面との密着性が高く研削・研磨工程中には接着保持させ、且つ処理後の剥離が容易なシート状レンズ固定用保護材をレンズ面に装着させ、保護材とレンズ固定部材と間にアロイを流し込みキャスティング固定させる方法が提案されている。
【0004】
また、レンズ面を保護する観点から[特許文献2]には、レンズの裏面を研磨するに際して、その表研磨面に接着させてその研磨面を保護させる片面粘着樹脂フィルムが用いられ、このポリオレフィン係フィルム面上に融点45〜60℃程度の低融点金属がキャスティングされてレンズ回転軸にレンズを固定させ、このキャスティング低融点金属層に密着し、研磨処理後には水浸漬させて剥離させる片面粘着樹脂フィルムが記載されている。
【0005】
また、[特許文献3]には、このようなアロイ接着によるキャスティング固定方法に代えて、レンズとレンズ支持体との空間を両面接着層のシートタイプの接着材で接着固定する方法が提案されている。このようにレンズの切削又は研磨加工にはレンズを支持固定する部材として樹脂、粘着剤、粘着テープ等の素材が種々検討されている。
【0006】
更には、[特許文献4]又は[特許文献5]には、眼用レンズを切削加工するに際して、レンズ材料を切削加工装置に設ける支持体に、ポリエチレングリコールとポリN−ビニルピロリドンとの混合物からなる仮接着剤で接着支持させるメガネ用レンズ仮接着剤が提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開平10−296603
【特許文献2】特開平04−146983
【特許文献3】特開2002−187056
【特許文献4】特開平07−90241
【特許文献5】特開2002−88336
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような状況にあって、成型加工、研磨加工されたガラス製、プラスチック製のレンズが、各種の形状に加工され、特に近年は、プラスチックレンズの市場への展開は、極めて多彩でメガネ用レンズを主流に、その他の光学機器用レンズとして、例えばカメラのファインダー、撮影用レンズ、プロジェクションテレビ用レンズ、大型スクリーン用フレネルレンズ、太陽光集光用レンズ、オーバーヘッドプロジェクター用フレネルレンズ、CD用光メモリー用対物レンズ等のように多岐にわたって使用されている。このようなプラスチックレンズの展開は、無機ガラスに比べてプラスチックレンズが軽量で、レンズ枠との一体成形が可能で、量産性に富み、低価格で、しかも、無機ガラスでは特殊加工を要する非球面レンズにおいても、両面非球面プラスチックレンズとして効率的に加工することができる等の種々の利点を有している。
【0009】
既に上述した[特許文献1]〜[特許文献5]に記載するレンズの切削・研磨加工法からも明らかなように、例えば、レンズを切削・研磨加工させるに用いる低融点金属によるキャスティング固定法や、その他の仮接着素材による従来のレンズ固定法では、著しく固定方法が煩雑で量産性に乏しくコスト高の傾向にある。また、レンズ面の切削・研磨工程は勿論のこと、そのレンズの側面又は裏面を切削・研磨させて各種の形状に2次加工させる工程を通して、仕上げレンズ面(レンズの下地研磨面に撥水処理や、防汚処理や、染色や、UV反射防止等が施されている)に対する保護対策も、未だ充分に満足されに至っていないのが実状である。
【0010】
既に上述するように、従来からガラス又はプラスチックレンズは、レンズの下地加工として、研磨治具を介してレンズ面が研磨される。また、その下地研磨面には、撥水処理、防汚処理、染色、UV反射防止等のような仕上げ加工がされている。また、このように加工されたレンズは、更に切削加工されて各種の形状に2次加工されて製品レンズとなる。そこで、レンズをこのように下地加工又は2次加工するに際しては、従来からレンズを支持固定させて回転する切削治具、研磨治具を介して加工されている。
【0011】
従って、本発明の目的は、このような下地加工、2次加工において、従来法に比べて著しく簡便で、量産化を可能にさせ、安価で、しかも、加工工程における装・脱着等の取り扱い性(ハンドリング性)に優れる粘着剤層を有するシート状の可撓性レンズ固定用部材を提供することである。
【0012】
また、本発明の他の目的は、このような装着が容易で、加工処理後の剥離脱着も容易である取扱い性に優れる粘着剤層を有するシート状のレンズ固定用部材を用いることで、下地加工としてレンズ面等を効率よく研磨できるレンズの研磨方法及び効率よくレンズを2次加工できるレンズの切削加工方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで、上述する課題を達成させるために、鋭意検討した結果、従来の低融点金属等を用いてキャスティング固定させる方法に代えて、レンズ押さえ治具とレンズと間に、粘着剤層を有するシート状のクッション材に、フィルム状の粘着シートを合わせ貼着させてなる貼り合せ複合シートを装着させてレンズを固定させたところ、レンズ面の中心軸をブレさせることなく、また、レンズを剥離脱落させることなく効率よく研磨させたり、効率よく2次加工(切削加工)させることができ本発明を完成させるに至った。
【0014】
本発明によれば、レンズを支持固定させてレンズ面を鏡面研磨させる又はレンズ形状を切削加工させるに用いる粘着剤層を有し、可撓性の貼り合せ複合シートであることを特徴とする可撓性シート状のレンズ固定用部材を提供する。
すなわち、本発明によるレンズ固定用部材は、所定形状の可撓性である両面粘着クッションシートと、フィルム状の可撓性である片面粘着シートとを有している。
これらの両シートは、両面粘着クッションシートの片側粘着面に、片面粘着シートの非粘着面が貼り合せられ、粘着剤層を有する複合シート状を形成される。
しかも、研磨・切削対象レンズ側に押接接着させる片面粘着シートの接着面は、レンズ押さえ治具側に押接する両面粘着クッションシートの接着面より、少なくとも大き目の接着占有面を有していることを特徴とする粘着剤層を有する複合シート状の可撓性レンズ固定用部材である。
【0015】
また、本発明によれば、レンズ押さえ治具に、このような所定形状の両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを有する粘着剤層を有する可撓性シート状のレンズ固定用部材を装着させて、研磨加工対象レンズを押接固定させてレンズ面を鏡面研磨させることを特徴とするレンズの研磨加工方法を提供する。
すなわち、本発明による可撓性レンズ固定用部材は、両面粘着クッションシートに片面粘着シートとを、互いに中心線方向に合わせて接着する貼り合せ複合シートである。
次いで、レンズ押さえ治具のレンズ応接面に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート側の粘着面を、互いに中心線方向に合わせて押接接着させる。
次いで、研磨加工させる対象レンズの被研磨面に、この貼り合せ複合シートの片面粘着シート側の粘着面を、互いに中心線方向に押接接着させて、このレンズをレンズ押さえ治具に支持固定させる。
次いで、固定させたレンズの研磨対象面を、回転する研磨治具の研磨材に押接させながら所定のレンズ面を研磨加工させる。
【0016】
更にまた、本発明によれば、レンズ押さえ治具に、このような所定形状の両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを有する粘着剤層を有する可撓性シートタイプのレンズ固定用部材を装着させて、切削加工対象レンズを押接固定させてレンズの形状を切削加工させることを特徴とするレンズの切削加工方法を提供する。
すなわち、本発明による可撓性レンズ固定用部材は、両面粘着クッションシートに片面粘着シートとを、互いに中心線方向に合わせ貼着されている貼り合せ複合シートである。
次いで、レンズの両側から対向押接させるレンズ押さえ治具の対向面に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート側の粘着面を、互いに中心線方向に合わせて押接接着させる。
次いで、レンズ両面を狭持するように対向するレンズ押さえ治具を、互いに中心線方向に押圧させながら、この貼り合せ複合シートの片面粘着シート側の粘着面を、レンズのトップ面に押接接着させて、切削加工させる対象レンズを支持固定させる。
次いで、回転する切削治具に、この対象レンズの切削対象面を押接させながらレンズを所定の形状に切削加工させる。
【0017】
(作用)
以上から、本発明による複合粘着シートからなる可撓性シート状レンズ固定用部材は、後述する図1に図示するようにシート状のクッション材4aとフィルム状の基材シート2aとが粘着剤層を介して貼り合わせられ、その両側には粘着剤層3及び5が設けられている粘着剤層を有する可撓性のシートタイプのレンズ固定用部材1である。従って、レンズを研磨・切削加工させるに際しては、レンズ押さえ治具と加工対象のレンズと間に、このシートタイプ部材1を装着させることで粘着剤層3及び粘着剤層5は、それぞれ加工対象レンズ面及びレンズ押さえ治具面に押接させることで、この加工対象レンズを簡便に、効果的にレンズ押さえ治具に支持固定される。従って、本発明による粘着剤層を有するレンズ固定用部材によるレンズ固定法は、可撓性の貼り合せ複合シートで、その粘着剤層を介してレンズと押さえ治具とを押接固定させることから、従来法のキャスティング固定法に比較してレンズ固定を著しく容易にさせている。また、加工処理後のレンズ脱着、使用済みのレンズ固定用部材の剥離も著しく容易にさせている。
【0018】
また、本発明による複合粘着シートからなる可撓性シート状レンズ固定用部材によるレンズの固定は、以下の(1)、(2)に記載する装着仕様を満たすことで、研磨・切削加工において、レンズずれ、レンズ剥離等の支障を起こすことなくレンズを効果的に支持固定させる。
(1)後述する図2及び4に図示するように研磨・切削加工において、[レンズ押さえ治具−本発明によるシートタイプのレンズ固定用部材−加工対象レンズ]を通して、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着されている。
(2)また、後述する図1に図示するように、レンズ固定用部材が外部衝撃及び捻れ応力を、緩和吸収させるシート状の両面粘着クッションシート1と、耐ズレ応力性、耐捻れ応力性を発揮させるフィルム状の片面粘着シート2とを有し、しかも、対象レンズ側に押接する片面粘着シート2の接着占有面が、レンズ押さえ治具側に押接する両面粘着クッションシート1の接着占有面より、少なくとも大きめの関係にある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明による可撓性シート状レンズ固定用部材及びそのレンズ固定用部材を用いてレンズを切削・研磨加工させる方法について、図1〜図4を参照しながらその実施の形態を説明する。
【0020】
既に上述した如く、本発明による複合粘着シートからなる可撓性シート状レンズ固定用部材(以後、単にレンズ固定用部材と記すこともある)は、図1に図示するように、両面粘着クッションシート4と、片面粘着シート2とを有している。この両面粘着クッションシート4は、円形、楕円形又は4〜8角の正多角形から選ばれる何れかの所定形状を有し、そのクッション材シート(発泡材シート)4aの両面に、粘着剤層5を設ける可撓性のクッション状シートである。また、一方の片面粘着シート2は、フィルム材の基材シート2aの片面に粘着剤層3を設ける可撓性のフィルム状シートである。そこで、本発明における可撓性シート状レンズ固定用部材1とは、この両面粘着クッションシート4の粘着面5に、片面粘着シート2の被粘着面を、互いに中心線方向に合わせ貼着させてなる粘着剤層3、5を有する貼り合せ複合シート状(又はシートタイプ)であることを特徴とするレンズを支持固定させる部材である。
【0021】
また、本発明において、この貼り合わせ複合粘着シートとしての可撓性シート状レンズ固定用部材の特徴は、図1に図示するように、片面粘着シート2の接着面は、両面粘着クッションシート4の接着面より、少なくとも大き目の接着占有面を有している。すなわち、本発明において、片面粘着シート2の接着占有面は、両面粘着クッションシート4の接着占有面に対して1.1〜2.5倍の範囲にあって、好ましくは、1.5〜2.5倍の範囲にあることが適宜好適に使用することができる。この片面粘着シート2の接着占有面に係わって、加工対象レンズのレンズ面の大きさにもよるが、下限値の1.1倍以下では、レンズに及ぼすズレ応力に係わってレンズ剥離や、固定レンズのセンターズレ等を発生させる傾向から好ましくない。一方、上限値の2.5倍を超えても単に押接占有面を大きくさせて、装・脱着の取り扱い性を低下させる傾向から好ましくない。
【0022】
また、本発明においては、両面粘着クッションシート4のクションシート4a層に係わって、その目的はレンズの研磨・切削加工時に加工対象レンズから及ぼされる捻れ応力や、衝撃応力等に対して緩和減衰(吸収)させる作用である。本発明においては、このクッションシートのクション性にもよるが、好適な両面粘着クッションシート4の厚さとして0.5〜10mmの範囲で、好ましくは1〜7mmで、更に好ましくは2〜5mmにあれば適宜好適に使用される。特に、上限値を超えるシート厚さでは、そのクッション性にもよるが、このクッションシートに捻れ応力が溜まり、逆捻れを片面粘着シート2に及ぼして、接着固定レンズのセンターズレを及ぼす傾向から好ましくない。
【0023】
また、本発明において、研磨・切削対象レンズ面に押接接着させる片面粘着シート2に設ける粘着剤層3には、好ましくは、この対象レンズのトップ面に対するズレ剪断力で表して、0.15〜2.0N/mm2の範囲にある粘着剤を設ければ適宜好適にレンズズレを生じさせることなくレンズ固定を可能にさせる。なお、ズレ剪断力で表して上限値を超えると、接着力が高くなり処理後のレンズ脱着を単に困難にさせるだけで好ましくない。また、このようなズレ剪断力を発揮させるに好適な片面粘着シート2の基材シートに施す粘着剤層の厚さは、通常の10〜50μmの範囲にある粘着シートであれば特に問題なく使用することができる。そこで、本発明において、この粘着剤層3に用いられる粘着剤としては、上述するズレ剪断力で表される粘着特性を発揮させるものであれば特に限定することなく使用することができる。その粘着剤としては、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系、シリコーン系、ゴム系等を挙げることができる。また、この基材シートの素材としては、特に限定することなく樹脂フィルム材が使用され、例えば、トリアセチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアラミド、ポリカーボネート、ポリメチレンメタクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルアミド、ポリビニールアセタール、ポリメチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0024】
また、本発明による複合粘着シートとしてレンズ固定部材を形成させる両面粘着クッションシートの素材としては、好ましくは、独立気泡のポリウレタンフォーム、ポリ塩化ビニールフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォームや、又はシリコーンゴム等のフォームラバー等の発泡体シートや、また、ポリエステル系樹脂繊維の集束体シート等を適宜使用することができる。また、その発泡性配合樹脂原液の観点から、軟質、半硬質、硬質等の発泡材かたさの如何によらず、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリウレタン系フォーム、イソシアネート系フォーム、ポリアミド系フォーム等が挙げられ、特にポリウレタン系フォームが好適に使用される。また、ゴム素材として、シート状のスチレン−ブタジェンゴム,ブタジェンゴム,イソプレンゴム,アクリロニトリル−ブタジェンゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴム,エチレン−プロピレンゴム,アクリルゴム,クロロスルホン化ポリエチレンゴム,フッ素ゴム,シリコーンゴム,ウレタンゴム,天然ゴム等を挙げることができる。
【0025】
そこで、以上のような特徴を発揮させる本発明による複合粘着シートである可撓性シート状レンズ固定用部材(又はレンズ固定用部材)を用いて、研磨加工及び切削加工させる対象レンズを固定させて、研磨治具及び切削治具で対象レンズを研磨・切削加工させる方法である実施の形態(又は実施例)について図1〜図4を参照しながら以下に説明する。
【0026】
そこで、本発明においては、図2に図示する如く、例えばレンズ面を下地加工させて所定の研磨面(レンズのトップ面)に研磨加工させる場合には、図2に図示されているように、本発明によるレンズ固定用部材1がレンズ押さえ治具7と研磨対象レンズのレンズ裏面11と間に装着されて、既に上述したレンズ固定用部材1の粘着剤層5、3が押接接着されてレンズがレンズ押させ治具7に支持固定される。また、本発明においては、図4に図示する如く、例えばレンズの側面を2次加工として切削加工させて所定形状のレンズに切削加工させる場合には、図2又は図4に図示されているように、本発明によるレンズ固定用部材1がレンズ押さえ治具6及び7の応接面6A、7Aと切削対象レンズのレンズのトップ面12及びレンズの裏面11と間に装着されて、図3に図示する如くレンズの両側からレンズを狭持させるように押圧(P)させることで、レンズ固定用部材1それぞれの粘着剤層5、3が押接接着されてレンズ10がレンズ押させ治具6,7で支持固定される。
【0027】
そこで、本発明による可撓性シート状レンズ固定用部材を装着させてレンズ押さえ治具を介して支持固定(又は押接固定)させたレンズの研磨加工方法の実施例として、図2を参照させながら、例えばレンズトップ面を鏡面研磨させる研磨方法の実施例を以下に記載する。
【0028】
図1及び図2に図示する本発明によるレンズ固定用部材1は、レンズ固定部材として装着させるに際しては、両面粘着クッションシート4に片面粘着シート2を、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着されて、貼り合せ複合シートとして、しかも粘着層5及び3を設ける両面粘着複合シートとして装着される。
このように両面に粘着剤層3、5を有する貼り合せ複合シートは、レンズ押さえ治具7のレンズ押さえ面側の応接面7A(図3参照)に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート4側の粘着面5を、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着させる。次いで、研磨対象レンズ10の被研磨面11(又はレンズ裏面11)に、前貼り合せ複合シートの片面粘着シート2側の粘着面3を、互いに中心線方向[C1−C2]に押接接着させて研磨対象レンズ10をレンズ押さえ治具7に支持固定させる。次いで、この研磨対象レンズ10の未研磨面を下地加工として研磨させるために、レンズトップ面12を回転する研磨治具31の研磨材30に押接させながら研磨させてレンズトップ面を鏡面研磨させる。また、本発明においては、このように研磨加工させた後、図2の図示から明らかなように、本発明による可撓性の複合粘着シートを介してのレンズの支持固定法から、レンズの剥離又は使用済みのレンズ固定部材1のレンズ押させ治具からの脱着が著しく容易であることも理解される。
【0029】
また、本発明においては、図2から明らかなように、必要に応じて上述するレンズトップ面の鏡面研磨方法に換えて、レンズ固定部材1のレンズ押接固定面をレンズトップ面12に置き換えることで、同様にしてレンズ裏面11を研磨対象面として研磨することができる。
【0030】
また、本発明においては、このような可撓性シート状レンズ固定用部材を装着させてレンズ押さえ治具を介して支持固定(又は押接固定)させたレンズの切削加工方法の実施例として、図3及び4を参照させながら、例えばメガネレンズをメガネ枠に嵌め込む形状に2次加工させるため、切削対象レンズの側面を切削加工させて所定の形状に加工させる切削加工方法の実施例を以下に説明する。
【0031】
図3及び図4に図示する本発明によるレンズ固定用部材1は、既に上述したと同様に、レンズ固定部材1として装着させるに際しては、両面粘着クッションシート4に片面粘着シート2を、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着されて、貼り合せ複合シートとして、しかも粘着層5及び3を設ける両面粘着複合シートとして装着される。このように両面に粘着剤層3、5を有する貼り合せ複合シートは、図3に図示するように、切削対象レンズ10を両側から狭持するように対向させたレンズ押さえ治具6及び7のレンズ押さえ面側の応接面6A及び7A(図3参照)に、この貼り合せ複合シートの両面粘着クッションシート4側の粘着面5のそれぞれを、互いに中心線方向[C1−C2]に合わせ貼着させる。次いで、図3に図示されるようにしてこのレンズ押さえ治具6及び7を両側から押圧Pさせながら切削対象レンズ10のトップ面12及びレンズ裏面11に、貼り合せ複合シートの片面粘着シート2側の粘着面3のそれぞれが、互いに中心線方向[C1−C2]に押接接着させて切削対象レンズ10をレンズ押さえ治具6及び7で支持固定させる。次いで、レンズ押さえ治具6、7で固定された切削対象レンズ10の所定の切削面であるレンズ側面13を、回転する切削治具20の切削面21に、押接させながら切削させてレンズ形状を切削加工させる。また、図3又4に図示されるように、このように狭持する支持固定においても、同様の理由から、レンズの剥離又は使用済みのレンズ固定部材1のレンズ押させ治具からの脱着が著しく容易であることが理解される。
【0032】
以上のように本発明による粘着剤層を有する可撓性の複合シートタイプのレンズ固定用部材を用いて、レンズを支持固定させて研磨・切削加工させることができる眼がねレンズ等を含めて多くの光学機器に用いられているレンズトップ面には、鏡面研磨面である下地加工面の順に、通常、衝撃吸収コート、ハードコート、反射防止コート及び撥水コート(又は防汚コート)等の仕上げ加工が施されている。そのコート法にもよるが、特に撥水コート又は防汚コートされているレンズトップ面は、著しくスベスベ面になる傾向にある。従って、接着固定材でレンズを押接固定させるに際しては、その接着固定性を低下させる。
【0033】
本発明によるシート状レンズ固定用部材で支持固定させる対象となるレンズはガラス製を含めてプラスチックス製が挙げられ、例えばプラスチックレンズ素材として、素材としては、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート(CR−39)、ポリスチレン(PS)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ポリ(4−メチルペンテン−1)(TPX)等が挙げられる。
【0034】
また、サングラスレンズ用等のファッション分野に強いポリメタクリル酸メチル(PMMA)、視力矯正用としてジエチレングリコールビスアリルカーボネート、スチレンと臭素含有メタクリレートとの共重合物、イソシアナート基有モノマーとヒドロキシル基もしくはチオール基含有モノマーとの共重合物が用いられ、各種の押出し成形、プレス成形、射出成形、射出圧縮成形等で成形され、特に高性能プラスチックレンズの製造には、主に射出圧縮成形(又は注型成形)法が用いられ、その成型後、通常、既に上述するように反射防止、表面硬化、防曇、防汚、撥水、染色、UV吸収等の表面処理が施される。また、その表面硬度を上げるため有機シリコーン系樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の有機ハードコート材、二酸化ケイ素等の無機系ハードコート材をディップコート法、スプレーコート法又はスピンコート法等で塗布させる。また、必要に応じてこのハードコート面に、カラー化膜及び/又は反射防止膜を施す。また、反射防止膜としてSiO2,ZrO2,TiO2,Al2O3,Ta2O5,CeO2,MgO,Y2O3,SnO2,WO3等の無機物を単層又は複層の膜厚10〜200nmに真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法で被膜形成させる。また、防汚処理としては、真空蒸着法で常温硬化性のポリシラザン、ポリシロキサザンの0.1〜30nmの非晶性単分子膜が施される。また、特にガラスレンズ面等の無機表面に対する撥水性、防汚性表面を施す触媒硬化型のCF3CH2CH2Si(OCH3)3、C8F17CH2CH2Si(OCH3)3、(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3等のパーフロロアルキル基含有有機ケイ素化合物が知られている。また、ガラス、プラスチック表面に撥水撥油防汚性被膜としてのフッ化炭素系界面活性剤として、例えば、CF3(CF2)7(CH2)SiCl3、CF3CH2O(CH2)15SiCl3、CF3(CH2)2Si(CH2)15SiCl3等の単分子膜の塗布被膜が利用されている。
【0035】
【実施例】
以下に、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例にいささかも限定されるものではない。
【0036】
(実施例及び比較例)
本発明による可撓性シート状レンズ固定用部材は、両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを貼り合わせた複合粘着シート状でレンズをレンズ押さえ治具に支持固定させる。このように貼り合せ複合粘着シート状でレンズ固定部材として使用される本発明の可撓性シート状レンズ固定用部材は、レンズを支持固定させる時に、この複合粘着シートの片面粘着シート側の粘着面がレンズ面に押接接着させる。
【0037】
そこで、本発明では、防汚処理されてガラス面がスベスベしているオプツールガラスを作製して、厚さ38μmのPETフィルム(基材シート)にドクターブレードを用いて厚さ30μmになるように各種の粘着剤層を設けた片面粘着シートを作成し、このガラスに貼り合わせて、JIS Z 0237の粘着テープの試験法に準拠させてこの片面粘着シートのガラストップ面に対する粘着力をそれぞれ測定し、また、この片面粘着シート(20mm×20mm)と市販の両面粘着クッションシート(18mm×18mm)を貼着して複合シートとしJIS Z 0237の粘着テープの試験法に準拠させてこの複合シートのガラストップ面に対する保持力をそれぞれ測定し、さらに、JIS K 6850(試験機の荷重速度300mm/min、常温圧着20分後測定)に準拠させて片面粘着シートのガラストップ面に対するズレ剪断力をそれぞれ測定し、評価した。
このオプツールガラスとは、ガラス面にダイキン工業(株)製の商品名オプツールDSXのフッ素系表面防汚コーチィング剤で表面処理させたガラスを示す。このオプツールDSXで表面処理をすると防汚性(撥水・撥油性)に優れ、その処理面は著しく滑り性を呈する。デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、カーナビゲーション等のディスプレ面、ネガネレンズ、カメラレンズ等の光学機器用レンズ、CRT表面等の防汚処理に多く使用されている。
【0038】
そこで、本実施例用及び比較例用の粘着剤層として調製・評価した粘着剤組成物は、(1)SKダイン1604N(綜研化学(株)製:ブチルアクリレートBA/アクリル酸AA系共重合体、GPCによる重量平均分子量Mw60万)/L−45(綜研化学(株)製:イソシアネート系硬化剤)=15kg/225gの粘着剤組成物、(2)SKダイン2003(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw160万)/L−45/E−5XM(綜研化学(株)製:エポキシ系硬化剤)/A−50(綜研化学(株)製:シランカップリング剤)=15kg/31.2g/7.65g/3.85gの粘着剤組成物、(3)SKダイン2006H(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw140万)/L−45/E−5XM/A−50=15kg/1.56g/0.42g/0.21gの粘着剤組成物、(4)SKダイン1502B(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw90万)/L−45=15kg/281gの粘着剤組成物、(5)SKダイン1501B(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw100万)/L−45=15kg/375gの粘着剤組成物、(6)SKダイン1386(綜研化学(株)製:BA/AA系共重合体、Mw50万)/L−45=15kg/225gである。また、両面粘着クッションシートは、WF−105(コニシ(株)製:フォーム芯材両面テープ)である。
【0039】
以上から、評価した測定結果を以下の[表1]に示した。[表1]の結果から明らかなように、本発明のレンズ固定用部材の貼り合せ複合シートの片面粘着シートとして使用されるシートは、実施例1〜3であって、その中でも適度の粘着力及びタックを呈し、防汚処理ガラストップ面(オプツールガラス面)になじみ性を発揮する実施例1がより好適に使用することができる。
【0040】
なお、[表1]中の◎及び○印の評価は、図2に図示するレンズ研磨加工方法及び図4に図示するレンズ切削加工方法に準拠させて、レンズメーカーで実施した時に、支持固定させたレンズが何らレンズズレ(貼り合わせセンターズレ)や、レンズ剥離を起こさなかった事実に符合する評価値である。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
以上から、レンズの下地加工、2次加工におけるレンズの支持固定に、従来の低融点金属等によるキャスティング固定法に代えて、本発明による可撓性シート状レンズ固定部材による固定法は、レンズ押さえ治具とレンズと間に、粘着剤層を有するシート状のクッション材と、フィルム状の粘着シートとを貼り合せてなる複合粘着シートを装着させて、この粘着剤層を介して研磨又は切削させるレンズを支持固定させることを特徴とするシート状のレンズ固定部材である。
【0043】
このような複合粘着シートで押接接着固定させることで、研磨・切削処理中にレンズ面の中心軸をブレさせることなく、また、レンズを脱落させることなく効率よく研磨させたり、効率よく2次加工(切削加工)させることができ可撓性で複合シート状のレンズ固定用部材を提供することができる。
【0044】
また、このような押接接着させる粘着剤層を有するシート状であることから、レンズの下地加工、2次加工において、従来法のキャスティング法に比べて著しく簡便で、安価で、製品レンズの量産化を可能にさせ、しかも、加工工程における装・脱着等の取り扱い性(ハンドリング性)に優れるシート状の可撓性レンズ固定用部材を提供することができる。
【0045】
また、このような装着が容易で、加工処理後の剥離脱着も容易である取扱い性に優れるシート状のレンズ固定用部材を用いることで、従来法に比べてレンズを効率よく下地加工でき又レンズを効率よく切削加工できるレンズの研磨方法及び効率よくレンズを2次加工できるレンズの研磨及び切削加工方法を提供することができる。
【0046】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレンズ固定用部材である可撓性シート状レンズ固定部材の概念断面図を示す。
【図2】本発明による可撓性レンズ固定用部材を用いて、レンズ面を研磨加工する実施例を表す概念図を示す。
【図3】図1に示す本発明による可撓性シート状レンズ固定部材を用いて、切削加工用レンズを支持固定する工程を表す概念断面図を示す。
【図4】本発明による可撓性レンズ固定部材を用いて支持固定されるレンズを切削加工する実施例を表す概念図を示す。
【符号の説明】
1 可撓性シート状レンズ固定部材
2 片面粘着シート
2a 基材シート
3,5 粘着剤層
4 両面粘着クッションシート
4a クッションシート
6,7 レンズ押さえ治具
6A ,7A レンズ押さえ治具の応接面
10 レンズ
11 レンズの裏面
12 レンズのトップ面
13 レンズの切削加工面
20 切削治具
21 切削治具の切削材面
30 研磨材
31 研磨治具
Claims (6)
- レンズを支持固定させてレンズを研磨加工させる又はレンズの形状を切削加工させるに用いる粘着剤層を有するシート状のレンズ固定用部材において、
前記レンズ固定用部材は、所定形状の可撓性クッション材からなる両面粘着クッションシートと、可撓性フィルム材からなる片面粘着シートとを有し、
前記両面粘着クッションシートの片側粘着面に、前記片面粘着シートの非粘着面が、互いに中心線方向に合わせ貼着され、
且つ前記片面粘着シート側の接着面は、前記両面粘着クッションシート側の接着面より、少なくとも大きめの接着占有面を有する貼り合せ複合シートであることを特徴とする可撓性シート状レンズ固定用部材。 - 前記レンズの素材が、プラッスチック製又はガラス製で、且つ前記レンズのトップ面には撥水コート又は防汚コートが施されていることを特徴とする請求項1に記載の可撓性シート状レンズ固定用部材。
- 前記片面粘着シートに設ける粘着層の前記レンズのトップ面に対するズレ剪断力が0.15〜2.0N/mm2の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の可撓性シート状レンズ固定用部材。
- 前記片面粘着シートの粘着剤層の厚さは10〜50μmで、且つ前記片面粘着シートの接着占有面は、前記両面粘着クッションシートが有する接着占有面の1.1〜2.5倍の範囲にあることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の可撓性シート状レンズ固定用部材。
- 研磨対象レンズを請求項1〜4の何れかに記載する所定形状の両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを有する可撓性シート状レンズ固定用部材を装着するレンズ押さえ治具を介して支持固定させてレンズを研磨加工させる方法において、
前記レンズ固定用部材である前記両面粘着クッションシートと前記片面粘着シートとを、互いに中心線方向に合わせ貼着させて貼り合せ複合シートにさせ、
次いで、前記レンズ押さえ治具のレンズ押さえ面に、前記複合シートの両面粘着クッションシート側の接着面を、互いに中心線方向に合わせ貼着させ、
次いで、前記レンズの被研磨面に、前記複合シートの前記片面粘着シート側の粘着面を、互いに中心線方向に押接接着させて前記対象レンズを支持固定させ、
次いで、前記対象レンズの研磨対象面を回転する研磨治具の研磨材に押接させながら研磨加工することを特徴とするレンズの研磨加工方法。 - 切削対象レンズを請求項1〜4の何れかに記載する所定形状の両面粘着クッションシートと片面粘着シートとを有する可撓性シート状レンズ固定用部材を装着するレンズ押さえ治具を介して支持固定させてレンズの形状を切削加工させる方法において、
前記レンズ固定用部材である前記両面粘着クッションシートと前記片面粘着シートとを、互いに中心線方向に合わせ貼着させて貼り合せ複合シートにさせ、
次いで、前記対象レンズに両側から対向押接させる前記レンズ押さえ治具の応接面に、前記複合シートの前記両面粘着クッションシート側の粘着面を、互いに中心線方向に合わせ貼着させ、
次いで、レンズ両面を狭持するように対向する前記レンズ押さえ治具を、互いに中心線方向に押圧させながら、前記複合シートの片面粘着シート側の粘着面を、レンズ面に押接接着させて前記対象レンズを支持固定させ、
次いで、回転する切削治具に、前記対象レンズの所定面を押接させながら切削加工することを特徴とするレンズの切削加工方法。
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