JP2004329511A - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシート間に介在する吸収体とにより物品本体が形成されて成る吸収性物品において、前記吸収体を複数層に構成し、各層を熱融着により積層する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、使い捨て紙おむつ、あるいは生理用ナプキン等の吸収性物品に関し、さらに詳細には、体液の吸収性及び液戻り防止の面で優れ、厚みの薄いコンパクトで、安価に製造できる吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような吸収性物品、例えば図3に展開斜視図で、図4に図3のA−A断面で示すようなテープ式の使い捨て紙おむつ100は、使用目的により種々の形態のものが知られているが、その基本構成は大差のないものである。すなわち、このような紙おむつ100は、通常、表面側、すなわち着用者の肌と当接する面側より順に、透液性を有するトップシート101、セカンドシート102、上部クレープ紙103a、吸収体104、下部クレープ紙103b、防水フィルム105、及びバックシート106によりおむつ本体100Aが形成されている。なお、この使い捨て紙おむつ100では、おむつ本体100Aの幅方向に、尿等の体液漏れ防止用の立体ギャザー107が設けられている。これらの各部品はホットメルト接着剤により相互に接着され、おむつ本体100Aが構成されている。
【0003】
従来、トップシート101及びセカンドシート102には、ポリエステル,ポリプロピレン等から成る透液性の織布,不織布,多孔性フィルム等が用いられ、また、吸収体104には、主に綿状パルプ、高吸収性高分子物質等が用いられ、さらにまた、防水フィルム105及びバックシート106には、ポリエチレン等の不透液性フィルム、不透液性のフィルムに不織布や織布等を貼り合わせて成る素材が一般に用いられている。
【0004】
しかし、このように構成された従来の使い捨て紙おむつ100では、上記各構成部品が夫々ホットメルト接着剤によって貼り合わされていたため、多量の接着剤が必要となって製造コストがアップし、また各構成部品間の接着力が弱いため排尿後にセカンドシート102と吸収体104とが剥離し、体液が逆戻り(wet back)することがあった。このように体液が逆戻りすると、着用者に不快感を与え、特に着用者が乳幼児である場合には、皮膚がかぶれる原因ともなっていた。
【0005】
また、上記従来の使い捨て紙おむつ100では、吸収体104に、吸収力を高める目的でセルロースパルプが、通常、10〜70質量%と多量に含有されていたため、おむつ本体100Aが分厚くなっていた。このため、着用者にゴワゴワした感じを与え、また携行時等には嵩張って取り扱いが大変不便であった(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−2366653号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸収体の強度が増加し、吸収性が一段と優れ、体液がトップシートに保水することなく、短時間でドライタッチ感が得られ、また物品本体の厚さが薄く、コンパクトで、安価に製造できる吸収性物品を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、少なくとも、透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシート間に介在する吸収体とにより物品本体が形成されて成る吸収性物品において、前記吸収体を複数層に構成し、各層を熱融着により積層して成ることを特徴とする吸収性物品を提供することによって、達成される。
【0009】
また、本発明の上記目的は、前記吸収体の各層は、合成繊維を含有することを特徴とする吸収性物品を提供することによって、より効果的に達成される。
【0010】
また、本発明の上記目的は、前記合成繊維は、バイコンポーネントの合成繊維であることを特徴とする吸収性物品を提供することによって、より効果的に達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記吸収体は、上層側より、前記合成繊維又は該合成繊維と高吸収性樹脂とから成る層と、前記高吸収性樹脂又は該高吸収性樹脂と前記合成繊維とから成る層と、前記合成繊維又は該合成繊維とパルプとから成る層とにより構成されていることを特徴とする吸収性物品を提供することによって、より効果的に達成される。
【0012】
さらにまた、本発明の上記目的は、前記吸収体は、含有率が夫々30〜70質量%の高吸収性樹脂と、35〜65質量%のバイコンポーネント合成繊維と、0〜10質量%のパルプとにより構成されていることを特徴とする吸収性物品を提供することによって、より効果的に達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明に係る吸収性物品の一例である使い捨て紙おむつ200の展開斜視図、図2は図1のB−B断面図である。なお、本使い捨て紙おむつ200は、構成の一部、すなわち後述する吸収体204の構成を除くその他の構成は前述した従来の紙おむつ100と実質的に同一である。このため、以下では、前記従来の使い捨て紙おむつ100と対応する構成要素に200番台の対応する同一番号を付して説明する。
【0015】
すなわち、本使い捨て紙おむつ200は、表面側より順に、トップシート201、セカンドシート202、吸収体204、クレープ紙203、防水フィルム205、及びバックシート206でおむつ本体200Aが形成されている。なお、防水フィルム205は必要に応じ設けられるもので、必ずしも必要ではない。また、おむつ本体200Aの幅方向には、体液漏れ防止用の立体ギャザー207が設けられており、長手方向上側部、すなわち背部側両端部にはファスニングテープ208が取り付けられている。本紙おむつ200は着用者の股間部に装着された後、このファスニングテープ208を前身頃の腹部位置に止着して使用される。
【0016】
本紙おむつ200では、図2に示すように、吸収体204が3層、すなわち第1層〜第3層で構成され、各層が熱融着により積層されている。第1層はポリエチレンとポリプロピレン、ポリエチレンとポリエステル、あるいはポリプロピレンとポリエステル等のバイコンポーネントから成る合成繊維、又は該合成繊維と高吸収性樹脂(Super Absorbent Polymer、以下、「SAP」という。)とにより構成されている。
【0017】
また、第2層は、前記SAP、又は前記合成繊維と前記SAPとにより構成されている。
【0018】
ここに、吸収体204に含有する前記SAPの含有量は30〜70質量%であることが望ましい。
【0019】
さらにまた、第3層は、前記合成繊維、又は前記合成繊維とセルロース繊維から成るパルプとにより構成されている。このように構成された吸収体204の下層にはクレープ紙203によって第4層が形成されている。
【0020】
なお、吸収体204の層構成は3層に限らず、必要に応じ、層数を適宜変更することができる。
【0021】
ここに、前記パルプの含有量は0%又は10質量%以下であることが望ましい。このように、パルプの含有量を0%又は10質量%以下にすることにより、厚さを薄くすることができると共に、吸収体の強度を増加させることができる。
【0022】
本紙おむつ200は、以上のとおり構成され、吸収体204を構成する各層が熱融着により接着されているので、各層間に空隙が形成されず、このため体液がトップシート201から吸収体204に迅速に流れ、吸収、保持される。この結果、体液がトップシート201上に保水することがなくなるので、表面がべとつかず、さらさらとしたドライタッチ感を着用者に与えることができる。
【0023】
また、上記熱融着により各層間の接着力が強化されるので、排尿後に層間剥離性、例えばセカンドシート202と吸収体204とが剥離することがなくなり、吸収性が一段と向上する。
【0024】
また、吸収体204の合成繊維にバイコンポーネントを用いたので、吸収体204の厚さを極めて薄く、例えば0.5g/cm2 荷重下の厚みが3mm以下と薄くすることができ、これにより着用時のゴワゴワ感や、携行時の嵩張りをなくすことができる。
【0025】
また、各層間を熱融着により強固に接着することができるので、従来のような多量のホットメルト接着剤を必要とせず、このため製造コストを大幅に低減することができる。
【0026】
さらにまた、上述のように大変薄い吸収体であっても、圧力が例えば2.0685×103Paの加圧下で吸収量は520g以上となり、従来の吸収体と同量、又はそれ以上の吸収量である吸収体が得られることが確認されている。
【0027】
以上、本発明の内容を吸収性物品がテープ式の使い捨て紙おむつを例に説明したが、本発明はこの外、パンツ式の使い捨て紙おむつ、尿取りパッド、生理用ナプキン、あるいは失禁者用パンツ等の公知の吸収性物品についても適用できることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明に係る吸収性物品は、吸収体を複数層に構成し、各層を熱融着により接着して一体化し、厚みを薄くしたので、トップシートから吸収体への体液の流れが良くなり、体液がトップシートに保水しなくなる。このため、本発明に係る吸収性物品によれば、着用者にドライタッチ感を与えることができる。
【0029】
また、吸収体の各層を合成繊維、特にバイコンポーネント合成繊維で構成しているので、上述したように薄くできることに加え、各層を強固に接着できるので、排尿後の層間剥離をなくすことができる。
【0030】
さらにまた、接着剤の量が低減されるので、安価に製造することができるという実用上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る紙おむつの展開斜視図である。
【図2】図1のB−B断面図である。
【図3】従来の紙おむつの展開斜視図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【符号の説明】
100,200 紙おむつ
100A,200A おむつ本体
101,201 トップシート
102,202 セカンドシート
104,204 吸収体
105,205 防水フィルム
106,206 バックシート
Claims (5)
- 少なくとも、透液性のトップシートと、不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシート間に介在する吸収体とにより物品本体が形成されて成る吸収性物品において、前記吸収体を複数層に構成し、各層を熱融着により積層して成ることを特徴とする吸収性物品。
- 前記吸収体の各層は、合成繊維を含有することを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
- 前記合成繊維は、バイコンポーネントの合成繊維であることを特徴とする請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、上層側より、前記合成繊維又は該合成繊維と高吸収性樹脂とから成る層と、前記高吸収性樹脂又は該高吸収性樹脂と前記合成繊維とから成る層と、前記合成繊維又は該合成繊維とパルプとから成る層とにより構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の吸収性物品。
- 前記吸収体は、含有率が夫々30〜70質量%の高吸収性樹脂と、35〜65質量%のバイコンポーネント合成繊維と、0〜10質量%のパルプとにより構成されていることを特徴とする請求項4に記載の吸収性物品。
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- 2003-05-06 JP JP2003128396A patent/JP4154279B2/ja not_active Expired - Fee Related
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