JP2004329155A - 食品タブレットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】健康補助剤として服用されているサプリメントについても、錠剤化のために使用されている結着剤や乳化剤といった添加剤を排除し、100%天然素材のタブレットを製造する方法を提供する。
【解決手段】平均粒子径40μm以下の海藻又は野菜又は果物の微粉末を水と混練することによりポルフィラン等の水溶性多糖類を溶出させる。この水溶性多糖類が溶出した混練物を食品微粉末と混合して、打錠することにより、十分な硬度を有する食品タブレットを製造する。
【選択図】 図1
【解決手段】平均粒子径40μm以下の海藻又は野菜又は果物の微粉末を水と混練することによりポルフィラン等の水溶性多糖類を溶出させる。この水溶性多糖類が溶出した混練物を食品微粉末と混合して、打錠することにより、十分な硬度を有する食品タブレットを製造する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然素材のみから成る自然健康食品タブレットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活習慣病等を予防する商品として、現在様々な健康補助剤(サプリメント)が市場に出回っており、その手軽さから多種類のサプリメントが消費者に摂取されている。
このような中で、健康食品を初めとする食品に対する規制が緩和され、消費者に医薬品と誤認させる目的でない限り、形状のみにより医薬品に該当するか否かが判断されることはなくなった。このことから、サプリメントの中でも容易に摂取が行え、携帯も容易なタブレットタイプのものが現在多く製造されている。
タブレットタイプのものにおいては、通常、サプリメントの原料をデキストリンのような結着剤やショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤を使用してタブレット化しており、その使用量はタブレット重量の15〜30%に達している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−132065号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近は消費者の間で食に対する安全志向が高まっており、経口品に使用される素材は100%天然素材であることが望まれている。このような傾向のなかでは、サプリメントについても錠剤化のために使用されている結着剤や乳化剤といった添加剤を排除することが望ましい。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは100%天然素材の食品タブレットを製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る食品タブレットの製造方法は、結着用微粉末である平均粒子径40μm以下の海藻又は野菜又は果物の微粉末と水を30分以上混練したものと、主微粉末である食品微粉末とを混合して製造することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
海藻、野菜、果物等の植物は多数の細胞から成っており、一つ一つの細胞は細胞壁で囲まれた構造を有している。この細胞壁を構成する成分として、セルロース等の他の成分と結合してお互いの細胞をつなぎ合わせる接着剤の役割を有する多糖類がある。多糖類としては、海苔に存在するポルフィラン、昆布・わかめに存在するフコイダン、果物・野菜に存在するペクチン等が挙げられ、これらは水溶性多糖類である。
【0008】
本発明においては、これらの水溶性多糖類を従来の結着剤や乳化剤の代わりに使用して食品タブレットを製造する。上記の通り、水溶性多糖類は細胞壁中に存在するため、これを十分取り出すためには細胞壁を破壊する必要がある。このため、原料の植物をその種類に応じて十分細かく破砕して、細胞壁が破壊されるようにしなければならない。細胞の大きさは植物の種類によって異なるため、破砕後の粉末粒子径を規定することは困難であるが、一般的な植物の細胞の大きさを考慮すると破砕後の粉末の平均粒子径を40μm以下とすることが好ましい。
【0009】
平均粒子径が40μm以下となるように破砕した海藻又は野菜又は果物の微粉末(結着用微粉末)に水を加えて、30分以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは12時間以上混練し、多糖類を十分溶出させる。その後、この微粉末と水との混練物を乾燥させ、乾燥物を0.1〜0.5mm程度に粉砕する。更に、この粉砕物にアルコールと水の混合溶液を加えた後、食品微粉末(主微粉末)を混合する。使用する主微粉末である食品微粉末は、結着用微粉末と同一の微粉末であってもよいし、結着用微粉末と同一の種類であるが異なる平均粒子径を有する微粉末又は異なる種類の微粉末であってもよい。また、微粉末同士を十分結着させ、十分な硬度を有するタブレットとするために、結着用微粉末の重量は、結着用微粉末と主微粉末とを合わせた重量の3%以上となるようにする。ここで、アルコールは混練物の粘りを抑え、成形等を容易にするために加えるものであるため、アルコールを用いずともタブレットの製造を行うことは可能である。主微粉末と、結着用微粉末のアルコール・水混合溶液との混合物が均一になるように十分に混練後、この混練物を乾燥、粉砕する。更に、これを篩い分けにより十分細かい粒子を調整した後、タブレット型を備えた打錠機を用いて1×108N/m2以上で加圧することにより、タブレットを成形する。
【0010】
微粉末同士を結着させる多糖類は水溶性であるため、水と混練した結着用微粉末の固形分を濾過等して水溶性成分のみを取り出し、これを主微粉末に加えてタブレットを製造してもよい。ここで、溶出の際に結着用微粉末重量の40%程度が水溶性成分として取り出せるため、主微粉末に加える水溶性成分は主微粉末重量の1重量%程度でよい。
なお、微粉末を錠剤化した際、微粉末粒子がほぼ最密充填され、タブレットが崩れないようにするために、主微粉末の平均粒子径は60μm以下とすることが望ましい。
【0011】
本発明の食品タブレットの製造方法では、海藻又は野菜又は果物から取り出すことのできる多糖類に着目し、これを微粉末の結着剤として使用する。このため、以上において、海藻等を微粉末化し、これを水と混練することにより多糖類を十分溶出させているが、粉砕しない海藻等を煎じる等して取り出した多糖類を使用してタブレットを製造することも可能である。
【0012】
また、以上においては、海藻等から取り出した多糖類を食品微粉末と混合し、食品タブレットを製造する方法について述べたが、海藻等から取り出した多糖類を有機および/又は無機の微粉末と混合することにより、薬剤その他の固形状物質を製造することも可能である。
【0013】
【発明の効果】
タブレットの原料に含まれる多糖類が結着剤として働くため、デキストリン等の通常の結着剤を使用する必要がない。また、多糖類が粉末の表面をコーティングするため、打錠前に調整された粒子に滑沢性が生じ、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤を使用しなくても原料供給機から打錠機への装入がスムーズに行われる。その結果、100%自然食品素材で構成されたタブレットを製造することが可能となる。
【0014】
【実施例】
(実施例1)
焼き海苔を粉砕して得た平均粒子径250μmの微粉末5g(結着用)に10倍量以上の水を加えて、一昼夜混練した。その後該混練物を100℃で乾燥し十分に水を除いた後、乾燥混練物物を0.1〜0.5mm程度の粒径となるように粉砕した。この粉砕物をエタノール500gと水100gとの混合溶液中に投入し十分撹拌した後、焼き海苔を粉砕して得た平均粒子径250μmの微粉末495gを加えて十分混練した。これを70℃で乾燥した後破砕造粒し、篩い分けにより14メッシュ以下の粒子を調整し、打錠機でタブレットに成形した。
【0015】
同様のことを平均粒子径250μmの微粉末15g,25g,50g,100g(タブレット製造に使用する微粉末総重量の3,5,10,20%)に対して行いタブレットを得た。この際、結着用微粉末とエタノール・水混合溶液との混練物には、使用微粉末の総重量が500gになるようにそれぞれ485g,475g,450g,400gの海苔微粉末を加えてタブレットを得た。
同様のことを平均粒子径64μm、39μm、および18μmの微粉末についても行い、多糖類溶出時に使用する微粉末量及びその微粉末の平均粒子径の異なるタブレットを得た。
【0016】
以上で得られたそれぞれのタブレットについて、木屋式硬度計を用いて硬度を測定した。その結果を図1に示す。なお、グラフ横軸の結着用微粉末量は、使用微粉末総重量(結着用微粉末量+主微粉末量)に対する割合で表している。
図に示されたように、平均粒子径39μmのときは微粉末総重量に対して10%程度の微粉末を、平均粒子径18μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、輸送中にタブレットが崩壊しないといわれる硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0017】
(実施例2)
平均粒子径280μm、57μm、38μm、15μmのわかめ微粉末に対して、実施例1と同様の作業を行い、結着用微粉末の平均粒子径及び結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図2に示す。
図に示されたように、平均粒子径38μmのときは微粉末総重量に対して10%程度の微粉末を、平均粒子径15μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0018】
(実施例3)
平均粒子径260μm、68μm、37μm、16μmの人参微粉末に対して、実施例1と同様の作業を行い、結着用微粉末の平均粒子径及び結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図3に示す。
図に示されたように、平均粒子径37μmのときは微粉末総重量に対して10%程度の微粉末を、平均粒子径15μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0019】
(実施例4)
平均粒子径270μm、56μm、39μm、15μmのイチゴ微粉末に対して、実施例1と同様の作業を行い、結着用微粉末の平均粒子径及び結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図4に示す。
図に示されたように、平均粒子径39μmのときは微粉末総重量に対して20%程度の微粉末を、平均粒子径15μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0020】
(実施例5)
平均粒子径18μmの焼き海苔微粉末5gに10倍量以上の水を加えて、一昼夜混練した。その後該混練物を100℃で乾燥し十分に水を除いた後、乾燥混練物物を0.1〜0.5mm程度の粒径となるように粉砕した。この粉砕物をエタノール500gと水100gとの混合溶液中に投入し十分撹拌した後、アガリクスを粉砕して得た平均粒子径40μmの微粉末495gを加えて十分混練した。これを70℃で乾燥した後破砕造粒し、篩い分けにより14メッシュ以下の粒子を調整し、打錠機でタブレットに成形した。
同様のことを平均粒子径18μmの海苔微粉末15g,25g,50g,100gに対して行い、結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。この際、エタノール・水混合溶液と海苔の混練物には、使用微粉末の総重量が500gになるようにそれぞれ485g,475g,450g,400gのアガリクス微粉末を加えてタブレットを得た。
【0021】
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図5に示す。
図に示されたように、海苔微粉末の平均粒子径が18μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0022】
以上の実施例5においては、海苔微粉末を水と混練し、それをそのままアガリクス微粉末と混練している。しかし、アガリクスの持つ風味等をより引き出すために、海苔微粉末と水の混練物から水溶性成分のみ取り出し、これをアガリクス微粉末に加えるようにしてタブレットを製造することも可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】海苔タブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図2】わかめタブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図3】人参タブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図4】イチゴタブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図5】アガリクスタブレットにおける、結着用海苔微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然素材のみから成る自然健康食品タブレットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生活習慣病等を予防する商品として、現在様々な健康補助剤(サプリメント)が市場に出回っており、その手軽さから多種類のサプリメントが消費者に摂取されている。
このような中で、健康食品を初めとする食品に対する規制が緩和され、消費者に医薬品と誤認させる目的でない限り、形状のみにより医薬品に該当するか否かが判断されることはなくなった。このことから、サプリメントの中でも容易に摂取が行え、携帯も容易なタブレットタイプのものが現在多く製造されている。
タブレットタイプのものにおいては、通常、サプリメントの原料をデキストリンのような結着剤やショ糖脂肪酸エステルなどの乳化剤を使用してタブレット化しており、その使用量はタブレット重量の15〜30%に達している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−132065号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
最近は消費者の間で食に対する安全志向が高まっており、経口品に使用される素材は100%天然素材であることが望まれている。このような傾向のなかでは、サプリメントについても錠剤化のために使用されている結着剤や乳化剤といった添加剤を排除することが望ましい。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは100%天然素材の食品タブレットを製造する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る食品タブレットの製造方法は、結着用微粉末である平均粒子径40μm以下の海藻又は野菜又は果物の微粉末と水を30分以上混練したものと、主微粉末である食品微粉末とを混合して製造することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
海藻、野菜、果物等の植物は多数の細胞から成っており、一つ一つの細胞は細胞壁で囲まれた構造を有している。この細胞壁を構成する成分として、セルロース等の他の成分と結合してお互いの細胞をつなぎ合わせる接着剤の役割を有する多糖類がある。多糖類としては、海苔に存在するポルフィラン、昆布・わかめに存在するフコイダン、果物・野菜に存在するペクチン等が挙げられ、これらは水溶性多糖類である。
【0008】
本発明においては、これらの水溶性多糖類を従来の結着剤や乳化剤の代わりに使用して食品タブレットを製造する。上記の通り、水溶性多糖類は細胞壁中に存在するため、これを十分取り出すためには細胞壁を破壊する必要がある。このため、原料の植物をその種類に応じて十分細かく破砕して、細胞壁が破壊されるようにしなければならない。細胞の大きさは植物の種類によって異なるため、破砕後の粉末粒子径を規定することは困難であるが、一般的な植物の細胞の大きさを考慮すると破砕後の粉末の平均粒子径を40μm以下とすることが好ましい。
【0009】
平均粒子径が40μm以下となるように破砕した海藻又は野菜又は果物の微粉末(結着用微粉末)に水を加えて、30分以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは12時間以上混練し、多糖類を十分溶出させる。その後、この微粉末と水との混練物を乾燥させ、乾燥物を0.1〜0.5mm程度に粉砕する。更に、この粉砕物にアルコールと水の混合溶液を加えた後、食品微粉末(主微粉末)を混合する。使用する主微粉末である食品微粉末は、結着用微粉末と同一の微粉末であってもよいし、結着用微粉末と同一の種類であるが異なる平均粒子径を有する微粉末又は異なる種類の微粉末であってもよい。また、微粉末同士を十分結着させ、十分な硬度を有するタブレットとするために、結着用微粉末の重量は、結着用微粉末と主微粉末とを合わせた重量の3%以上となるようにする。ここで、アルコールは混練物の粘りを抑え、成形等を容易にするために加えるものであるため、アルコールを用いずともタブレットの製造を行うことは可能である。主微粉末と、結着用微粉末のアルコール・水混合溶液との混合物が均一になるように十分に混練後、この混練物を乾燥、粉砕する。更に、これを篩い分けにより十分細かい粒子を調整した後、タブレット型を備えた打錠機を用いて1×108N/m2以上で加圧することにより、タブレットを成形する。
【0010】
微粉末同士を結着させる多糖類は水溶性であるため、水と混練した結着用微粉末の固形分を濾過等して水溶性成分のみを取り出し、これを主微粉末に加えてタブレットを製造してもよい。ここで、溶出の際に結着用微粉末重量の40%程度が水溶性成分として取り出せるため、主微粉末に加える水溶性成分は主微粉末重量の1重量%程度でよい。
なお、微粉末を錠剤化した際、微粉末粒子がほぼ最密充填され、タブレットが崩れないようにするために、主微粉末の平均粒子径は60μm以下とすることが望ましい。
【0011】
本発明の食品タブレットの製造方法では、海藻又は野菜又は果物から取り出すことのできる多糖類に着目し、これを微粉末の結着剤として使用する。このため、以上において、海藻等を微粉末化し、これを水と混練することにより多糖類を十分溶出させているが、粉砕しない海藻等を煎じる等して取り出した多糖類を使用してタブレットを製造することも可能である。
【0012】
また、以上においては、海藻等から取り出した多糖類を食品微粉末と混合し、食品タブレットを製造する方法について述べたが、海藻等から取り出した多糖類を有機および/又は無機の微粉末と混合することにより、薬剤その他の固形状物質を製造することも可能である。
【0013】
【発明の効果】
タブレットの原料に含まれる多糖類が結着剤として働くため、デキストリン等の通常の結着剤を使用する必要がない。また、多糖類が粉末の表面をコーティングするため、打錠前に調整された粒子に滑沢性が生じ、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤を使用しなくても原料供給機から打錠機への装入がスムーズに行われる。その結果、100%自然食品素材で構成されたタブレットを製造することが可能となる。
【0014】
【実施例】
(実施例1)
焼き海苔を粉砕して得た平均粒子径250μmの微粉末5g(結着用)に10倍量以上の水を加えて、一昼夜混練した。その後該混練物を100℃で乾燥し十分に水を除いた後、乾燥混練物物を0.1〜0.5mm程度の粒径となるように粉砕した。この粉砕物をエタノール500gと水100gとの混合溶液中に投入し十分撹拌した後、焼き海苔を粉砕して得た平均粒子径250μmの微粉末495gを加えて十分混練した。これを70℃で乾燥した後破砕造粒し、篩い分けにより14メッシュ以下の粒子を調整し、打錠機でタブレットに成形した。
【0015】
同様のことを平均粒子径250μmの微粉末15g,25g,50g,100g(タブレット製造に使用する微粉末総重量の3,5,10,20%)に対して行いタブレットを得た。この際、結着用微粉末とエタノール・水混合溶液との混練物には、使用微粉末の総重量が500gになるようにそれぞれ485g,475g,450g,400gの海苔微粉末を加えてタブレットを得た。
同様のことを平均粒子径64μm、39μm、および18μmの微粉末についても行い、多糖類溶出時に使用する微粉末量及びその微粉末の平均粒子径の異なるタブレットを得た。
【0016】
以上で得られたそれぞれのタブレットについて、木屋式硬度計を用いて硬度を測定した。その結果を図1に示す。なお、グラフ横軸の結着用微粉末量は、使用微粉末総重量(結着用微粉末量+主微粉末量)に対する割合で表している。
図に示されたように、平均粒子径39μmのときは微粉末総重量に対して10%程度の微粉末を、平均粒子径18μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、輸送中にタブレットが崩壊しないといわれる硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0017】
(実施例2)
平均粒子径280μm、57μm、38μm、15μmのわかめ微粉末に対して、実施例1と同様の作業を行い、結着用微粉末の平均粒子径及び結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図2に示す。
図に示されたように、平均粒子径38μmのときは微粉末総重量に対して10%程度の微粉末を、平均粒子径15μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0018】
(実施例3)
平均粒子径260μm、68μm、37μm、16μmの人参微粉末に対して、実施例1と同様の作業を行い、結着用微粉末の平均粒子径及び結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図3に示す。
図に示されたように、平均粒子径37μmのときは微粉末総重量に対して10%程度の微粉末を、平均粒子径15μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0019】
(実施例4)
平均粒子径270μm、56μm、39μm、15μmのイチゴ微粉末に対して、実施例1と同様の作業を行い、結着用微粉末の平均粒子径及び結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図4に示す。
図に示されたように、平均粒子径39μmのときは微粉末総重量に対して20%程度の微粉末を、平均粒子径15μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0020】
(実施例5)
平均粒子径18μmの焼き海苔微粉末5gに10倍量以上の水を加えて、一昼夜混練した。その後該混練物を100℃で乾燥し十分に水を除いた後、乾燥混練物物を0.1〜0.5mm程度の粒径となるように粉砕した。この粉砕物をエタノール500gと水100gとの混合溶液中に投入し十分撹拌した後、アガリクスを粉砕して得た平均粒子径40μmの微粉末495gを加えて十分混練した。これを70℃で乾燥した後破砕造粒し、篩い分けにより14メッシュ以下の粒子を調整し、打錠機でタブレットに成形した。
同様のことを平均粒子径18μmの海苔微粉末15g,25g,50g,100gに対して行い、結着用微粉末量の異なるタブレットを得た。この際、エタノール・水混合溶液と海苔の混練物には、使用微粉末の総重量が500gになるようにそれぞれ485g,475g,450g,400gのアガリクス微粉末を加えてタブレットを得た。
【0021】
それぞれのタブレットについて、硬度を測定した結果を図5に示す。
図に示されたように、海苔微粉末の平均粒子径が18μmのときは微粉末総重量に対して3%程度の微粉末を結着用微粉末として使用した場合に、硬度2kgfを確保できることがわかった。
【0022】
以上の実施例5においては、海苔微粉末を水と混練し、それをそのままアガリクス微粉末と混練している。しかし、アガリクスの持つ風味等をより引き出すために、海苔微粉末と水の混練物から水溶性成分のみ取り出し、これをアガリクス微粉末に加えるようにしてタブレットを製造することも可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】海苔タブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図2】わかめタブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図3】人参タブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図4】イチゴタブレットにおける、各結着用微粉末粒子径での結着用微粉末量とタブレット硬度の関係図。
【図5】アガリクスタブレットにおける、結着用海苔微粉末量とタブレット硬度の関係図。
Claims (8)
- 結着用微粉末である平均粒子径40μm以下の海藻又は野菜又は果物の微粉末と水を30分以上混練したものと、主微粉末である食品微粉末とを混合して製造することを特徴とする食品タブレットの製造方法。
- 結着用微粉末を、該結着用微粉末と主微粉末の総重量の3%以上使用することを特徴とする請求項1に記載の食品タブレットの製造方法。
- 平均粒子径60μm以下の主微粉末を使用することを特徴とする請求項1又は2に記載の食品タブレットの製造方法。
- 結着用微粉末と水との混練物と、主微粉末とを混合したものを、1×108N/m2以上で加圧してタブレットに成形することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食品タブレットの製造方法。
- 平均粒子径40μm以下の結着用微粉末を水と混練した混練物から得られる水溶性成分と、主微粉末とを混合して製造することを特徴とする食品タブレットの製造方法。
- 海藻又は野菜又は果物から溶出させた水溶性成分を、主微粉末に1重量%以上混合して製造することを特徴とする食品タブレットの製造方法。
- 結着用微粉末を水と混練した混練物、又は該混練物から得られる水溶性成分、又は海藻もしくは野菜もしくは果物から溶出させた水溶性成分と、主微粉末とを混合したものから成ることを特徴とする食品タブレット。
- 結着用微粉末を水と混練した混練物、又は該混練物から得られる水溶性成分、又は海藻もしくは野菜もしくは果物から溶出させた水溶性成分と、有機および/もしくは無機の微粉末とを混合したものから成ることを特徴とする固形状物質。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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---|---|---|---|
JP2003132301A JP2004329155A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 食品タブレットの製造方法 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6163253A (ja) * | 1984-09-05 | 1986-04-01 | Shuzo Nakazono | 動物・魚介類及び野菜・果実類を原料とした食品又は飼料 |
JPH0391454A (ja) * | 1989-08-21 | 1991-04-17 | Varga Elemer | 果実粉末の製造方法 |
JPH05168414A (ja) * | 1991-12-19 | 1993-07-02 | Kanebo Ltd | 難溶性打錠食品及びその製法 |
JP2002001155A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-01-08 | Kenjiro Makino | 超微粉砕された天然物の製法、超微粉砕された天然物および該製法に用いる粉砕装置 |
JP2002065213A (ja) * | 2000-08-31 | 2002-03-05 | Hakuju Life Science Co Ltd | 固形剤の製造法 |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003132301A patent/JP2004329155A/ja active Pending
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