JP2004329011A - 植物栽培方法とその栽培装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の袋栽培においては、袋が外気に晒されて植物の苗が外気温の影響を受け、成長が阻害される。
【解決手段】地中に埋設した容器内の培土に植物を直に又は育苗ポットごと植え、その植物に外部から水、液肥等の液体を供給して植物を栽培する。前記容器内の培土を加温して温度調節する。また、使用後の培土を容器ごと地中から取り出して他の培土入り容器と交換し、新たな容器で植物を栽培する。植物栽培装置として、地中に形成した収容空間内に埋設した容器と、容器内に直に又は育苗ポットごと植えた植物に液体を供給する液体供給装置とを備え、配給ホースを各容器毎又は各育苗ポット毎に配管した。前記収容空間内または容器内に容器内又は育苗ポット内の培土を加温する加温体を備えた。前記容器に排液孔が形成され、排液孔から排出された液体を回収して外部に排出する排水管を収容空間内に配置した。容器の外側又は内側に防根シートを配置した。
【選択図】 図1
【解決手段】地中に埋設した容器内の培土に植物を直に又は育苗ポットごと植え、その植物に外部から水、液肥等の液体を供給して植物を栽培する。前記容器内の培土を加温して温度調節する。また、使用後の培土を容器ごと地中から取り出して他の培土入り容器と交換し、新たな容器で植物を栽培する。植物栽培装置として、地中に形成した収容空間内に埋設した容器と、容器内に直に又は育苗ポットごと植えた植物に液体を供給する液体供給装置とを備え、配給ホースを各容器毎又は各育苗ポット毎に配管した。前記収容空間内または容器内に容器内又は育苗ポット内の培土を加温する加温体を備えた。前記容器に排液孔が形成され、排液孔から排出された液体を回収して外部に排出する排水管を収容空間内に配置した。容器の外側又は内側に防根シートを配置した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は植物栽培方法とそれに使用される栽培装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
野菜、果物などの植物は通常は畑に植えて栽培されている。近年は樹脂製の袋内に培土を入れ、その培土入りの袋を畑に並べて、その培土に植物を植えて栽培することも行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した、畑で栽培する方法では、同じ土地で長年栽培を繰り返すと連作障害が発生するという課題がある。従来は、連作障害の抑制、防止のために農薬を使用することが行なわれているが、長年、農薬を使い続けると薬害が発生してしまうという不都合がある。
【0004】
前記した、袋を使用する栽培方法では、培土を袋ごと交換することにより連作障害を阻止することができるが、その栽培方法では袋を地上に設置するため、袋が外気に晒されて外気温の影響を受け易く、温度管理が難しく、植物の成長に好適な栽培環境が得られにくいという課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、連作障害が発生することなく、温度、湿度等の管理もし易く、植物の成長に適した栽培環境を作り易い植物栽培方法とそれに使用される植物栽培装置を提供することにある。
【0006】
本件出願の植物栽培方法は、地中に埋設された容器内の培土に植物を直にまたは育苗ポットごと植え、その植物に外部から水、液肥等の液体を供給して植物を栽培する方法である。この場合、地中に埋設された容器内の培土及び/又は育苗ポット内の培土を加温して温度調節することもできる。使用後の培土を容器ごと地中から取り出して他の培土入り容器と交換し、交換後の新たな容器内の培土で植物を栽培することもできる。
【0007】
本件出願の植物栽培装置は、地中の収容空間内に埋設された容器と、容器内に直にまたは育苗ポットごと植えられた植物に水、液肥等の液体を供給する液体供給装置を備え、液体供給装置は配給ホースを備え、配給ホースが各容器毎または各ポット毎に配管されたものである。収容空間内または容器内に加温体を設けて、容器内または/及び育苗ポット内の培土を加温して温度調節できるようにしてある。容器にその内部の液体を排出する排液孔を形成し、収容空間内に容器の排液孔から排出された液体を回収して外部に排出する排水管を敷設してある。容器の外側又は内側に防根シートが配置したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(植物栽培方法の実施形態1)
本発明の植物栽培方法の実施形態の一例を図1、図2を参照して説明する。この植物栽培方法は例えば図1、図2に示すように、畑に形成された穴、溝などの収容空間1内に多数の容器2を一列に並べて埋設し、その容器2内の培地3に植物4を植え、その植物4に液体供給装置の配給ホース5の先端部15より、水、液肥等の液体を供給して植物4を栽培する方法である。この場合、液体を容器2内の培土3に供給して、容器2内の培土3を図2のように収容空間1内に埋設された電熱ヒータとか給湯パイプなどの加温体6により加温して、培土3の温度を調節するのが良い。容器2の底或いはその近くには容器2内の液体を容器2の外に排出する排液孔9を形成し、収容空間1内に排水管10を敷設し、その排水管10により容器2の排液孔9から排出された液体を回収できるようにしてある。また、収容空間1の周辺の地表面を、例えば黒色のマルチフィルムで被覆して、収容空間1の周辺の地中温度を昇温、保温させることもできる。そのフィルムの全部又は一部を剥がしたり、被せたりすることにより地中温度を調節することもできる。
【0009】
図1、図2では説明の便宜上、容器2は一列しか図示されていないが、実際は収容空間1が横に並んで多数本形成されており、それら収容空間1内に埋設されている。この場合、隣接する収容空間1の間には作業者が通行できる幅だけ空間を設けてあり、その空間を作業者の通行可能な通路としてある。
【0010】
(植物栽培方法の実施形態2)
図1、2に示す植物栽培方法では容器2内の培土3に植物4を直に植えてあるが、本発明では図3に示すように育苗ポット8に育苗された植物4を、育苗ポット8ごと容器2内の培土3に植えることもできる。この場合は配給ホース5により液体を育苗ポット8の培土3に供給して植物4を栽培する。また、実施形態1の場合と同様に、収容空間1内に埋設された電熱ヒータとか給湯パイプなどの加温体6(図2)により容器2内の培土3を加温して培土3の温度を調節したり、排水管10により容器2の排液孔9から排出された液体を回収できるようにしてある。図3の場合も、容器2は収容空間1内に横一列に多数並べられ、横にも多数列、配列されている。
【0011】
(植物栽培装置の実施形態1)
本発明の植物栽培装置の実施例を図1、図2を参照して説明する。この植物栽培装置は地中に形成された収容空間1内に埋設された容器2と、図2のように容器2内の培土3に直に植えられた植物4に水、液肥等の液体を供給する液体供給装置を備え、液体供給装置は配給ホース5を備え、配給ホース5が各容器2毎に配管されたものである。
【0012】
図示した収容空間1は地中に掘削された溝である。この溝は農業用ハウス内とか、屋外の畑とか、その他の箇所に掘削されており、多数の容器2を一列に並べて収容することができる長さ(例えば数十m)にしてある。図2の収容空間1の深さDや幅W等は収容する容器2の高さ、幅等のサイズよりも少し大きめにして、その内部に容器2を収容できるようにしておく。
【0013】
図1、2では収容空間1の底に排水管10を敷設し、その上に加温体6を敷設し、その上に容器2を載せてある。本実施形態の場合、容器2を樹脂製の袋としてあるため、図2のように容器2の底が加温体6に被さっている。
【0014】
前記排水管10は容器2の排出孔9から排出される液体を回収して収容空間1の外部に排出するためのものである。排水管10には硬質樹脂製のものが適するがそれに限られない。排水管10の太さも排出に適するように任意に選択する。排水管10の上部には回収口12が開口されている。この回収口12は容器2の排出孔9から排出される液体を回収するためのものであり、排水管10の頂面よりやや側面下部に2本平行に開口されている。排水管10は各収容空間1内に配管されており、それら排水管10内を流れてきた排水は夫々の排水管10の終端出口から流出されるようにしてもよいが、各排水管10の終端出口を連結して夫々の配水管10内を流れてきた排水をまとめて回収して外部に流出できるようにすることもできる。
【0015】
前記加温体6は容器2内の培土を加温するためのものであり、容器2が配列された列毎の収容空間1内に敷設されている。加温体6には加熱用ヒータとか給湯用パイプ等が使用される。加熱用ヒータが使用された場合は、それに通電して培土3を加温し、給湯用パイプが使用された場合はそれに湯を流して容器2内の培土3を加温する。加温体6に給湯用パイプを使用した場合、湯温は季節や外気温により調節して、容器2内の培土3を加温するのに適する温度に調節する。給湯用パイプには耐熱樹脂製の硬質パイプとか、金属性のパイプなどを使用することができる。給湯用パイプ内に供給する湯(温水)の温度は供給側で25℃〜30℃、終端側では16℃〜17℃となる程度とすることができるが、これに限られるものではない。各列の収容空間1内に配管された給湯パイプは供給端部同士を連結して、一箇所から供給された湯が連結された全ての給湯パイプに供給されるようにし、終端部同士を連結して各給湯パイプを流れてきた湯をまとめて回収して温水タンクに戻して、タンク−配給管−給湯パイプ−タンクの温水循環経路が形成されるようにしてある。また、加温体6は地中温度をセンサで検知し、そのデータに基づいて、自動的に加温温度が昇降して地中温度を自動調節できるようにしてある。
【0016】
図示した容器2は樹脂製の袋であるが、容器2は他の形状、材質、構造のものであってもよく、例えば、耐水性のある紙製の袋とか、樹脂製のプランター等とすることもできる。容器2のサイズは植える植物4の種類により異なる。例えば、トマトを2〜3本程度栽培する場合は、横幅60cm、高さ40cm程度(容量20リットル程度)の横長の樹脂製の袋が適するがこのサイズに限定されず、植える植物4の種類や本数等によって選択することができる。容器2の底又はその近辺には容器2内の液体を排出する排液孔9が複数個開口されて、その孔から余分な水や液肥等が排出されるようにしてある。
【0017】
容器2の内部には図1、図2に示すように培土3が充填されている。培土3には植物4の栽培に適した土や土の代わりになる各種のものを培土として使用することができる。収容空間1に埋設された袋は、上面が開口されて開口部14が形成されている。この容器(袋)2は収容空間1内に収容されて周壁が地中に埋設されているが、開口部14は開口したままとなっている。
【0018】
収容空間1と容器2の間には図1、図2に示すように防根シート13が配置されている。防根シート13は通水性や通気性はあるが、植物の根は通過できないシートである。防根シート13は収容空間1内へ容器2を収容する前に予め収容空間1内に配置しておき、それから収容空間1内へ容器2を収容すれば、収容空間1と容器(袋)2の間に配置される。この場合、防根シート13は1本の収容空間1内へ連続して配置して、収容空間1内へ一列に収容配置される複数個の容器2の外周をその防根シート13によって被覆するようにしたり、収容空間1内の個々の容器2の外側に配置したりすることが出来る。防根シート13は予め容器2の外周面に貼り付けておいて、収容空間1内へ容器2を収容するだけで自動的に収容空間1と容器2の間に配置されるようにすることも出来る。また、防根シート13は容器(袋)2を製造するときに容器2の内面に貼り付けておくこともできる。
【0019】
前記液体供給装置は容器2内に水、液体肥料などの液体を供給するためのものである。液体供給装置は液体タンクと、液体タンクからポンプにより送り出される図1の配液管11と、配液管11から図1のように分岐された配給ホース5を備えている。配液管11は地中に埋設されている容器2に沿って配管されており、配給ホース5は各容器2毎に分岐されて、図1に示すように個々の容器2に植物4が2本づつ植えられており、夫々の植物4毎に配給ホース5を配管して、各植物4に個別に給液することができるようにしてある。配給ホース5は個々の容器2に1本ずつ配置したり、植物4の本数より多く配管したりすることもできる。配給ホース5には樹脂製のチューブ、金属パイプ等、適宜のものを使用することが出来るが、先端部15は液体を点滴状にして送り出すことのできる針状にしてあり、その先端部15を容器2内の培土3に差し込んで、配液管11から送られる液体を点滴状に培土3中に供給できるようにしてある。配給ホース5の先端部15の差込位置は容器2内の培土3内であれば任意であるが、培土3に植えてある植物4の根元付近に差し込むと植物4の成長に効果的であって望ましい。配給ホース5の先端部15は培土3に差し込まなくともよく、培土3の近くから滴下させたり、噴霧したり、散布したりしてもよい。また、配給ホース5の根元側は配液管11中に差し込んで配液管11に固定してある。液体供給装置は容器2内の培土3や育苗ポット8内の培土3の湿度を湿度センサで検知し、そのデータに基づいて、自動的に液体供給を開始、停止して、培土の湿度を自動調節できるようにしてある。
【0020】
容器2が埋設された収容空間1の周辺の地表面はシートやフィルム等の被覆材により被覆して地中温度を保温、昇温させることができる。保温、昇温のためにはフィルムに黒色のマルチフィルムを使用するのが適する。この場合、容器2の横から通路までの地表面全面を被覆してもよく、通路は被覆せずに容器2の横(周囲)だけを被覆することもできる。被覆材は被覆したままにしておいてもよいが、必要であれば、温度の高い季節や時間帯には、部分的に捲ったりして地中温度が必要以上に上がらないように温度調節することもできる。
【0021】
(植物栽培装置の実施形態2)
前記実施形態1においては、図1、2に示すように植物を容器2内の培土に直に植えてあるが、本実施形態は図3に示すように、容器2内の培土に育苗ポット8ごと植えたものであり、配給ホース5の先端部15を各育苗ポット8内の培土3に差し込んで配管し、その先端部15から液体を点滴状に培土3に供給するようにしてある。この場合、配給ホース5の先端部15を育苗ポット8内の培土3の近くに配置し、その先端部15から液体を培土3に噴霧したり、散布したりすることもできる。また、容器2内の培土3にも液体を供給するようにしてもよく、容器2内の培土3と育苗ポット8内の培土との両方に供給するようにしてもよい。
【0022】
育苗ポット8には種々の形状、材質のものがあるが、例えば、苗を植えて市販されているような黒色の樹脂製のもの(市販されている花や木の苗が植えられているもの)とか、硬質樹脂製のもの等が適する。図3のように育苗ポット8ごと植えた場合は、容器2内の培土3が加温体6により加温されると育苗ポット8内の培土3も加温される。
【0023】
(植物栽培装置の実施形態3)
図1〜図3の収容空間1は溝であるが、収容空間は縦穴とすることも出来る。この場合、縦穴のサイズは容器を1個ずつ個別に収容可能な大きさとしたり、容器を数個ずつ並べて収容可能な横長の穴としたりすることができる。縦穴の場合は、図2に示す加温体6や排水管10は縦穴を貫通して形成するとか、縦穴の横に敷設するなどして、多くの縦穴内に収容埋設された容器内の培土を効率よく加温でき、確実に排水できるようにする。
【0024】
また、前記実施形態1においては、容器2内の培土3に植えられた植物4に水、液肥等の液体を供給するために配液管11及び供給ホース5を用いたが、液体を植物4に供給できる装置であれば液体供給装置の構成はこれに限られるものではない。例えば、ポンプから植物に直接、液体を供給できるように配管したり、容器の真上に液体を送るパイプを架設し、そのパイプに孔をあけて、その孔から霧状、点滴状といった各種状態で下方の容器内の培土に水、液肥等を供給することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
本件出願の請求項1〜請求項3記載の植物栽培方法は、地中に埋設された培土入りの袋内の培土に植物の苗を植えて栽培するので、次のような効果がある。
(1)容器の外周面が収容空間の土壌で被覆されるので、容器内の温度が外気温の影響を受けにくくなり、容器内の温度管理が容易になり、植物の栽培に適した温度環境を作り出すことができる。また、容器が傾斜したり、倒れたりすることも無く、安定する。
(2)植物を栽培することにより、容器内の培土がやせたり、培土に病害虫が入り込んだり、連作障害がおきそうになったら、容器を地中から取り出して他の容器と交換すれば、使用済みの古い培土を新しい培土と手軽に交換することが出来、植物を病害虫や連作障害から回避することができる。
(3)連作障害を抑制したり、防止したりするために農薬を使用する必要がないため、農薬による土壌のいたみも生じない。
(4)いずれかの容器内の植物に障害が発生しそうになったり、発生した場合には、その容器を交換するだけでその植物を元気な植物と交換することが出来るため、植え替えも容易である。
(5)植物を容器ごと交換して植え替えが出来るので、植物を植え替えても植物の根が切れたり傷んだりすることが無く、植物に負担がかからず、植物の成長が阻害されない。
【0026】
本件出願の請求項2記載の植物栽培方法は、容器内の培土を加温して温度調節するので、より一層、栽培に適した栽培環境を作ることができ、植物の順調な成長と収穫量の増加をもたらすことが出来る。
【0027】
本件出願の請求項3記載の植物栽培方法は、使用後の培度を容器ごと地中から取り出して他の培土入り容器と交換し、交換後の新たな容器内の培土で植物を栽培するので、前記効果の他に次のような効果もある。
(1)連作障害や病害虫から確実に回避でき、植物の生育、成長が良好になり、品質の良好な植物や果実の収穫と増収が可能となる。
(2)交換した古い培土は、他の場所へ移動して、使用前の状態に回復させることができる。
【0028】
本件出願の請求項4〜請求項7記載の植物栽培装置は、地中に形成された収容空間内に埋設された容器と、容器内に直に又は育苗ポットごと植えられた植物に水、液肥等の液体を供給する液体供給装置とを備え、液体供給装置は配給ホースを備え、配給ホースが各容器毎又は各育苗ポット毎に配管されているので、次のような効果がある。
(1)容器が地中に埋設されて、容器の外周面が収容空間の土壌で被覆されているので、容器内の温度が外気温の影響を受けにくくなり、容器内の温度管理が容易になり、植物の栽培に適した温度環境を作り出すことができる。また、容器が傾斜したり、倒れたりすることも無く、安定する。
(2)液体供給装置を設けたので、必要に応じて容器内の培土に水、液肥等の液体を供給することができ、植物の生育、成長に適した栽培環境を作り出すことができる。
(3)液体供給装置が各容器毎又は各育苗ポット毎に配管されているので、個々の容器又は育苗ポット毎の水分管理ができ、個々の容器又は各育苗ポットの植物の生育、成長に適した水分や液肥の管理ができる。
【0029】
本件出願の請求項5記載の植物栽培装置は、収容空間内または容器内に容器内又は育苗ポット内の培土を加温する加温体を備えたので、上記の効果に加えて、加温体を作動、停止させることにより前記培土の温度を、植物の育成、成長に適するように調節することができる、という効果もある。
【0030】
本件出願の請求項6記載の植物栽培装置は、容器に排液孔が形成され、排液孔から排出された液体を回収して外部に排出する排水管が収容空間内に配置されたので、上記効果に加えて、容器内、収容空間内の排水が確実になり、水分過多になって根腐れしたり、水分過多が原因で培土に病原菌が発生することもない、という効果もある。
【0031】
本件出願の請求項7記載の植物栽培装置は、容器の外側又は内側に防根シートが配置されているので、上記効果に加えて次のような効果もある。
(1)容器内の植物の根が容器の外に張りだすことがないため、植物栽培中の容器を収容空間から取り出して移動しても、植物の根が損傷したり、切断したりすることが無く、植物の生育、成長が阻害されない。
(2)容器内の植物の根に病原菌が付着していても、その根は容器の外に張り出さないので、病原菌が容器の外の土壌に伝染することが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植物栽培装置の実施形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す植物栽培装置の側面断面図。
【図3】図1に示す植物栽培装置の正面断面説明図。
【符号の説明】
1 収容空間
2 容器
3 培土
4 植物
5 配給ホース
6 加温体
8 育苗ポット
9 排水孔
10 排水管
11 配液管
13 防根シート
【発明の属する技術分野】
本発明は植物栽培方法とそれに使用される栽培装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
野菜、果物などの植物は通常は畑に植えて栽培されている。近年は樹脂製の袋内に培土を入れ、その培土入りの袋を畑に並べて、その培土に植物を植えて栽培することも行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した、畑で栽培する方法では、同じ土地で長年栽培を繰り返すと連作障害が発生するという課題がある。従来は、連作障害の抑制、防止のために農薬を使用することが行なわれているが、長年、農薬を使い続けると薬害が発生してしまうという不都合がある。
【0004】
前記した、袋を使用する栽培方法では、培土を袋ごと交換することにより連作障害を阻止することができるが、その栽培方法では袋を地上に設置するため、袋が外気に晒されて外気温の影響を受け易く、温度管理が難しく、植物の成長に好適な栽培環境が得られにくいという課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、連作障害が発生することなく、温度、湿度等の管理もし易く、植物の成長に適した栽培環境を作り易い植物栽培方法とそれに使用される植物栽培装置を提供することにある。
【0006】
本件出願の植物栽培方法は、地中に埋設された容器内の培土に植物を直にまたは育苗ポットごと植え、その植物に外部から水、液肥等の液体を供給して植物を栽培する方法である。この場合、地中に埋設された容器内の培土及び/又は育苗ポット内の培土を加温して温度調節することもできる。使用後の培土を容器ごと地中から取り出して他の培土入り容器と交換し、交換後の新たな容器内の培土で植物を栽培することもできる。
【0007】
本件出願の植物栽培装置は、地中の収容空間内に埋設された容器と、容器内に直にまたは育苗ポットごと植えられた植物に水、液肥等の液体を供給する液体供給装置を備え、液体供給装置は配給ホースを備え、配給ホースが各容器毎または各ポット毎に配管されたものである。収容空間内または容器内に加温体を設けて、容器内または/及び育苗ポット内の培土を加温して温度調節できるようにしてある。容器にその内部の液体を排出する排液孔を形成し、収容空間内に容器の排液孔から排出された液体を回収して外部に排出する排水管を敷設してある。容器の外側又は内側に防根シートが配置したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
(植物栽培方法の実施形態1)
本発明の植物栽培方法の実施形態の一例を図1、図2を参照して説明する。この植物栽培方法は例えば図1、図2に示すように、畑に形成された穴、溝などの収容空間1内に多数の容器2を一列に並べて埋設し、その容器2内の培地3に植物4を植え、その植物4に液体供給装置の配給ホース5の先端部15より、水、液肥等の液体を供給して植物4を栽培する方法である。この場合、液体を容器2内の培土3に供給して、容器2内の培土3を図2のように収容空間1内に埋設された電熱ヒータとか給湯パイプなどの加温体6により加温して、培土3の温度を調節するのが良い。容器2の底或いはその近くには容器2内の液体を容器2の外に排出する排液孔9を形成し、収容空間1内に排水管10を敷設し、その排水管10により容器2の排液孔9から排出された液体を回収できるようにしてある。また、収容空間1の周辺の地表面を、例えば黒色のマルチフィルムで被覆して、収容空間1の周辺の地中温度を昇温、保温させることもできる。そのフィルムの全部又は一部を剥がしたり、被せたりすることにより地中温度を調節することもできる。
【0009】
図1、図2では説明の便宜上、容器2は一列しか図示されていないが、実際は収容空間1が横に並んで多数本形成されており、それら収容空間1内に埋設されている。この場合、隣接する収容空間1の間には作業者が通行できる幅だけ空間を設けてあり、その空間を作業者の通行可能な通路としてある。
【0010】
(植物栽培方法の実施形態2)
図1、2に示す植物栽培方法では容器2内の培土3に植物4を直に植えてあるが、本発明では図3に示すように育苗ポット8に育苗された植物4を、育苗ポット8ごと容器2内の培土3に植えることもできる。この場合は配給ホース5により液体を育苗ポット8の培土3に供給して植物4を栽培する。また、実施形態1の場合と同様に、収容空間1内に埋設された電熱ヒータとか給湯パイプなどの加温体6(図2)により容器2内の培土3を加温して培土3の温度を調節したり、排水管10により容器2の排液孔9から排出された液体を回収できるようにしてある。図3の場合も、容器2は収容空間1内に横一列に多数並べられ、横にも多数列、配列されている。
【0011】
(植物栽培装置の実施形態1)
本発明の植物栽培装置の実施例を図1、図2を参照して説明する。この植物栽培装置は地中に形成された収容空間1内に埋設された容器2と、図2のように容器2内の培土3に直に植えられた植物4に水、液肥等の液体を供給する液体供給装置を備え、液体供給装置は配給ホース5を備え、配給ホース5が各容器2毎に配管されたものである。
【0012】
図示した収容空間1は地中に掘削された溝である。この溝は農業用ハウス内とか、屋外の畑とか、その他の箇所に掘削されており、多数の容器2を一列に並べて収容することができる長さ(例えば数十m)にしてある。図2の収容空間1の深さDや幅W等は収容する容器2の高さ、幅等のサイズよりも少し大きめにして、その内部に容器2を収容できるようにしておく。
【0013】
図1、2では収容空間1の底に排水管10を敷設し、その上に加温体6を敷設し、その上に容器2を載せてある。本実施形態の場合、容器2を樹脂製の袋としてあるため、図2のように容器2の底が加温体6に被さっている。
【0014】
前記排水管10は容器2の排出孔9から排出される液体を回収して収容空間1の外部に排出するためのものである。排水管10には硬質樹脂製のものが適するがそれに限られない。排水管10の太さも排出に適するように任意に選択する。排水管10の上部には回収口12が開口されている。この回収口12は容器2の排出孔9から排出される液体を回収するためのものであり、排水管10の頂面よりやや側面下部に2本平行に開口されている。排水管10は各収容空間1内に配管されており、それら排水管10内を流れてきた排水は夫々の排水管10の終端出口から流出されるようにしてもよいが、各排水管10の終端出口を連結して夫々の配水管10内を流れてきた排水をまとめて回収して外部に流出できるようにすることもできる。
【0015】
前記加温体6は容器2内の培土を加温するためのものであり、容器2が配列された列毎の収容空間1内に敷設されている。加温体6には加熱用ヒータとか給湯用パイプ等が使用される。加熱用ヒータが使用された場合は、それに通電して培土3を加温し、給湯用パイプが使用された場合はそれに湯を流して容器2内の培土3を加温する。加温体6に給湯用パイプを使用した場合、湯温は季節や外気温により調節して、容器2内の培土3を加温するのに適する温度に調節する。給湯用パイプには耐熱樹脂製の硬質パイプとか、金属性のパイプなどを使用することができる。給湯用パイプ内に供給する湯(温水)の温度は供給側で25℃〜30℃、終端側では16℃〜17℃となる程度とすることができるが、これに限られるものではない。各列の収容空間1内に配管された給湯パイプは供給端部同士を連結して、一箇所から供給された湯が連結された全ての給湯パイプに供給されるようにし、終端部同士を連結して各給湯パイプを流れてきた湯をまとめて回収して温水タンクに戻して、タンク−配給管−給湯パイプ−タンクの温水循環経路が形成されるようにしてある。また、加温体6は地中温度をセンサで検知し、そのデータに基づいて、自動的に加温温度が昇降して地中温度を自動調節できるようにしてある。
【0016】
図示した容器2は樹脂製の袋であるが、容器2は他の形状、材質、構造のものであってもよく、例えば、耐水性のある紙製の袋とか、樹脂製のプランター等とすることもできる。容器2のサイズは植える植物4の種類により異なる。例えば、トマトを2〜3本程度栽培する場合は、横幅60cm、高さ40cm程度(容量20リットル程度)の横長の樹脂製の袋が適するがこのサイズに限定されず、植える植物4の種類や本数等によって選択することができる。容器2の底又はその近辺には容器2内の液体を排出する排液孔9が複数個開口されて、その孔から余分な水や液肥等が排出されるようにしてある。
【0017】
容器2の内部には図1、図2に示すように培土3が充填されている。培土3には植物4の栽培に適した土や土の代わりになる各種のものを培土として使用することができる。収容空間1に埋設された袋は、上面が開口されて開口部14が形成されている。この容器(袋)2は収容空間1内に収容されて周壁が地中に埋設されているが、開口部14は開口したままとなっている。
【0018】
収容空間1と容器2の間には図1、図2に示すように防根シート13が配置されている。防根シート13は通水性や通気性はあるが、植物の根は通過できないシートである。防根シート13は収容空間1内へ容器2を収容する前に予め収容空間1内に配置しておき、それから収容空間1内へ容器2を収容すれば、収容空間1と容器(袋)2の間に配置される。この場合、防根シート13は1本の収容空間1内へ連続して配置して、収容空間1内へ一列に収容配置される複数個の容器2の外周をその防根シート13によって被覆するようにしたり、収容空間1内の個々の容器2の外側に配置したりすることが出来る。防根シート13は予め容器2の外周面に貼り付けておいて、収容空間1内へ容器2を収容するだけで自動的に収容空間1と容器2の間に配置されるようにすることも出来る。また、防根シート13は容器(袋)2を製造するときに容器2の内面に貼り付けておくこともできる。
【0019】
前記液体供給装置は容器2内に水、液体肥料などの液体を供給するためのものである。液体供給装置は液体タンクと、液体タンクからポンプにより送り出される図1の配液管11と、配液管11から図1のように分岐された配給ホース5を備えている。配液管11は地中に埋設されている容器2に沿って配管されており、配給ホース5は各容器2毎に分岐されて、図1に示すように個々の容器2に植物4が2本づつ植えられており、夫々の植物4毎に配給ホース5を配管して、各植物4に個別に給液することができるようにしてある。配給ホース5は個々の容器2に1本ずつ配置したり、植物4の本数より多く配管したりすることもできる。配給ホース5には樹脂製のチューブ、金属パイプ等、適宜のものを使用することが出来るが、先端部15は液体を点滴状にして送り出すことのできる針状にしてあり、その先端部15を容器2内の培土3に差し込んで、配液管11から送られる液体を点滴状に培土3中に供給できるようにしてある。配給ホース5の先端部15の差込位置は容器2内の培土3内であれば任意であるが、培土3に植えてある植物4の根元付近に差し込むと植物4の成長に効果的であって望ましい。配給ホース5の先端部15は培土3に差し込まなくともよく、培土3の近くから滴下させたり、噴霧したり、散布したりしてもよい。また、配給ホース5の根元側は配液管11中に差し込んで配液管11に固定してある。液体供給装置は容器2内の培土3や育苗ポット8内の培土3の湿度を湿度センサで検知し、そのデータに基づいて、自動的に液体供給を開始、停止して、培土の湿度を自動調節できるようにしてある。
【0020】
容器2が埋設された収容空間1の周辺の地表面はシートやフィルム等の被覆材により被覆して地中温度を保温、昇温させることができる。保温、昇温のためにはフィルムに黒色のマルチフィルムを使用するのが適する。この場合、容器2の横から通路までの地表面全面を被覆してもよく、通路は被覆せずに容器2の横(周囲)だけを被覆することもできる。被覆材は被覆したままにしておいてもよいが、必要であれば、温度の高い季節や時間帯には、部分的に捲ったりして地中温度が必要以上に上がらないように温度調節することもできる。
【0021】
(植物栽培装置の実施形態2)
前記実施形態1においては、図1、2に示すように植物を容器2内の培土に直に植えてあるが、本実施形態は図3に示すように、容器2内の培土に育苗ポット8ごと植えたものであり、配給ホース5の先端部15を各育苗ポット8内の培土3に差し込んで配管し、その先端部15から液体を点滴状に培土3に供給するようにしてある。この場合、配給ホース5の先端部15を育苗ポット8内の培土3の近くに配置し、その先端部15から液体を培土3に噴霧したり、散布したりすることもできる。また、容器2内の培土3にも液体を供給するようにしてもよく、容器2内の培土3と育苗ポット8内の培土との両方に供給するようにしてもよい。
【0022】
育苗ポット8には種々の形状、材質のものがあるが、例えば、苗を植えて市販されているような黒色の樹脂製のもの(市販されている花や木の苗が植えられているもの)とか、硬質樹脂製のもの等が適する。図3のように育苗ポット8ごと植えた場合は、容器2内の培土3が加温体6により加温されると育苗ポット8内の培土3も加温される。
【0023】
(植物栽培装置の実施形態3)
図1〜図3の収容空間1は溝であるが、収容空間は縦穴とすることも出来る。この場合、縦穴のサイズは容器を1個ずつ個別に収容可能な大きさとしたり、容器を数個ずつ並べて収容可能な横長の穴としたりすることができる。縦穴の場合は、図2に示す加温体6や排水管10は縦穴を貫通して形成するとか、縦穴の横に敷設するなどして、多くの縦穴内に収容埋設された容器内の培土を効率よく加温でき、確実に排水できるようにする。
【0024】
また、前記実施形態1においては、容器2内の培土3に植えられた植物4に水、液肥等の液体を供給するために配液管11及び供給ホース5を用いたが、液体を植物4に供給できる装置であれば液体供給装置の構成はこれに限られるものではない。例えば、ポンプから植物に直接、液体を供給できるように配管したり、容器の真上に液体を送るパイプを架設し、そのパイプに孔をあけて、その孔から霧状、点滴状といった各種状態で下方の容器内の培土に水、液肥等を供給することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
本件出願の請求項1〜請求項3記載の植物栽培方法は、地中に埋設された培土入りの袋内の培土に植物の苗を植えて栽培するので、次のような効果がある。
(1)容器の外周面が収容空間の土壌で被覆されるので、容器内の温度が外気温の影響を受けにくくなり、容器内の温度管理が容易になり、植物の栽培に適した温度環境を作り出すことができる。また、容器が傾斜したり、倒れたりすることも無く、安定する。
(2)植物を栽培することにより、容器内の培土がやせたり、培土に病害虫が入り込んだり、連作障害がおきそうになったら、容器を地中から取り出して他の容器と交換すれば、使用済みの古い培土を新しい培土と手軽に交換することが出来、植物を病害虫や連作障害から回避することができる。
(3)連作障害を抑制したり、防止したりするために農薬を使用する必要がないため、農薬による土壌のいたみも生じない。
(4)いずれかの容器内の植物に障害が発生しそうになったり、発生した場合には、その容器を交換するだけでその植物を元気な植物と交換することが出来るため、植え替えも容易である。
(5)植物を容器ごと交換して植え替えが出来るので、植物を植え替えても植物の根が切れたり傷んだりすることが無く、植物に負担がかからず、植物の成長が阻害されない。
【0026】
本件出願の請求項2記載の植物栽培方法は、容器内の培土を加温して温度調節するので、より一層、栽培に適した栽培環境を作ることができ、植物の順調な成長と収穫量の増加をもたらすことが出来る。
【0027】
本件出願の請求項3記載の植物栽培方法は、使用後の培度を容器ごと地中から取り出して他の培土入り容器と交換し、交換後の新たな容器内の培土で植物を栽培するので、前記効果の他に次のような効果もある。
(1)連作障害や病害虫から確実に回避でき、植物の生育、成長が良好になり、品質の良好な植物や果実の収穫と増収が可能となる。
(2)交換した古い培土は、他の場所へ移動して、使用前の状態に回復させることができる。
【0028】
本件出願の請求項4〜請求項7記載の植物栽培装置は、地中に形成された収容空間内に埋設された容器と、容器内に直に又は育苗ポットごと植えられた植物に水、液肥等の液体を供給する液体供給装置とを備え、液体供給装置は配給ホースを備え、配給ホースが各容器毎又は各育苗ポット毎に配管されているので、次のような効果がある。
(1)容器が地中に埋設されて、容器の外周面が収容空間の土壌で被覆されているので、容器内の温度が外気温の影響を受けにくくなり、容器内の温度管理が容易になり、植物の栽培に適した温度環境を作り出すことができる。また、容器が傾斜したり、倒れたりすることも無く、安定する。
(2)液体供給装置を設けたので、必要に応じて容器内の培土に水、液肥等の液体を供給することができ、植物の生育、成長に適した栽培環境を作り出すことができる。
(3)液体供給装置が各容器毎又は各育苗ポット毎に配管されているので、個々の容器又は育苗ポット毎の水分管理ができ、個々の容器又は各育苗ポットの植物の生育、成長に適した水分や液肥の管理ができる。
【0029】
本件出願の請求項5記載の植物栽培装置は、収容空間内または容器内に容器内又は育苗ポット内の培土を加温する加温体を備えたので、上記の効果に加えて、加温体を作動、停止させることにより前記培土の温度を、植物の育成、成長に適するように調節することができる、という効果もある。
【0030】
本件出願の請求項6記載の植物栽培装置は、容器に排液孔が形成され、排液孔から排出された液体を回収して外部に排出する排水管が収容空間内に配置されたので、上記効果に加えて、容器内、収容空間内の排水が確実になり、水分過多になって根腐れしたり、水分過多が原因で培土に病原菌が発生することもない、という効果もある。
【0031】
本件出願の請求項7記載の植物栽培装置は、容器の外側又は内側に防根シートが配置されているので、上記効果に加えて次のような効果もある。
(1)容器内の植物の根が容器の外に張りだすことがないため、植物栽培中の容器を収容空間から取り出して移動しても、植物の根が損傷したり、切断したりすることが無く、植物の生育、成長が阻害されない。
(2)容器内の植物の根に病原菌が付着していても、その根は容器の外に張り出さないので、病原菌が容器の外の土壌に伝染することが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植物栽培装置の実施形態の一例を示す斜視図。
【図2】図1に示す植物栽培装置の側面断面図。
【図3】図1に示す植物栽培装置の正面断面説明図。
【符号の説明】
1 収容空間
2 容器
3 培土
4 植物
5 配給ホース
6 加温体
8 育苗ポット
9 排水孔
10 排水管
11 配液管
13 防根シート
Claims (7)
- 地中に埋設された容器内の培土に植物を直に又は育苗ポットごと植え、その植物に外部から水、液肥等の液体を供給して植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
- 請求項1記載の植物栽培方法において、地中に埋設された容器内の培土を加温して温度調節することを特徴とする植物栽培方法。
- 請求項1または請求項2記載の植物栽培方法において、使用後の培土を容器ごと地中から取り出して他の培土入り容器と交換し、交換後の新たな容器内の培土で植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
- 地中に形成された収容空間内に埋設された容器と、容器内に直に又は育苗ポットごと植えられた植物に水、液肥等の液体を供給する液体供給装置とを備え、液体供給装置は配給ホースを備え、配給ホースが各容器毎又は各育苗ポット毎に配管されたことを特徴とする植物栽培装置。
- 請求項4記載の植物栽培装置において、収容空間内または容器内に容器内又は育苗ポット内の培土を加温する加温体を備えたことを特徴とする植物栽培装置。
- 請求項4又は請求項5記載の植物栽培装置において、容器に排液孔が形成され、排液孔から排出された液体を回収して外部に排出する排水管が収容空間内に配置されたことを特徴とする植物栽培装置。
- 請求項4乃至請求項6のいずれかに記載の植物栽培装置において、容器の外側又は内側に防根シートが配置されたことを特徴とする植物栽培装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003125248A JP2004329011A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 植物栽培方法とその栽培装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003125248A JP2004329011A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 植物栽培方法とその栽培装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004329011A true JP2004329011A (ja) | 2004-11-25 |
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ID=33502570
Family Applications (1)
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JP2003125248A Pending JP2004329011A (ja) | 2003-04-30 | 2003-04-30 | 植物栽培方法とその栽培装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2004329011A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009532016A (ja) * | 2005-04-06 | 2009-09-10 | タル−ヤ ウォーター テクノロジーズ リミティド. | 灌漑装置 |
RU2539206C1 (ru) * | 2013-09-24 | 2015-01-20 | Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования "Волгоградский государственный аграрный университет" | Способ возделывания овощных и бахчевых культур |
CN105165321A (zh) * | 2015-08-11 | 2015-12-23 | 玉龙县凤翔旺生态养殖有限责任公司 | 一种滇黄精的栽培方法 |
JP2017221150A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | 元吉 大幅 | 植物栽培装置および潅水制御方法 |
-
2003
- 2003-04-30 JP JP2003125248A patent/JP2004329011A/ja active Pending
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